JP2016125067A - 摺動接点材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高回転数化するマイクロモーター等にも対応することができ、従来よりも耐磨耗性にも優れたAg合金系の摺動接点材料を提供する。
【解決手段】本発明は、6.0質量%以上9.0質量%以下のCu、0.1質量%以上2.0質量%以下のNi、0.1質量%以上0.8質量%以下の添加元素M、残部Agの組成を有する摺動接点材料である。この添加元素Mは、Sm、La、Zrからなる群から選択される少なくとも1の元素である。本発明に係る摺動接点材料は、Ag合金マトリックス中にNiと添加元素Mの双方を少なくとも含む金属間化合物を含む分散粒子が分散する材料組織を有する。この分散粒子中のNi含有量(質量%)と添加元素Mの含有量(質量%)との比率(KNi/K)が所定範囲内にあることが要求されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、Ag合金からなる摺動接点材料に関する。特に、高回転数化等により負荷が増大し得るモーター用の整流子等に対して好適に使用できる摺動接点材料に関する。
モーターは、各種家電製品や自動車等、多くの用途で使用されている機器であるが、近年、その小型化、高出力化に関して一層高いレベルのものが要求されている。この傾向によりモーター回転数は増大することとなり、これに対応できて長寿命を発揮し得るモーターが求められる。
寿命によるモーターの停止の例としては、その構成部品である整流子とブラシとの間で生じる機械的磨耗によるものが挙げられる。この現象においては、モーター駆動過程の摺動による磨耗で整流子の材料がブラシに移着し、それが整流子に再移着する過程で粗大な磨耗粒子が生成する。そして、この磨耗粒子が整流子のスリットに蓄積し、整流子がショートしてモーターが停止するというものである。かかるメカニズムを考慮すると、モーターの長寿命化のための取り組みとしては、これらの部品を構成する摺動接点材料の耐磨耗特性の改善が挙げられる。
モーター等に適用される摺動接点材料としては、耐磨耗性に加えて導電性を考慮しAg系合金が良く知られている。例えば、AgにCu合金化したAg−Cu合金や、更に、Zn、Mgを合金化したAg−Cu−Zn合金、Ag−Cu−Zn−Mg合金等が知られている。
特開平6−172894号公報
これまで開示された摺動接点材料も一定の効果はあるものの、上記したモーター回転数の増大による負荷にも耐え得るモーターを開発するためには、より耐磨耗性にすぐれたものが求められている。そこで本発明は、Ag合金を基本とする摺動接点材料について、従来技術よりも耐磨耗性にも優れたものを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、6.0質量%以上9.0質量%以下のCu、0.1質量%以上2.0質量%以下のNi、0.1質量%以上0.8質量%以下の添加元素M、残部Ag及び不可避不純物からなる摺動接点材料であって、前記添加元素Mは、Sm、La、Zrからなる群から選択される少なくとも1の元素であり、その材料組織として、Ag合金マトリックス中に、Niと添加元素Mの双方を少なくとも含む金属間化合物を含む分散粒子が分散する材料組織を有し、前記分散粒子中の、Ni含有量(質量%)と添加元素Mの含有量(質量%)との比率(KNi/K)が下記範囲内にある摺動接点材料である。
・添加元素MがSm、Laのとき:1.50以上2.50以下
・添加元素MがZrのとき:1.80以上2.80以下
本発明に係る摺動接点材料は、Ag−Cu合金をベースとなる合金とし、これにNi、及び、希土類元素(Sm、La)又はZrを添加したものである。そして、Ag合金をマトリックスとし、ここに所定の金属間化合物を含む分散粒子を分散させたものである。即ち、本発明は、Ag合金を金属間化合物の分散強化機構により強化し、摺動接点材料として有効な耐磨耗性を具備させたものである。
