液体吐出装置の一例であるインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)を例に、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態におけるプリンター1は、図1に示すように、ケース3と、給紙カバー5と、排紙カバー7と、を有している。ケース3と、給紙カバー5と、排紙カバー7とが、プリンター1の外殻を構成している。なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが正方向を示しており、矢印の向きとは逆向きが負方向を示している。プリンター1が使用される状態において、プリンター1は、X軸方向とY軸方向とによって規定される水平な平面に配置される。プリンター1の使用状態において、Z軸方向は、水平な平面に直交する方向であり、Z軸負方向が鉛直下方向となる。
給紙カバー5は、図2に示すように、ケース3に対して、図中のR1方向に回動可能に構成されている。これにより、給紙カバー5は、ケース3に対して開閉可能に構成されている。給紙カバー5がケース3に対して開いた状態(以下、開状態と呼ぶ)になると、記録用紙などの記録媒体Pを、給紙部11からプリンター1に導入できる状態になる。また、排紙カバー7は、ケース3に対して、図中のR2方向に回動可能に構成されている。これにより、排紙カバー7は、ケース3に対して開閉可能に構成されている。排紙カバー7がケース3に対して開状態になると、記録媒体Pを、排紙部13からプリンター1の外に排出できる状態になる。なお、図2では、給紙カバー5及び排紙カバー7の開状態が示されている。他方で、図1では、給紙カバー5及び排紙カバー7の閉状態が示されている。
また、プリンター1は、図2に示すように、操作パネル15と、保護カバー17と、を有している。操作パネル15には、電源ボタンや、その他の操作ボタンなどが設けられている。プリンター1を操作する作業者は、給紙カバー5をケース3に対して開いた状態で、電源ボタンや、その他の操作ボタンを介してプリンター1を操作することができる。保護カバー17は、ケース3に対して開閉可能に構成されている。保護カバー17は、図2に示す閉状態から、図3に示すように、開状態に変化し得る。保護カバー17が開状態のときに、プリンター1の装置本体21の一部が露呈する。
装置本体21は、図4に示すように、搬送ローラー23と、キャリッジ25と、を有している。また、装置本体21は、媒体搬送機構(図示せず)と、キャリッジ搬送機構(図示せず)と、を有している。媒体搬送機構は、モーター(図示せず)からの動力によって搬送ローラー23を駆動することによって、記録媒体PをY軸方向に沿って搬送する。キャリッジ搬送機構は、モーター(図示せず)からの動力をタイミングベルト27を介してキャリッジ25に伝達することによって、キャリッジ25をX軸方向に沿って搬送する。キャリッジ25は、キャリッジ搬送機構によって、X軸方向に沿って、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間を往復移動することができる。本実施形態では、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間が、キャリッジ25の可動領域である。
キャリッジ25は、図5に示すように、ホルダー31を有している。ホルダー31には、複数のカートリッジ33が搭載される。本実施形態では、ホルダー31に、カートリッジ33BK、及びカートリッジ33CLの2つのカートリッジ33が搭載される。各カートリッジ33には、液体の一例であるインクが収容されている。カートリッジ33は、ホルダー31に対して着脱可能に構成されている。なお、カートリッジ33BKには、ブラックのインクが収容されている。カートリッジ33CLには、カラーのインクが収容されている。本実施形態では、カラーのインクとして、イエロー、マゼンタ、及びシアンの3種類のインクが採用されている。
ホルダー31には、Z軸方向においてカートリッジ33側とは反対側に、図6に示すように、印刷ヘッド41が設けられている。つまり、キャリッジ25に印刷ヘッド41が搭載されている。印刷ヘッド41には、各カートリッジ33からインクが供給される。印刷ヘッド41は、カートリッジ33から供給されたインクをノズル(図示せず)からインク滴として吐出する。上述したように、印刷ヘッド41は、キャリッジ25に搭載されている。このため、印刷ヘッド41は、キャリッジ搬送機構によって、キャリッジ25を介してX軸方向に搬送され得る。媒体搬送機構及びキャリッジ搬送機構によって、記録媒体Pに対する印刷ヘッド41の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド41からインク滴を吐出することによって記録媒体Pに印刷が施される。
なお、プリンター1では、印刷ヘッド41がキャリッジ25を介して搬送される方向がX軸方向であり、記録媒体Pが搬送される方向がY軸方向であると定義される。そして、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向がZ軸方向である。プリンター1の使用状態では、X軸方向及びY軸方向が、それぞれ、水平方向になり、Z軸方向が鉛直方向になる。しかしながら、以下の説明では、Z軸方向を鉛直方向とは異なる(交差する)方向として説明されることがある。なお、キャリッジ25の配置される向きを90度変更しても、本実施形態の発明を適用することができる。
ホルダー31は、図5に示すように、凹部43を有している。カートリッジ33は、ホルダー31の凹部43内に装着される。本実施形態では、凹部43内にカートリッジ33BK、及びカートリッジ33CLが装着され得る。本実施形態では、凹部43内に装着される2つのカートリッジ33は、相互に隙間をあけた状態でホルダー31に装着される。凹部43内には、凹部43内に装着されるカートリッジ33BK及びカートリッジ33CLのそれぞれに対応する装着位置44が規定されている。2つの装着位置44は、凹部43内において、X軸方向に並んでいる。つまり、カートリッジ33BK及びカートリッジ33CLは、X軸方向に互いに並んだ状態で、凹部43内に装着される。以下において、2つの装着位置44のそれぞれを識別する場合に、カートリッジ33BKに対応する装着位置44は、装着位置44BKと表記される。同様に、カートリッジ33CLに対応する装着位置44は、装着位置44CLと表記される。
凹部43内には、ホルダー31の底部45に、導入部47と、3つの導入部49と、が設けられている。導入部47は、装着位置44BKに設けられている。また、3つの導入部49は、装着位置44CLに設けられている。このため、導入部47は、カートリッジ33BKに対応している。同様に、3つの導入部49は、カートリッジ33CLに対応している。導入部47と3つの導入部49とは、X軸方向に沿って並んでいる。
また、ホルダー31には、側壁51に複数の係合穴53が設けられている。本実施形態では、装着位置44ごとに、2つの係合穴53が設けられている。このため、本実施形態では、ホルダー31に4つの係合穴53が設けられている。4つの係合穴53は、X軸方向に並んでいる。以下において、4つの係合穴53を装着位置44ごとに識別する場合に、装着位置44BKに対応する係合穴53が係合穴53BKと表記され、装着位置44CLに対応する係合穴53が係合穴53CLと表記される。
ホルダー31は、図7に示すように、Y軸方向に導入部47及び導入部49を挟んで側壁51の反対側(Y軸負方向)に、側壁55を有している。また、導入部47及び導入部49を挟んでX軸方向に対峙するそれぞれの位置に、側壁57と側壁59とが設けられている。側壁57は、導入部47及び導入部49よりもX軸負方向側に位置している。側壁59は、導入部47及び導入部49よりもX軸正方向側に位置している。側壁51と、側壁55と、側壁57と、側壁59とは、それぞれ、底部45からZ軸正方向に突出している。底部45は、側壁51と、側壁55と、側壁57と、側壁59とによって囲まれている。これにより、凹部43が区画されている。
側壁55には、装着位置44ごとに、被係合部61が設けられている。2つの被係合部61は、それぞれ、側壁55の導入部47及び導入部49側(Y軸正方向)に設けられている。2つの被係合部61は、それぞれ、側壁55から導入部47及び導入部49側に向かって突出している。以下において、2つの被係合部61のそれぞれを識別する場合に、装着位置44BKに対応する被係合部61が被係合部61BKと表記され、装着位置44CLに対応する被係合部61が被係合部61CLと表記される。また、側壁55には、2つの被係合部61の間に、2つの接点機構63が設けられている。2つの接点機構63のうち一方は、装着位置44BKに設けられている。また、2つの接点機構63のうち他方は、装着位置44CLに設けられている。以下において、2つの接点機構63を装着位置44ごとに識別する場合に、装着位置44BKに対応する接点機構63が接点機構63BKと表記され、装着位置44CLに対応する接点機構63が接点機構63CLと表記される。
ここで、カートリッジ33には、図5に示すように、回路基板64が設けられている。回路基板64には、電気回路が設けられている。接点機構63は、カートリッジ33の回路基板64に設けられた電気回路と電気的に接続可能に構成されている。そして、カートリッジ33がホルダー31に装着された状態において、カートリッジ33の回路基板64に設けられた電気回路と、プリンター1の制御回路(図示せず)とが、接点機構63を介して互いに電気的に接続される。これにより、カートリッジ33の回路基板64に設けられた電気回路と、プリンター1の制御回路との間で種々の情報が授受される。
接点機構63は、図8に示すように、端子台65と、端子台65に保持された複数の端子67と、を有する。複数の端子67は、それぞれ、電気伝導性と、弾性とを有している。複数の端子67は、それぞれ、電気的な接続部である。カートリッジ33の回路基板64に設けられた電気回路と、プリンター1の制御回路(図示せず)とが、電気的な接続部である端子67を介して互いに電気的に接続される。複数の端子67は、それぞれ、端子台65に向かって外力を受けると、端子台の内部に向かって変位する。複数の端子67は、それぞれ、カートリッジ33がホルダー31に装着された状態で、カートリッジ33の回路基板64を押し返す方向(Z軸正方向の成分とY軸正方向の成分とを含む方向)に付勢力を発生させる。すなわち、カートリッジ33によって複数の端子67が端子台65側に押し込まれることで、反力による付勢力が発生する。
