JP2016126955A - 電子検出装置および走査電子顕微鏡 - Google Patents

電子検出装置および走査電子顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2016126955A
JP2016126955A JP2015001343A JP2015001343A JP2016126955A JP 2016126955 A JP2016126955 A JP 2016126955A JP 2015001343 A JP2015001343 A JP 2015001343A JP 2015001343 A JP2015001343 A JP 2015001343A JP 2016126955 A JP2016126955 A JP 2016126955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
secondary electrons
sample
detection
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015001343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6518442B2 (ja
Inventor
山下 健一
Kenichi Yamashita
健一 山下
工藤 政都
Masato Kudou
政都 工藤
元弘 中村
Motohiro Nakamura
元弘 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2015001343A priority Critical patent/JP6518442B2/ja
Publication of JP2016126955A publication Critical patent/JP2016126955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6518442B2 publication Critical patent/JP6518442B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】S/Nの良い検出信号を取得可能な電子検出装置を提供する。【解決手段】二次電子の検知面(受光面)Sを、一次電子線の光軸Oの周りに当該光軸Oと平行になるように形成し、検知面Sの内側に円環状の分光器30を配置する。分光器30の外側に、内面が検知面Sとなるシールド部21を円環状に設け、その外側にシンチレータ部22を円環状に設け、試料から放出される二次電子をシンチレータ部22で光に変換し、シンチレータ部22から放出される光を検出信号として導出する。【選択図】図2

Description

本発明は、電子検出装置および走査電子顕微鏡に関し、特に、試料から放出される二次電子を検出する電子検出装置および当該電子検出装置を備える走査電子顕微鏡に関する。
試料に一次電子線(電子ビーム)を照射すると、試料からは、表面の原子を励起して得られる二次電子が放出される。この二次電子を検出することによって試料の表面を観察することができる。そのため、試料の表面を観察する走査電子顕微鏡は、試料から放出された二次電子を検出する電子検出装置を備えている。
ところで、試料に一次電子線を照射すると、試料からは、一次電子線の光軸を中心として二次電子が放射状に放出される。これに対して、従来の電子検出装置は、一次電子線の光軸の軸周り方向において、一箇所だけに配置されており、試料から放射状に放出される二次電子の一部のみを検出するようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−67139号公報
しかしながら、従来使用されている一般的な円筒状の電子検出装置の場合、二次電子を検知する検知面が円形であり、その大きさに限りがあるため、試料から放射状に放出される二次電子の一部しか検出することができない。したがって、検出できる信号量が少ないため、二次電子に基づく信号とノイズとの比であるS/Nが悪かった。
そこで、本発明は、S/Nの良い検出信号を取得可能な電子検出装置および当該電子検出装置を備える走査電子顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電子検出装置は、
試料に照射された一次電子線に基づいて、前記試料から放出される二次電子を検出する電子検出装置であって、
前記一次電子線の光軸を囲うように設けられた、前記試料から放出される二次電子を検出する環状の検知部を備え、
前記検知部には、前記光軸と平行な面を有する検知面が環状に沿って形成されている
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の走査電子顕微鏡は、上記構成の電子検出装置を備えることを特徴とする。
上記構成の電子検出装置、あるいは、当該電子検出装置を備える走査電子顕微鏡において、二次電子の検知面Sが、一次電子線の光軸と平行な面であって当該光軸を囲うように環状に設けられているので、試料から放射状に放出される二次電子(電子エネルギー)を、光軸の軸周り方向において全体的に検知できる。
