JP2016124705A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給電と除電の切り替え制御を行うことなく、静電吸着力発生と除電とを両立させ、生産性を低下させないようにしたシート給送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート給送装置は、吸着部材200の下方弛み部分200aがシートに接触する際に静電吸着力を発生するように吸着部材200に正及び負の電圧を夫々供給する第1挟持搬送内ローラ202aを備える。シート給送装置は、吸着部材200の上方部分200bにて吸着部材200に接触して残留電荷を除電する除電ローラ対250を備える。吸着部材200は、電圧を夫々供給される給電部を有して周方向で互いに絶縁された電極パターン領域を有し、電極パターン領域夫々の周方向長さは、隣り合う第1挟持搬送内ローラ202aと除電ローラ対250との間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さよりも短くなるように設定される。
【選択図】図8
【解決手段】シート給送装置は、吸着部材200の下方弛み部分200aがシートに接触する際に静電吸着力を発生するように吸着部材200に正及び負の電圧を夫々供給する第1挟持搬送内ローラ202aを備える。シート給送装置は、吸着部材200の上方部分200bにて吸着部材200に接触して残留電荷を除電する除電ローラ対250を備える。吸着部材200は、電圧を夫々供給される給電部を有して周方向で互いに絶縁された電極パターン領域を有し、電極パターン領域夫々の周方向長さは、隣り合う第1挟持搬送内ローラ202aと除電ローラ対250との間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さよりも短くなるように設定される。
【選択図】図8
Description
本発明は、シート給送装置及び画像形成装置に関し、特に静電吸着力を用いてシートを給送するものに関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置において、シートを積載したカセットからシートを搬送する方式として摩擦分離方式のものが多く提案されている。摩擦分離方式では、ゴム材料である給送ローラを、カセット内に積載されたシートに押し付けながら回転させることで、中板上に積載されたシートの最上位のシートを搬送する。ここで、最上位のシートに接している下位のシートも搬送されてしまう重送を防止するために、シートを分離パッドに押さえ付けながら搬送し、リタードローラで最上位以外のシートに搬送方向とは逆方向の力を加える構成のものも知られている。このような摩擦分離の構成では、シートに大きな垂直抗力を加えながら搬送するため、給送動作による騒音が課題となる。
この課題を解決するものとして、静電吸着分離方式の構成を備えた装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置では、シートの吸着時には、無端状のベルトを弛ませることで吸着面積を増加させて分離し、シートの吸着後には、ベルトに張力を与えて平面状態にしてシートを搬送するので、給送部での騒音を大幅に低減することができる。
また、電極が設けられている無端状の静電吸着ベルトに給電する構成を備えた装置も提案されている(特許文献2、3参照)。特許文献2に記載の装置では、無端状の静電吸着ベルトに設けられた一体電極に、静電吸着ベルトを張架する2本のローラから正極及び負極をそれぞれ給電している。また、特許文献3に記載の装置では、無端状の静電吸着ベルトに設けられ且つ周方向に分割された電極のうち吸着範囲にある電極のみと接触する給電ブラシが配置された構成を備えている。
特許文献2に記載の装置では正負極を一箇所で給電しているため、給電中は、静電吸着ベルト全域に電圧が印加されることになる。これにより、シート搬送中に印加された状態でシートが静電吸着ベルトから離間していくため、剥離放電によって静電吸着ベルトに電荷が残留する。この残留電荷は、静電吸着ベルトの静電吸着力を劣化させるので、除電する必要がある。
以上のような従来技術では、シートを吸着している動作中は静電吸着ベルト全域に電圧が印加されているため、この状態で除電手段を静電吸着ベルトに接触させても、十分な除電効果を得ることができない。従って、先行シートの搬送を完了した後に、給電を停止した状態で無端状の静電吸着ベルトを一周回転させて全域を除電手段に接触させて除電してから、再度給電して次シートの搬送動作を行なう。そのため、生産性が著しく低下するおそれがある。
また、特許文献3に記載の給電構成を特許文献1に記載の装置に適用しようとする場合、吸着範囲が上下に移動することになるため、静電吸着ベルトに設けられた電極に給電ブラシを確実に接触させて給電することが困難になる。
そこで、本発明は、給電と除電の切り替え制御を行うことなく、静電吸着力発生と除電とを両立させることで、生産性を低下させないようにしたシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート給送装置において、シートが積載される積載手段と、前記積載手段の上方に配置された第1の回転体と、前記第1の回転体よりもシートの給送方向において下流に設けられた第2の回転体と、少なくとも前記第1及び第2の回転体に内面を支持されて周方向に回転し、前記積載手段に積載されたシートに対向する吸着側の第1の部位でシートを吸着してシート給送方向に給送する無端状の吸着部材と、前記第1の部位が前記積載手段上のシートに接触する際に静電吸着力を発生するように前記吸着部材に正及び負の電圧をそれぞれ供給する給電手段と、前記吸着部材における前記第1の部位から離れた第2の部位にて前記吸着部材に接触して残留電荷を除電する除電手段と、を備え、前記吸着部材は、前記周方向に沿って延設されて前記給電手段から前記電圧をそれぞれ供給される第1及び第2の電極を有して前記周方向で互いに絶縁された複数の電極パターン領域を有し、且つ前記電極パターン領域それぞれの周方向長さが、隣り合う前記給電手段と前記除電手段との間で前記吸着部材が最短長さになったときの周方向長さよりも短くなるように設定される、ことを特徴とする。
