JP2016126186A - レンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ装置10において、レンズ群保持部材12には第一の案内部材13回りに付勢部材による付勢力モーメントと、レンズ群の重量による自重力モーメントとがかかり、付勢力モーメントが自重力モーメントに負けた状態において、レンズ装置10を反転姿勢すると、第二の案内部材14とレンズ保持部材12とにおけるガタにより、レンズ群11を高精度に保持することができなかった。
【解決手段】付勢部材の付勢力による、第一の案内部材13の中心軸13a回りにかかる付勢力合成モーメントMSを、レンズ群11とレンズ群保持部材12との自重力から生じる、第一の案内部材13の中心軸13a回りにかかる自重力モーメントMGより大きくする。
【選択図】図6

Description

本発明は、レンズ装置に関する。
デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの光学機器に用いられるレンズ鏡筒では、高い位置精度で高速にフォーカスレンズやズームレンズを駆動するため、レンズの駆動源としてステッピングモータや超音波モータなどのアクチュエータを使用する。そして、特許文献1には、アクチュエータからの駆動力をガタ無く取り出すために、ねじりコイルばねなどの付勢部材によってラックとリードスクリューが噛みあう方向に付勢される構成が開示されている。また、ラックとリードスクリューの噛みあう力の反力は、レンズ保持部材を光軸方向にガイドするガイドバーに対してスリーブ部をガタ無く押しつける力としてレンズ保持部材にも作用する。
特開2013−156410号公報
特許文献1のようなレンズ鏡筒では、レンズ保持部材は、光軸方向に案内部材によってガイドされるため、アクチュエータの動力取り出し部に対する付勢力を受ける。レンズ保持部材にかかる案内部材回りのモーメントのつり合いを考えた時、付勢力によるモーメントとレンズ群の重量によるモーメントがある。例えば、付勢力によるモーメントがレンズ群の重量によるモーメントに負けていると、レンズ群を光軸に対して反転姿勢に保持した際に、レンズ保持部材が案内部材とレンズ保持部材のガタ分動いてしまう。それによって、レンズ群を高い精度に保持することができなかった。また、重量の大きなレンズを動かすために、アクチュエータの推進力が不足していた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、レンズ群を高精度に保持するレンズ装置を提供することを目的とする。
レンズ群と、該レンズ群を保持するレンズ群保持部材と、該レンズ群保持部材を光軸に沿って自在に移動可能に支持する案内部材と、前記レンズ群保持部材を光軸に沿って駆動するアクチュエータと、前記レンズ群保持部材と前記アクチュエータとを連結する連結部材と、前記レンズ群保持部材と前記連結部材とを付勢する付勢部材と、を備え、前記付勢部材の付勢力は、前記案内部材を中心軸とした付勢力モーメントを生じ、前記付勢力モーメントは、前記レンズ群と前記レンズ群保持部材との自重力から生じる前記案内部材を中心軸とした自重力モーメントよりも大きいことを特徴としている。
本発明によれば、レンズ群を高精度に保持するレンズ装置を提供することができる。
本発明のレンズ装置10の分解斜視図である。 第一の連結部材18の斜視図である。 レンズ群保持部材12の斜視図である。 図3の断面線IV−IVにおけるレンズ群保持部材12の組立断面図である。 第一の連結部材18と動力伝達部材30との連結構造を示す断面図である。 実施例1及び実施例2における中心軸13a回りのモーメントを示す断面図である。 レンズ群保持部材12の収容部12e及び第二の付勢部材21の詳細図である。 実施例1及び実施例2における第一の付勢部材19近傍の詳細図である。 実施例3及び実施例4における中心軸13a回りのモーメントを示す断面図である。 実施例3及び実施例4における第一の付勢部材19近傍の詳細図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。尚、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態であるレンズ装置10の分解斜視図である。なお、同一部材は同一記号で図示される。11は、光軸Oの方向に移動可能に支持されるレンズ群である。12はレンズ群11を保持するためのレンズ群保持部材である。レンズ群保持部材12は、レンズ群11を光軸Oと平行に自在に移動可能に支持するために、第一の案内部材13と第二の案内部材14とにより支持される。