複数の端子67は、X軸方向に沿って並ぶ複数の端子67Aと、X軸方向に沿って並ぶ複数の端子67Bと、を含んでいる。端子67Aと、端子67Bとは、Z軸方向における位置が互いに異なっている。そして、複数の端子67Aは、第1端子列69Aを構成している。また、複数の端子67Bは、第2端子列69Bを構成している。第1端子列69Aと、第2端子列69Bとは、Z軸方向における位置が互いに異なっている。本実施形態では、第1端子列69Aが第2端子列69BよりもZ軸正方向側に位置している。
導入部47は、キャリッジ25の断面図である図9に示すように、ホルダー31の底部45に設けられている。なお、図9には、導入部47を通るYZ平面でキャリッジ25を切断したときの断面が示されている。導入部47は、流路71と、土手部73と、フィルター75と、パッキン77と、を含む。流路71は、カートリッジ33から供給されたインクの通路であり、底部45を貫通する開口として設けられている。土手部73は、底部45に設けられており、底部45からZ軸正方向に向かって凸となる向きに突出している。底部45を平面視したときに、土手部73は、凹部43の内側において、流路71を環状に囲んでいる。このため、土手部73は筒状を呈している。
本実施形態では、筒状の土手部73が延びる方向、すなわち流路71が延びる方向が、Z軸方向である。つまり、流路71の中心軸Cが、Z軸方向に沿って延びている。なお、中心軸Cが延在する方向は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向である。カートリッジ33をホルダー31に装着するときに、カートリッジ33は、中心軸Cの延在方向に沿って変位する。
フィルター75は、土手部73の内側に設けられており、流路71の凹部43側における開口を凹部43側から覆っている。パッキン77は、底部45に設けられており、凹部43の内側において、土手部73を囲んでいる。パッキン77は、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料で構成されている。なお、導入部49は、導入部47と同様の構成を有している。すなわち、導入部47と同様に、導入部49も流路71と、土手部73と、フィルター75と、パッキン77と、を有している。このため、以下においては、導入部49において、導入部47と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
カートリッジ33BKは、図10に示すように、ケース81を有している。ケース81は、カートリッジ33BKの外殻を構成している。ケース81は、第1ケース82と、第2ケース83と、を含む。本実施形態では、第1ケース82と第2ケース83とによってカートリッジ33BKの外殻が構成される。また、カートリッジ33BKは、図11に示すように、フィルター91と、保持部材93と、シート部材95と、を有している。第1ケース82は、容器状を呈しており、凹部99を有している。フィルター91及び保持部材93は、凹部99の内部に収容されている。第2ケース83は、フィルター91及び保持部材93が第1ケース82の凹部99内に収容された状態で、凹部99をZ軸正方向から塞いでいる。カートリッジ33BKにおいて、インクは、凹部99内に収容される。このため、凹部99は、インクを収容する収容部である。
第1ケース82は、図12に示すように、第1壁101と、第2壁102と、第3壁103と、第4壁104と、第5壁105と、第6壁106と、第7壁107と、を有している。第2壁102〜第4壁104は、それぞれ、第1壁101に交差している。第2壁102〜第4壁104は、それぞれ、第1壁101からZ軸正方向側に向かって、すなわち第1壁101から第2ケース83(図11)側に向かって突出している。第2壁102と第3壁103とは、第1壁101をX軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第2壁102と第3壁103とは、互いに対面している。第4壁104は、第2壁102に交差している。また、第4壁104は、第2壁102側とは反対側において、第3壁103に交差している。
第5壁105は、第1壁101の第4壁104側とは反対側に設けられている。第4壁104と第5壁105とは、第1壁101をY軸方向に挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第5壁105は、第1壁101からZ軸負方向側に向かって、すなわち第1壁101から第2ケース83(図11)側とは反対側に向かって突出している。凹部99内においては、第5壁105は、第1壁101からZ軸負方向側に向かって立ち下がっている。第6壁106は、第5壁105の第1壁101側とは反対側に設けられている。第1壁101と第6壁106とは、互いにY軸方向に沿って並んでいる。
第6壁106は、第5壁105からY軸負方向側に向かって延伸している。第6壁106は、第1壁101よりもZ軸負方向側、すなわち第1壁101よりも第2ケース83(図11)側とは反対側に位置している。このため、第1壁101と第6壁106との間には、段差が設けられている。第1壁101と第6壁106との間は、第5壁105によってつながっている。なお、第2壁102及び第3壁103は、それぞれ、第5壁105及び第6壁106のそれぞれに交差している。
第7壁107は、第6壁106の第5壁105側とは反対側に設けられている。第7壁107は、第6壁106からZ軸正方向側に向かって、すなわち第6壁106から第2ケース83(図11)側に向かって突出している。第7壁107は、第1壁101、第5壁105及び第6壁106をY軸方向に挟んで、第4壁104に対峙する位置に設けられている。第4壁104と第7壁107とは、互いに対面している。また、第2壁102及び第3壁103は、それぞれ、第7壁107に交差している。なお、本実施形態において、第7壁107が外壁に対応している。
上記の構成により、第1壁101、第5壁105及び第6壁106は、第2壁102、第3壁103、第4壁104及び第7壁107によって囲まれている。第2壁102〜第4壁104は、第1壁101からZ軸正方向に向かって突出している。また、第7壁107は、第6壁106からZ軸正方向に向かって突出している。このため、第1ケース82は、第1壁101及び第6壁106を底部108として、第2壁102、第3壁103、第4壁104及び第7壁107によって凹状に構成されている。
第1壁101〜第7壁107によって、凹部99が構成されている。凹部99は、Z軸負方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部99は、Z軸正方向に向かって、すなわち第2ケース83側に向かって開口している。第1壁101には、第1壁101を貫通する供給孔109が設けられている。供給孔109は、凹部99の内側とケース81の外側との間を貫通している。凹部99内に収容されたインクは、供給孔109からカートリッジ33の外に排出される。
なお、第1壁101〜第7壁107の凹部99内側の面は、それぞれ概ね平面である。また、第1壁101〜第7壁107の凹部99外側の面は、それぞれ概ね平面である。概ね平面とは、面全域が完全に平坦である場合と、面の一部に凹凸を有する場合とを含む。つまり、面の一部に多少の凹凸があっても、カートリッジ33の外殻を構成する面や壁が把握できるような場合を含む。第1壁101、及び第4壁104〜第7壁107の平面視におけるそれぞれの外形は、いずれも四辺形(長方形)である。第2壁102及び第3壁103は、それぞれ、第1壁101と第6壁106との間の段差に応じた外形を有している。しかしながら、上記に限定されず、第1壁101〜第7壁107の凹部99内側の面、及び第1壁101〜第7壁107の凹部99外側の面としては、それぞれ曲面も採用され得る。
前述した回路基板64は、図13に示すように、第7壁107の凹部99側とは反対側、すなわち凹部99の外側に設けられている。回路基板64の凹部99側の面とは反対側の面には、複数の電極111が設けられている。本実施形態では、接点機構63(図8)に設けられた端子67の個数に対応する個数の電極111が回路基板64に設けられている。本実施形態では、複数の電極111のそれぞれが、複数の端子67のそれぞれに対応している。しかしながら、電極111の個数は、これに限定されず、端子67の個数よりも多くても、少なくてもよい。複数の電極111は、図13に示すように、それぞれ、Z軸方向に対して傾斜している。それぞれの電極111は、XZ平面、YZ平面及びXY平面のそれぞれに対して傾斜している。本実施形態では、それぞれの電極111の傾斜は、回路基板64をXZ平面、YZ平面及びXY平面のそれぞれに対して傾斜させることによって実現されている。
第7壁107には、図14に示すように、凹部99の外側に基板設置部113が設けられている。基板設置部113は、第7壁107から凹部99側とは反対側に向かって、すなわち凹部99の外側に向かって突出している。また、第7壁107には、基板設置部113を覆うカバー114が設けられている。カバー114は、第7壁107から凹部99側とは反対側に向かって、すなわち凹部99の外側に向かって突出している。カバー114は、基板設置部113のZ軸正方向側、X軸正方向側、及びX軸負方向側の三方から基板設置部113を囲っている。基板設置部113は、XZ平面、YZ平面及びXY平面のそれぞれに対して傾斜している。そして、本実施形態では、回路基板64の傾斜は、基板設置部113の傾斜によって実現されている。つまり、本実施形態では、複数の電極111の傾斜は、基板設置部113の傾斜によって実現されている。
基板設置部113は、凹部99の深さ方向において、凹部99の開口側から底部108側に向かうにつれて、すなわちZ軸負方向に向かうにつれて、凹部99側に近づく向きに傾斜している。他の観点から、基板設置部113は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向において、カートリッジ33が底部45(図9)に近づく向きに向かうにつれて、凹部99側に近づく向き、すなわちカートリッジ33の内側に向かう向きに傾斜している。このため、基板設置部113は、Z軸負方向側、且つY軸負方向側を向いている。この構成により、複数の電極111は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向において、カートリッジ33が底部45(図9)に近づく向きに向かうにつれて、カートリッジ33の内側に向かう向きに傾斜している。