本発明によると、給電と除電の切り替え制御を行うことなく、静電吸着力発生と除電とを両立させることで、生産性を低下させないことを可能にすることができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は電子写真方式を用いた画像形成装置に具現化されるものとして説明するが、本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その他の相対配置などは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は電子写真方式を用いた画像形成装置に具現化されるものとして説明するが、本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その他の相対配置などは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。図1において、100は画像形成装置、100Aは画像形成装置本体(以下、装置本体という)である。装置本体100Aの上部には、原稿載置台としてのプラテンガラスに載置された原稿に光を照射し、反射光をデジタル信号に変換するイメージセンサ等を有する画像読取部41が配置されている。装置本体100A内には、CPU、ROM、RAMを有して装置各部を制御する制御手段としての制御部70が設けられている。
なお、画像を読み取るための原稿は、自動原稿給送装置41aによりプラテンガラス上に搬送される。また、装置本体100Aには画像形成部55と、画像形成部55にシートSを給送するシート給送装置51,52と、シートSを反転させて画像形成部55へ搬送するシート反転部59が設けられている。
画像形成部55は、露光ユニット42と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ43(43y,43m,43c,43k)を備えている。また、シートに画像を形成する画像形成手段としての画像形成部55は、プロセスカートリッジ43の上方に配された中間転写ユニット44、2次転写部56、定着部57を備えている。上記シート給送装置51,52は、この画像形成部55に向けてシートSを給送する。
ここで、プロセスカートリッジ43は、感光ドラム21(21y,21m,21c,21k)と、帯電ローラ22(22y,22m,22c,22k)と、現像ローラ23(23y,23m,23c,23k)とを備えている。また、プロセスカートリッジ43は、ドラムクリーニングブレード24(24y,24m,24c,24k)を備えている。
中間転写ユニット44は、ベルト駆動ローラ26、2次転写内ローラ56a等に張架されている中間転写ベルト25と、感光ドラム21に対向した位置で中間転写ベルト25に当接する1次転写ローラ27(27y,27m,27c,27k)を備えている。そして、後述するように、中間転写ベルト25に1次転写ローラ27により正極性の転写バイアスを印加することで、感光ドラム21上の負極性を持つトナー像が順次中間転写ベルト25に多重転写される。これにより、中間転写ベルト25上にはフルカラー画像が形成される。
2次転写部56は、2次転写内ローラ56aと、2次転写内ローラ56aと中間転写ベルト25を介して接する2次転写外ローラ56bとにより構成される。そして、後述するように2次転写外ローラ56bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト25上に形成された4色のフルカラー画像をシートSに転写する。
定着部57は、定着ローラ57aと定着バックアップローラ57bとを備えている。そして、定着ローラ57aと定着バックアップローラ57bとの間をシートSが挟持搬送されることにより、シートS上のトナー像は加圧及び加熱されてシートSに定着される。シート給送装置51,52は、それぞれシートSを収納するカセット51a,52aと、カセット51a,52aに収納されたシートSを静電気で吸着しながら1枚ずつ給送する機能を有するシート吸着分離給送部51b,52bとを備えている。
なお、図1において、103は、カセット51a,52aから給送されたシートSを2次転写部56まで搬送する2次転写前搬送パスである。104は、2次転写部56まで搬送されたシートSを、2次転写部56から定着部57まで搬送する定着前搬送パスである。105は、定着部57まで搬送されたシートSを定着部57から切換え部材61まで搬送する定着後搬送パスである。106は、切換え部材61まで搬送されたシートSを切換え部材61から排出部58まで搬送する排出パスである。107は、画像形成部55により片面に画像が形成されたシートSの裏面に画像を形成するため、シート反転部59により反転されたシートSを再び画像形成部55に搬送する再搬送パスである。
