JP2016129623A - 身体動作補助装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記連結部と係止して前記第2サポート部材に連動して姿勢変位し、前記第1サポート部材に配設された駆動手段と連係するラチェット歯車を備え、
前記第2サポート部材の連結部は、前記回転軸の軸方向における前記ラチェット歯車の幅の範囲内で該可動係合部に係止されていることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、第2サポート部材の連結部が、該第2サポート部材に連動して姿勢変位するラチェット歯車における回転軸の軸方向の幅の範囲内で該ラチェット歯車に係止されているので、回転軸の軸方向における身体動作補助装置の幅を小さくして、該身体動作補助装置を小型かつコンパクトに構成し得る。そして、ラチェット歯車が身体部位に近い位置に配設されるので、身体動作補助装置を身体部位に装着した際の重量感が軽減されて、使用者に負担が掛かり難くし得ると共に装着感が低下することを防止し得る。また、身体部位に対して第1サポート部材および第2サポート部材がずれ難くなり、ずれが生じることにより装着感が低下することも防止し得る。更に、身体動作補助装置が薄肉化されることで、該身体動作補助装置を装着した状態で衣服を着ることが可能となると共に、衣服を着ても目立ち難くなる。
前記嵌合部に前記第2サポート部材の連結部が嵌合することで、前記回転軸の軸方向と直交する方向で該第2サポート部材および前記ラチェット歯車が重なって係止されるよう構成されたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、回転軸の軸方向と直交する方向で第2サポート部材の連結部とラチェット歯車とが重なって係止されるので、回転軸の軸方向における身体動作補助装置の寸法を小さくすることができる。
前記ラチェット爪は、前記回転軸の軸方向における前記ラチェット歯車の幅の範囲内で前記歯溝に係合することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、回転軸の軸方向におけるラチェット歯車の幅の範囲内でラチェット爪が該ラチェット歯車の歯溝に係合されるので、回転軸の軸方向における身体動作補助装置のサイズが可動規制部によって大きくなることを防止し得る。
前記装具は、前記第1サポート部材または第2サポート部材が取り付けられる取付部と、該取付部から前記身体部位に沿って湾曲するように延出する保持部とを備え、
前記保持部は、前記取付部から離間した延出端における該延出方向と交差する方向の中間部に、該取付部側へ凹状となった凹部が設けられ、
前記保持部は、前記延出方向と交差する方向で前記凹部に隣接した部分が個別に変形可能に構成されていることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、身体部位に対して身体動作補助装置のずれが生じた場合に、装具における保持部が凹部に隣接した部分が個別に変形可能であるから、装具が部分的に身体部位に強く押し付けられることを防止され、身体部位を動かす際に装着感が低下することを防止し得る。
実施例の身体動作補助装置SUは、図1〜図4に示すように、作動装置10と、該作動装置10の第1サポート部材(第1部材)20が取り付けられ、左腕Aにおいて肘関節(関節)A3に対し近位身体部位である上腕部A1に着脱可能に装着される第1装具12と、作動装置10の第2サポート部材(第2部材)60が取り付けられ、左腕Aにおいて肘関節(関節)A3に対して遠位身体部位である前腕部A2に着脱可能に装着される第2装具13とを備えている。
身体動作補助装置SUの作動装置10は、上腕部A1に保持される第1サポート体10Aと、第1サポート体10Aに対して回転変位可能に連結されると共に、前腕部A2に保持される第2サポート体10Bとを備えている。また、作動装置10は、第1サポート体10Aに対する第2サポート体10Bの回転変位を規制可能な補助機構14を備えている。更に、作動装置10は、補助機構14を構成する駆動手段である第1作動モータ109および第2作動モータ110(後述)を駆動制御する制御ユニット16を備えている。