本発明によれば、試料から放射状に放出される二次電子を、一次電子線の光軸の軸周り方向に沿って全体的に検知できるので、検出できる信号量が多くなり、S/N(二次電子に基づく信号とノイズとの比)の良い検出信号を取得できる。
本発明の走査電子顕微鏡の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る電子検出装置の構成例を示す平面図である。 第1実施形態に係る電子検出装置で用いる円環状の分光器の構成の一例を示す断面図である。 実施例1に係る導光部を示す構成図である。 実施例2に係る導光部を示す構成図である。 本発明の第2実施形態に係る電子検出装置の構成例を示す平面図である。 第2実施形態に係る電子検出装置におけるダイノード部の各段のメッシュ電極に印加する電圧を生成する回路を含む電気系の回路構成の一例を示す回路図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本発明は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値などは例示である。本明細書および図面において、同一の構成要素又は実質的に同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付することとし、重複する説明は省略する。
<走査電子顕微鏡>
本発明の電子検出装置について説明する前に、当該電子検出装置を備える本発明の走査電子顕微鏡について説明する。図1は、本発明の走査電子顕微鏡の構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、走査電子顕微鏡1は、電子光学系10と電子検出装置20とを少なくとも備えており、電子検出装置20で検出した二次電子に基づいて試料2を特定する。電子光学系10は、一次電子線を試料2に照射する。電子検出装置20は、電子光学系10によって試料2に一次電子線を照射することで、試料2の表面の原子を励起して放出される二次電子を検出する二次電子検出装置である。
電子光学系10は、電子銃11、集束レンズ12、X方向走査用偏向器13、Y方向走査用偏向器14および対物レンズ15等によって構成されている。電子銃11は、電子プローブと呼ばれる細い電子線を出射する。集束レンズ12は、電子銃11から出射される電子線の太さを調整するためのものであり、例えば、磁石の作用を利用した磁界レンズからなる。
X方向走査用偏向器13は、試料2に照射する一次電子線をX方向(図の左右方向)に走査するためのものである。Y方向走査用偏向器14は、試料2に照射する一次電子線をY方向(紙面に垂直な方向)に走査するためのものである。このX方向走査用偏向器13およびY方向走査用偏向器14により、電子銃11から出射される電子線は、二次元的に走査される。対物レンズ15は、試料2に照射する一次電子線の最終的な径を決める焦点合わせのためのものであり、例えば、集束レンズ12と同様に磁界レンズからなる。
試料2に一次電子線を照射すると、試料2からは、一次電子線の光軸Oを中心として二次電子が放射状に放出される。電子検出装置20は、試料2から放出される二次電子(電子エネルギー)を検出する。ここでは、試料2と対物レンズ15との間に電子検出装置20を配置する構成としているが、これに限られるものではなく、電子光学系10の光路中の任意の位置に配置することが可能である。
また、電子検出装置20は、試料2から放射状に放出される二次電子を直接検出する構成のものに限られるものではない。例えば、電子光学系10の光軸Oに沿った光路中にドーナツ状の反射板を配置しておき、試料2から放出され、当該反射板で反射される二次電子を検出するようにしてもよい。
電子検出装置20の検出信号は、例えば増幅等の信号処理を施された後、表示装置(図示せず)に送られ、当該表示装置に二次電子の量に応じた明るさの変化を示す画像として表示される。
<電子検出装置>
電子検出装置20は、本発明の電子検出装置であり、一次電子線の光軸Oを囲うように設けられた、試料2から放出される二次電子を検出する環状の検知部を備え、この検知部には、光軸Oと平行な面を有する検知面(受光面)が環状に沿って形成されていることを特徴としている。ここで、「平行」とは、一次電子線の光軸Oに対して厳密に平行である場合の他、実質的に平行である場合も含む意味であり、設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。また、「環状」には、円環状の他、矩形状や楕円状も含まれるものとする。
電子検出装置20の二次電子の検知面が、一次電子線の光軸Oを囲む環状に沿って形成されていると、試料2から放射状に放出される二次電子(電子エネルギー)を、一次電子線の光軸Oの軸周り方向に沿って全体的に検知できる。これにより、電子検出装置20によって検出できる信号量が、光軸Oの軸周り方向において一部の電子しか検出することができなかった従来の電子検出装置に比べて多くなるため、二次電子に基づく信号とノイズとの比であるS/Nの良い検出信号を取得することができる。以下に、本発明の電子検出装置の実施形態について具体的に説明する。
