JP6292193B2 - 自動車の下部整流構造 - Google Patents

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Description

この発明は、リヤサスペンションの一部を下方から覆うアンダカバーが設けられたような自動車の下部整流構造に関する。
一般に、自動車の床下における空力抵抗の低減を図るためにアンダカバーが用いられている。
後輪を懸架するトーションビームアクスル式、セミトレーリングアーム式のリヤサスペンションは、上下方向に広い揺動スペースが必要で、サスペンション部材に対する床下風の衝突や、床下風の乱れ、さらには燃料タンク等の車両補機に対して後ろ向きに車体を引っ張る方向の負圧が発生し、空力抵抗増大の要因となった。
この点について、図面を参照して更に詳述する。
図11は従来の自動車の下部整流構造を示す側面図であって、図11において、フロアパネル80の後部には、上方に立上がるキックアップ部81を介して、リヤシートパン82と、凹状に段下げ形成された荷室凹部83とを備えたリヤフロア84を車両後方に向けて一体または一体的に形成し、リヤフロア84の後端部には上下方向に延びるリヤエンドパネル85を立設固定している。
上述のキックアップ部81の背面部(つまり、リヤ側)とリヤシートパン82の前端部下面との間には、車幅方向に延びるクロスメンバ86(いわゆるNo.3クロスメンバ)を設け、リヤシートパン82の後端部の上下両部には、車幅方向に延びるクロスメンバアッパ87とクロスメンバロア88(いわゆるNo.4クロスメンバ)とを設け、荷室凹部83の前部下側には、車幅方向に延びるリヤクロスメンバ89(いわゆるNo.5クロスメンバ)を設け、リヤエンドパネル85の上端部前面には、車幅方向に延びるリヤエンドメンバ90を設け、これらの車幅方向に延びる各部材(各要素86〜90)により下部車体剛性の向上を図っている。
上述のリヤシートパン82の下部には、左右一対のタンクバンド91(但し、図11では一方のタンクバンドのみを示す)を用いて車両補機としての燃料タンク92を取付ける一方、荷室凹部83の下方には消音器としてのサイレンサ93を配設し、このサイレンサ93の下部93aをフラット形状になして、サイレンサ93が整流構造を有するように形成している。
また、リヤバンパ94と一体または別体のリヤエンドアンダカバー95を設ける一方で、リヤサスペンションの一例としてのトーションビームアクスル式のリヤサスペンション96を設けている。このリヤサスペンション96は左右一対のトレーリングアーム(図示せず)と、これら左右のトレーリングアーム間を車幅方向に連結するトーションビーム97と、スプリングシート98(詳しくは、スプリングロアシート)とを備えている。
そして、車両床面を下方から覆うアンダカバー99を設け、このアンダカバー99で上述のトーションビーム97の直前部までを覆っている。
図11に示すように、燃料タンク92の後端部と、サイレンサ93の前端部との間には、窪部100が形成された構造となっている関係上、アンダカバー99の下面を流れる床下風e8が窪部100に引込まれ、サイレンサ93の前面に当該床下風e8が当って、サイレンサ93前面には正圧(車両を後方に押す力)が発生する。
また、アンダカバー99の後端で床下風e8が剥離するので、燃料タンク92の後端面には、負圧(車両を後方に引張る力)が発生する。さらに、燃料タンク92とサイレンサ93との間において上述の窪部100に位置するスプリングシート98の前面には、床下風e8が当ることで、正圧(車両を後方に押す力)が発生すると共に、スプリングシート98の後面には、負圧(車両を後方に引張る力)が発生する。
これらの各正圧および負圧の発生により、空力抵抗が増大する。
そこで、空力抵抗の低減を図るために、図11に示す窪部100下方を含めて車両床面の全体をアンダカバーで下方から覆うことが考えられるが、リヤサスペンション96のトーションビーム97およびスプリングシート98は、車両の挙動に対応して上下動するため、リヤサスペンション96と干渉しない下方位置にアンダカバーが設けられることになり、充分な最低地上高の確保が困難となる。
一方、リヤサスペンション96側の可動部にアンダカバーを取付けることも考えられるが、この場合には、ダンパで減衰されていない振動がそのままアンダカバーに伝わるので、当該アンダカバーには高い耐久性が要求されることになる。
ところで、特許文献1には、車両のサスペンションカバー構造において、車両に設けられ車体下面を被覆するフロアカバーと、その後方に隣接して設けられサスペンションを下方から被覆するサスペンションカバーと、その後方に隣接して設けられると共に車両のリヤバンパの前方に隣接するリヤカバーとを備え、上記サスペンションカバーが、トレーリングアームの各々に設けられた左右一対のトレーリングアームカバーと、アクスルビームに設けられたアクスルカバーと、ワットリンク(watt link、アクスルが上下しても横方向の動きがゼロとなるようにしたシステム)に設けられたワットリンクカバーとから構成されると共に、フロアカバーとサスペンションカバーとリヤカバーとが、車体下面の略全面にわたって略同一平面上に設けられた構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された従来構造においては、次のような問題点があった。
すなわち、車両の挙動により、トレーリングアームを下方から覆うトレーリングアームカバーがフロアカバーに対して下方に変位すると、このトレーリングアームカバーには床下風が当って、正圧が発生する。
この正圧はトレーリングアームカバーの面に対して垂直な方向に発生し、この正圧は上下方向成分と前後方向成分とを有し、この前後方向成分が車両を後ろに押す力となり、空力抵抗増大の要因となる。
また、該特許文献1に開示されたものは、リジッドアクスル(rigid axle)方式、いわゆる車軸懸架式のサスペンションであって、この特許文献1のアクスルカバーを、仮にトーションビームアクスル式のリヤサスペンション(独立懸架の一種)を備えた構造に適用する目的で、当該アクスルカバーをトーションビームのねじれる部分に設けると、トーションビームに負荷がかかり、剛性分布が崩れるので、トーションビームアクスル式のリヤサスペンションを備えた自動車の下部整流構造には採用することができない。