前記第1サポート体10Aは、図1〜図4に示すように、補助機構14を構成する部材が配設される第1サポート部材20と、第1サポート部材20における第1装具12の取り付け側と反対側に装着される第1カバー部材24とを備えている。第1サポート体10Aは、第1サポート部材20に対して第1カバー部材24を組み付けることで、補助機構14の各部材や後述するバッテリーBTを収容可能な第1収容空間26が内部に画成される。
前記第1サポート部材20は、図2〜図5に示すように、身体動作補助装置SUを左腕Aに装着した際に上腕部A1の左部に位置して、該上腕部A1の長手方向(前後方向)が長手となるプレート状に形成されている。第1サポート部材20は、その前後方向の略中間から前側が、前述した補助機構14が配設される第1配設部20aとなっていると共に、該第1配設部20aの後側が、補助機構14の後述する第1作動モータ109および第2作動モータ110に対して電源を供給するバッテリーBT等が配設される第2配設部20bとなっている。第1配設部20aは、第2配設部20bよりも上下幅が大きく、該第2配設部20bよりも下方へ突出している。なお、第1サポート部材20は、アルミニウム等の軽量金属や強化プラスチック等の合成樹脂から形成され、捻れ変形や撓み変形が発現し難く構成されている。
前記第1カバー部材24は、図1および図2に示すように、第1サポート部材20に所定の間隔で対向する側壁部と、該側壁部の外縁に沿って延在すると共に第1サポート部材20側へ延出する周壁部とを備え、該周壁部の延出端部が第1サポート部材20の外縁部に当接した状態で該第1サポート部材20に取り付けられる。第1カバー部材24の側壁部内面には、第1サポート部材20の前記ボス39に挿通したネジが締結されるネジ孔と、前記回転支持軸31の延出端(左端)に装着されたスリーブ29に当接する支持部24aと、バッテリーBTに当接する当接面24bとが設けられている(図2、図6参照)。また、第1カバー部材24の周壁部における前側上部には、第2サポート部材60のアーム部60bとの干渉を回避するための開口部24cが設けられている。
前記第2サポート体10Bは、図1〜図4に示すように、第1サポート部材20に対して回転可能に支持された第2サポート部材60と、該第2サポート部材60における第2装具13の取り付け側と反対側に装着される第2カバー部材64とを備えている。第2サポート体10Bは、第2サポート部材60に対して第2カバー部材64を組み付けることで、制御ユニット16等を収容可能な第2収容空間66が内部に画成される。
前記第2サポート部材60は、図2〜図5に示すように、身体動作補助装置SUを左腕Aに装着した際に前腕部A2の左部に位置して、該前腕部A2の長手方向(前後方向)が長手となる細長のプレート状に形成されている。第2サポート部材60は、第2身体保持部材(装具)62や制御ユニット16等が配設される取付板部60aと、該取付板部60aから後方へ延出したアーム部60bとを備えている。アーム部60bの後部には、該アーム部60bの厚み方向(左右方向)へ貫通する支持孔70が形成されており、第1サポート部材20に配設された回転支持軸31が、該支持孔70に挿通可能となっている。従って、第2サポート部材60は、支持孔70に挿通した回転支持軸31により第1サポート部材20に対して回転可能に連結され、第1サポート部材20の前方へ延出した第1姿勢(図5に実線で示す)および第1サポート部材20から上方斜め後方へ立ち上がった第2姿勢(図5に2点鎖線で示す)の間で姿勢変位が可能となっている。支持孔70の内径は、回転支持軸31の外径より大きく設定されており、回転支持軸31と支持孔70との間に形成された隙間により、第2サポート部材60は、上腕部A1に対する前腕部A2の変位に合わせて前部が左右方向へ変位するように姿勢変位可能となっている。なお、第2サポート部材60は、アルミニウム等の軽量金属や強化プラスチック等の合成樹脂から形成され、捻れ変形や撓み変形が発現し難く構成されている。
