JP6426466B2 - 電子輸送材料、および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

電子輸送材料、および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、電子輸送材料、および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(Organic Electroluminescence Display:有機EL表示装置)の開発が進められている。そのため、有機EL表示装置に使用される自発光型の発光素子である有機EL素子(Organic Electroluminescence Device)の開発も盛んに行われている。
有機EL素子の構造としては、例えば、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極を順に積層した積層構造が知られている。このような有機EL素子では、まず、陽極および陰極から注入された正孔および電子を発光層中にて再結合させることで励起子を生成させ、生成された励起子を基底状態に遷移させることで発光を行わせる。
ここで、有機EL素子では、発光効率等を向上させるために、各層の材料として様々な化合物が検討されている。例えば、特許文献1には、有機EL素子の発光層のホスト(host)材料として使用可能な四配位ほう素化合物が開示されている。
特開2007−35791号公報
しかし、従来知られた化合物を各層に用いた有機EL素子では、発光効率が十分ではないという問題点があった。そのため、より発光効率を向上させることが可能な有機EL材料(例えば、正孔輸送材料、電子輸送材料など)が求められていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、有機EL素子の発光効率を向上させることが可能な、新規かつ改良された電子輸送材料、および該電子輸送材料を用いた有機EL素子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、下記一般式(1)で表される四配位ほう素化合物を含む、電子輸送材料が提供される。
上記一般式(1)において、
Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール(aryl)基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール(heteroaryl)基である。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
前記Arは、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有してもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
前記Arは、置換基として、ハメット(Hammett)の置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有してもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、下記一般式(2)で表される四配位ほう素化合物を含む、電子輸送材料が提供される。
上記一般式(2)において、
ArおよびArは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
前記ArおよびArの少なくともいずれか一方は、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有してもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
前記ArおよびArの少なくともいずれか一方は、置換基として、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有してもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、下記一般式(3)で表される四配位ほう素化合物を含む、電子輸送材料が提供される。
上記一般式(3)において、
Xは、N−RまたはSであり、
〜Rは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン(halogen)原子、シアノ(cyano)基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル(alkyl)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
前記R〜Rの少なくともいずれか1つ以上は、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有してもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
前記R〜Rの少なくともいずれか1つ以上は、置換基として、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有してもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
前記電子求引基は、互いに独立して、ハロゲン原子、少なくとも1つ以上のハロゲン原子で置換されたメチル(methyl)基、シアノ基、またはスルホン酸(sulfonic acid)基のいずれかであってもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
前記四配位ほう素化合物のLUMO準位のエネルギー(energy)は、−6.0eV以上−3.4eV以下であってもよい。
この観点によれば、上記電子輸送材料を有機EL素子に用いることにより、有機EL素子の発光効率をさらに向上させることができる。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の電子輸送材料を電子輸送層に含む、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
この観点によれば、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば、発光効率が向上した有機EL素子を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る有機EL素子の一構成例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明の一実施形態に係る電子輸送材料>