第一の案内部材13は、レンズ群保持部材12に設けられたスリーブ部12d(図3参照)に、レンズ群保持部材12が第一の案内部材13の中心軸13aを中心とした回転方向に自由度を有するように収容される。第二の案内部材14は、レンズ群保持部材12の収容部12eに収容され(図7参照)、第一の案内部材13と一対でレンズ群保持部材12を光軸Oの方向に移動可能に支持する。第一の案内部材13と第二の案内部材14は、ともにベース部材15に固定される。
レンズ装置10は、少なくとも1つのアクチュエータを備える。16は、第一のアクチュエータであって、レンズ群保持部材12を駆動する。ここでは、駆動アクチュエータとして光軸Oの方向に直動する超音波モータを用いて例示するが、駆動アクチュエータはこれに限定されない。例えば、ステッピングモータやボイスコイルモータを使用しても同様に構成が可能である。また、レンズ装置10は、複数のアクチュエータを備える構成として、第二のアクチュエータ17を備えることも可能である。
レンズ装置10は、レンズ群保持部材12と第一のアクチュエータ16とを連結する第一の連結部材18を備える。図2を参照すると、第一の連結部材18は、第一の軸部18aと第二の軸部18bとを備え、第一の軸部18aを中心軸とした回転方向に自由度を持ってレンズ群保持部材12に固定される。また、第一の連結部材18は、動力取り出し部18cを備え、第一のアクチュエータ16と接続する。なお、複数のアクチュエータを備える構成としては、レンズ群保持部材12と第二のアクチュエータ17とを連結する第二の連結部材20を備える。
レンズ装置10は、レンズ群保持部材12と第一のアクチュエータ16とをガタ無く連結するために第一の付勢部材19を備える。より詳細には、第一の付勢部材19は、レンズ群保持部材12と第一の連結部材18とに付勢力を与える。また、第一の付勢部材19は、ねじりコイルばねと圧縮ばねの2つの作用を有する。なお、複数のアクチュエータを備える構成としては、レンズ群保持部材12と第二のアクチュエータ17とをガタ無く連結する、第二の付勢部材21を備える。第二の付勢部材21は、レンズ群保持部材12と第二の連結部材20とに付勢力を与える。以降、第一の連結部材18、第一の付勢部材19及び第一のアクチュエータ16の部材を中心に説明する。
図3は、レンズ群保持部材12の斜視図である。レンズ群保持部材12は、第一の連結部材18を保持するための第一の穴部12a及び第二の穴部12bを有する。第一の連結部材18の第一の軸部18aは、第一の穴部12aに収容され、第二の軸部18bは、第二の穴部12bに収容される。これにより、第一の連結部材18は、第一の軸部18aの軸回りに自在に回転可能に保持される。また、第一の連結部材18は、第一の付勢部材19の圧縮ばねの性質によって第一の軸部18aの軸方向にガタ寄せされ、接触面12cに接するように付勢される(図4参照)。
図4は、図3における切断線IV−IVによって切断された状態を示す斜視図であって、第一の連結部材18と第一の付勢部材19とがレンズ群保持部材12に組み込まれた状態を示す。第一の付勢部材19の一方は、第一の接触点19aにおいて第一の連結部材18と接触する。そして、第一の付勢部材19の他方は、第二の接触点19bにおいて、レンズ群保持部材12と接触する。第一の付勢部材19のねじりコイルばねの作用によって、第一の連結部材18とレンズ群保持部材12とに第一の付勢部材19の付勢力が与えられる。付勢力を与えられた第一の連結部材18は、動力取り出し部18cにおいて第一のアクチュエータ16と接触する。
図5は、動力取り出し部18cと第一のアクチュエータ16の動力伝達部材30との接触部を示す部分断面図である。動力取り出し部18cの形状は、V字状の溝形状となっている。第一の付勢部材19は、第一の連結部材18を図のAの方向に付勢するので、レンズ群保持部材12と第一のアクチュエータ16とをガタ無く連結することが可能である。