次に、作動装置10において、第1サポート体10Aに対する第2サポート体10Bの回転変位を規制可能な補助機構14について説明する。実施例の補助機構14は、図2、図7および図8に示すように、第1サポート部材20および第2サポート部材60の相対的な姿勢変位に連動して変位するラチェット歯車90と、駆動手段である第1作動モータ109および第2作動モータ110の駆動に伴い、ラチェット歯車90の変位を規制する規制位置および肘関節A3の屈伸動作に伴う該ラチェット歯車90の変位を許容する許容位置に変位するラチェット爪92とを備え、上腕部A1に対する前腕部A2の動作を検知する検知センサS(図11参照)からの検知信号を受信した前記制御ユニット16により作動制御されるように構成されている。この補助機構14は、ラチェット爪92の許容位置では、肘関節A3の屈曲動作または伸展動作に伴う第1サポート部材20および第2サポート部材60(第1サポート体10Aおよび第2サポート体10B)の相対的な姿勢変位を許容する。すなわち、補助機構14は、ラチェット爪92の許容位置において、肘関節A3の屈伸動作による上腕部A1に対する前腕部A2の動きを規制せず、当該身体動作補助装置SUを装着した使用者が左腕Aを自由に動かすことを可能とする。また、補助機構14は、ラチェット爪92の規制位置において、第1サポート部材20に対して第2サポート部材60を姿勢変位規制位置で保持して、肘関節A3の屈伸動作による上腕部A1に対する前腕部A2の動きを規制するよう構成されている。
補助機構14におけるラチェット歯車90は、図5、図6および図8に示すように、第1サポート部材20および第2サポート部材60の相対変位に対して姿勢変位する。ラチェット歯車90は、第1保持機構R1を構成する第1歯部94および第2保持機構R2を構成する第2歯部95を備えており、第2サポート部材60のアーム後部(連結部)60cの左側に隣接して回転支持軸31に嵌合される円板部材88(図6、図7参照)に係止されている。ラチェット歯車90は、円形状の剛性を有する部材であり、中心から外周縁に向けて開口すると共に厚み方向の両端面に開口した嵌合凹部(嵌合部)96が設けられている。すなわち、ラチェット歯車90は、厚み方向から見た端面形状が略「U」形となっている。ラチェット歯車90の嵌合凹部96には、第2サポート部材60のアーム部60bにおけるアーム後部60cの外縁形状に合致する内縁形状に形成されており、該アーム後部60cが隙間なく嵌合するよう構成されている。そして、嵌合凹部96に第2サポート部材60のアーム後部60cが嵌合した状態では、アーム部60bに形成された支持孔70の開口中心と、円形状をなすラチェット歯車90の中心とが一致するようになっている。また、ラチェット歯車90は、第2サポート部材60の回転方向において該第2サポート部材60に対して相対的な姿勢変位が不能となっており、該第2サポート部材60の回転変位に追従して回転支持軸31を中心として第1サポート部材20に対して相対的に回転変位する。なお、ラチェット歯車90は、金属や強化プラスチック等の合成樹脂から形成され、第1歯部94および第2歯部95の損耗および破損が発生し難く構成されている。
実施例の補助機構14におけるラチェット爪92として、図5、図7および図8に示すように、第1保持機構R1を構成して第1歯部94に係脱する第1ラチェット爪部材100と、第2保持機構R2を構成して第2歯部95に係脱する第2ラチェット爪部材101とを備える。第1ラチェット爪部材100は、第1サポート部材20の第1配設部20aに設けられた前述の第1支持軸34に回動可能に取り付けられている。第1ラチェット爪部材100は、第1支持軸34から上方へ延出したレバー状部材であって、第1支持軸34から離間した先端部に、第1歯部94側に突出して第1係合歯94aに係合可能な第1規制爪100aが設けられ、第1支持軸34に対して往復回転することで、第1規制爪100aが第1係合歯94a間の歯溝94bに係合した規制位置(図8(b)参照)と、第1規制爪100aが第1係合歯94aから離間して係合が解除された許容位置(図8(a)参照)との間を姿勢変位可能となっている。一方、第2ラチェット爪部材101は、第1サポート部材20の第1配設部20aに設けられた前述の第2支持軸35に回動可能に取り付けられている。第2ラチェット爪部材101は、第2支持軸35から前方へ延出したレバー状部材であって、第2支持軸35から離間した先端部に、第2歯部95側へ突出して第2係合歯95aに係合可能な第2規制爪101aが設けられ、第1支持軸34に対して往復回転することで、第2規制爪101aが第2係合歯95a間の歯溝95bに係合した規制位置(図8(b)参照)と、第2規制爪101aが第2係合歯95aから離間して係合が解除された許容位置(図8(a)参照)との間を姿勢変位可能となっている。