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態に係る電子検出装置の構成例を示す平面図である。図2に示すように、第1実施形態に係る電子検出装置20Aは、検知部としての二次電子の検知面(受光面)Sが、一次電子線の光軸Oと平行な面であって当該光軸Oの周りを囲むように円環状に形成されている。すなわち、検知面Sは、円環状の検知部の全周にわたって形成されており、検知面Sも円環状に形成されている。検知面Sを円環状とすることにより、一次電子線の光軸Oの軸周り方向において、光軸Oから検知面Sまでの距離を均等にすることができ、精度のよい検出信号を取得することができる。また、検知面Sの内側であって光軸Oとの間には、例えば円環状の分光器30が配置されている。すなわち、円環状の分光器30は、電子検出装置20Aの中心部に設けられている。分光器30は、試料2から放射状に放出される二次電子を一次電子線の光軸Oと垂直な方向に分散させる。
(円環状の分光器)
図3は、円環状の分光器の構成の一例を示す断面図である。図3において、分光器30は、光軸O(回転軸Q)を中心とした同心円状に配置された2つの電極31,32と、これら2つの電極31,32の間に画定される空間を閉じるように設けられた、電極31,32と同電位の2つの電極33,34とを有している。分光器30はさらに、2つの電極31,32と2つの電極33,34とに囲まれた空間内に設けられた、これらの電極31〜34とは異なる電位を印加できる電極35と、さらに異なる電位を印加できる電極36とを有している。
これらの電極31〜36はいずれも、1つの回転中心軸Qを有する回転対称な形状となっている。したがって、図3の構成例の場合では、電極31,32,36は円筒面電極となり、電極33,34,35は円環形状の平面電極となる。また、下面側の電極34にはスリット37が形成され、外側の電極32にはスリット38が形成されている。電極34および電極32が1つの回転中心軸Qを中心とする回転対称な形状であることから、スリット37は円環型のスリットとなり、スリット38は円筒型のスリットとなる。
スリット37には、メッシュが張られている。このスリット37は、試料2から放出される二次電子を取り込む入口スリットとなる。スリット38は、取り込まれた二次電子を放出する出口スリットとなる。1つの回転中心軸Q上に試料2上の二次電子を放出する電子放出点Rをおくことで、回転中心軸Qと一次電子線の光軸Oとが一致する。ここで、「一致」とは、回転中心軸Qと一次電子線の光軸Oとが厳密に一致する場合の他、実質的に一致する場合も含む意味であり、設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
上記構成の分光器30において、電極31〜34によって囲まれた空間内の電極35と電極36とを適当な電位にすることで、入口スリット37から入ってきた二次電子は最初減速されながら偏向作用を受け、続いて加速されながら偏向作用を受ける。ここで、二次電子は、試料2の電子放出点Rから放出角度θ±Δθで放出されるものとする。減速の度合いはΔθの値がプラス側に大きいほど強いので、結果として強い偏向作用を受け、Δθの値がマイナス側に大きいほど弱い偏向作用を受ける。
その結果、試料2の電子放出点Rから放出角度θ±Δθで放出された二次電子は、電極32付近で収束し、特定のエネルギー範囲にある二次電子だけが出口スリット38から回転中心軸Qと垂直な方向に放出される。このようにして、分光器30は、試料2の電子放出点Rから放出される二次電子を一次電子線の光軸O(即ち、回転中心軸Q)と垂直な方向に放射状に分散させることができる。
図2において、分光器30の出口スリット38の外側には、円環状に形成された、電位を安定させるシールド部21が設けられている。シールド部21は、分光器30の外枠と同じ電位、即ち接地電位に保たれたグリッド(メッシュ電極)によって構成されており、分光器30側の面が二次電子を検知する検知部としての検知面Sとなる。シールド部21の外側には、円環状に形成された薄いシンチレータ部22が設けられている。シンチレータ部22には、場合によって数[kV]から十数[kV]程度の電圧が印加される。シンチレータ部22は、その外周に設けられた光透過材質からなるシンチレータ保持材23によって保持されている。
シールド部21は、シンチレータ部22の電位が分光器30の内部の電界に影響しないようにシールドする。分光器30の出口スリット38から放射状に放出された二次電子は、グリッドからなるシールド部21を通してシンチレータ部22に入射する。シンチレータ部22は蛍光物質であり、入射する二次電子を光に変換し、変換した光を光透過材質からなるシンチレータ保持材23を透して放射状に放出する。
第1実施形態に係る電子検出装置20Aは、シールド部21、シンチレータ部22およびシンチレータ保持材23に加えて、図4および図5に示すように、光検出部(光検出器)24と、シンチレータ部22から放射される光を光検出部24に導く導光部25と、を有する。導光部25としては、種々の構成のものを用いることができる。以下に、導光部25の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図4は、実施例1に係る導光部を示す構成図である。図4Aに平面図を示し、図4Bに側面図を示している。
図4Aに示すように、実施例1に係る導光部25は、2つの焦点を有する楕円形状の反射板からなる。この導光部25に対して、分光器30及びその外側に配される構成部材(シールド部21、シンチレータ部22等)はその中心(回転対称軸)の位置が、楕円形状の反射板の一方の焦点P1に位置するように配置される。また、光検出部24は、一般的なフォトマルチプライアなどからなり、その中心が楕円形状の反射板の他方の焦点P2に位置するように配置される。