以上、レンズ群保持部材12が第一の連結部材18を保持し、第一の付勢部材19の付勢力により第一のアクチュエータ16にガタ無く連結される連結構造を説明した。複数のアクチュエータを備える構成としては、レンズ群保持部材12が第二の連結部材20を保持し、第二の付勢部材21により第二のアクチュエータ17に対してレンズ群保持部材12がガタ無く連結される。第二の連結部材20、第二の付勢部材21及び第二のアクチュエータ17の連結構造は、上述の第一の連結部材18、第一の付勢部材19及び第一のアクチュエータ16の連結構造とほぼ同様である。よって、第二の連結部材20、第二の付勢部材21及び第二のアクチュエータ17の連結構造の説明は省略する。
図6は、レンズ装置10の断面図であって、第一の付勢部材19、第二の付勢部材21による力、及びレンズ群11とレンズ群保持部材12の自重により発生する力、並びに中心軸13a回りのモーメントを示す。ここで、第一の付勢部材19がレンズ群保持部材12に与える付勢力を100、作用点を110、第二の付勢部材21がレンズ群保持部材12に与える付勢力を200、作用点を210とする。また、レンズ群11とレンズ群保持部材12の自重により発生する自重力を400、重心の位置を410とする。
図7は、レンズ群保持部材12の収容部12e付近の詳細を示す。第二の案内部材14は、レンズ群保持部材12の収容部12eの当接部12f又は当接部12gのどちらか一方に当接するように収容部12eに収容される。一方の当接部12fは、レンズ群保持部材12が中心軸13a回りに時計回りのモーメントを受ける際に、第二の案内部材14が収容部12eに当接する当接部である。他方の当接部12gは、レンズ群保持部材12が中心軸13a回りに反時計回りのモーメントを受ける際に、第二の案内部材14が収容部12eに当接する当接部である。
(実施例1)
実施例1は、図6において、第一のアクチュエータ16を1つ備える場合の実施形態である。第一の付勢部材19の近傍の詳細図である図8を参照する。作用点110は、第一の付勢部材19によって付勢力が及ぼされる点であり、第二の接触点19bが接触する点である。作用点110において、付勢力100は、中心軸13aと作用点110とを結んだ直線120と直交する方向の分力101と、直線120に平行な方向の分力102とに分解される。直線120の長さと分力101とを乗じた数値を中心軸13a回りの第一の付勢力モーメントm1とする。この第一の付勢力モーメントm1の方向は、図中の反時計回りである。すなわち、実施例1は、第一の付勢力モーメントm1の方向が中心軸13a回りに反時計回りとなるように第一の付勢部材19を配置した実施形態である。ここで、反時計回り(CCW)のモーメントの方向を第一の方向、時計回り(CW)のモーメントの方向を第二の方向と定める。
次に、図6を参照して、レンズ群11とレンズ群保持部材12の自重力400によるモーメントを考える。重心410には、自重力400がかかるとする。重心410と中心軸13aとを結んだ直線を420とする。自重力400は、直線420と垂直な方向の分力401と、直線420に平行な方向の分力402とに分解される。直線420の長さと分力401とを乗じた数値を中心軸13a回りの自重力モーメントMGとする。この自重力モーメントMGの方向は、図6において反時計回りである。
次に、第一の案内部材13の中心軸13a回りのモーメントのつり合いを考える。中心軸13a回りに発生するモーメントは、第一の付勢力モーメントm1と、レンズ群11及びレンズ群保持部材12の自重力400による自重力モーメントMGである。このモーメントの和がレンズ群保持部材12に作用する合成モーメント(m1+MG)であって、実施例1では、合成モーメント(m1+MG)が反時計回りに生じている。そして、第一の付勢力モーメントm1は、自重力モーメントMGより大きい。次に、実施例1と各モーメントの大小関係を考慮していない従来例とを比較して、実施例1の作用、効果を説明する。
