JP2016125982A - 酸素センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定ガスがリッチ状態とリーン状態との間で変化する際の、起電力の応答性に生じるヒステリシスを緩和することができる酸素センサを提供すること。【解決手段】酸素センサ1の起電力検出手段4は、測定電極31と基準電極32との間に生じる起電力Vを検出するよう構成されている。起電力検出手段4は、起電力Vが、理論空燃比を境界にして高い状態に変化したときには、測定電極31に接触する被測定ガスGが燃料過剰なリッチ状態Rにあることを検出する。一方、起電力検出手段4は、起電力Vが、理論空燃比を境界にして低い状態に変化したときには、測定電極31に接触する被測定ガスGが空気過剰なリーン状態Lにあることを検出する。酸素センサ1の電圧印加手段5は、基準電極32をプラス電極として、基準電極32と測定電極31との間に直流電圧Eを印加するよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、理論空燃比に対する、燃料過剰なリッチ状態と空気過剰なリーン状態とを検出するよう構成された酸素センサに関する。
酸素濃度を検出する酸素センサにおいては、コップ型の固定電解質体の外側面に、被測定ガスとしての排ガスが接触する測定電極が設けられ、固定電解質体の内側面に、基準ガスとしての大気が接触する基準電極が設けられている。測定電極は、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)等の酸化反応のための触媒となる白金を含有している。
そして、酸素センサによって酸素濃淡電池を形成する場合には、基準ガスの酸素濃度(酸素分圧)と被測定ガスの酸素濃度(酸素分圧)との差に応じて、基準電極と測定電極との間に生じる起電力を検出している。この起電力は、理論空燃比の下で生じた被測定ガスが測定電極に接触する場合を境界として大きく変化する。具体的には、リッチ状態の下で生じた被測定ガスが測定電極に接触する場合には、HC、CO等と酸素との反応によって起電力が大きくなり、リーン状態の下で生じた被測定ガスが測定電極に接触する場合には、起電力が小さくなる。
また、酸素センサによって酸素ポンプ(空燃比センサ)を形成する場合には、基準電極をプラス側電極として、基準電極と測定電極との間に直流電圧を印加している。そして、測定電極に接触する被測定ガス中の酸素をポンピングし、基準電極と測定電極との間に流れる酸素イオン電流を検出している。この酸素イオン電流は、測定電極に接触する被測定ガス中の酸素濃度に応じて変化する。
例えば、特許文献1の酸素濃度検出器においては、固体電解質の両面における酸素分圧差により生ずる濃淡起電力を検出して、測定ガスにおける酸素濃度を検出する技術が開示されている。
特開平5−126793号公報
ところで、酸素センサによって酸素濃淡電池を形成する場合、測定電極に接触する被測定ガスの状態が、リーン状態からリッチ状態に変化するときには、起電力の立ち上がり時間が短くなる(起電力の立ち上がり速度が速くなる)。この現象は、リーン状態からリッチ状態に変化するときには、酸素が測定電極から離脱しやすく、また、HC、CO等の未燃焼ガスが測定電極に吸着しやすいことに起因していると考えられる。
一方、酸素センサによって酸素濃淡電池を形成する場合、測定電極に接触する被測定ガスの状態が、リッチ状態からリーン状態に変化するときには、起電力の立ち下がり時間が長くなる(起電力の立ち下がり速度が遅くなる)。この現象は、リッチ状態からリーン状態に変化するときには、HC、CO等の未燃焼ガスが測定電極から離脱しにくく、また、酸素が測定電極に吸着しにくいことに起因していると考えられる。
