JP2016128282A - 自動車運搬船の倉内構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車運搬船について、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)を廃止して、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)の船内突出による船側部分のデッドスペースをなくし、これにより、積載車両台数の増加及び積載車両の自走走行のスロープウエイについて配置の自由度を増加させて積み込み車両の自走走行性に便宜な荷役効率の向上を図ると共に、パーシャルバルクヘッドがなくなってもラッキング変形に対し、充分に対応できる自動車運搬船の船倉構造を提供する。【解決手段】自動車運搬船1において、全ての積載車両が走行する乗り込み甲板3a、3b、・・・、3nを含む上下2層又は3層の車両デッキの船側を深さの深い横隔壁からなる局所的二重船側構造とし、前記乗り込み甲板を含む上下2層又は3層上の車両デッキの船側を前記局所的二重船側構造より深さの浅い横隔壁からなる二重船側構造とした。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車運搬船の倉内構造,特に、ラッキング変形を押さえつつ荷役における作業効率が高い自動車運搬船の倉内構造に関する。
近年、自動車運搬船は、多種大量の自動車を運搬する必要から大型化される傾向にあり、大型化された自動車運搬船にあっては、ラッキング変形を押さえるために、船側外板までの深さが400〜500mm程度の横隔壁(ウエブフレーム(Web Frame))のほかに、複数枚の船側外板までの深さがB/6〜B/8(「B」は船体幅)程度の部分横隔壁(パーシャルバルクヘッド(Partial BHD))を船体適宜の箇所に設けていた。
図4(A)は、3枚の部分横隔壁(Partial Bulkhead(Partial BHD))が配置される自動車運搬船の縦断面概略図であり、図4(B)は、同ウエブフレーム部分の横断面概略図、図4(C)は、同パーシャルバルクヘッド部分の横断面概略図である。図4(A)(B)(C)において、符号100は自動車運搬船、101a、101b、101cは部分横隔壁であるパーシャルバルクヘッド(Partial BHD)、102は、ウエブフレーム、104は、船側外板、105a、・・・105nは、自動車積載倉(デッキ)である。
従来の自動車運搬船100にあっては、図4(A)(B)(C)に示すように、前記船側外板104から、深さが400〜500mm程度の横隔壁(ウエブフレーム(Web Frame))を設ける外、適宜の間隔で前記船側外板104から1500〜1800mm程度の深さの大きいパーシャルバルクヘッド101を設けていたので、この深さの深い横隔壁であるパーシャルバルクヘッド101を避けて車両積載倉(車両デッキ)105を配置しなければならず、積載車両台数もその分減殺され、また、積載する自動車を各倉105に走行させるスロープウエイも当該パーシャルバルクヘッド101をさけて、各パーシャルバルクヘッド101a、101b、101c等の内側である船体中心線沿いに配置しなければならず、さらに、このようなスロープウエイは、前記パーシャルバルクヘッド101a、101b、101cを避けてパーシャルバルクヘッド101a、101b、101cの間のみの間に上下の層に自動車が自力走行するスロープウエイを設けなければならず、自力走行の折り返しの度に減速走行を強いられ荷役作業が非効率的であった。
図5(A)は、従来の自動車運搬船におけるパーシャルバルクヘッド101a、101b、101cとスロープウエイの配置を示す概略側面図であり、図5(B)は、同平断面図である。図5(A)(B)において、101a、101b、101cは、図4において示したパーシャルバルクヘッド、104は、同船側外板、105a〜106dは、積載車両甲板、106a・・・106fはスロープウエイであり、矢印曲線は、車両走行経路である。
このように、従来の自動車運搬船にあっては、スロープウエイ106をパーシャルバルクヘッド101が配置される船側側に設けることができなかったため、自動車が自力走行するスロープウエイ配置が制約され、船体中心線寄りにしか配置できないため、短い距離で車両走行に減速が強いられ、荷役作業の効率性が妨げられ、また、深いパーシャルバルクヘッド101が飛び出る箇所には車両を積載することができなかったため、積載車両台数も減少せざるを得ないこととなっていた。
実開平03-096995号公報
本願発明は、上記の課題を解決するために、自動車運搬船について、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)を廃止して、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)の船内突出による船側部分のデッドスペースをなくし、これにより、積載車両台数の増加及び積載車両の自走走行のスロープウエイについて配置の自由度を増加させて積み込み車両の自走走行性に便宜な荷役効率の向上を図ると共に、パーシャルバルクヘッドがなくなってもラッキング変形に対し、充分に対応できる自動車運搬船の船倉構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本願請求項1に係る発明は、自動車運搬船の倉内構造において、全ての積載車両が走行する乗り込み甲板を含む上下2層又は3層の車両デッキの船側を深さの深い横隔壁からなる局所的二重船側構造とし、前記乗り込み甲板を含む上下2層又は3層上の車両デッキの船側を前記局所的二重船側構造より深さの浅い横隔壁からなる二重船側構造としたことを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に係る自動車運搬船の倉内構造において、前記局所的二重船側構造は、当該自動車運搬船の船側バラストタンクの上部に配置される二重船側構造と同じ深さの船側構造であることを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1に係る自動車運搬船の倉内構造において、前記局所的二重船側構造は、自動車運搬船の船腹の舷梯レセスを含む船側構造であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造。