まず、本発明の一実施形態に係る電子輸送材料について説明する。本実施形態に係る電子輸送材料は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物を含む。
上記一般式(1)において、Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
上記一般式(2)において、ArおよびArは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
上記一般式(3)において、Xは、N−RまたはSであり、R〜Rは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
四配位ほう素化合物は、例えば、特許文献1に開示されるように、発光層の発光材料として好適であることが知られている。しかし、特許文献1では、四配位ほう素化合物が備える特性について、十分に検討されていなかった。本発明者らは、四配位ほう素化合物が備える特性についてさらに詳細に検討した結果、本実施形態に係る四配位ほう素化合物が強い電子受容性を有し、電子輸送材料として好適であることを見出した。すなわち、本実施形態に係る四配位ほう素化合物を含む電子輸送材料によれば、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
具体的には、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物は、強い有機金属ルイス酸(Lewis acid)であるB(Cを有するため、配位中心のほう素が強い電子欠乏状態となっている。そのため、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物は、電子受容性が高く、かつLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)のエネルギーが深い(エネルギーの絶対値が大きい)。ここで、電子輸送能を向上させるためには、電子輸送材料は、電子受容性が高い化合物を含むことが好ましく、具体的にはLUMOのエネルギーが深い化合物を含むことが好ましい。したがって、本実施形態に係る電子輸送材料は、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物を含むことにより、電子輸送性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましい。
具体的には、上記一般式(1)では、Arは、置換基として重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましく、上記一般式(2)では、ArおよびArの少なくともいずれか一方は、置換基として重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましく、上記一般式(3)では、R〜Rの少なくともいずれか1つ以上は、置換基として重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましい。なお、上記一般式(3)では、R〜Rの少なくともいずれか1つ以上が、重水素原子または電子求引基であってもよい。
本実施形態に係る四配位ほう素化合物が、置換基として重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有する場合、配位中心のほう素は、さらに強い電子欠乏状態になる。これにより、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、より電子受容性が強くなり、LUMOのエネルギーを深くすることができる。そのため、本実施形態に係る四配位ほう素化合物を含む電子輸送材料は、電子輸送能をより向上させることができる。
なお、本実施形態に係る四配位ほう素化合物では、より多くの重水素原子または電子求引基を置換基として有するほど、配位中心のほう素をより強い電子欠乏状態とすることができる。したがって、電子受容性を強くし、LUMOのエネルギーをより深くするためには、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、より多くの重水素原子または電子求引基を置換基として有する方が好ましい。
また、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、置換基として、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましい。
具体的には、上記一般式(1)では、Arは、置換基としてハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましく、上記一般式(2)では、ArおよびArの少なくともいずれか一方は、置換基としてハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましく、上記一般式(3)では、R〜Rの少なくともいずれか1つ以上は、置換基としてハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有することが好ましい。なお、上記一般式(3)では、R〜Rの少なくともいずれか1つ以上が、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基であってもよい。
ここで、ハメット則とは、安息香酸に対する反応速度と、置換基で置換された安息香酸に対する反応速度との違いから、該置換基の電子求引性および電子供与性の強度を示した指標である。具体的には、ハメット則では、ハメットの置換基定数σの値によって置換基の電子求引性および電子供与性を評価しており、σ=0を境界として、σの値が正側に大きくなるほど電子求引性が強く、負側に大きくなるほど電子供与性が強いことを示す。
なお、ハメットの置換基定数σは、置換基の位置によってパラ(para)効果とメタ(meta)効果との2通りが定義されるが、本明細書において「ハメットの置換基定数σが0.07より大きい」とは、パラ効果およびメタ効果の両方において、ハメットの置換基定数σが0.07より大きいことを表す。
