JP2016127072A - 有機電界発光素子用材料及びこれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子用材料及びこれを用いた有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機電界発光素子の発光効率を改善することが可能な有機電界発光素子用材料及びこれを用いた有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】以下の一般式(1)で示されるアミン誘導体を含むことを特徴とする有機電界発光素子用材料。

上記一般式(1)において、Ar〜Arは、互いに独立して、アリール基、またはヘテロアリール基であり、Ar及びArは、互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または任意の隣接した置換基を縮環して形成されたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、L及びLは、互いにに独立して、単結合、アリーレン基、またはヘテロアリーレン基であり、n、mは0〜4の整数である。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子用材料及びこれを用いた有機電界発光素子に関する。
近年、有機電界発光表示装置(Organic Electroluminescent Display)の開発が盛んに行われており、また、有機電界発光表示装置に使用される自発光型の発光素子である有機電界発光素子(Organic Electroluminescent Device)についても盛んに開発が行われている。
有機電界発光素子としては、例えば、陽極、陽極上に配置された正孔輸送層、正孔輸送層上に配置された発光層、発光層上に配置された電子輸送層、および電子輸送層上に配置された陰極からなる構造が知られている。
このような有機電界発光素子では、陽極および陰極から注入された正孔および電子が発光層中において再結合することで励起子を生成し、生成された励起子が基底状態に遷移することによって発光を行う。特許文献1〜3は、正孔輸送層又は正孔注入層に使用可能な正孔輸送材料又は正孔注入材料として、カルバゾリル(carbazolyl)基を含むアミン(amine)誘導体を開示する。
米国特許出願公開第2007/0231503号明細書 国際公開第2012/091471号 国際公開第2010/110553号
しかし、特許文献1〜3に開示されたアミン誘導体を正孔輸送材料とした有機電界発光素子は、発光効率について満足できる値を得ることができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、有機電界発光素子の発光効率を改善することが可能な、新規かつ改良された有機電界発光素子用材料及びこれを用いた有機電界発光素子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、下記の一般式(1)で示されるアミン誘導体を含むことを特徴とする有機電界発光素子用材料が提供される。
上記一般式(1)において、Ar〜Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール(aryl)基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール(heteroaryl)基であり、
Ar及びArは、互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン(halogen)原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル(alkyl)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール基、または任意の隣接した置換基を縮環して形成されたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、
及びLは、互いに独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリーレン(arylene)基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜15のヘテロアリーレン(heteroarylene)基であり、
n、mは0〜4の整数である。
この観点によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
前記Ar〜前記Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜18のヘテロアリール基であってもよい。
この観点によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
前記Ar〜前記Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換のフェニル基(phenyl)、またはビフェニル(biphenyl)基であってもよい。
この観点によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
前記L及び前記Lは、フェニレン(phenylene)基であってもよい。
この観点によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
本発明の他の観点によれば、上記有機電界発光素子用材料を発光層中に含むことを特徴とする、有機電界発光素子が提供される。
この観点によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
さらに、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、上記有機電界発光素子用材料を陽極と発光層との間に配置された少なくともいずれか1つ以上の層中に含むことを特徴とする、有機電界発光素子が提供される。
この観点によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
以上説明したように本発明によれば、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。