次に、以上の構成を備えた画像形成装置100の画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず不図示のパソコン等からの画像情報に基づき、制御部70は、露光ユニット42により感光ドラム21の表面にレーザ光を照射させる。このとき、感光ドラム21の表面は、帯電ローラ22によって所定の極性・電位に一様に帯電されており、レーザ光を照射すると、レーザ光が照射された部位の電荷が減衰することによって感光ドラム表面に静電潜像が形成される。
この後、制御部70は、静電潜像を現像ローラ23からそれぞれ供給されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)のトナーにより現像させ、静電潜像をトナー像として顕像化する。そして、この各色トナー像を1次転写ローラ27にそれぞれ印加した1次転写バイアスにより、順次中間転写ベルト25に転写することで、中間転写ベルト25上にフルカラートナー画像が形成される。
一方、制御部70は、上記トナー画像形成動作に並行して、シート給送装置51,52を作動させ、シート吸着分離給送部51b,52bによりカセット51a,52aから1枚のシートSのみを分離給送させる。このシートSは、シート検出センサ51cに検出され、引き抜きローラ51d,51eから構成される引き抜きローラ対71に到達する。また、シートSは、シート検出センサ52cに検出され、引き抜きローラ52d,52eから構成される引き抜きローラ対72に到達する。引き抜きローラ対71又は72に挟持されたシートSは搬送パス103に送り込まれ、停止しているレジストレーションローラ62a,62bから構成されるレジストレーションローラ対62のニップ部に当接することで先端の位置を調整される(斜行補正)。なお、引き抜きローラ対71,72は、中板51f,52f上(積載手段上)から吸着部材200で吸着給送されたシートSを挟持して下流に搬送する引き抜き回転体対を構成する。
次に、制御部70は、2次転写部56において、中間転写ベルト上のフルカラートナー像とシートSの位置とを一致させるタイミングでレジストレーションローラ対62を駆動する。これにより、シートSは、2次転写部56まで搬送され、2次転写部56にて、2次転写外ローラ56bに印加される2次転写バイアスにより、フルカラートナー像がシートS上に一括して転写される。
制御部70は、フルカラートナー像を転写したシートSを定着部57に搬送させ、定着部57で加熱及び加圧して各色のトナーを溶融混色させ、シートSにフルカラーの画像を定着させる。この後、制御部70は、画像が定着されたシートSを、定着部57の下流に設けられた排出部58を介して排出させる。なお、シートSの両面に画像を形成する際は、シートSの搬送方向をシート反転部59にて反転させて、再搬送パス107を介してシートSを再び画像形成部55へ搬送する。
[シート給送装置]
以下、シート給送装置51,52におけるシート吸着分離給送部51b,52bについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、主にシート給送装置51におけるシート吸着分離給送部51bの構成について説明するが、シート給送装置52におけるシート吸着分離給送部52bはシート給送装置51と同様の構成を有するため、その説明は省略する。
以下、シート給送装置51,52におけるシート吸着分離給送部51b,52bについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、主にシート給送装置51におけるシート吸着分離給送部51bの構成について説明するが、シート給送装置52におけるシート吸着分離給送部52bはシート給送装置51と同様の構成を有するため、その説明は省略する。
既述したように、シート給送装置51は、カセット51aと、カセット51aに収納されたシートSを静電気で吸着しながら1枚ずつ給送するシート吸着分離給送部51bとを備えている。シート給送装置51は、カセット51aに昇降可能に設けられ、シートSが積載される中板51fを昇降させる昇降手段301と、シート吸着分離給送部51bにより給送されたシートSの通過を検知するシート検出センサ51cとを備える。
昇降手段301は、中板51fの下方に回動可能に設けられたリフタ(不図示)の回動角度によって、中板51f及び中板51f上に積載された最上位のシートSaの位置を変更する。また、シート検出センサ51cは、シート吸着分離給送部51bと引き抜きローラ対71(図1参照)との間のシート搬送経路中に配置されている。そして、所定のタイミングでシート検出センサ51cがシートSを検出するか否かにより、シート給送の成否を検出する。本実施形態では、シート検出センサ51cは非接触の反射式フォトセンサであり、検出対象にスポット光を照射し、その反射光量を測定して検出対象の有無を検出する。
シート吸着分離給送部51bは、第2挟持搬送ローラ対201と、第1挟持搬送ローラ対202と、除電ローラ対250と、可撓性を有する無端状の吸着部材200とを備えている。吸着部材200は、張架ローラ260と、第1挟持搬送ローラ対202と、第2挟持搬送ローラ対201とによって挟持搬送される。
なお、図2において、302は、カセット51aの中板51fに積載されたシートSの上面位置を検知する紙面高さ検出手段(図11参照)である。この紙面高さ検出手段302は、中板51fの上方に配置されると共に、センサフラグ302aとフォトセンサ302bとにより構成されている。センサフラグ302aは不図示の支持部に回転可能に支持されており、一端は最上位のシートSaの上面と接触可能な位置に、他端はフォトセンサ302bを遮光可能な位置に配置されている。