さらに、特許文献2には、車両の床下を車幅方向全幅で、かつ車両前端から車両後端にわたって下方からアンダカバーで覆った構造が開示されているが、この従来構造においては、最低地上高の確保が困難となるばかりでなく、アンダカバーの組付け性も悪くなるという問題点があった。
特開2005−53321号公報 特開2009−220689号公報
そこで、この発明は、車体側に支持されるアンダカバーにて最低地上高等のレイアウト性の確保と、アンダカバーの振動耐久性確保との両立を図ることができる自動車の下部整流構造の提供を目的とする。
この発明による自動車の下部整流構造は、リヤサスペンションの一部を下方から覆うアンダカバーが設けられた自動車の下部整流構造であって、上記アンダカバーは、上記リヤサスペンションのトレーリングアーム前部を覆うサスペンション前側カバーと、上記サスペンション前側カバーの車幅方向中央部から後方に延びるサスペンション中央カバーと、上記トレーリングアームの後方に位置するリヤサイドアンダカバーとを備え、上記各カバーが車体側部材に支持されたものである。
上記構成によれば、上述のアンダカバーは、サスペンション前側カバーと、サスペンション中央カバーと、リヤサイドアンダカバーとを備えているので、一枚物のアンダカバーでリヤサスペンション全体を下方から覆うものに対して、最低地上高が確保しやすく、また、サスペンション可動部に別体のアンダカバーを設ける構造に対して、アンダカバーの振動特性が有利となる。
要するに、車体側に支持されるアンダカバーにて最低地上高等のレイアウト性の確保と、アンダカバーの振動耐久性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記サスペンション前側カバーの側方後端には、下方に屈曲した床下風の剥離部が設けられ、上記リヤサイドアンダカバーは、下方に凸の側面断面形状とされたものである。
上記構成によれば、上述の剥離部で床下風を剥離させ、剥離後の床下風をリヤサイドアンダカバーに再付着させて、乱流の発生を抑制することができる。
また、車幅方向中央側においては床下風を略真っ直ぐに後方へ流し、車幅方向側部においては最低地上高を確保しつつ、床下風を剥離および再付着させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記サスペンション中央カバーの下方に排気管が配設され、上記リヤサイドアンダカバーは単体で着脱可能な構造とされたものである。
上記構成によれば、最低地上高の確保と、足回りのメンテナンス性確保との両立を図ることができる。
つまり、ブレーキ用のハーネス等のメンテナンス時、仮に、サスペンション中央カバーとリヤサイドアンダカバーとが一体であり、かつ排気管がアンダカバー下方に配設されていると、メンテナンスに際して排気管を取外す必要が生ずるが、上記構成においては、リヤサイドアンダカバーが単体で着脱可能に構成されているので、排気管を取外す必要がなく、メンテナンス性の確保を図ることができる。
また、一枚物のアンダカバーでリヤサスペンション全体を下方から覆うものに対して、最低地上高が確保しやすいので、最低地上高の確保と、足回りのメンテナンス性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記サスペンション中央カバーには、その下面に開口または切欠きが設けられ、その縁から車体側部材に向けて壁面が上方に延びる柱状の車体取付け部が設けられ、該サスペンション中央カバーの下面が上記リヤサイドアンダカバーにより下方から覆われたものである。
上記構成によれば、サスペンション中央カバーには、上記構造の車体取付け部が設けられているので、別途アンダカバー取付け用のステーなどを用いる必要がなく、取付け部品の削減を図ることができると共に、上記車体取付け部によりサスペンション中央カバーそれ自体の剛性を確保することができる。
また、サスペンション中央カバーの下面を、リヤサイドアンダカバーで下方から覆っているので、空力抵抗の増加を招かない。さらに、サスペンション中央カバーとリヤサイドアンダカバーとをそれぞれに対応する形状と成すことができて、メンテナンス性もよくなる。
この発明によれば、車体側に支持されるアンダカバーにて最低地上高等のレイアウト性の確保と、アンダカバーの振動耐久性確保との両立を図ることができる効果がある。
本発明の自動車の下部整流構造を示す底面図 図1のA−A線に沿う要部の矢視断面図 図1のB−B線に沿う要部の矢視断面図 図1のC−C線に沿う要部の矢視断面図 図1のD−D線矢視断面図 センタ後側アンダカバーの底面図 リヤセンタアンダカバーの底面図 図5の部分拡大図 (a)は図8のファスナ取付け部位の分解図、(b)はファスナによる取付け完了時の断面図 リヤセンタアンダカバー、インシュレータおよび排気管の関連構造を示す断面図 従来の自動車の下部整流構造を示す側面図
車体側に支持されるアンダカバーにて最低地上高等のレイアウト性の確保と、アンダカバーの振動耐久性確保との両立を図るという目的を、リヤサスペンションの一部を下方から覆うアンダカバーが設けられた自動車の下部整流構造において、上記アンダカバーは、上記リヤサスペンションのトレーリングアーム前部を覆うサスペンション前側カバーと、上記サスペンション前側カバーの車幅方向中央部から後方に延びるサスペンション中央カバーと、上記トレーリングアームの後方に位置するリヤサイドアンダカバーとを備え、上記各カバーが車体側部材に支持されるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の下部整流構造を示し、図1は当該下部整流構造を示す底面図、図2は図1のA−A線に沿う要部の矢視断面図、図3は図1のB−B線に沿う要部の矢視断面図、図4は図1のC−C線に沿う要部の矢視断面図、図5は図1のD−D線矢視断面図、図6はセンタ後側アンダカバーの底面図、図7はリヤセンタアンダカバーの底面図である。
