液体噴射システムを例に、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態における液体噴射システム1は、図1に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター3と、液体供給ユニットの一例であるカートリッジ5と、を有している。カートリッジ5は、液体の一例であるインクを収容可能である。インクは、水性インクと油性インクのいずれか一方に限定されるものではない。水性溶媒に溶質が溶解した構成を有するもの、水性分散媒に分散質が分散した構成を有するもの、油性溶媒に溶質が溶解した構成を有するもの、油性分散媒に分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。液体噴射システム1では、カートリッジ5に収容されたインクで記録媒体Pに印刷を行うことができる。プリンター3には、記録媒体Pをプリンター3の外に排出可能な排紙部13が形成されている。印刷が施された記録媒体Pは、排紙部13からプリンター3の外に排出される。
なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。本実施形態では、X軸とY軸とによって規定される水平な平面(XY平面)にプリンター3を配置した状態が、プリンター3の使用状態である。Z軸は、水平な平面に直交する軸である。プリンター3の使用状態において、Z軸方向が鉛直上方向となる。そして、プリンター3の使用状態では、図1において、−Z軸方向が鉛直下方向である。なお、XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが−(負)の方向を示している。
本実施形態におけるプリンター3は、図1に示すように、搬送ローラー23と、キャリッジユニット25と、を有している。また、プリンター3は、媒体搬送機構(図示せず)と、キャリッジ搬送機構(図示せず)と、を有している。媒体搬送機構は、モーター(図示せず)の動力によって、記録媒体PをY軸方向に沿って搬送する。キャリッジ搬送機構は、モーター(図示せず)の動力によって、キャリッジユニット25をX軸に沿って搬送する。キャリッジユニット25は、キャリッジ搬送機構によって、X軸に沿って、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間を往復移動することができる。本実施形態では、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間が、キャリッジユニット25の可動領域である。
ここで、X軸に沿う方向は、X軸と完全に平行な方向に限定されず、X軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。同様に、Y軸に沿う方向は、Y軸と完全に平行な方向に限定されず、Y軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。Z軸に沿う方向は、Z軸と完全に平行な方向に限定されず、Z軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。つまり、任意の軸や面に沿う方向は、これらの任意の軸や面に完全に平行な方向に限定されず、これらの任意の軸や面に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。
キャリッジユニット25は、記録媒体Pの搬送経路よりもZ軸方向に位置している。キャリッジユニット25には、後述する印刷ヘッドが搭載されている。印刷ヘッドは、記録媒体Pの搬送経路よりもZ軸方向において記録媒体Pの搬送経路に対面している。上記の構成を有する液体噴射システム1では、媒体搬送機構の駆動が制御部(図示せず)によって制御され、記録媒体PがY軸方向に搬送される。このとき、制御部は、キャリッジ搬送機構の駆動を制御して、キャリッジユニット25をX軸に沿って往復移動させながら、印刷ヘッドの駆動を制御して、所定の位置でインク滴を吐出させる。このような動作によって、記録媒体Pにドットが形成され、この記録媒体Pに画像データなどの記録情報に基づく記録が行われる。
(第1実施形態)
キャリッジユニット25は、図2に示すように、ホルダー31を有している。なお、図2中のX軸、Y軸、及びZ軸は、図1に示す液体噴射システム1に対するX軸、Y軸、及びZ軸に対応している。つまり、図2中のX軸、Y軸、及びZ軸は、キャリッジユニット25を液体噴射システム1に搭載した状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。これ以降に液体噴射システム1の構成部品やユニットを示す図にX軸、Y軸、及びZ軸が付されている場合においても、その構成部品やユニットを液体噴射システム1に搭載した状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。
ホルダー31には、カートリッジ5が搭載される。ホルダー31には、凹部43が形成されている。凹部43は、−Z軸方向に凹となる向きに形成されている。カートリッジ5は、ホルダー31の凹部43内に装着される。本実施形態では、カートリッジ5は、ホルダー31に対して着脱可能に構成されている。ホルダー31には、係合穴44が形成されている。また、カートリッジ5には、−Y軸方向の端部に、図示しない係合凸部(後述する)が設けられている。カートリッジ5がホルダー31の凹部43内に装着されると、カートリッジ5の係合凸部は、ホルダー31の係合穴44に係合する。
カートリッジ5には、液体の一例であるインクが収容されている。本実施形態では、ホルダー31に複数のカートリッジ5を装着することができる。本実施形態では、ホルダー31に2つのカートリッジ5を装着することができる。しかし、カートリッジ5の個数は、2つに限定されず、1つでも、3つ以上でもよい。なお、複数とは、2に等しい数、又は2を超える数を意味する。