ここで、シートSaの上面が所定の高さに位置すると、紙面高さ検出手段302は、センサフラグ302aが回動してフォトセンサ302bを遮光することで、シートSaの上面位置を検出する。制御部70は、シートSaの上面が紙面高さ検出手段302で常に検出されるように昇降手段301の動作を制御し、中板51fの位置を最上位のシートSaの上面高さが略一定となる位置に保つ。この結果、第1挟持搬送ローラ対202と、シートSaの上面との空隙Lrも略一定に保たれる。
第1挟持搬送ローラ対202は、第1挟持搬送内ローラ202aと第1挟持搬送外ローラ202bとから構成される。第1挟持搬送内ローラ202aは、第2挟持搬送内ローラ201aと同様に吸着部材200の内側に配置されると共に、位置が固定された軸支持部材(不図示)により回転軸202dを回転可能に支持されている。第1挟持搬送内ローラ202aには、第1の駆動手段204からの駆動が不図示の駆動伝達手段を介して伝達される。なお、図2に示す第1の駆動手段204及び第2の駆動手段203は、例えばステッピングモータから構成されており、所定のステップ数回転した後に次の動作工程に移行する。また、第1挟持搬送外ローラ202bは、第1挟持搬送内ローラ(回転体)202aとで吸着部材200を挟持する第1の挟持部材を構成する。
従動回転体である第1挟持搬送外ローラ202bは、第2挟持搬送外ローラ201bと同様に、吸着部材200を第1挟持搬送内ローラ202aとで挟んだ状態でこのローラ202aと対向する位置に配置され、不図示の軸支持部材で回転可能に軸支される。第1挟持搬送外ローラ202bは、図2の反時計回り方向に回転する第1挟持搬送内ローラ202aにより同方向に回転させられる吸着部材200によって従動回転させられる。なお、不図示の軸支持部材には第1押圧バネ202cが連結されており、第1挟持搬送内ローラ202aは、第1押圧バネ202cにより第1挟持搬送内ローラ202aの軸中心方向に付勢されてこのローラ202aと共に吸着部材200を挟持する。
第2挟持搬送ローラ対201は、第1挟持搬送ローラ対202に対してシート給送方向の下流に配置され、第2挟持搬送内ローラ201aと第2挟持搬送外ローラ201bとから構成される。第2挟持搬送内ローラ201aは、吸着部材200の内側に配置されると共に、位置が固定された軸支持部材(不図示)により回転軸201dを回転可能に支持されている。第2挟持搬送内ローラ201aには、第2の駆動手段203からの駆動が不図示の駆動伝達手段を介して伝達される。
従動回転体である第2挟持搬送外ローラ201bは、無端のベルト形状の吸着部材(ベルト部材)200を第2挟持搬送内ローラ201aとで挟んだ状態でこのローラ201aと対向する位置に配置され、不図示の軸支持部材により回転可能に軸支される。第2挟持搬送外ローラ201bは、図2の反時計回り方向に回転する第2挟持搬送内ローラ201aにより同方向に回転させられる吸着部材200によって連れ回り回転(従動回転)させられる。なお、不図示の軸支持部材には第2押圧バネ201cが連結されており、第2挟持搬送外ローラ201bは、第2押圧バネ201cにより第2挟持搬送内ローラ201aの軸中心方向に付勢されてこのローラ201aと共に吸着部材200を挟持する。また、第2挟持搬送外ローラ201bは、第2挟持搬送内ローラ(第2の回転体)201aとで吸着部材200を挟持する第2の挟持部材を構成する。
除電ローラ対250は、除電内ローラ250aと除電外ローラ250bとから構成されている。除電内ローラ250aは、第1挟持搬送内ローラ202a及び第2挟持搬送内ローラ201aと同様に吸着部材200の内側に配置され、配置位置が固定の不図示の軸支持部材によって回転可能に軸支される。なお、除電ローラ対250は、吸着部材200における下方弛み部分(第1の部位)200aから離れた上方部分(第2の部位)200bにて吸着部材200に接触して残留電荷を除電する除電手段を構成する。
従動回転体である除電外ローラ250bは、吸着部材200を挟んで除電内ローラ250aの外側に配置され、不図示の軸支持部材によって回転可能に軸支されている。なお、不図示の軸支持部材には第3押圧バネ250cが接続されており、除電外ローラ250bは、第3押圧バネ250cによって除電内ローラ250aの軸中心方向に付勢されて除電外ローラ250bと共に吸着部材200を挟持する。
張架ローラ260は、除電ローラ対250と第1挟持搬送ローラ対202との間に配置され、第1挟持搬送内ローラ202aと同じもしくは僅かに遅く回転するように構成されている。これにより、張架ローラ260と第1挟持搬送ローラ対202との間で吸着部材200に張力が発生している。なお、張架ローラ260は、積載手段としての中板51f,52fの上方に配置された第1の回転体を構成する。
張架ローラ260は、少なくとも吸着部材200と接触する部分が絶縁材料で構成された絶縁体から構成されている。そして、張架ローラ260は、第1挟持搬送内ローラ202aと共通の第1の駆動手段204で駆動しても良いし、第1挟持搬送内ローラ202aの支持軸からギヤやベルトを介して駆動を伝達するようにしても良い。
図2に示すように、無端ベルト状の吸着部材200は、シート給送方向(矢印Dの方向)に沿って設けられた第1挟持搬送内ローラ202a、第2挟持搬送内ローラ201a、除電内ローラ250a及び張架ローラ260により支持されている。この吸着部材200は、各ローラに最短距離で巻き掛けた長さよりも長い長さを有している。このような長さを有することにより、吸着部材200は、第2挟持搬送内ローラ201a及び第1挟持搬送内ローラ202aの回転によって回転(移動)しながら下方に弛むことができる。これにより、第2挟持搬送ローラ対201及び第1挟持搬送ローラ対202と、積載されたシートSの最上位のシートSaとの間には空隙Lrが存在するものの、吸着部材200はシートSaと接触可能となる。