そのため、リーン状態からリッチ状態に変化するときの応答速度と、リッチ状態からリーン状態に変化するときの応答速度との差が、酸素センサの応答性のヒステリシスとなる。そして、この応答性のヒステリシスの影響を緩和するために、酸素センサの制御装置においては、特に、リッチ状態からリーン状態に変化するときの応答速度の遅れを加味して、内燃機関における空燃比が理論空燃比の近傍になるように制御している。従って、酸素センサの制御装置の構成が複雑になる。また、酸素センサ(素子)の生産時において、ヒステリシスを緩和するためにエージング処理等を行っており、酸素センサの生産性を悪化させている。
従来の酸素センサにおいては、酸素センサによって酸素濃淡電池を形成する場合には、電極間に生じる起電力を測定するため、電極間に電圧の印加は行っていない。また、酸素センサによって酸素ポンプ(空燃比センサ)を形成する場合には、電極間に直流電圧を印加して、電極間に流れる酸素イオン電流を測定するため、電極間に生じる起電力は測定していない。このことは、特許文献1においても同様である。従って、上記課題を解決するための新たな酸素センサの開発が望まれる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、被測定ガスがリッチ状態とリーン状態との間で変化する際の、起電力の応答性に生じるヒステリシスを緩和することができる酸素センサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、酸素イオン伝導性を有するコップ型の固体電解質体と、
該固体電解質体の外側面に設けられ、内燃機関の排気系統を流れる排ガスである被測定ガスに晒される測定電極と、
上記固体電解質体の内側面に設けられ、基準ガスに晒される基準電極と、
上記測定電極と上記基準電極との間に生じる起電力を検出し、該起電力が、理論空燃比を境界にして高い状態に変化したときには、上記測定電極に接触する被測定ガスが燃料過剰なリッチ状態にあることを検出する一方、上記起電力が、理論空燃比を境界にして低い状態に変化したときには、上記測定電極に接触する被測定ガスが空気過剰なリーン状態にあることを検出する起電力検出手段と、
上記基準電極をプラス電極として、該基準電極と上記測定電極との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、を備えることを特徴とする酸素センサにある。
上記酸素センサは、酸素濃淡電池として使用する場合において、起電力検出手段の他に、電圧印加手段を備えている。
酸素センサによって、被測定ガスがリッチ状態にあるか、リーン状態にあるかの検出を行う際には、電圧印加手段によって、基準電極と測定電極との間に、常時、所定の直流電圧を印加しておく。このとき、各電極間においては、酸素濃度(酸素分圧)の差に基づく酸素イオンが、基準電極から固体電解質体を通過して測定電極へ移動する一方、直流電圧の印加に基づく酸素イオンが、測定電極から固体電解質体を通過して基準電極へ移動する。なお、電流が流れる方向は、酸素イオンの移動方向とは逆方向になる。
直流電圧の印加により、起電力検出手段がリーン状態からリッチ状態への変化を検出するときの起電力の立ち上がり時間は長くなることがわかった。一方、直流電圧の印加により、起電力検出手段がリッチ状態からリーン状態への変化を検出するときの起電力の立ち下がり時間は、予想に反して短くなることがわかった。つまり、所定の直流電圧を常時印加しているにも係わらず、起電力の立ち下がり時間は、起電力の立ち上がり時間とは逆の性質を示すことがわかった。
この理由は必ずしも明確ではないが、この特殊な性質を利用して、上記酸素センサにおいては、リーン状態からリッチ状態に変化するときの応答速度と、リッチ状態からリーン状態に変化するときの応答速度との差を小さくすることができる。
それ故、上記酸素センサによれば、被測定ガスがリッチ状態とリーン状態との間で変化する際の、起電力の応答性に生じるヒステリシスを緩和することができる。
