JP2016128275A - 自動車の下部構造 - Google Patents

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【課題】走行風をセンタエアダムに当てて正圧を発生させることで、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制(ダウンフォースの増加を抑制)し、車両前後方向のリフトバランスを調整することができる自動車の下部構造の提供を目的とする。【解決手段】フロントバンパフェース4を備えた自動車の下部構造であって、上記フロントバンパフェース4から前輪12の前車軸近傍までが、アンダカバー40にて略フラット化された床下面に形成されており、上記前車軸とホイールハウス31前縁との間の上記床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダム62が設けられたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、フロントバンパフェースを備えたような自動車の下部構造に関する。
一般に、車両は図9に示すように、その側面視でキャビン部分が上方に突出する形状を有しており、床下を流れる走行風e91(つまり床下風)の速さに対して、車体上部を流れる走行風e92の速さが相対的に速いので、揚力L1,L2が発生する。
車両デザインの関係上、車両前側の揚力L1が車両後側の揚力L2に対して小さく、前後のリフトバランスが悪い場合には、図9に仮想線で示すように、車両は前傾したノーズダイブ(nose−dive)姿勢となり、フロント側の荷重が相対的に増加し、前輪接地圧により前輪タイヤの摩耗に影響すると共に、後輪接地圧の低下により、車両の挙動に影響が生じて、車両旋回等の走行性能が低下する問題点があった。
このような問題点を解決するため、車両前後で同等の揚力が作用するように構成した場合には、車両デザイン自由度が大幅に悪化するので好ましくない。また、車体後部にリヤスポイラ等を取付けて、車両後部のダウンホースを増加させると、見た目が悪くなる場合がある。
ところで、特許文献1には、左右のホイールハウス前部において車両下方へ突出するタイヤデフレクタを設けると共に、左右のタイヤデフレクタの中間部において、アンダカバーの後端に車幅方向に延びるリップスポイラを設けた構造が開示されている。
しかしながら、該特許文献1に開示された従来構造は、横風に対してホイールハウス内に当該横風が流入するのを防止して、空力抵抗の向上を図ると共に、上記リップスポイラにより車両前側のダウンフォースを増やすもので、車両前後のリフトバランスを考慮したものではない。
また、特許文献2には、ラジエータシュラウドとしてのフロントバルクヘッドロアに対してセンタエアダムを取付け、その壁状部分を車両下方へ突出させた構造が開示されている。
しかしながら、該特許文献2に開示された従来構造は、エンジンルーム内の風を引き込んで掃気を行なうもので、掃気を増加するためのセンタエアダム後方の負圧減少の副次的効果として揚力低下が抑制され得るものである一方、床下風量が増加するものであり、該特許文献2には、単純に車両前側の揚力低下を抑制するという技術思想は開示されておらず、その示唆もない。
特開2006−327281号公報 特許第5520787号公報
そこで、この発明は、走行風をセンタエアダムに当てて正圧を発生させることで、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制(ダウンフォースの増加を抑制)し、車両前後方向のリフトバランスを調整することができる自動車の下部構造の提供を目的とする。
この発明による自動車の下部構造は、フロントバンパフェースを備えた自動車の下部構造であって、上記フロントバンパフェースから前輪の前車軸近傍までが、アンダカバーにて略フラット化された床下面に形成されており、上記前車軸とホイールハウス前縁との間の上記床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダムが設けられたものである。