凹部43内の底部45には、2つのインク導入部49が設けられている。ホルダー31は、図3に示すように、2つのインク導入部49をY軸に沿って挟んで側壁51の反対側(Y軸方向)に、側壁52を有している。また、2つのインク導入部49を挟んでX軸に沿って対峙するそれぞれの位置に、側壁53と側壁54とが設けられている。側壁53は、2つのインク導入部49よりも−X軸方向側に位置している。側壁54は、2つのインク導入部49よりもX軸方向側に位置している。側壁51と、側壁52と、側壁53と、側壁54とは、それぞれ、底部45からZ軸方向に突出している。なお、側壁51〜側壁54は、底部45に対し直交している必要はなく、底部45に対し交差していればよい。また、底部45は、側壁51と、側壁52と、側壁53と、側壁54とによって囲まれている。これにより、凹部43が区画されている。
側壁52には、2つの被係合部61と、2つの接点機構62とが設けられている。2つの被係合部61は、X軸に沿って並んでいる。2つの接点機構62は、X軸に沿って並んでいる。なお、接点機構62は、電極部の一例であり、複数の電極ピン63を有している。ここで、2つのカートリッジ5には、それぞれ、図2に示すように、回路基板64と、係合部65と、が設けられている。カートリッジ5において、係合部65は、Y軸方向の端部に設けられている。なお、係合穴44は、ホルダー31の側壁51に形成されている。
回路基板64は、不揮発性メモリーなどの記憶装置(図示せず)に電気的に接続されている。図3に示す接点機構62は、カートリッジ5の回路基板64に設けられた記憶装置と電気的に接続可能に構成されている。また、図3に示す被係合部61は、カートリッジ5の係合部65に係合可能に構成されている。カートリッジ5がホルダー31に装着されると、カートリッジ5の係合部65がホルダー31の被係合部61に係合する。
ここで、回路基板64は、図4に示すように、端子部66を有している。回路基板64は、複数の端子67を有する。複数の端子67は、それぞれ接点機構62の電極ピン63と電気的に接触可能な接触部68を有する。そして、接点機構62の電極ピン63と電気的に接触可能な複数の接触部68がある機能を端子部66と呼ぶ。端子部66は、基板上に設けられていてもよい。本実施形態では、複数の端子67のうちの少なくとも一部が、回路基板64に設けられた記憶装置(図示せず)に接続されている。また、複数の端子67の一例として、本実施形態では、回路基板64上に複数の金属パッドが端子67として並んでいる。そして、カートリッジ5がホルダー31に装着された状態において、カートリッジ5の回路基板64に設けられた記憶装置と、プリンター3の制御回路(図示せず)とが、接点機構62を介して互いに電気的に接続される。これにより、カートリッジ5の回路基板64に設けられた記憶装置と、プリンター3の制御回路との間で種々の情報が授受される。
キャリッジユニット25は、図5に示すように、印刷ヘッド69を有している。キャリッジユニット25において、印刷ヘッド69は、ホルダー31の−Z軸方向に設けられている。印刷ヘッド69には、2つのカートリッジ5からインク導入部49(図2)を介してインクが供給される。印刷ヘッド69は、2つのカートリッジ5から供給されたインクをノズル(図示せず)からインク滴として吐出する。上述したように、印刷ヘッド69は、キャリッジユニット25に搭載されている。このため、印刷ヘッド69は、キャリッジ搬送機構によって、キャリッジユニット25を介してX軸に沿って搬送され得る。媒体搬送機構及びキャリッジ搬送機構によって、記録媒体Pに対する印刷ヘッド69の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド69からインク滴を吐出することによって記録媒体Pに印刷が施される。
なお、プリンター3では、印刷ヘッド69がキャリッジユニット25を介して搬送される方向がX軸方向及び−X軸方向であり、記録媒体Pが搬送される方向がY軸方向であると定義される。そして、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向がZ軸方向である。プリンター3の使用状態では、X軸方向及びY軸方向が、それぞれ、水平方向になり、Z軸方向が鉛直上方向になる。しかしながら、以下の説明では、Z軸方向が鉛直方向とは異なる(交差する)方向として説明されることがある。
インク導入部49は、キャリッジユニット25の断面図である図6に示すように、ホルダー31の底部45に設けられている。なお、図6には、インク導入部49を通るYZ平面でキャリッジユニット25を切断したときの断面が示されている。インク導入部49は、インク導入管71と、フィルター73と、シール部材75と、を含む。インク導入管71は、底部45に設けられており、底部45からZ軸方向に向かって凸となる向きに突出している。インク導入管71には、流路77と、土手部78とが形成されている。流路77は、カートリッジ5から供給されたインクの通路であり、底部45を貫通する開口として設けられている。
土手部78は、インク導入管71のZ軸方向における端部に設けられており、Z軸方向に向かって凸となる向きに突出している。底部45を平面視したときに、土手部78は、凹部43の内側において、流路77を環状に囲んでいる。このため、土手部78は筒状を呈している。筒状の土手部78の開口79が、カートリッジ5からインク導入部49へのインクの受入口となる。なお、インクの受入口である開口79の内側の領域において、インクがフィルター73を介して流路77内に流入可能な領域が液体導入口として定義される。液体導入口は、インク導入部49のうち液体が通過可能な部分である。すなわち、フィルター73のうちインク供給量に寄与する有効領域である。
本実施形態では、筒状の土手部78が突出する方向、すなわち流路77が延びる方向が、Z軸方向である。つまり、流路77の中心軸が、Z軸に沿って延びている。フィルター73は、土手部78の内側に設けられており、流路77の凹部43側における開口を凹部43側から覆っている。シール部材75は、底部45に設けられており、凹部43の内側において、土手部78を囲んでいる。このため、上述した液体導入口は、シール部材75によって囲まれている。シール部材75は、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料で構成されている。