下部整流構造の説明に先立って、まず自動車の下部車体構造について説明する。
図2,図3において、フロアパネル1の後部には、上方に立上がるキックアップ部2を介して、リヤシートパン3と、凹状に段下げ形成された荷室凹部4とを備えたリヤフロア5(詳しくはリヤフロアパネル)を後方に向けて一体または一体的に形成し、リヤフロア5の後端部には上下方向に延びるリヤエンドパネル6を立設固定している。
上述のキックアップ部2の背面部(つまり、リヤ側)とリヤシートパン3の前端部下面との間には、車幅方向に延びるクロスメンバ7(いわゆるNo.3クロスメンバ)を設け、該クロスメンバ7と各要素2,3との間には、車幅方向に延びる閉断面8を形成している。
また、リヤシートパン3の後端部の上下両部には、車幅方向に延びるクロスメンバアッパ9とクロスメンバロア10(いわゆるNo.4クロスメンバ)とを接合固定しており、リヤシートパン3とクロスメンバアッパ9との間、並びに、リヤシートパン3とクロスメンバロア10との間には、上下方向にオーバラップして車幅方向に延びる閉断面11,12を形成している。
さらに、荷室凹部4の前部下側には、車幅方向に延びるリヤクロスメンバ13(いわゆるNo.5クロスメンバ)を設け、このリヤクロスメンバ13と荷室凹部4との間には、車幅方向に延びる閉断面14を形成している。
また、上述のリヤエンドパネル6の上端部前面には、車幅方向に延びるリヤエンドメンバ15を設け、このリヤエンドメンバ15とリヤエンドパネル6との間には、車幅方向に延びる閉断面16を形成している。
そして、上述の各閉断面8,11,12,14,16により、下部車体剛性の向上を図っている。
上述のリヤシートパン3の下部には、図3に示すように、左右一対のタンクバンド17,17(但し、図面では一方のタンクバンドのみを示す)を用いて補機としての燃料タンク18を取付ける一方、荷室凹部4の下方には消音器としてのサイレンサ19を配設し、このサイレンサ19の下部19aをフラット形状になして、該サイレンサ19が整流構造を有するように形成している。上述の荷室凹部4とサイレンサ19上部との間には、熱害防止用のインシュレータ20を配置している。
また、リヤバンパ21と一体または別体のリヤエンドアンダカバー22を設け、このリヤエンドアンダカバー22のフラットな下面とサイレンサ19のフラット形状の下部19aとを、車両前後方向に連続させている。このリヤエンドアンダカバー22は、サイレンサ19とリヤバンパ21との間の下面を形成するものである。
なお、図2,図3において、23は車幅方向に延びるバンパレインフォースメントで、このバンパレインフォースメント23は、バンパレイン本体24とクロージングプレート25とを備えている。
図1において、26は前輪、27は後輪である。図1,図5に示すように、左右の後輪27,27は独立懸架の一種であるトーションビームアクスル式(詳しくは、カップルドビーム式)のリヤサスペンション28により車体に懸架されている。
図1,図5に示すように、このリヤサスペンション28は、左右一対のトレーリングアーム29,29と、これら左右一対のトレーリングアーム29,29の後部にそれぞれ設けられた左右のスプリングシートとしてのスプリングロアシート30,30と、これら左右のスプリングロアシート30,30よりも上方かつ車両前方の位置で左右一対のトレーリングアーム29,29間に車幅方向に向けて架設されたトーションビーム31(ねじり方向に弾力を有するクロスビーム)とを備えている。
このトーションビーム31は、図2,図3,図4に示すように、下方側が開放された閉断面形状に形成されている。
図5に示すように、リヤフロア5の車幅方向の左右両端部には、リヤホイールハウスインナ32の下端折曲げ部を接合固定しており、リヤホイールハウスインナ32の車幅方向外側には、リヤホイールハウスアウタ33を接合固定して、これら両者32,33でリヤホイールハウスを構成している。
そして、上述のリヤフロア5の車幅方向両端部と、リヤホイールハウスインナ32の下部との間における上下両部には、図5に示すように、リヤサイドフレームアッパ34とリヤサイドフレームロア35とを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面36,37を形成している。この実施例では、これら各閉断面36,37は上下方向にオーバラップするように形成されている。
図4に示すように、上述のスプリングロアシート30と上下方向に対向する位置で、かつ、上述のリヤサイドフレームロア35の下面には、スプリングアッパシート38を取付けており、これらスプリングアッパシート38とスプリングロアシート30との間には、コイルスプリング39を張架している。
図4に実線で示すように、上述のスプリングロアシート30は、その下面が定常時に前上に傾斜(前高後低状に傾斜)するよう形成されている。ここに、上述の定常時とは、ドライバが一人のみ乗車した状態から最大積載量(または最大積載量の半分)の範囲で、車両が平地を定速走行している時を意味する。
次に、自動車の下部整流構造について詳述する。
図1に示すように、前輪ホイールハウス間で、かつエンジンルームの下部(詳しくは、フロントバンパ下部からダッシュロアパネル下部にわたる範囲)は、車両前後方向に複数分割されたフロントアンダカバー40とサブアンダカバー41とで車両床面が下方から覆われている。
また、車室床面を形成するフロアパネル1の車幅方向中央において車両前後方向に延びるトンネル部1T(図2参照)の下部は、トンネルアンダカバー42で下方から覆われると共に、トンネル部1Tの左右に位置するフロアパネル1の下部は、左右一対のセンタ前側アンダカバー43,43で下方から覆われている。
ここで、上述のエンジンルームに搭載したエンジンのシリンダヘッドには、気筒相当数の排気ポートが設けられており、排気ポートに連通接続された排気マニホルドには、触媒コンバータを介設した排気管44が接続され、この排気管44は車両後方に向けて延びている。そして、車体前部床下の排気管44(詳しくは、車両平面視でキックアップ部2直前部までの排気管)は上述のトンネルアンダカバー42で下方から覆われている。このトンネルアンダカバー42には排気管44からの熱を下方つまり車外側に逃がす目的で、長方形状の孔部42a,42a…が車両前後方向に離間して複数開口形成されている。
