JP2016127319A - 車両用通信端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】自端末にとって不要なサービスを提供するサービス提供端末とのサービスチャネルを用いた通信を開始することを抑制できる車両用通信端末を提供する。
【解決手段】受信強度取得部F2は、狭域通信部が受信したWSAの受信強度を取得し、路側機管理部F4は、路側機毎に、その路側機からWSAを受信したときの受信強度の履歴を記録する。そして、新たにWSAを受信した場合には、送信端末判定部F5は、そのWSAの受信強度の大きさ、及びその送信端末から受信するWSAの受信強度の増加度合いの少なくとも何れか一方に基づいて、その送信端末が自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末であるか否かを判定する。狭域通信制御部F1は、送信端末判定部によってその送信端末は自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末であると判定されるまでは、その送信端末と所定のサービスチャネルを用いた通信を開始しない。
【選択図】図4

Description

本発明は、道路に設置された通信端末、及び他の車両に搭載された通信端末の少なくとも何れか一方と無線通信を実施する車両用通信端末に関する。
非特許文献1には、車両に搭載された車両用通信端末(以降、車載端末)が、他の車両に搭載された車載端末や、道路沿いに設置された通信端末(以降、路側機)と通信する際の規格であるWAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)の通信アーキテクチャが規定されている。
この非特許文献1によれば、車載端末と、例えば路側機などの、所定のサービスを提供するサービス提供元が管理する通信端末(サービス提供端末とする)とは、コントロールチャネルと、サービスチャネルという2種類のチャネルを用いて通信を行う。
サービスチャネルは、サービスの提供(及び享受)を実施するための情報の送受信などに用いられるチャネルである。また、コントロールチャネルは、車載端末とサービス提供端末とがサービスチャネルを用いた通信を開始するための情報(WSA:Wave Service Advertisement)等を配信するために用いられるチャネルである。サービスチャネルとして用いられる周波数は複数用意されており、WSAには、そのWSAの配信元が提供するサービスの種別を示すサービス種別情報や、そのサービスの提供に用いるサービスチャネル(つまり周波数)を特定するためのチャネル情報が含まれている。
サービス提供端末は、自端末が提供するサービスに対応するWSAを、コントロールチャネルを用いて逐次ブロードキャストしており、例えば当該WSAに対して車載端末からの応答があった場合に、その車載端末とサービスチャネルを用いた通信を開始する。
車載端末は、WSAを受信した場合には、そのWSAに含まれるサービス種別情報に応じた処理を実施する。具体的には、受信したWSAのサービス種別情報を参照し、そのWSAの配信元が提供するサービスの種別が、自端末において利用可能なサービスの種別である場合には、その受信したWSAに示されるサービスチャネルをオープンする。ここでの、サービスチャネルをオープンするとは、そのWSAの配信元と所定のサービスチャネルを用いた通信を開始することを指す。一方、受信したWSAの配信元が提供するサービスの種別が、自端末が利用可能なサービスの種別ではない場合には、サービスチャネルのオープンは実施しない。
IEEE1609.0(Guide for Wireless Access in Vehicular Environment)
サービス提供端末がWSAを配信するエリアは、通常、そのサービスの提供の対象とする車両(厳密には車載端末)が通過する領域と一致するように形成されることが好ましい。しかしながら、サービス提供端末によるWSAの配信エリアが、必ずしもそのサービスの提供の対象とする車両が通過する領域内に収まっているとは限らない。例えば、WSAの配信エリアが、サービスの提供の対象としない車両が走行する領域を含むように形成されている場合もあり得る。
その結果、車載端末が、自端末にとって利用可能であっても不要なサービスに対応するWSAを受信する場合がある。自端末にとって不要なサービスに対応するWSAとは、例えば、自端末が搭載された車両(以降、自車両)が走行する車線とは異なる車線(例えば対向車線など)を走行する車両用のサービスを提供するサービス提供端末から配信されたWSAなどが該当する。
従来構成において車載端末は、WSAを受信した場合には、WSAに含まれるサービス種別情報を参照し、そのサービス種別が、自端末において利用できるサービスである場合に、WSAに示される周波数のサービスチャネルをオープンする。
このため、車載端末は、本来自端末にとって不要なサービスに対応するWSAを受信した場合であっても、そのWSAに示されるサービスの種別が、自端末において利用可能なサービスである場合には、そのWSAに示されるサービスチャネルをオープンしてしまう。つまり、車載端末が、自端末にとって不要なサービスに対応するサービスチャネルをオープンしてしまう場合が想定される。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、自端末にとって不要なサービスを提供するサービス提供端末とのサービスチャネルを用いた通信を開始することを抑制できる車両用通信端末を提供することにある。
その目的を達成するための本発明は、通信の接続制御のために用いられるコントロールチャネルと、コントロールチャネルとは異なるチャネルであって、サービスの提供のために割り当てられている複数種類のサービスチャネルのうちの何れかと1つと、を用いて、所定のサービスを提供するサービス提供端末(2)と無線通信を実施する無線通信部(12)と、無線通信部の動作を制御する無線通信制御部(F1)と、を備える車両用通信端末であって、無線通信部は、コントロールチャネルを用いてサービス提供端末から送信される、サービス提供端末が提供するサービスの種別を示すサービス種別情報と、複数のサービスチャネルのうち、サービス提供端末が自端末との通信に利用するサービスチャネルを指定するサービスチャネル情報と、を含むサービス開始用情報を少なくとも受信するものであって、車両用通信端末は、さらに、サービス提供端末から送信され、無線通信部が受信した信号の受信強度を取得する受信強度取得部(F2)と、無線通信部がサービス提供端末からサービス開始用情報に対応する信号を受信した場合に、その受信信号に対して受信強度取得部が取得した受信強度の大きさ、及び、その受信信号の送信元であるサービス提供端末(以降、送信端末とする)から受信する信号の受信強度の変化の度合いの少なくとも何れか一方に基づいて、その送信端末が、自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末であるか否かを判定する送信端末判定部(F5)を備え、無線通信制御部は、送信端末判定部によって送信端末は自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末であると判定されるまでは、送信端末とは、その送信端末から送信されたサービス開始用情報に含まれるサービスチャネル情報で指定されているサービスチャネルを用いた通信を開始しないことを特徴とする。
以上の構成では、受信強度取得部は、サービス提供端末から送信された信号の受信強度を取得し、送信端末判定部は、その受信強度の大きさ、及びその送信端末から送信される信号の受信強度の変化の度合いの少なくとも何れか一方に基づいて、その送信端末が自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末であるか否かを判定する。
なお、ここでの受信強度の変化の度合いとは、車両用通信端末の移動距離に対する受信強度の変化の度合いであってもよいし、時間の経過に伴う受信強度の変化の度合いであってもよい。車両用通信端末は、車両で用いられるため、時間の経過に伴ってサービス提供端末に対する相対位置は変化することが期待されるためである。つまり、受信強度の変化の度合いを一定時間当りの変化の度合いとしても、間接的に、車両用通信端末の移動距離に対する受信強度の変化の度合いを表すことになるからである。
ここで、送信端末判定部の作動について説明するために、まずは、車両用通信端末が、自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末(以降、自端末対象端末とする)からの信号を受信している場合と、自端末をサービス提供の対象としないサービス提供端末(以降、自端末非対象端末とする)からの信号を受信している場合との、車両用通信端末の移動に伴う受信強度の変化の違い、及び受信強度の違いについて簡単に説明する。
なお、ここでの自端末対象端末とは、例えば、自端末が搭載された車両(以降、自車両)が走行する車線を走行する車両に対してサービスを提供するサービス提供端末が該当する。また、自端末非対象端末とは、自車両が走行する車線とは異なる車線(例えば対向車線など)を走行する車両にサービスを提供するサービス提供端末などが該当する。
車両用通信端末が、自端末非対象端末からの信号を受信している場合、その移動に伴う受信強度の変化は、自端末対象端末からの信号を受信している場合の変化に比べて、緩やかであり、その大きさも相対的に小さい領域を推移することになる。
これは、自端末非対象端末は、自端末対象端末よりも相対的に自車両が走行する車線から離れたところに設けられているためである。つまり、無線信号の信号強度は、空間中を伝搬するにつれて減衰していくため、自端末非対象端末が送信した信号が、自車両が走行する車線に到達したとしても、相対的に長い距離を伝搬することなるため、十分に減衰されている可能性が高い。