本発明の実施形態に係る有機電界発光素子の概略構成を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.有機電界発光素子用材料の構成>
本発明者は、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる有機電界発光素子用材料について鋭意検討した結果、本実施形態に係る有機電界発光素子用材料に想到した。この有機電界発光素子用材料は、特に正孔輸送材料として用いた場合に、有機電界発光素子の発光効率を改善することができる。そこで、まず、本実施形態に係る有機電界発光素子用材料の構成について説明する。本実施形態に係る有機電界発光素子用材料は、以下の一般式(1)で示されるアミン誘導体を含む。
上記一般式(1)で表されるアミン誘導体は、2つのカルバゾリル基を有し、アミンの窒素原子は、各カルバゾリル基の4位の位置の炭素原子とLまたはLを介して各カルバゾリル基の4位の位置の炭素原子と結合している。
さらに、上記アミン誘導体においては、2つのカルバゾリル基が同じ置換位置でアミンの窒素原子とL、Lを介してアミンの窒素原子と結合しているため、アミンの窒素原子の周辺の分子構造が高い対称性を有している。このような構造上の特徴によって、発光効率が向上する。
上記一般式(1)において、Ar〜Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール基である。
Ar〜Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜18のヘテロアリール基であることが好ましい。さらに、Ar〜Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換のフェニル基、またはビフェニル基であることがより好ましい。
上記一般式(1)におけるAr〜Arとしては、置換もしくは無置換のフェニル(phenyl)基、ビフェニル(biphenyl)基、ターフェニル(terphenyl)基、ナフチル(naphthyl)基、アントリル(anthryl)基、フェナントレニル(phenanthrenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、インデニル(indenyl)基、ピレニル(pyrenyl)基、フルオランテニル(fluoranthenyl)基、トリフェニレニル(triphenylenyl)基、ペリレニル(perylenyl)基、ナフチルフェニル(naphthylphenyl)基、またはビフェニレニル(biphenylenyl)基等を挙げることができる。
さらに、上記一般式(1)におけるAr〜Arとしては、置換もしくは無置換のピリジル(pyridyl)基、キノリル(quinolyl)基、イソキノリル(isoquinolyl)基、インドリル(indolyl)基、ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)基、ベンゾチアゾリル(benzothiazolyl)基、キノキサリル(quinoxalyl)基、ベンゾイミダゾリル(benzoimidazolyl)基、インダゾリル(indazolyl)基、ベンゾフラニル(benzofuranyl)基、イソベンゾフラニル(isobenzofuranyl)基、ジベンゾフラニル(dibenzofuranyl)基、フェノキサジニル(phenoxazinyl)基、ベンゾチオフェニル(benzothiophenyl)基、またはジベンゾチオフェニル(dibenzothiophenyl)基等を挙げることができる。
上記一般式(1)におけるAr〜Arを構成するアリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、上述したアリール基の他、アルキル基(例えばメチル(methyl)基、エチル(ethyl)基等)、アルケニル(alkenyl)基(例えばビニル(vinyl)基等)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)、シリル(silyl)基(例えばトリメチルシリル(trimethylsilyl)基等)、シアノ(cyano)基、アルコキシ(alkoxy)基(例えばメトキシ(methoxy)基、ブトキシ(butoxy)基等)、ニトロ(nitro)基、ヒドロキシ(hydroxyl)基、チオール(thiol)基等が挙げられる。ただし、熱安定性の観点からは、置換基は、ビニル基、インドリル基、及びトリフェニレニル基以外の官能基であることが好ましい。また、これらの置換基は、同様の置換基でさらに置換されていてもよい。
上記一般式(1)におけるAr及びArは、互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール基であり、隣り合うAr同士、Ar同士は互いに結合して環を形成してもよい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等を挙げることができる。
上記の炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル(propyl)基、ブチル(butyl)基、オクチル(octyl)基、デシル(decyl)基、ペンタデシル(pentadecyl)基等)であっても、または分岐状アルキル基(例えば、t−ブチル基等)であってもよい。
上記の置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール基としては、具体的には、Ar〜Arを構成する置換もしくは無置換のアリール基及びヘテロアリール基を挙げることができる。また、アリール基及びヘテロアリール基の置換基についても、Ar〜Arを構成するアリール基及びヘテロアリール基の置換基と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(1)において、L及びLは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜15のヘテロアリーレン基である。さらに、L及びLは、フェニレン基であることが好ましい。なお、上記一般式(1)において、L及びLが単結合であるということは、アミンの窒素原子とアルバゾリル基が直接結合している状態のことを意味する。