カートリッジ5について説明する。カートリッジ5は、図7に示すように、第1筐体81と、第2筐体82と、を有している。第1筐体81は、収容ケース83と、蓋ケース84と、を有している。収容ケース83には、2つの係合凸部85が設けられている。蓋ケース84には、第1操作部86が設けられている。第1操作部86は、蓋ケース84のZ軸方向に位置している。第1操作部86は、蓋ケース84からZ軸方向に突出している。第2筐体82は、第1筐体81のY軸方向に設けられている。第2筐体82には、第2操作部87が設けられている。第2操作部87は、第2筐体82のZ軸方向に位置している。第2操作部87は、第2筐体82からZ軸方向に突出している。第1操作部86と第2操作部87とは、Y軸に沿って互いに対向している。また、カートリッジ5は、図8に示すように、付勢部材88と、インク保持部材89と、を有している。
収容ケース83は、図9に示すように、容器状を呈しており、凹部96を有している。収容ケース83は、隔壁101と、隔壁102と、隔壁103と、隔壁104と、隔壁105と、を有している。隔壁105は、XY平面に沿って拡がっている。隔壁101〜隔壁104は、それぞれ、隔壁105からZ軸方向に突出している。なお、隔壁101〜隔壁104は、隔壁105に対し直交している必要はなく、隔壁105に対し交差していればよい。また、隔壁105を−Z軸方向に平面視したときに、隔壁101〜隔壁104が隔壁105を囲んでいる。隔壁105を−Z軸方向に平面視したときに、隔壁101及び隔壁102は、それぞれ、Y軸に沿って延在している。隔壁105を−Z軸方向に平面視したときに、隔壁103及び隔壁104は、X軸に沿って延在している。
隔壁101と隔壁102とは、隔壁105を挟んでX軸に沿って対向している。隔壁101は、隔壁102よりもX軸方向に位置している。隔壁103と隔壁104とは、隔壁105を挟んでY軸に沿って対向している。隔壁104は、隔壁103よりもY軸方向に位置している。隔壁103は、隔壁101と、隔壁102とに交差している。隔壁104も、隔壁101と、隔壁102とに交差している。上記の構成により、収容ケース83において、凹部96が形成されている。
図9に示す収容ケース83において、凹部96は、底壁110と、第1側壁111と、第2側壁112と、第3側壁113と、第4側壁114とによって区画されている。第1側壁111〜第4側壁114は、それぞれ、凹部96の内壁を構成しており、底壁110からZ軸方向に突出している。なお、第1側壁111〜第4側壁114は、底壁110に対し直交している必要はなく、底壁110に対し交差していればよい。また、底壁110を−Z軸方向に平面視したときに、第1側壁111〜第4側壁114が底壁110を囲んでいる。これによって凹部96が区画されている。底壁110を平面視したときに、第1側壁111と第2側壁112とは、それぞれ、Y軸に沿って延在している。同様に、第3側壁113と第4側壁114とは、X軸に沿って延在している。
底壁110は、隔壁105の一部分であり、凹部96内における壁面である。第1側壁111は、隔壁101の一部分であり、凹部96内における壁面である。第2側壁112は、隔壁102の一部分であり、凹部96内における壁面である。第3側壁113は、隔壁103の一部分であり、凹部96内における壁面である。第4側壁114は、隔壁104の一部分であり、凹部96内における壁面である。なお、底壁110、及び第1側壁111〜第4側壁114は、それぞれ、平坦面に限られず、凹凸を含んでいたり、曲面を含んでいたりしてもよい。また、隔壁101〜隔壁105において、凹部96の外側の面も、それぞれ、平坦面に限られず、凹凸を含んでいたり、曲面を含んでいたりしてもよい。
隔壁105には、インク供給孔141が形成されている。インク供給孔141は、隔壁105を貫通している。隔壁105に形成されたインク供給孔141は、凹部96の内側と収容ケース83の外側との間を貫通している。凹部96に収容されたインクは、インク供給孔141からカートリッジ5の外に排出される。また、収容ケース83の隔壁105には、図8に示すように、インク供給孔141を囲む基準面142が設けられている。基準面142は、カートリッジ5をホルダー31に装着したときにシール部材75が当接する面である。
インク供給孔141は、図8に示すように、インク保持部材89によって覆われている。インク保持部材89は、収容ケース83の凹部96(図9)内に収容されており、収容ケース83のインク供給孔141を凹部96内から覆っている。インク保持部材89は、インクを吸収し、且つ吸収したインクを保持する性質を有している。インク保持部材89の材料としては、例えば、フォーム、フェルト、不織布などの種々の材料が採用され得る。本実施形態では、インク保持部材89の材料として不織布が採用されている。
収容ケース83の凹部96内には、インクが収容される。凹部96内において、インクは、インク保持部材89に吸収された状態で収容されている。収容ケース83には、図7に示すように蓋ケース84が接合される。蓋ケース84は、図8に示すように、収容ケース83のZ軸方向に設けられる。蓋ケース84は、収容ケース83の凹部96を、収容ケース83のZ軸方向側から塞いでいる。なお、本実施形態では、溶着によって蓋ケース84が収容ケース83に接合されている。上述したように、蓋ケース84が収容ケース83に接合された状態で収容ケース83の凹部96内にインクが収容される。このため、図7に示す第1筐体81は、インクを収容するインク収容部147としての機能を有する。
収容ケース83の2つの係合凸部85は、図7に示すように、収容ケース83の隔壁103に設けられている。2つの係合凸部85は、隔壁103から−Y軸方向に突出している。2つの係合凸部85は、互いに隙間をあけた状態でX軸に沿って並んでいる。以下において、2つの係合凸部85を互いに識別する場合、2つの係合凸部85は、それぞれ、係合凸部85A及び係合凸部85Bと表記される。係合凸部85Aは、係合凸部85Bよりも−X軸方向に位置している。