そして、本願請求項4に係る発明は、前記請求項1に係る自動車運搬船の倉内構造において、前記局所的二重船側構造は、自動車運搬船の乗り込み甲板上少なくとも2層に渡る船側構造であることを特徴とする。
本願発明に係る自動車運搬船の倉内構造によれば、車両走行・積載の障害となるパーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)をなくしたことにより、ラッキング変形を押さえつつも、荷役時間を大幅に短縮でき、積載車両台数を大きくすることができるという効果を有する。
また、ラッキング変形防止の強度上必要な付近を二重船側とし、当該二重船側部は膨大な数の積載自動車固縛用資材等を格納する倉庫として有効利用することができるという効果を有する。
図1は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造の横半断面図である。 図2(A)は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造におけるスロープウエイ配置の例を示す概略側面図であり、図2(B)は、同平断面図であり、前述の図5(A)(B)に相当する。 図3は、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造の概略を示す横半断面図であり、本実施例2に係る自動車運搬船は船腹に舷梯レセスを有する。 図4(A)は、3枚の部分横隔壁(Partial Bulkhead(Partial BHD))が配置される自動車運搬船の縦断面概略図であり、図4(B)は、同ウエブフレーム部分の横断面概略図、図4(C)は、同パーシャルバルクヘッド部分の横断面概略図である 図5(A)は、従来の自動車運搬船におけるパーシャルバルクヘッド101a、101b、101cとスロープウエイの配置を示す概略側面図であり、図5(B)は、同平断面図である。
本発明に係る自動車運搬船の倉内構造を実施するための形態として一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
自動車運搬船には、乗り込み甲板が設けられ、積載する全ての車両が走行するために最も強い甲板であることが求められ、また、ラッキング強度の確保のため、自動車運搬船は、下方に行くにしたがってウエブ深さを深くする構造となっている。
そこで、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、下層の積載車両甲板の船側部を深さの深い横隔壁による二重船側構造とする一方、乗り込み甲板より1層上の車両積載甲板以下の船側を局所的な二重船側構造とし、さらに、その上に配置される車両デッキの船側構造については、深さの深いパーシャルバルクヘッドを廃止し、前記車両デッキの船側より深さの浅いウエブフレームからなる船側構造からなる船倉構造としたものである。
図1は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造の横半断面図である。図1において、符号1は、本実施例1に係る自動車運搬船、2は、ウエブフレーム(横隔壁)、3a、3b、3c、3d・・・・3nは車両積載デッキ(車両甲板)であり、そのうち、例えば、3d〜3gは、乗り込み甲板3eを含む最も強度を要する車両デッキ(車両積載甲板)であり、また、例えば、3h、・・・3nは、車両デッキ(車両甲板)として説明する。また、4は、船側外板、5は、二重船側部、6は、船側バラストタンク、7は、燃料タンク、8は、船底バラストタンク、9は、上甲板、10は、局所二重船側部である。
すなわち、図1から明らかなように、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造の下層の構造は、船底には前記燃料タンク及び前記船底バラストタンク8が配置され、また、これらの船底バラストタンク8及び燃料タンク7の船側側には前記船側バラストタンク6が配置され、当該船側バラストタンク6の上部には、深さの深い横隔壁からなる二重船側構造の二重船側部5からなる。そして、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記乗り込み甲板3eより1層上の車両デッキ(車両積載甲板)3g直下の2,3層の車両積載甲板3d、・・・3fの船側については、深さの深い、例えば、1500〜1800mmの深さの横隔壁からなる局所二重船側部10とし、さらに、その上部には深さの深いパーシャルバルクヘッドを配置することなく、深さの浅い前記ウエブフレーム2で船側を構成したものである。
具体的には、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記局所二重船側部10については、深さの深い1500〜1800mmの二重船側部5とする一方、その上の深さの浅いウエブフレーム2には、700〜900mm程度の浅い深さのウエブフレーム2を用いる倉内構造としたものである。
このような倉内構造とすることにより、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記乗り込み甲板3eにおけるウエブフレームの深さを,当該車両積載甲板のデッキトランスの深さより大きく、又は同じ深さにして船側の強度を高め、これによって自動車運搬船の倉内のラッキング変形を抑制し、さらに、このような倉内構造とすることにより、深さの浅いウエブフレーム2を使用する車両甲板3e、3f、・・・3nについては、それまでの深さの深いパーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)の倉内への突出によって生じていたデッドスペースを減らすことができ、また、積載車両が自走走行するスロープの幅を広くしたり、スロープ自体の配置について、船体中心線寄りから船側側に寄せた配置を可能とするなど、スロープ配置の自由度を向上させることができることとなる。
このことを図面に基づいて説明する。