ここで重要なのは、強化作用を発揮する分散粒子とは、単純にマトリックスとなるAg合金に対して組成の異なる相であれば良いというものではない。NiやSm等の希土類元素は、Agに固溶することがなく単独でも分散粒子を形成することができるが、その場合には耐磨耗性の向上は期待できない。本発明において有効な分散粒子は、Niと添加元素Mの双方を含む金属間化合物を含むものであって、且つ、Niと添加元素Mの含有量について所定比率を具備するようになっていることが要求される。
更に、Sm、La、Zrは、それぞれNiと金属間化合物を形成するものの、その構成は1種類ではなく複数種の金属間化合物を形成し得る。その例として、NiとSmの双方を添加した場合について説明する。図1はSm−Ni系状態図であるが、この図から分かるように、この系ではSmとNiとの構成比率により複数の金属間化合物が形成され得る。本発明者等によれば、Ag合金にSmとNiを添加する場合、合金を有効に強化することができる金属間化合物はSmNiであることが確認されている。これ以外の金属間化合物は、材料強化に寄与しない。
このように、強化作用を有する特定の金属間化合物を選定しなければならない点は、La、Zrでも同様である。具体的には、LaについてはLaNiが有用であり、ZrについてはZrNiが有用である。図2は、La−Ni系及びNi−Zr系の状態図を示すが、これらにおいても特定領域の金属間化合物が要求される。本発明に係る摺動接点材料は、これらの有用な金属間化合物を主体的に含む分散粒子により強化されている。以下、本発明の構成についてより詳細に説明する。
上記の通り、本発明に係る摺動接点材料は、全体組成として、6.0質量%以上9.0質量%以下のCu、0.1質量%以上2.0質量%以下のNi、0.1質量%以上0.8質量%以下の添加元素M、残部Ag及び不可避不純物からなるものである。
ここで、各構成元素に関して説明する。Cuは、主に、本発明に係る摺動接点材料のマトリックスとなるAg合金の構成成分となる。Cuの添加量を適正範囲とすることでマトリックスを適正な強度とする。Cu濃度は、6.0質量%未満であっても9.0質量%を超えても摺動接点材料の耐磨耗性は低下し磨耗量が増大する。
Niはこれまで説明したように、強化作用を有する金属間化合物の構成元素である。Ni濃度について0.1質量%以上2.0質量%以下とするのは、これらの範囲外では有効な金属間化合物を生成しがたくなる。特に、2.0質量%を超えると、Niの偏析も生じ加工性が悪化する。
添加元素M(Sm、La、Zr)については、0.1質量%以上0.8質量%以下とする。有効な組成の金属間化合物を生成させるためである。添加元素Mの濃度については、より好ましくは、0.4質量%以上0.8質量%以下とする。詳細は後述するが、添加元素Mの濃度とNi濃度は、両者の比率を考慮して調整するのが好ましい。
以上の全体組成を有するAg合金において、マトリックスとなるAg合金は、Ag−Cu合金である。また、後述するZn、Mgが添加された場合のマトリックスは、Ag−Cu−Zn合金、Ag−Cu−Zn−Mg合金となる。つまり、マトリックスにはNi及び添加元素Mは殆ど含まれていない。これらの添加元素は、Agに対して固溶範囲を有しないからであり、マトリックス中のNi濃度は0.1質量%以下である。
そして、本発明で特徴として規定される分散粒子は、Niと添加元素M(Sm、La、Zr)との金属間化合物(SmNi、LaNi、ZrNi)を主成分としているが、それらのみで構成されているとは限らない。例えば、添加元素MとしてSmを添加した摺動接点材料の場合、分散粒子にはNiとSmに加えてCuが含まれていることがある。これは、SmNiにCuが固溶して分散粒子を形成している、或いは、SmNiにCuを含む合金相(CuNi等)が混合し一体化して分散粒子を形成したためと推定される。このように、本発明における分散粒子は、NiとSm等の添加元素M以外の元素を含んでいても良い。
