JP2000045854A - ガス燃料内燃機関の空燃比検出装置 - Google Patents
ガス燃料内燃機関の空燃比検出装置Info
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- JP2000045854A JP2000045854A JP10211373A JP21137398A JP2000045854A JP 2000045854 A JP2000045854 A JP 2000045854A JP 10211373 A JP10211373 A JP 10211373A JP 21137398 A JP21137398 A JP 21137398A JP 2000045854 A JP2000045854 A JP 2000045854A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空燃比を正確に検出する。
【解決手段】 排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検
出する空燃比センサ20を機関排気通路内に配置する。
空燃比センサ20により検出された空燃比をリーン側に
補正すると共に、空燃比センサ20により検出された空
燃比のリッチ度合いが大きいときには小さいときに比べ
て空燃比センサ20により検出された空燃比のリーン側
への補正量を大きくする。
出する空燃比センサ20を機関排気通路内に配置する。
空燃比センサ20により検出された空燃比をリーン側に
補正すると共に、空燃比センサ20により検出された空
燃比のリッチ度合いが大きいときには小さいときに比べ
て空燃比センサ20により検出された空燃比のリーン側
への補正量を大きくする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス燃料内燃機関の
空燃比検出装置に関する。
空燃比検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、機関排気通路内に空燃比セン
サを配置して空燃比を検出し、この検出された空燃比に
基づき空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量を制
御するようにした内燃機関が知られている。この場合、
空燃比センサは例えば固体電解質からなる素子を具備
し、素子の一側には拡散律速層を介して排気と接触する
排気側電極が配置され、素子の他側には大気と接触する
大気側電極が配置される。これら電極間に一定電圧を印
加するとイオンポンプ作用により排気中の酸素O2が酸
素イオンO2-の形で排気側電極から大気側電極まで素子
内を移動し、その結果これら電極間に電流が流れるよう
になる。この電流すなわち空燃比センサの出力は排気中
の酸素濃度が高いときほど大きくなり、すなわち空燃比
がリーンになればなるほど大きくなる。したがって、空
燃比センサの出力と空燃比との関係を予め求めておけば
空燃比センサの出力から空燃比を検出できることにな
る。
サを配置して空燃比を検出し、この検出された空燃比に
基づき空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量を制
御するようにした内燃機関が知られている。この場合、
空燃比センサは例えば固体電解質からなる素子を具備
し、素子の一側には拡散律速層を介して排気と接触する
排気側電極が配置され、素子の他側には大気と接触する
大気側電極が配置される。これら電極間に一定電圧を印
加するとイオンポンプ作用により排気中の酸素O2が酸
素イオンO2-の形で排気側電極から大気側電極まで素子
内を移動し、その結果これら電極間に電流が流れるよう
になる。この電流すなわち空燃比センサの出力は排気中
の酸素濃度が高いときほど大きくなり、すなわち空燃比
がリーンになればなるほど大きくなる。したがって、空
燃比センサの出力と空燃比との関係を予め求めておけば
空燃比センサの出力から空燃比を検出できることにな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者によれば、このような空燃比センサをガス燃料内燃
機関に用いた場合、空燃比センサの出力が正規の出力よ
りも小さくなり、その結果空燃比センサにより検出され
る空燃比が真の空燃比よりもリッチ側にずれることが確