ハメットの置換基定数σが0.07以下の電子求引基は、置換基の電子求引性が弱いため、本実施形態に係る四配位ほう素化合物に対して置換しても、配位中心のほう素の電子欠乏状態に対する影響が小さい。そのため、本実施形態に係る四配位ほう素化合物に置換する電子求引基は、配位中心のほう素の電子欠乏状態に対して大きく影響を与えるような強い電子求引性を有することが好ましい。このような電子求引性の強さは、例えば、ハメットの置換基定数σにおいて、σ>0.07である。
このような電子求引性の強い置換基で置換されることにより、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、配位中心のほう素をさらに強い電子欠乏状態にすることができる。したがって、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、電子受容性がより強く、LUMOのエネルギーがより低くなるため、電子輸送材料としてさらに好適となり、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る四配位ほう素化合物に置換する電子求引基は、電子求引性が強い(すなわち、ハメットの置換基定数σが大きい)ほど、配位中心のほう素をより強い電子欠乏状態にすることができる。したがって、本実施形態に係る四配位ほう素化合物の電子受容性をより強くし、LUMOのエネルギーをより深くするためには、置換される電子求引基は、よりハメットの置換基定数σが大きいことが好ましい。
ここで、本実施形態に係る四配位ほう素化合物に置換する電子求引基の具体例としては例えば、ハロゲン原子、少なくとも1つ以上のハロゲン原子で置換されたメチル基、シアノ基、およびスルホン酸基等を挙げることができる。上述したような強い電子求引性を有する電子求引基は、本実施形態に係る四配位ほう素化合物の電子受容性を強くすることができ、LUMOのエネルギーを深くすることできるため、より好ましい。
なお、上述した本実施形態に係る四配位ほう素化合物のLUMOのエネルギー準位は、具体的には、−6.0eV以上−3.4eV以下であることが好ましい。本実施形態に係る四配位ほう素化合物のLUMO準位が上述した範囲内である場合、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、電子輸送能がさらに向上し、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
なお、一般式(1)〜(3)において、環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基の代表例としては、フェニル(phenyl)基、ビフェニル(biphenyl)基、ターフェニル(terphenyl)基、ナフチル(naphthyl)基、アントリル(anthryl)基、フェナントレニル(phenanthrenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、インデニル(indenyl)基、ピレニル(pyrenyl)基、フルオランテニル(fluoranthenyl)基、トリフェニレニル(triphenylenyl)基、ピラジニル(pyrazinyl)基、ピロリル(pyrrolyl)基、ピリジル(pyridyl)基、ピリミジル(pyrimidyl)基、ピリダジル(pyridazyl)基、ピラジル(pyrazinyl)基、フラニル(furanyl)基、ピラニル(pyranyl)基、チエニル(thienyl)基、キノリル(quinolyl)基、イソキノリル(isoquinolyl)基、ベンゾフラニル(benzofuranyl)基、ベンゾチエニル(benzothienyl)基、インドリル(indolyl)基、ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)基、ベンゾチアゾリル(benzothiazolyl)基、キノキサリル(quinoxalyl)基、ベンゾイミダゾリル(benzoimidazolyl)基、ピラゾリル(pyrazolyl)基、テトラゾリル(tetrazolyl)基、イミダゾリル(imidazolyl)基、オキサゾリル(oxazolyl)基、イソオキサゾリル(isoxazolyl)基、チアゾリル(thiazolyl)基、イソチアゾリル(isothiazolyl)基、およびジベンゾヘテロリル(dibenzoheterolyl)基などを挙げることができる。
また、一般式(1)〜(3)において、炭素数1以上20以下のアルキル基の代表例としては、メチル(methyl)基、エチル(ethyl)基、プロピル(propyl)基、ブチル(butyl)基、オクチル(octyl)基、デシル(decyl)基、ペンタデシル(pentadecyl)基等の直鎖状アルキル基、およびt−ブチル基等の分岐状アルキル基などを挙げることができる。
以下において、上述した本実施形態に係る四配位ほう素化合物の具体的な例示である化合物1〜24の構造式を示す。しかしながら、本実施形態に係る四配位ほう素化合物が下記の化合物に限定されるわけではない。なお、下記の構造式において、環中に「F」を記載したベンゼン環は、当該ベンゼン環の置換可能な水素が全てフッ素で置換されていることを示す。
以上説明したように、本実施形態に係る電子輸送材料は、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物を含む。上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物は、強い電子受容性を有し、LUMOの値が低いため、本実施形態に係る電子輸送材料の電子輸送能を向上させることができる。また、本実施形態に係る電子輸送材料を用いた有機EL素子は、発光効率を向上させることができる。
<2.本発明の一実施形態に係る有機EL素子>
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係る電子輸送材料を含む有機EL素子について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機EL素子の一構成例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180とを備える。
本実施形態に係る四配位ほう素化合物を含む電子輸送材料は、第1電極120および第2電極180の間の有機層のいずれかに用いられる。例えば、本実施形態に係る四配位ほう素化合物を含む電子輸送材料は、電子輸送層160に用いられてもよい。
基板110は、一般的な有機EL素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