無端状の吸着部材200は、少なくとも張架ローラ260及び第2挟持搬送内ローラ201aに内面を支持されて周方向に回転する。そして吸着部材200は、中板(積載手段)51fに積載されたシートSに対向する吸着側の下方弛み部分(第1の部位)200aでシートSを吸着して、シート給送方向(矢印Dの方向)に給送する。また、第2挟持搬送内ローラ201aは、張架ローラ(第1の回転体)260よりもシート給送方向において下流に設けられた第2の回転体を構成する。
第1挟持搬送内ローラ202aには、給電手段(高圧電源)としての正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266からの電圧が吸着部材200に印加される。なお、第1挟持搬送内ローラ202a及び第2挟持搬送内ローラ201aは、下方弛み部分(第1の部位)200aが中板51f上のシートSに接触する際に静電吸着力を発生するように吸着部材200に正及び負の電圧を夫々供給する給電手段を構成する。給電方法の詳細については、後述する。
除電ローラ対250の除電外ローラ250b及び除電内ローラ250aは、アース接続されており、吸着部材200の表面及び裏面の残留電荷を除電できる構成となっている。この構成の詳細については、後述する。
また、除電内ローラ250aには負荷トルク付与手段251が備えられており、この負荷トルク付与手段251により除電内ローラ250aは、吸着部材200を給送する方向に対しての抵抗を与えられている。除電ローラ対250は、吸着部材200が搬送されることにより従動しながら回転する。これにより、第1挟持搬送ローラ対202が、従動回転する除電ローラ対250を、吸着部材200を介して引っ張り続ける。そのため、第1挟持搬送ローラ対202と除電ローラ対250との間の吸着部材200には、負荷トルク付与手段251の負荷トルクに応じた張力が与えられる。従って、電圧供給手段が備えられた第1挟持搬送内ローラ202aと吸着部材200とを、確実に接触させることができる。なお、除電ローラ対250は、吸着部材200における下方弛み部分(第1の部位)200aから離れた上方部分(第2の部位)200bにて吸着部材200に接触して残留電荷を除電する除電手段を構成する。
ここで、図11は、本実施形態に係るシート給送装置51,52に共通する制御ブロック図である。図11に示すように、制御部70の入力ポートには、紙面高さ検出手段302、シート検出センサ51c,52c等が接続されている。制御部70の出力ポートには、昇降手段301(図2参照)、第1の駆動手段204、第2の駆動手段203、正電圧供給手段265、負電圧供給手段266等が接続されている。
制御手段としての制御部70は、第1挟持搬送内ローラ202a及び第2挟持搬送内ローラ201aの回転速度に差をつけるように上記駆動手段204,203をそれぞれ制御する。これにより、吸着部材200の下方への弛み量を大きくすることで中板51f,52f上(積載手段上)のシートSを吸着部材200に吸着させた後、吸着部材200の下方への弛み量を小さくさせながら吸着部材200に吸着されたシートSを給送する。なお、中板51f,52f(図1参照)は、シートSが積載される積載手段を構成する。
紙面高さ検出手段302は、カセット51a,52a内に夫々設けられた中板51f,52fに積載されたシートSの上面位置を検知する。この紙面高さ検出手段302は、中板の上方に配置されると共に、不図示のセンサフラグとフォトセンサによって構成されている。
シート検出センサ51c,52c(図1参照)は、シート吸着分離給送部51b,52bによりそれぞれ給送されたシートSの通過を検知する。シート検出センサ51cは、シート吸着分離給送部51bと引き抜きローラ対71との間のシート搬送経路中に配置されている。また、シート検出センサ52cは、シート吸着分離給送部52bと引き抜きローラ対72との間のシート搬送経路中に配置されている。そして、所定のタイミングでシート検出センサ51c又は52cがシートSを検出するか否かにより、シート給送の成否を検出する。本実施形態では、シート検出センサ51c,52cは、非接触の反射式フォトセンサであり、検出対象にスポット光を照射し、その反射光量を測定して検出対象の有無を検出する。
昇降手段301は、制御部70の制御により、カセット51a,52aにそれぞれ昇降可能に設けられてシートSが積載される中板51f,52fを昇降作動させる。昇降手段301は、中板51f,52fの下方に回動可能に設けられたリフタ(不図示)を備えており、このリフタの回動角度によって、中板51f,52f及び中板上に積載されたシートSの最上位のシートの位置を変更する。
第1の駆動手段204は、パルスモータ等を備えており、制御部70の制御により第1挟持搬送内ローラ202aを回転駆動する。また、第2の駆動手段203は、パルスモータ等を備えており、制御部70の制御により第2挟持搬送内ローラ201aを回転駆動する。
次に、図3に示すように、吸着部材200について説明する。図3(a)におけるA−A線による矢視方向の断面が図3(b)であり、B−B線による矢視方向の断面が図3(c)である。吸着部材200は、前述したように無端状の静電吸着ベルトであり、その内面の一部を図示したものが図3(a)である。
図3(a)に示すように、吸着部材200には、櫛歯状の電極パターン502が配置されている。櫛歯状の電極パターン502は、吸着部材200の両端部に設けられた給電部510,511にそれぞれ交互に接続されている。図3(b)に示すように、給電部510,511は、吸着部材200の裏面に露出しており、この露出した部分から高電圧が印加される。この裏面とは、吸着部材200が張架されたときに第1挟持搬送内ローラ202a、第2挟持搬送内ローラ201a、除電内ローラ250a及び張架ローラ260に接する面を意味する。