認されている。このずれの原因は明らかにされていない
が、排気中の水素H2 が関与しているものと考えられて
いる。したがって、ガス燃料内燃機関において空燃比セ
ンサにより検出された空燃比に基づき燃料噴射量をフィ
ードバック補正すると空燃比が誤補正されることにな
る。
明者によれば、このような空燃比センサをガス燃料内燃
機関に用いた場合、空燃比センサの出力が正規の出力よ
りも小さくなり、その結果空燃比センサにより検出され
る空燃比が真の空燃比よりもリッチ側にずれることが確
認されている。このずれの原因は明らかにされていない
が、排気中の水素H2 が関与しているものと考えられて
いる。したがって、ガス燃料内燃機関において空燃比セ
ンサにより検出された空燃比に基づき燃料噴射量をフィ
ードバック補正すると空燃比が誤補正されることにな
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に1番目の発明によれば、排気中の酸素濃度に基づいて
空燃比を検出する空燃比センサを機関排気通路内に配置
したガス燃料内燃機関の空燃比検出装置において、空燃
比センサにより検出された空燃比をリーン側に補正する
と共に、空燃比センサにより検出された空燃比のリッチ
度合いが大きいときには小さいときに比べて空燃比セン
サにより検出された空燃比のリーン側への補正量を大き
くするようにしている。すなわち、上述したようにガス
燃料内燃機関では空燃比センサにより検出された空燃比
は真の空燃比に対しリッチ側にずれる。また、本願発明
者によれば、空燃比センサにより検出された空燃比のリ
ッチ度合いが大きくなると空燃比センサにより検出され
た空燃比の真の空燃比からのずれ量が大きくなることが
確認されている。そこで1番目の発明では、空燃比セン
サにより検出された空燃比をリーン側に補正し、このと
き空燃比センサにより検出された空燃比のリッチ度合い
が大きいときには小さいときに比べて空燃比センサによ
り検出された空燃比のリーン側への補正量を大きくする
ようにしている。
に1番目の発明によれば、排気中の酸素濃度に基づいて
空燃比を検出する空燃比センサを機関排気通路内に配置
したガス燃料内燃機関の空燃比検出装置において、空燃
比センサにより検出された空燃比をリーン側に補正する
と共に、空燃比センサにより検出された空燃比のリッチ
度合いが大きいときには小さいときに比べて空燃比セン
サにより検出された空燃比のリーン側への補正量を大き
くするようにしている。すなわち、上述したようにガス
燃料内燃機関では空燃比センサにより検出された空燃比
は真の空燃比に対しリッチ側にずれる。また、本願発明
者によれば、空燃比センサにより検出された空燃比のリ
ッチ度合いが大きくなると空燃比センサにより検出され
た空燃比の真の空燃比からのずれ量が大きくなることが
確認されている。そこで1番目の発明では、空燃比セン
サにより検出された空燃比をリーン側に補正し、このと
き空燃比センサにより検出された空燃比のリッチ度合い
が大きいときには小さいときに比べて空燃比センサによ
り検出された空燃比のリーン側への補正量を大きくする
ようにしている。
【0005】なお、本明細書では、空燃比がリーンまた
は理論空燃比のときにもリッチ度合いという用語を用
い、すなわち例えば空燃比がリーンのときにリッチ度合
いが大きくなるというのはリーン度合いが小さくなるこ
とを表している。また、2番目の発明によれば1番目の
発明において、空燃比センサの温度を検出する手段を具
備し、空燃比センサの温度が高いときには低いときに比
べて空燃比センサにより検出された空燃比のリーン側へ
の補正量を小さくするようにしている。すなわち、本願
発明者によれば、空燃比センサの温度が高いときには低
いときに比べて空燃比センサにより検出された空燃比の
真の空燃比からのずれ量が小さくなることが確認されて
いる。そこで2番目の発明では、空燃比センサの温度が
高いときには低いときに比べて空燃比センサにより検出
された空燃比のリーン側への補正量を小さくするように
している。
は理論空燃比のときにもリッチ度合いという用語を用
い、すなわち例えば空燃比がリーンのときにリッチ度合
いが大きくなるというのはリーン度合いが小さくなるこ
とを表している。また、2番目の発明によれば1番目の
発明において、空燃比センサの温度を検出する手段を具
備し、空燃比センサの温度が高いときには低いときに比