一方、自端末対象端末は、自車両が走行する車線の近くに設けられ、かつ、自車両が走行する車線上に対して信号を送信する。このため、車両用通信端末は相対的に強い信号を受信することになる。
したがって、車両用通信端末が、自端末対象端末に接近し、離脱していく過程における受信強度の変化度合いは、自端末非対象端末に接近し、離脱していく過程における受信強度の変化度合いよりも大きくなる。
より具体的には、車両用通信端末が、自端末対象端末に接近する過程における受信強度の増加度合いは、自端末非対象端末に接近する過程における車両用通信端末の移動に伴う受信強度の増加度合いよりも大きくなる。また、車両用通信端末が、自端末対象端末から離脱する過程における受信強度の減少度合いは、車両用通信端末が、自端末非対象端末から離脱する過程における受信強度の減少度合いよりも大きい。
さらに、車両用通信端末が自端末対象端末に十分に接近している場合の受信強度は、自端末非対象端末に最も接近している場合と区別が可能なほど十分大きい値となると想定される。
すなわち、車両用通信端末が、自端末対象端末からの信号を受信している場合と、自端末非対象端末からの信号を受信している場合とでは、受信強度の変化の傾向や、受信強度の大きさは異なってくる。このため、送信端末判定部は、これらの指標に基づいて、現在受信しているサービス開始用情報を送信しているサービス提供端末が、自端末対象路側機であるか否かを判定することができる。
そして、無線通信制御部は、或るサービス提供端末からの信号を受信し始めた場合には、送信端末判定部によってその送信端末は自端末をサービス提供の対象とするサービス提供端末であると判定されるまでは、サービスチャネルを用いた通信を開始しない。ここで、自端末対象端末と判定されないサービス提供端末は、自車両が走行する車線とは異なる車線を走行する車両に対してサービスを提供するためのサービス提供端末である可能性が相対的に高く、そのサービス提供端末が提供するサービスは、自端末にとっては不要なサービスである。
したがって、以上の構成によれば、車両用通信端末は、自端末にとって不要なサービスを提供するサービス提供端末とのサービスチャネルを用いた通信を開始することを抑制できる。
また、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態に係る移動体通信システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 路側制御部22の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 WSAの概略的な構成の一例を示す図である。 車載器1が備える制御部11の概略的な構成を示すブロック図である。 周辺路側機リストの概略的な構成を説明するためのブロック図である。 受信履歴データの構成を説明するためのブロック図である。 送信端末判定部F5の判定原理について説明するための図である。 対向車線を走行する車両をサービス提供の対象とする路側機2Bから送信された信号を受信している場合の移動に伴う受信強度の推移を説明するための図である。 自車両が走行する車両をサービス提供の対象とする路側機2Aから送信された信号を受信している場合の移動に伴う受信強度の推移を説明するための図である。 制御部11が実施する受信関連処理について説明するためのフローチャートである。 受信強度と強度用閾値との比較によって送信端末が、自端末をサービス提供の対象とする路側機2であるか否かを判定することの効果を説明するための図である。 変形例1におけるWSAの概略的な構成の一例を示す図である。 変形例6における制御部11の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る移動体通信システム100の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように、移動体通信システム100は、道路沿いに設置された通信端末である路側機2と、車両で用いられる通信端末である車載器1を備える。車載器1が請求項に記載の車両用通信端末に相当する。
なお、図1では便宜上、路側機2を1つしか示していないが、移動体通信システム100全体としては、複数備えてあってもよい。車載器1は、複数の車両のそれぞれに搭載されるものである。したがって、移動体通信システム100全体としては複数の車載器1を備える。以降において、車載器1と路側機2とを区別しない場合には、単に通信端末と称する。
車載器1と路側機2とは、非特許文献1に記載のWAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)の規格に準拠した通信(いわゆる路車間通信)を実施する。より具体的には、車載器1と路側機2との路車間通信は、コントロールチャネルと、複数のサービスチャネルの何れか1つと、を用いて実施される。
コントロールチャネルは、同報通信が行われるチャネルである。コントロールチャネルは、例えば路側機2が、自端末周辺に存在する車載器1と所定のサービスチャネルを用いた通信を開始するためのメッセージであるWSA(Wave Service Advertisement)を送信するため等に用いられる。WSAの詳細については別途後述する。ここでの通信端末の周辺とは、その通信端末が無線通信可能なエリア(以降、無線通信エリア)を指す。各通信端末の無線通信エリアは適宜設計されれば良い。
サービスチャネルは、特定の通信端末との通信に用いられるチャネルである。すなわち、サービスチャネルでは、ユニキャスト方式又はマルチキャスト方式の通信が行われる。サービスチャネルは、例えば、車載器1と路側機2とによる、所定のサービスの提供(及び享受)に関連する情報の送受信などに用いられる。
ここでは一例として、移動体通信システム100は4つのサービスチャネルを備えるものとし、それぞれ第1サービスチャネル、第2サービスチャネル、第3サービスチャネル、第4サービスチャネルと称する。コントロールチャネル、及び複数のサービスチャネルは、何れも異なる周波数を用いて実現される。コントロールチャネル及び種々のサービスチャネルは何れも、5.8GHz帯や5.9GHz帯に属する周波数である。
なお、通信端末において各サービスチャネルは、そのサービスチャネルに設定されている番号(チャネル番号)で区別されればよい。また、サービスチャネルやコントロールチャネルは、5.8GHz帯や5.9GHz帯の他、2.4GHz帯に属する周波数を用いて実現されても良いし、その他の周波数帯(700MHz)に属する周波数を用いて実現されても良い。さらに、各チャネルは、1つ又は複数の周波数において時分割多重技術を用いて実現されても良い。
また、本実施形態では、主として車載器1と路側機2との通信について言及するが、もちろん、車載器1は、他の車載器1とWAVEの規格に準拠した車車間通信を実施してもよい。
移動体通信システム100が備える通信端末(すなわち車載器1及び路側機2)のそれぞれには、複数の通信端末をそれぞれ識別するための識別コード(端末IDとする)が設定されている。また、各通信端末が送信するデータには、その送信端末の端末IDが含まれており、データを受信した通信端末は、当該データに含まれる端末IDによって送信端末を特定できるようになっている。以降、路側機2及び車載器1の概要及びその構成について説明する。
(路側機2について)
路側機2は、路側機2が形成する無線通信エリア内に存在する車載器1と路車間通信を実施し、種々の情報を車載器1に送信したり、車載器1から種々の情報を取得したりすることで所定のサービスを実施する。この路側機2が請求項に記載のサービス提供端末の一例に相当する。
路側機2は、その路側機2が提供するサービスに適した位置に設けられていればよく、例えば、交差点や、交差点と交差点とを接続する道路(いわゆるリンク)の途中、特定の施設(例えば駐車場や店舗、有料道路)への出入口等に設けられていれば良い。また、路側機2の無線通信エリアは、路側機2がサービスを提供すべき車両が通過しうる領域を含み、かつ、サービスの対象とすべきではない車両が通過する領域を含まないように形成されることが好ましい。
例えば路側機2が、当該路側機2周辺の交通状況に対するドライバの認知・判断を支援するための情報(運転支援情報とする)を送信するサービス(交通情報送信サービスとする)を提供する場合には、交差点や道路の途中に設置されればよい。ここでの運転支援情報とは、路側機周辺の渋滞情報や、路側機周辺において運転者の死角となる領域の車両、歩行者、障害物などの存在の有無などを表す。路側機周辺とは、路側機の位置を基準として適宜設計される範囲であればよい。
なお、路側機2が、或る車線を走行する車両に対してのみ関係する運転支援情報を送信する路側機である場合には、その無線通信エリアは、他の車線を覆わないように形成されることが好ましい。
また、路側機2が、所定の施設におけるサービスや商品の受け渡しに対する決済を行うサービス(決済サービスとする)を提供する場合には、その施設の出入口付近において、所望の無線通信エリアを形成するように設置されればよい。
路側機2を用いた決済サービスを提供する施設とは、飲食店や、銀行、クリーニング店、ガソリンスタンドなどの種々の店舗の他、有料駐車場などが該当する。その他、路側機2は、例えば有料道路の入口及び出口のそれぞれに設けられ、路車間通信によって当該有料道路を利用した車両に対して、その利用内容(走行区間や時間帯等)に応じた課金を実施することを目的として用いられていてもよい。さらに、路側機2は、車載器1やその車載器1が搭載された車両の異常を診断するサービスを提供するものであってもよい。
なお、本実施形態において車載器1と、その車載器1が搭載された車両とは互いに一対一に対応するものとし、動作の主体又は客体が厳密には車載器1である場合にも、適宜その車載器1が搭載された車両を動作の主体又は客体として用い、本実施形態の構成及び作動を説明する。例えば、路側機2にとってのサービスを提供すべき車両とは、サービスを提供すべき車載器1を意味し、路側機2にとってのサービスを提供すべきではない車両とは、サービスを提供すべきではない車載器1を意味する。