基板110上には、第1電極120が形成される。第1電極120は、例えば、陽極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が大きいものによって透過型電極として形成される。具体的には、第1電極120は、透明であり、導電性に優れる酸化インジウムスズ(In−SnO:ITO)、酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等で形成されてもよい。また、第1電極120は、上記透明導電膜と、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを積層した反射型電極として形成されてもよい。
第1電極120上には、正孔注入層130が形成される。正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする機能を備えた層であり、例えば、約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。
正孔注入層130は、公知の正孔注入材料にて形成されてもよい。正孔注入層130を形成する公知の正孔注入材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(TPAPEK)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(PPBI)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、または、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)等を挙げることができる。
正孔注入層130上には、正孔輸送層140が形成される。正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を備えた層であり、例えば、約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。なお、正孔輸送層140は複数層にて形成されてもよい。
正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料にて形成されてもよい。公知の正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N−phenylcarbazole)、ポリビニルカルバゾール(polyvinylcarbazole)などのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)等を挙げることができる。
正孔輸送層140上には、発光層150が形成される。発光層150は、蛍光、りん光等によって光を発する層であり、例えば、約10nm〜約60nmの厚さにて形成される。発光層150の発光材料としては、公知の発光材料を用いることができる。具体的には、公知の発光材料であるフルオランテン(fluoranthene)誘導体、スチリル(styryl)誘導体、ピレン(pyrene)誘導体、アリールアセチレン(arylacetylene)誘導体、フルオレン(fluorene)誘導体、ペリレン(perylene)誘導体、クリセン(chrysene)誘導体等を用いることができる。また、好ましくは、スチリル誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、アントラセン誘導体を用いることができる。例えば、発光層150の発光材料として、下記の一般式(4)で表わされるアントラセン誘導体を用いてもよい。
上記一般式(4)において、
Arは、互いに独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上50以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上50以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上50以下のアルコキシ(alkoxy)基、置換もしくは無置換の炭素数7以上50以下のアラルキル(aralkyl)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリールオキシ(aryloxy)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリールチオ(arylthio)基、置換もしくは無置換の炭素数2以上50以下のアルコキシカルボニル(alkoxycarbonyl)基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシリル(silyl)基、カルボキシ(carboxy)基、ハロゲン(halogen)原子、シアノ(cyano)基、ニトロ(nitro)基、またはヒドロキシ(hydroxy)基であり、
nは、1以上10以下の整数である。
具体的には、Arは、互いに独立して、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェニルナフチル基、ナフチルフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、アセトナフテニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、およびジベンゾチエニル基などであってもよい。また、好ましくは、Arは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基などであってもよい。
上記の一般式(4)で表される化合物は、例えば、以下の構造式により表される化合物a−1〜a−12である。ただし、一般式(4)で表される化合物が、以下の化合物a−1〜a−12に限定されるわけではない。
また、発光層150には、スチリル誘導体として、例えば、1,4−bis[2−(3−N−ethylcarbazoryl)vinyl]benzene(BCzVB)、4−(di−p−tolylamino)−4’−[(di−p−tolylamino)styryl]stilbene(DPAVB)、N−(4−((E)−2−(6−((E)−4−(diphenylamino)styryl)naphthalen−2−yl)vinyl)phenyl)−N−phenylbenzenamine(N−BDAVBi)などが用いられてもよい。また、発光層150には、ペリレン誘導体として、例えば、2,5,8,11−tetra−t−butylperylene(TBPe)などが用いられてもよく、ピレン誘導体として、例えば、1,1−dipyrene、1,4−dipyrenylbenzene、1,4−bis(N,N−diphenylamino)pyreneなどが用いられてもよい。ただし、本発明は、上記の例示化合物に限定されるわけではない。