第一のアクチュエータ16を1つ備える図6に示す実施形態では、中心軸13aに合成モーメント(m1+MG)が反時計回りに生じているので、図7を参照すると、第二の案内部材14は、当接部12gに当接している。もし、レンズ装置10が図6における姿勢に対して、上下逆の姿勢となった場合、自重力モーメントMGの方向は逆方向、つまり時計回りとなる。
従来例において、第一の付勢力モーメントm1が自重力モーメントMGより小さい場合、上下逆の姿勢の時の合成モーメント(m1+MG)の向きは、自重力モーメントMGの向きが反転するので時計回りとなる。その場合、第二の案内部材14は、収容部12eの当接部12fに当接することになる。したがって、従来例では、レンズ装置10の姿勢により第二の案内部材14の当接する部分が異なり、レンズ群11の保持される位置にずれが発生し、高精度なレンズ保持が困難となっていた。
しかしながら、実施例1では、図6のレンズ装置10の姿勢において、第二の案内部材14は、当接部12gに当接する。そして、本レンズ装置10の姿勢が上下逆になった場合、自重力モーメントMGの方向は反転するものの、第一の付勢力モーメントm1は自重力モーメントMGより大きいので、第二の案内部材14は、当接部12gに当接したままとなる。よって、レンズ装置10の姿勢にかかわらず、第二の案内部材14を確定した当接部に当接させることができるので、高精度なレンズ保持が可能となる。
(実施例2)
実施例2は、図6において、複数のアクチュエータを備える場合の実施形態である。なお、図7は、第二のアクチュエータ17に関連する第二の付勢部材21の詳細を示している。作用点210は、第二の付勢部材21によって付勢力が及ぼされる点である。作用点210において、付勢力200は、中心軸13aと作用点210とを結んだ直線220と直交する方向の分力201と、直線220に平行な方向の分力202とに分解される。直線220の長さと分力201とを乗じた数値を中心軸13a回りの第二の付勢力モーメントm2とする。この第二の付勢力モーメントm2の方向は、図7において時計回りである。そして、反時計回りの第一の付勢力モーメントm1と第二の付勢力モーメントm2とを合成したモーメント(m1+m2)を付勢力合成モーメントMSとする。実施例2では、付勢力合成モーメントMSは、時計回りの方向を有する。
次に、第一の案内部材13の中心軸13a回りのモーメントのつり合いを考える。中心軸13a回りに発生するモーメントは、付勢力合成モーメントMSと、自重力モーメントMGである。このモーメントの和がレンズ群保持部材12に作用する合成モーメント(MS+MG)である。実施例2では、モーメントの絶対値に関して、付勢力合成モーメントMSを自重力モーメントMGより大きくしている。したがって、合成モーメント(MS+MG)の方向は時計回りである。
付勢力合成モーメントMSと自重力モーメントMGの大小関係については、例えば、直線120に対して、直線220を十分大きくすることで、第二の付勢力モーメントm2(CW)を第一の付勢力モーメントm1(CCW)に対して十分に大きくする。それと同時に、付勢力合成モーメントMSが自重力モーメントMGより大きくなるようにする。次に、実施例2の作用、効果を説明する。
図7を参照すると、従来例では、実施例2のようなモーメントの大小関係が考慮されていないので、自重力モーメントMGが付勢力合成モーメントMSより大きい場合がある。そのような場合、レンズ群保持部材12に作用する合成モーメント(MS+MG)の方向が反時計回りとなり、第二の案内部材14は当接部12gに当接している。
もし、レンズ装置10が図6における姿勢に対して、上下逆の姿勢となった場合、自重力モーメントMGの方向は逆方向、つまり時計回りとなる。従来例において、自重力モーメントMGが付勢力合成モーメントMSより大きい場合、上下逆の姿勢の時の合成モーメント(MS+MG)の向きは、自重力モーメントMGの向きが反転したことにより、時計回りとなる。その場合、第二の案内部材14は当接部12fに当接するようになる。したがって、従来例では、レンズ装置10の姿勢により第二の案内部材14の当接する部分が異なり、レンズ群11の保持される位置にずれが発生し、高精度なレンズ保持が困難となっていた。