また、収容ケース83には、2つのガイド溝143が形成されている。収容ケース83において、ガイド溝143は、隔壁101と隔壁102(図9)とに形成されている。2つのガイド溝143は、それぞれ、Y軸に沿って形成されている。以下において、2つのガイド溝143を互いに識別する場合、2つのガイド溝143は、それぞれ、ガイド溝143A及びガイド溝143Bと表記される。ガイド溝143Aは、隔壁102に形成されており、凹部96の外側から隔壁101に向かって凹となる向きに形成されている。ガイド溝143Bは、隔壁101に形成されており、凹部96の外側から隔壁102に向かって凹となる向きに形成されている。2つのガイド溝143は、図8に示すように、隔壁105よりも蓋ケース84に近い位置に形成されている。なお、ガイド溝143は、第1ガイド部の一例である。
第2筐体82は、図10に示すように、隔壁151と、隔壁152と、隔壁153と、隔壁154と、を有している。隔壁151と隔壁152とは、それぞれ、YZ平面に沿って拡がっている。隔壁151と隔壁152とは、X軸に沿って互いに対向している。隔壁151は、隔壁152よりもX軸方向に位置している。隔壁151と隔壁152との間には、隙間があけられている。隔壁153は、XZ平面に沿って拡がっている。隔壁153は、隔壁151と隔壁152とに交差している。隔壁153は、隔壁151及び隔壁152のY軸方向に位置している。隔壁154は、XY平面に沿って拡がっている。隔壁154は、隔壁151と隔壁152と隔壁153とに交差している。隔壁154は、隔壁151、隔壁152及び隔壁153のZ軸方向に位置している。なお、前述した第2操作部87は、隔壁154に設けられている。第2操作部87は、隔壁154からZ軸方向に突出している。また、前述した係合部65は、図8に示すように、隔壁153に設けられている。係合部65は、隔壁153からY軸方向に突出している。
隔壁151及び隔壁152には、図10に示すように、それぞれ、被ガイド部156が形成されている。被ガイド部156は、第2ガイド部の一例である。以下において、2つの被ガイド部156を互いに識別する場合、2つの被ガイド部156は、それぞれ、被ガイド部156A及び被ガイド部156Bと表記される。被ガイド部156Aは、隔壁152のうち隔壁151に対面する位置に形成されており、隔壁152から隔壁151に向かって凸となる向きに形成されている。被ガイド部156Bは、隔壁151のうち隔壁152に対面する位置に形成されており、隔壁151から隔壁152に向かって凸となる向きに形成されている。
隔壁151と隔壁152との間のX軸に沿った距離は、収容ケース83(図9)のX軸に沿った幅寸法よりも大きい。そして、2つの被ガイド部156は、収容ケース83の2つのガイド溝143に係合可能に構成されている。上記の構成により、図7に示すように、2つの被ガイド部156を収容ケース83の2つのガイド溝143に係合させた状態で、第1筐体81を第2筐体82に挿入することができる。なお、前述した係合部65は、図8に示すように、第2筐体82の隔壁153に設けられている。係合部65は、隔壁153からY軸方向に突出している。
付勢部材88は、図8に示すように、収容ケース83と第2筐体82との間に設けられている。付勢部材88は、カートリッジ5の断面図である図11に示すように、収容ケース83の隔壁104と第2筐体82の隔壁153とによって挟持されている。図11では、カートリッジ5をYZ平面で切断したときの断面図が示されている。付勢部材88は、収容ケース83と第2筐体82とを互いに遠ざける方向に付勢力を発生する。なお、本実施形態では、付勢部材88が圧縮コイルばねで構成されている。しかしながら、付勢部材88の構成は、これに限定されず、種々のばね、またはゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料を採用することができる。
カートリッジ5がホルダー31に装着されると、図12に示すように、シール部材75がカートリッジ5の基準面142に当接する。このとき、シール部材75は、たわんだ状態で基準面142に当接する。シール部材75は、インク供給孔141の外側からインク供給孔141の周囲を囲んだ状態で基準面142に当接する。これにより、インクがカートリッジ5から流路77に供給されるときに、土手部78に囲まれた領域の外側にこぼれたインクがシール部材75によってせき止められる。これにより、カートリッジ5がホルダー31に装着された状態において、カートリッジ5内のインクがホルダー31に漏出することを避けやすい。カートリッジ5がホルダー31に装着されると、土手部78がインク保持部材89に当接する。本実施形態では、カートリッジ5がホルダー31に装着されると、土手部78がインク保持部材89をカートリッジ5の凹部96の内方に押圧する設定になっている。これにより、インク保持部材89とフィルター73との当接状態が維持されやすい。
ここで、インク保持部材89のうちインク供給孔141(図8)を介してカートリッジ5の外に露呈している領域がインク供給口と定義される。インク供給口は、液体供給口の一例である。また、カートリッジ5をホルダー31に装着したときに、インク導入部49のシール部材75によって囲まれた領域がインク供給部と定義される。インク供給部は液体供給部の一例である。カートリッジ5内のインクは、インク供給部を介してホルダー31の流路77(図12)に供給される。
カートリッジ5をホルダー31に装着する方法(装着方法)について説明する。本実施形態における装着方法では、まず、図13に示すように、カートリッジ5のY軸に沿った全長を、図12に示す状態から圧縮する。これは、付勢部材88をたわませる(圧縮する)ことによって実現される。このとき、カートリッジ5では、第1操作部86と第2操作部87とをY軸に沿って手指でつまむことによって、カートリッジ5の全長を圧縮することができる。このとき、第1操作部86と第2操作部87とをY軸に沿って互いに近づける向きに挟持することによって、カートリッジ5の全長を圧縮することができる。このとき、第2筐体82の被ガイド部156(図7)と収容ケース83のガイド溝143との係合によって、第1筐体81と第2筐体82とがY軸に沿って互いに近づく向きに変位する。
