JP2016126699A - 自動車用電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不揮発性メモリのユーザ領域に格納される制御プログラムの不具合によりマイコンが正常動作しない場合であっても、外部からの制御プログラムの書き換えを可能にできる、自動車用電子制御装置を提供する。【解決手段】本願発明に係る自動車用電子制御装置1は、電気的に消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリ22を備えたマイクロコンピュータ2と、外部通信インターフェース4とを含む。外部通信インターフェース4は、マイクロコンピュータ2が特定処理を繰り返すループ状態になったときに、不揮発性メモリ22のユーザ領域の書き換えを可能とするブートモードに設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用電子制御装置に関し、詳しくは、電気的に消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリに外部からデータを書き込む処理に関する。
特許文献1には、プログラムが記憶されていない状態のROMを実装した場合又はプログラム更新のために旧プログラムに上書きする必要がある場合に、ROMの内容に依存せずに外部通信インターフェース手段を通して直接CPUに命令を与えて動作させ制御装置がプログラムをもっていなくてもROMに書き込むことができるようにした、BOOTローダー回路が開示されている。
特許文献2には、動作モードを選択する動作モード選択スイッチによりIPL(イニシャル・プログラム・ローディング)動作モードが選択された場合に、CPUの動作を停止させ、RAMをIPL動作モードに応じたエリアにマッピングし、通信手段を介して外部より転送されるIPLプログラムをRAMに書き込んだ後に、CPUの動作の停止を解除する動作モード制御ユニットを備え、RAMに書き込まれたIPLプログラムをCPUにより実行して、システムプログラムをダウンロードする、プロセッサシステムが開示されている。
特開平11−149376号公報 特許第4908665号公報
ところで、電気的に消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリを備えたマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を含む自動車用電子制御装置において、例えば、不揮発性メモリのユーザ領域に格納されている制御プログラムの不具合によりプログラムリセットと復帰とが繰り返されるループ状態になると、マイコンは、外部からの制御プログラムの書き換え要求に応答して書き換えを実行することができなくなり、結果、不具合プログラムの書き換えが不能になって電子制御装置が使用不能になるという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、制御プログラムの不具合などによりマイコンが正常動作しない場合であっても外部からのプログラムの書き換えを可能にできる、自動車用電子制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本願発明に係る自動車用電子制御装置は、電気的に消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリを備えたマイクロコンピュータを含む自動車用電子制御装置であって、前記マイクロコンピュータが特定処理を繰り返すループ状態になったときに、前記不揮発性メモリのユーザ領域の書き換えを可能とするブートモードに設定するブートモード設定ユニットを有する。
上記発明によると、不具合プログラムなどによってマイクロコンピュータがループ状態になった場合、外部との通信が不能になるなどして不具合プログラムの書き換えが不能になるが、起動時のROM読み出しを、ユーザ領域の書き換えが可能なブートモードに設定するから、不具合プログラムの書き換えを行えるようになる。
本発明に係る自動車用電子制御装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る自動車用電子制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る自動車用電子制御装置の一例を示すブロック図である。
図1の自動車用電子制御装置1は、エンジン、自動変速機、エアコンディショナーなどの車両搭載機器を制御する装置であり、マイクロコンピュータ2、監視IC3、外部通信インターフェース4(ブートモード設定ユニット)などを備える。
マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)2は、CPU(中央演算処理装置)21、フラッシュROM(不揮発性メモリ)22、RAM(揮発性メモリ)23などを含んで構成される。