図2(A)は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造におけるスロープウエイ配置の例を示す概略側面図であり、図2(B)は、同平断面図であり、前述の図5(A)(B)に相当する図である。
図2(A)(B)において、符号3e、3f、・・・3nは、軽車両甲板、4は、船側外板、15は、積載車両スロープウエイであり、矢印曲線は車両走行経路である。
図2(B)から明らかなように、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、幅広の深さの大きい横隔壁が廃止されるため、前記スロープウエイ15の折り返しを少なくすることができ、当該スロープウエイ15についてもその曲率半径を大きくとることができ、また、その配置を船体中心線から船側側に寄せた配置や、船幅方向のどの位置にも当該スロープ15を配置することが可能となる等、スロープウエイ15の配置についての自由度が増加させることができる。
また、船側からの船倉内に深い突出の横隔壁が存在しないということは、その分だけ、積載スペースを増加させることができることを意味し、積載車両数を増大させることができ、積載効率を高めることとなる。
そして、スロープウエイ15の折り返しが少なくなり、長い直線状のスロープウエイ15とすることができ、その結果、スロープウエイ15のコーナー部の曲率が大きくすることができ、このため、自力走行による積載車両の走行に関して、折り返しの度毎や小さい曲がりによるスピードダウン等がなくなり、荷役効率が高まることとなる。
なお、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記局所二重船側部10について、前記乗り込み甲板3eより1層上の車両積載甲板3fから下方の船側について、二重船側構造としたが、これは、乗り込み甲板3eより1層上の車両積載甲板3fに限るものではなく、強度上必要ならば、前記乗り込み甲板3eを含む上下2層又は3層上の車両デッキの船側を局所的に二重船側構造の局所二重船側構造10としても良いものである。
次に、実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造について説明する。
自動車運搬船は、5〜15層にも渡る船高の高い船体構造であり、その船腹には、舷梯レセス等が設けられることがある。
当該舷梯レセスは、船側外板が切断、開口されて、船倉内に突出する構造であり、この結果、この部分は強度的には弱く、このためラッキング変形が生じやすい。
そこで、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造として、当該舷梯レセス部分を二重構造化してラッキング強度を向上させると共に、船内に広いスペースを確保させ、また、上述したように、自動車運搬船におけるスロープウエイ配置について自由度を高めた自動車運搬船の倉内構造としたものである。
図3は、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造の概略を示す横半断面図であり、本実施例2に係る自動車運搬船は船腹に舷梯レセスを有する。
図3において、10は、局所二重船側部、11は、本実施例2に係る船腹に舷梯レセスを有する自動車運搬船、12は、舷梯レセス、13は、舷梯、14は、海(又は岸壁)、16は、乗り込みボート、17は、乗り込み員であり、本実施例2においては、3eが乗り込み甲板として説明する。その余の符号は上述した実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造を説明した図1で示した同じ部材は同じ符号で示した。すなわち、符号4は、船側外板、5は、二重船側部、6は、船側バラストタンク、7は、燃料タンク、8は、船底バラストタンク、9は、上甲板である。
本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造にあっては、図3に示されるように、前記乗り込み甲板3eに前記舷梯レセス12が配置され、使用されないときには前記舷梯13が収納される。
このような舷梯レセス12は、船倉内に突出される構造であり、また、前記船側外板4がそこで切断され,開口する構造であるため強度的に弱く、ラッキング変形が生じやすい。
そこで、前記舷梯レセス12の開口によるラッキング変形に対する脆弱性を補填するために、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、図3から明らかなように、前記局所二重船側部10を当該舷梯レセス12を含む位置に配置するようにしたものである。
すなわち、前記船底バラストタンク8の上方の前記二重船側部5の上部に前記船側外板4から1500〜1800mm程度の深さの二重船側構造の二重船側部5を形成し、さらに、この上部に前記乗り込み甲板3eに前記舷梯レセス12を配置し、この舷梯レセス12を含む前記乗り込み甲板3e上2層の間の船側について、前記船側外板4から1500〜1800mm程度の深さの二重船側構造の局所二重船側部10を配置する構造としたものである。
このような構造とすることにより、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造は、船腹に舷梯レセス12のような大きな開口を有する自動車運搬船にあっても、当該舷梯レセス12付近の強度の減退から生じるラッキング変形を抑えることができ、特に、大型化する自動車運搬船においては、上述した実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造に加えその効果が顕著となる。
つまり、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、図3に示すように、前記乗り込み甲板3eを含むの上下2層程度の高さの領域について、船長方向船倉内に前記二重船側部5と同じ1500〜1800mmの深さの局所的な二重船側構造の前記局所的二重船側部10を設けることとしたものである。
なお、前記舷梯レセス12は、当該局所的二重船側部10の高さ内に、前記船側外板4から同じ1500〜1800mmの深さで設けられる。