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜15のヘテロアリーレン基としては、Ar〜Arを構成するアリール基及びヘテロアリール基として列挙したアリール基及びヘテロアリール基の例のうちの環形成炭素数6〜18のアリール基、環形成炭素数5〜15のヘテロアリール基から、さらに1個の水素原子を除去して生成される二価基を挙げることができる。
n、mは0〜4の整数である。n、mが2以上となる場合、複数のArは互いに同一であっても、異なっていてもよく、同様に、複数のArは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
特に、本実施形態に係る一般式(1)で表されるアミン誘導体は、発光層が青色発光材料または緑色発光材料を含む場合に、より好適に有機電界発光素子の発光効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る一般式(1)で表されるアミン誘導体を含む有機電界発光素子用材料は、有機電界発光素子において、有機電界発光素子の発光層と陽極との間に配置された少なくともいずれか1つ以上の層に好適に含まれる。具体的には、一般式(1)で表されるアミン誘導体を含む有機電界発光素子用材料は、有機電界発光素子の正孔輸送層層および正孔注入層に好適に含まれる。ただし、有機電界発光素子において、一般式(1)で表されるアミン誘導体が含まれる層は、上記例示に限定されない。例えば、一般式(1)で表されるアミン誘導体は、有機電界発光素子の陽極および陰極に挟まれた有機層のいずれに含まれていてもよく、具体的には、発光層中に含まれていてもよい。
上記の構成を有する有機電界発光素子用材料を用いた有機電界発光素子は、後述する実施例に示されるように、発光効率を大きく改善することができる。有機電界発光素子用材料に含まれるアミン誘導体の具体的な構成の例を以下に列挙する。しかしながら、本発明の一実施形態に係るアミン誘導体は、下記の化合物に限定されるものではない。
<2.有機電界発光素子用材料を用いた有機電界発光素子について>
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係る有機電界発光素子用材料を利用した有機電界発光素子について、簡単に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180と、を備える。
ここで、本実施形態に係る有機電界発光素子用材料は、正孔輸送層及び発光層のうち、少なくとも一方に含まれる。有機電界発光素子用材料は、これらの層の両方に含まれていてもよい。有機電界発光素子用材料は、正孔輸送層140に含まれることが好ましい。
有機電界発光素子の第1電極120及び第2電極180の間に配置された各有機薄膜層は、公知の様々な方法、例えば蒸着法等で形成することができる。
基板110は、一般的な有機電界発光素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、半導体基板、又は、透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
第1電極120は、例えば、陽極であり、蒸着法又はスパッタリング(sputtering)法などを用いて基板110上に形成される。具体的には、第1電極120は、仕事関数が大きい金属、合金、導電性化合物等によって透過型電極として形成される。第1電極120は、例えば、透明であり、導電性に優れる酸化インジウムスズ(In−SnO:ITO)、酸化インジウム亜鉛(In−ZnO:IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等で形成されてもよい。また、第1電極120は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを用いて反射型電極として形成されてもよい。
第1電極120上には、正孔注入層130が形成される。正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする機能を備えた層であり、例えば第1電極120上に約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。正孔注入層130は、公知の材料を用いて形成することができる。かかる公知の材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(TPAPEK)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(PPBI)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、又は、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)等を挙げることができる。
正孔注入層130上には、正孔輸送層140が形成される。正孔輸送層140は複数積層してもよい。正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料を含む層であり、例えば正孔注入層130上に約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。正孔輸送層140は、本実施形態に係る有機電界発光素子用材料で形成されることが好ましい。なお、発光層150のホスト材料に本実施形態に係る有機電界発光素子用材料を用いた場合、正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料を用いて形成されてもよい。公知の正孔輸送材料として、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N−phenyl carbazole)、ポリビニルカルバゾール(polyvinyl carbazole)などのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)等を挙げることができる。