以下、吸着部材200の材質と寸法についての一例について述べる。図3(c)において、ベース材500は、厚みが例えば50μmのPI(ポリイミド:体積抵抗率=1015Ωcm)から構成される。給電部510,511及び電極パターン502は、体積抵抗106Ωcm以下の導電体としての、層厚が例えば10μmの銅から構成される。カバー部材501は、厚みが例えば50μmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン:体積抵抗率=1011Ωcm)から構成される。また、図3(a)において、電極パターン502の櫛歯の幅は例えば1mmに設定され、櫛歯と櫛歯との間隔は例えば0.5mmに設定され、給電部510,511の幅は5mmに設定されている。なお、上記の材質や寸法は一例であり、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態では、後述するようにシートSに吸着部材200が接近する際に吸着部材200が下方に弛んだ形状となるように、吸着部材200の材質及び厚み等を調節して適度な弾性を持たせている。
ここで、図4(a),(b)は、それぞれ図2における第1挟持搬送ローラ対202及び除電ローラ対250及びそれらの近傍を示す斜視図である。
図4(a)において、第1挟持搬送内ローラ202aは、円柱状の絶縁材から構成され、230,231で示す二箇所に、リング状の導電性材料(以下、ローラ給電部230,231)が設けられている。ローラ給電部230,231は、図3(b)に記載した吸着部材200の給電部510,511に接触可能な位置に形成されている。ローラ給電部230,231には、正負の高圧電源としての正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266(例えば+1200V,−1200V)に接続された導電性の接触端子270,271が摺動するように設けられている。第1挟持搬送内ローラ202aに吸着部材200を挟んで当接する第1挟持搬送内ローラ202aは、吸着部材200との接触部がゴム等の絶縁物により構成されている。
以上の構成により、正負の正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266から、接触端子270,271及びローラ給電部230,231を経由して、吸着部材200の給電部510,511へと正負の高電圧が印加される。
図4(b)において、除電内ローラ250aは、円柱状の絶縁材から構成され、232,233の二箇所に、ローラ給電部232,233としてのリング状の導電性材料が設けられている。ローラ給電部232,233は、図3(b)に示した吸着部材200の給電部510,511に接触可能な位置に形成されている。ローラ給電部232,233にそれぞれ対向する位置には、GND電位に接続された導電性の接触端子275,276が、これらローラ給電部232,233にそれぞれ摺動可能となるように装置本体100A側に支持されている。
以上の構成により、GND電位から、接触端子275,276、ローラ給電部232,233、吸着部材200の給電部510,511へと導通するため、吸着部材200の給電部510,511はGND電位となる。除電外ローラ250bは、導電性(もしくは低抵抗値)のゴム材料で形成されたローラ250bRが金属軸250bMに固定された構成を有し、金属軸250bMがGND電位に接続されている。
除電外ローラ250bは、除電内ローラ250aに対向する位置に配置され吸着部材200表面(図では裏面)に接するように配置されている。
次に、図5(a),(b)を参照して、吸着部材200がシートを静電吸着する原理について説明する。なお、図5(a),(b)は、それぞれ図3(b),(c)と同じ吸着部材200の断面図である。
図5(a)のように、吸着部材200の給電部510に、高圧電源である正電圧供給手段265から正の高電圧(例えば+1200V)が印加され、給電部511に、高圧電源である負電圧供給手段266から負の高電圧(例えば−1200V)が印加される。すると、図5(b)のように、電極パターン502のそれぞれに交互に正負の高電圧が印加される。具体的には、電極パターン5020には負、電極パターン5021には正、電極パターン5022には負、電極パターン5023には正、電極パターン5024には負が印加される。
図5(b)において、電極パターン502のそれぞれに正負の高電圧が印加されると、カバー部材501内にて誘電分極が発生し、吸着部材200表面には、電極パターン502と同極性の電位が発生する。この状態で、シートSを吸着部材200に近接させると、シートS内で誘電分極が発生し(また電子の移動もある)、吸着部材200表面の電位とは逆極性にシートSの表面が帯電する。このように吸着部材200表面とシートS表面が逆極性に帯電することにより、クーロン力による力で互いに引き合い、吸着部材200にシートSが吸着されることとなる。
ここで、図6(a)〜(c)は、それぞれ剥離帯電、除電可能な構成、除電不可能な構成を模式的に示した図である。
吸着部材200の電極パターン502に高電圧が印加されたままの状態で吸着したシートSを剥離させると、図6(a)に示すように、吸着部材200の表面に剥離帯電600が発生する。実験では、この剥離帯電600により、吸着部材200の表面は、印加した電圧とは逆極性(例えば+1200Vの電極の表面が−600V)に帯電し、シートSへの静電吸着力が低下してしまうことが確認されている。従って、この剥離帯電600を除電して静電吸着力を元の状態に復帰させる必要がある。