そして、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造の前記局所的二重船側部10の上方には、従来の自動車運搬船において用いられるのと同様の700〜900mm程度の深さのウエブフレーム(横隔壁)が配置される。そして、深さの深い局所二重船側部10や深さの浅い船側部については、船殻構造・艤装品等の全てを当該二重船側深さ以内に収めるようにするので、荷役スペースは、実質的に凹凸形状のない荷役スペースとなる。
なお、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記局所的二重船側部10について、前記乗り込み甲板3eの上下2層程度の高さの領域について、船長方向船倉内に前記二重船側部5と同じ1500〜1800mmの深さの局所的な二重船側構造の局所的二重船側部10としたが、これは、前記乗り込み甲板3eの上下2層の高さの領域に限られるものではなく、前記舷梯レセス12等の船腹の開口の大きさや位置等によって、設ける高さや配置位置を決定すれば良いものである。例えば、より大きな開口の場合には,当該局所的二重船側部10の高さを大きくし、または、上下3、4層に渡る構造でもよく、さらには、自動車運搬船の荷役の接岸高さ等に応じて、前記乗り込み甲板3eが変更される場合には、その高さ位置に対応する高さの前記局所的二重船側部10であっても良い。
つまり、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造は、前述の実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造において、積載する全ての車両が走行するために最も強い甲板でなければならない乗り込み甲板3eの下の車両積載甲板3a、・・3dの船側については、深さの大きい二重船側構造の二重船側部とし、前記乗り込み甲板3e近辺の舷梯レセス12を含む領域に船長方向に深さを前記二重船側部5と同じ深さで同じ二重船側構造からなる局所的二重船側部10を設けると共に、その上方の車両甲板3g、・・3nに深さの浅い横隔壁からなる船側部を設けて、ラッキング変形の防止とデッドスペースを低減させ、深さの浅い横隔壁としたので、その分、船長方向及び船幅方向に余裕が生じる構造としたものである。
また、船倉内は、前記二重船側構造及び局所的二重船側部の各隔壁間を固縛用品等の備品庫として用いてデッドスペースの低減を図るようにしたものである。
このような構造としたので、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、船倉内に突出する構造となる前記舷梯レセス12を含む部分についても二重船側構造をとることができ、この部分についてのラッキング強度を向上させることができる。
これは、上述する実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造にに加え、又は、実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造に替え、船腹に大きな開口の前記舷梯レセス12を有し、船腹の大きな開口のために局所的にラッキング強度が不足する自動車運搬船において、積載する全ての車両が走行するために最も強い甲板でなければならない乗り込み甲板3e領域の船側部を深さの深い二重船側構造とする局所二重船側部10とすると共に、当該局所二重船側部10に前記舷梯レセス12の船内突出を含む構造とすることにより、前記舷梯レセス12から派生する強度不足を補強して、前述の実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造と合わせて、または、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造によって、自動車運搬船のラッキング変形の防止と倉内のスロープウエイ15の配置に自由度を高めることができるようにしたものである。
また、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記局所二重船側部10について、前記乗り込み甲板3eから上下2〜3層の積載車両甲板のうちの舷梯レスス12付近を二重船側構造の局所二重船側部5としたが、これは、舷梯レセス12付近のみに配置することに限定されるものではない。前記乗り込み甲板3eから上方2〜3層の積載車両甲板を通じて局所二重船側部10としても良いし、また、前記舷梯レセス12に限らず、船側外板4を途中で切断して開口する他のレセス部(開口)(図示外)に設けても良いものである。
このような構造とすることにより、本実施例1、2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、ラッキング変形に対して強い構造とすることができることに加え、従来、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)を避けてスロープウエイを配置する必要がなく、また、そのスロープウエイは、OneWay方式の長いスロープウエイ配置や船体中心線寄りではなく船側寄りに配置し、かつ、その場合には、自走車両ターンのための曲率を大きくして、ターン減速を避ける等荷役効率を高めることができる。
本発明は自動車運搬船の倉内構造に利用される。
1 実施例1に係る自動車運搬船
2 ウエブフレーム
3a・・・3n 車両積載甲板(車両デッキ)
3e 乗り込み甲板
4 船側外板
5 二重船側部
6 船側バラストタンク
7 燃料タンク
8 船底バラストタンク
9 上甲板
10 局所二重船側部
11 実施例2に係る船腹に舷梯レセスを有する自動車運搬船
12 舷梯レセス
13 舷梯
14 海(又は岸壁)
15 スロープウエイ
16 乗り込みボート
17 乗り込み員
100 自動車運搬船
101、101a、101b、101c パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)
102 ウエブフレーム
104 船側外板
105a、・・・105n 自動車積載倉(デッキ)
106 スロープウエイ
本発明は、自動車運搬船の倉内構造,特に、ラッキング変形を押さえつつ荷役における作業効率が高い自動車運搬船の倉内構造に関する。