上記の構成の楕円形状の反射板からなる導光部25を用いる電子検出装置20Aにおいて、分光器30の出口スリット38から放出された二次電子は、シールド部21のメッシュを抜けてシンチレータ部22にあたり、当該シンチレータ部22で光に変換されて放射状に放出される。シンチレータ部22には二次電子を加速し、発光効率を高めるために、数[kV]以上の電圧が印加されることがある。しかし、分光器30の出口スリット38の外側には、分光器30の外枠と同じ接地電位のシールド部21が設けられているため、分光器30の内部の電界には、シンチレータ部22に印加される電圧の影響が及ばない。シンチレータ部22から放射状に放出された光は、図中の矢印で示すように導光部25の楕円形状の反射面(反射板)にて反射される。
このとき、分光器30及びその外側に配される構成部材(シールド部21、シンチレータ部22等)はその中心が、楕円形状の反射板の一方の焦点P1に位置するように配置されている。したがって、分光器30の回転対称軸を中心に円環状に放出される二次電子に基づいて、シンチレータ部22から放射状に放出される光のほぼ全てが他方の焦点P2に集められる。この焦点P2の位置には光検出部24が配置されているため、分光器30から放射された二次電子に基づく放射状の光のほぼ全てを、光検出部24によって効率的に検出することができる。光検出部24の検出信号は、イメージ信号として表示装置(図示せず)に供給される。
(実施例2)
図5は、実施例2に係る導光部を示す構成図である。図5に示すように、実施例2に係る導光部25は、開口部25aを有する放物形状の反射板からなる。この導光部25に対して、分光器30及びそれを囲む部材(シールド部21、シンチレータ部22等)はその中心(回転対称軸)が、放物形状の反射板の焦点P3に位置するように配置される。光検出部24は、板状のフォトマルチプライアなどからなり、放物形状の反射板の開口部25aの近傍に開口をふさぐように配置される。
上記の構成の放物形状の反射板からなる導光部25を用いる電子検出装置20Aにおいて、分光器30の出口スリット38から放出された二次電子は、シールド部21のメッシュを抜けてシンチレータ部22にあたり、当該シンチレータ部22で光に変換されて放射状に放出される。接地電位のシールド部21の作用については上記の場合と同様である。シンチレータ部22から放射状に放出された光は、図中の矢印で示すように導光部25の放物形状の反射面(反射板)にて反射される。
このとき、分光器30及びその外側に配される構成部材(シールド部21、シンチレータ部22等)はその中心が、放物形状の反射板の焦点P3に位置するように配置されている。そのため、分光器30から放出される放射状の光のほぼ全てが平行光となって放物形状の反射板の開口部25aに向かう。この開口部25aを塞ぐように光検出部24が配置されているため、分光器30から放射された放射状の光のほぼ全てを、光検出部24によって効率的に検出することができる。光検出部24の検出信号は、イメージ信号として表示装置(図示せず)に供給される。
上述したように、第1実施形態に係る電子検出装置20Aによれば、二次電子の検知面Sが、一次電子線の光軸Oと平行な面であって当該光軸Oを囲うように円環状に設けられているので、試料2から放射状に放出される二次電子(電子エネルギー)を、光軸Oの軸周り方向において全体的に検知できる。
そして、実施例1にあっては、導光部25が楕円形状の反射板からなり、当該楕円形状の反射板の一方の焦点P1の位置に分光器30及びその外側に配される構成部材(シールド部21、シンチレータ部22等)が配置され、他方の焦点P2の位置に光検出部24が配置されている。これにより、分光器30から放出される二次電子に基づいて、シンチレータ部22から放出される光のほぼ全てを光検出部24に集光できる。
また、実施例2にあっては、導光部25が放物形状の反射板からなり、当該放物形状の反射板の焦点P3の位置に分光器30及びその外側に配される構成部材(シールド部21、シンチレータ部22等)が配置され、その開口部に板状の光検出部24が配置されている。これにより、分光器30から放出される二次電子に基づいて、シンチレータ部22から放出される光のほぼ全てを板状の光検出部24に集光できる。
これにより、実施例1の場合も、実施例2の場合も、分光器30から放射状に放出される二次電子に基づいてシンチレータ部22から放出される光のほぼ全てを、光検出部24によって効率的に検出することができる。その結果、試料2から放出される二次電子(電子エネルギー)について、電子検出装置20Aによって検出できる信号量が、従来の電子検出装置に比べて多くなるため、S/Nの良い検出信号を取得できる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る電子検出装置の構成例を示す平面図である。
図6に示すように、第2実施形態に係る電子検出装置20Bは、検知部としての二次電子の検知面(受光面)Sが、一次電子線の光軸Oに平行な面であって当該光軸Oの周りを囲むように環状、好ましくは円環状に沿って形成されている。また、検知面Sの内側であって光軸Oとの間には、分光器30が配置されている。すなわち、分光器30は、電子検出装置20Bの中心部に設けられている。分光器30は、試料2から放射状に放出される二次電子を一次電子線の光軸Oと垂直な方向に分散させる。分光器30としては、第1実施形態に係る電子検出装置20Aと同様に、先述した円環状の分光器(図3参照)を用いることができる。