上述のトンネルアンダカバー42よりも車両後方の排気管44は、後述するアンダカバー(センタ後側アンダカバー46、リヤセンタアンダカバー47参照)の車幅方向中間部の下側を通って車両前後方向の後方に延設され、排気管44の後端には上述のサイレンサ19が接続されると共に、このサイレンサ19の左右両側部には、後方に向けて底面視でL字状に延びる左右略対称構造のテールパイプ45,45(いわゆるマフラ)が接続されている。
図1〜図4に示すように、リヤサスペンション28のスプリングロアシート30よりも前方部位を下方から覆うスプリングシート前側カバーとしてのセンタ後側アンダカバー46を設けている。このセンタ後側アンダカバー46はリヤサスペンション28の左右のトレーリングアーム29前部およびトーションビーム31の全体を下方から覆うサスペンション前側カバーとして機能する。
この実施例では、図2,図3,図4に示すように、上述のセンタ後側アンダカバー46は、耐熱性が比較的低い補機である燃料タンク18をその下方から覆っている。
また、図1,図5に示すように、上述のセンタ後側アンダカバー46は、トーションビーム31下方から前述の各アンダカバー42,43の後端までの車両前後間における車幅方向中央を下方から覆う中央部46Cと、車両正面断面視(図5参照)で該中央部46Cの車幅方向左右両端部から下方に傾斜して車幅方向外側へ延びてリヤサスペンション28のトレーリングアーム29前部を下方から覆う傾斜側部46S,46Sと、を備えている。
さらに、図1に示すように、センタ後側アンダカバー46の車幅方向中央部から左右のスプリングロアシート30,30間を後方に延びるサスペンション中央カバーとしてのリヤセンタアンダカバー47を設けている。このリヤセンタアンダカバー47は、車幅方向中央において上述の傾斜側部46Sに対してさらに車両後方側に延びる中央後方延長部でもある。この実施例では、上述のリヤセンタアンダカバー47は、底面視で車両前方側が幅狭で、車両後方側が幅広となる台形状に形成されている。
図1,図3,図4に示すように、上述のスプリングロアシート30よりも後方の床下を、トレーリングアーム29の後部と干渉しないように、下方から左右別々に覆うスプリングシート後側カバーとしてのリヤサイドアンダカバー48を設けている。このリヤサイドアンダカバー48は、図1に底面図で示すように、トレーリングアーム29の後方に位置し、かつ左右に2分割されたものである。
ここで、図1に底面図で示すように、上述の排気管44はリヤセンタアンダカバー47の車幅方向中間部の下部に配設されており、上述のリヤサイドアンダカバー48は、上記排気管44と干渉しない位置において、スプリングロアシート30の後方かつトレーリングアーム29の後部乃至後端よりも車幅方向内側に位置するように配置されている。
図4に示すように、上述のスプリングロアシート30の下方には、アンダカバーで覆われない開口部49、すなわち、センタ後側アンダカバー46、リヤセンタアンダカバー47およびリヤサイドアンダカバー48の何れのアンダカバーでも覆われない開口部49が形成され、この開口部49でスプリングロアシート30の上下動を許容している。
図1に底面図で示すように、リヤサイドアンダカバー48および後輪27の後方で、かつサイレンサ19の車幅方向端部よりも車幅方向の外方には、アンダカバーで覆われていない第2の開口部62が設けられており、上述のテールパイプ45は第2の開口部62に相当する位置に配設されている。上述の第2の開口部62には負圧が発生するので、排気抵抗が低減できることとなり、好ましいものである。また、後輪27の後方で、かつサイレンサ19の車幅方向左右両側方のアンダカバーを不要と成すこともできる。
上述のセンタ後側アンダカバー46はその下面がスプリングロアシート30の最下位置(リヤサスペンション28が車両の挙動に対応して上下動した際の最も下方の位置で、図4の仮想線α参照)よりも高く設定されている。また、図4,図6に示すように、センタ後側アンダカバー46における傾斜側部46Sの後端には、床下風e1を上述の開口部49に流入させないよう下方へガイド(いわゆるジャンプ)すべく、下方に円弧状に屈曲した床下風e1の剥離部50が形成されている。この剥離部50の後端50aは、床下風e1の剥離点として作用する。
図4に示すように、上述のリヤサイドアンダカバー48は、上述の剥離部50から所定距離後方へ離間(詳しくは、開口部49を塞がないように後方へ離間)すると共に、該リヤサイドアンダカバー48は剥離部50後端に対して高さが略同等またはそれ以上の位置に最下部48aを有する下方に凸の下面48bが形成されている。つまり、該リヤサイドアンダカバー48は、下方に凸の側面断面形状とされたものである。この実施例では上記下面48bは後ろ上に傾斜(前低後高状に傾斜)している。
ここで、上述の最下部48aは、剥離部50による剥離後の床下風とセンタ後側アンダカバー46上方の空気e3との合流を円滑に行なうために、図示の如く、湾曲形状に形成されることが好ましい。
なお、上述の各アンダカバー40,41,42,43,46,47,48は、合成樹脂または不織布あるいは、FRPなどの繊維強化プラスチックにて形成されている。
また、図1に示すように、フロントアンダカバー40、サブアンダカバー41、トンネルアンダカバー42、センタ前側アンダカバー43、センタ後側アンダカバー46の中央部46C、リヤセンタアンダカバー47のそれぞれの床面は、概ね面一状になるように形成されている。
要するに、図1,図4で示すように、車両床面がアンダカバーで下方から覆われた下部整流構造において、リヤサスペンション28のスプリングロアシート30よりも前方部位を下方から覆うセンタ後側アンダカバー46と、スプリングロアシート30よりも後方の床下を下方から覆うリヤサイドアンダカバー48と、スプリングロアシート30の下方に形成されアンダカバーで一切覆われない開口部49とを備え、センタ後側アンダカバー46はその下面がスプリングロアシート30の最下位置(図4の仮想線α参照)よりも高く設定され、床下風e1を、開口部49に流入させないよう下方へガイドすべくセンタ後側アンダカバー46の後端(詳しくは、傾斜側部46Sの後端)に下方に円弧状に屈曲した床下風e1の剥離部50が形成され、リヤサイドアンダカバー48は剥離部50から開口部49よりもさらに後方の所定距離後方へ離間し、かつ剥離部50に対して高さが略同等または、それ以上の位置に最下部48aを有する下方に凸の下面48bが形成されたものである。