もっとも、分散粒子がNiと添加元素M以外の元素を含んでいるとしても、本発明で有効とされる分散粒子は、好適な金属間化合物(SmNi、LaNi、ZrNi)を主成分としていることから、分散粒子中の、Ni含有量(質量%)と添加元素Mの含有量(質量%)との比率(KNi/K)の値が一定範囲内にある。この含有量の比率(KNi/K)については、添加元素MがSm又はLaである場合に1.50以上2.50以下である、また、添加元素MがZrである場合は、1.80以上2.80以下とする。本発明者等の検討によれば、KNi/Kの値が上記範囲外の分散粒子は、Niと添加元素Mとの金属間化合物で構成されていない分散粒子、或いは、Niと添加元素Mとの金属間化合物を含むものであっても強化作用を有する金属間化合物(SmNi、LaNi、ZrNi)以外の金属間化合物で構成された分散粒子等に該当すると考えられる。そのような分散粒子は材料強化に作用しない。
また、本発明においては、分散粒子の組成及びその分布状態を良好なものとするため、全体組成におけるNi濃度(SNi:質量%)と添加元素Mの濃度(S:質量%)との比率を調整することが好ましい。この濃度比(SNi/S)の好適範囲は、添加元素Mの種類によって相違し、添加元素MがSmのときは0.80以上5.0以下とするのが好ましい。また、添加元素MがLaのときは1.50以上5.0以下が好ましく、添加元素MがZrのとき1.40以上6.7以下とするのが好ましい。
本発明に係る摺動接点材料は、AgCu合金を基礎とするものであるが、ここに他の添加元素を加えても良い。特に、0.1質量%以上2.0質量%以下のZnを添加することで、マトリックスとなるAg合金の強化に寄与し、摺動接点材料全体の材料強化に繋がる。また、同様の趣旨から、0.05質量%以上0.3質量%以下のMgを含む摺動接点材料も摺動性等の好ましい特性を有する。
本発明に係る摺動接点材料は、上述した所定の金属間化合物を含む分散粒子が分散していることを必須構成とするが、それ以外の相(析出物)の存在を否定するものではない。ここで、生じうる他の相としては、CuとNiとの合金相(CuNi)や、Znを添加した場合に生成し得るCuとNiとZnとの合金相(CuNiZn)等が挙げられる。これらの析出相は、材料強化に大きく寄与することは無いものの、阻害要因にもならないことから存在が許容される。
次に、本発明に係る摺動接点材料の製造方法について説明する。本発明に係る摺動接点材料は、基本的に溶解鋳造法により製造可能である。即ち、6.0質量%以上9.0質量%以下のCu、0.1質量%以上2.0質量%以下のNi、0.1質量%以上0.8質量%以下の添加元素M、残部Ag及び不可避不純物からなるAg合金の溶湯を生成し、その後冷却凝固させることで製造可能である。
但し、本発明では、強化作用を有する金属間化合物を形成し、Ni含有量と添加元素Mの含有量との比率(KNi/K)を有する分散粒子を分散させる必要がある。上記した有効な金属間化合物は、いずれの場合も高融点であり固相線温度が高い。そのため本発明においては、溶湯の温度管理が重要であり、冷却凝固前の溶湯の温度を1300℃以上とすることを要する。この溶湯温度は、冷却前に前記温度に達していれば良く長時間保持する必要は無いが、5〜10分間程度保持した後に冷却することが好ましい。この加熱温度の上限は、エネルギーコストや装置保全等の現実的な観点から1400℃以下にするのが好ましい。
そして、本発明に係る摺動接点材料の製造方法においてもう一点重要なのは、凝固時の冷却速度である。本発明で必須とする金属間化合物は、比重がマトリックス(Ag合金)よりも低い傾向があるため、冷却速度が低いと生成した金属間化合物が浮揚し均一分散に支障が生じる。また、冷却速度が過度に遅くなると、好適組成の金属間化合物に組成変動が生じて好ましくない組成の金属間化合物に変化するおそれがある。このようなことから、本発明では凝固時の冷却速度を100℃/min以上とする。冷却速度の上限については3000℃/min以下とするのが好ましい。
尚、Ag合金溶湯を製造する際、通常は各金属成分(Ag、Cu等)の高純度原料を使用し、それらを混合・溶解することになる。このとき、本発明の摺動接点材料をリサイクルして使用しても良い。本発明の摺動接点材料における金属間化合物は、液相線以上に加熱することで可逆的に溶解し冷却することで同様の組成で再生される。例えば、前回製造時の端材や使用済み材料(汚染されていないもの)を利用することができる。