次に、図14に示すように、カートリッジ5をホルダー31に対して傾けた状態で、カートリッジ5をホルダー31内に挿入する。このとき、カートリッジ5の底壁110が、ホルダー31の底部45に対して傾けられる。このとき、底壁110は、第4側壁114側から第3側壁113側に近づくにつれて、すなわち−Y軸方向に向かうにつれて底部45に近づく向きに傾けられる。そして、カートリッジ5をホルダー31に対して傾けた状態で、カートリッジ5を底部45に近づけながら、係合凸部85を係合穴44に挿入する。なお、図14では、カートリッジ5の係合部65が、ホルダー31の被係合部61の係合部171よりもZ軸方向に位置している状態が示されている。
次に、図14に示す状態から、係合穴44に挿入されている係合凸部85を回動支点として、係合部65を底部45に近づける向きに、つまり、第4側壁114側をホルダー31の凹部43内に押し込むようにカートリッジ5を回転(回動)させる。すると、係合部65が被係合部61の係合部171よりも−Z軸方向に変位する。このとき、付勢部材88の圧縮を解除することによって、図12に示すように、係合部65が被係合部61の係合部171に係合する。係合部65が被係合部61の係合部171に係合することによって、カートリッジ5のホルダー31に対する装着が完了する。このとき、付勢部材88によって第1筐体81と第2筐体82とが互いに離れる方向に付勢されるので、カートリッジ5のY軸方向における位置が規制される。なお、本実施形態において、係合穴44が第1被係合部に対応し、被係合部61が第2被係合部に対応し、係合凸部85が第1係合部に対応し、係合部65が第2係合部に対応し、付勢部材88が付勢部に対応している。
なお、上記の装着方法では、図14に示すように、カートリッジ5の底壁110を−Y軸方向に向かうにつれて底部45に近づく向きに傾けた状態で係合凸部85を係合穴44に挿入する方法が採用されている。しかしながら、装着方法は、これに限定されない。装着方法としては、図15に示すように、カートリッジ5の底壁110をY軸方向に向かうにつれて底部45に近づく向きに傾けた状態で係合部65を被係合部61に挿入する方法も採用され得る。この方法では、被係合部61に挿入されている係合部65を回動支点として、係合凸部85を係合穴44に近づける向きにカートリッジ5を回転(回動)させることによって、カートリッジ5のホルダー31に対する装着が完了する。
本実施形態では、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態は、付勢部材88により第2筐体82が第1筐体81から離れる方向に付勢されることにより実現することができる。また、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態は、第2筐体82を第1筐体81に近づく方向に変位させることによって解除することができる。これにより、従来技術に無い新たな係合機構によってカートリッジ5をプリンター3に着脱することが可能である。このため、カートリッジ5やキャリッジユニット25からレバーを省略することができるので、カートリッジ5やキャリッジユニット25ひいてはプリンター3を小型化しやすくすることができる。
また、本実施形態では、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、係合部65は、基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向に被係合部61に当接する。また、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、係合凸部85は、基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向に係合穴44に当接する。この構成により、カートリッジ5またはプリンター3のいずれか一方に設けられたレバー構造が必要なくなる。
また、本実施形態では、第1筐体81が第1操作部86を有している。第1操作部86は、付勢部材88を弾性変形(圧縮)させ第1筐体81の第2筐体82に対する位置を変化させるために用いられる。この第1操作部86は、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向において、収容ケース83の凹部96から見てインク供給孔141の反対に位置している。この構成により、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態を、容易に解除することができる。
また、本実施形態では、第2筐体82が第2操作部87を有している。第2操作部87は、付勢部材88を弾性変形(圧縮)させ第2筐体82の第1筐体81に対する位置を変化させるために用いられる。この第2操作部87は、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向において、収容ケース83の凹部96から見てインク供給孔141の反対に位置している。この構成により、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態を、容易に解除することができる。
また、本実施形態では、第1操作部86及び第2操作部87は、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、カートリッジ5の外面のうち同一の面に設けられている。この構成により、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態を、容易に解除することができる。なお、同一の面とは、同一の方向に面している面を指し、完全に一致する面のみを意味するものではなく、誤差や公差を含む面や、凹凸を含む面、段差を含む面等も含まれる。