本実施形態では、複数の電極111が、カートリッジ33がホルダー31に装着される向きに向かうにつれて、カートリッジ33の内側に向かう向きに傾斜している。このように、複数の電極111が装着方向に対して傾斜していれば、電極111の面積を維持しつつカートリッジ33の装着方向(本実施形態では、Z軸方向)における寸法を軽減しやすい。これにより、カートリッジ33を小型化しやすい。なお、本実施形態では、複数の電極111を回路基板64に設ける構成が採用されている。しかしながら、回路基板64を省略して複数の電極111を基板設置部113に直接的に設ける構成も採用され得る。この構成によれば、部品数の軽減や、カートリッジ33の小型化を図ることができる。
第7壁107の凹部99側とは反対側、すなわち凹部99の外側には、図14に示すように、レバー115が設けられている。レバー115は、第1ケース82に一体で形成されており、第1ケース82から突出している。レバー115は、弾性を有しており、第7壁107に近づく向きにたわむ(弾性変形する)ことができる。レバー115は、把持部117と、係合部119と、を有している。本実施形態では、レバー115は、図15に示すように、第7壁107から突出している。レバー115と第7壁107とは、レバー115と第7壁107との結合部121を介して互いに一体に構成されている。そして、レバー115は、第7壁107との間に隙間をあけた状態でZ軸正方向側に向かって伸びている。
把持部117は、レバー115の結合部121側とは反対側の他端側に設けられている。係合部119は、レバー115の結合部121と把持部117との間に位置している。係合部119は、レバー115から第7壁107側とは反対側に向かって、すなわち第7壁107からY軸負方向側に向かって突出している。係合部119によって、レバー115は、段差を有している。この段差にホルダー31の被係合部61(図7)が係合することによって、カートリッジ33がホルダー31に対して固定される。なお、本実施形態では、レバー115が、第7壁107から突出した構成を有している。しかしながら、レバー115の構成は、これに限定されず、例えば、第6壁106や第3壁103から突出した構成も採用され得る。
レバー115は、図16に示すように、ケース81とレバー115の本体とが互いに重なる向きに第7壁107を平面視したときに、X軸方向において、回路基板64と並んでいる。レバー115は、回路基板64よりもX軸正方向側に位置している。係合部119は、Z軸方向において、電極領域123の範囲内に位置している。他の観点では、係合部119は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向において、電極領域123の範囲内に位置している。電極領域123は、すべての電極111が設けられている領域であり、最短の外周長さですべての電極111を包含する領域である。装着方向において、係合部119が電極領域123の範囲内に位置しているので、電極領域123と係合部119との間の装着方向における距離を短くすることができる。このため、端子67に対する電極111の位置の誤差を小さくすることができる。これにより、端子67と電極111との電気的な接続の信頼性を確保しやすい。また、装着方向において、複数の電極111に対する係合部119の位置が、電極領域123の範囲内に収まっているので、複数の電極111と係合部119との間の装着方向における距離を短くすることができる。このため、装着方向において、カートリッジ33を小型化しやすい。この結果、本実施形態によれば、端子67と電極111との電気的な接続の信頼性を確保しつつ、装着方向において、カートリッジ33を小型化しやすい。
把持部117は、第3壁103をX軸方向にまたぐ領域にわたって設けられている。把持部117は、第3壁103よりも回路基板64側から第3壁103を越えて、第3壁103よりも回路基板64側とは反対側までに及んでいる。つまり、把持部117は、係合部119から把持部117に向かう方向とは交差するX軸方向において、ケース81よりも外側に突出している。係合部119及び結合部121を含むレバー115の本体は、X軸方向において、ケース81に重なる領域内に収まっている。このため、X軸方向において、把持部117の幅が、係合部119の幅よりも広い。本実施形態では、X軸方向において、把持部117をケース81から突出しているので、把持部117をX軸方向に大きくしやすい。これにより、レバー115の操作性が向上しやすい。
本実施形態では、複数の電極111のうちの一部である複数の電極111が、図16に示すように、第1電極列125を構成している。また、複数の電極111の残りである複数の電極111が、第2電極列127を構成している。本実施形態では、4つの電極111が第1電極列125に属する。また、5つの電極111が第2電極列127に属する。以下において、第1電極列125に属する電極111と、第2電極列127に属する電極111とを識別する場合に、第1電極列125に属する電極111が電極111Aと表記され、第2電極列127に属する電極111が電極111Bと表記される。
第1電極列125と、第2電極列127とは、図17に示すように、第2方向としての傾斜方向Kに並んでいる。傾斜方向Kは、電極111が傾斜する方向である。なお、図17では、構成をわかりやすく示すため、基板設置部113(図14)が省略されている。本実施形態では、図17に示すように、第1方向としてのX軸方向から見て、すなわち第2壁102又は第3壁103を平面視したときに、複数の電極111とレバー115とが、互いに重なっている。図17では、第2壁102を平面視したときの状態が示されている。
本実施形態では、複数の電極111とレバー115とが互いに重なっているので、電極領域123をレバー115の作動領域128に重ねることができる。これにより、レバー115の作動領域128を利用して電極領域123を確保することができる。この結果、領域の有効活用を図りやすい。また、複数の電極111とレバー115とが互いに重なっていると、複数の電極111や回路基板64をレバー115で保護しやすい。複数の電極111や回路基板64がX軸方向に何らかの物体に衝突することをレバー115によって避けやすい。また、複数の電極111や回路基板64にX軸方向から塵や埃などの異物が付着することをレバー115によって避けやすい。
また、本実施形態では、基板設置部113及びレバー115が、それぞれ、第7壁107から凹部99側とは反対側に向かって、すなわち凹部99の外側の向かって突出している(図15)。これにより、X軸方向において、レバー115の作動領域128に並んだ領域に複数の電極111を、第7壁107から凹部99の外側に向かって突出させて配置することができる。これにより、凹部99の容積を拡大しやすいので、インクの収容量を増大させやすい。
複数の電極111は、図16に示すように、それぞれ、接触部131を有している。接触部131は、カートリッジ33がホルダー31に装着された状態において、接点機構63(図8)の端子67に接触する領域である。以下において、複数の接触部131を電極111Aと電極111Bとで識別する場合に、電極111Aの接触部131が接触部131Aと表記され、電極111Bの接触部131が接触部131Bと表記される。第1電極列125に属する複数(本実施形態では4つ)の接触部131Aは、X軸方向に沿って配列している。第1電極列125に属する複数の接触部131Aは、第1配列133を構成している。また、第2電極列127に属する複数(本実施形態では5つ)の接触部131Bは、X軸方向に沿って配列している。第2電極列127に属する複数の接触部131Bは、第2配列135を構成している。第1配列133と第2配列135とは、傾斜方向K(図17)に沿って並んでいる。
本実施形態では、図16に示すように、すべての接触部131が、Z軸方向におけるカートリッジ33の高さの1/4から3/4までの範囲内に位置している。Z軸方向におけるカートリッジ33の高さをHとすると、それぞれの接触部131のZ軸方向における位置は、H/4の高さよりも高く、且つ、3H/4の高さよりも低い。そして、係合部119は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向(本実施形態ではZ軸方向と同じ)において、第1配列133と第2配列135との間に位置している。
第1ケース82の第4壁104には、図18に示すように、2つの第2係合部141が設けられている。2つの第2係合部141は、第4壁104の凹部99側とは反対側、すなわち凹部99の外側に設けられている。2つの第2係合部141は、第4壁104から凹部99側とは反対側に向かって、すなわち第4壁104からY軸正方向側に向かって突出している。2つの第2係合部141は、第4壁104から凹部99の外側に向かって突出しているとも表現され得る。
これらの2つの第2係合部141は、カートリッジ33BKがホルダー31に装着された状態において、ホルダー31の2つの係合穴53BK(図5)に嵌合する。第2係合部141が係合穴53BKに係合することによって、カートリッジ33BKのホルダー31に対するZ軸方向における位置が固定される。第2係合部141と係合部119とは、図19に示すように、凹部99をY軸方向に挟んで互いに反対側に設けられている。カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向(本実施形態ではZ軸方向と同じ)において、第2係合部141と係合部119とは、互いに略同じ高さ位置に設けられている。つまり、係合部119と第2係合部141とが、装着方向において互いに略同じ位置に設けられている。
フィルター91は、図20に示すように、第1ケース82の凹部99内に収容されている。フィルター91は、板状を呈している。フィルター91は、供給孔109に重なる位置に設けられており、凹部99の底部108に載置されている。フィルター91は、供給孔109を凹部99の内側から覆っている。第1壁101には、底部108からZ軸正方向側に向かって凸となる複数の凸部145が設けられている。フィルター91は、複数の凸部145によって、Y軸方向における位置が規制されている。また、フィルター91は、第2壁102及び第3壁103によって、X軸方向における位置が規制されている。フィルター91は、インクを吸収し、且つ吸収したインクを保持する性質を有している。なお、フィルター91の材料としては、例えば、フェルトや不織布などが採用され得る。