上記構成によれば、前車軸とホイールハウス前縁との間の床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダムを設けたので、走行風がセンタエアダムに当たって正圧を発生し、この正圧を利用して、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制するので、車両前後のリフトバランスを調整することができる。
また、フロントバンパフェースから前輪の前車軸近傍までは、アンダカバーにより略フラット化された床下面に形成されているので、センタエアダムに当たった後の走行風は整流され、センタエアダム後部にアンダカバーが実質的に存在しないなど、整流機能が低い大きな開口が存在するもの(特許文献1参照)に対して、開口から余計な空気を引き込んで床下風量を増加したり、開口の反対側まで乱流を拡大させたりすることを防ぐ点で、空力抵抗上好ましい。
さらに、上述のセンタエアダムをアンダカバーによる床下面に取付けたので、路面との干渉時にはアンダカバーを去なすことができ、当該干渉時の荷重が車体に伝わることを防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ホイールハウス前縁には、車両下方へ突出すると共に車幅方向に延びるタイヤデフレクタが設けられており、車幅方向の左右に位置する上記タイヤデフレクタと、車幅方向中央に位置する上記センタエアダムとが、車幅方向に略一直線状に並んで設けられたものである。
上記構成によれば、ホイールハウス前縁にタイヤデフレクタを設けたので、このタイヤデフレクタによりホイールハウス部を負圧にして、当該ホイールハウスに走行風が入るのを抑制し、以て、ホイールハウス部から車外側に流出する走行風で車体側部を流れる風が乱れて、渦が発生することを防止することができる。
しかも、左右のタイヤデフレクタと、車幅方向中央に位置するセンタエアダムとが、車幅方向に略一直線状に並んで設けられているので、これらタイヤデフレクタおよびセンタエアダムの前部に大きいエアダムが形成され、正圧を効率的に発生させることができる。
換言すれば、左右のタイヤデフレクタを有効利用して、1つの大きなエアダムを形成することができ、センタエアダムの小型化を図ることも可能となる。
この発明の一実施態様においては、上記フロントバンパフェースの下縁において、少なくともその車幅方向中央前部に位置するようにチンスポイラが設けられたものである。
上記構成によれば、フロントバンパフェース下縁の車幅方向中央前部にチンスポイラ(chin spoiler)を設けたので、このチンスポイラで車両床下に走行風が可及的流入しないように成し、床下の不要な走行風を可及的減らして、空力抵抗の低下を図ることができる。
また、上述のチンスポイラに付着し、一旦剥離した走行風がセンタエアダムに再付着して正圧を発生するので、チンスポイラ直後方の負圧を低減することができ、車両前側に発生する揚力低下を抑制することができる。
要するに、前リフト減少を抑えながら、床下風の低減を図ることができる。
この発明によれば、走行風をセンタエアダムに当てて正圧を発生させることで、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制(ダウンフォースの増加を抑制)し、車両前後方向のリフトバランスを調整することができる効果がある。
本発明の下部構造を備えた自動車の正面図 図1の底面図 図1のA−A線矢視断面図 図1のB−B線矢視断面図 図1のC−C線矢視断面図 図1のD−D線に沿う要部底面図 自動車の下部構造の他の実施例を示す底面図 自動車の下部構造のさらに他の実施例を示す側面図 車両前後に発生する揚力の差異を説明するための自動車の側面図
走行風をセンタエアダムに当てて正圧を発生させることで、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制(ダウンフォースの増加を抑制)し、車両前後方向のリフトバランスを調整するという目的を、フロントバンパフェースを備えた自動車の下部構造において、上記フロントバンパフェースから前輪の前車軸近傍までが、アンダカバーにて略フラット化された床下面に形成されており、上記前車軸とホイールハウス前縁との間の上記床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダムが設けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の下部構造を示し、図1は当該下部構造を備えた自動車の正面図である。