また、本実施形態では、第1操作部86の少なくとも一部と、第2操作部87の少なくとも一部とは、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向において、基準面142からの高さが等しい。この構成により、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態を、容易に解除することができる。なお、等しいとは、完全一致のみを意味するものではなく、誤差や公差を含む概念である。
また、本実施形態では、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、第1筐体81の基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向に沿う側壁にガイド溝143が設けられ、第2筐体82の基準面142に沿う方向と交差する方向であるZ軸方向に沿う側壁にガイド溝143と接触可能な被ガイド部156が設けられている。この構成では、ガイド溝143と被ガイド部156が接触することで、第1筐体81の第2筐体82に対する位置を安定化することができる。なお、ガイド溝143と被ガイド部156の凹凸の関係は、反対であってもよい。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態におけるカートリッジ5では、第1筐体81にインクを収容する構成が採用されている。しかしながら、カートリッジ5の構成は、これに限定されない。カートリッジ5の構成としては、第2筐体82にインクを収容する構成も採用され得る。カートリッジ5において、第2筐体82にインクを収容する構成を第2実施形態として以下に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第2実施形態におけるカートリッジ5は、図16に示すように、第2筐体82が収容ケース172と、蓋ケース173と、を有している。収容ケース172は、係合部65と、凹部96と、を有している。また、収容ケース172には、インク供給孔141が形成されている。収容ケース172の凹部96内には、インク保持部材89が収容されている。そして、収容ケース172の凹部96は、蓋ケース173によって塞がれている。蓋ケース173には、第2操作部87が形成されている。
第1筐体81は、第2筐体82の−Y軸方向に位置している。第1筐体81の−Y軸方向の端部に係合凸部85が設けられている。付勢部材88は、第2筐体82の−Y軸方向に位置している。付勢部材88は、第2筐体82の収容ケース172と第1筐体81との間に位置している。付勢部材88は、第2筐体82の収容ケース172と第1筐体81とによって挟持されている。第2実施形態におけるカートリッジ5の装着方法は、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
第3実施形態におけるホルダー31及びカートリッジ5について説明する。第3実施形態におけるホルダー31及びカートリッジ5において、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第3実施形態におけるホルダー31は、図17に示すように、凹部43を有している。カートリッジ5は、ホルダー31の凹部43内に装着される。本実施形態では、凹部43内に6つのカートリッジ5が装着され得る。本実施形態では、凹部43内に装着される6つのカートリッジ5は、相互に隙間をあけた状態で凹部43内に収容される。凹部43内には、凹部43内に装着される6つのカートリッジ5のそれぞれに対応するインク導入部49が設けられている。つまり、本実施形態では、ホルダー31に6つのインク導入部49が設けられている。6つのインク導入部49は、凹部43内において、X軸に沿って並んでいる。そして、ホルダー31に装着される6つのカートリッジ5は、凹部43内において、X軸に沿って並ぶ。なお、図17では、ホルダー31に1つのカートリッジ5が装着された状態が示されている。
また、ホルダー31には、6つの被係合部61と、6つの係合穴44と、が設けられている。本実施形態では、カートリッジ5の装着位置ごとに、1つの被係合部61と、1つの係合穴44と、が設けられている。6つの被係合部61は、X軸に沿って並んでいる。6つの係合穴44も、X軸に沿って並んでいる。
被係合部61は、図17中のA−A線における断面図である図18に示すように、側壁52と側壁51との間に設けられている。なお、図18は、ホルダー31を、インク導入部49を貫通するYZ平面で切断したときの断面図に相当する。被係合部61は、側壁52と導入部49との間に設けられている。被係合部61は、ホルダー31に装着されるカートリッジ5を固定する。作業者は、被係合部61によるカートリッジ5の固定を解除することによって、カートリッジ5をホルダー31から外すことができる。係合穴44は、側壁51に設けられている。係合穴44は、側壁51を貫通している。
インク導入部49は、被係合部61と側壁51との間において、底部45に設けられている。インク導入部49は、インク導入管71と、フィルター73と、シール部材75と、を含む。インク導入管71は、底部45に設けられており、底部45からZ軸方向に向かって凸となる向きに突出している。インク導入管71には、流路77と、土手部78とが形成されている。流路77は、カートリッジ5から供給されたインクの通路であり、底部45を貫通する開口として設けられている。
土手部78は、インク導入管71のZ軸方向における端部に設けられており、Z軸方向に向かって凸となる向きに突出している。底部45を平面視したときに、土手部78は、凹部43の内側において、流路77を環状に囲んでいる。このため、土手部78は筒状を呈している。筒状の土手部78の開口79が、カートリッジ5からインク導入部49へのインクの受入口となる。なお、インクの受入口である開口79の内側の領域において、インクがフィルター73を介して流路77内に流入可能な領域が液体導入口として定義される。液体導入口は、インク導入部49のうち液体が通過可能な部分である。すなわち、フィルター73のうちインク供給量に寄与する有効領域である。