この分光器30の出口スリット38の外側には、円環状に形成されたシールド部21が設けられている。シールド部21は、分光器30の外枠と同じ電位、即ち接地電位に保たれたグリッドによって構成されており、その内面が二次電子を検知する検知面Sとなる。シールド部21の外側には、電子増倍管としての機能を有する円環状に形成されたダイノード部26が設けられている。
ダイノード部26は、環状に形成された表面が電子放射材で覆われた複数のメッシュ電極が、一次電子線の光軸Oを中心とした同心円状に配置された多段構成となっている。ダイノード部26の各段のメッシュ電極には、光軸O側(内側)から外側に向けて順に高くなるプラスの電圧が印加される。
図7に、ダイノード部26の各段のメッシュ電極に印加する電圧を生成する回路を含む電気系の回路構成の一例を示す。ここで、多段構成のダイノード部26をn段の構成、即ちn個(n段)のメッシュ電極(ダイノード)からなる構成とする。そして、n段のメッシュ電極に印加する電圧を内側から外側に向けて順にD1,D2,・・・,Dn(D1<D2<・・・<Dn)とする。
図7に示すように、ダイノード部26に印加する電圧を生成する回路28は、例えば、接地(GND)と直流電源HVとの間に、n+1個の抵抗素子R1,R2,・・・,Rn+1が直列に接続された分圧回路の構成となっている。そして、分圧回路28において、抵抗素子R1,R2,・・・,Rn+1の各接続ノードN1,N2,・・・,Nnから、内側から外側に向けて順に高くなる電圧D1,D2,・・・,Dnが導出され、各段のメッシュ電極に印加される。
各段のメッシュ電極に電圧D1,D2,・・・,Dnが印加されたダイノード部26において、内側の1段目のメッシュ電極(ダイノード)に二次電子が入射すると、複数個の二次電子が放出される。1段目のメッシュ電極から放出された二次電子が2段目のメッシュ電極に入射すると、さらに多くの二次電子が放出される。この過程が次々と繰り返されることによって二次電子が増倍されることになる。
ダイノード部26の外側には、電子を収集する電子収集部の一例であるアノード部27が円環状に設けられている。アノード部27には、収集した二次電子の量に応じた電流が流れる。図7に示すように、アノード部27と直流電源HVとの間には電流計測器29が接続されている。そして、アノード部27で収集された電子の量に応じて、電流計測器29によってアノード部27に流れる電流の計測が行われる。
上記構成の第2実施形態に係る電子検出装置20Bにおいて、分光器30の出口スリット38から放出された二次電子は、シールド部21のメッシュを抜けた後、ダイノード部26の1段目のメッシュ電極(ダイノード)に印加されたプラス電位によって加速される。なお、分光器30の出口スリット38の外側には、分光器30の外枠と同じ接地電位のシールド部21が設けられているため、分光器30の内部の電界には、1段目のメッシュ電極に印加される電圧の影響が及ばない。
ダイノード部26のメッシュ電極に衝突した二次電子は、外側に向かうに連れて増加する増倍作用を起こす。そして、最外側のメッシュ電極によって増倍された二次電子は、アノード部27で収集される。これにより、アノード部27に二次電子の量に応じた電流が流れ、この電流が電流計測器29によって検出される。
上述したように、第2実施形態に係る電子検出装置20Bによれば、二次電子の検知面Sが、一次電子線の光軸Oと平行な面であって当該光軸Oを囲うように円環状に設けられているので、試料2から放射状に放出される二次電子(電子エネルギー)を、光軸Oの軸周り方向において全体的に検知できる。そして、第2実施形態に係る電子検出装置20Bでは、円環状の検知面Sで検知した二次電子を、円環状のダイノード部26で増倍し、最外側に配置された円環状のアノード部27で収集し、電流として検出するようにしている。
これにより、試料2から放出される二次電子(電子エネルギー)を効率的に検出することができる。その結果、試料2から放出される二次電子(電子エネルギー)について、電子検出装置20Bによって検出できる信号量が、従来の電子検出装置に比べて多くなるため、S/Nの良い検出信号を取得できる。
<変形例>
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上記の各実施形態では、分光器30を備え、当該分光器30によって一次電子線の光軸Oに垂直な方向に分散させることによって得られる二次電子を円環状の検知面Sで検知するとしたが、本発明は分光器30を備えない構成の場合にも適用可能である。また、検知面Sは、環状の検知部の全周にわたって連続に形成したが、検知面が形成されていない部分を含むように形成してもよい。
具体的には、例えば、試料2から放射状に放出される二次電子(電子エネルギー)を直接検知面Sで検知するようにすることもできる。また、電子光学系10の光路中にドーナツ状の反射板を配置しておき、試料2から放出され当該反射板で反射される二次電子を円環状の検知面Sで検知するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、分光器30の外側に配されるシールド部21、シンチレータ部22、ダイノード部26、アノード部27等の構成部材を円環状とし、検知面Sを円環状としたが、円環状に限られるものではなく、例えば矩形環状であってもよい。