近年、自動車運搬船は、多種大量の自動車を運搬する必要から大型化される傾向にあり、大型化された自動車運搬船にあっては、ラッキング変形を押さえるために、船側外板までの深さが400〜500mm程度の横隔壁(ウエブフレーム(Web Frame))のほかに、複数枚の船側外板までの深さがB/6〜B/8(「B」は船体幅)程度の部分横隔壁(パーシャルバルクヘッド(Partial BHD))を船体適宜の箇所に設けていた。
図4(A)は、3枚の部分横隔壁(Partial Bulkhead(Partial BHD))が配置される自動車運搬船の縦断面概略図であり、図4(B)は、同ウエブフレーム部分の横断面概略図、図4(C)は、同パーシャルバルクヘッド部分の横断面概略図である。図4(A)(B)(C)において、符号100は自動車運搬船、101a、101b、101cは部分横隔壁であるパーシャルバルクヘッド(Partial BHD)、102は、ウエブフレーム、104は、船側外板、105a、・・・105nは、自動車積載倉(デッキ)である。
従来の自動車運搬船100にあっては、図4(A)(B)(C)に示すように、前記船側外板104から、深さが400〜500mm程度の横隔壁(ウエブフレーム(Web Frame))を設ける外、適宜の間隔で前記船側外板104から1500〜1800mm程度の深さの大きいパーシャルバルクヘッド101を設けていたので、この深さの深い横隔壁であるパーシャルバルクヘッド101を避けて車両積載倉(車両デッキ)105を配置しなければならず、積載車両台数もその分減殺され、また、積載する自動車を各倉105に走行させるスロープウエイも当該パーシャルバルクヘッド101をさけて、各パーシャルバルクヘッド101a、101b、101c等の内側である船体中心線沿いに配置しなければならず、さらに、このようなスロープウエイは、前記パーシャルバルクヘッド101a、101b、101cを避けてパーシャルバルクヘッド101a、101b、101cの間のみの間に上下の層に自動車が自力走行するスロープウエイを設けなければならず、自力走行の折り返しの度に減速走行を強いられ荷役作業が非効率的であった。
図5(A)は、従来の自動車運搬船におけるパーシャルバルクヘッド101a、101b、101cとスロープウエイの配置を示す概略側面図であり、図5(B)は、同平断面図である。図5(A)(B)において、101a、101b、101cは、図4において示したパーシャルバルクヘッド、104は、同船側外板、105a〜106dは、積載車両甲板、106a・・・106fはスロープウエイであり、矢印曲線は、車両走行経路である。
このように、従来の自動車運搬船にあっては、スロープウエイ106をパーシャルバルクヘッド101が配置される船側側に設けることができなかったため、自動車が自力走行するスロープウエイ配置が制約され、船体中心線寄りにしか配置できないため、短い距離で車両走行に減速が強いられ、荷役作業の効率性が妨げられ、また、深いパーシャルバルクヘッド101が飛び出る箇所には車両を積載することができなかったため、積載車両台数も減少せざるを得ないこととなっていた。
実開平03-096995号公報
本願発明は、上記の課題を解決するために、自動車運搬船について、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)を廃止して、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)の船内突出による船側部分のデッドスペースをなくし、これにより、積載車両台数の増加及び積載車両の自走走行のスロープウエイについて配置の自由度を増加させて積み込み車両の自走走行性に便宜な荷役効率の向上を図ると共に、パーシャルバルクヘッドがなくなってもラッキング変形に対し、充分に対応できる自動車運搬船の船倉構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本願請求項1に係る発明は、自動車運搬船において、乗り込み甲板を含む上下2層又は3層の車両デッキのパーシャルバルクヘッド位置の船側を深さの深い横隔壁からなる船側構造とし、前記乗り込み甲板を含む上下2層又は3層上の車両デッキの当該位置の船側を前記船側構造より深さの浅い横隔壁からなる船側構造としたことを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造において、前記深さの深い横隔壁からなる船側構造は、当該自動車運搬船の船側バラストタンクの上部に配置される船側構造と同じ深さの船側構造であることを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造において、前記深さの深い横隔壁からなる船側構造は、自動車運搬船の船腹の舷梯レセスを含む船側構造であることを特徴とする。
そして、本願請求項4に係る発明は、前記請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造において、前記パーシャルバルクヘッド位置の車両デッキに幅広の自走走行スロープ又は船側側に寄せたスロープを設けたことを特徴とする。
本願発明に係る自動車運搬船の倉内構造によれば、車両走行・積載の障害となるパーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)をなくしたことにより、ラッキング変形を押さえつつも、荷役時間を大幅に短縮でき、積載車両台数を大きくすることができるという効果を有する。
また、ラッキング変形防止の強度上必要な付近を、いわば、二重船底と同じような骨組構造の船側とし、当該船側部は膨大な数の積載自動車固縛用資材等を格納する倉庫として有効利用することができるという効果を有する。
図1は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造の横半断面図である。 図2(A)は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造におけるスロープウエイ配置の例を示す概略側面図であり、図2(B)は、同平断面図であり、前述の図5(A)(B)に相当する。 図3は、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造の概略を示す横半断面図であり、本実施例2に係る自動車運搬船は船腹に舷梯レセスを有する。 図4(A)は、3枚の部分横隔壁(Partial Bulkhead(Partial BHD))が配置される自動車運搬船の縦断面概略図であり、図4(B)は、同ウエブフレーム部分の横断面概略図、図4(C)は、同パーシャルバルクヘッド部分の横断面概略図である 図5(A)は、従来の自動車運搬船におけるパーシャルバルクヘッド101a、101b、101cとスロープウエイの配置を示す概略側面図であり、図5(B)は、同平断面図である。