路側機2は、コントロールチャネルを用いてWSAを逐次(例えば100ミリ秒毎に)ブロードキャストしており、例えば当該WSAに対して車載器1からの応答があった場合に、その車載器1と予め(又は動的に)割り当てられたサービスチャネルを用いた通信を開始する。そして、サービスチャネルを用いた通信によって車載器1と種々の情報を送受信することで、決済サービス等の種々のサービスを提供するための一連の処理を実施する。
以上で述べた路側機2は、図1に示すように路側通信部21と、路側制御部22とを備える。路側通信部21と路側制御部22は相互通信可能に接続されている。
路側通信部21は、車載器1との通信に用いられる周波数帯の電波を送受信可能なアンテナを備えており、そのアンテナを介して、路側機2が形成する無線通信エリア内に存在する車載器1と路車間通信を実施する。路側通信部21は、車載器1から受信した信号を復調して路側制御部22に出力するとともに、路側制御部22から入力されたデータを変調し、さらに電波に変換して送信する。
路側通信部21は、コントロールチャネルによる通信を実施するモードと、サービスチャネルによる通信を実施するモードの、2つの動作モードを備える。つまり、車載器1とのコントロールチャネルを用いた通信、及び、サービスチャネルを用いた通信の両方ともが、この路側通信部21を介して行われる。
例えば路側機2は、所定の時間(例えば50ミリ秒)毎に、コントロールチャネルを用いた通信と、サービスチャネルを用いた通信とを切り替えて実施する。なお、コントロールチャネルが継続する時間、及び、サービスチャネルが継続する時間は、適宜設計されればよい。また、それぞれの継続時間は、必要に応じて動的に変化させてもよい。さらに、コントロールチャネルを用いて逐次送信するWSAに対して、車載器1からの応答を受信するまでは、コントロールチャネルによる通信を維持する態様としてもよい。
なお、コントロールチャネルによる通信を実施するモードと、サービスチャネルによる通信を実施するモードとの切り替えは、路側制御部22からの指示に基づいて実行されればよい。また、第1サービスチャネルから第4サービスチャネルのうち、何れのサービスチャネルを用いるかは、路側機毎(又はサービス毎に)予め設定されていてもよいし、チャネルの空き状況を見て動的に決定されても良い。
路側制御部22は、通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示略)などを備えている。
路側制御部22が備える路側メモリ22Mは、不揮発性の記憶媒体であって、例えば路側制御部22が備えるフラッシュメモリやROMなどによって実現される。路側メモリ22Mには、種々の処理を実行するためのプログラムモジュールやデータ、路側機2に割り当てられている端末ID等が格納されている。また、サービスの提供に利用するサービスチャネルについての情報(チャネル番号等)も、この路側メモリ22Mに格納されている。
路側制御部22は、上述のプログラムモジュールを実行することによって実現する機能ブロックとして、図2に示すように、路側通信制御部G1、及びサービス処理部G2を備える。なお、路側制御部22が実行する機能の一部又は全部は、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
路側通信制御部G1は、路側通信部21の動作を制御し、コントロールチャネルによる通信と、サービスチャネルによる通信との切り替えを行う。路側通信制御部G1は、路側通信部21の動作モードに応じた、路側通信部21から送信するべきデータを生成して、路側通信部21から送信させる。また、路側通信部21が受信したデータを取得してサービス処理部G2に提供する。
より具体的には、路側通信部21にコントロールチャネルを用いた通信を実施させている期間において、路側通信制御部G1は、コントロールチャネルを用いて送信するべきデータを生成し、当該データを路側通信部21に送信させる。例えば路側通信制御部G1は、自端末が提供するサービスに対応するWSAを生成し、路側通信部21から送信させる。このWSAが請求項に記載のサービス開始用情報に相当する。
図3は、本実施形態におけるWSAの構成の一例を示す図である。WSAは、図3に示すように、ヘッダ、端末ID、サービス種別情報、及び利用チャネル情報を含む。ヘッダは、受信側の通信端末(つまり車載器1)においてその受信データがWSAであると認識するための情報である。ヘッダには例えば、WAVE規格のバージョンを示す情報や、WSAとWAVEで用いられる他のメッセージとを区別する情報などが含まれていればよい。
端末IDは、当該WSAを送信する路側機2の端末IDである。この端末IDによって、当該WSAを受信した車載器1は、受信したWSAの送信端末を特定することができる。なお、端末IDは、ここではヘッダと区別して図示しているが、ヘッダに含まれていても良いし、当該WSAの外部領域(データリンク層のフレームなど)に含まれていても良い。
サービス種別情報は、この路側機2が提供するサービスの種別を示す情報である。サービス種別情報は、予めサービスの種別毎に設定されているサービスID(いわゆるPSID:Provider Service ID)によって表される。WSAを受信した車載器1は、そのWSAに含まれるサービス種別情報を参照することで、そのWSAに対応するサービスの種別、つまり、WSAの送信元である路側機2が提供するサービスの種別を特定することができる。
利用チャネル情報は、第1〜第4サービスチャネルのうち、この路側機2がサービスの提供に利用するサービスチャネルのチャネル番号を示す情報である。車載器1は、この利用チャネル情報を参照することで、この路側機2がサービスの提供に利用するサービスチャネルを特定することができる。利用チャネル情報が請求項に記載のサービスチャネル情報に相当する。
また、路側通信制御部G1は、路側通信部21にサービスチャネルを用いた通信を実施させている期間において、サービスチャネルを用いて送信するべきデータを生成し、当該データを路側通信部21に送信させる。さらに、路側通信部21がサービスチャネルを用いた通信を実施している期間において受信したデータを取得して、サービス処理部G2に提供する。
サービス処理部G2は、路側通信制御部G1から提供される情報に基づいて、無線通信エリア内にいる車載器1に対して、所定のサービス(例えば決済サービス等)を提供する。なお、本実施形態において路側機2が車載器1に対してサービスを提供するということは、路側機2が車載器1を介して、その車載器1が搭載された車両、又はその車両の乗員に対してサービスを提供する態様も含む。
(車載器1について)
次に、車載器1について説明する。車載器1は、コントロールチャネルを介して所定の条件を満たす路側機2(詳細は後述)から送信されたWSAを受信した場合には、そのWSAの送信元である路側機2と所定のサービスチャネルを用いた通信を開始する。そして、そのサービスチャネルを用いて路側機2と種々の情報を送受信することで、その路側機2が提供するサービスを享受する。以降では、路側機2と所定のサービスチャネルを用いた通信を開始することを、サービスチャネルをオープンするとも表現する。
なお、車載器1は、所定のサービスチャネルをオープンしていない状態においては、コントロールチャネルを受信したり、一定時間間隔で(例えば50ミリ秒毎に)任意のサービスチャネルを用いて他の車載器1と車車間通信を実施したりする。
車載器1は、図1に示すように、制御部11、狭域通信部12、GNSS受信機13、及び加速度センサ14を備える。制御部11は、狭域通信部12、GNSS受信機13、及び加速度センサ14のそれぞれと、相互通信可能に接続されている。
狭域通信部12は、路側機2や他の車載器1との通信に用いられる周波数帯の電波を送受信可能なアンテナを備えており、そのアンテナを介して、無線通信エリア内に存在する他の通信端末(例えば路側機2)と無線通信を実施する。より具体的に、狭域通信部12は、アンテナで受信した信号を復調して制御部11に出力するとともに、制御部11から入力されたデータを変調し、さらに電波に変換して送信する。狭域通信部12が受信する信号とは、例えばWSAなど、路側機2から送信される種々のメッセージが該当する。
狭域通信部12は、路側通信部21と同様に、コントロールチャネルによる通信を実施するモードと、サービスチャネルによる通信を実施するモードの、2つの動作モードを備える。つまり、コントロールチャネルを用いた通信、及び、サービスチャネルを用いた通信は、両方ともこの狭域通信部12を介して行われる。この狭域通信部12が請求項に記載の無線通信部に相当する。
なお、コントロールチャネルによる通信からサービスチャネルによる通信への切り替え、及び、サービスチャネルによる通信からコントロールチャネルによる通信への切り替えは、制御部11からの指示に基づいて実施されれば良い。また、サービスチャネルによる通信として、第1サービスチャネルから第4サービスチャネルのうち、何れのサービスチャネルを用いるかもまた、制御部11からの指示に基づいて決定されればよい。
なお、狭域通信部12は、受信している信号の電波強度(以降、受信強度)を、その受信データと対応付けて制御部11に出力する。受信強度は、例えば周知のRSSI回路などを用いて測定すればよい。
GNSS受信機13は、GNSS(Global Navigation Satellite System)で用いられる衛星からの電波を受信することで、GNSS受信機13の現在位置を示すデータを取得する。GNSS受信機13が取得した現在位置情報は、例えば緯度、経度、高度で表されれば良い。高度情報は、所定の基準面(例えば海面)からの高さとする。GNSS受信機13が取得した位置情報は逐次(例えば100ミリ秒毎に)制御部11に提供される。