1…走査電子顕微鏡、2…試料、10…電子光学系、11…電子銃、12…集束レンズ、13…X方向走査用偏向器、14…Y方向走査用偏向器、15…対物レンズ、20…電子検出装置、20A…第1実施形態に係る電子検出装置、20B…第2実施形態に係る電子検出装置、21…シールド部、22…シンチレータ部、24…光検出部(光検出器)、25…導光部、26…ダイノード部、27…アノード部、30…分光器、S…二次電子の検知面(受光面)

Claims (8)

  1. 試料に照射された一次電子線に基づいて、前記試料から放出される二次電子を検出する電子検出装置であって、
    前記一次電子線の光軸を囲うように設けられた、前記試料から放出される二次電子を検出する環状の検知部を備え、
    前記検知部には、前記光軸と平行な面を有する検知面が環状に沿って形成されている
    ことを特徴とする電子検出装置。
  2. 前記検知部の環状は、前記一次電子線の光軸を中心とする円環形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子検出装置。
  3. 前記検知部の外側に設けられた、電位を安定させる環状のシールド部と、
    前記シールド部の外側に設けられた、前記試料から放出された二次電子を光に変換する環状のシンチレータ部と、
    前記シンチレータ部から放出された光を検出する光検出部と、
    前記シンチレータ部から放出された光を前記光検出部に導く導光部と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子検出装置。
  4. 前記導光部は、2つの焦点を有する楕円形状の反射板からなり、
    前記シールド部および前記シンチレータ部は、前記楕円形状の反射板の一方の焦点上に位置するように配置され、
    前記光検出部は、前記楕円形状の反射板の他方の焦点上に位置するように配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子検出装置。
  5. 前記導光部は、焦点を有する開口部を備えた放物形状の反射板からなり、
    前記シールド部および前記シンチレータ部は、前記放物形状の反射板の焦点上に位置するように配置され、
    前記光検出部は、前記放物形状の反射板の開口部の近傍に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子検出装置。
  6. 前記検知部の外側に設けられた、電位を安定させる環状のシールド部と、
    前記シールド部の外側に設けられた、複数の環状電極からなる多段構成のダイノード部と、
    前記ダイノード部の外側に設けられた、前記ダイノード部から放出される二次電子を収集する環状の電子収集部と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子検出装置。
  7. 前記検知部の内側に設けられた、前記試料から放出される二次電子を前記一次電子線の光軸と垂直な方向に分散させる環状の分光器を有する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子検出装置。
  8. 試料に一次電子線を照射し走査する電子光学系と、
    前記電子光学系によって前記試料に照射された一次電子線に基づいて、前記試料から放出される二次電子を検出する電子検出装置と、を備えた走査電子顕微鏡であって、
    前記電子検出装置は、
    前記一次電子線の光軸を囲うように設けられた、前記試料から放出される二次電子を検出する環状の検知部を備え、
    前記検知部には、前記光軸と平行な面を有する検知面が環状に沿って形成されている
    ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
JP2015001343A 2015-01-07 2015-01-07 電子検出装置および走査電子顕微鏡 Active JP6518442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001343A JP6518442B2 (ja) 2015-01-07 2015-01-07 電子検出装置および走査電子顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001343A JP6518442B2 (ja) 2015-01-07 2015-01-07 電子検出装置および走査電子顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016126955A true JP2016126955A (ja) 2016-07-11
JP6518442B2 JP6518442B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=56356817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015001343A Active JP6518442B2 (ja) 2015-01-07 2015-01-07 電子検出装置および走査電子顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6518442B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51110965A (ja) * 1975-03-06 1976-09-30 Ibm