本発明に係る自動車運搬船の倉内構造を実施するための形態として一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
自動車運搬船には、乗り込み甲板が設けられ、積載する全ての車両が走行するために最も強い甲板であることが求められ、また、ラッキング強度の確保のため、自動車運搬船は、下方に行くにしたがってウエブ深さを深くする構造となっている。
そこで、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、パーシャルバルクヘッド廃止位置、すなわち、パーシャルバルクヘッド配置位置だけを下層の積載車両甲板の船側部を深さの深い横隔壁による船側構造とする一方、当該パーシャルバルクヘッド配置位置の乗り込み甲板より1層上の車両積載甲板以下の船側を局所的な船側構造とし、さらに、その上に配置される車両デッキの船側構造については、深さの深いパーシャルバルクヘッドを廃止し、前記車両デッキの船側より深さの浅いウエブフレームからなる船側構造からなる船倉構造としたものである。
図1は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造の横半断面図である。図1において、符号1は、本実施例1に係る自動車運搬船、2は、ウエブフレーム(横隔壁)、3a、3b、3c、3d・・・・3nは車両積載デッキ(車両甲板)であり、そのうち、例えば、3d〜3gは、乗り込み甲板3eを含む最も強度を要する車両デッキ(車両積載甲板)であり、また、例えば、3h、・・・3nは、車両デッキ(車両甲板)として説明する。また、4は、船側外板、5は、深さの深い横隔壁船側部、6は、船側バラストタンク、7は、燃料タンク、8は、船底バラストタンク、9は、上甲板、10は、パーシャルバルクヘッド位置船側部である。
すなわち、図1から明らかなように、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造の下層の構造は、船底には前記燃料タンク及び前記船底バラストタンク8が配置され、また、これらの船底バラストタンク8及び燃料タンク7の船側側には前記船側バラストタンク6が配置され、当該船側バラストタンク6の上部には、深さの深い横隔壁からなる船側部5からなる。そして、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記乗り込み甲板3eより1層上の車両デッキ(車両積載甲板)3g直下の2,3層の車両積載甲板3d、・・・3fの船側については、深さの深い、例えば、1500〜1800mmの深さの横隔壁からなるパーシャルバルクヘッド位置船側部10とし、さらに、その上部には深さの深いパーシャルバルクヘッドを配置することなく、深さの浅い前記ウエブフレーム2で船側を構成したものである。
具体的には、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10については、深さの深い1500〜1800mmの深さの深い横隔壁船側部5とする一方、その上の深さの浅いウエブフレーム2には、700〜900mm程度の浅い深さのウエブフレーム2を用いる倉内構造としたものである。
このような倉内構造とすることにより、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記乗り込み甲板3eにおけるウエブフレームの深さを,当該車両積載甲板のデッキトランスの深さより大きく、又は同じ深さにして船側の強度を高め、これによって自動車運搬船の倉内のラッキング変形を抑制し、さらに、このような倉内構造とすることにより、深さの浅いウエブフレーム2を使用する車両甲板3e、3f、・・・3nについては、それまでの深さの深いパーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)の倉内への突出によって生じていたデッドスペースを減らすことができ、また、積載車両が自走走行するスロープの幅を広くしたり、スロープ自体の配置について、船体中心線寄りから船側側に寄せた配置を可能とするなど、スロープ配置の自由度を向上させることができることとなる。
このことを図面に基づいて説明する。
図2(A)は、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造におけるスロープウエイ配置の例を示す概略側面図であり、図2(B)は、同平断面図であり、前述の図5(A)(B)に相当する図である。
図2(A)(B)において、符号3e、3f、・・・3nは、軽車両甲板、4は、船側外板、15は、積載車両スロープウエイであり、矢印曲線は車両走行経路である。
図2(B)から明らかなように、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、幅広の深さの大きい横隔壁が廃止されるため、前記スロープウエイ15の折り返しを少なくすることができ、当該スロープウエイ15についてもその曲率半径を大きくとることができ、また、その配置を船体中心線から船側側に寄せた配置や、船幅方向のどの位置にも当該スロープ15を配置することが可能となる等、スロープウエイ15の配置についての自由度が増加させることができる。
また、船側からの船倉内に深い突出の横隔壁が存在しないということは、その分だけ、積載スペースを増加させることができることを意味し、積載車両数を増大させることができ、積載効率を高めることとなる。
そして、スロープウエイ15の折り返しが少なくなり、長い直線状のスロープウエイ15とすることができ、その結果、スロープウエイ15のコーナー部の曲率が大きくすることができ、このため、自力走行による積載車両の走行に関して、折り返しの度毎や小さい曲がりによるスピードダウン等がなくなり、荷役効率が高まることとなる。