フラッシュROM22は電気的に消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリであり、フラッシュROMに代えてEEPROMなどの他の不揮発性メモリを用いることができる。
監視IC(ウォッチドッグタイマ)3は、マイコン2が出力するプログラムラン信号P−RUNを入力し、プログラムラン信号P−RUNに異常が生じるとマイコン2にリセット信号を出力する。
外部通信インターフェース4には、フラッシュROM22に格納されている制御プログラムやデータなどを書き換えるための外部機器である書き込みツール6などが直接又はCAN(Controller Area Network)を介して接続される。
書き込みツール6は、書き込みデータをマイコン2に転送する外部ツールであり、例えば、自動車の組み立て工場や整備工場などに配備され、フラッシュROM22に格納されているプログラムやデータを書き換える場合に電子制御装置1に接続され、書き込みツール6とマイコン2との間における信号の送受信は外部通信インターフェース4を介して行われる。
書き込みツール6とマイコン2との間で送受信される信号には、書き込みツール6がマイコン2に向けて送信する書き込みデータ(更新プログラム、修正データなど)の他、書き込みツール6がマイコン2に向けて送信する書き込み要求信号や、マイコン2が書き込みツール6に向けて送信する応答信号などが含まれる。
外部通信インターフェース4は、書き込みツール6からの書き込みデータや書き込み要求信号を入力してこれらの信号をマイコン2に送信し、マイコン2からの応答信号を入力して係る応答信号を書き込みツール6に送信する。
マイコン2は、書き込みツール6から送信された書き込み要求信号に基づき書き込みプログラムを起動し、フラッシュROM22のユーザ領域のデータを書き込みツール6から送信される書き込みデータに基づき書き換えると共に、書き込みツール6に向けて応答信号(書き込みデータの送信要求信号、書き込み単位領域毎の書き込み完了信号など)を送信する。
なお、フラッシュROM22には、データ書き換えを行わない書き換え禁止領域(システム領域、システムメモリ領域)が設定され、この書き換え禁止領域には、フラッシュROM22のユーザ領域(ユーザメモリ領域、書き換え領域)でのデータの消去・書き込みを制御する書き込みプログラムが格納される。
そして、マイコン2は、不揮発性メモリ22の書き換え禁止領域に格納されている書き込みプログラムに従って不揮発性メモリ22のユーザ領域に格納されているデータや制御プログラムなどの書き換えを行う。
また、外部通信インターフェース4は、監視IC3によるリセット信号を入力し、マイコン2の起動時のROM読み出しを指定するモード切替要求信号を出力する機能(ブートモード設定ユニット、ROM読み出し選択回路としての機能)を有している。
起動時のROM読み出しとして、ユーザ領域(ユーザフラッシュメモリ)からプログラムを読み出し始める通常モードと、システム領域(システムメモリ)からプログラムを読み始めることでユーザ領域の書き換えを可能にするブートモード(書き換えモード)とのいずれかがモード切替要求信号(ブートモード制御信号)により設定される。
そして、外部通信インターフェース4は、マイコン2のリセット信号やマイコン2が書き込みツール6に向けて送信する応答信号などに基づいて、通常モードとブートモードとのいずれかを選択し、当該選択に応じたモード切替要求信号をマイコン2に送信する。
このように、外部通信インターフェース4は、マイコン2と外部の書き込みツール6との間での通信を媒介する本来的な機能の他に、マイコン2の起動時におけるモードを決定し、当該決定に基づきマイコン2の起動時のROM読み出しを制御するブートモード設定ユニットとしての機能を有している。
次に、マイコン2の起動時のROM読み出しを選択する制御、換言すれば、通常モードとブートモードとの選択制御の一例を、図2のフローチャートに従って詳述する。
図2のフローチャートは、外部通信インターフェース4によるブートモード設定ユニットとしての処理の流れを示す。
まず、外部通信インターフェース4は、ステップS101にて、書き込みツール6の書き込み要求(不揮発性メモリ22の書き換え要求、更新要求)がマイコン2に向けて送信されているか否かを検出する。
そして、書き込み要求がない場合、つまり、書き込みツール6を用いたメモリ書き換えが行われない場合、外部通信インターフェース4は、ステップS102に進み、マイコン2をリセットするリセット信号が発生しているか否か(監視IC3がリセット信号をマイコン2に出力しているか否か)を検出する。