図1において、エンジンルーム1の上方を開閉可能に覆うボンネット2と、エンジンルーム1の前方を走行風取入れ可能に覆うフロントグリル3を有するフロントバンパフェース4と、エンジンルーム1の左右側方を覆うフロントフェンダ5,5とを設け、フロントバンパフェース4の左右両側上部とフロントフェンダ5,5前端部との間には、左右のヘッドランプ6,6を配設すると共に、該ヘッドランプ6の下方におけるフロントバンパフェース4の左右両側下部にはフォグランプ7,7を配設している。
また、図1に示すように、左右のフロントピラー8,8と、ルーフパネル前端に位置するフロントヘッダ9とで囲繞された空間をフロントウインドガラス10で覆う一方、左右のフロントドア(図示せず)には後方視認用のドアミラー11,11を取付けている。なお、図1において、12,12は左右の前輪である。
図2は図1の底面図、図3は図1のA−A線矢視断面図、図4は図1のB−B線矢視断面図、図5は図1のC−C線矢視断面図、図6は図1のD−D線に沿う要部底面図である。
図4において、エンジンルーム1と車室13とを車両の前後方向に仕切るダッシュロアパネル14(ダッシュパネル)を設け、このダッシュロアパネル14からエンジンルーム1の左右両サイドを前方に延びる強度部材としてのフロントサイドフレーム15を設けている。
フロントサイドフレーム15の前端にはセットプレート16および取付けプレート17を介して、衝突エネルギ吸収部材であるクラッシュカン18を取付けている。フロントサイドフレーム15およびクラッシュカン18は左右一対設けられており、左右のクラッシュカン18,18の前端相互間には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント19を横架すると共に、該バンパレインフォースメント19の前面には当該バンパレインフォースメント19に沿って車幅方向に延びる緩衝部材20(いわゆるEA部材)を設けている。
図2,図4に示すように、エンジンルーム1の下方、詳しくは、フロントサイドフレーム15の下方には、サブフレーム21を設けている。
このサブフレーム21は強度部材であり、該サブフレーム21は、車幅方向に延びる前辺部21Aと、この前辺部21Aの左右両端部から後方に延びる左右の側辺部21B,21Bとを一体連結したもので、図4に示すように、このサブフレーム21には左右一対のタワー部21Cを介してサワートップ部21Dを一体的に連結固定(但し、図4では車両左側の構成のみを示す)し、該タワートップ部21Dを上述のフロントサイドフレーム15の下部に締結している。
また、フロントサイドフレーム15のキックアップ部下部にはブラケット22を取付けており、上述のサブフレーム21の後部、詳しくは、側辺部21Bの後部を該ブラケット22に連結固定している。
さらに、上述のタワー部21Cには、該タワー部21Cから前方に延びるスタビライザ支持台23と、強度部材としてのエクステンションメンバ24とを取付けており、スタビライザ支持台23にはスタビライザ支持部材25を用いてスタビライザ26を支持させている。
図4に示すように、上述のエクステンションメンバ24はフロントサイドフレーム15の下方において車両の前後方向に延びる閉断面構造体であって、このエクステンションメンバ24の前端部には、セットプレート27および取付けプレート28を介して、衝突エネルギ吸収部材であるサブクラッシュカン29を取付けている。ここで、エクステンションメンバ24側のセットプレート27と、フロントサイドフレーム15側のセットプレート16とを連結することで、エクステンションメンバ24をフロントサイドフレーム15に支持させている。
図4において、30はダッシュロアパネル14の車室13側に接合固定されて車幅方向に延びるダッシュクロスメンバ、31はホイールハウス、32はサスタワー、33Aはサスペンションアームのうちのロアアーム33(図2参照)の車幅方向内側端部であり、この車幅方向内側端部33Aはタワー部21Cの下部と、サブフレーム21の側辺部21B後部の車幅方向外部とに支持されている。34Aはサスペンションアームのうちのアッパアームの車幅方向内側端部であり、この車幅方向内側端部34Aはタワートップ部21Dに支持されている。また、図4において、35はロアスティフナ、いわゆる歩行者の足払い部材である。