実施例の補助機構14は、図5〜図8に示すように、駆動手段とラチェット爪92とを連係して、該駆動手段に作動に伴ってラチェット爪92を姿勢変位させる連係部91を備えている。連係部91として、第1保持機構R1を構成して第1ラチェット爪部材100と第1作動モータ109とを連係する第1連係部材(連係部材)105と、第2保持機構R2を構成して第2ラチェット爪部材101と第2作動モータ110とを連係する第2連係部材(連係部材)106とを備える。第1連係部材105は、第1ラチェット爪部材100に固定される固定支持部105aと、第1作動モータ109に設けられた後述の第1偏心カム(作動部材)115に係合する係合部105b,105cとを備え、固定支持部105aと係合部105b,105cとの間に折曲部105dが形成されている。第1連係部材105は、弾性変形可能な帯板状のバネ鋼部材を折り曲げて形成したもので、第1係合部105bおよび第2係合部105cが、第1偏心カム115のカム面を両側から挟むように構成されている。すなわち、第1連係部材105は、第1作動モータ109の作動により第1偏心カム115が回転して第1係合部105bおよび第2係合部105cの位置が移動することにより、第1支持軸34に支持された第1ラチェット爪部材100を規制位置および許容位置に姿勢変位させ得る。一方、第2連係部材106は、第2ラチェット爪部材101に固定される固定支持部106aと、第2作動モータ110に設けられた第2偏心カム(作動部材)116に係合する係合部106b,106cとを備え、固定支持部105aと係合部105b,106cとの間に折曲部106dが形成されている。第2連係部材106は、弾性変形可能な帯板状のバネ鋼部材を折り曲げて形成したもので、第1係合部106bおよび第2係合部106cが、第2偏心カム116のカム面を両側から挟むように構成されている。すなわち、第2連係部材106は、第2作動モータ110の作動により第2偏心カム116が回転して第1係合部106bおよび第2係合部106cの位置が移動することにより、第2支持軸35に支持された第2ラチェット爪部材101を規制位置および許容位置に姿勢変位させ得る。
図7および図8に示す駆動手段としての第1作動モータ109および第2作動モータ110は、第2サポート部材60に配設された制御ユニット16と電気的に接続されており、該制御ユニット16の制御に基づいてバッテリーBTから供給される異なる極性の直流電流が流れることで正逆回転し、ギアボックス111を備えた同一仕様の直流ギヤモータである。第1作動モータ109は、ギアボックス111から延出した駆動軸112に第1偏心カム115が固定されており、第2作動モータ110は、ギアボックス111から延出した駆動軸112に第2偏心カム116が固定されている。第1作動モータ109は、駆動軸112の先端側から見て(図10参照)、第1偏心カム115が、該駆動軸112の右方へ偏った第1停止位置(図10(a))と、第1停止位置から左方へ回転して駆動軸112の左方へ偏った第2停止位置(図10(c))との間を、往復回転するように作動制御される。これにより、第1保持機構R1では、第1偏心カム115が第1停止位置に向けて回転して停止する場合に、第1連係部材105における第1係合部105bが該第1偏心カム115に押されることで第1ラチェット爪部材100が許容位置に姿勢変位し(図8(a))、第1偏心カム115が第2停止位置に向けて回転して停止する場合に、第1連係部材105における第2係合部105cが該第1偏心カム115に押されることで第1ラチェット爪部材100が規制位置に姿勢変位するよう構成されている。なお、第1連係部材105の第2係合部105bおよび第2係合部105cは、第1停止位置および第2停止位置の間を回転する第1偏心カム115に常に接触して係合するようになっている。