保持部材93は、図21に示すように、第1ケース82の凹部99内に収容されている。保持部材93は、第1保持部材96と、第2保持部材97と、第3保持部材98と、を含む。第1保持部材96は、第1壁101に重なる領域に設けられている。第1保持部材96は、供給孔109に重なる位置に設けられている。第1保持部材96は、フィルター91の第1壁101側とは反対側からフィルター91を覆っている。このため、第1保持部材96は、フィルター91の第1壁101側とは反対側から供給孔109を覆っている。すなわち、第1保持部材96は、凹部99側からフィルター91越しに供給孔109を覆っている。なお、図21では、供給孔109を通るYZ平面でカートリッジ33BKを切断したときの断面が示されている。
第2保持部材97は、第1保持部材96よりもY軸負方向側、すなわち第1保持部材96よりも第7壁107側に設けられている。第2保持部材97は、第1保持部材96と第7壁107との間に位置している。第2保持部材97は、第6壁106に重なる領域に設けられている。ここで、本実施形態では、第6壁106が第1壁101よりもZ軸負方向側、すなわち第1壁101よりも凹部99側とは反対側に突出している。カートリッジ33において、第6壁106が第1壁101よりもZ軸負方向側に突出している領域は、突出部位151と呼ばれる。突出部位151は、第1ケース82のX軸方向における幅にわたっている。突出部位151における底部108は、第1壁101における底部108よりもZ軸負方向側に突出している。第2保持部材97は、突出部位151内に及んでいる。つまり、第2保持部材97は、第6壁106の底部108に載置されている。
なお、図21に示すように、カートリッジ33において、第5壁105及び第7壁107を含み、Y軸方向に第5壁105から第7壁107側は、第1側部147と定義される。また、カートリッジ33において、Y軸方向に供給孔109よりも第4壁104側は、第2側部148と定義される。突出部位151は、第1側部147に含まれる。このため、第1側部147のZ軸方向における端部である第6壁106が、第1壁101よりもZ軸方向で下方に位置している。そして、第2側部148の下方端部よりも下方に突出している第1側部147に電極111が設けられている。これにより、電極111を配置する領域を確保しつつ、且つ第2側部148においてカートリッジ33を薄型化しやすい。また、本実施形態では、第1側部147にレバー115が設けられているので、レバー115を配置する領域を確保しやすい。なお、面101Aは、第1壁101のうち供給孔109の周囲に位置し、パッキン77が当接する領域である。面101AはX軸方向およびY軸方向と平行する面である。面101Aは、第1面に対応している。
第3保持部材98は、第1保持部材96よりもY軸正方向側、すなわち第1保持部材96よりも第4壁104側に設けられている。第3保持部材98は、第1保持部材96を介して第2保持部材97に対峙する位置に設けられている。第3保持部材98は、第1保持部材96と第4壁104との間に位置している。第3保持部材98は、第1保持部材96よりもY軸正方向側において、第1壁101に重なる領域に設けられている。つまり、第2保持部材97と第3保持部材98との間に第1保持部材96が位置している。このため、第2保持部材97と、第1保持部材96と、第3保持部材98とは、Y軸方向に沿って並んでいる。そして、第2保持部材97と、第1保持部材96とは、互いに当接している。これにより、第2保持部材97と第1保持部材96との間でインクの流路が確保されるので、第2保持部材97から第1保持部材96にインクが流動しやすい。また、第1保持部材96と、第3保持部材98とは、互いに当接している。これにより、第3保持部材98と第1保持部材96との間でインクの流路が確保されるので、第3保持部材98から第1保持部材96にインクが流動しやすい。
保持部材93の材料としては、例えば、フェルトや不織布などが採用され得る。本実施形態では、保持部材93の材料として不織布が採用されている。第1保持部材96では、不織布の繊維径が4デニールであり、密度が0.11g/cm3の不織布が採用されている。第2保持部材97では、不織布の繊維径が4デニールであり、密度が0.055g/cm3の不織布が採用されている。第3保持部材98では、不織布の繊維径が4デニールであり、密度が0.055g/cm3の不織布が採用されている。
本実施形態では、第1保持部材96の密度と、第2保持部材97の密度とが、下記(1)式の関係を有している。
第1保持部材96の密度>第2保持部材97の密度・・・(1)
また、第2保持部材97の密度と、第3保持部材98の密度とが、下記(2)式の関係を有している。
第2保持部材97の密度=第3保持部材98の密度・・・(2)
このため、第1保持部材96の密度と、第3保持部材98の密度とが、下記(3)式の関係を有している。
第1保持部材96の密度>第3保持部材98の密度・・・(3)
上記(1)式の関係により、突出部位151が面101Aよりも鉛直下方に位置していても、突出部位151内のインクを、第2保持部材97及び第1保持部材96を介して供給孔109に導きやすい。また、上記(3)式の関係により、供給孔109よりも第2側部148側に位置するインクを、第3保持部材98及び第1保持部材96を介して供給孔109に導きやすい。
本実施形態では、第1保持部材96と第3保持部材98とが、一体成形によって互いに接合された状態で形成されている。第1保持部材96〜第3保持部材98は、それぞれ、不織布の材料となる繊維の束を金型で引き抜き成形することによって形成され得る。本実施形態では、第1保持部材96の引き抜き成形に続いて、第3保持部材98の引き抜き成形を実施することによって、第1保持部材96と第3保持部材98とが互いにつながった状態で形成される。このとき、第3保持部材98の引き抜き成形において、材料となる繊維の束の密度を、第1保持部材96の成形における繊維の束の密度よりも低くすることによって、上記(3)式の関係が実現され得る。
本実施形態では、第1保持部材96と第3保持部材98とが一体成形によって形成されているので、第1保持部材96と第3保持部材98との間に隙間が発生しにくい。これにより、第1保持部材96から第3保持部材98に至るインクの流路が途切れにくい。このため、供給孔109よりも第2側部148側に位置するインクを、第3保持部材98及び第1保持部材96を介して供給孔109に一層導きやすい。
なお、本実施形態では、第1保持部材96の容積と、第2保持部材97の容積とが、下記(4)式の関係を有している。
第1保持部材96の容積<第2保持部材97の容積・・・(4)
また、本実施形態では、インクを凹部99内に収容した状態で、第1保持部材96が保持するインクの容量と、第2保持部材97が保持するインクの容量とが、下記(5)式の関係を有している。
第1保持部材96のインク容量>第2保持部材97のインク容量・・・(5)
上記(5)式の関係により、供給孔109よりも第1側部147側に位置するインクを、第2保持部材97及び第1保持部材96を介して供給孔109に導きやすい。
なお、本実施形態では、回路基板64が、図21に示すように、第1壁101の凹部99側とは反対側の面101Aの位置をZ軸方向にまたいでいる。つまり、回路基板64は、Z軸方向において、面101Aよりも上方から面101Aよりも下方に及んでいる。このため、第1壁101の凹部99側とは反対側の面101Aを鉛直下方に向けた状態で、電極領域123側から見たときに、回路基板64は、面101Aよりも上方から面101Aよりも下方に及んでいる。これにより、面101Aよりも下方に及ぶ領域を電極領域123の少なくとも一部として活用することができる。これにより、領域の有効活用が図られる。
また、本実施形態では、突出部位151が、X軸方向において電極領域123をまたぐ領域にわたっている。このため、例えば、供給孔109からインクが電極111側に向かって第1壁101を伝ってきても、突出部位151によってインクが電極111に達することを避けやすい。なお、本実施形態では、突出部位151は、X軸方向において第1ケース82の幅にわたっている。このため、カートリッジ33のX軸方向における幅にわたって、供給孔109からインクが伝ってくることを避けやすい。
第2ケース83は、図21に示すように、保持部材93よりもZ軸正方向側から、すなわち保持部材93よりも底部108側とは反対側から、凹部99を覆っている。凹部99は、第2ケース83によって塞がれている。第2ケース83には、凹部99の内側とケース81の外側との間を貫通する大気連通孔153が設けられている。第2ケース83のZ軸正方向側、すなわち第2ケース83の凹部99側とは反対側には、シート部材95が設けられている。大気連通孔153は、シート部材95によって塞がれている。
第2ケース83の凹部99側とは反対側には、図22に示すように、連通路155が設けられている。連通路155は、第2ケース83に設けられた溝として構成されている。連通路155としての溝は、蛇行部157を有している。連通路155としての溝は、大気連通孔153を起点として、蛇行部157で蛇行してから端部159に至る。端部159は、第2ケース83の側壁に達しており、側壁において外側に向かって開口する開口部として構成されている。端部159としての開口部と大気連通孔153との間は、連通路155によって通じている。大気連通孔153及び連通路155は、図23に示すように、端部159としての開口部を除いて、シート部材95によってZ軸正方向側から塞がれている。上記の構成により、カートリッジ33BKの凹部99内は、連通路155及び大気連通孔153を介して大気に開放される。
カートリッジ33CLについて説明する。カートリッジ33CLは、カートリッジ33BKと同一の構成を含んでいる。以下のカートリッジ33CLの説明では、カートリッジ33BKと同一の構成については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