以上説明したように、本発明に係る摺動接点材料は、これまで有用性が確認されていなかったNiと特定元素との金属間化合物を適用することで高い耐磨耗性を有する。本発明は、小型化・高回転数化が進むモーターの構成材料として有用である。特に、マイクロモーターの整流子で使用される摺動接点材料として有用である。尚、本発明に係る摺動接点材料は、無垢材として使用することもできるが、クラッド材の形態で使用することもできる。例えば、Cu又はCu合金のいずれかに本発明に係る摺動接点材料を複合してなるクラッド材が挙げられる。このとき、Cu又はCu合金の一部又は全面に本発明に係る摺動接点材料を摺動面として接合する。
本発明で生成する金属間化合物について説明するためのSm−Ni系状態図。 本発明で生成する金属間化合物について説明するためのLa−Ni系状態図及びNi−Zr系状態図 本実施形態で行った摺動試験の試験方法を説明する図。 実施例1及び実施例3の金属組織写真と実施例3のEDS分析結果。 比較例1及び比較例2の金属組織写真と比較例2のEDS分析結果。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、Ag−Cu合金等にNi及びSm等の添加元素を添加した摺動接点材料を製造し耐磨耗性を評価した。試験材の製造は、高純度原料を所定組成になるように混合し高周波溶解し溶湯とし、溶湯温度を測定し1300℃以上になるように加熱し、その後急冷して合金インゴットを製造した。このときの冷却速度は100℃/minである。そして、圧延加工して600℃でアニーリングした後、再圧延加工し、切断加工して試験片(長さ45mm、幅4mm、厚さ1mm)とした。
本実施形態では、実施例1〜実施例15として上記製造工程で各種の組成の摺動接点材料を製造した。また、比較例として、Ni、Smの一方のみ添加した合金(比較例1、2)、Ni濃度過剰の合金(比較例3)を製造した。また、溶湯温度を1300℃より低温(1100℃)としてそこから急冷した合金(比較例4)、溶湯温度を1300℃以上としつつ、炉冷により100℃/min未満で徐冷した合金(比較例5)も製造した。更に、添加金属としてSm、La以外の希土類元素であるEuを添加したもの(比較例6)も製造した。
作製した各サンプルについては、まず、SEMにより組織観察を行い金属間化合物の析出の有無を調べ、金属間化合物がある場合には分散粒子の定性分析をEDXで行って分散粒子中のNi含有量とM含有量を測定し、それらの比率(KNi/K)を算出した。
そして、各試験片について耐磨耗性評価のための摺動試験を行った。図3は、摺動試験の方法を概略説明するものであるが、この試験では各実施例の試験片を固定接点とし、これにブラシを想定した可動接点として加工されたAgPd50の線材を当接して摺動させた。このとき、可動接点の6V、50mAで常時通電しつつ荷重40gとし、始点から前後5mm(10mm)を往復したとき(20mm)を1サイクルとし、50000サイクル摺動させた(摺動長合計1km)。その後、摺動部分の磨耗深さを測定した。この結果を表1に示す。この評価結果には、従来技術であるAg−Cu合金、Ag−Cu−Zn合金からなる摺動接点材料の測定値も示した。
表1から、Niと添加元素M(Sm、La、Zr)を同時添加した合金(実施例1〜実施例15)について見ると、従来例1、2に対して飛躍的に耐磨耗性が向上していることが確認できる。中でも実施例1の合金が耐磨耗性に優れている。Niと添加元素Mに関しては、双方添加が必須であり、いずれか一方のみの添加では効果がない。これは比較例1、2との対比から把握できる。比較例1、2では、金属間化合物の生成はなく、マトリックスであるAg合金に固溶できないNi、Smが単独で分散していた。
図4は、実施例1及び実施例3の金属組織写真である。いずれの試料でも、NiとSmとの金属化化合物の形成による球状の分散粒子が見られる。図4には、例として実施例3の分散粒子のEDS分析結果も示したが、Ni及びSmを適切量含むものであることが分かる。これに対して、図5は、比較例1及び比較例2の金属組織写真である。比較例1は、Niのみを添加したものであるが細長い針状のNi相が見られる。比較例2はSmのみを添加したものであるが、こちらも実施例1、3のような分散粒子は見られない。比較例2について、観察された析出相をEDS分析したが、この析出相は当然ながらNiを含むものではなかった。