これにより、図4に示すように、センタ後側アンダカバー46の下面を流れる床下風e1を、剥離部50の剥離点(後端50a)で剥離させ、剥離後の床下風をリヤサイドアンダカバー48の最下部48aまたはそれより後方に再付着させ、再付着後の床下風e2をリヤサイドアンダカバー48の下面48bに沿って車両後方に流すよう構成したものである。ここで、上述の再付着後の床下風e2の流れる角度(仮想水平線に対する仰角)は理想的な風の流れと平行または若干緩い角度が好ましい。
また、上述のスプリングロアシート30の下方に、アンダカバーで一切覆われていない開口部49を設けることで、車両の挙動に対応して上下動するスプリングロアシート30の下方を、アンダカバーで覆う必要がなく、最低地上高を確保しつつ、センタ後側アンダカバー46上方の空気e3と、センタ後側アンダカバー46の下面を流れる床下風e1とを円滑に後方に流して、空力抵抗の低減を図るよう構成している。
さらに、スプリングロアシート30の下面は、図4に実線で示すように、定常時に前上に傾斜するよう形成されており、リヤサイドアンダカバー48の最下部48aよりも車両前方の部位は、定常時のスプリングロアシート30の下面と車両前後方向で前上に略連続する傾斜面48cを形成するように構成されている。
これにより、定常時に前上に傾斜するスプリングロアシート30の下面と、リヤサイドアンダカバー48の上記傾斜面48cとが前上に略連続することで、センタ後側アンダカバー46上方の空気e3を円滑に床下風e2に合流させて、床下風e2の乱れを抑制するように構成している。
さらにまた、リヤサスペンション28は、左右一対のトレーリングアーム29と、これら左右一対のトレーリングアーム29の後部に設けられたスプリングロアシート30と、該スプリングロアシート30よりも上方かつ車両前方の位置で左右一対のトレーリングアーム29,29間に車幅方向に向けて架設されたトーションビーム31とを備えたトーションビームアクスル式(詳しくは、カップルドビーム式)のリヤサスペンションにて構成されており、センタ後側アンダカバー46はトーションビーム31全体を下方から覆うものである。
これにより、センタ後側アンダカバー46でトーションビーム31を覆って、当該センタ後側アンダカバー46の下面を流れる床下風e1がトーションビーム31に衝突することを防止すべく構成したものである。
加えて、上述の剥離部50は、時速30Km以上の速度での走行中に、リヤサイドアンダカバー48の最下部48aよりも後方に床下風が再付着するように形成されたものである。
これにより、時速30Km以上の速度での走行中に、剥離部50によりリヤサイドアンダカバー48の最下部48aよりも後方に床下風を再付着させて、再付着後の床下風e2をリヤサイドアンダカバー48の下面48bに沿って車両後方に円滑に流すように構成している。
一方、図5に示すように、車両後部床下にアンダカバー(センタ後側アンダカバー46、リヤセンタアンダカバー47)が設けられた下部整流構造において、上記アンダカバーは、車幅方向中央を下方から覆う中央部46Cと、正面断面視で該中央部46Cから下方に傾斜して車幅方向外側へ延びてリヤサスペンション28のトレーリングアーム29前部を下方から覆う傾斜側部46Sと、車幅方向中央において傾斜側部46Sに対して車両後方に延びるリヤセンタアンダカバー47とを備えている。
これにより、上述の傾斜側部46Sにて、トレーリングアーム29の上下揺動範囲を確保して、該トレーリングアーム29とセンタ後側アンダカバー46との干渉を防止しつつ、中央部46Cにより最低地上高を確保して、床下の面をより多く覆いながら、傾斜側部46Sにより、床下風の車幅方向中央側への集束を促進して、床下風の乱れを抑制するように構成している。なお、上記傾斜側部46Sの傾斜角度θ(図5参照)は具体的には1度またはそれ以下の微小角度であるが、図面では誇大表示している。
また、上述のセンタ後側アンダカバー46の傾斜側部46Sの後端には、下方に屈曲した床下風e1の剥離部50(図4参照)が設けられることで、センタ後側アンダカバー46の傾斜側部46S後端で床下風e1を剥離させ、当該センタ後側アンダカバー46の車幅方向側部後方での乱流発生を防止するよう構成している。
さらに、図1に示すように、後輪27の前方には、床下風を該後輪27よりも車幅方向中央側に誘導する形状(車両前方側に頂点を有する底面視略三角形状)のデフレクタ51(詳しくは、リヤタイヤデフレクタ)を設けており、床下風が後輪27と衝突するのを該デフレクタ51で防止し、かつ、上記開口部49に床下風が流入しないように当該床下風の車幅方向中央側への集束を促進するように構成している。
加えて、図4に示すように、センタ後側アンダカバー46における傾斜側部46S後端の剥離部50から後方に所定距離離間した位置にリヤサイドアンダカバー48を設けており、剥離部50で剥離した床下風を、開口部49に流入させることなくリヤサイドアンダカバー48に再付着させて、乱流の発生を抑制し、車幅方向中央に集束した床下風が乱れるのを抑制するよう構成している。
一方、図1に示すように、リヤサスペンション28の一部(この実施例では、トレーリングアーム29の前部と、トーションビーム31の全体)を下方から覆うアンダカバー(センタ後側アンダカバー46、リヤセンタアンダカバー47、リヤサイドアンダカバー48)が設けられた下部整流構造において、上述のアンダカバーは、リヤサスペンション28のトレーリングアーム29前部を下方から覆うセンタ後側アンダカバー46と、該センタ後側アンダカバー46の車幅方向中央部から後方に延びるリヤセンタアンダカバー47と、トレーリングアーム29の後方に位置するリヤサイドアンダカバー48とを備え、図2,図3,図4に示すように、これらの各アンダカバー46,47,48が、ファスナ52(ファスナ52の詳細構造については、図9を参照して後述する)を用いて、車体側部材に支持されている。但し、図3,図4に示すように、リヤサイドアンダカバー48の一部は、ステー54および上述のファスナ52を用いて車体側部材に支持されている。