加速度センサ14は、自車両の前後方向に作用する加速度を検出する。なお、車載器1は、加速度センサ14による加速度の検出方向が自車両の前後方向と一致するように、予め定められた姿勢で自車両に取り付けられているものとする。ここでの自車両とは、車載器1が搭載されている車両を指す。また、加速度センサ14は、自車両の前後方向、左右方向、及び上下方向の、互いに直交する3つの軸方向に作用する加速度を検出する3軸加速度センサであることが好ましい。
制御部11は、通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示略)などを備えている。
制御部11が備えるメモリ11Mは、不揮発性の記憶領域、及び、書き換え可能な記憶領域を備え、例えば制御部11が備えるフラッシュメモリやROM、RAMなどによって実現される。メモリ11Mの不揮発性の記憶領域には、種々の処理を実行するためのプログラムモジュールやデータ(例えば後述の種々の閾値)、車載器1に割り当てられている端末ID等が格納されている。
また、車載器1が利用可能なサービスのリスト(サービスリストとする)を示すデータもまた、このメモリ11Mの不揮発性の、より好ましくは書き換え可能な記憶領域に保存されている。サービスリストは、車載器1が利用可能なサービスに対応するサービスIDのリストなどとすればよい。車載器1が利用可能なサービスとは、車載器1を介して、自車両や自車両の乗員が利用可能なサービスを含む。このメモリ11Mが請求項に記載のサービス記憶部に相当する。さらに、メモリ11Mの書き換え可能な記憶領域には、後述する周辺路側機リストが保存される。
制御部11は、上述のプログラムモジュールを実行することによって実現する機能ブロックとして、図4に示すように、狭域通信制御部F1、受信強度取得部F2、移動系情報取得部F3、路側機管理部F4、変化度合い算出部F6、送信端末判定部F5、及びサービス種別判定部F7を備える。なお、制御部11が実行する機能の一部又は全部は、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
狭域通信制御部F1は、狭域通信部12の動作を制御し、コントロールチャネルによる通信と、サービスチャネルによる通信との切り替えを行う。また、狭域通信制御部F1は、狭域通信部12の動作モードに応じた、狭域通信部12から送信するべきデータを生成し、狭域通信部12から送信させる。さらに、狭域通信部12が受信したデータを取得して、他の機能ブロック(例えばサービス種別判定部F7等)に提供したり、受信したデータに応じた処理を実施したりする。
例えば、狭域通信制御部F1は、狭域通信部12にコントロールチャネルを用いた通信を実施させている期間においては、路側機2がコントロールチャネルを用いて送信するWSA等を取得する。
狭域通信制御部F1が備える受信強度取得部F2は、狭域通信部12が路側機2から送信された信号(例えばWSA)を受信したときの受信強度を取得する機能ブロックである。狭域通信制御部F1は、WSAを取得した場合には、そのWSAと、そのWSAを受信したときの受信強度とを対応付けて、路側機管理部F4に提供する。
また、狭域通信制御部F1は、WSAを受信した場合に実施される受信関連処理(詳細は後述)において、そのWSAの送信元が、自端末をサービス提供の対象とする路側機2であると判定された場合には、その路側機2と、所定のサービスチャネルを用いた通信を開始する。ここでの所定のサービスチャネルとは、第1~第4サービスチャネルのうち、その路側機2から送信されたWSAの利用チャネル情報で指定されるサービスチャネルである。この狭域通信制御部F1が請求項に記載の無線通信制御部に相当する。
移動系情報取得部F3は、GNSS受信機13から入力される信号に基づいて、自端末の現在位置を逐次(例えば100ミリ秒毎に)検出する。また、移動系情報取得部F3は、より好ましい態様として、自端末の移動速度を逐次(例えば100ミリ秒毎に)取得することとする。例えば移動系情報取得部F3は、加速度センサ14の出力値を積分することで、自端末の移動速度を算出すれば良い。或いは、現在位置の単位時間当りの変化量から移動速度を算出しても良い。
なお、GNSS受信機13が取得する位置情報は、加速度センサ14や図示しないジャイロセンサの検出値に基づいて周知の方法を援用して補正されてもよい。また、自端末の現在位置は、加速度センサ14、及びジャイロセンサの検出値に基づいて、周知の自己位置推定法を用いて自律的に推定されてもよい。さらに、移動系情報取得部F3が現在位置を特定するための処理を実施するのではなく、GNSS受信機13などを含む位置検出器が現在位置を特定するための演算処理を実施し、移動系情報取得部F3は、その演算結果を取得する構成としてもよい。
移動系情報取得部F3が取得した自端末の現在位置、及び、移動速度は、路側機管理部F4に提供される。以降では、自端末の位置を示す情報や、移動速度を示す情報をまとめて、移動系情報と称する。移動系情報は、自端末が移動しているか否かの判定や、自端末の移動距離を特定するためなどに使われる。
路側機管理部F4は、狭域通信制御部F1から入力されるWSA及びその受信強度に基づいて、自端末周辺に存在する路側機2についての情報を管理する。ここでの自端末周辺とは、現在受信している信号の送信元が存在する範囲であり、少なくとも自端末の無線通信エリアを含む範囲である。
より具体的に、路側機管理部F4は、狭域通信制御部F1から取得したWSAに含まれる端末IDに基づいて、自端末周辺に存在する路側機2を特定し、自端末周辺に存在する路側機2毎に、その路側機2についての情報(路側機情報とする)を保持する。例えば、路側機管理部F4は、自端末周辺に存在する路側機2のリストである周辺路側機リスト(図5参照)によって、自端末周辺に存在する路側機2毎の路側機情報を保持する。なお、図5に示す周辺路側機リストは、自端末周辺に、端末IDが1、3、4とする3つの路側機2が存在する場合の周辺路側機リストを表している。
ここでの路側機情報とは、図5に示すように、その路側機2が提供するサービスの種別を示すサービス種別情報と、そのサービス提供に用いられるサービスチャネルを表す利用チャネル情報、及び、その路側機2から送信されたWSAの受信履歴を示すデータ(以降、受信履歴データ)を含む。
サービス種別情報は、WSAに含まれるサービス種別情報と同様の情報であって、例えば受信したWSAに含まれるサービスIDが格納される。利用チャネル情報もWSAに含まれる利用チャネル情報と同様の情報であって、例えばチャネル番号などで表される。
受信履歴データは、図6に示すように、その受信履歴データが属する路側機情報に対応する路側機2からWSAを受信したときの、受信時刻と受信強度とを対応付けたデータである。また、本実施形態ではより好ましい態様として、WSAを受信したときの受信強度と受信時刻に加えて、その時点における自端末の位置と、速度とを対応付けて保存するものとする。位置情報や速度情報は、自端末が移動しているか否か、及び移動距離といった、自端末の移動状況を特定するために用いられる。受信履歴データは、その路側機2からのWSAを受信する度に逐次更新(例えばデータの追加等)されれば良い。
なお、ここでは路側機管理部F4は、ある路側機2からのWSAを受信する毎に、そのWSAの送信元である路側機2についての路側機情報(主として受信履歴データ)を更新する態様を例示するが、これに限らない。WSAに限らず、送信元を特定できる情報を含む信号を受信する度に、その受信信号の送信元に対応する路側機2の路側機情報を更新してもよい。なお、WSA以外の、送信元を特定できる情報とは、例えばWSA以外の種類のメッセージなどが該当する。
また、路側機情報に含まれるサービス種別情報や利用チャネル情報については、WSAを受信する毎に更新する必要はなく、一旦登録した場合にはそのデータを保持する態様としてもよい。
送信端末判定部F5は、路側機管理部F4によって逐次更新される周辺路側機リストに含まれる路側機2毎の受信履歴データに基づいて、自端末周辺に存在する或る路側機2が、自端末をサービス提供の対象とする路側機2であるか否かを判定する。
自端末をサービス提供の対象とする路側機2とは、自端末を搭載した車両(つまり自車両)が走行している車線(つまり自車線)を走行する車両に対して、サービスを提供する路側機2である。また、自端末をサービス提供の対象としない路側機2とは、例えば、対向車線等といった、自車両が走行していない車線を走行する車両に対してサービスを提供するための路側機2などが該当する。もちろん、自端末をサービス提供の対象としない路側機2には、交差点付近において自車線と交差する道路を走行する車両や、自車両が走行する道路と高さ方向において併設された道路を走行する車両に対してサービスを提供する路側機2なども該当する。高さ方向において併設される2つの道路とは、例えば高速道路と、その高速道路に沿って設けられる一般道が該当する。
便宜上、以降では、自端末をサービス提供の対象とする路側機2を、自端末対象路側機2と記載する。また、自端末をサービス提供の対象としない路側機2を、自端末非対象路側機2と記載する。
この送信端末判定部F5は、路側機2から受信したWSAの受信強度の変化の傾向や、その大きさに基づいて、その路側機2は、自端末対象路側機2であるか否かを判定する。ここで、図7、図8、図9を用いて、送信端末判定部F5が、路側機2から受信したWSAの受信強度の変化の傾向及びその大きさに基づいて、その路側機2が自端末対象路側機2であるか否かを判定できる理由について述べる。
図7は、互いに進行方向が逆向きの車線LA、LBを備える道路沿いに、車線LAを走行する車両をサービス提供の対象とする路側機2Aと、車線LBを走行する車両をサービス提供の対象とする路側機2Bと、が設けられている場面を表している。
路側機2Aは、道路の車線LA側に設けられており、例えば車線LAを走行する車両に対して交通情報送信サービスを提供する路側機2である。路側機2Bは、道路の車線LB側に設けられており、例えば車線LBを走行する車両に対して交通情報送信サービスを提供する路側機2である。
図中の各車線LA、LB上に示す白塗り矢印は、その車線の車両の進行方向を表しており、車線LAを走行する車両の進行方向は図に向かって左側であり、車線LBを走行する車両の進行方向は図に向かって右側である。