しかしながら、実施例2では、付勢力合成モーメントMSは自重力モーメントMGより大きいので、図6に示すレンズ装置10の姿勢において、第二の案内部材14は、当接部12fに当接する。そして、本レンズ装置10の姿勢が上下逆になった場合、自重力モーメントMGの方向は反転するものの、第二の案内部材14は、当接部12fに当接したままとなる。よって、レンズ装置10の姿勢にかかわらず、第二の案内部材14を確定した当接部に当接させて高精度なレンズ保持が可能となる。
(実施例3)
実施例3は、図9において、第一のアクチュエータ16を1つ備える場合の実施形態であって、実施例1における第一の付勢部材19の付勢力の作用する点が変更された例である。第一の付勢部材19は、第一のアクチュエータ16に対して第一の連結部材18をガタ無く付勢し、第一の付勢部材19の付勢力300を作用点310においてレンズ群保持部材12に対して発生させる。
第一の付勢部材19の近傍の詳細図を図10に示す。作用点310において、付勢力300は、作用点310と中心軸13aとを結んだ直線320と直交する方向の分力301と、直線320と平行な方向の分力302とに分解される。直線320の長さと分力301とを乗じた数値を中心軸13a回りの第三の付勢力モーメントm3とする。この第三の付勢力モーメントm3の方向は、中心軸13a回りに時計回りである。すなわち、実施例3は、第三の付勢力モーメントm3の方向が中心軸13a回りに時計回りとなるように第一の付勢部材19を配置した実施形態である。
図9において、レンズ群11とレンズ群保持部材12の自重力による、中心軸13a回りの自重力モーメントMGは、実施例1と同様であるので、同様の記載は省略する。ここで、第一の案内部材13の中心軸13a回りのモーメントのつり合いを考える。中心軸13a回りに発生するモーメントは、第三の付勢力モーメントm3と、自重力モーメントMGである。このモーメントの和がレンズ群保持部材12に作用する合成モーメント(m3+MG)である。実施例3では、第三の付勢力モーメントm3(CW)が自重力モーメントMG(CCW)より大きいので、合成モーメント(m3+MG)が時計回りに生じている。
次に、実施例3の作用、効果について説明する。実施例3では、図9のレンズ装置10の姿勢において、第二の案内部材14は、当接部12fに当接する。そして、本レンズ装置10の姿勢が上下逆になった場合、自重力モーメントMGの方向は反転するものの、第二の案内部材14は、当接部12fに当接したままとなる。よって、レンズ装置10の姿勢にかかわらず、第二の案内部材14を確定した当接部に当接させることができるので、高精度なレンズ保持が可能となる。
(実施例4)
実施例4は、図9において、複数のアクチュエータを備える場合の実施形態である。第二の付勢部材21によって発生するモーメントは(図7参照)、実施例2と同様であるため、同様の記載は省略する。第三の付勢力モーメントm3(CW)と第二の付勢力モーメントm2(CW)とを合成したモーメントを付勢力合成モーメントMSとする。付勢力合成モーメントMSは、時計回りの方向を有する。ここで、第一の案内部材13の中心軸13a回りのモーメントのつり合いを考える。中心軸13a回りに発生するモーメントは、付勢力合成モーメントMSと、自重力モーメントMGである。このモーメントの和がレンズ群保持部材12に作用する合成モーメント(MS+MG)である。実施例4では、モーメントの絶対値に関して、付勢力合成モーメントMSが自重力モーメントMGより大きいので、合成モーメント(MS+MG)が時計回りに生じている。
次に、実施例4の作用、効果について説明する。実施例4では、図9に示すレンズ装置10の姿勢において、第二の案内部材14は、当接部12fに当接する。そして、本レンズ装置10の姿勢が上下逆になった場合、自重力モーメントMGの方向は反転するものの、第二の案内部材14は、当接部12fに当接したままである。よって、レンズ装置10の姿勢にかかわらず、第二の案内部材14を確実に当接させて高精度なレンズ保持が可能となる。
なお、第二の付勢部材21によって発生した第二のモーメントm2は、中心軸13aにおいて時計回りであるため、第三の付勢力モーメントm3と同一の方向となる。第三の付勢力モーメントm3と第二の付勢力モーメントm2とが同一方向であるので、第一の付勢部材19及び第二の付勢部材21の付勢力を弱くしても、付勢力合成モーメントMSは自重力モーメントMGに比べて大きな値をとることができる。その結果、上述のとおり高精度なレンズ保持が可能である。