これにより、アンダカバーが、センタ後側アンダカバー46と、リヤセンタアンダカバー47と、リヤサイドアンダカバー48との複数を備えることになり、この結果、一枚物のアンダカバーでリヤサスペンション全体を下方から覆うものに対して、それぞれを最適形状と成して、最低地上高が確保しやすくなり、また、サスペンション可動部に別体のアンダカバーを設ける構造に対して、アンダカバーの振動特性および耐久性が有利となるように構成している。つまり、車体側に支持される上記各アンダカバー46,47,48にて最低地上高等のレイアウト性の確保と、アンダカバーの振動耐久性確保との両立を図るよう構成したものである。
また、上述のリヤセンタアンダカバー47は、その主断面形状が上方開放タイプの箱形に形成されており(図2参照)、該リヤセンタアンダカバー47の一部に、その底面から車体側部材に向けて上方に延びる車体取付け部47Aが一体形成されており、該車体取付け部47Aがリヤサイドフレーム等の剛性が高い車体側部材に取付けられたものである(図4参照)。
これにより、リヤセンタアンダカバー47の剛性を確保しつつ、該リヤセンタアンダカバー47単体でステー等を要することなく、車体側部材に取付けることができるように構成している。
さらに、図4に示すように、センタ後側アンダカバー46の側方後端としての傾斜側部46S後端には、下方に屈曲した床下風e1の剥離部50が設けられ、リヤサイドアンダカバー48は、下方に凸の側面断面形状とされている。
これにより、剥離部50で床下風e1を剥離させ、剥離後の床下風を、開口部49に流入させることなくリヤサイドアンダカバー48に再付着させて、乱流の発生を抑制するように構成している。また、車幅方向中央側においては床下風を略真っ直ぐに後方へ流し、車幅方向側部においては最低地上高を確保しつつ、床下風e1を剥離および再付着させるように構成している。換言すれば、車幅方向中央に集められない床下風e1を剥離するように成したものである。
加えて、図1に示すように、リヤセンタアンダカバー47の下方に排気管44が配設される一方で、図3,図4に示すように、左右2分割構造のリヤサイドアンダカバー48は、ファスナ52を介して該リヤサイドアンダカバー48単体で着脱可能な構造とされている。これにより、最低地上高の確保と、足回りのメンテナンス性確保との両立を図るように構成している。
詳しくは、ブレーキ用のハーネス等のメンテナンス時、仮に、リヤセンタアンダカバーとリヤサイドアンダカバーとが一体であり、かつ排気管がリヤセンタアンダカバー下方に配設されていると、メンテナンスに際して排気管を取外す必要が生ずるが、上記構成においては、リヤサイドアンダカバー48が単体で着脱可能に構成されているので、排気管44を取外す必要がなく、メンテナンス性の確保を図ることができる。また、一枚物のアンダカバーでリヤサスペンション全体を下方から覆うものに対して、最低地上高が確保しやすく、最低地上高の確保と、足回りのメンテナンス性確保との両立を図るよう構成している。
さらにまた、図4,図7に示すように、サスペンション中央カバーとしてのリヤセンタアンダカバー47には、その車幅方向左右両側辺部の下面に開口47a(または切欠き)が設けられ、その縁つまり開口縁から車体側部材としてのリヤサイドフレームロア35に向けて壁面47bが上方に延びる柱状の車体取付け部47Aが設けられている。この実施例では、柱状の車体取付け部47Aの一例として半割りテーパコーン形状の車体取付け部47Aを設けている。
そして、上述のリヤセンタアンダカバー47の下面は、図4に示すように、リヤサイドアンダカバー48により下方から覆われている。図4に示すように、この実施例では、リヤサイドアンダカバー48の一部に、上に凸の窪部48dを一体形成し、ファスナ52を用いて、該窪部48dをリヤセンタアンダカバー47の下面に取付けている。
これにより、リヤセンタアンダカバー47に上記構造の車体取付け部47Aが設けられることにより、別途リヤセンタアンダカバー取付け用のステーなどを用いる必要がなく、取付け部品の削減を図り、かつ、車体取付け部47Aによりリヤセンタアンダカバー47それ自体の剛性および取付け強度を確保するよう構成している。また、リヤセンタアンダカバー47の下面を、左右2分割構造で、車幅方向両サイドに位置するリヤサイドアンダカバー48で下方から覆うことにより、リヤセンタアンダカバー47が上述の車体取付け部47Aを有していても、空力抵抗の増加を招かないように構成している。さらにリヤセンタアンダカバー47とリヤサイドアンダカバー48とをそれぞれに対応する形状と成すことで、メンテナンス性をも確保すべく構成している。
図2,図7に示すように、上述のリヤセンタアンダカバー47は、底面視で車両前方側が幅狭で、車両後方側が幅広となる略台形状で、かつ図2に示すように側面視で上方が開放したボックス形状に形成されている。
上述の車体取付け部47Aは、このリヤセンタアンダカバー47の車幅方向左右両外端部から上方に立上がるように形成されている。
また、リヤセンタアンダカバー47の底部には、図7に示すように、排気管44の配設構造に対応して上に凸の排気管配設部47c(以下、単に配設部と略記する)が一体形成されており、この配設部47c下面側には、図10に示すように、インシュレータ60Bおよび排気管44の後部が配設されるようになっている。
さらに、図2,図4,図7に示すように、リヤセンタアンダカバー47の前後両片部には、底面から上方に立上がった後に車両前方または車両後方に延びる車体側部材への取付け部47d,47eが一体形成されており、前側の取付け部47dはファスナ52を用いてクロスメンバロア10(図2参照)に取付けられており、後側の取付け部47eはファスナ52を用いてリヤクロスメンバ13(図2参照)およびリヤサイドフレームロア35(図4参照)に取付けられている。