図3に示すように、上述のサブフレーム21には図示しないエンジンマウント(マウント部材)を介して、エンジン36とトランスミッション37とから成るパワートレイン38が搭載されている。
図3,図4に示すように、エンジンルーム1の底部は、合成樹脂製のフロントアンダカバー40と、鉄板製の中間アンダカバー41と、鉄板製のトンネルアンダカバー42とで覆われており、これらの各アンダカバー40,41,42により略フラット化された床下面が形成されている。
図3,図4に示すように、上述のフロントアンダカバー40は、樹脂クリップやボルトナット等の取付け部材を用いて、フロントバンパフェース4の底部4aとサブフレーム21における前辺部21Aの下部とに取付けられており、このフロントアンダカバー40で、フロントバンパフェース4から前輪12の前車軸近傍までを覆って、略フラット化された床下面を形成している。
図3,図4に示すように、上述の中間アンダカバー41は、樹脂クリップやボルトナット等の取付け部材を用いて、サブフレーム21の前辺部21Aの下部と側辺部21Bの後部の下部とに取付けられており、この中間アンダカバー41で、エンジン36の前方部からエンジン36の後部までを覆って、略フラット化された床下面を形成している。
図3,図4に示すように、上述のトンネルアンダカバー42は、樹脂クリップやボルトナット等の取付け部材を用いて、サブフレーム21の側辺部21Bの後部の下部と、フロントサイドフレーム15の後端部(または、図示しないフロアフレームの前端部)の下部とに取付けられており、このトンネルアンダカバー42で、エンジン36の後部からトランスミッション37までを覆って、略フラット化された床下面を形成している。
図3に示すように、車両前後方向においてはバンパレインフォースメント19とエンジン36との間で、かつ、車幅方向においては左右一対のフロントサイドフレーム15,15間には、コンデンサ43とラジエータ44とを備えた熱交換器ユニット45を配設し、この熱交換器ユニット45の上方部にシュラウドアッパ46を設けると共に、熱交換器ユニット45の前方部にシュラウドカバー47を設けている。
図3に示すように、上述のラジエータ44の底部と、フロントアンダカバー40の上面との間は、車幅方向に延びるシール部材48でシールされている。このシール部材48は発泡ゴム、スポンジ部材、不織布などで形成される。
図3に示すように、上述のシュラウドカバー47の前方で、かつ、バンパレインフォースメント19の上方には、フロントバンパフェース4の上端部下面を支持するバンパフェース支持部材50が設けられている。
図3において、51はカウルフロント、2aはボンネットアウタパネル、2bはボンネットインナパネル、2cはボンネットレインフォースメントである。
図5において、52はホイールハウス32の一部を形成する泥除け部材であり、同図に示すように、ホイールハウス32と車両左側のフロントサイドフレーム15との間には、補機としてのキャパシタ53(蓄電装置)を配設している。
図2に示すように、上述のフロントアンダカバー40は、フロントバンパフェース4の底部4aからサブフレーム21の前辺部21Aまで延びる中央部40Aと、フロントバンパフェース4の左右のコーナ部4b,4bからホイールハウス31の前方部まで延びる左右のコーナ部40Cと、ホイールハウス31の前端部乃至車幅方向内側の側端部(但し、前車軸よりも前方部)に沿って設けられた後部40Bとを、一体または一体的に形成したものである。
図2に示すように、左右のホイールハウス31,31前縁には、樹脂クリップやボルトナットなどの取付け部材を用いて車両下方へ突出すると共に車幅方向に延びる左右のタイヤデフレクタ60,60が設けられている。
この実施例では、タイヤデフレクタ60はフロントアンダカバー40のコーナ部40C後部に取付けられており、該タイヤデフレクタ60は取付け面と、走行風の受け面とを有する側面視L字状に形成されており、走行風の受け面が車両下方へ突出するように取付けられている。
このタイヤデフレクタ60によりホイールハウス31部を負圧にして、当該ホイールハウス31に走行風が入るのを抑制し、これにより、ホイールハウス31部から車外側に流出する走行風で車体側部を流れる風が乱されて、渦が発生することを防止するように構成している。