発光層150上には、電子輸送層160が形成される。電子輸送層160は、電子を輸送する機能を備えた層であり、例えば、約15nm〜約50nmの厚さにて形成される。
電子輸送層160は、本実施形態に係る電子輸送材料にて形成されることが好ましい。具体的には、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物にて形成されることが好ましい。
ただし、電子輸送層160は、本実施形態に係る電子輸送材料以外に公知の電子輸送材料をさらに含んでもよいことは言うまでもない。公知の電子輸送材料としては、例えば、tris(8−hydroxyquinolinato)aluminium(Alq3)、および含窒素芳香環を有する材料等を挙げることができる。含窒素芳香環を有する材料の具体例としては、例えば、1,3,5−tri[(3−pyridyl)−phen−3−yl]benzeneのようなピリジン(pyridine)環を含む材料、2,4,6−tris(3’−(pyridin−3−yl)biphenyl−3−yl)−1,3,5−triazineのようなトリアジン(triazine)環を含む材料、2−(4−(N−phenylbenzoimidazolyl−1−ylphenyl)−9,10−dinaphthylanthraceneのようなイミダゾール(imidazole)誘導体を含む材料等を挙げることができる。
電子輸送層160上には、電子注入層170が形成される。電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、約0.3nm〜約9nmの厚さにて形成される。電子注入層170は、電子注入層170を形成する材料として公知の材料ならば、いずれも使用することができる。例えば、電子注入層170は、リチウム8-キノリナート(Liq)、フッ化リチウム(LiF)等のLi錯体、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)等を使用して形成されてもよい。
電子注入層170上には、第2電極180が形成される。第2電極180は、例えば、陰極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が小さいもので反射型電極として形成される。第2電極180は、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)等の金属、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等の金属の混合物で形成されてもよい。また、第2電極180は、上記金属材料の20nm以下の薄膜や、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛などの透明導電性膜によって透過型電極として形成されてもよい。
なお、上述した各層は、真空蒸着法、スパッタ(sputtering)法、各種塗布法など材料に応じた公知の適切な成膜方法を選択することによって形成することができる。第1電極120および第2電極180の間に配置された各有機層は、例えば、真空蒸着法、各種塗布法等で形成することができる。また、第1電極120および第2電極180等の各金属層は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法等で形成することができる。
以上、本実施形態に係る有機EL素子100の一構成例について説明した。
なお、本実施形態に係る有機EL素子100の構成は、上記例示に限定されない。本実施形態に係る有機EL素子100は、公知の他の様々な有機EL素子の構成にて形成されてもよい。例えば、有機EL素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160および電子注入層170のうち1層以上を備えていなくともよく、また、他の層を備えていてもよい。さらに、有機EL素子100の各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
また、有機EL素子100は、三重項励起子または正孔が電子輸送層160に拡散することを防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層を備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、または、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成される。
<3.実施例>
以下では、実施例及び比較例を参照しながら、本実施形態に係る電子輸送材料および該電子輸送材料を含む有機EL素子について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも一例であって、本実施形態に係る電子輸送材料および有機EL素子が下記の例に限定されるものではない。
[四配位ほう素化合物の合成]
まず、本実施形態に係る四配位ほう素化合物の合成方法について、上記化合物1〜3、7、14および19の合成方法を例示して具体的に説明する。なお、以下に述べる合成方法はあくまでも一例であって、本実施形態に係る四配位ほう素化合物の合成方法が下記の例に限定されるものではない。
(化合物3の合成)
以下の反応式1によって、本実施形態に係る四配位ほう素化合物である化合物3を合成した。
0℃に維持したトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(tris(pentafluorophenyl)borane)(5g,9.8mmol)のペンタン(pentane)溶液(300ml)に、ベンゾチアゾール(benzothiazole)(0.3ml,2.8mmol)を滴下した。滴下後、反応溶液を0℃で1時間攪拌し、さらに室温で24時間攪拌した。反応後、生成物をろ別し、ペンタンで洗浄した後、真空乾燥することにより化合物Aを得た(1.9g,収率95%)。