実験では、図6(b)に示すように、吸着部材200の電極パターン502をGND電位に接続すると共に、GND電位に接続した除電ブラシ430で吸着部材200の表面を摺動させることで、剥離帯電600が除電されることが確認されている。この除電方法では、電極パターン502への高電圧の印加を停止し、GND電位に接続することが重要である。
実験では、図6(c)に示すように、電極パターン502に高電圧が印加された状態で、除電ブラシ430により吸着部材200の表面を摺動させても、除電されず、静電吸着力は低下したままとなることが確認されている。高電圧が印加された状態では、除電ブラシ430を通して電子が流れ、吸着部材200の表面の電位の極性に引き付けられるように、吸着部材200の表面が帯電してしまう。つまり、プラスに印加されている表面は、マイナスに帯電する。よって、印加する電圧と表面の帯電とが逆極性となって相殺されてしまい、静電吸着力の低下を招くと考えられる。連続給送搬送動作を行うためには、シートSを吸着させ且つ上記の除電条件を満たす必要がある。
次に、図7を参照して、本実施形態における吸着部材200の詳細について説明する。なお、図7は、無端状の吸着部材200を展開した状態を示す図である。
図7に示している面は、吸着部材200が張架されたときに第2挟持搬送内ローラ201a、第1挟持搬送内ローラ202a、除電内ローラ250a及び張架ローラ260に接する側の面である。本実施形態では、給電部510,511及び櫛歯状の電極パターン502とで構成される電極パターン領域を、吸着部材200内で3つに分割している。破線で示す領域515a,515b,515c内にはそれぞれ、配線から構成される電極パターン領域520a,520b,520cが設けられており、3つの電極パターン領域520a,520b,520cは互いに電気的には繋がっていない。なお、電極パターン領域520b,520cの配線は、一部を除き省略している。
各電極パターン領域内の配線は図5と同じ構成であり、これについて電極パターン領域520a内の配線を例に挙げて説明する。即ち、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266から給電を受ける給電部510a,511aから交互に、端部から5020a,5021a・・・、502naのn本の電極パターンが配線されている。電極パターン領域520a,520b,520cの給電部510a,510b,510c,511a,511b,511c、及び電極パターン502a,502b,502cの各部寸法やピッチなどは、図5で説明したものと同一である。本実施形態では、電極パターン領域520a,520b,520cのシート給送方向長さ530a,530b,530cは、全て同一に構成されている。
上記のように、電極パターン領域520aは、櫛歯状電極としての5020a,5021a・・・、502naのn本の電極パターンを有している。これらn本の電極パターンは、吸着部材200の周方向と直交する幅方向に、給電部(第1の電極)510a及び給電部(第2の電極)511aの夫々から交互に櫛歯状に突出している。また、電極パターン領域520bは、周方向と直交する幅方向に給電部510a及び給電部511aの夫々から交互に櫛歯状に突出する櫛歯状電極としての5020b・・・、502nbのn本の電極パターンを有している。さらに、電極パターン領域520cは、周方向と直交する幅方向に給電部510a及び給電部511aの夫々から交互に櫛歯状に突出する櫛歯状電極としての5020c・・・、502ncのn本の電極パターンを有している。また、複数の電極パターン領域520a〜520cでは、各電極パターンが、上記幅方向において、給電手段である第1挟持搬送内ローラ202aからの給電の正負の順番を、正極と正極、負極と負極が互いに隣接するように配置されている。
これらの構成により、各電極パターン領域520a〜520cは、給電部510a,511aから給電された状態で、櫛歯状の電極パターンにより良好な静電吸着力を安定して発生させることができる。なお、本実施形態では、電極パターン領域520a〜520cの隣接する領域同士の距離(図7参照)は、電極パターン領域内における各電極パターンの電極ピッチよりも大きく設定されている。
ここで、図8を参照して、電極パターン領域や給電部等の位置関係について説明する。なお、図8は、電極パターン領域520a,520b,520c(図7参照)の電極パターンの位置と、給電部である第1挟持搬送ローラ対202と除電部である除電ローラ対250との位置関係を示す図である。
図8(a)〜(c)に示す吸着部材200は、第2挟持搬送ローラ対201と第1挟持搬送ローラ対202との間で最も弛んだ状態であり、第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250間には張力が作用して張った状態で最短距離に張架される。
図8(a)〜(c)において、吸着部材200の内側に破線で示した部分は各電極パターン領域の位置である。5020a,5020b,5020cは、シート給送方向で各電極パターン領域中の先頭となる電極パターンを示し、502na,502nb,502ncは、最後尾となる電極パターンを示す。
201Nは、第2挟持搬送ローラ対201によって吸着部材200が挟持されるニップ位置(搬送ニップ部)を示している。202Nは、第1挟持搬送ローラ対202によって吸着部材200が挟持されるニップ位置(給電ニップ部)を示しており、この部分を介して吸着部材200の給電部510,511に給電される。250Nは、除電ローラ対250によって吸着部材200が挟持されるニップ位置(除電ニップ部)を示しており、図6(a)で説明したシートSの剥離帯電による残留電荷はこの部分で除去される。