べて空燃比センサにより検出された空燃比のリーン側へ
の補正量を小さくするようにしている。すなわち、本願
発明者によれば、空燃比センサの温度が高いときには低
いときに比べて空燃比センサにより検出された空燃比の
真の空燃比からのずれ量が小さくなることが確認されて
いる。そこで2番目の発明では、空燃比センサの温度が
高いときには低いときに比べて空燃比センサにより検出
された空燃比のリーン側への補正量を小さくするように
している。
【0006】
【発明の実施の形態】図1はガス燃料として圧縮天然ガ
ス(CNG)を用いるガス燃料内燃機関に本発明を適用
した場合を示している。しかしながら、例えば液化石油
ガス(LPG)などのように一次燃料である天然ガスお
よび石油ガス、二次燃料である石炭転換ガスおよび石油
転換ガス、あるいは水素を用いるガス燃料内燃機関に本
発明を適用することもできる。また、メタノールを燃料
として用いる内燃機関にも本発明を適用することができ
る。
ス(CNG)を用いるガス燃料内燃機関に本発明を適用
した場合を示している。しかしながら、例えば液化石油
ガス(LPG)などのように一次燃料である天然ガスお
よび石油ガス、二次燃料である石炭転換ガスおよび石油
転換ガス、あるいは水素を用いるガス燃料内燃機関に本
発明を適用することもできる。また、メタノールを燃料
として用いる内燃機関にも本発明を適用することができ
る。
【0007】図1を参照すると、1は機関本体、2は吸
気枝管、3は吸気枝管2内に配置されると共に図示しな
い燃料ボンベに接続された燃料噴射弁、4は点火栓、5
は排気マニホルド、6はケーシング7内に収容された三
元触媒をそれぞれ示す。電子制御ユニット(ECU)1
0はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス11
を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモ
リ)12、RAM(ランダムアクセスメモリ)13、C
PU(マイクロプロセッサ)14、常時電源に接続され
ているB−RAM(バックアップRAM)15、入力ポ
ート16、および出力ポート17を具備する。サージタ
ンク18にはサージタンク18内の絶対圧に比例した出
力電圧を発生する圧力センサ19が取り付けられ、排気
マニホルド5には空燃比センサ20が取り付けられる。
これらセンサ19,20の出力電圧はそれぞれ対応する
AD変換器21を介して入力ポート16に入力される。
また、入力ポート16には機関回転数を表す出力パルス
を発生する回転数センサ22が接続される。一方、出力
ポート17はそれぞれ対応する駆動回路23を介して各
燃料噴射弁3、各点火栓4、および空燃比センサ20に
接続される。
気枝管、3は吸気枝管2内に配置されると共に図示しな
い燃料ボンベに接続された燃料噴射弁、4は点火栓、5
は排気マニホルド、6はケーシング7内に収容された三
元触媒をそれぞれ示す。電子制御ユニット(ECU)1
0はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス11
を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモ
リ)12、RAM(ランダムアクセスメモリ)13、C
PU(マイクロプロセッサ)14、常時電源に接続され
ているB−RAM(バックアップRAM)15、入力ポ
ート16、および出力ポート17を具備する。サージタ
ンク18にはサージタンク18内の絶対圧に比例した出
力電圧を発生する圧力センサ19が取り付けられ、排気
マニホルド5には空燃比センサ20が取り付けられる。
これらセンサ19,20の出力電圧はそれぞれ対応する
AD変換器21を介して入力ポート16に入力される。
また、入力ポート16には機関回転数を表す出力パルス
を発生する回転数センサ22が接続される。一方、出力
ポート17はそれぞれ対応する駆動回路23を介して各
燃料噴射弁3、各点火栓4、および空燃比センサ20に
接続される。
【0008】図2は空燃比センサ20の詳細図を表して
いる。図2(A)を参照すると、空燃比センサ20は例
えばジルコニアのような固体電解質からなる素子30を
具備する。素子30は試験管状をなし、その内部空間3
1は大気に連通している。素子30の内周面には大気と