実施例にかかる、酸素センサの構成を示す説明図。 実施例にかかる、空燃比と、起電力検出手段によって検出される起電力との関係を示すグラフ。 実施例にかかる、被測定ガスがリーン状態とリッチ状態との間で交互に変化する場合において、起電力検出手段によって検出される起電力の波形を示すグラフ。 実施例にかかる、電圧印加手段による直流電圧の印加がない状態、電圧印加手段による所定の直流電圧の印加がある状態について、起電力検出手段によって検出される起電力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を示すグラフ。 実施例にかかる、測定電極に接触する被測定ガスがリッチ状態にある場合の酸素センサをモデル的に示す説明図。 実施例にかかる、測定電極に接触する被測定ガスがリーン状態にある場合の酸素センサをモデル的に示す説明図。
以下に、上述した酸素センサにおける好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施例)
本例の酸素センサ1は、図1に示すように、固体電解質体2、測定電極31、基準電極32、起電力検出手段4、電圧印加手段5を備えている。
固体電解質体2は、所定の温度に加熱されたときに酸素イオン伝導性を有するものであり、コップ型に形成されている。測定電極31は、固体電解質体2の外側面に設けられており、内燃機関の排気系統を流れる排ガスである被測定ガスGに晒されるものである。基準電極32は、固体電解質体2の内側面に設けられており、酸素濃度一定の大気である基準ガスAに晒されるものである。
図2に示すように、起電力検出手段4は、測定電極31と基準電極32との間に生じる起電力Vを検出するよう構成されている。起電力検出手段4は、起電力Vが、理論空燃比X(空気過剰率λ=1)を境界にして高い状態に変化したときには、測定電極31に接触する被測定ガスGが燃料過剰なリッチ状態Rにあることを検出する。一方、起電力検出手段4は、起電力Vが、理論空燃比Xを境界にして低い状態に変化したときには、測定電極31に接触する被測定ガスGが空気過剰なリーン状態Lにあることを検出する。図1に示すように、電圧印加手段5は、基準電極32をプラス電極として、基準電極32と測定電極31との間に直流電圧Eを印加するよう構成されている。
以下に、本例の酸素センサ1について、図1〜図6を参照して詳説する。
本例の酸素センサ1は、内燃機関(エンジン)の排気管(排気系統)に配置され、排気管を流れる排ガスを被測定ガスGとして、被測定ガスGが理論空燃比Xよりもリッチ状態Rにあるか、リーン状態Lにあるかを検出するものである。排気管内には、排ガスの浄化を行う三元触媒が配置されており、酸素センサ1は、三元触媒による浄化を効果的に行うために用いられる。具体的には、図2に示すように、三元触媒は、理論空燃比Xの付近(空燃比が14.7付近)に設定された空燃比の所定の範囲である浄化ウィンドウW内にあるときに、NOx、HC、CO等の未燃焼ガスを効果的に浄化する。そして、酸素センサ1は、内燃機関における空燃比が浄化ウィンドウW内に収まるよう、内燃機関の制御装置に空燃比のフィードバックを行うために用いられる。
また、酸素センサ1は、排気管内において、排ガスの浄化を行う三元触媒よりも上流側と下流側とに配置される。上流側の酸素センサ1は、内燃機関から排気される排ガスを被測定ガスGとして用いて動作し、下流側の酸素センサ1は、三元触媒から排気される排ガスを被測定ガスGとして用いて動作する。
図1に示すように、酸素センサ1における固体電解質体2の内部には、固体電解質体2及び各電極31,32を加熱するセラミックヒータ6が配置されている。セラミックヒータ6は、セラミックの基材と、基材に設けられた、通電によって発熱する発熱体とによって構成されている。
固体電解質体2における測定電極31の表面には、測定電極31を熱及び被毒物質から保護する電極保護層33が設けられている。電極保護層33は、多孔質のセラミックコーティングによって形成されている。電極保護層33は、測定電極31に接触する被測定ガスGの流量を制限する拡散抵抗層としても機能する。測定電極31及び基準電極32は白金、及び固体電解質体2との共材(ジルコニア等)を含有している。固体電解質体2は、イットリア安定化ジルコニアによって構成されており、酸化ジルコニウム及び酸化イットリウムを含有している。