図2に示すように、上述のタイヤデフレクタ60の前方部と対応するように、フロントバンパフェース4のコーナ部4bの底部には、車両外側が閉塞された横向き断面形状略U字状のサイドチンスポイラ61,61を取付けている。サイドチンスポイラ61はフロントバンパフェース4のコーナ部4bの形状に沿うよう底面視で略円弧状に形成されている。
これら左右のサイドチンスポイラ61,61は、樹脂クリップやボルトナットなどの取付け部材を用いて、フロントバンパフェース4のコーナ部に沿うように、フロントアンダカバー40のコーナ部40Cに取付けられている。
このサイドチンスポイラ61で走行風が車両床下に流入する量を低下させ、走行風を車両側方に流すことで、空気抵抗の低減を図ったものである。但し、サイドチンスポイラ61を設けることで、走行風が当該サイドチンスポイラ61を飛び越えてタイヤデフレクタ60に当たらなくなるので、これを防止するために図4,図6に示すように、該サイドチンスポイラ61の前部には、走行風取込み口61aが設けられており、この走行風取込み口61aを通して走行風e1を後方に流すことで、タイヤデフレクタ60に走行風e1が当たるように構成している。
しかも、図2,図3に示すように、前輪12の前車軸とホイールハウス31前縁との間の床下面、つまり、フロントアンダカバー40の中央部40Aにおける車両前後方向中間部で、かつ車幅方向の中間部(この実施例では、車幅方向中央部)には、下方へ突出するセンタエアダム62が設けられている。
図2に示すように、このセンタエアダム62は取付け面62aと走行風の受け面62bとを有する側面視L字状に形成されており、走行風の受け面62bが車両下方へ突出するように取付けられている。また、このセンタエアダム62は車幅方向に一直線状に延びるように形成されている。
上述のセンタエアダム62は、樹脂クリップやボルトナットなどの複数の取付け部材63を用いて、フロントアンダカバー40の中央部40Aに取付けられている。
このように、前車軸とホイールハウス31前縁との間のフロントアンダカバー40の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダム62を設けることで、走行風e2がセンタエアダム62に当たって正圧(図3に示す正圧領域P1参照)を発生し、この正圧を利用して、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制し、車両前後のリフトバランスを調整するように構成したものである。
また、フロントバンパフェース4から前輪12の前車軸近傍までは、フロントアンダカバー40により略フラット化された床下面に形成されているので、センタエアダム62に当たった後の走行風は整流され、センタエアダム62後部に開口が存在するもの(特許文献1参照)に対して、空力抵抗が向上するように構成したものである。
さらに、上述のセンタエアダム62をフロントアンダカバー40による床下面に取付けたので、路面との干渉時にはフロントアンダカバー40を去なすことができて、当該干渉時の荷重が車体に伝わることを防止すべく構成したものである。
加えて、センタエアダム62をフロントアンダカバー40に取付けることで、当該センタエアダム62の車両前後方向の取付け位置に厳密性が要求される場合であっても、該センタエアダム62を最適な位置に取付けることができるように構成すると共に、当該センタエアダム62をフロントアンダカバー40に対して後付けできるように構成したものである。
図2に示すように、車幅方向の左右に位置するタイヤデフレクタ60,60と、車幅方向中央に位置するセンタエアダム62とは、車幅方向に略一直線状に並んで設けられている。この実施例では、図2に示すように、上述のセンタエアダム62はタイヤデフレクタ60に対して若干車両後方に位置しており、これにより、正圧を確実に発生させると共に、アプローチアングルの関係上、路面との干渉を考慮してより安全な後方に位置させている。なお、センタエアダム62の車両前後方向の配置位置は、前輪12の前車軸の位置に対して若干前方部が最も好ましい。
このように、左右のタイヤデフレクタ60,60と、車幅方向中央に位置するセンタエアダム62とが、車幅方向に略一直線状に並んで設けられることで、これらタイヤデフレクタ60,60およびセンタエアダム62の前部に大きいエアダム(図2の正圧エリアP2参照)が形成され、正圧を効率的に発生させるように構成したものである。