接触する大気側電極32が設けられ、素子30の外周面
には排気と接触する排気側電極33が設けられる。これ
ら電極32,33は例えば白金から形成される。また、
排気側電極33は例えばセラミックからなる拡散律速層
34により覆われている。なお、図2(A)において3
5は排気マニホルド5の内部空間5a側に配置された保
護カバーを示している。
いる。図2(A)を参照すると、空燃比センサ20は例
えばジルコニアのような固体電解質からなる素子30を
具備する。素子30は試験管状をなし、その内部空間3
1は大気に連通している。素子30の内周面には大気と
接触する大気側電極32が設けられ、素子30の外周面
には排気と接触する排気側電極33が設けられる。これ
ら電極32,33は例えば白金から形成される。また、
排気側電極33は例えばセラミックからなる拡散律速層
34により覆われている。なお、図2(A)において3
5は排気マニホルド5の内部空間5a側に配置された保
護カバーを示している。
【0009】排気中の酸素O2 は拡散律速層34を介し
排気側電極33に到る。このとき電極32,33間に一
定電圧を印加すると図2(B)に示されるように、イオ
ンポンプ作用により排気側電極33上の酸素O2 が酸素
イオンO2-の形で排気側電極33から大気側電極32ま
で素子30内を移動し、次いで酸素分子O2 の形で大気
36に放出される。その結果これら電極32,33間に
電流が流れるようになる。この電流を変換して得られる
空燃比センサ20の出力電圧は排気中の酸素濃度が高い
ときほど高くなり、すなわち空燃比がリーンになればな
るほど高くなる。したがって、空燃比センサ20の出力
電圧と空燃比との関係を予め求めておけば空燃比センサ
20の出力電圧から空燃比を検出できることになる。
排気側電極33に到る。このとき電極32,33間に一
定電圧を印加すると図2(B)に示されるように、イオ
ンポンプ作用により排気側電極33上の酸素O2 が酸素
イオンO2-の形で排気側電極33から大気側電極32ま
で素子30内を移動し、次いで酸素分子O2 の形で大気
36に放出される。その結果これら電極32,33間に
電流が流れるようになる。この電流を変換して得られる
空燃比センサ20の出力電圧は排気中の酸素濃度が高い
ときほど高くなり、すなわち空燃比がリーンになればな
るほど高くなる。したがって、空燃比センサ20の出力
電圧と空燃比との関係を予め求めておけば空燃比センサ
20の出力電圧から空燃比を検出できることになる。
【0010】そこで本発明による実施態様では、空燃比
センサ20の出力電圧Vと空燃比を表す空気過剰率λと
の関係を予め実験により求め、図3に示すマップの形で
予めROM12内に記憶するようにしている。なお、図
3のマップは空燃比センサ20の温度が後述する基準温
度のときの関係を示している。したがって、空燃比セン
サ20を機関排気通路内に配置すれば空気過剰率を正確
に検出できることになり、検出された空気過剰率に基づ
き燃料噴射時間をフィードバック制御すれば空気過剰率
を目標空気過剰率、例えば理論空燃比を表す1.0に一
致させることができることになる。
センサ20の出力電圧Vと空燃比を表す空気過剰率λと
の関係を予め実験により求め、図3に示すマップの形で
予めROM12内に記憶するようにしている。なお、図
3のマップは空燃比センサ20の温度が後述する基準温
度のときの関係を示している。したがって、空燃比セン
サ20を機関排気通路内に配置すれば空気過剰率を正確
に検出できることになり、検出された空気過剰率に基づ
き燃料噴射時間をフィードバック制御すれば空気過剰率
を目標空気過剰率、例えば理論空燃比を表す1.0に一
致させることができることになる。
【0011】しかしながら、冒頭で述べたように本願発
明者によれば、空燃比センサ20をガス燃料内燃機関に
用いると図4において破線で示されるように空燃比セン
サ20の出力電圧が正規の出力電圧(図4の実線)より
も低くなり、この場合空気過剰率のリッチ度合いが大き
いときには小さいときに比べて空燃比センサ20の出力
電圧の低下量が大きくなることが確認されている。な
お、図4において空燃比センサ20の正規の出力電圧
(実線)は図3の出力電圧Vと一致する。この場合、真
の空気過剰率がλRであるとすると図4からわかるよう
に空燃比センサ20の実際の出力電圧はVAであり、正
規の出力電圧VRよりも低くなる。このとき図3のマッ