起電力検出手段4は、測定電極31と基準電極32との間に接続された電圧計によって構成されている。図2には、空燃比と、起電力検出手段4によって検出される起電力Vとの関係を示す。同図に示すように、起電力Vは、被測定ガスGの空燃比が理論空燃比Xよりも小さいリッチ状態Rにあるときには、測定電極31における白金の触媒作用によって酸化反応が促進されて顕著に大きくなる。そして、起電力Vは、理論空燃比Xを境界にして、リッチ状態Rとしての高い状態(1V付近)と、リーン状態Lとしての低い状態(0V付近)とに大きく変化する。また、リッチ状態Rにおいては、測定電極31の表面付近においては、被測定ガスG中の残存酸素がHC、CO等と反応することにより、酸素濃度Nがほぼゼロとなる。
図3には、被測定ガスGがリーン状態Lとリッチ状態Rとの間で交互に変化する場合において、起電力検出手段4によって検出される起電力Vの波形を示す。同図に示すように、電圧印加手段5による直流電圧Eの印加がない状態においては、起電力検出手段4がリーン状態Lからリッチ状態Rへの変化を検出するときの起電力V1の立ち上がり時間t1(立ち上がり速度)は、起電力検出手段4がリッチ状態Rからリーン状態Lへの変化を検出するときの起電力V2の立ち下がり時間t2(立ち下がり速度)よりも短くなっている(速くなっている)。なお、起電力の符号V1,V2は、説明のために便宜的に示すものであり、起電力Vと同じである。
測定電極31に接触する被測定ガスGが、リーン状態Lからリッチ状態Rへ変化するときには、酸素が測定電極31から離脱しやすく、また、HC、CO等の未燃焼ガスが測定電極31に吸着しやすい状態にあると考えられる。つまり、リッチ状態Rに変化する際のHC、CO等の未燃焼ガスは、測定電極31における白金を触媒として酸化反応するため、測定電極31における白金に引き寄せられる。また、酸素は、測定電極31における白金にほとんど引き寄せられない。そのため、リーン状態Lからリッチ状態Rに変化するときには、リーン状態Lは維持されにくく、リーン状態Lからリッチ状態Rに変わりやすくなる。これにより、起電力検出手段4がリーン状態Lからリッチ状態Rへの変化を検出するときの起電力V1の立ち上がり時間t1は、短くなると考えられる。
一方、測定電極31に接触する被測定ガスGが、リッチ状態Rからリーン状態Lへ変化するときには、HC、CO等の未燃焼ガスが測定電極31から離脱しにくく、また、酸素が測定電極31に吸着しにくい状態にあると考えられる。そのため、リッチ状態Rからリーン状態Lに変化するときには、リッチ状態Rが維持されやすく、リッチ状態Rからリーン状態Lに変わりにくくなる。これにより、起電力検出手段4がリッチ状態Rからリーン状態Lへの変化を検出するときの起電力V2の立ち下がり時間t2は、長くなると考えられる。
本例においては、電圧印加手段5によって、基準電極32と測定電極31との間に直流電圧Eの印加を行うことにより、図3に示すように、起電力V1’の立ち上がり時間t1’と起電力V2’の立ち下がり時間t2’との差を小さくしている。
具体的には、酸素センサ1によって、被測定ガスGがリッチ状態Rにあるか、リーン状態Lにあるかの検出を行う際には、電圧印加手段5によって、基準電極32と測定電極31との間に、常時、所定の直流電圧Eを印加しておく。この直流電圧Eは、固体電解質体2を介して基準電極32と測定電極31との間に、0.1〜5.8mAの電流が流れるように印加することができる。また、直流電圧Eの電圧値の範囲は、0.1〜1.7Vとすることができる。また、酸素センサ1の素子温度の範囲は、550〜1000℃とすることができる。
直流電圧Eの電圧値は、電極保護層33等によって測定電極31に供給される被測定ガスGの量が制限され、固体電解質体2が限界電流特性を示す範囲内で決定することができる。直流電圧Eの電圧値を1.7Vを超える値にすると、測定電極31に接触する酸素の量が著しく減少し、固体電解質体2から酸素が奪われ、固体電解質体2に割れ等が生じるおそれがある。