正孔輸送層140には、発光層150が形成される。発光層150は、蛍光、りん光によって光を発する層であり、例えば、約10nm〜約60nmの厚さで形成される。発光層150の材料としては、既知の発光材料を用いることができ、特に限定されるわけではないが、フルオランテン(fluoranthene)誘導体、ピレン(pyrene)誘導体、アリールアセチレン(arylacetylene)誘導体、フルオレン(fluorene)誘導体、ペリレン(perylene)誘導体、クリセン(chrysene)誘導体等から選ばれる。好ましくは、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、アントラセン誘導体が挙げられる。例えば、発光層150の材料として、以下の一般式(2)で表わされるアントラセン誘導体を用いてもよい。
上記一般式(2)中、Arはそれぞれ独立的に、水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上50以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上50以下のシクロアルキル(cycloalkyl)基、置換もしくは無置換の炭素数1以上50以下のアルコキシ(alkoxy)基、置換もしくは無置換の炭素数7以上50以下のアラルキル(aralkyl)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリールオキシ(aryloxy)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリールチオ(arylthio)基、置換もしくは無置換の炭素数2以上50以下のアルコキシカルボニル(alkoxycarbonyl)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシリル(silyl)基、カルボキシル(carboxyl)基、ハロゲン(halogen)原子、シアノ(cyano)基、ニトロ(nitro)基、又はヒドロキシル(hydroxy)基であり、pは1以上10以下の整数である。
上記一般式(2)中、Arとして具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェニルナフチル基、ナフチルフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、アセトナフテニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、およびジベンゾチエニル基などを挙げることができる。好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基などを挙げることができる。
上記一般式(2)で表される化合物は、一例として、以下の構造式により示された化合物である。但し、上記一般式(2)で表される化合物は以下に限定されるわけではない。
発光層150は、例えば、スチリル誘導体(例えば、1,4−bis[2−(3−N−ethylcarbazoryl)vinyl]benzene(BCzVB)、4−(di−p−tolylamino)−4‘−[(di−p−tolylamino)styryl]stilbene(DPAVB)、N−(4−((E)−2−(6−((E)−4−(diphenylamino)styryl)naphthalen−2−yl)vinyl)phenyl)−N−phenylbenzenamine(N−BDAVBi))、ペリレンおよびその誘導体(例えば、2,5,8,11−tetra−t−butylperylene(TBPe))、ピレンおよびその誘導体(例えば、1,1−dipyrene、1,4−dipyrenylbenzene、1,4−Bis(N,N−Diphenylamino)pyrene)等のドーパントを含み、本発明においては特に限定されない。
発光層150上には、例えば、Tris(8−hydroxyquinolinato)aluminium(Alq3)や含窒素芳香環を有する材料(例えば、1,3,5−tri[(3−pyridyl)−phen−3−yl]benzeneのようなピリジン環を含む材料や、2,4,6−tris(3‘−(pyridin−3−yl)biphenyl−3−yl)−1,3,5−triazineのようなトリアジン環を含む材料、2−(4−(N−phenylbenzoimidazolyl−1−ylphenyl)−9,10−dinaphthylanthraceneのようなイミダゾール誘導体を含む材料)を含む、電子輸送層160が形成される。電子輸送層160は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料を含む層であり、例えば発光層150上に約15nm〜約50nmの厚さにて形成される。電子輸送層160上には、例えば、フッ化リチウム(LiF)、リチウム−8−キノリナート(Liq)等を含む材料を用いて、電子注入層170が形成される。電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、約0.3nm〜約9nmの厚さにて形成される。
また、電子注入層170上には、第2電極180が形成される。第2電極180は、例えば、陰極である。具体的には、第2電極180は、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物等で反射型電極として形成される。第2電極180は、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等で形成されてもよい。また、第2電極180は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いて透過型電極として形成されてもよい。以上の各層は、真空蒸着、スパッタ、各種塗布など材料に応じた適切な成膜方法を選択することにより、形成することができる。
以上、本実施形態に係る有機電界発光素子100の構造の一例について説明した。本実施形態に係る有機電界発光素子用材料を含む有機電界発光素子100では、発光効率が改善される。
なお、本実施形態に係る有機電界発光素子100の構造は、上記例示に限定されない。本実施形態に係る有機電界発光素子100は、公知の他の様々な有機電界発光素子の構造を用いて形成されてもよい。例えば、有機電界発光素子100は、正孔注入層130、電子輸送層160及び電子注入層170のうち1層以上を備えていなくともよい。また、有機電界発光素子100の各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