以上の説明において、付勢力合成モーメントMSは、時計回りの方向を有するモーメントとしたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。レンズ装置10の姿勢にかかわらず、第二の案内部材14がレンズ群保持部材12の確定した当接部に当接するようにモーメントの方向、大きさを決めれば、レンズ群を高精度に保持できる。付勢力合成モーメントMSが自重力モーメントMGより大きければ、両者は同じ方向のモーメントであってもよい。
10 レンズ装置
11 レンズ群
12 レンズ群保持部材
12a 第一の穴部
12b 第二の穴部
12c 接触面
12d スリーブ部
12e 収容部
12f 当接部
12g 当接部
13 第一の案内部材
13a 中心軸
14 第二の案内部材
15 ベース部材
16 第一のアクチュエータ
17 第二のアクチュエータ
18 第一の連結部材
18a 第一の軸部
18b 第二の軸部
18c 動力取り出し部
19 第一の付勢部材
19a 第一の接触点
19b 第二の接触点
20 第二の連結部材
21 第二の付勢部材
30 動力伝達部材
100 付勢力
101 付勢力100の分力
102 付勢力100の分力
110 作用点
120 作用点110と中心軸13aを結んだ直線
200 付勢力
201 付勢力200の分力
202 付勢力200の分力
210 作用点
220 作用点210と中心軸13aを結んだ直線
300 付勢力
301 付勢力300の分力
302 付勢力300の分力
310 作用点
320 作用点310と中心軸13aを結んだ直線
400 レンズ群11とレンズ群保持部材12の自重力
401 レンズ群11とレンズ群保持部材12の自重力400の分力
402 レンズ群11とレンズ群保持部材12の自重力400の分力
410 重心の位置
420 重心の位置410と中心軸13aを結んだ直線

Claims (4)

  1. レンズ群と、
    該レンズ群を保持するレンズ群保持部材と、
    該レンズ群保持部材を光軸に沿って自在に移動可能に支持する案内部材と、
    前記レンズ群保持部材を光軸に沿って駆動するアクチュエータと、
    前記レンズ群保持部材と前記アクチュエータとを連結する連結部材と、
    前記レンズ群保持部材と前記連結部材とを付勢する付勢部材と、を備え、
    前記付勢部材の付勢力は、前記案内部材を中心軸とした付勢力モーメントを生じ、前記付勢力モーメントは、前記レンズ群と前記レンズ群保持部材との自重から生じる前記案内部材を中心軸とした自重力モーメントよりも大きいことを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記アクチュエータは、前記レンズ群保持部材を駆動する複数のアクチュエータであることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記連結部材は、前記複数のアクチュエータを前記レンズ群保持部材にそれぞれ連結する複数の連結部材であり、
    前記付勢部材は、前記レンズ群保持部材と前記複数の連結部材とをそれぞれ付勢する複数の付勢部材であり、
    前記付勢力モーメントは、前記複数の付勢部材によって生じるそれぞれの付勢力モーメントの和から構成される付勢力合成モーメントであり、前記付勢力合成モーメントは、前記自重力モーメントよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
  4. 前記それぞれの付勢力モーメントは、いずれも同一の方向であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
JP2015000223A 2015-01-05 2015-01-05 レンズ装置 Active JP6539047B2 (ja)

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