書き込み要求がなくかつリセット信号の発生がない場合、外部通信インターフェース4は、ステップS103にて、起動モードとして通常モードを選択するモード切替要求信号を出力する。つまり、不揮発性メモリ22の書き換えが行われず、マイコン2が正常に動作する状態(監視IC3によってマイコン2がリセットされない状態)では、外部通信インターフェース4は、マイコン2が通常モードで起動するように設定する。
一方、マイコン2をリセットするリセット信号が発生している場合、外部通信インターフェース4は、ステップS104に進み、リセット信号の発生が所定以上に継続しているか否かを検出する。
外部通信インターフェース4は、例えば、所定時間mの間でリセット信号の発生数を計数し、リセット信号がn(n≧2)回以上連続して発生したときに、リセット信号の発生が所定以上に継続していることを検出する。
なお、リセット信号の発生が所定以上に継続している状態は、マイコン2が特定処理(リセットと起動)を繰り返すループ状態である。
リセット信号が発生したものの、所定以上の継続状態に達していない単発的なリセット信号の発生状態である場合、制御プログラムの不具合やユーザ領域の故障などに因り今後もリセットが繰り返される場合と、リセット信号の発生が制御プログラムの不具合などに因る恒常的なものではなく、リセット信号の発生が一時的であってリセット信号の発生が途絶える場合との双方の可能性がある。
そこで、外部通信インターフェース4は、リセット信号の発生数の計数値を保持したままステップS101へ戻り、書き込み要求の有無を検出し、書き込み要求が無い状態であれば、リセット信号の発生が所定以上継続しているか否かを再度検出する。
そして、書き込み要求がなく、かつ、リセット信号の発生が所定以上継続しているループ状態になると、外部通信インターフェース4は、ステップS107に進み、ブートモードの設定を指令するモード切替要求信号をマイコン2に出力する。
つまり、リセット信号の発生が所定以上継続していてマイコン2がループ状態になっている場合、フラッシュROM22のユーザ領域に格納されている制御プログラムの不具合(無限ループやゼロ割りなど)によって、監視IC3によるリセットが繰り返し実施されている可能性がある。
そこで、外部通信インターフェース4は、ブートモードでのマイコン2の起動を要求するモード切替要求信号を出力して、マイコン2の起動時にフラッシュROM22のシステム領域(システムメモリ)からプログラムを読み始めるようにする。フラッシュROM22のシステム領域は、フラッシュROM22のユーザ領域を書き換えるための書き換えプログラム(フラッシュブートローダ)が格納される領域であり、マイコン2を書き換えモードで起動させることで、フラッシュROM22のユーザ領域の書き換えが可能になる。
制御プログラムの無限ループやゼロ割りなどの不具合によってマイコン2のリセットが継続して繰り返されるループ状態になると、マイコン2は外部通信インターフェース4を介して書き込みツール6と通信することができなくなるため、不具合プログラムの書き換え(書き込み要求の受信に基づく書き込みプログラムの実行)が不能となる。
これに対し、外部通信インターフェース4は、マイコン2のリセットが継続的に繰り返されるループ状態になると、マイコン2をブートモードに移行させるので、マイコン2は、リセットによる再起動時においてフラッシュROM22のシステム領域(システムメモリ)からプログラムを読み始めるようになる。
つまり、マイコン2は、書き換えプログラムに基づいて書き込みツール6と通信して、フラッシュROM22のユーザ領域に格納されている不具合プログラムを書き換えることができるようになる。
一方、書き込みツール6の書き込み要求が発生すると、外部通信インターフェース4は、ステップS101からステップS105に進み、書き込みツール6の書き込み要求に呼応して、マイコン2が書き込みツール6に向けて応答信号を出力しているか否かを検出する。
マイコン2が書き込みツール6に向けて所期の応答信号を出力している状態は、正常に不揮発性メモリ22の書き換えが進められる状態であり、マイコン2をブートモードに移行させる必要はない。
そこで、外部通信インターフェース4は、ステップS103に進み、通常モードを選択するモード切替要求信号をマイコン2に出力する。
つまり、ステップS105からステップS103に進む状況は、通常モードで起動したマイコン2が、書き込みツール6からの書き込み要求を受けて応答信号を書き込みツール6側に返信し、フラッシュROM22のシステム領域から書き込みプログラムを読み出してフラッシュROM22のユーザ領域の制御プログラムなどを書き替えることができる状態である。そこで、外部通信インターフェース4は、マイコン2の起動モードを通常モードに保持させる。
一方、マイコン2が書き込みツール6に向けて所期の応答信号を出力していない場合、換言すれば、マイコン2と書き込みツール6との間での通信が成立していない場合、外部通信インターフェース4は、ステップS106に進み、マイコン2の応答信号がなかった状態が所定回数x(x≧2)以上連続しているか否かを検出する。