JPS58148867U (ja) * 1982-03-30 1983-10-06 株式会社島津製作所 2次電子検出装置
JPS59125058U (ja) * 1983-02-10 1984-08-23 日本電子株式会社 荷電粒子線装置における二次電子検出装置
JPS62190641A (ja) * 1986-01-27 1987-08-20 シ−メンス、アクチエンゲゼルシヤフト 試料上での二次粒子の検知方法および装置
JPH02304316A (ja) * 1989-05-18 1990-12-18 Res Dev Corp Of Japan 超高感度光計測装置
JPH03102756A (ja) * 1989-09-14 1991-04-30 Murata Mfg Co Ltd 放射状二次電子増倍管

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51110965A (ja) * 1975-03-06 1976-09-30 Ibm
JPS58148867U (ja) * 1982-03-30 1983-10-06 株式会社島津製作所 2次電子検出装置
JPS59125058U (ja) * 1983-02-10 1984-08-23 日本電子株式会社 荷電粒子線装置における二次電子検出装置
JPS62190641A (ja) * 1986-01-27 1987-08-20 シ−メンス、アクチエンゲゼルシヤフト 試料上での二次粒子の検知方法および装置
JPH02304316A (ja) * 1989-05-18 1990-12-18 Res Dev Corp Of Japan 超高感度光計測装置
JPH03102756A (ja) * 1989-09-14 1991-04-30 Murata Mfg Co Ltd 放射状二次電子増倍管

Also Published As

Publication number Publication date
JP6518442B2 (ja) 2019-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013535800A (ja) 荷電粒子検出器
US10236155B2 (en) Detection assembly, system and method
JP6124679B2 (ja) 走査荷電粒子顕微鏡および画像取得方法
US8354638B2 (en) Electron detection device and scanning electron microscope
JP2014238962A (ja) 電子線装置
JP6880209B2 (ja) 走査電子顕微鏡
US9460886B2 (en) High resolution high quantum efficiency electron bombarded CCD or CMOS imaging sensor
US9018581B2 (en) Transmission electron microscope
US9543115B2 (en) Electron microscope
US10121633B2 (en) Energy discriminating electron detector and scanning electron microscope using the same
JP6518442B2 (ja) 電子検出装置および走査電子顕微鏡
US9613781B2 (en) Scanning electron microscope
JP4920539B2 (ja) カソードルミネッセンス測定装置及び電子顕微鏡
JP2002324510A (ja) 走査電子顕微鏡
JP6754780B2 (ja) 試料分析装置及び試料分析装置用集光ミラーユニット
JP2012248304A (ja) 電子検出装置および電子検出方法
EP0295653B1 (en) High luminosity spherical analyzer for charged particles
US11348757B2 (en) Charged particle beam device
JPWO2008114684A1 (ja) エネルギー分析器、2次元表示型エネルギー分析器および光電子顕微鏡
RU2704330C1 (ru) Фотоэмиссионный профилометр лазерного луча
JPH08506447A (ja) 分光計
JP2016139607A (ja) 走査型電子顕微鏡
JP6228870B2 (ja) 検出器および荷電粒子線装置
JP2002141015A (ja) 基体検査装置及び方法
JPH02304316A (ja) 超高感度光計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6518442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150