換言すれば、左右のタイヤデフレクタ60,60を有効利用して、1つの大きなエアダム(正圧エリアP2参照)を形成し、センタエアダム62の小型化を図ることが可能となるように構成したものである。
図6に底面図で示すように、前輪12は、タイヤ12a、リム12bおよびブレーキディスク12cを有している。一方、同図に示すように、サイドチンスポイラ61の走行風取込み口61aの直後部には走行風e1(図2参照)を案内するためのガイド溝部材64を設けている。
上述のガイド溝部材64の車幅方向内側の下流側部とホイールハウス32の前縁における車幅方向内端部との間には、車両前後方向に延びる冷却ダクト65を設け、この冷却ダクト65の後方をブレーキ冷却用開口66に設定し、図6に示すように、車両の車幅方向中央部から流れる走行風e3を同図に矢印で示すようにブレーキ冷却用開口66からブレーキディスク12cの方向に流して、ブレーキ装置の冷却を図るように構成している。
このように、図1〜図6で示した実施例1の自動車の下部構造は、フロントバンパフェース4を備えた自動車の下部構造であって、上記フロントバンパフェース4から前輪12の前車軸近傍までが、アンダカバー(フロントアンダカバー40参照)にて略フラット化された床下面に形成されており、上記前車軸とホイールハウス31前縁との間の上記床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダム62が設けられたものである(図2,図3参照)。
この構成によれば、前車軸とホイールハウス31前縁との間の床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダム62を設けたので、走行風がセンタエアダム62に当たって正圧を発生し、この正圧を利用して、前車軸よりも前方に発生する揚力の低下を抑制するので、車両前後のリフトバランスを調整することができる。
また、フロントバンパフェース4から前輪12の前車軸近傍までは、アンダカバー(フロントアンダカバー40参照)により略フラット化された床下面に形成されているので、センタエアダム62に当たった後の走行風は整流され、センタエアダム62後部に開口が存在するもの(特許文献1参照)に対して、空力抵抗上好ましい。
さらに、上述のセンタエアダム62をアンダカバー(フロントアンダカバー40)による床下面に取付けたので、路面との干渉時にはアンダカバー(フロントアンダカバー40)を去なすことができ、当該干渉時の荷重が車体に伝わることを防止することができる。
この発明の一実施形態においては、上記ホイールハウス31前縁には、車両下方へ突出すると共に車幅方向に延びるタイヤデフレクタ60が設けられており、車幅方向の左右に位置する上記タイヤデフレクタ60,60と、車幅方向中央に位置する上記センタエアダム62とが、車幅方向に略一直線状に並んで設けられたものである(図2参照)。
この構成によれば、ホイールハウス31前縁にタイヤデフレクタ60を設けたので、このタイヤデフレクタ60によりホイールハウス31部を負圧にして、当該ホイールハウス31に走行風が入るのを抑制し、以て、ホイールハウス31部から車外側に流出する走行風で車体側部を流れる風が乱れて、渦が発生することを防止することができる。
しかも、左右のタイヤデフレクタ60,60と、車幅方向中央に位置するセンタエアダム62とが、車幅方向に略一直線状に並んで設けられているので、これらタイヤデフレクタ60,60およびセンタエアダム62の前部に大きいエアダム(正圧エリアP2参照)が形成され、正圧を効率的に発生させることができる。
換言すれば、左右のタイヤデフレクタ60,60を有効利用して、1つの大きなエアダムを形成することができ、センタエアダム62の小型化を図ることも可能となる。
図7は自動車の下部構造の他の実施例を示す底面図である。
図7で示す実施例2においては、フロントバンパフェース4の車幅方向中央部に下縁において、その前部に位置するようにセンタチンスポイラ67を設けている。
上述のセンタチンスポイラ67は、車両前方側が閉塞された横向きU字状断面を有するもので、この実施例では、当該センタチンスポイラ67は左右両側に位置するサイドチンスポイラ61,61と一体または一体的に形成されており、樹脂クリップやボルトナットなどの取付け部材を用いて、フロントバンパフェース4の底部4aにおける車幅方向中央前部に取付けられている。