図7、図8および図10に示すように、第1作動モータ115および第2作動モータ116には、発光部および受光部を備えたフォトインタラプタ120と、該フォトインタラプタ120の発光部からの光を遮る遮光板121とを備えている。フォトインタラプタ120は、第1作動モータ115および第2作動モータ116のギアボックス111に配設された取付板122に対して駆動軸112に向けた状態に配設され、制御ユニット16に電気的に接続されている。また、遮光板121は、駆動軸112を中心とする扇形に形成されて、偏心カム115,116とギアボックス111との間に配設されており、円弧端側がフォトインタラプタ120の発光部と受光部との間に臨んでおり、偏心カム115,116が第1停止位置および第2停止位置の間を回転する際に発光部と受光部との間を移動するようになっている。そして、遮光板121は、円弧端部における略中間部位において、厚み方向に開口するスリット123が設けられている。このスリット123は、図10(b)に示すように、偏心カム115,116が第1停止位置および第2停止位置の中間となった場合にフォトインタラプタ120に位置するように設定されている。従って遮光板121は、偏心カム115,116が第1停止位置および第2停止位置の中間位置となった時だけフォトインタラプタ120において発光部からの光を受光部で受光可能として、該中間位置以外では、フォトインタラプタ120の発光部からの光を受光部で受光不能とするよう構成されている。すなわち、制御ユニット16は、第1作動モータ109および第2作動モータ110を正逆回転させる際に、該第1作動モータ109および第2作動モータ110の作動途中にフォトインタラプタ120からの受光信号を受信することで、第1偏心カム115および第2偏心カム116が第1停止位置および第2停止位置のどちらに移動しているかを把握可能となっている。
前記第1連係部材105および第2連係部材106は、図9に示すように、固定支持部105a,106aと係合部105b,106bとの相対位置が、折曲部105d,106cでの弾性変形に基づいて近接・離間するよう弾性変形可能に構成されている(図9では、第1連係部材105のみを例示している)。すなわち、実施例の補助機構14では、例えば第1保持機構R1において、第1作動モータ109の作動に伴って第1偏心カム115が第1停止位置(図8(a))から第2停止位置(図8(b))に向けて回転する際に、ラチェット歯車90の位置によっては、第1歯部94における何れかの第1係合歯94aの先端に第1ラチェット爪部材100の第1規制爪100aが当接して、該第1ラチェット爪部材100が規制位置へ変位する途中で姿勢変位が規制されることがある(図9(a)参照)。この場合には、第1連係部材105は、折曲部105dが弾性変形することで、第1ラチェット爪部材100が規制位置まで姿勢変位しなくても、第1偏心カム115が第2停止位置まで回転するように第1作動モータ109が作動するのを許容する(図9(a)に実線で示す)。
図11は、制御ユニット16による前記第1作動モータ109および第2作動モータ110の制御態様について概略的に示すフローチャートである。制御ユニット16には、使用者の左腕Aの所要位置(手のひら等)に装着されて左腕Aに外力が加わったことを検知可能な検知センサS(図11参照)が電気的に接続されており、該検知センサSからの検知信号が制御ユニット16に入力されるようになっている。ここで、制御ユニット16は、検知センサSからの検知信号の入力前においては、第1作動モータ109および第2作動モータ110を、第1偏心カム115および第2偏心カム116が第1停止位置となった状態で停止させる。
前記第1装具12は、図1〜図4に示すように、第1サポート体10Aの第1サポート部材20が取り付けられる第1身体保持部材(装具)22と、第1身体保持部材22の身体部位側に配設されて上腕部A1に着脱可能に巻き付けて装着される第1巻付け部材28とを備えている。また、第1装具12は、第1身体保持部材22と第1巻付け部材28との間に、第1中間部材54が配設されている。