カートリッジ33CLは、図24に示すように、ケース161を有している。また、カートリッジ33CLは、1つの回路基板64を有している。ケース161は、カートリッジ33CLの外殻を構成している。ケース161は、第1ケース162と、第2ケース163と、を含む。本実施形態では、第1ケース162と第2ケース163とによってカートリッジ33CLの外殻が構成される。第1ケース162には、1つのレバー115が設けられている。また、カートリッジ33CLは、図25に示すように、3つのフィルター91と、3つの保持部材93と、シート部材165と、を有している。第1ケース162は、容器状を呈しており、凹部167と、凹部168と、凹部169と、を有している。
3つのフィルター91は、それぞれ、凹部167、凹部168、及び凹部169の内部に収容されている。また、3つの保持部材93も、それぞれ、凹部167、凹部168、及び凹部169の内部に収容されている。第2ケース163は、フィルター91及び保持部材93が凹部167、凹部168、及び凹部169のそれぞれの内部に収容された状態で、凹部167、凹部168、及び凹部169をZ軸正方向から塞いでいる。カートリッジ33CLにおいて、インクは、凹部167、凹部168、及び凹部169のそれぞれの内部に収容される。このため、凹部167、凹部168、及び凹部169は、それぞれ、インクを収容する収容部である。
第1ケース162は、図26に示すように、第1壁101と、第2壁102と、第3壁103と、第4壁104と、第5壁105と、第6壁106と、第7壁107と、を有している。第1壁101〜第7壁107は、それぞれ、カートリッジ33BKにおける第1壁101〜第7壁107と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、第1ケース162には、3つの供給孔109が設けられている。3つの供給孔109は、それぞれ、凹部167、凹部168、及び凹部169に設けられている。第1ケース162は、仕切壁171と、仕切壁173と、を有している。仕切壁171及び仕切壁173は、それぞれ、第1壁101からZ軸正方向側に向かって、すなわち第1壁101から第2ケース163(図25)側に向かって突出している。
仕切壁171は、第2壁102からX軸方向に隙間をあけた状態で、第2壁102に対向している。Y軸方向において、仕切壁173は、仕切壁171と第3壁103との間に位置している。仕切壁173は、第3壁103からX軸方向に隙間をあけた状態で、第3壁103に対向している。また、仕切壁171と仕切壁173とは、互いにX軸方向に隙間をあけた状態で対向している。仕切壁171及び仕切壁173は、それぞれ、第4壁104、第5壁105、第6壁106、及び第7壁107のそれぞれに交差している。仕切壁171及び仕切壁173は、それぞれ、Y軸方向に沿って第4壁104から第7壁107にわたって延在している。
仕切壁171及び仕切壁173によって、凹部167、凹部168、及び凹部169が相互に仕切られている。このため、凹部167、凹部168、及び凹部169は、それぞれ、独立してインクを収容可能に構成されている。これにより、凹部167、凹部168、及び凹部169のそれぞれに、相互に種類が異なるインクを収容することができる。本実施形態では、相互に色が異なるイエロー、マゼンタ、及びシアンの3種類のインクが、それぞれ、凹部167、凹部168、及び凹部169に収容される。
カートリッジ33CLにおいても、図27に示すように、回路基板64と、レバー115とが、第7壁107の第4壁104側とは反対側、すなわち凹部167〜凹部169の外側に設けられている。カートリッジ33CLでは、レバー115は、回路基板64よりもX軸負方向側に位置している。つまり、カートリッジ33CLでは、回路基板64とレバー115とのX軸方向における並び順が、カートリッジ33BKとは逆になっている。カートリッジ33CLにおいても、回路基板64の複数の電極111は、カートリッジ33BKと同様に、それぞれ、Z軸方向に対して傾斜している。また、第7壁107には、図28に示すように、凹部167〜凹部169の外側に基板設置部113が設けられている。カートリッジ33CLにおける基板設置部113は、カートリッジ33BKにおける基板設置部113と同様の構成であるので、詳細な説明を省略する。
カートリッジ33CLでは、図29に示すように、ケース161とレバー115の本体とが互いに重なる向きに第7壁107を平面視したときに、X軸方向において、係合部119及び結合部121を含むレバー115の本体の幅と、把持部117の幅とが、互いに同じ寸法に設定されている。また、カートリッジ33CLでは、把持部117を含めてレバー115が、X軸方向において、ケース161に重なる領域内に収まっている。
なお、レバー115の本体の幅は大きくなると弾性が強まるため、必要以上に幅を広げると操作性を損なう。これに対し、把持部117の幅は大きくなると結合部121に与える力が大きくなるため、操作性が向上する。このため、カートリッジ33CLにおいても、X軸方向において、把持部117の幅を係合部119の幅よりも広くした構成(カートリッジ33BKと同様の構成)が採用され得る。このとき、結合部121は、X軸方向において、カートリッジ33CLの中心から離れて位置すると、カートリッジ33CLが傾いてしまう可能性がある。そのため、結合部121は、カートリッジ33CLの中心に近づけて設けることが好ましい。しかし、X軸方向において、把持部117は回路基板64、基板設置部113、またはカバー114の少なくともいずれかと隣接している。そのため、把持部117は、X軸方向において、把持部117が回路基板64、基板設置部113、またはカバー114の少なくともいずれかの位置する側とは反対の側に突出する構造が好ましい。言い換えると、把持部117がレバー115の本体に対し、X軸方向において、基板設置部113、またはカバー114の少なくともいずれかの位置する側に突出する幅より、基板設置部113、またはカバー114の少なくともいずれかの位置する側とは反対の側に突出する幅のほうが大きくなるよう設計されている。さらに、カートリッジ33CLにおいても、X軸方向に、把持部117をケース161からはみ出させた構成(カートリッジ33BKと同様の構成)が採用され得る。
カートリッジ33CLにおけるレバー115の係合部119は、Z軸方向において、電極領域123の範囲内に位置している。他の観点では、係合部119は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向において、電極領域123の範囲内に位置している。カートリッジ33CLにおいても、カートリッジ33BKと同様に、すべての接触部131が、Z軸方向におけるカートリッジ33の高さの1/4から3/4までの範囲内に位置している。そして、カートリッジ33CLにおいても、係合部119は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときの装着方向(本実施形態ではZ軸方向と同じ)において、第1配列133と第2配列135との間に位置している。
第1ケース162の第4壁104には、図30に示すように、2つの第2係合部141が設けられている。2つの第2係合部141は、第4壁104の凹部167〜凹部169側とは反対側、すなわち凹部167〜凹部169の外側に設けられている。2つの第2係合部141は、第4壁104から凹部167〜凹部169側とは反対側に向かって、すなわち第4壁104からY軸正方向側に向かって突出している。2つの第2係合部141は、第4壁104から凹部167〜凹部169の外側に向かって突出しているとも表現され得る。
これらの2つの第2係合部141は、カートリッジ33CLがホルダー31に装着された状態において、ホルダー31の2つの係合穴53CL(図5)に嵌合する。第2係合部141が係合穴53CLに係合することによって、カートリッジ33CLのホルダー31に対するZ軸方向における位置が固定される。第2係合部141と係合部119とは、図31に示すように、凹部167(凹部168、凹部169)をY軸方向に挟んで互いに反対側に設けられている。カートリッジ33CLをホルダー31に装着するときの装着方向(本実施形態ではZ軸方向と同じ)において、第2係合部141と係合部119とは、互いに略同じ高さに設けられている。
カートリッジ33CLにおけるフィルター91及び保持部材93は、それぞれ、カートリッジ33BKにおけるフィルター91及び保持部材93と、材料、機能、配置状態などの点において同様であるので詳細な説明を省略する。また、カートリッジ33CLの保持部材93においても、前述した式(1)〜(5)の関係を満足している。
第2ケース163は、図32に示すように、XY平面を平面視したときに、凹部167〜凹部169を覆う大きさを有している。このため、第2ケース163は、凹部167〜凹部169よりもZ軸正方向側から、すなわち保持部材93よりも底部108側とは反対側から、凹部167〜凹部169を覆っている。凹部167〜凹部169は、第2ケース163によって塞がれている。第2ケース163には、凹部167〜凹部169のそれぞれに対応して、大気連通孔153と、連通路155とが設けられている。つまり、第2ケース163には、3つの大気連通孔153と、3つの連通路155とが設けられている。
大気連通孔153と、この大気連通孔153につながる連通路155は、凹部167〜凹部169のそれぞれに対応して設けられている。つまり、凹部167に対応して、大気連通孔153及び連通路155の一組が設けられている。同様に、凹部168に対応して、大気連通孔153及び連通路155の一組が設けられている。凹部169に対応して、大気連通孔153及び連通路155の一組が設けられている。カートリッジ33CLにおける大気連通孔153及び連通路155は、カートリッジ33BKにおける大気連通孔153及び連通路155と同様の構成を有しているので、詳細な説明を省略する。
シート部材165は、第2ケース163の第1ケース162側とは反対側、すなわち第2ケース163のZ軸正方向側に設けられている。3つの大気連通孔153及び3つの連通路155は、端部159としての開口部を除いて、シート部材165によってZ軸正方向側から塞がれている。上記の構成により、カートリッジ33CLの凹部167〜凹部169のそれぞれの内側は、連通路155及び大気連通孔153を介して大気に開放される。上記の構成により、カートリッジ33CLにおいても、カートリッジ33BKと同様の効果が得られる。さらに、カートリッジ33CLでは、相互に異なる複数の種類のインクを1つの第1ケース162に収容することができるので、カートリッジ33の小型化を図りやすい。