この実施例では、上述のセンタチンスポイラ67は略水平方向に指向するように取付けられているが、当該センタチンスポイラ67の指向方向は水平方向(車両床下から前方に延びる方向)から垂直方向(車両床下から下方に延びる方向)までの範囲内の任意の指向方向に設定することができる。
このように、図7で示した実施例2においては、上記フロントバンパフェース4の下縁において、少なくともその車幅方向中央前部に位置するようにチンスポイラ(センタチンスポイラ67参照)が設けられたものである(図7参照)。
この構成によれば、フロントバンパフェース4下縁の車幅方向中央前部にチンスポイラ(センタチンスポイラ67)を設けたので、このチンスポイラ(センタチンスポイラ67)で車両床下に走行風が可及的流入しないように成し、床下の不要な走行風を可及的減らして、空力抵抗の低下を図ることができる。
また、上述のチンスポイラ(センタチンスポイラ67)に付着し、一旦剥離した走行風がセンタエアダム62に再付着して正圧を発生するので、チンスポイラ(センタチンスポイラ67)直後方の負圧を低減することができ、車両前側に発生する揚力低下を抑制することができる。
要するに、前リフト減少を抑えながら、床下風の低減を図ることができ、特に、リフトバランスが崩れやすい高速走行時に有効となる。
図7で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1とほぼ同様であるから、図7において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図8は自動車の下部構造のさらに他の実施例を示す側面図である。
この実施例3においては、走行風の受け面を有するセンタエアダム62を、フロントアンダカバー40と一体形成している。また、ラジエータ44の下部には当該ラジエータ44を支持するシュラウドロア49を設けている。
このように構成すると、センタエアダム62がフロントアンダカバー40と一体形成されるので、部品点数および組付け工数の削減を図ることができる。
図8で示したこの実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の各実施例1,2とほぼ同様であるから、図8において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のアンダカバーは、実施例のフロントアンダカバー40に対応し、
以下同様に、
チンスポイラは、センタチンスポイラ67に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、図8で示した実施例3において、フロントアンダカバー40にセンタエアダム62のみならず左右のタイヤデフレクタ60,60を一体形成してもよいことは勿論である。また、実施例1,2,3において、左右のタイヤデフレクタ60,60とセンタエアダム62とを一体化して、これらを車幅方向に一直線状に延びるように形成してもよい。
以上説明したように、本発明は、フロントバンパフェースを備えた自動車の下部構造について有用である。
4…フロントバンパフェース
12…前輪
31…ホイールハウス
40…フロントアンダカバー(アンダカバー)
60…タイヤデフレクタ
62…センタエアダム
67…センタチンスポイラ(チンスポイラ)

Claims (3)

  1. フロントバンパフェースを備えた自動車の下部構造であって、
    上記フロントバンパフェースから前輪の前車軸近傍までが、アンダカバーにて略フラット化された床下面に形成されており、
    上記前車軸とホイールハウス前縁との間の上記床下面の車両前後方向中間部に、下方へ突出するセンタエアダムが設けられたことを特徴とする
    自動車の下部構造。
  2. 上記ホイールハウス前縁には、車両下方へ突出すると共に車幅方向に延びるタイヤデフレクタが設けられており、
    車幅方向の左右に位置する上記タイヤデフレクタと、車幅方向中央に位置する上記センタエアダムとが、車幅方向に略一直線状に並んで設けられた
    請求項1記載の自動車の下部構造。
  3. 上記フロントバンパフェースの下縁において、少なくともその車幅方向中央前部に位置するようにチンスポイラが設けられた
    請求項1または2に記載の自動車の下部構造。
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