プを用いて得られる空気過剰率λはλAであり、すなわ
ち検出された空気過剰率は真の空気過剰率よりもリッチ
側にずれるようになる。
明者によれば、空燃比センサ20をガス燃料内燃機関に
用いると図4において破線で示されるように空燃比セン
サ20の出力電圧が正規の出力電圧(図4の実線)より
も低くなり、この場合空気過剰率のリッチ度合いが大き
いときには小さいときに比べて空燃比センサ20の出力
電圧の低下量が大きくなることが確認されている。な
お、図4において空燃比センサ20の正規の出力電圧
(実線)は図3の出力電圧Vと一致する。この場合、真
の空気過剰率がλRであるとすると図4からわかるよう
に空燃比センサ20の実際の出力電圧はVAであり、正
規の出力電圧VRよりも低くなる。このとき図3のマッ
プを用いて得られる空気過剰率λはλAであり、すなわ
ち検出された空気過剰率は真の空気過剰率よりもリッチ
側にずれるようになる。
【0012】このような空燃比センサ20の出力電圧の
低下の原因は明らかにされていないが、次のように理由
によるものと考えられている。すなわち、CNGのよう
なガス燃料には例えばメタンCH4 の形で多量の水素が
含まれているのでガス燃料内燃機関の排気中には多量の
水素H2 が含まれている。ところが、水素分子H2 の寸
法は酸素分子O2 に比べて非常に小さいので拡散律速層
34内を酸素分子O2に比べて非常に速やかに移動し、
その結果排気側電極33が水素分子層により覆われるよ
うになる。この水素分子層は酸素分子O2 の移動を阻害
し、その結果素子30内を移動する酸素イオン量が減少
せしめられ、斯くして空燃比センサ20の出力電圧が低
下する。また、空気過剰率のリッチ度合いが大きくなる
と排気中の酸素量が低下するだけでなく排気中の水素量
が増大し、その結果上述の水素分子層が大きくなる。こ
のため、空気過剰率のリッチ度合いが大きくなればなる
ほど素子30内を移動する酸素イオンO2-の減少量が増
大し、斯くして空気過剰率のリッチ度合いが大きいとき
には小さいときに比べて空燃比センサ20の出力電圧の
低下量が大きくなる。
低下の原因は明らかにされていないが、次のように理由
によるものと考えられている。すなわち、CNGのよう
なガス燃料には例えばメタンCH4 の形で多量の水素が
含まれているのでガス燃料内燃機関の排気中には多量の
水素H2 が含まれている。ところが、水素分子H2 の寸
法は酸素分子O2 に比べて非常に小さいので拡散律速層
34内を酸素分子O2に比べて非常に速やかに移動し、
その結果排気側電極33が水素分子層により覆われるよ
うになる。この水素分子層は酸素分子O2 の移動を阻害
し、その結果素子30内を移動する酸素イオン量が減少
せしめられ、斯くして空燃比センサ20の出力電圧が低
下する。また、空気過剰率のリッチ度合いが大きくなる
と排気中の酸素量が低下するだけでなく排気中の水素量
が増大し、その結果上述の水素分子層が大きくなる。こ
のため、空気過剰率のリッチ度合いが大きくなればなる
ほど素子30内を移動する酸素イオンO2-の減少量が増
大し、斯くして空気過剰率のリッチ度合いが大きいとき
には小さいときに比べて空燃比センサ20の出力電圧の
低下量が大きくなる。
【0013】このようにずれを含む空燃比センサ20の
出力電圧に基づき燃料噴射量をフィードバック補正する
と空気過剰率が誤補正されることになる。そこで、本発
明による実施態様では空気過剰率が正確に検出されるよ
うに空燃比センサ20の出力電圧を補正するようにして
いる。本発明による実施態様では空燃比センサ20の最
終的な出力電圧Vは例えば次式に基づいて算出される。
出力電圧に基づき燃料噴射量をフィードバック補正する
と空気過剰率が誤補正されることになる。そこで、本発
明による実施態様では空気過剰率が正確に検出されるよ
うに空燃比センサ20の出力電圧を補正するようにして
いる。本発明による実施態様では空燃比センサ20の最
終的な出力電圧Vは例えば次式に基づいて算出される。
【0014】V=VA・KB・KT ここでVAは空燃比センサ20の実際の出力電圧、KB
は基本補正係数、KTは温度補正係数をそれぞれ表して
いる。基本補正係数KBは空燃比センサ20の温度が基
準温度TRのときに空燃比センサ20の実際の出力電圧
VAを正規の出力電圧に一致させるための補正係数であ
る。この基本補正係数KBは図5に示されるように1.