なお、本実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10について、前記乗り込み甲板3eより1層上の車両積載甲板3fから下方の船側について船側構造としたが、これは、乗り込み甲板3eより1層上の車両積載甲板3fに限るものではなく、強度上必要ならば、前記乗り込み甲板3eを含む上下2層又は3層上の車両デッキの船側を局所的にパーシャルバルクヘッド位置船側10としても良いものである。
次に、実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造について説明する。
自動車運搬船は、5〜15層にも渡る船高の高い船体構造であり、その船腹には、舷梯レセス等が設けられることがある。
当該舷梯レセスは、船側外板が切断、開口されて、船倉内に突出する構造であり、この結果、この部分は強度的には弱く、このためラッキング変形が生じやすい。
そこで、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造として、当該舷梯レセス部分を局所的に構造化してラッキング強度を向上させると共に、船内に広いスペースを確保させ、また、上述したように、自動車運搬船におけるスロープウエイ配置について自由度を高めた自動車運搬船の倉内構造としたものである。
図3は、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造の概略を示す横半断面図であり、本実施例2に係る自動車運搬船は船腹に舷梯レセスを有する。
図3において、10は、パーシャルバルクヘッド位置船側部、11は、本実施例2に係る船腹に舷梯レセスを有する自動車運搬船、12は、舷梯レセス、13は、舷梯、14は、海(又は岸壁)、16は、乗り込みボート、17は、乗り込み員であり、本実施例2においては、3eが乗り込み甲板として説明する。その余の符号は上述した実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造を説明した図1で示した同じ部材は同じ符号で示した。すなわち、符号4は、船側外板、5は、深さの深い横隔壁船側部、6は、船側バラストタンク、7は、燃料タンク、8は、船底バラストタンク、9は、上甲板である。
本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造にあっては、図3に示されるように、前記乗り込み甲板3eに前記舷梯レセス12が配置され、使用されないときには前記舷梯13が収納される。
このような舷梯レセス12は、船倉内に突出される構造であり、また、前記船側外板4がそこで切断され,開口する構造であるため強度的に弱く、ラッキング変形が生じやすい。
そこで、前記舷梯レセス12の開口によるラッキング変形に対する脆弱性を補填するために、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、図3から明らかなように、前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10を当該舷梯レセス12を含む位置に配置するようにしたものである。
すなわち、前記船底バラストタンク8の上方の前記深さの深い横隔壁船側部5の上部に前記船側外板4から1500〜1800mm程度の深さの深い横隔壁船側部5を形成し、さらに、この上部に前記乗り込み甲板3eに前記舷梯レセス12を配置し、この舷梯レセス12を含む前記乗り込み甲板3e上2層の間の船側について、前記船側外板4から1500〜1800mm程度の深さの船側構造の局所パーシャルバルクヘッド位置船側部10を配置する構造としたものである。
このような構造とすることにより、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造は、船腹に舷梯レセス12のような大きな開口を有する自動車運搬船にあっても、当該舷梯レセス12付近の強度の減退から生じるラッキング変形を抑えることができ、特に、大型化する自動車運搬船においては、上述した実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造に加えその効果が顕著となる。
つまり、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、図3に示すように、前記乗り込み甲板3eを含むの上下2層程度の高さの領域について、船長方向船倉内に前記深さの深い横隔壁船側部5と同じ1500〜1800mmの深さの局所的な船側構造の前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10を設けることとしたものである。
なお、前記舷梯レセス12は、当該パーシャルバルクヘッド位置船側部10の高さ内に、前記船側外板4から同じ1500〜1800mmの深さで設けられる。
そして、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造の前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10の上方には、従来の自動車運搬船において用いられるのと同様の700〜900mm程度の深さのウエブフレーム(横隔壁)が配置される。そして、深さの深いパーシャルバルクヘッド位置船側部10や深さの浅い船側部については、船殻構造・艤装品等の全てを当該船側深さ以内に収めるようにするので、荷役スペースは、実質的に凹凸形状のない荷役スペースとなる。
なお、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10について、前記乗り込み甲板3eの上下2層程度の高さの領域について、船長方向船倉内に前記深さの深い横隔壁船側部5と同じ1500〜1800mmの深さの局所的な船側構造のパーシャルバルクヘッド位置船側部10としたが、これは、前記乗り込み甲板3eの上下2層の高さの領域に限られるものではなく、前記舷梯レセス12等の船腹の開口の大きさや位置等によって、設ける高さや配置位置を決定すれば良いものである。例えば、より大きな開口の場合には,当該パーシャルバルクヘッド位置船側部10の高さを大きくし、または、上下3、4層に渡る構造でもよく、さらには、自動車運搬船の荷役の接岸高さ等に応じて、前記乗り込み甲板3eが変更される場合には、その高さ位置に対応する高さの前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10であっても良い。