図4には、電圧印加手段5による直流電圧Eの印加がない状態E0、及び電圧印加手段5による所定の直流電圧Eの印加がある状態E1について、起電力検出手段4によって検出される起電力Vの立ち上がり時間t1,t1’及び立ち下がり時間t2,t2’を示す。同図においては、横軸に、直流電圧Eの印加によって固体電解質体2に流れる注入電流(mA)を示し、縦軸に、立ち上がり時間t1,t1’及び立ち下がり時間t2,t2’を応答時間(ms)として示す。また、酸素センサ1の素子の温度は、650℃になるようにした。
直流電圧Eの印加がない状態E0において、起電力検出手段4がリーン状態Lからリッチ状態Rへの変化を検出するときの起電力Vの立ち上がり時間t1は、排気温度が370℃と低い場合には、約200msとなり、排気温度が550℃と高い場合には、約100msとなった。また、直流電圧Eの印加がない状態E0において、起電力検出手段4がリッチ状態Rからリーン状態Lへの変化を検出するときの起電力Vの立ち下がり時間t2は、排気温度が370℃と低い場合には、約400msとなり、排気温度が550℃と高い場合には、約200msとなった。
一方、基準電極32と測定電極31との間に2mAの電流が流れるように直流電圧Eを印加した状態E1において、起電力検出手段4がリーン状態Lからリッチ状態Rへの変化を検出するときの起電力Vの立ち上がり時間t1”は、排気温度が370℃と低い場合には、約420msとなり、排気温度が550℃と高い場合には、約210msとなった。また、基準電極32と測定電極31との間に2mAの電流が流れるように直流電圧Eを印加した状態E1において、起電力検出手段4がリッチ状態Rからリーン状態Lへの変化を検出するときの起電力Vの立ち下がり時間t2”は、排気温度が370℃と低い場合には、約300msとなり、排気温度が550℃と高い場合には、約100msとなった。
つまり、電圧印加手段5によって直流電圧Eを印加する状態E1においては、起電力Vの立ち上がり時間t1”が長くなる一方、起電力Vの立ち下がり時間t2”が短くなる特殊な性質が確認できた。つまり、所定の直流電圧Eを常時印加しているにも係わらず、起電力Vの立ち下がり時間t2,t2”は、起電力Vの立ち上がり時間t1,t1”とは逆の性質を示すことがわかった。また、起電力Vの立ち上がり時間t1’と、起電力Vの立ち下がり時間t2’とは、基準電極32と測定電極31との間に約1mAの電流が流れるように直流電圧Eを印加したときに同等になることが確認された。
従って、電圧印加手段5によって基準電極32と測定電極31との間に印加する電圧は、これらの電極間に約1mAの電流が流れるよう設定することができる。これにより、電圧印加手段5による直流電圧Eの印加によって、起電力Vの立ち上がり時間t1と起電力Vの立ち下がり時間t2とを同等にすることができ、リッチ状態Rとリーン状態Lとの間で変化する際の、起電力Vの応答性に生じるヒステリシスをほとんどなくすことができる。
図5、図6には、基準電極32と測定電極31との間に電圧印加手段5によって所定の直流電圧Eを印加し、起電力検出手段4によって測定電極31と基準電極32との間に生じる起電力Vを検出する状態を、モデル的に示す。図5は、測定電極31に接触する被測定ガスGがリッチ状態Rにある場合を示し、図6は、測定電極31に接触する被測定ガスGがリーン状態Lにある場合を示す。
酸素濃度(酸素分圧)の差に基づく酸素イオンe1は、基準電極32から固体電解質体2を通過して測定電極31へ移動する。一方、直流電圧Eの印加に基づく酸素イオンe2は、測定電極31から固体電解質体2を通過して基準電極32へ移動する。そして、直流電圧Eの印加に基づく酸素イオンe2の移動は、酸素濃度の差に基づく酸素イオンe1の移動を打ち消すように作用すると考えられる。
なお、直流電圧Eの印加による注入電流Iが流れる方向は、直流電圧Eの印加に基づく酸素イオンe2の移動方向とは逆方向になる。