本実施形態では、筒状の土手部78が突出する方向、すなわち流路77が延びる方向が、Z軸方向である。つまり、流路77の中心軸が、Z軸に沿って延びている。フィルター73は、土手部78の内側に設けられており、流路77の凹部43側における開口を凹部43側から覆っている。シール部材75は、底部45に設けられており、凹部43の内側において、土手部78を囲んでいる。このため、上述した液体導入口は、シール部材75によって囲まれている。シール部材75は、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料で構成されている。
カートリッジ5は、図19に示すように、第1筐体81と、第2筐体82と、を有している。第1筐体81は、インク収容部147と、インク供給部175と、を有している。第3実施形態におけるカートリッジ5では、インク供給部175の構成と、第1筐体81及び第2筐体82の形状とが、第1実施形態におけるカートリッジ5とは異なっている。これらのことを除いて、第3実施形態におけるカートリッジ5は、第1実施形態におけるカートリッジ5と同様の構成を有している。第3実施形態におけるカートリッジ5において、第1実施形態におけるカートリッジ5と同様の機能を有する構成には、第1実施形態におけるカートリッジ5と同一の符号が付されている。
第1筐体81には、係合凸部85と、第1操作部86とが設けられている。また、第2筐体82には、回路基板64と、係合部65とが設けられている。また、第1筐体81と第2筐体82との間には、カートリッジ5の断面図である図20に示すように、付勢部材88が挟持されている。なお、図20では、第3実施形態におけるカートリッジ5をYZ平面で切断したときの断面が示されている。第1筐体81には、供給孔141が形成されている。インク供給孔141は、第1筐体81の外側からインク収容部147内に通じている。インク供給孔141は、第1筐体81の外側からフィルター181によって覆われている。フィルター181としては、例えば、プレス加工などでフィルム材に貫通孔をあけたものや、発泡樹脂や、例えば繊維を用いた織布などを採用することができる。
また、第1筐体81には、インク供給孔141とフィルター181とを囲む壁部182が設けられている。壁部182は、第1筐体81の−Z軸方向の端部に設けられており、−Z軸方向に突出している。カートリッジ5をホルダー31に装着した状態において、壁部182は、インク導入部49(図18)のシール部材75に当接する。本実施形態では、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、壁部182とシール部材75とが当接する面が基準面142と定義される。つまり、本実施形態では、カートリッジ5の壁部182の−Z軸方向の端部を通る面が基準面142と定義される。
壁部182は、インク供給孔141とフィルター181とをインク収容部147の外側から囲んでいる。インク供給部175は、インク供給孔141とフィルター181と壁部182を含む構造である。また、インク供給部175のうちインクが通過可能な部分がインク供給口と定義される。インク供給口は、例えば、フィルター181のうちインク供給量に寄与する有効領域である。第3実施形態におけるカートリッジ5では、フィルター181がインク導入部49(図18)のフィルター73に当接することによって、インク供給部175からインク導入部49にインクが供給され得る。
第3実施形態における装着方法について説明する。本実施形態における装着方法では、まず、図21に示すように、カートリッジ5のY軸に沿った全長を、図20に示す状態から圧縮する。これは、付勢部材88をたわませる(圧縮する)ことによって実現される。このとき、カートリッジ5では、第1操作部86と第2操作部87とをY軸に沿って手指でつまむことによって、カートリッジ5の全長を圧縮することができる。このとき、第1操作部86と第2操作部87とをY軸に沿って互いに近づける向きに挟持することによって、カートリッジ5の全長を圧縮することができる。このとき、第2筐体82の被ガイド部156(図7)と収容ケース83のガイド溝143との係合によって、第1筐体81と第2筐体82とがY軸に沿って互いに近づく向きに変位する。なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1筐体81にガイド溝143が形成され、第2筐体82に被ガイド部156が形成されている。
次に、図22に示すように、カートリッジ5をホルダー31に対して傾けた状態で、カートリッジ5をホルダー31内に挿入する。このとき、カートリッジ5の底壁110が、ホルダー31の底部45に対して傾けられる。このとき、底壁110は、第4側壁114側から第3側壁113側に近づくにつれて、すなわち−Y軸方向に向かうにつれて底部45に近づく向きに傾けられる。そして、カートリッジ5をホルダー31に対して傾けた状態で、カートリッジ5を底部45に近づけながら、係合凸部85を係合穴44に挿入する。なお、図22では、カートリッジ5の係合部65が、ホルダー31の被係合部61の係合部171よりもZ軸方向に位置している状態が示されている。
次に、図22に示す状態から、係合穴44に挿入されている係合凸部85を回動支点として、係合部65を底部45に近づける向きに、つまり、第4側壁114側をホルダー31の凹部43内に押し込むようにカートリッジ5を回転(回動)させる。すると、係合部65が被係合部61の係合部171よりも−Z軸方向に変位する。このとき、付勢部材88の圧縮を解除することによって、図23に示すように、係合部65が被係合部61の係合部171に係合する。係合部65が被係合部61の係合部171に係合することによって、カートリッジ5のホルダー31に対する装着が完了する。このとき、付勢部材88によって第1筐体81と第2筐体82とが互いに離れる方向に付勢されるので、カートリッジ5のY軸方向における位置が規制される。なお、本実施形態において、係合穴44が第1被係合部に対応し、被係合部61が第2被係合部に対応し、係合凸部85が第1係合部に対応し、係合部65が第2係合部に対応し、付勢部材88が付勢部に対応している。