カートリッジ33をホルダー31に装着する方法(装着方法)について説明する。本実施形態では、カートリッジ33BKの装着方法と、カートリッジ33CLの装着方法とは、互いに同じである。このため、以下においては、カートリッジ33の装着方法として説明する。本実施形態における装着方法では、まず、図33に示すように、カートリッジ33をホルダー31に対して傾けた状態で、カートリッジ33をホルダー31内に挿入する。このとき、カートリッジ33の第1壁101が、ホルダー31の底部45に対して傾けられる。このとき、第1壁101は、第7壁107側から第4壁104側に近づくにつれて、底部45に近づく向きに傾けられる。そして、カートリッジ33をホルダー31に対して傾けた状態で、カートリッジ33を底部45に近づけながら、第2係合部141を係合穴53に挿入する。なお、図33では、カートリッジ33の係合部119が、ホルダー31の被係合部61よりもZ軸正方向側に位置している状態が示されている。
次に、図33に示す状態から、係合穴53に挿入されている第2係合部141を回動支点として、レバー115を底部45に近づける向きに、つまり、第7壁107側をホルダー31の凹部43内に押し込むようにカートリッジ33を回転(回動)させる。すると、図34に示すように、レバー115の案内部115Aが、被係合部61によって案内される。このとき、レバー115は、第7壁107に近づく向きにたわむ。これにより、カートリッジ33には、レバー115からの反力によって、Y軸正方向側に向かって付勢される。第2係合部141を回動支点としてカートリッジ33を回動させると、カートリッジ33は、Z軸方向(装着方向)に変位する。カートリッジ33がZ軸方向に変位すると、導入部47(導入部49)の土手部73が、カートリッジ33の内部に向かって供給孔109に嵌入する。なお、図34では、カートリッジ33の内部に向かって供給孔109に嵌入した土手部73によって、フィルター91がZ軸正方向側にひずんだ状態が示されている。
図34に示す状態から、カートリッジ33の第7壁107を底部45に近づける向きにカートリッジ33をさらに回動させると、係合部119がさらにZ軸負方向側に押し込まれる。すると、図35に示すように、レバー115は、第7壁107に近づく向きに一層たわむ。このとき、土手部73が、カートリッジ33の内部に向かって供給孔109に一層嵌入する。
図35に示す状態から、カートリッジ33の第7壁107を底部45に近づける向きにカートリッジ33をさらに回動させると、係合部119がさらにZ軸負方向側に押し込まれる。そして、係合部119が被係合部61よりもZ軸負方向側に変位すると、図36に示すように、レバー115のたわみが軽減され、係合部119が被係合部61に係合する。係合部119が被係合部61に係合することによって、カートリッジ33のホルダー31に対する装着が完了する。係合部119が被係合部61に係合すると、カートリッジ33のZ軸方向における位置が規制される。
また、係合部119が被係合部61に係合すると、図36に示すように、レバー115のたわみによるレバー115からの反力F1によって、Y軸正方向側に向かって付勢される。これにより、ホルダー31に対するカートリッジ33の固定力が高められる。また、本実施形態では、凹部99(凹部167、凹部168、凹部169)を介して互いに反対側に、係合部119と第2係合部141とが設けられている。これにより、凹部99(凹部167、凹部168、凹部169)を介して互いに反対側のZ軸方向における位置を規制することができる。このため、係合部119と第2係合部141とを結んだ方向における揺動、すなわち図36中のR3方向における揺動を規制しやすい。この結果、端子67に対する接触部131の位置の誤差を小さくすることができる。
カートリッジ33のホルダー31に対する装着が完了すると、パッキン77がカートリッジ33の面101Aに当接する。このとき、パッキン77は、たわんだ状態で面101Aに当接する。パッキン77は、供給孔109の外側から供給孔109の周囲を囲んだ状態で面101Aに当接する。これにより、インクがカートリッジ33から流路71に供給されるときに、土手部73に囲まれた領域の外側にこぼれたインクがパッキン77によってせき止められる。これにより、カートリッジ33がホルダー31に装着された状態において、カートリッジ33内のインクがホルダー31に漏出することを避けやすい。なお、カートリッジ33がホルダー31に装着された状態では、面101Aがパッキン77から反力F0を受ける。パッキン77からの反力F0は、Z軸方向に沿っており、Z軸正方向側に向かう。そして、係合部119及び第2係合部141には、それぞれ、反力F0に抗するZ軸負方向側に向かう反力が作用する。これらの力の作用により、ホルダー31に対するカートリッジ33の固定力が一層高められる。
なお、カートリッジ33の係合部119が、ホルダー31の被係合部61よりもZ軸正方向側に位置している状態(図33に示す状態)では、図37に示すように、回路基板64の電極111は、接点機構63の端子67から離間している。図37に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置は、図33に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置に対応している。図33に示す状態から、第2係合部141を支点としてカートリッジ33を回動させ、図34に示す状態に変化すると、図38に示すように、回路基板64の電極111が、接点機構63の端子67に接触する。このとき、端子67は、接触部131(図16)よりもZ軸正方向側で電極111に接触している。図38に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置は、図34に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置に対応している。
図34に示す状態から、第2係合部141を支点としてカートリッジ33を回動させ、図35に示す状態に変化すると、図39に示すように、端子67が、電極111からの力によってたわむ。このとき、端子67は、図38に示す状態に比較して、接触部131(図16)に近づいている。つまり、図38に示す状態から図39に示す状態に変化する過程において、端子67は、電極111に擦られながらたわむ。図39に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置は、図35に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置に対応している。
図35に示す状態から、第2係合部141を支点としてカートリッジ33を回動させ、図36に示す状態に変化すると、図40に示すように、端子67が、電極111からの力によって一層たわむ。図40に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置は、図36に示すカートリッジ33のホルダー31に対する回動位置(装着完了位置)に対応している。
ホルダー31に対するカートリッジ33の装着が完了すると、端子67は、接触部131(図16)に達している。図39に示す状態から図40に示す状態に変化する過程において、端子67は、電極111に擦られながらたわむ。つまり、電極111が端子67に接してから、ホルダー31に対するカートリッジ33の装着が完了するまでの間、端子67は、電極111に擦られながらたわむ。カートリッジ33のホルダー31に対する装着が完了すると、複数の電極111と複数の端子67との電気的な接続が維持される。これにより、カートリッジ33の回路基板64に設けられた電気回路と、プリンター1の制御回路との間で種々の情報が授受され得る。
電極111が端子67に接してから、カートリッジ33のホルダー31に対する装着が完了するまでの間において、電極111に端子67が接した軌跡は、図41に示すように、摩擦領域177として定義される。摩擦領域177は、カートリッジ33をホルダー31に装着するときに傾斜方向K(図17)に沿って端子67によって擦られる領域である。そして、本実施形態では、装着方向(Z軸方向)において、複数の電極111に対する係合部119の位置は、図41に示すように、第1配列133における複数の摩擦領域177と、第2配列135における複数の摩擦領域177との範囲179内である。
ホルダー31に対するカートリッジ33の装着が完了すると、カートリッジ33には、図36に示すように、レバー115からの反力F1が作用する。反力F1は、Y軸正方向に向かう力である。また、ホルダー31に対するカートリッジ33の装着が完了すると、回路基板64には、図40に示すように、端子67からの反力F2が作用する。反力F2は、Y軸正方向の成分である分力F2Yと、Z軸正方向の成分である分力F2Zとの合力として表される。前述したように、本実施形態では、装着方向において、係合部119が第1配列133と第2配列135との間に位置している(図16)。これにより、Z軸方向において、レバー115からの反力F1が作用する位置と、分力F2Yが作用する位置とを互いに近づけることができる。
仮に、装着方向における係合部119の位置が、第1配列133と第2配列135との間の範囲外であると、Z軸方向において、反力F1が作用する位置と分力F2Yが作用する位置とが互いに遠ざかる。反力F1が作用する位置と分力F2Yが作用する位置とが、Z軸方向に遠ざかっていると、反力F1の強さと分力F2Yの強さとの差によって、カートリッジ33に第2係合部141を支点とするモーメントが発生しやすい。このモーメントは、図40に示すR4方向におけるカートリッジ33の揺動を誘発しやすい。