また、有機電界発光素子100は、三重項励起子又は正孔が電子輸送層160に拡散する現象を防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層を備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、又は、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明の実施形態に係る有機発光素子について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の実施形態に係る有機発光素子のあくまでも一例であって、本発明の実施形態に係る有機発光素子が下記の例に限定されるものではない。
(合成例1:実施例化合物1の合成)
本実施形態に係る実施例化合物1を、以下の合成スキームに沿って合成した。
反応容器に、化合物A 150g(3.72mmol)、化合物B 3.02g(8.19mmol)、トルエン 15mL、エタノール 7.5mL、2M炭酸ナトリウム水溶液 3.7mL 加え、容器内をアルゴン置換した。次に、Pd(PPh 0.26g(0.22mmol)を加えた。その後還流下で1.5時間撹拌した。放冷後、有機層を抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後に、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/ヘキサン)により精製し、得られた固体をトルエン/ヘキサンで再結晶したところ、実施例化合物1の白色粉末状固体2.17g(収率80%)を得た。得られた実施例化合物1の分子量をFAB−MS測定したところ、727.30(C5437)という値を得た。また、H−NMR測定(300MHz,CDCl)で測定された実施例化合物1のケミカルシフト量は、7.77(d,J=8Hz,2H)、7.66−7.57(m,12H)、7.53−7.47(m,2H)、7.42−7.35(m,16H)、7.22−7.20(m,2H)、7.13−7.10(m,3H)であった。
(合成例2:実施例化合物8の合成)
本実施形態に係る実施例化合物8を、以下の合成スキームに沿って合成した。
反応容器に、化合物C 1.00g(3.00mmol)、化合物D 2.68g(7.21mmol)、トルエン 12mL、エタノール 6.0mL、2M炭酸ナトリウム水溶液 3.0mL 加え、容器内をアルゴン置換した。次に、Pd(PPh 0.21g(0.18mmol)を加えた。その後還流下で1.5時間撹拌した。放冷後、有機層を抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後に、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/ヘキサン)により精製し、得られた固体をトルエン/エタノールで再結晶したところ、実施例化合物8の白色粉末状固体2.50g(収率90%)を得た。得られた実施例化合物8の分子量をFAB−MS測定したところ、828.01(C6241)という値を得た。
(合成例3:実施例化合物18の合成)
本実施形態に係る実施例化合物18を、以下の合成スキームに沿って合成した。
(化合物Gの合成)
反応容器に、化合物E 3.00g(6.27mmol)、化合物F 1.24g(6.27mmol)、トルエン 25mL、エタノール 12.5mL、2M炭酸ナトリウム水溶液 6.3mL 加え、容器内をアルゴン置換した。次に、Pd(PPh 0.43g(0.38mmol)を加えた。その後還流下で1.5時間撹拌した。放冷後、有機層を抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後に、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/ヘキサン)により精製したところ、化合物Gの白色粉末状固体2.94g(収率85%)を得た。得られた化合物Gの分子量をFAB−MS測定したところ、553.00(C3021BrN)という値を得た。
つづいて、反応容器に、化合物G 2.50g(4.50mmol)、化合物H 4.00g(10.8mmol)、トルエン 18mL、エタノール 9.0mL、2Mリン酸三カリウム水溶液 4.5mL 加え、容器内をアルゴン置換した。次に、Pd(PPh 0.31g(0.27mmol)を加えた。その後還流下で1.5時間撹拌した。放冷後、有機層を抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後に、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/ヘキサン)により精製し、得られた固体をトルエン/エタノールで再結晶したところ、実施例化合物18の白色粉末状固体3.64g(収率92%)を得た。得られた実施例化合物18の分子量をFAB−MS測定したところ、879.36(C6645)という値を得た。
(有機電界発光素子の作製)
つぎに、有機電界発光素子を以下の製法により作製した。まず、予めパターニング(patterning)して洗浄処理を施したITO−ガラス基板に、紫外線オゾン(O)による表面処理を行った。なお、かかるITO膜(第1電極)の膜厚は、150nmであった。オゾン処理後、基板を洗浄した。洗浄済基板を有機層成膜用ガラスベルジャー型蒸着機にセットし、真空度10−4〜10−5Pa下で、正孔注入層、HTL(正孔輸送層)、発光層、電子輸送層の順に蒸着を行った。正孔注入層の材料は2−TNATAとし、厚さは60nmとした。HTLの材料は表1に示されるものとし、厚さは30nmとした。
また、発光層の厚さは、25nmとした。発光材料のホストは9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(ADN)とした。ドーパントは、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(TBP)とした。ドーパントのドープ量は、ホストの質量に対して3質量%とした。電子輸送層の材料は、Alq3とし、厚さは25nmとした。つづいて、金属成膜用ガラスベルジャー型蒸着機に基板を移し、真空度10−4〜10−5Pa下で電子注入層、陰極材料を蒸着した。電子注入層の材料はLiFとし、厚さは1.0nmとした。第2電極の材料はAlとし、厚さは100nmとした。