分散粒子の構成について、比較例3〜比較例6を参照すると、Ni含有量と添加元素Mの含有量との比率(KNi/K)の制御が必要であることが理解できる。比較例3のようにNi過多であるとNiの多い分散粒子が生じる。この比較例3は、比較例1、2や従来例1、2と対比すると、耐磨耗性が多少改善しているが良好といえるほどではない。また、比較例4、5から、分散粒子の組成(KNi/K)は、製造条件にも大きく依存することがわかる。これらの比較例は、組成は実施例3と同様であるが、鋳造時の条件として溶湯温度が低い又は冷却速度が遅い。これらの比較例では、有効な金属間化合物が生成せず、分散粒子も組成は範囲外となり、耐磨耗性にも劣っている。よって本発明に係る材料を製造する場合、組成(全体組成)の調整だけでは足りず、製造条件も適切にする必要があることが確認された。
実施例1〜実施例15に関して詳細に検討するに、添加元素としてSm、La、Zrの選定は有効であるといえる。これは比較例6で希土類元素であるEuを添加しても、金属間化合物を生成させることなく耐磨耗性の改善も見られなかったことからも理解できる。また、実施例12〜実施例15の結果から、より好適な耐磨耗性を発揮させるためには、合金の全体組成に関して、Ni濃度と添加元素Mの濃度との比(SNi/S)を制御することが好ましいといえる。これらの実施例は、磨耗量が800μmを超えており、他の実施例よりは耐磨耗性がやや劣ると思われるからである。尚、本発明に関しては、Ag−Cu合金にNiとSm等を添加しても有効であり(実施例10)、Mgを添加しても良い(実施例11)。
以上説明したように、本発明に係る摺動接点材料は、従来のAg系摺動接点材料に対して高い耐磨耗性を有する。本発明は、特に、小型化・高回転数化が進むマイクロモーターの整流子の摺動接点材料として有用である。

Claims (6)

  1. 6.0質量%以上9.0質量%以下のCu、
    0.1質量%以上2.0質量%以下のNi、
    0.1質量%以上0.8質量%以下の添加元素M、
    残部Ag及び不可避不純物からなる摺動接点材料であって、
    前記添加元素Mは、Sm、La、Zrからなる群から選択される少なくとも1の元素であり、
    その材料組織として、Ag合金マトリックス中に、Niと添加元素Mの双方を少なくとも含む金属間化合物を含む分散粒子が分散する材料組織を有し、
    前記分散粒子中の、Ni含有量(質量%)と添加元素Mの含有量(質量%)との比率(KNi/K)が下記範囲内にある摺動接点材料。
    ・添加元素MがSm、Laのとき:1.50以上2.50以下
    ・添加元素MがZrのとき:1.80以上2.80以下
  2. Ni濃度(SNi:質量%)と添加元素Mの濃度(S:質量%)との比(SNi/S)が下記範囲内にある請求項1記載の摺動接点材料。
    ・添加元素MがSmのとき:0.80以上5.0以下
    ・添加元素MがLaのとき:1.50以上5.0以下
    ・添加元素MがZrのとき:1.40以上6.7以下
  3. 0.1質量%以上2.0質量%以下のZnを含む請求項1又は請求項2記載の摺動接点材料。
  4. 0.05質量%以上0.3質量%以下のMgを含む請求項1〜請求項3のいずれかに記載の摺動接点材料。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の摺動接点材料の製造方法であって、Ag合金の溶湯を生成し、その後冷却凝固させる工程を含み、
    前記Ag合金の溶湯は、6.0質量%以上9.0質量%以下のCu、0.1質量%以上2.0質量%以下のNi、0.1質量%以上0.8質量%以下の添加元素M、残部Ag及び不可避不純物からなり、
    前記冷却前の前記Ag合金の溶湯の温度は1300℃以上であり、
    冷却時の冷却速度を100℃/min以上とする、摺動接点材料の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の摺動接点材料に、Cu又はCu合金のいずれかを複合してなるクラッド材。
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