第1身体保持部材22は、図1〜図4に示すように、第1サポート部材20が左側に着脱可能に取り付けられ、後方から見た端面形状が略「C」形をなす部材であり、上腕部A1の周囲の1/2周程度を包み込む形状に形成されている。すなわち、第1身体保持部材22は、第1サポート部材20に取り付けられると共に、上腕部A1における体幹と反対側の左部に沿う第1取付部(取付部)40と、この第1取付部40に一体的に設けられ、該第1取付部40から上方に行くにつれて上腕部A1に沿って体幹側へ変位するよう湾曲する第1上保持部(保持部)41と、第1取付部40に一体的に設けられ、該第1取付部40から下方に行くにつれて上腕部A1に沿って体幹側へ変位するよう湾曲する第1下保持部(保持部)42とを備えている。
前記第1巻付け部材28は、柔軟性を有する芯材46と、柔軟性を有して該芯材46の外面を覆う外装材47とを備えている。ここで、芯材46は、例えばクロロプレンゴム、シリコーンゴムまたはウレタンゴム等の柔軟性を有する合成ゴムを材質とする。また、外装材47は、合成皮革、本革、織布または編布等が採用されている。従って、第1巻付け部材28は、開いた状態および上腕部A1に巻き付けた状態に変形が容易で、かつ上腕部A1に巻き付けた際には該上腕部A1に沿う形状に変形し易く構成されている。
図1〜図4に示すように、第1身体保持部材22と第1巻付け部材28との間に、第1中間部材54が配設されている。この第1中間部材54は、第1身体保持部材22の第1上保持部41および第1下保持部42の外縁部から延出すると共に、第1巻付け部材28よりも小さい外縁形状・サイズに形成されたシート状部材である。また、第1中間部材54は、第1身体保持部材22の第1上保持部41および第1下保持部42よりも弾性変形し易いと共に、第1巻付け部材28よりも弾性変形し難く設定されており、第1上保持部41および第1下保持部42から延出した部分が、外力の付与により撓むよう構成されている。これにより第1中間部材54は、肘関節A3の屈伸変形により左腕Aを動かした際に、第1身体保持部材22の第1上保持部41の外縁部および第1下保持部42の外縁部で第1巻付け部材28が急激に変形することが防止され、該第1上保持部41の外縁部および第1下保持部42の外縁部が上腕部A1に強く押し付けられることを防止するようになっている。また、第1中間部材54は、第1身体保持部材22と第1巻付け部材28の外装材47とが直接接触しないようにして、外装材47と第1身体保持部材22とが擦れることによる該外装材47の損傷を防止し得る。
前記第2装具13は、図1〜図4に示すように、第2サポート体10Bの第2サポート部材60が取り付けられる第2身体保持部材62と、第2身体保持部材62の身体部位側に配設されて前腕部A2に着脱可能に巻き付けて装着される第2巻付け部材68とを備えている。また、第2装具13は、第2身体保持部材62と第2巻付け部材68との間に、第2中間部材86が配設されている。
第2身体保持部材62は、図1〜図4に示すように、第2サポート部材60が左側に着脱可能に取り付けられ、後方から見た端面形状が略「C」形をなす部材であり、前腕部A2の周囲の1/2周程度を包み込む形状に形成されている。すなわち、第2身体保持部材62は、第2サポート部材60に取り付けられると共に、前腕部A2における体幹と反対側の左部に沿う第2取付部(取付部)72と、この第2取付部72に一体的に設けられ、該第2取付部72から上方に行くにつれて前腕部A2に沿って体幹側へ変位するよう湾曲する第2上保持部(保持部)73と、第2取付部72に一体的に設けられ、該第2取付部72から下方に行くにつれて前腕部A2に沿って体幹側へ変位するよう湾曲する第2下保持部(保持部)74とを備えている。
前記第2巻付け部材68は、前記第1巻付け部材28と基本的な構成は同じであり、柔軟性を有する芯材78と、柔軟性を有して該芯材78の外面を覆う外装材79とを備えている。ここで、芯材78は、クロロプレンゴム、シリコーンゴムまたはウレタンゴム等の柔軟性を有する合成ゴムを材質とする。また、外装材79は、合成皮革、本革、織布または編布等が採用されている。従って、第2装具98は、開いた状態および前腕部A2に巻き付けた状態に変形が容易で、かつ前腕部A2に巻き付けた際には該前腕部A2に沿う形状に変形し易く構成されている。