0よりも大きく、空燃比センサ20の実際の出力電圧V
Aが大きくなるにつれて大きくなる。なお、基本補正係
数VBは予め実験により求められ、図5に示すマップの
形で予めROM12内に記憶されている。
は基本補正係数、KTは温度補正係数をそれぞれ表して
いる。基本補正係数KBは空燃比センサ20の温度が基
準温度TRのときに空燃比センサ20の実際の出力電圧
VAを正規の出力電圧に一致させるための補正係数であ
る。この基本補正係数KBは図5に示されるように1.
0よりも大きく、空燃比センサ20の実際の出力電圧V
Aが大きくなるにつれて大きくなる。なお、基本補正係
数VBは予め実験により求められ、図5に示すマップの
形で予めROM12内に記憶されている。
【0015】一方、温度補正係数KTは空燃比センサ2
0の温度TSに基づいて空燃比センサ20の実際の出力
電圧VAを正規の出力電圧に一致させるためのものであ
り、空燃比センサ20の温度TSが基準温度TRのとき
には1.0となる。基準温度TRはどのような温度でも
よいが、本発明による実施態様では基準温度TRは70
0℃程度に定められる。
0の温度TSに基づいて空燃比センサ20の実際の出力
電圧VAを正規の出力電圧に一致させるためのものであ
り、空燃比センサ20の温度TSが基準温度TRのとき
には1.0となる。基準温度TRはどのような温度でも
よいが、本発明による実施態様では基準温度TRは70
0℃程度に定められる。
【0016】ところで、本願発明者によればさらに、空
燃比センサ20の温度が高いときには低いときに比べ
て、上述の空燃比センサ20の出力電圧の低下量が小さ
くなることが確認されている。この理由についても明ら
かにされていないが、次のように考えられている。すな
わち、空燃比センサ20の温度が高くなると排気側電極
33の表面上で水素H2 と酸素O2 との反応(H2 +O
2 →H2 O)が活発になるために水素分子層が小さくな
る。その結果、素子30内を移動する酸素イオン量が増
大し、斯くして空燃比センサ20の出力電圧の低下量が
小さくなる。
燃比センサ20の温度が高いときには低いときに比べ
て、上述の空燃比センサ20の出力電圧の低下量が小さ
くなることが確認されている。この理由についても明ら
かにされていないが、次のように考えられている。すな
わち、空燃比センサ20の温度が高くなると排気側電極
33の表面上で水素H2 と酸素O2 との反応(H2 +O
2 →H2 O)が活発になるために水素分子層が小さくな
る。その結果、素子30内を移動する酸素イオン量が増
大し、斯くして空燃比センサ20の出力電圧の低下量が
小さくなる。
【0017】そこで本発明による実施態様では、図6に
示されるように空燃比センサ20の温度TSが高くなる
と小さくなる温度補正係数KTを導入し、この温度補正
係数KTにより空燃比センサ20の実際の出力電圧VA
を補正するようにしている。なお、温度補正係数KTは
予め実験により求められ、図6に示すマップの形で予め
ROM12内に記憶されている。
示されるように空燃比センサ20の温度TSが高くなる
と小さくなる温度補正係数KTを導入し、この温度補正
係数KTにより空燃比センサ20の実際の出力電圧VA
を補正するようにしている。なお、温度補正係数KTは
予め実験により求められ、図6に示すマップの形で予め
ROM12内に記憶されている。
【0018】温度補正係数KTは図6に示されるよう
に、空燃比センサ20の温度TSが一定温度T1(例え
ば800℃)よりも高くなるとほぼ一定に維持される。
これは、空燃比センサ20の温度TSがかなり高いとき
には空燃比センサ20の温度が上昇しても排気側電極3
3の表面における水素H2 と酸素O2 との反応が促進さ
れないためであると考えられる。
に、空燃比センサ20の温度TSが一定温度T1(例え
ば800℃)よりも高くなるとほぼ一定に維持される。
これは、空燃比センサ20の温度TSがかなり高いとき
には空燃比センサ20の温度が上昇しても排気側電極3
3の表面における水素H2 と酸素O2 との反応が促進さ
れないためであると考えられる。
【0019】このようにして求められる空燃比センサ2
0の最終的な出力電圧に基づき求められた空気過剰率は
真の空気過剰率を正確に表しており、したがって空燃比
センサ20の最終的な出力電圧に基づき燃料噴射時間を
フィードバック補正すれば空気過剰率を目標空気過剰率
に一致させることができることになる。次に、空燃比セ
ンサ20の温度TSの検出方法について説明する。本発
明による実施態様では、素子30の温度を空燃比センサ
20の温度としており、したがって以下では素子30の
温度の検出方法について説明する。図2(B)を参照す