直流電圧Eの印加により、図4に示したように、起電力検出手段4がリーン状態Lからリッチ状態Rへの変化を検出するときの起電力Vの立ち上がり時間t1が長くなった要因としては、酸素濃度の差に基づく酸素イオンe1の移動が抑制されたためであると考えられる。一方、直流電圧Eの印加により、図4に示したように、起電力検出手段4がリッチ状態Rからリーン状態Lへの変化を検出するときの起電力Vの立ち下がり時間t2が短くなった要因としては、直流電圧Eの印加に基づく、測定電極31から基準電極32への酸素イオンe2の移動が、測定電極31への被測定ガスG中の酸素の吸着を促進し、測定電極31の周辺に残存するHC、CO等の未燃焼ガスの酸化反応が促進されたためであると考えられる。
このように、本例の酸素センサ1においては、直流電圧Eを印加した際の特殊な性質を利用して、リーン状態Lからリッチ状態Rに変化するときの応答速度と、リッチ状態Rからリーン状態Lに変化するときの応答速度との差をほとんどなくしている(図3の起電力V1’及びV2’参照)。
それ故、本例の酸素センサ1によれば、被測定ガスGがリッチ状態Rとリーン状態Lとの間で変化する際の、起電力Vの応答性に生じるヒステリシスをほとんどなくすことができる。
そして、本例の酸素センサ1の制御装置においては、応答性のヒステリシスの影響を緩和するための調整を省略することが可能になる。そのため、酸素センサ1の制御装置の構成を簡単にすることができる。また、酸素センサ1の生産時において、ヒステリシスを緩和するためのエージング処理等を簡素化又は省略することが可能となり、酸素センサの生産性を向上させることができる。
1 酸素センサ
2 固体電解質体
31 測定電極
32 基準電極
4 起電力検出手段
5 電圧印加手段
G 被測定ガス
A 基準ガス
X 理論空燃比
R リッチ状態
L リーン状態

Claims (3)

  1. 酸素イオン伝導性を有するコップ型の固体電解質体(2)と、
    該固体電解質体(2)の外側面に設けられ、内燃機関の排気系統を流れる排ガスである被測定ガス(G)に晒される測定電極(31)と、
    上記固体電解質体(2)の内側面に設けられ、基準ガス(A)に晒される基準電極(32)と、
    上記測定電極(31)と上記基準電極(32)との間に生じる起電力(V)を検出し、該起電力(V)が、理論空燃比(X)を境界にして高い状態に変化したときには、上記測定電極(31)に接触する被測定ガス(G)が燃料過剰なリッチ状態(R)にあることを検出する一方、上記起電力(V)が、理論空燃比(X)を境界にして低い状態に変化したときには、上記測定電極(31)に接触する被測定ガス(G)が空気過剰なリーン状態(L)にあることを検出する起電力検出手段(4)と、
    上記基準電極(32)をプラス電極として、該基準電極(32)と上記測定電極(31)との間に直流電圧(E)を印加する電圧印加手段(5)と、を備えることを特徴とする酸素センサ(1)。
  2. 上記電圧印加手段(5)による直流電圧(E)の印加がない状態において、上記起電力検出手段(4)が上記リーン状態(L)から上記リッチ状態(R)への変化を検出するときの起電力(V1)の立ち上がり時間(t1)は、上記起電力検出手段(4)が上記リッチ状態(R)から上記リーン状態(L)への変化を検出するときの起電力(V2)の立ち下がり時間(t2)よりも短くなっており、
    上記電圧印加手段(5)による上記直流電圧(E)の印加によって、上記起電力(V1)の立ち上がり時間(t1)と上記起電力(V2)の立ち下がり時間(t2)との差を小さくしていることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ(1)。
  3. 上記電圧印加手段(5)による上記直流電圧(E)の印加によって、上記起電力(V1)の立ち上がり時間(t1)と上記起電力(V2)の立ち下がり時間(t2)とを同等にしていることを特徴とする請求項2に記載の酸素センサ(1)。
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