つまり、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造は、前述の実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造において、積載する全ての車両が走行するために最も強い甲板でなければならない乗り込み甲板3eの下の車両積載甲板3a、・・3dの船側については、深さの大きい船側構造の船側部とし、前記乗り込み甲板3e近辺の舷梯レセス12を含む領域に船長方向に深さを前記深さの深い横隔壁船側部5と同じ深さで同じ船側構造からなるパーシャルバルクヘッド位置船側部10を設けると共に、その上方の車両甲板3g、・・3nに深さの浅い横隔壁からなる船側部を設けて、ラッキング変形の防止とデッドスペースを低減させ、深さの浅い横隔壁としたので、その分、船長方向及び船幅方向に余裕が生じる構造としたものである。
また、船倉内は、前記船側構造及びパーシャルバルクヘッド位置船側部の各隔壁間を固縛用品等の備品庫として用いてデッドスペースの低減を図るようにしたものである。
このような構造としたので、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、船倉内に突出する構造となる前記舷梯レセス12を含む部分についても船側構造をとることができ、この部分についてのラッキング強度を向上させることができる。
これは、上述する実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造にに加え、又は、実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造に替え、船腹に大きな開口の前記舷梯レセス12を有し、船腹の大きな開口のために局所的にラッキング強度が不足する自動車運搬船において、積載する全ての車両が走行するために最も強い甲板でなければならない乗り込み甲板3e領域の船側部を深さの深い船側構造とするパーシャルバルクヘッド位置船側部10とすると共に、当該パーシャルバルクヘッド位置船側部10に前記舷梯レセス12の船内突出を含む構造とすることにより、前記舷梯レセス12から派生する強度不足を補強して、前述の実施例1に係る自動車運搬船の倉内構造と合わせて、または、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造によって、自動車運搬船のラッキング変形の防止と倉内のスロープウエイ15の配置に自由度を高めることができるようにしたものである。
また、本実施例2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、前記パーシャルバルクヘッド位置船側部10について、前記乗り込み甲板3eから上下2〜3層の積載車両甲板のうちの舷梯レスス12付近を局所的な深さの深い横隔壁船側部5としたが、これは、舷梯レセス12付近のみに配置することに限定されるものではない。前記乗り込み甲板3eから上方2〜3層の積載車両甲板を通じてパーシャルバルクヘッド位置船側部10としても良いし、また、前記舷梯レセス12に限らず、船側外板4を途中で切断して開口する他のレセス部(開口)(図示外)に設けても良いものである。
このような構造とすることにより、本実施例1、2に係る自動車運搬船の倉内構造においては、ラッキング変形に対して強い構造とすることができることに加え、従来、パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)を避けてスロープウエイを配置する必要がなく、また、そのスロープウエイは、OneWay方式の長いスロープウエイ配置や船体中心線寄りではなく船側寄りに配置し、かつ、その場合には、自走車両ターンのための曲率を大きくして、ターン減速を避ける等荷役効率を高めることができる。
本発明は自動車運搬船の倉内構造に利用される。
1 実施例1に係る自動車運搬船
2 ウエブフレーム
3a・・・3n 車両積載甲板(車両デッキ)
3e 乗り込み甲板
4 船側外板
深さの深い横隔壁船側部
6 船側バラストタンク
7 燃料タンク
8 船底バラストタンク
9 上甲板
10 パーシャルバルクヘッド位置船側部
11 実施例2に係る船腹に舷梯レセスを有する自動車運搬船
12 舷梯レセス
13 舷梯
14 海(又は岸壁)
15 スロープウエイ
16 乗り込みボート
17 乗り込み員
100 自動車運搬船
101、101a、101b、101c パーシャルバルクヘッド(部分横隔壁)
102 ウエブフレーム
104 船側外板
105a、・・・105n 自動車積載倉(デッキ)
106 スロープウエイ

Claims (4)

  1. 自動車運搬船において、全ての積載車両が走行する乗り込み甲板を含む上下2層又は3層の車両デッキの船側を深さの深い横隔壁からなる局所的二重船側構造とし、前記乗り込み甲板を含む上下2層又は3層上の車両デッキの船側を前記局所的二重船側構造より深さの浅い横隔壁からなる二重船側構造としたことを特徴とする自動車運搬船の倉内構造。
  2. 前記局所的二重船側構造は、当該自動車運搬船の船側バラストタンクの上部に配置される二重船側構造と同じ深さの船側構造であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造。
  3. 前記局所的二重船側構造は、自動車運搬船の船腹の舷梯レセスを含む船側構造であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造。
  4. 前記局所的二重船側構造は、自動車運搬船の乗り込み甲板上少なくとも2層に渡る船側構造であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運搬船の倉内構造。
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