図中の短破線33A、長破線32A、実線31Aのそれぞれは、路側機2Aが送信した信号が所定のレベル以上で到達する範囲の境界線を表しており、短破線33Aは、例えば路側機2Aが送信したWSAが復号限界レベル(例えば−90dBm)で到達する範囲の境界線を表している。つまり、短破線33Aで囲まれる領域は、路側機2Aの無線通信エリアを表しており、その内部では、路側機2Aが送信したWSAを受信(及び復号)することができる。
長破線32Aは、路側機2Aが送信したWSAが、復号限界レベルよりも一定値以上強いレベル(例えば−80dBm)で到達する範囲(中レベルエリアとする)の境界線を表している。また、実線31Aは、路側機2Aが送信したWSAがさらに強いレベル(例えば−70dBm)で到達する範囲(強レベルエリアとする)の境界線を表している。
また、図中の短破線33B、長破線32B、実線31Bのそれぞれは、路側機2Bが送信した信号が所定のレベル以上で到達する範囲の境界線を表しており、前述の短破線33A、長破線32A、実線31Aに相当するものである。
図7に示すように、路側機2Bの無線通信エリアは、本来、路側機2Bによるサービス提供の対象とはしない車両が走行する、車線LAまで及ぶように形成されている。このような場合、車線LBを走行する車両だけでなく、車線LAを走行する車両も、路側機2Aが送信したWSAを受信する。
もちろん、路側機2の無線通信エリアは前述の通り、サービス提供の対象とする車両が通過する領域(車線LB)を含み、かつ、サービス提供の対象としない車両が通過する領域(車線LA)を含まないように形成されていることが好ましい。ここでは、本発明の思想を説明するために一例として、路側機2Bの無線通信エリアを車線LAまで及ぶように形成されている状態を表している。
車両6は、車載器1を搭載した車両であって、車線LA上を、路側機2Bの無線通信エリアに進入する前の地点P0から路側機2Aが存在する方向に走行している。その車載器1は、路側機2Aによる交通情報送信サービスと、路側機2Bによる交通情報送信サービスの両方とも、自端末において利用可能なサービスとして登録されている車載器1である。図中の符号61で指し示す矢印は、車両6(厳密には車載器1)の移動経路を表している。
以上で述べた状況において、車両6の走行に伴って、車載器1が受信するWSAとその受信強度の変化について説明する。
まず、車両6は走行に伴って地点P1に到達すると、路側機2Bが送信するWSAを受信し始め、その後、地点P2を通過するまで路側機2Bが送信するWSAを逐次受信する。地点P1は、車載器1が路側機2Bの無線通信エリアに進入する地点であり、地点P2は、車載器1が路側機2Bの無線通信エリアから離脱する地点である。
図8は車載器1が地点P1から地点P2に到達するまでの移動に伴う、車載器1が受信した、路側機2Bから送信されたWSAの受信強度の変化を示す概念図である。図8の横軸が車載器1の移動距離を示しており、縦軸は、車載器1が受信するWSAの受信強度を示している。
図8に示すように、地点P1から地点P2を移動している間において、路側機2Bから送信されたWSAの受信強度の変化は、後述する路側機2Aから送信されたWSAを受信している場合(図9参照)と比較して相対的に緩やかであり、その最大値もまた相対的に小さい値となる。
これは、路側機2Bは、車線LBを走行する車両に対するサービスを提供する路側機2であるため、無線通信エリアの中心部(信号強度が強い領域)は、車線LB上となるように設計される。また、路側機2(ここでは路側機2B)が送信した信号は、図7の実線31B、長破線32B、短破線33Bで示すように、路側機2Bから離れるに従って減衰していく。
したがって、本来、サービス提供の対象としない車両が走行する車線LAには、基本的には信号強度が強いWSAは到達しにくい。例えば、図7、図8に示す状況においては、車両6は、短破線33Bと長破線32Bの間の、相対的に信号強度が低い領域を横切っていく。このため、受信強度の移動に伴う変化は相対的に緩やかになる。つまり、車載器1が、自端末非対象路側機2からのWSAを受信している場合には、その受信強度の移動に伴う変化は緩やかとなる。また、その最大値も、相対的に小さい値となる。
次に、車載器1が、自端末対象路側機2(ここでは路側機2A)から送信されたWSAを受信する場合の、車載器1の移動に伴う受信強度の変化について説明する。
図7において、地点P3は、車載器1が路側機2Aの無線通信エリアに進入する地点であり、地点P8は、車載器1が路側機2Aの無線通信エリアから離脱する地点である。車両6は走行に伴って地点P3に到達すると、路側機2Aが送信するWSAを受信し始め、その後、地点P8を通過するまで路側機2Aが送信するWSAを逐次受信する。
路側機2Aは、車線LAを走行する車両をサービス提供の対象とする路側機2であるため、無線通信エリアの中心部(信号強度が強い領域)は、車線LA上となるように設計される。そして、電波の遮断するような障害物が存在しない場合には、路側機2Aに近いほど、路側機2AからのWSAの受信強度は大きくなる。つまり、自車両が地点P3から進行するにつれて、車載器1における路側機2Aから送信される信号の受信強度は大きくなっていく。そして、さらに自車両が走行すると、次は、路側機2Aから自車両が離れていくことになるため、路側機2Aから送信されたWSAの受信強度は低下していく。
そのような過程において、車載器1は、路側機2Aの無線通信エリアの中心部付近を通過するように走行する。これは、車載器1が、図7において路側機2Aから送信された信号が所定の強度で到達するエリアを概念的に示す複数の境界線(例えば長破線32A、実線31Aなど)を横切って移動していくことを意味する。
図9は、車載器1が地点P3から地点P8に到達するまでの移動に伴う、車載器1が受信した、路側機2Aから送信されたWSAの受信強度の変化を示す概念図である。図9の横軸が車載器1の移動距離を示しており、縦軸は、路側機2から送信されたWSAの受信強度を示している。
図9に示す、地点P4は、車載器1が長破線32Aで囲まれる領域(すなわち、中レベルエリア)に進入する地点を示しており、地点P5は、車載器1が実線31Aで囲まれる領域(すなわち、強レベルエリア)に進入する地点を示している。地点P6は、車載器1が路側機2Aの強レベルエリアから離脱する地点であり、地点P7は、車載器1が路側機2Aの中レベルエリアから離脱する地点を表している。
車載器1は、路側機2Aの無線通信エリアの中心部付近を通過するように走行するため、図9に示すように、車載器1が、路側機2Aに接近し、かつ、離脱していく過程における受信強度の変化度合いは、路側機2Bから送信されたWSAの受信強度の車載器1の移動に伴う変化度合いよりも大きくなる。より具体的には、車載器1が、路側機2Aに接近する過程における受信強度の増加度合いは、車載器1が、路側機2Bに接近する過程における車載器1の移動に伴う受信強度の増加度合いよりも大きい。
また、車載器1が、路側機2Aから離脱する過程における受信強度の減少度合いは、車載器1が、路側機2Bから離脱する過程における受信強度の減少度合いよりも大きい。なお、ここでの増加度合い、減少度合いは、図8及び図9に示すグラフの傾きの大きさに相当するものであり、増加度合いは、例えば単位メートル当りの増加量であり、減少度合いは、単位メートル当りの減少量とすればよい。
さらに、車載器1が路側機2Aに十分に接近している場合には、受信強度が飽和して、その変化量は緩やかとなる。なお、そのときの受信強度は、路側機2Bに最も接近している場合と区別が可能なほど十分大きい値となると想定される。
以上で述べたように、車載器1が、自端末対象路側機2(例えば路側機2A)からのWSAを受信している場合と、自端末非対象路側機2(路側機2B)からのWSAを受信している場合とでは、その受信強度の変化や、受信強度の大きさそのものに差異が生じる。
本実施形態における送信端末判定部F5は、以上で述べたような受信強度の変化や、受信強度の最大値の違いを利用して、現在受信しているWSAを送信している路側機2が、自端末対象路側機2であるか否かを判定する。
例えば、受信強度の増加度合いが所定の閾値(接近用閾値とする)以上となっている路側機2は、自端末対象路側機2であると判定する。これは車載器1が、自端末対象路側機2に接近している場合には、増加度合いが一定の閾値以上となることが期待されるためである。つまり、上記思想に基づいて定まる接近用閾値を用いることによって、送信端末判定部F5は、自端末対象路側機2であるか否かを判別することができる。なお、受信強度の増加度合いが接近用閾値以上となっている場合には、単に、その路側機2が自端末対象路側機2であるということを示唆するだけでなく、車載器1が、その路側機2に接近していることを意味する。
ここで用いる接近用閾値は、種々の試験やシミュレーションによって適宜設計されれば良い。接近用閾値は、一定の移動距離当りの受信強度の増加量とすればよい。ここでの一定の移動距離は、1メートルとしてもよいし、5メートルや10メートルなどとしてもよい。
接近用閾値と比較するための受信強度の増加度合いは、接近用閾値に対応させて算出されれば良い。例えば、接近用閾値が1メートル当りの受信強度の増加量とする場合には、増加度合いもまた、1メートル当りの受信強度の増加量とすればよい。
また、ここでは一例として、移動に伴う受信強度の増加度合いに基づいて、その受信信号の送信元である路側機2が、自端末対象路側機2であるか否かを判定する態様を例示するがこれに限らない。例えば、変形例3で後述するように、時間の経過に伴う受信強度の増加度合いに基づいて、その受信信号の送信元である路側機2が、自端末対象路側機2であるか否かを判定してもよい。車載器1は車両に搭載されるため、時間の経過に伴って車載器1の位置は移動することが期待できるためである。
また、対向車線用の路側機2Bなどの、自端末非対象路側機2からのWSAの受信強度は、相対的に低い値を推移する一方、自端末対象路側機2からのWSAの受信強度は、かなり強い受信強度まで到達することが期待される。