ると、電極32,33にはECU10からの出力信号に
基づいて制御されるスイッチ37を介して交流電源38
が接続される。電極32,33間に例えば5kHzの交
流電圧を印加すると、この印加電圧と空燃比センサ20
の出力電流とから素子30のインピーダンスを求めるこ
とができる。素子30のインピーダンスは素子30の温
度を表わしている。そこで本発明による実施態様では、
素子30のインピーダンスを検出することにより素子3
0の温度を検出するようにしている。なお、スイッチ3
7は通常オフに維持され、素子30の温度を検出すべき
ときに一時的にオンにされる。
0の最終的な出力電圧に基づき求められた空気過剰率は
真の空気過剰率を正確に表しており、したがって空燃比
センサ20の最終的な出力電圧に基づき燃料噴射時間を
フィードバック補正すれば空気過剰率を目標空気過剰率
に一致させることができることになる。次に、空燃比セ
ンサ20の温度TSの検出方法について説明する。本発
明による実施態様では、素子30の温度を空燃比センサ
20の温度としており、したがって以下では素子30の
温度の検出方法について説明する。図2(B)を参照す
ると、電極32,33にはECU10からの出力信号に
基づいて制御されるスイッチ37を介して交流電源38
が接続される。電極32,33間に例えば5kHzの交
流電圧を印加すると、この印加電圧と空燃比センサ20
の出力電流とから素子30のインピーダンスを求めるこ
とができる。素子30のインピーダンスは素子30の温
度を表わしている。そこで本発明による実施態様では、
素子30のインピーダンスを検出することにより素子3
0の温度を検出するようにしている。なお、スイッチ3
7は通常オフに維持され、素子30の温度を検出すべき
ときに一時的にオンにされる。
【0020】図7の空気過剰率算出ルーチンを示してい
る。このルーチンは予め定められた設定時間毎に実行さ
れる。図7を参照すると、まず初めにステップ40では
空燃比センサ20の実際の出力電圧VAが読み込まれ
る。続くステップ41では空燃比センサ20の実際の出
力電圧VAに基づき図5のマップから基本補正係数KB
が算出される。続くステップ42では空燃比センサ20
の温度TSすなわち素子30の温度が検出される。続く
ステップ43では空燃比センサ20の温度TSに基づき
図6のマップから温度補正係数KTが算出される。続く
ステップ44では次式に基づき空燃比センサ20の最終
的な出力電圧Vが算出される。
る。このルーチンは予め定められた設定時間毎に実行さ
れる。図7を参照すると、まず初めにステップ40では
空燃比センサ20の実際の出力電圧VAが読み込まれ
る。続くステップ41では空燃比センサ20の実際の出
力電圧VAに基づき図5のマップから基本補正係数KB
が算出される。続くステップ42では空燃比センサ20
の温度TSすなわち素子30の温度が検出される。続く
ステップ43では空燃比センサ20の温度TSに基づき
図6のマップから温度補正係数KTが算出される。続く
ステップ44では次式に基づき空燃比センサ20の最終
的な出力電圧Vが算出される。
【0021】V=VA・KB・KT続くステップ45で
は空燃比センサ20の最終的な出力電圧Vに基づき図3
のマップから空気過剰率λが算出される。なお、空燃比
センサ20の温度は排気温度または排気流速に依存し、
排気温度または排気流速は機関負荷または機関回転数に
依存する。したがって、温度補正係数KTを排気温度、
排気流速、機関負荷または機関回転数との関係として予
め求めるようにすることもできる。また、これまで述べ
てきた実施態様では空燃比センサ20の実際の出力電圧
を補正し、補正された出力電圧に基づき空気過剰率を算
出するようにしている。しかしながら、空燃比センサ2
0の実際の出力電圧に基づきまず空気過剰率を算出し、
この空気過剰率を補正するようにしてもよい。さらに、
CNGのガス組成に基づき空燃比センサ20の出力電圧
を補正するようにすることもできる。
は空燃比センサ20の最終的な出力電圧Vに基づき図3
のマップから空気過剰率λが算出される。なお、空燃比
センサ20の温度は排気温度または排気流速に依存し、
排気温度または排気流速は機関負荷または機関回転数に
依存する。したがって、温度補正係数KTを排気温度、
排気流速、機関負荷または機関回転数との関係として予
め求めるようにすることもできる。また、これまで述べ
てきた実施態様では空燃比センサ20の実際の出力電圧
を補正し、補正された出力電圧に基づき空気過剰率を算
出するようにしている。しかしながら、空燃比センサ2
0の実際の出力電圧に基づきまず空気過剰率を算出し、
この空気過剰率を補正するようにしてもよい。さらに、