表1における比較例化合物C1、C2、C3は、以下の構造式で示される。比較例化合物C1は、1つのカルバゾリル基を含むアミン誘導体の例である。比較例化合物C2は、2つのカルバゾリル基ずるナフタレン誘導体であり、各カルバゾリル基の4位の位置の炭素原子がナフタレンの1位と4位の炭素原子と結合した化合物の例である。さらに、比較例化合物C3は、2つのカルバソリル基を含むアミン誘導体であって、カルバゾリル基の3位の炭素原子がアミンの窒素原子と結合している例である。
(特性評価)
次に、作成された有機電界発光素子の駆動電圧、発光効率について測定した。なお、作製した有機電界発光素子の発光特性の評価には、浜松ホトニクス製C9920−11輝度配向特性測定装置を用いた。また、電流密度は10mA/cmにて測定した。結果を表1に示す。
表1を参照すると、本実施形態に係るアミン誘導体で正孔輸送層(HTL)を形成した実施例1〜3は、比較例1〜3に対して、発光効率が向上していることがわかる。
具体的には、本実施形態に係るアミン誘導体でHTLを形成した実施例1〜3は、アミンの窒素原子の周辺の分子構造に対称性を有していないアミン誘導体を用いた比較例1に対して、発光効率が向上していることがわかる。また、実施形態に係るモノアミン誘導体でHTLを形成した実施例1〜3は、2つのカルバゾリル基ずるナフタレン誘導体を用いた比較例2に対して、発光効率が向上していることがわかる。
さらに、実施例1〜3と比較例3とを比較する。実施例化合物18、10においては、各カルバゾリル基の4位の位置にある炭素原子が、フェニレンを介してアミンの窒素原子と結合している。比較例化合物C3においては、各カルバゾリル基の3位の位置にある炭素原子が、フェニレンを介してアミンの窒素原子と結合している。このような分子構造の違いから、実施例1〜3は比較例3と比較して発光効率が高くなったと推察される。
詳細には、下記の構造式(3−1)からわかるように、実施例化合物18、10においては、カルバゾリル基の4位の位置にある炭素原子がフェニレンを介してアミンの窒素原子と結合することにより、立体反発が発生し、カルバゾリル基とフェニレン基との間でねじれが生じる。これによりπ電子共役が狭くなるため、三重項エネルギー準位(T1)が高まり、正孔輸送層としての電子障壁性が高まると推察される。従って、電子を閉じ込めることができるため、有機電界発光素子の発光効率の向上を実現する事ができる。
一方、下記の構造式(3−2)で示されるように、比較例化合物C3においては、カルバゾリル基の2位(3位)の位置にある炭素原子がフェニレンを介してアミンの窒素原子と結合しているため、立体反発が発生せず、カルバゾリル基とフェニレン基との間でねじれが生じることはない。したがって、比較例化合物C3においては、ねじれが生じないためπ電子共役が狭まることはなく、実施例化合物18、10と比較して三重項エネルギー準位が高くなることはない。このような分子構造の違いに起因する三重項エネルギー準位の違いにより、実施例1〜3は比較例3と比較して発光効率が高くなったと推察される。なお、比較例化合物1(カルバゾリル基の4位の位置にある炭素原子がアミンの窒素原子と結合した場合)の三重項エネルギー準位は2.32eVであるのに対して、比較例化合物3(カルバゾリル基の3位の位置にある炭素原子がアミンの窒素原子と結合した場合)の三重項エネルギー準位は2.24eV、また、比較例化合物3においてカルバゾリル基の2位の位置にある炭素原子が窒素原子と結合した構造を有する化合物の三重項エネルギー準位は2.13eVである。カルバゾリル基の4位の位置にある炭素原子がアミンの窒素原子と結合した場合は、3位又は2位の位置にある炭素原子が結合した場合に比べて、高い値となっている。
このように、本実施例では、青色〜青緑色領域において、有機電界発光素子の発光効率が大きく改善した。
以上により、本実施形態では、有機電界発光素子用材料は、一般式(1)に示すアミン誘導体を含むので、これを用いた有機電界発光素子は、発光効率が大きく改善する。したがって、本実施形態の有機電界発光素子用材料は、様々な用途の実用化に有用である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 有機電界発光素子
110 基板
120 第1電極
130 正孔注入層
140 正孔輸送層
150 発光層
160 電子輸送層
170 電子注入層
180 第2電極

Claims (6)

  1. 以下の一般式(1)で示されるアミン誘導体を含むことを特徴とする有機電界発光素子用材料。
    上記一般式(1)において、
    Ar〜Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール基であり、
    Ar及びArは、互いに独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50のヘテロアリール基、または任意の隣接した置換基を縮環して形成されたアリール基もしくはヘテロアリール基であり、
    及びLは、互いにに独立して、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリーレン基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜15のヘテロアリーレン基であり、
    n、mは0〜4の整数である。
  2. 前記Ar〜前記Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜18のヘテロアリール基である、請求項1に記載の有機電界発光素子用材料。
  3. 前記Ar〜前記Arは、互いに独立して、置換もしくは無置換のフェニル基、ビフェニル基である、請求項2に記載の有機電界発光素子用材料。
  4. 前記L及び前記Lは、フェニレン基である、請求項1に記載の有機電界発光素子用材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子用材料を発光層中に含むことを特徴とする、有機電界発光素子。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子用材料を陽極と発光層との間に配置された少なくともいずれか1つ以上の層中に含むことを特徴とする、有機電界発光素子。
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