したがって、WSAの受信強度が、自端末非対象路側機2からのWSAを受信している場合では到達しないような受信強度となっている場合には、車載器1は、自端末対象路側機2からのWSAを受信していると見なすことができる。
つまり、所定の閾値(強度用閾値Pth)以上の受信強度のWSAを送信している路側機2は、自端末対象路側機2であると判定することができる。ここでの強度用閾値Pthは、自端末非対象路側機2からは受信しないような十分大きい値に適宜設計されればよい。
送信端末判定部F5が備える変化度合い算出部F6は、路側機2毎の受信履歴データとして格納されている、複数時点における受信電波と移動系情報とに基づいて、受信強度の増加度合いを算出する。例えば、時刻が新しい順に過去の位置情報を参照していき、現在時点の位置情報(又は最新の位置情報)から一定距離前の地点における受信強度を取得する。そして、現在の受信強度(又は最新の受信強度)と、その読み出した受信強度の差分から、一定距離当りの増加量(すなわち増加度合い)を算出する。ここでの一定距離は、前述の接近用閾値に対応する距離とすればよい。
なお、過去のデータからちょうど一定距離となるデータが存在しない場合には、前後のデータで補間して求めればよい。また、自端末が停止している場合など、同一(略同一を含む)地点において複数回WSAを受信している場合には、それらのうち、最も受信強度が大きい値を、増加度合いの算出に用いることとすればよい。停止している間にも、他の移動体の存在によって、受信強度が変化することが考えられるためである。
サービス種別判定部F7は、メモリ11Mに格納されているサービスリストに基づいて、自端末周辺に存在する路側機2が提供するサービスが、自端末において利用可能なサービスであるか否かを判定する。自端末周辺に存在する路側機2とは、周辺路側機リストに登録されている路側機2に相当する。また、その路側機2が提供するサービスは、その路側機2の路側機情報に含まれるサービス種別情報によって特定されれば良い。
より具体的に、サービス種別判定部F7は、路側機2が提供するサービスのサービスIDがサービスリストに登録されている場合に、当該WSAに対応するサービスは自端末において利用可能なサービスであると判定する。また、路側機2が提供するサービスのサービスIDがサービスリストに登録されていない場合には、当該WSAに対応するサービスは自端末において利用可能なサービスではないと判定する。
(受信関連処理について)
次に、図10に示すフローチャートを用いて、制御部11が実施する受信関連処理について説明する。この受信関連処理は、路側機2から送信されたWSAを受信したことをトリガとして、その路側機2と、その路側機2が提供するサービスを享受するためのサービスチャネルを用いた通信を開始するか否かを判定する処理である。したがって、この図10に示すフローチャートは、狭域通信制御部F1がWSAを受信したときに開始されれば良い。
まず、ステップS1では路側機管理部F4が、狭域通信制御部F1から、受信したWSAのデータ及びそのWSAの受信強度を取得し、周辺路側機リストを更新する。すなわち、WSAに含まれる端末IDから、そのWSAの送信元である路側機2(以降、送信端末とする)を特定する。そして、その送信端末に対応する路側機情報を更新する。
ここで、この送信端末から送信されたWSAを初めて受信した場合には、周辺路側機リストにこの送信端末を追加するとともに、当該WSAに基づいた路側機情報を生成して保存する。
また、既に送信端末についての路側機情報が存在する場合には、その受信履歴データに、今回受信したWSAについてのデータ(受信時刻や、受信強度、位置、速度など)を追加する。
ステップS1での処理が完了するとステップS2に移る。ステップS2では送信端末判定部F5が、送信端末判定処理を実施してステップS3に移る。この送信端末判定処理は、送信端末が、自端末対象路側機2であるか否かを判定する処理である。
より具体的には、まず、当該送信端末の受信履歴データに基づいて、変化度合い算出部F6が受信強度の増加度合いを算出する。そして、送信端末判定部F5が、変化度合い算出部F6によって算出された増加度合いが接近用閾値以上となっているか否かを判定する。ここで、増加度合いが接近用閾値以上となっている場合には、この送信端末は、自端末対象路側機2であると判定する。一方、増加度合いが所定の接近用閾値以上となっていない場合には、送信端末は、自端末対象路側機2であるとは判定しない。
また、送信端末判定部F5は、今回取得した(つまり、最新の)WSAの受信強度が、強度用閾値Pth以上となっているか否かを判定する。今回取得したWSAの受信強度が強度用閾値Pth以上となっている場合には、この送信端末は、自端末対象路側機2であると判定する。一方、今回取得したWSAの受信強度が強度用閾値Pth以上となっていない場合には、送信端末は、自端末対象路側機2であるとは判定しない。
以上のステップS2での送信端末判定処理の結果、送信端末が自端末対象路側機2であると判定された場合には、ステップS3がYESとなってステップS4に移る。一方、ステップS2での送信端末判定処理の結果、送信端末は自端末対象路側機2であると判定されていない場合には、ステップS3がNOとなって本フローを終了する。
なお、ステップS2の送信端末判定処理において、送信端末に対応する受信履歴データが、増加度合いを算出できるほど十分なデータとなっていない場合、すなわち受信回数がまだ不足している場合には、受信強度と強度用閾値Pthとの比較のみを実施すればよい。或いは、受信回数がまだ不足している場合には、送信端末は、自端末対象路側機2であるとは判定せず、ステップS3がNOとなった場合と同様に、本フローを終了させてもよい。
ステップS4ではサービス種別判定部F7が、送信端末が提供しているサービスが、自端末において利用可能なサービスであるか否かを判定する。送信端末が提供しているサービスが、自端末において利用可能なサービスではない場合には、ステップS4がNOとなって、本フローを終了する。すなわち、WSAに示されるサービスチャネルはオープンしない。
一方、送信端末が提供しているサービスが、自端末において利用可能なサービスである場合にはステップS4がYESとなってステップS5に移る。
ステップS5では狭域通信制御部F1が、送信端末に対応する路側機情報の利用チャネル情報に示されるサービスチャネルを用いて、路側機2とのサービスチャネルを用いた通信を開始する。
なお、以上では、送信端末判定処理(ステップS2)の後に、サービス種別を判定する処理(ステップS4)を実施する態様を例示したが、これに限らない。自端末が利用可能なサービスを提供する送信端末にのみ、上述した受信関連処理を実施する態様としてもよい。つまり、WSAを受信し、かつ、そのWSAに示されるサービス種別情報が、自端末において利用可能なサービスである場合に、上述の受信関連処理を実施する態様としてもよい。そのような態様によれば、自端末が利用できないサービスを提供する路側機2に対する路側機情報を管理したり、送信端末判定処理を実施したりする手間を省略することができる。
(本実施形態のまとめ)
以上の構成によれば、送信端末判定部F5は、ある路側機2からのWSAを受信すると、路側機2から受信しているWSAの受信強度の増加度合いが所定の接近用閾値以上となっているか否か、及び、その受信したWSAの受信強度が所定の強度用閾値Pth以上となっているか否かを判定する(ステップS2)。そして、その結果、路側機2から受信しているWSAの受信強度の増加度合いが接近用閾値以上となっている場合、又は、その受信したWSAの受信強度が強度用閾値Pth以上となっている場合に(ステップS3 YES)、その路側機2とのサービスチャネルを用いた通信を開始する(ステップS4)。
また、ステップS2の送信端末判定処理で用いられる接近用閾値や強度用閾値Pthは、図7〜図9を用いて説明したように、自端末対象路側機2からのWSAを受信している場合と、自端末非対象路側機2からのWSAを受信している場合とで生じる、その受信強度の変化の傾向や、受信強度の大きさそのものの差異に着眼して設定される閾値である。
したがって、以上の構成によれば、受信したWSAの送信端末が、自端末対象路側機2であるか否かを判定することができ、その結果、自端末非対象路側機2と、所定のサービスチャネルを用いた通信を開始することを抑制することができる。
また、以上の構成において送信端末判定部F5は、受信強度の増加度合いと接近用閾値との比較だけでなく、受信強度の大きさと強度用閾値Pthとの比較も実施して、受信したWSAの送信端末が自端末対象路側機2であるか否かを判定する。
そのような態様によれば、次のような状況においても、より適切に、受信したWSAの送信端末が自端末対象路側機2であるか否かを判定することができる。
例えば自端末が、自端末対象路側機2に対して十分に接近しているにも関わらず、例えば自端末とその路側機2との間に存在する大型車両によって、その路側機2からの電波が遮断され、WSAを受信できていない状況も想定される。なお、ここでの路側機2に対して十分に接近している状態とは、例えば図7に示す強レベルエリアに車載器1が存在するような状態を意味する。
そして、そのような状況において、その路側機2に対する大型車両と自車両の位置関係が変化することによって、自端末が路側機2AからのWSAを受信するようになることも想定される。
このような場合、車載器1は路側機2に十分に接近しているため、例えば図11に示すように、急に強いレベルのWSAを受信することになる。図11中の地点Q1が、路側機2からのWSAを受信し始めた地点を表しており、グラフの太線部分が受信するWSAの強度の推移を表している。グラフにおける破線部分は、大型車両などの存在によって、実際には受信できていなかったWSAの受信強度の想定値を表している。
また、上述した状況においては、路側機2からのWSAの受信強度は飽和状態(十分に増加した状態)となっているため、増加度合いは接近用閾値以上とならない可能性がある。