合成した化合物Aに対して、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定(400MHz,CDCl)を行ったところ、H−NMRにて測定された化合物Aのケミカルシフト(chemical shift)値δは、9.44(d,1H),8.03(m,2H)、7.63(m,2H)であった。また、19F−NMRにて測定された化合物Aのケミカルシフト値δは、−133.9(t,6F),−155.4(t,3F)、−163.4(m,6F)であった。さらに、合成した化合物Aに対して、HRMS(High−Resolution Mass Spectrometry)測定を行ったところ、測定された化合物Aの分子量は646.99であった。したがって、化合物Aは、C25BF15NSであると同定された。
また、化合物A(1.2g,1.8mmol)に、ベンゼン/テトロヒドロフラン(benzene/tetrahydrofuran)(体積比10/1,200ml)を加え、−10℃まで冷却した。冷却後、混合物にメチルリチウム(methyllithium)(2ml,2.3mmol)を滴下し、さらに室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶媒を揮発させて濃縮し、アルミナカラム(alumina column)にて生成を行い、化合物3を得た(750mg,収率66%)。
合成した化合物3に対して、NMR測定(400MHz,CDCl)を行ったところ、H−NMRにて測定された化合物3のケミカルシフト値δは、8.06(m,1H),7.89(m,1H)、6.39(m,2H)であった。また、19F−NMRにて測定された化合物3のケミカルシフト値δは、−130.8(m,1F),−131.8(m,4F)、−137.5(m,1F)、−144.4(m,1F)、−154.9(m,1F)、−155.7(m,2F)、−162.5(m,4F)であった。さらに、合成した化合物3に対して、HRMS測定を行ったところ、測定された化合物3の分子量は627.16であった。したがって、化合物3は、C25BF14NSであると同定された。
なお、上記のNMR測定には、BRUKER社製AVANCE III 300を用い、HRMS測定には、JEOL社製JMS−700を用いた。また、後述するNMR測定およびHRMS測定についても同様にこれらの装置を用いて測定した。
(化合物1の合成)
上記反応式1において、ベンゾチアゾールに替えて、チアゾール(thiazole)を用いた以外は同様にして、化合物1を合成した。
(化合物2の合成)
上記反応式1において、ベンゾチアゾールに替えて、4−トリフルオロメチルチアゾール(4−(trifluoromethyl)thiazole)を用いた以外は同様にして、化合物2を合成した。
(化合物7の合成)
上記反応式1において、ベンゾチアゾールに替えて、6−トリフルオロメチルベンゾチアゾール(6−(trifluoromethyl)benzothiazole)を用いた以外は同様にして、化合物7を合成した。
(化合物14の合成)
上記反応式1において、ベンゾチアゾールに替えて、1−フェニルイミダゾール(1−phenylimidazole)を用いた以外は同様にして、化合物14を合成した。
(化合物19の合成)
上記反応式1において、ベンゾチアゾールに替えて、1−フェニル−6−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール(1−phenyl−6−(trifluoromethyl)imidazole)を用いた以外は同様にして、化合物19を合成した。
上記にて合成した化合物のうち、化合物1〜3、7、14および19について、それぞれHRMS測定により分子量を測定した。化合物1〜3、7、14および19の収率、分子量(計算値)および分子量(HRMS測定値)を表1に示す。
表1に示す結果を参照すると、合成した化合物1〜3、7、14および19は、計算上の分子量とHRMS測定結果の分子量とが高い精度で一致しており、反応式どおり目的物が合成されていることがわかる。
[有機EL素子の作製]
続いて、真空蒸着法を用いて、以下の手順にて本実施形態に係る電子輸送材料を含む有機EL素子を作製した。
(実施例1)
まず、あらかじめパターニング(patterning)した後、洗浄処理を施したITO−ガラス基板に、紫外線/オゾン(O)による表面処理を行った。なお、ITO−ガラス基板におけるITO膜(第1電極)の膜厚は、150nmであった。表面処理済の基板を有機層成膜用ガラスベルジャー(glass bell jar)型蒸着機に投入し、10−4〜10−5Paの真空度にて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層(ETL)を順に蒸着した。
正孔注入層は、4,4’,4’’−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)にて膜厚60nmで形成した。正孔輸送層は、4,4’−ビス(N,N’−(3−トリル)アミノ)−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD)にて膜厚30nmで形成した。また、発光層は、発光材料のホスト(host)材料として9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(ADN)を用い、ドーパント(dopant)材料として、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(TBP)を用いて膜厚25nmで形成した。なお、ドーパント材料のドープ(dope)量は、ホスト材料の総質量に対して3質量%とした。さらに、電子輸送層は、上記で合成した化合物1にて膜厚25nmで形成した。
続いて、金属成膜用ガラスベルジャー型蒸着機に基板を移し、10−4〜10−5Paの真空度にて、電子注入層、および第2電極を蒸着して、有機EL素子を作製した。なお、電子注入層は、LiFにて膜厚1nmで形成した。また、第2電極は、アルミニウム(Al)にて膜厚100nmで形成した。
なお、上記の有機EL素子の作製で用いた各化合物の構造式を以下に示す。
(実施例2)
電子輸送層(ETL)を化合物2にて形成した以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
(実施例3)
電子輸送層(ETL)を化合物3にて形成した以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
(実施例4)
電子輸送層(ETL)を化合物7にて形成した以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
(実施例5)