これに対して、本実施形態では、Z軸方向において、レバー115からの反力F1が作用する位置と、分力F2Yが作用する位置とを互いに近づけることができるので、カートリッジ33の揺動を抑えやすい。これにより、端子67に対する接触部131の位置の誤差を小さくすることができる。また、装着方向において、係合部119が第1配列133と第2配列135との間に位置しているので、複数の接触部131と係合部119との間の距離を短くすることができる。このため、端子67に対する接触部131の位置の誤差を小さくすることができる。これにより、端子67と電極111との電気的な接続の信頼性を確保しやすい。また、装着方向において、複数の電極111に対する係合部119の位置が、第1配列133と第2配列135との間に収まっているので、複数の接触部131と係合部119との間の距離を短くすることができる。このため、装着方向において、カートリッジ33を小型化しやすい。この結果、本実施形態によれば、端子67と電極111との電気的な接続の信頼性を確保しつつ、装着方向において、カートリッジ33を薄型化しやすい。
また、本実施形態では、第2係合部141と係合部119とが、互いに略同じ高さに設けられている(図19)。これにより、カートリッジ33に作用する反力F1の位置と、カートリッジ33の回動支点となる第2係合部141との高さを略同じにすることができる。つまり、カートリッジ33において、反力F1が作用する高さと、回動支点の高さとが、互いにそろいやすい。仮に、反力F1が作用する高さと、回動支点の高さとが、互いにずれていると、図40中のR4方向におけるモーメントが発生しやすい。このモーメントは、R4方向におけるカートリッジ33の揺動を誘発しやすい。これに対して、本実施形態では、反力F1が作用する高さと回動支点の高さとが互いに略同じであるので、モーメントの発生を抑えやすい。これにより、カートリッジ33の揺動を抑えやすい。この結果、端子67に対する接触部131の位置の誤差を小さくすることができる。
また、本実施形態では、すべての接触部131が、Z軸方向におけるカートリッジ33の高さの1/4から3/4までの範囲内に位置している(図16)。これにより、複数の接触部131が、Z軸方向におけるカートリッジ33の高さの中央寄りに位置するので、図40中のR4方向におけるモーメントの発生を抑えやすい。これにより、カートリッジ33の揺動を抑えやすい。この結果、端子67に対する接触部131の位置の誤差を小さくすることができる。
また、本実施形態では、装着方向(Z軸方向)における係合部119の位置が、第1配列133における複数の摩擦領域177と、第2配列135における複数の摩擦領域177との範囲内(図41)である。一般に、カートリッジ33がホルダー31に装着される際、端子67が電極111の表面を摩擦しながら所定の距離だけ移動する。これにより、電極111の表面に付着した粉塵等を除去することができる。この結果、電極111との良好な接触を確保することができる。ここで、摩擦領域177が大きすぎると、端子67が電極111以外の部分を擦り削ってしまう場合がある。これにより生じる粉塵が接触不良につながる危険性もある。そのため、電極111の摩擦領域177にも誤差が生じないよう、係合部119を配置することが重要となる。このとき、係合部119が被係合部61に係合する位置が、摩擦領域177に近ければ近いほど、係合部119が被係合部61に係合する位置に対する摩擦領域177の誤差を小さくすることができる。これにより、摩擦領域177の範囲の精度を高めることができる。
また、本実施形態では、図42に示すように、ホルダー31の側壁59に、切欠き部181が設けられている。切欠き部181は、ホルダー31にカートリッジ33BKを装着した状態において、レバー115の把持部117に重なる領域に設けられている。この切欠き部181によって、作業者の手指がレバー115の把持部117に届きやすい。これにより、レバー115の操作性が高められる。また、切欠き部181によって、把持部117とホルダー31との干渉を避けやすい。さらに、把持部117を切欠き部181内に位置させることができるので、ホルダー31を小型化しやすい。つまり、本実施形態では、レバー115の操作性を維持しつつ、ホルダー31を小型化しやすい。この結果、プリンター1の小型化を図りやすい。
なお、本実施形態では、カートリッジ33において、供給孔109を第1壁101に設ける構成が採用されている。しかしながら、供給孔109を設ける箇所は、第1壁101に限定されず、第2壁102〜第7壁107のいずれも採用され得る。また、供給孔109を設ける箇所として、第2ケース83や第2ケース163も採用され得る。
また、本実施形態では、係合部119を有するレバー115をカートリッジ33に設け、且つ被係合部61をホルダー31に設ける構成が採用されている。しかしながら、レバー115及びホルダー31の構成は、これに限定されない。レバー115及びホルダー31の構成としては、被係合部61をカートリッジ33に設け、且つ係合部119を有するレバー115をホルダー31に設ける構成も採用され得る。
また、本実施形態では、レバー115を第1ケース82や第1ケース162に一体で形成した構成が採用されているが、レバー115の構成は、これに限定されない。レバー115の構成としては、第1ケース82や第1ケース162とは別体とする構成も採用され得る。この場合、レバー115を第1ケース82や第1ケース162に接合したり、カシメや嵌め合いなどによって結合したり、ねじなどで結合したりすることによって互いに一体に構成することができる。また、レバー115の材質としては、プラスチックなどの合成樹脂や、金属等の種々の材質が採用され得る。また、レバー115は、弾性変形によって、係合部119が被係合部61に係合したり、係合が解除されたりする構成であれば、ばね状を呈していてもよい。
なお、本実施形態において、供給孔109と、第1保持部材96と、第1壁101のうち供給孔109の周囲に位置し、パッキン77が当接する領域である面101Aとの組み合わせが、液体供給部に対応している。また、ケース81が筐体に対応し、レバー115のうち結合部121と把持部117との間の部位が本体部に対応している。また、面101Aが筐体の第1面に対応する。第2壁102が第2面に対応する。第3壁103が第3面に対応する。また、レバー115のうち結合部121と把持部117との間の部位とケース81とが重なる向きにケース81を平面視した図でもある図16において、第2壁102が筐体の第1端部に相当する。第3壁103が第2端部に相当する。
また、本実施形態では、図16に示すように、上記第1端部と、複数の電極111と、レバー115のうち結合部121と把持部117との間の部位と、上記第2端部とがこの順に第1方向に並んで位置している。そして、上記第1端部と上記第2端部との距離より、把持部117のうち上記第2端部よりもX軸方向に突出する端部と上記第1端部との距離のほうが大きい。つまり、把持部117は、X軸方向において、ケース81よりも外側に突出している。また、第1方向としてのX軸方向は、係合部119から把持部117に向かう方向とは交差する方向でもある。さらに、第1方向としてのX軸方向は、面101Aと平行する方向でもある。
また、本実施形態において、ホルダー31が装着部に対応する。側壁51が第1側部に対応する。側壁59が第2側部に対応する。側壁57が第3側部に対応する。側壁55が第4側部に対応する。導入部47及び導入部49がそれぞれ液体導入部に対応する。端子67が導電性接触部材に対応する。また、本実施形態において、装着部としてのホルダー31と、カートリッジ33との組み合わせが液体供給システムに対応する。
なお、装着部は、プリンター1の中でカートリッジ33を装着するための空間を有する部分のことである。狭義には、ヘッドユニットとキャリッジユニットとにより構成される空間である。ヘッドユニットとは、導入部47(導入部49)と、印刷ヘッド41と、導入部47(導入部49)と印刷ヘッド41の間を連通する流路部材とを含むユニットである。キャリッジユニットとは、キャリッジ25をX軸方向に沿ってガイドするガイド軸に装着される部分であり、ヘッドユニットとカートリッジ33とが搭載される。これらの機能を満たすものであれば、ヘッドユニットとキャリッジユニットの形態は特に限定されるものではない。そして、カートリッジ33を装着するための装着部は、ヘッドユニットとキャリッジユニットの形態に合わせて、多様な形態をとることができる。例えば、一形態として、装着部の底部と、第1側部はヘッドユニットで構成され、装着部の第2側部と、第3側部と、第4側部はキャリッジユニットで構成される。しかし、これらすべてがヘッドユニットで構成される形態であってもよく、底部のみがヘッドユニットで構成されていてもよい。また、第2側部の一部をヘッドユニットが、第2側部の他の部分をキャリッジユニットが構成するものであってもよい。
カートリッジ33についての変形例を説明する。なお、以下の各変形例において、上記の実施形態と同様の構成については、上記の実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、以下の各変形例は、カートリッジ33BK、及びカートリッジ33CLのいずれに対しても適用可能である。変形例1のカートリッジ33Dでは、図43に示すように、突出部位151が、カートリッジ33の突出部位151(二点鎖線で示す)よりも減じられている。図43に示す例では、突出部位151が第7壁107の厚みと同等の位置まで減じられている。このカートリッジ33Dにおいても、カートリッジ33と同様の効果が得られる。
変形例2のカートリッジ33Eでは、図44に示すように、外殻を構成するケース81やケース161が曲面を含む面で構成されている。カートリッジ33Eにおいても、カートリッジ33と同様の効果が得られる。図44には、カートリッジ33の輪郭の領域である輪郭領域185が二点鎖線で示されている。このように、輪郭領域185の範囲内であれば、曲面や平面を含む種々の輪郭形態が採用され得る。
変形例3のカートリッジ33Fでは、図45に示すように、回路基板64が、ばね187を介して基板設置部113に取り付けられている。変形例4のカートリッジ33Gでは、図46に示すように、基板設置部113が図中の矢印方向に可動となっている。カートリッジ33Fやカートリッジ33Gにおいても、カートリッジ33と同様の効果が得られる。
変形例5のカートリッジ33Hでは、図47に示すように、第1ケース82や第1ケース162が、第1部材191と、第2部材193と、を有している。第1部材191と第2部材193とは、互いに別体で構成されている。第1部材191には、インクが収容される凹部99や凹部167〜凹部169(図示せず)が設けられている。さらに、第1部材191には、供給孔109が設けられている。そして、第1部材191には、フィルター91、及び保持部材93(図示せず)が収容されている。第1部材191の内部には、インクが収容されている。第1部材191には、第2ケース83や第2ケース163が設けられる。さらに、第2ケース83には、シート部材95が設けられ、第2ケース163には、シート部材165が設けられる。これによって、供給ユニット194が構成される。供給ユニット194は、フィルター91及び保持部材93が収容された第1部材191に、第2ケース83や第2ケース163と、シート部材95やシート部材165とを設けた構成を有している。