つまり、増加度合いと接近用閾値との比較だけでは、本来、自端末対象路側機2であると判定されるべき送信端末が、自端末対象路側機2であると判定されない場合が生じうる。
そこで、本実施形態においては、増加度合いが接近用閾値以上となっている場合だけでなく、受信強度が所定の強度用閾値Pth以上となっている場合にも、送信端末が自端末対象路側機2であると判定するようにしている。これによって、受信強度が飽和状態となるほど十分に接近して初めてその路側機2からのWSAを受信し始めた場合においても、より適切に自端末対象路側機2であるか否かを判定することができる。なお、図中の二点鎖線が強度用閾値Pthを表している。
また、変化度合い算出部F6が増加度合いを算出するためには、同一の送信端末からのWSAを複数回受信する必要がある。これに対し、受信強度と強度用閾値Pthとの判定においては、1回分のWSA(つまり、新たに受信したWSA)の受信強度に基づいて上記判定を実施することができる。
上述したように、自端末が路側機2Aに十分に接近している状況においては、まもなく当該送信端末から離れていく場合も想定されるため、当該送信端末が提供するサービスが、自端末において利用可能なサービスである場合には、出来る限り迅速に当該送信端末とサービスチャネルを用いた通信を開始することが好ましい。
本実施形態の構成によれば、自端末が路側機2Aに十分に接近してから初めてWSAを受信した場合であっても、受信強度と強度用閾値との比較の結果に応じて、速やかに当該送信端末とのサービスチャネルを用いた通信を開始する事ができる。
ところで、以上では、受信強度の増加度合いと接近用閾値との比較と、受信強度の大きさと強度用閾値Pthとの比較とを併用して、受信したWSAの送信端末が自端末対象路側機2であるか否かを判定する態様を例示したが、これに限らない。
例えば、受信強度の増加度合いと接近用閾値との比較を実施せずに、受信強度の大きさと強度用閾値Pthとの比較によって、送信端末判定処理を実施してもよい。しかしながら、送信端末判定処理に強度用閾値Pthだけを用いる場合には、次のような課題が生じうる。
強度用閾値Pthが相対的に低い場合には、対向車線用の路側機2など、自端末非対象路側機2を、自端末対象路側機2であると誤判定する可能性が高まってしまう。一方、強度用閾値Pthを相対的に高い値とすると、自端末非対象路側機2を、自端末対象路側機2であると誤判定する可能性は抑制できるが、自端末が、自端末対象路側機2に十分に接近してからでないと、当該送信端末とのサービスチャネルを用いた通信が開始できず、サービスを享受するタイミングが遅れてしまうことになる。つまり、強度用閾値Pthの値の決定には、誤判定の抑制と、通信開始タイミングの遅延のバランスを鑑みるといった困難さが伴う。
一方、増加度合いと接近用閾値との比較を導入すれば、自端末が路側機2Aに十分に接近する前の段階、つまり、自端末が路側機2に接近している段階において、送信端末が、自端末対象路側機2であるか否かを判定することができる。つまり、増加度合いと接近用閾値との比較を用いることによって、車載器1が路側機2に十分に接近する前に、その路側機2とのサービスチャネルを用いた通信を開始することが出来る。これによって、サービスを享受するタイミングが遅れてしまうことを抑制することができる。
また、増加度合いと接近用閾値との比較を導入すれば、車載器1が路側機2に接近していく過程における送信端末判定処理の判定基準と、自端末が路側機2に十分に接近している状態における送信端末判定処理の判定基準とを実質的に使い分けることができる。つまり、車載器1が路側機2に接近していく過程においては、増加度合いと接近用閾値との比較によって判定し、自端末が路側機2に十分に接近している状態においては、受信強度と強度用閾値Pthとの比較によって判定することができる。
つまり、増加度合いと接近用閾値との比較と、受信強度と強度用閾値との比較を併用することで、車載器1と路側機2との位置関係に応じた接近用閾値、強度用閾値を設定することができ、接近中と、既に十分に接近している状態のそれぞれで、より適切に、送信端末が自端末対象路側機2であるか否かの判定を行うことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
<変形例1>
以上では、強度用閾値Pthを車載器1が備える態様を例示したが、これに限らない。例えば、車載器1が強度用閾値Pthを備えずに、路側機2が、前述の強度用閾値を指定する必要受信強度情報を含むWSA(図12参照)を送信する態様としてもよい。そのような態様において車載器1は、必要受信強度情報を含むWSAを受信した場合には、その必要受信強度情報に応じた強度用閾値を用いて、その路側機2が自端末対象路側機2であるか否かの判定を実施する。
また、車載器1が予め登録された値の強度用閾値Pthを備えている場合であっても、路側機2から必要受信強度情報を含むWSAを受信した場合には、その必要受信強度情報に応じて定まる強度用閾値を優先して用いて、その路側機2が自端末対象路側機2であるか否かの判定を実施してもよい。
そのような態様によれば、路側機2の設置環境に応じた強度用閾値を用いて、車載器1は、その路側機2が自端末対象路側機2であるか否かの判定を実施できるようになる。
<変形例2>
上述した変形例1において、必要受信強度情報を含むWSAを送信する路側機2と、サービスチャネルを用いた通信を実施している状況において、その路側機2から受信する信号の受信強度が、その路側機2から取得した必要受信強度情報に示される受信強度未満となった場合には、その路側機2とのサービスチャネルを用いた通信を、所定の手続きに則って終了させてもよい。
<変形例3>
以上では、受信強度の増加度合いを、自端末の移動に伴う受信強度の増加量として算出するとともに、接近用閾値もまた、移動距離と受信強度の変化量に基づいた値としたが、これに限らない。例えば、受信強度の増加度合いは、時間の経過に伴う受信強度の増加量(つまり一定時間当たりの受信強度の増加量)とし、接近用閾値もまた、一定時間当たりの受信強度の変化量に着眼して設計される値としてもよい。
これは、車載器1は車両に搭載されるため、時間の経過に伴って車載器1の位置は移動することが期待できるためである。
なお、そのような場合における接近用閾値は、移動速度が大きいほど大きい値となるように、予め移動速度に応じた複数種類の接近用閾値を用意しておくか、または、所定の速度を想定して設計された接近用閾値を移動速度に応じて動的に補正して用いることが好ましい。
<変形例4>
また、上述の変形例3においては、移動速度が所定の閾値以下となっている場合には、受信強度の増加度合いと接近用閾値との比較による、送信端末が自端末対象路側機2であるか否かの判定を行わない態様としてもよい。車載器1の移動が少ないと、受信強度の変化が少なくなってしまい、判定精度が低下する可能性があるためである。ここでの閾値は、適宜設計される値であって、例えば自車両が徐行している時の速度(10km/h程度)とすればよい。
<変形例5>
送信端末判定部F5は、既にサービスチャネルを用いた通信を実施し、その通信が予め定められた手順に則って正常に終了した路側機2については、送信端末判定処理の対象から除外してもよい。既にサービスチャネルを用いた通信を実施したということは、既にその路側機2が提供するサービスを享受したことを意味し、再度その路側機2とサービスチャネルを用いた通信を実施する必要性は低いことが想定されるためである。
なお、或る路側機2が既にサービスチャネルを用いた通信を実施したことがある路側機2であるか否かは、路側機情報に、既に通信済みであるか否かを示すフラグを用意しておき、そのフラグによって判定されれば良い。例えば、或る路側機2とのサービスチャネルを用いた通信が正常な手続きで完了した場合に、そのフラグを通信実施済みである旨の状態に変更すればよい。なお、ここでの既に通信済みであるか否かは、周辺路側機リストから削除された段階でリセット(未実施の状態に設定)されるものとする。
<変形例6>
また、制御部11は、WSAを受信した場合に、その送信端末に対応する受信履歴データに基づいて、自端末が送信端末に接近していっているか否か、または離れていっているか否かを判定する距離変化判定部F8(図13参照)を備えていてもよい。例えば、距離変化判定部F8は、送信端末に対応する受信履歴データを参照し、受信強度が増加傾向にある場合には、接近していっていると判定すればよい。また、受信強度が減少傾向にある場合には離れていっていると判定すればよい。この距離変化判定部F8が請求項に記載の離脱判定部に相当する。
そのような態様において、狭域通信制御部F1は、既にサービスチャネルを用いた通信を実施したことがある路側機2であって、かつ、距離変化判定部F8によって離れていっていると判定された路側機2については、送信端末判定処理の対象から除外してもよい。
また、狭域通信制御部F1は、サービスチャネルを用いた通信を未だ実施していない路側機2から自端末が離れて行っていると距離変化判定部F8によって判定された場合には、その路側機2に対する送信端末判定処理を、他の路側機2よりも優先して実施してもよい。
<変形例7>
また、上述した実施形態において、変化度合い算出部F6は、受信強度の増加度合いを算出するものとしたが、これに限らない。変化度合い算出部F6は、増加度合いの算出方法と同様の方法に基づいて、受信強度の減少度合いを算出してもよい。なお、ここでの減少度合いは、大きいほど急速に受信強度が減少していっていることを示す指標である。
車載器1が自端末対象路側機2から離れていく場合には、図8および図9を比較すれば分かるように、自端末非対象路側機2から離れていく場合に比べて、その減少度合いは大きくなる。
したがって、受信強度の減少度合いが所定の閾値(離脱用閾値とする)以上となっている路側機2とは、自端末対象路側機2であることを意味する。もちろん、それだけでなく、受信強度の減少度合いが離脱用閾値以上となっている場合には、自端末が自端末対象路側機2から離れていっていることも意味する。