図1〜図4に示すように、第2身体保持部材62と第2巻付け部材68との間に、第2中間部材86が配設されている。この第2中間部材86は、第2身体保持部材62の第2上保持部73および第2下保持部74の外縁部から延出すると共に、第2巻付け部材68よりも小さい外縁形状・サイズに形成されたシート状部材である。また、第2中間部材86は、第2身体保持部材62の第2上保持部73および第2下保持部74よりも弾性変形し易いと共に、第2巻付け部材68よりも弾性変形し難く設定されており、第2上保持部73および第2下保持部74から延出した部分が、外力の付与により撓むよう構成されている。これにより第2中間部材86は、肘関節A3の屈伸変形により左腕Aを動かした際に、第2身体保持部材62の第2上保持部73の外縁部および第2下保持部74の外縁部で第2巻付け部材68が急激に変形することが防止され、該第2上保持部73の外縁部および第2下保持部74の外縁部が前腕部A2に強く押し付けられることを防止するようになっている。また、第2中間部材86は、第2身体保持部材62と第2巻付け部材68の外装材79とが直接接触しないようにして、外装材79と第2身体保持部材62とが擦れることによる該外装材79の損傷を防止し得る。
前述のように構成された実施例の身体動作補助装置SUは、左腕Aの上腕部A1に第1装具12の第1巻付け部材28を巻き付けて面ファスナ部材50の第1ファスナ50aおよび第2ファスナ50bを係着させることで、作動装置10の第1サポート体10Aが該上腕部A1に取り付けられると共に、左腕Aの前腕部A2に第2装具13の第2巻付け部材68を巻き付けて面ファスナ部材82の第1ファスナ82aおよび第2ファスナ82bを係着させることで、当該作動装置10の第2サポート体10Bが該前腕部A2に取り付けられる。
実施例では、左腕Aの肘関節A3を挟む上腕部A1および前腕部A2に装着される身体動作補助装置SUを例示したが、本願の身体動作補助装置SUは、様々に変更して実施可能である。
(1)実施例では、可動係合部を第2サポート部材の連結部に係止して連結すると共に、連係部および可動規制部を第1サポート部材に配設した構成を例示したが、可動係合部を第1サポート部材に係止して連結すると共に、連係部および可動規制部を第2サポート部材に配設してもよい。
(2)駆動手段は、実施例で例示した電動モータに限らず可動規制部を規制位置および許容位置に姿勢変位させ得るものであれば、サーボモータ、ステッピングモータ、電磁ソレノイド等、各種タイプのものが実施可能である。
(3)ラチェット爪を許容位置に向けて付勢する付勢手段を別に設け、該付勢手段によりラチェット爪を許容位置に向けて付勢するよう構成してもよい。このような付勢手段を別に設けることで、駆動手段の駆動に伴って作動部材が第1位置に変位すると、連係部材を介してラチェット爪を許容位置へ確実に姿勢変位させ得る。また、作動部材が第1位置の状態において、振動や衝撃等によりラチェット爪が規制位置へ姿勢変位してラチェット歯車の変位を規制する不都合を防止し得る。ここで、ラチェット爪に対する付勢手段の付勢力は、駆動手段の駆動に伴って作動部材が第1位置から第2位置へ変位する際に、連係部材を介してラチェット爪が許容位置から規制位置へ姿勢変位するのを許容し得る大きさに設定されている。これにより、作動部材が第2位置に変位した状態においては、連係部材を介してラチェット爪が規制位置となる。なお、付勢手段は、板バネ、コイルバネや捻りバネ等のバネ、弾性変形可能な合成ゴム、弾性変形可能な合成樹脂部材等が採用される。
(4)実施例では、左腕Aに装着される上肢用の身体動作補助装置を例示したが、第1サポート部材および第1装具、第2サポート部材および第2装具の形状、サイズ等を変更することで、右腕用や、下肢の左脚用または右脚用として実施することも可能である。
(5)実施例では、各装具の保持部に1つの凹部が設けられた形態を例示したが、該凹部は、保持部における取付部から離間した延出端における該延出方向と交差する方向へ所要間隔で2つ以上設けるようにしてもよい。
(6)身体動作補助装置は、第1サポート体および第2サポート体からなる作動装置10のみから構成したものであってもよい。