なお、上記の装着方法では、図22に示すように、カートリッジ5の底壁110を−Y軸方向に向かうにつれて底部45に近づく向きに傾けた状態で係合凸部85を係合穴44に挿入する方法が採用されている。しかしながら、装着方法は、これに限定されない。装着方法としては、図24に示すように、カートリッジ5の底壁110をY軸方向に向かうにつれて底部45に近づく向きに傾けた状態で係合部65を被係合部61に挿入する方法も採用され得る。この方法では、被係合部61に挿入されている係合部65を回動支点として、係合凸部85を係合穴44に近づける向きにカートリッジ5を回転(回動)させることによって、カートリッジ5のホルダー31に対する装着が完了する。
第3実施形態においても、第1実施形態や第2実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、カートリッジ5をプリンター3に装着した状態において、第2筐体82は付勢部材88により基準面142に沿う方向に付勢される。この構成により、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態は、付勢部材88により第2筐体82が基準面142に沿う方向に、且つ第1筐体81から離れる方向に付勢されることにより実現することができる。また、係合部65と被係合部61との係合状態、及び係合凸部85と係合穴44との係合状態、並びに接点機構62と端子部66との電気的接触状態は、第2筐体82を第1筐体81に近づく方向に変位させることによって解除することができる。これにより、従来技術に無い新たな係合機構によってカートリッジ5をプリンター3に着脱することが可能である。このため、カートリッジ5やキャリッジユニット25からレバーを省略することができるので、カートリッジ5やキャリッジユニット25ひいてはプリンター3を小型化しやすくすることができる。
(第4実施形態)
上述した第3実施形態におけるカートリッジ5では、第1筐体81にインクを収容する構成が採用されている。しかしながら、カートリッジ5の構成は、これに限定されない。カートリッジ5の構成としては、第2筐体82にインクを収容する構成も採用され得る。カートリッジ5において、第2筐体82にインクを収容する構成を第4実施形態として以下に説明する。なお、第4実施形態において、第3実施形態と同様の構成については、第3実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第4実施形態におけるカートリッジ5は、第2筐体82がインク収容部147と、インク供給部175と、を有している。第1筐体81は、第2筐体82の−Y軸方向に位置している。第1筐体81の−Y軸方向の端部に係合凸部85が設けられている。付勢部材88は、第2筐体82の−Y軸方向に位置している。付勢部材88は、第2筐体82と第1筐体81とによって挟持されている。第4実施形態におけるカートリッジ5の装着方法は、第3実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。第4実施形態においても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例1)
液体を液体噴射装置に供給するための液体供給ユニットは、液体供給ユニットの一例であるカートリッジ5に限定されない。液体供給ユニットの他の例を変形例1として説明する。変形例1の液体供給ユニット401は、図25に示すように、上記のカートリッジ5と、タンク402と、インク供給管403と、を有する。タンク402は、上記のカートリッジ5に供給するためのインクを収容する。インク供給管403は、タンク402からカートリッジ5に液体を導く。インク供給管403は、可撓性を有している。
また、変形例1の液体供給ユニット401では、カートリッジ5がキャリッジユニット25(図2)に搭載されるのに対して、タンク402は、キャリッジユニット25から独立して設けられる。つまり、変形例1では、タンク402がキャリッジユニット25に搭載されない。このため、キャリッジユニット25にかかる負荷を軽減しつつ、液体噴射装置に供給可能なインクの量を増大させることができる。さらに、タンク402に新たなインクを補充可能な構成とすれば、インク切れによる液体噴射装置の停止時間を短縮したり、解消したりすることができる。
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射(吐出)する任意の印刷装置(液体吐出装置)及びそのカートリッジにも適用することができる。例えば、以下のような各種の印刷装置及びそのカートリッジに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射する印刷装置。(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材を噴射する印刷装置。(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する印刷装置。(5)精密ピペットとしての試料印刷装置。(6)潤滑油の印刷装置。(7)樹脂液の印刷装置。(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する印刷装置。(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する印刷装置。(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する印刷装置。(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド(液体吐出ヘッド)を備える印刷装置。
なお、「液滴」とは、印刷装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、「液体」とは、印刷装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。上記のような「液体」を、「液状体」とも表現することができる。液体や液状体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。