電子輸送層(ETL)を化合物14にて形成した以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
(実施例6)
電子輸送層(ETL)を化合物19にて形成した以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
(比較例1)
電子輸送層(ETL)をAlq3にて形成した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。なお、Alq3は、電子輸送材料として一般的に用いられている化合物である。
(比較例2)
電子輸送層(ETL)を下記の化合物c1にて形成した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。なお、化合物c1は、本実施形態に係る四配位ほう素化合物とは異なる四配位ほう素化合物である。
(比較例3)
電子輸送層(ETL)を下記の化合物c2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。なお、化合物c2は、本実施形態に係る四配位ほう素化合物とは異なる四配位ほう素化合物である。
[評価結果]
作製した実施例1〜6、比較例1〜3に係る有機EL素子の評価結果を以下の表2に示す。なお、作製した有機EL素子の発光特性の評価には、浜松ホトニクス製C9920−11輝度配向特性測定装置を用いた。また、下記の表2の結果は、電流密度10mA/cmにて測定した結果である。
表2に示す結果を参照すると、本実施形態に係る電子輸送材料(化合物1〜3、7、14および19)を用いた実施例1〜6は、比較例1〜3に対して、発光効率が向上していることがわかる。
具体的には、本実施形態に係る電子輸送材料を用いた実施例1〜6は、一般的な電子輸送材料を用いた比較例1に対して、発光効率が向上していることがわかる。また、本実施形態に係る電子輸送材料を用いた実施例1〜6は、本実施形態に係る四配位ほう素化合物とは異なる四配位ほう素化合物を電子輸送材料として用いた比較例2および3に対して、発光効率が向上していることがわかる。
また、電子求引基(トリフルオロメチル基)を有する化合物2を電子輸送材料として用いた実施例2は、電子求引基を有しない化合物1を用いた実施例1に対して、発光効率が向上していることがわかる。同様に、電子求引基(トリフルオロメチル基)を有する化合物7を電子輸送材料として用いた実施例4は、電子求引基を有しない化合物3を用いた実施例3に対して、発光効率が向上していることがわかる。したがって、本実施形態に係る四配位ほう素化合物は、電子求引基によって置換されることで電子受容性が強くなるため、電子輸送材料の電子輸送能が向上し、有機EL素子の発光効率を向上させることができることがわかる。
以上の結果から、本実施形態に係る電子輸送材料は、上述した一般式(1)〜(3)のいずれかで表される四配位ほう素化合物を含むことにより、有機EL素子の発光効率を向上させることが可能であるとわかる。すなわち、本実施形態に係る電子輸送材料は、有機EL素子の様々な用途における実用化に有用である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 有機EL素子
110 基板
120 第1電極
130 正孔注入層
140 正孔輸送層
150 発光層
160 電子輸送層
170 電子注入層
180 第2電極

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される四配位ほう素化合物を含む、電子輸送材料。
    上記一般式(1)において、
    Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
  2. 前記Arは、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有する、請求項1に記載の電子輸送材料。
  3. 前記Arは、置換基として、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有する、請求項2に記載の電子輸送材料。
  4. 下記一般式(2)で表される四配位ほう素化合物を含む、電子輸送材料。
    上記一般式(2)において、
    ArおよびArは、互いに独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
  5. 前記ArおよびArの少なくともいずれか一方は、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有する、請求項4に記載の電子輸送材料。
  6. 前記ArおよびArの少なくともいずれか一方は、置換基として、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有する、請求項5に記載の電子輸送材料。
  7. 下記一般式(3)で表される四配位ほう素化合物を含む、電子輸送材料。
    上記一般式(3)において、
    Xは、N−RまたはSであり、
    〜Rは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上50以下のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上50以下のヘテロアリール基である。
  8. 前記R〜Rの少なくともいずれか1つ以上は、置換基として、重水素原子または電子求引基を少なくとも1つ以上有する、請求項7に記載の電子輸送材料。
  9. 前記R〜Rの少なくともいずれか1つ以上は、置換基として、ハメットの置換基定数σが0.07より大きい電子求引基を少なくとも1つ以上有する、請求項8に記載の電子輸送材料。
  10. 前記電子求引基は、互いに独立して、ハロゲン原子、少なくとも1つ以上のハロゲン原子で置換されたメチル基、シアノ基、またはスルホン酸基のいずれかである、請求項3、6および9のいずれか一項に記載の電子輸送材料。
  11. 前記四配位ほう素化合物のLUMO準位のエネルギーは、−6.0eV以上−3.4eV以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電子輸送材料。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子輸送材料を電子輸送層に含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
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