なお、書き込みツール6の書き込み要求に対してマイコン2が応答しない状態が所定以上に継続している状態は、マイコン2が特定処理(リセットと起動)を繰り返すループ状態である。
ここで、マイコン2からの応答がない状態が所定回数x以上連続していない場合、つまり、無応答状態の連続回数が所定回数x未満である場合、応答信号が出力されない状態が一時的であってマイコン2が応答信号を出力するようになる可能性があると共に、このまま無応答の状態を継続する可能性もある。
そこで、外部通信インターフェース4は、無応答の連続回数の計数値を保持したまま、ステップS101に戻り、書き込みツール6からの書き込み要求が継続していれば、再度ステップS105に進んで、マイコン2が無応答であるか否かを検出する。
一方、マイコン2からの応答がない状態が所定回数x以上連続している場合、マイコン2が不具合プログラムによって書き込みツール6に対して所期の応答をできない状態であって、マイコン2と書き込みツール6との間で通信によってフラッシュROM22のユーザ領域を書き換えることは不能である可能性が高い。
そこで、外部通信インターフェース4は、マイコン2からの応答がない状態が所定回数x以上連続している場合、ステップS107に進み、ブートモードを選択するモード切替要求信号を出力する。
これにより、マイコン2は、起動時にフラッシュROM22のシステム領域からプログラムの読み出しを開始し、システム領域に格納される書き換えプログラムによってフラッシュROM22のユーザ領域の書き換えを行えるようになる。
フラッシュROM22のユーザ領域に格納される制御プログラムの不具合によってマイコン2のリセットが繰り返されるループ状態では、マイコン2は、書き込みツール6と通信が行えず、書き込み要求に対して所期の応答信号を出力することができなくなり、書き換え処理が不能となる。
外部通信インターフェース4は、係る書き換え不能状態を、書き込み要求に対してマイコン2が連続して応答しないループ状態として検出し、マイコン2をブートモードに強制的に移行させる。
これにより、マイコン2は、リセットされたときにフラッシュROM22のシステム領域(書き換えプログラムの格納領域)からプログラムの読み出しを開始し、書き換えプログラムを読み出して、書き込みツール6との通信及びフラッシュROM22のユーザ領域の書き換えが行えるようになる。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
外部通信インターフェース4は、リセット信号の発生が所定以上に継続しているか否かに基づく起動モードの設定と、書き込みツール6の書き込み要求に対する無応答状態が所定以上に継続しているか否かに基づく起動モードの設定とのいずれか一方のみを実施することができる。
また、外部通信インターフェース4とは別に、上記のブートモード設定ユニットを、マイコン2と対を成すように設けることができる。この場合、ブートモード設定ユニットは、マイコン2側からリセット信号を入力し、また、マイコン2から外部通信インターフェース4に向けて送信される“書き込み要求に対する応答信号”を読み込み、マイコン2にモード切替要求信号を出力する。
更に、外部通信インターフェース4以外の監視IC3などのマイコン周辺装置が、上記のブートモード設定ユニットとしての機能を備えることができる。
1…自動車用電子制御装置、2…マイクロコンピュータ、3…監視IC、4…外部通信インターフェース、6…書き込みツール、21…CPU、22…フラッシュROM、23…RAM

Claims (4)

  1. 電気的に消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリを備えたマイクロコンピュータを含む自動車用電子制御装置であって、
    前記マイクロコンピュータが特定処理を繰り返すループ状態になったときに、前記不揮発性メモリのユーザ領域の書き換えを可能とするブートモードに設定するブートモード設定ユニットを有する、自動車用電子制御装置。
  2. 前記ループ状態は、前記マイクロコンピュータのリセット信号の発生が所定以上に継続する状態である、請求項1記載の自動車用電子制御装置。
  3. 前記ループ状態は、外部からの前記ユーザ領域への書き込み要求に前記マイクロコンピュータが応答しない状態が所定以上に継続する状態である、請求項1又は2記載の自動車用電子制御装置。
  4. 前記ブートモード設定ユニットは、外部機器と前記マイクロコンピュータとの間での通信を媒介する通信インターフェースを構成し、前記通信インターフェースは、前記マイクロコンピュータのリセット信号を入力し、前記マイクロコンピュータを前記ブートモードに設定するための制御信号を出力する、請求項1から3のいずれか1つに記載の自動車用電子制御装置。
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