すなわち、前腕部A2に対して肘関節A3の屈曲動作方向へ外力が付与され、使用者の意志に反して左腕Aが曲げられそうになった場合には、第1検知センサから検知信号が制御ユニット16に入力される。第1の検知センサからの検知信号を受信した制御ユニット16は、第1作動モータ109のみを第2停止位置まで作動させて、補助機構14を第1保持機構R1だけを規制位置とする。これにより、身体動作補助装置SUは、肘関節A3の屈曲動作方向において第1サポート体10に対する第2サポート体12の回転変位が規制された状態となり、前腕部A2に外力が付与された時点から更に左腕Aが曲げられないように該左腕Aを補助し得る。
一方、前腕部A2に対して肘関節A3の伸展動作方向へ外力が付与され、使用者の意志に反して左腕Aが伸ばされそうになった場合には、第2検知センサから検知信号が制御ユニット16に入力される。第2検知センサからの検知信号を受信した制御ユニット16は、第2作動モータ110のみを第2停止位置まで作動させて、補助機構14を第2保持機構R2だけを規制位置とする。これにより、身体動作補助装置SUは、肘関節A3の伸展動作方向において第1サポート体10に対する第2サポート体12の回転変位が規制された状態となり、前腕部A2に外力が付与された時点から更に左腕Aが伸ばされないように該左腕Aを補助し得る。
40 第1取付部(取付部),41 第1上保持部(保持部),42 第1下保持部(保持部)
43 凹部,60 第2サポート部材,60c アーム後部(連結部)
62 第2身体保持部材(装具),72 第2取付部(取付部),73 第2上保持部(保持部)
74 第2下保持部(保持部),75 凹部,90 ラチェット歯車
94b 歯溝,95b 歯溝,96 嵌合凹部(嵌合部)
100 第1ラチェット爪(ラチェット爪),101 第2ラチェット爪(ラチェット爪)
109 第1作動モータ(駆動手段),110 第2作動モータ(駆動手段)
A1 上腕部(近位身体部位),A2 前腕部(遠位身体部位),A3 肘関節(関節)
Claims (4)
- 関節を挟む近位身体部位に保持される第1サポート部材と、関節の遠位身体部位に保持されて、前記第1サポート部材に設けられた回転軸に対し連結部で回転変位可能に連結された第2サポート部材とを備えた身体動作補助装置であって、
前記連結部と係止して前記第2サポート部材に連動して姿勢変位し、前記第1サポート部材に配設された駆動手段と連係するラチェット歯車を備え、
前記第2サポート部材の連結部は、前記回転軸の軸方向における前記ラチェット歯車の幅の範囲内で該可動係合部に係止されている
ことを特徴とする身体動作補助装置。 - 前記ラチェット歯車は、前記回転軸の軸方向と直交する方向で開口する嵌合部を備え、
前記嵌合部に前記第2サポート部材の連結部が嵌合することで、前記回転軸の軸方向と直交する方向で該第2サポート部材および前記ラチェット歯車が重なって係止されるよう構成された請求項1記載の身体動作補助装置。 - 前記駆動手段の作動により、前記ラチェット歯車の歯溝に係合して該ラチェット歯車の変位を規制可能な規制位置および該歯溝から離間して該ラチェット歯車の変位を許容する許容位置に変位可能なラチェット爪を備え、
前記ラチェット爪は、前記回転軸の軸方向における前記ラチェット歯車の幅の範囲内で前記歯溝に係合する請求項1または2記載の身体動作補助装置。 - 前記第1および第2サポート部材が取り付けられると共に前記近位身体部位および遠位身体部位に装着され、前記第1および第2サポート部材を該身体部位に保持する装具を備え、
前記装具は、前記第1サポート部材または第2サポート部材が取り付けられる取付部と、該取付部から前記身体部位に沿って湾曲するように延出する保持部とを備え、
前記保持部は、前記取付部から離間した延出端における該延出方向と交差する方向の中間部に、該取付部側へ凹状となった凹部が設けられ、
前記保持部は、前記延出方向と交差する方向で前記凹部に隣接した部分が個別に変形可能に構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の身体動作補助装置。
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