図8は、図5の部分拡大図であって、図1,図8に示すように、リヤサスペンション28の一部、詳しくは、トレーリングアーム29の前部と、トーションビーム31とを下方から覆う上述のセンタ後側アンダカバー46と、該センタ後側アンダカバー46の下部に位置して車両の前後方向に延びる排気管44と、上述のセンタ後側アンダカバー46の下面と連続し、かつ排気管44をその上方から近接して覆うインシュレータ60Aとを設けている。
これにより、排気管44をセンタ後側アンダカバー46の下側に配置しつつ、インシュレータ60Aでの隙間や凹凸を減少させることで、空力特性を改善しながら、センタ後側アンダカバー46の最低地上高確保と、排気管44から車室側への熱害防止との両立を図るように構成している。
また、図8に示すように、上述の排気管44は、その一部、具体的には下面側が上述のセンタ後側アンダカバー46およびインシュレータ60Aの下面(詳しくは、後述する冷却用下面部60b)よりも下方に突出されており、排気管44の外周側面がインシュレータ60Aの内周面に周方向に略等間隔となるよう近接配置されている。
これにより、センタ後側アンダカバー46の最低地上高を高く保ちながら、インシュレータ60Aと排気管44との間の隙間を可及的縮小するように構成している。
さらに、図4に示すように、車体後部床下には、耐熱性が比較的低い補機の一例として、燃料タンク18が設けられ、この燃料タンク18の下部はセンタ後側アンダカバー46で下方から覆われる一方で、図1に示すように、車体前部床下の排気管44はトンネルアンダカバー42で下方から覆われている。
これにより、熱害に対して比較的弱い補機(燃料タンク18)の保護と、排気管44をトンネルアンダカバー42で覆うことによる空力特性改善との両立を図るよう構成している。
加えて、図8に示すように、上述のインシュレータ60Aは、排気管44の上面部を格納する上に凸の格納部60a(この実施例では、上に凸の断面半円形状の格納部)と、該格納部60aの下部と左右分割構造のセンタ後側アンダカバー46(図6参照)との間に位置する左右の冷却用下面部60b,60b(いわゆる冷却エリア)とが一体形成されたものである。上述の冷却用下面部60bはインシュレータ60Aのアンダカバー46に対する取付け部を兼ねる。そして、この実施例では、上述のインシュレータ60Aはアルミニウムまたはアルミニウム合金にて形成されている。
これにより、上述の冷却用下面部60bにて排気管44の熱がセンタ後側アンダカバー46に熱伝導することを防止し、かつインシュレータ60A内に排気管44の上面部(この実施例では上側過半部)を格納することで、空力抵抗の低減を図るように構成している。
図8において、インシュレータ60Aの左右の冷却用下面部60b,60bは、ファスナ52を用いて、センタ後側アンダカバー46の下面に取付けられている。
上述のファスナ52は、図9に示すように、先端に係止爪52aを、基端にフランジ52bをそれぞれ備えた係止片52cを有するファスナ本体52Aと、軸部52dとフランジ部52eとを一体形成したロックピン52Bとから構成されている。
図9の(a)に示すように、各要素60A,46に形成されたファスナ52装着用の取付け孔53に予めファスナ本体52Aをセットし、図9の(a)の矢印方向からファスナ本体52Aの孔部にロックピン52Bを挿入すると、図9の(b)に示すように、係止片52cが拡径し、係止爪52aとフランジ52bとの間で上記インシュレータ60Aとセンタ後側アンダカバー46とを挟持固定するものである。
図10はリヤセンタアンダカバー47、インシュレータ60B、および排気管44の関連構造を示す断面図である。
図10に示すように、リヤセンタアンダカバー47の上に凸の配設部47cに配設されるインシュレータ60Bの断面構造も、図8で示したセンタ後側アンダカバー46側のインシュレータ60Aの断面構造と同一であるから、これら各インシュレータ60B,60Aの同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
なお、図7で示すリヤセンタアンダカバー47は、図6で示したセンタ後側アンダカバー46と異なり左右非分割構造に形成されている。
そして、図10に示すように、リヤセンタアンダカバー47の配設部47c下部左右に、上述同様構造のファスナ52を用いて、インシュレータ60Bの冷却用下面部60b(いわゆる冷却エリア)を取付け、排気管44の熱がその上方の荷室側に伝わるのを防止すべく構成している。
また、図10に示すように、インシュレータ60B内に排気管44の上面部(この実施例では上側過半部)を格納することで、空力抵抗の低減を図るように構成している。
なお、図6,図7において、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示す。
このように、上記実施例の自動車の下部整流構造は、リヤサスペンション28の一部を下方から覆うアンダカバー46,47,48が設けられた自動車の下部整流構造であって、上記アンダカバーは、上記リヤサスペンション28のトレーリングアーム29前部を覆うサスペンション前側カバー(センタ後側アンダカバー46)と、上記サスペンション前側カバー(センタ後側アンダカバー46)の車幅方向中央部から後方に延びるサスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)と、上記トレーリングアーム29の後方に位置するリヤサイドアンダカバー48とを備え、上記各カバー46,47,48が車体側部材に支持されたものである(図1参照)。
この構成によれば、上述のアンダカバーは、サスペンション前側カバー(センタ後側アンダカバー46)と、サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)と、リヤサイドアンダカバー48とを備えているので、一枚物のアンダカバーでリヤサスペンション全体を下方から覆うものに対して、最低地上高が確保しやすく、また、サスペンション可動部に別体のアンダカバーを設ける構造に対して、アンダカバーの振動特性および耐久性が有利となる。