第2部材193には、回路基板64、基板設置部113、及びレバー115が設けられている。また、第2部材193には、第2係合部141(図示せず)も設けられている。第2部材193には、第1壁101に開口部195が設けられている。第2部材193には、図48に示すように、凹部197が設けられている。第1部材191は、凹部197内に収容可能に構成されている。開口部195は、第1部材191の供給孔109(図47)に重なる領域に設けられている。このため、第1部材191が第2部材193の凹部197内に収容された状態で、第1部材191の供給孔109が、第2部材193の開口部195を介して露呈する。
上記の構成により、第2部材193をホルダー31に装着することができる。そして、第2部材193をホルダー31に装着した状態で、第1部材191の供給孔109に導入部47や導入部49(図5)を接続することができる。カートリッジ33Hにおいても、カートリッジ33と同様の効果が得られる。さらに、カートリッジ33Hでは、作業者は、カートリッジ33H内のインクがなくなったら、第1部材191を新たな第1部材191に交換することができる。これにより、新たな第1部材191に収容されたインクを利用することができる。また、作業者は、カートリッジ33H内のインクがなくなったら、第1部材191に新たなインクを補充することもできる。これにより、第1部材191に補充された新たなインクを利用することができる。このように、カートリッジ33Hでは、第2部材193を反復して利用することができる。
変形例6のカートリッジ33Jは、図49に示すように、第2部材193の第2壁102の一部が除去されている。そして、第1部材191は、第2壁102の除去された領域に及んでいる。これらの点を除いて、カートリッジ33Jは、カートリッジ33Hと同様の構成を有している。このため、以下において、カートリッジ33Hと同様の構成については、カートリッジ33Hと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。カートリッジ33Jにおいても、カートリッジ33やカートリッジ33Hと同様の効果が得られる。さらに、カートリッジ33Jでは、カートリッジ33Hに比較して、第2壁102を除去した分だけ第1部材191を拡張することができる。この結果、カートリッジ33Jでは、カートリッジ33Hに比較して、供給ユニット194におけるインクの収容量を増大させることができる。
変形例7のインク供給システム200は、図50に示すように、カートリッジ33と、タンク201と、チューブ203と、を有している。タンク201には、インクが収容される。インク供給システム200では、カートリッジ33に収容され得るインクの容量よりも多くのインクをタンク201に収容することができる。タンク201は、キャリッジ25(図5)から独立して設けられる。タンク201の設置場所は、キャリッジ25から独立していれば、プリンター1のケース3(図1)の外部及び内部のいずれも採用され得る。チューブ203は、タンク201とカートリッジ33との間をつないでいる。タンク201の内部と、カートリッジ33の内部とが、チューブ203を介して連通している。
タンク201内のインクは、チューブ203を介してカートリッジ33の内部に供給される。チューブ203は、可撓性を有している。このため、タンク201がキャリッジ25から独立して設けられていても、キャリッジ25の変位が妨げられない。このインク供給システム200によれば、カートリッジ33が収容可能なインク容量よりも多くのインクを印刷ヘッド41に供給し続けることができる。このため、カートリッジ33の交換頻度を軽減することができる。なお、タンク201内のインクが減少したり、なくなったりした場合、作業者は、タンク201を新たなタンク201に交換することができる。これにより、新たなタンク201に収容されたインクを利用することができる。また、作業者は、タンク201内のインクが減少したり、なくなったりした場合、タンク201に新たなインクを補充することもできる。これにより、タンク201に補充された新たなインクを利用することができる。
変形例8のインク供給システム210は、図51に示すように、カートリッジ33Kと、タンク201と、チューブ203と、を有している。タンク201及びチューブ203は、それぞれ、インク供給システム200(変形例7)におけるタンク201及びチューブ203と同様であるので、詳細な説明を省略する。カートリッジ33Kは、アダプター211と、中継ユニット213と、を有している。アダプター211は、変形例6のカートリッジ33Jにおける第2部材193と同様であるので、詳細な説明を省略する。なお、アダプター211としては、変形例5のカートリッジ33Hにおける第2部材193も採用され得る。アダプター211と、中継ユニット213とは、互いに別体で構成されている。
中継ユニット213は、容器215を有している。容器215内には、インクが収容される収容部(図示せず)が設けられている。さらに、容器215には、収容部に通じる供給孔109が設けられている。そして、容器215の収容部内には、フィルター91、及び保持部材93(図示せず)が設けられている。チューブ203は、タンク201と中継ユニット213との間をつないでいる。タンク201の内部と、容器215の内部とが、チューブ203を介して連通している。タンク201内のインクは、チューブ203を介して中継ユニット213の内部に供給される。なお、中継ユニット213としては、カートリッジ33Jやカートリッジ33Hにおける供給ユニット194も採用され得る。
このインク供給システム210においても、インク供給システム200と同様の効果が得られる。さらに、このインク供給システム210によれば、タンク201内のインクが減少したり、なくなったりした場合、作業者は、タンク201及び中継ユニット213をチューブ203でつないだまま新たなものに交換することができる。これにより、タンク201だけを交換する場合や、タンク201とチューブ203とを交換する場合に比較して、交換作業におけるインクの漏出や滴下などを避けやすい。
変形例9の回路基板64Aは、図52に示すように、複数の電極111が、それぞれ不規則な形状、すなわち異形状を有している。回路基板64Aでは、回路基板64における第1電極列125と第2電極列127(図16)とを識別することができない。つまり、回路基板64Aでは、第1電極列125と第2電極列127との区別がない。しかしながら、複数の接触部131において、第1配列133と第2配列135とを識別することができる。つまり、回路基板64Aと回路基板64とで、複数の接触部131の配置が互いに同一である。このため、回路基板64Aにおいても、回路基板64Aの電気回路と、プリンター1の制御回路(図示せず)とが、接点機構63を介して互いに電気的に接続され得る。
変形例10の回路基板64Bは、図53に示すように、複数の電極111が、それぞれ不規則な形状、すなわち異形状を有している。回路基板64Bでは、各電極111の輪郭に曲線が含まれている。この点において回路基板64Bは、回路基板64Aとは異なっている。この点を除いては、回路基板64Bは、回路基板64Aと同様の構成を有している。回路基板64Bにおいても、回路基板64Bの電気回路と、プリンター1の制御回路(図示せず)とが、接点機構63を介して互いに電気的に接続され得る。
変形例11の回路基板64Cは、図54に示すように、すべての電極111がX軸方向に沿って並んでいる。このため、回路基板64Cでは、回路基板64における第1電極列125と第2電極列127(図16)とを識別することができない。つまり、回路基板64Cでは、第1電極列125と第2電極列127との区別がない。しかしながら、複数の接触部131において、第1配列133と第2配列135とを識別することができる。つまり、回路基板64Cと回路基板64とで、複数の接触部131の配置が互いに同一である。このため、回路基板64Cにおいても、回路基板64Cの電気回路と、プリンター1の制御回路(図示せず)とが、接点機構63を介して互いに電気的に接続され得る。
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射(吐出)する任意の印刷装置(液体吐出装置)及びそのカートリッジにも適用することができる。例えば、以下のような各種の印刷装置及びそのカートリッジに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射する印刷装置。(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材を噴射する印刷装置。(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する印刷装置。(5)精密ピペットとしての試料印刷装置。(6)潤滑油の印刷装置。(7)樹脂液の印刷装置。(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する印刷装置。(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する印刷装置。(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する印刷装置。(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド(液体吐出ヘッド)を備える印刷装置。
なお、「液滴」とは、印刷装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、「液体」とは、印刷装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。上記のような「液体」を、「液状体」とも表現することができる。液体や液状体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。