したがって、上記思想に基づいて定まる離脱用閾値を用いることによって、送信端末判定部F5は、受信したWSAの送信端末が、自端末対象路側機2であるか否かを判別することができる。つまり、送信端末判定部F5は、受信強度の減少度合いが離脱用閾値以上となっている路側機2を、自端末をサービス提供の対象とする路側機2であると判定する。
このような態様によれば、例えば路側機2からのWSAが大型車両などによって遮られ、自端末がその路側機2から離れ始めた段階で初めてWSAを受信できるようになった場合であっても、その路側機2を、自端末対象路側機2であると判定することができる。その結果、その路側機2とサービスチャネルを用いた通信を実施することができる。
また、離れ始めてから初めてWSAを受信するようになった送信端末とは、接近中の他の路側機2などに比べて通信可能な残り時間が短い。そのため、離脱用閾値と減少度合いとの比較によって、自端末対象路側機2であると判定された路側機2については、他の路側機2よりも優先して、サービスチャネルを用いた通信を実施したりすることが好ましい。
<変形例8>
以上では、路側機2が請求項に記載のサービス提供端末として機能する態様を例示したが、これに限らない。例えば、車載器1をサービス提供端末として用いても良い。すなわち、請求項に記載のサービス提供端末は、移動体で用いられる通信端末であってもよい。
また、以上では各通信端末は、一例としてWAVEの規格に準拠して通信を実施する態様を例示したがこれに限らない。各通信端末は、WAVEに対応する他の通信規格に準拠して通信を実施してもよい。その場合、サービスを提供(及び享受)するための実質的な通信に用いられるチャネルが、請求項に記載のサービスチャネルに相当する。また、そのチャネルを用いた通信を開始するための情報(すなわちWSAに相当する情報)を送信するために用いられるチャネルが、請求項に記載のコントロールチャネルに相当する。
100 移動体通信システム、1 車載機、2 路側機、21 路側通信部、22 路側制御部、22M 路側メモリ、11 制御部、12 狭域通信部(無線通信部)、13 GNSS受信機、14 加速度センサ、11M メモリ、F1 狭域通信制御部(無線通信制御部)、F2 受信強度取得部、F3 移動系情報取得部、F4 路側機管理部、F5 送信端末判定部、F6 変化度合い算出部、F7 サービス種別判定部、F8 距離変化判定部(離脱判定部)

Claims (10)

  1. 通信の接続制御のために用いられるコントロールチャネルと、前記コントロールチャネルとは異なるチャネルであって、サービスの提供のために割り当てられている複数種類のサービスチャネルのうちの何れかと1つと、を用いて、所定のサービスを提供するサービス提供端末(2)と無線通信を実施する無線通信部(12)と、前記無線通信部の動作を制御する無線通信制御部(F1)と、を備える車両用通信端末であって、
    前記無線通信部は、前記コントロールチャネルを用いて前記サービス提供端末から送信される、前記サービス提供端末が提供する前記サービスの種別を示すサービス種別情報と、複数の前記サービスチャネルのうち、前記サービス提供端末が自端末との通信に利用する前記サービスチャネルを指定するサービスチャネル情報と、を含むサービス開始用情報を少なくとも受信するものであって、
    前記車両用通信端末は、さらに、
    前記サービス提供端末から送信され、前記無線通信部が受信した信号の受信強度を取得する受信強度取得部(F2)と、
    前記無線通信部が前記サービス提供端末から前記サービス開始用情報に対応する信号を受信した場合に、その受信信号に対して前記受信強度取得部が取得した前記受信強度の大きさ、及び、その受信信号の送信元である前記サービス提供端末(以降、送信端末とする)から受信する信号の前記受信強度の変化の度合いの少なくとも何れか一方に基づいて、その送信端末が、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であるか否かを判定する送信端末判定部(F5)を備え、
    前記無線通信制御部は、
    前記送信端末判定部によって前記送信端末は自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定されるまでは、前記送信端末とは、その送信端末から送信された前記サービス開始用情報に含まれる前記サービスチャネル情報で指定されている前記サービスチャネルを用いた通信を開始しないことを特徴とする車両用通信端末。
  2. 請求項1において、
    前記受信強度取得部によって取得された、前記送信端末から送信された信号の前記受信強度の増加度合いを算出する変化度合い算出部(F6)を備え、
    前記送信端末判定部は、
    前記変化度合い算出部によって算出された前記増加度合いが、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末に対して自端末が接近しているか否かを判定するための接近用閾値以上となっている場合には、前記送信端末は、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定することを特徴とする車両用通信端末。
  3. 請求項1において、
    前記受信強度取得部によって取得された、前記送信端末から送信された信号の前記受信強度の増加度合いを算出する変化度合い算出部(F6)を備え、
    前記送信端末判定部は、
    前記変化度合い算出部によって算出された前記増加度合いが、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末に対して自端末が接近しているか否かを判定するための接近用閾値以上となっている場合、又は、前記受信強度取得部が取得した前記受信強度が、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末から送信された信号を受信しているか否かを判定するための強度用閾値以上となっている場合には、前記送信端末は、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定することを特徴とする車両用通信端末。
  4. 請求項3において、
    前記サービス開始用情報は、前記強度用閾値の値を指定する情報である必要受信強度情報を含み、
    前記送信端末判定部は、前記必要受信強度情報を含む前記サービス開始用情報を受信した場合には、そのサービス開始用情報の送信元である前記サービス提供端末に対しては、前記受信強度取得部が取得した前記受信強度が、その送信元から受信したサービス開始用情報に含まれる前記必要受信強度情報によって定まる前記強度用閾値以上となっている場合に、そのサービス提供端末は自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定することを特徴とする車両用通信端末。
  5. 請求項2から4の何れか1項において、
    前記変化度合い算出部は、前記受信強度取得部によって取得された、前記送信端末から送信された信号の前記受信強度の減少度合いを算出し、
    前記送信端末判定部は、
    前記変化度合い算出部が算出した前記減少度合いが、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末から自端末が離れていっているか否かを判定するための離脱用閾値以上となっている場合、前記送信端末は、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定することを特徴とする車両用通信端末。
  6. 請求項2から5の何れか1項において、
    前記変化度合い算出部は、自端末の移動距離に対する前記受信強度の増加量を前記増加度合いとして算出することを特徴とする車両用通信端末。
  7. 請求項2から5の何れか1項において、
    前記変化度合い算出部は、一定時間当りの前記受信強度の増加量を前記増加度合いとして算出することを特徴とする車両用通信端末。
  8. 請求項7において、
    自端末の移動速度を特定するための移動系情報を取得する移動系情報取得部(F3)を備え、
    前記送信端末判定部は、前記移動系情報取得部が取得した前記移動系情報から特定される自端末の移動速度が所定の閾値以下である場合には、前記増加度合いと前記接近用閾値との比較を行わないことを特徴とする車両用通信端末。
  9. 請求項1から8の何れか1項において、
    前記送信端末判定部は、
    前記送信端末を、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定していない場合には、前記無線通信部が当該送信端末からの信号を受信する毎に、前記送信端末は自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であるか否かの判定を逐次実施し、
    前記送信端末は自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であると判定するまでは、前記送信端末は自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末ではないとの判定を保持することを特徴とする車両用通信端末。
  10. 請求項1から9の何れか1項において、
    前記受信強度取得部によって取得された、前記送信端末から送信された信号の前記受信強度が減少傾向にある場合には、前記送信端末から自端末が離れていっていると判定する離脱判定部(F8)を備え、
    前記送信端末判定部は、前記離脱判定部によって自端末が離れていっていると判定された前記送信端末については、自端末をサービス提供の対象とする前記サービス提供端末であるか否かの判定の対象から除外することを特徴とする車両用通信端末。
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