要するに、車体側に支持されるアンダカバー46,47,48にて最低地上高等のレイアウト性の確保と、アンダカバー46,47,48の振動耐久性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、上記サスペンション前側カバー(センタ後側アンダカバー46)の側方後端には、下方に屈曲した床下風e1の剥離部50が設けられ、上記リヤサイドアンダカバー48は、下方に凸の側面断面形状とされたものである(図4参照)。
この構成によれば、上述の剥離部50で床下風e1を剥離させ、剥離後の床下風をリヤサイドアンダカバー48に再付着させて、乱流の発生を抑制することができる。
また、車幅方向中央側においては床下風を略真っ直ぐに後方へ流し、車幅方向側部においては最低地上高を確保しつつ、床下風e1を剥離および再付着させることができる。
この発明の一実施形態においては、上記サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)の下方に排気管44が配設され、上記リヤサイドアンダカバー48は単体で着脱可能な構造とされたものである(図1,図4参照)。
この構成によれば、最低地上高の確保と、足回りのメンテナンス性確保との両立を図ることができる。
つまり、ブレーキ用のハーネス等のメンテナンス時、仮に、サスペンション中央カバーとリヤサイドアンダカバーとが一体であり、かつ排気管がアンダカバー下方に配設されていると、排気管を取外す必要が生ずるが、上記構成においては、リヤサイドアンダカバー48が単体で着脱可能に構成されているので、排気管44を取外す必要がなく、メンテナンス性の確保を図ることができる。
また、一枚物のアンダカバーでリヤサスペンション全体を下方から覆うものに対して、最低地上高が確保しやすいので、最低地上高の確保と、足回りのメンテナンス性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、上記サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)には、その下面に開口47aまたは切欠きが設けられ、その縁から車体側部材(リヤサイドフレームロア35)に向けて壁面47bが上方に延びる柱状の車体取付け部47Aが設けられ、該サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)の下面が上記リヤサイドアンダカバー48により下方から覆われたものである(図4参照)。
この構成によれば、サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)には、上記構造の車体取付け部47Aが設けられているので、別途アンダカバー取付け用のステーなどを用いる必要がなく、取付け部品の削減を図ることができると共に、上記車体取付け部47Aによりサスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)それ自体の剛性を確保することができる。
また、サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)の下面を、リヤサイドアンダカバー48で下方から覆っているので、空力抵抗の増加を招かない。さらに、サスペンション中央カバー(リヤセンタアンダカバー47)とリヤサイドアンダカバー48とをそれぞれに対応する形状と成すことができて、メンテナンス性もよくなる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のアンダカバーは、実施例のセンタ後側アンダカバー46、リヤセンタアンダカバー47、リヤサイドアンダカバー48に対応し、
以下同様に、
サスペンション前側カバーは、センタ後側アンダカバー46に対応し、
サスペンション中央カバーは、リヤセンタアンダカバー47に対応し、
請求項4の車体側部材は、リヤサイドフレームロア35に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、リヤサスペンションの一部を下方から覆うアンダカバーが設けられたような自動車の下部整流構造について有用である。
28…リヤサスペンション
29…トレーリングアーム
35…リヤサイドフレームロア(車体側部材)
44…排気管
46…センタ後側アンダカバー(サスペンション前側カバー)
47…リヤセンタアンダカバー(サスペンション中央カバー)
47A…車体取付け部
47a…開口
47b…壁面
48…リヤサイドアンダカバー
50…剥離部

Claims (4)

  1. リヤサスペンションの一部を下方から覆うアンダカバーが設けられた自動車の下部整流構造であって、
    上記アンダカバーは、上記リヤサスペンションのトレーリングアーム前部を覆うサスペンション前側カバーと、
    上記サスペンション前側カバーの車幅方向中央部から後方に延びるサスペンション中央カバーと、
    上記トレーリングアームの後方に位置するリヤサイドアンダカバーとを備え、
    上記各カバーが車体側部材に支持されたことを特徴とする
    自動車の下部整流構造。
  2. 上記サスペンション前側カバーの側方後端には、下方に屈曲した床下風の剥離部が設けられ、
    上記リヤサイドアンダカバーは、下方に凸の側面断面形状とされた
    請求項1記載の自動車の下部整流構造。
  3. 上記サスペンション中央カバーの下方に排気管が配設され、
    上記リヤサイドアンダカバーは単体で着脱可能な構造とされた
    請求項1または2に記載の自動車の下部整流構造。
  4. 上記サスペンション中央カバーには、その下面に開口または切欠きが設けられ、その縁から車体側部材に向けて壁面が上方に延びる柱状の車体取付け部が設けられ、
    該サスペンション中央カバーの下面が上記リヤサイドアンダカバーにより下方から覆われた
    請求項1〜3の何れか一項に記載の自動車の下部整流構造。
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