CNGのガス組成に基づき空燃比センサ20の出力電圧
を補正するようにすることもできる。
【0022】
【発明の効果】空燃比を正確に検出することができ、し
たがって空燃比が誤補正されるのを阻止することができ
る。
たがって空燃比が誤補正されるのを阻止することができ
る。
【図1】ガス燃料内燃機関の全体図である。
【図2】空燃比センサの詳細図である。
【図3】空燃比センサの出力電圧と空気過剰率との関係
を示す線図である。
を示す線図である。
【図4】空燃比センサの出力電圧のずれを説明するため
の図である。
の図である。
【図5】基本補正係数を示す線図である。
【図6】温度補正係数を示す線図である。
【図7】空気過剰率を算出するためのフローチャートで
ある。
ある。
1…ガス燃料機関本体 3…燃料噴射弁 5…排気マニホルド 20…空燃比センサ
Claims (2)
- 【請求項1】 排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検
出する空燃比センサを機関排気通路内に配置したガス燃
料内燃機関の空燃比検出装置において、空燃比センサに
より検出された空燃比をリーン側に補正すると共に、空
燃比センサにより検出された空燃比のリッチ度合いが大
きいときには小さいときに比べて空燃比センサにより検
出された空燃比のリーン側への補正量を大きくするよう
にしたガス燃料内燃機関の空燃比検出装置。 - 【請求項2】 空燃比センサの温度を検出する手段を具
備し、空燃比センサの温度が高いときには低いときに比
べて空燃比センサにより検出された空燃比のリーン側へ
の補正量を小さくするようにした請求項1に記載のガス
燃料内燃機関の空燃比検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10211373A JP2000045854A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | ガス燃料内燃機関の空燃比検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10211373A JP2000045854A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | ガス燃料内燃機関の空燃比検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000045854A true JP2000045854A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16604896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10211373A Pending JP2000045854A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | ガス燃料内燃機関の空燃比検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000045854A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013257273A (ja) * | 2012-06-14 | 2013-12-26 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガスセンサシステム |
JP2016125982A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 株式会社デンソー | 酸素センサ |
-
1998
- 1998-07-27 JP JP10211373A patent/JP2000045854A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013257273A (ja) * | 2012-06-14 | 2013-12-26 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガスセンサシステム |
JP2016125982A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 株式会社デンソー | 酸素センサ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050323 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051206 |