図8(a)に示す状態で、除電ニップ部250Nの上流(図中の右方)側の点から給電ニップ部202Nの下流側(図中の下方)の点までの距離を205aとする。そして、給電ニップ部202Nの上流側の点から除電ニップ部250Nの下流側の点までの距離を205bとする。本実施形態では、各部分を以下のように構成している。
(1)距離205a>図7に示す電極パターン領域520a,520b,520cのシート給送方向長さ530a,530b,530c
(2)距離205b>図7に示す電極パターン領域520a,520b,520cのシート給送方向長さ530a,530b,530c
なお、シート給送方向長さ530a,530b,530cは、上記条件を満たしていれば、必ずしも同じ長さでなくても良く、互いに異なる長さに設定されていても良い。
(1)距離205a>図7に示す電極パターン領域520a,520b,520cのシート給送方向長さ530a,530b,530c
(2)距離205b>図7に示す電極パターン領域520a,520b,520cのシート給送方向長さ530a,530b,530c
なお、シート給送方向長さ530a,530b,530cは、上記条件を満たしていれば、必ずしも同じ長さでなくても良く、互いに異なる長さに設定されていても良い。
このように吸着部材200は、周方向に沿って延設されて、周方向で互いに絶縁された複数の電極パターン領域520a〜520cを有している。電極パターン領域520a〜520cは、第1挟持搬送内ローラ(給電手段)202aから電圧を夫々供給される第1及び第2の電極としての給電部510a〜510c及び給電部511a〜511cを有している。これら電極パターン領域夫々の周方向長さは、隣り合う第1挟持搬送内ローラ(給電手段)202aと除電ローラ対(除電手段)250との間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さよりも短くなるように設定されている。
つまり、本実施形態における給電手段は、吸着部材200の周方向における一箇所に配置された第1挟持搬送内ローラ(給電回転体)202aから構成されている。そして、電極パターン領域それぞれの周方向長さは、第1挟持搬送内ローラ202aと除電ローラ対(除電手段)250との間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さよりも短く設定される。
給電ニップ部202N及び除電ニップ部250Nは、それぞれローラが圧接されているため、ニップ部にはある程度のシート給送方向での幅があり、図8(a)では、その幅を強調して表わしている。距離205a,205bは、いずれもニップ部の幅を含まない距離を示している。
図8(a)では、電極パターン領域520a(図7)の先頭パターンである電極パターン5020aが搬送ニップ部201Nを通過した位置にあり、最後尾パターンである電極パターン502naが給電ニップ部202Nの手前にある状態を示している。このとき、第1挟持搬送内ローラ202a付近では、図4(a)のように正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266から、接触端子270,271及びローラ給電部230,231を介して給電部510,511に給電されている。
従って、電極パターン5020aから電極パターン502naまでの全ての電極パターンは交互に正負極に給電されており、搬送ニップ部201Nから給電ニップ部202Nまでの吸着部材200のシートと対向する面は、シートを吸着可能な状態にある。このとき、電極パターン領域520b(図7)の先頭パターンである電極パターン5020bは502naの下流に位置し、最後尾パターンである電極パターン502nbは除電ニップ部250Nを通過した位置にある。このため、電極パターン領域520bの表面(シート吸着面)は、除電が完了した状態となっている(詳細は後述)。
この場合、電極パターン領域520c(図7)の先頭パターンである電極パターン5020cは除電ニップ部250Nを通過し、最後尾パターンである電極パターン502ncが除電ニップ部250Nの手前にある。このため、除電ニップ部250Nを通過した電極パターンの表面(シート吸着面)は、除電が完了した状態となっている(詳細は後述)。
図8(b)では、電極パターン領域520aの先頭パターンである電極パターン5020aが除電ニップ部250Nを通過し、最後尾パターンである電極パターン502naが除電ニップ部250Nの手前にある状態を示している。除電内ローラ250a付近では、図4(b)のようにGND電位から接触端子275,276、ローラ給電部232,233、吸着部材200の給電部510,511へと導通し、吸着部材200の給電部510,511はGND電位となっている。
電極パターン5020aが除電ニップ部250Nに到達したときに、電極パターン502naは給電ニップ部202Nを通過する位置関係になっている。このため、5020から502nまでの全ての電極パターンは非給電状態、即ち図6(b)と同じ除電可能状態となる。なお、図8(a)における電極パターン領域520cは、図8(b)の電極パターン領域520aと同じ状態である。
図8(b)において電極パターン領域520b(図7参照)は、全ての電極は給電ニップ部202Nのいずれにも接触していない非給電状態にある。このとき、電極パターン領域520cは、先頭パターンである電極パターン5020cが搬送ニップ部201Nを通過した位置にあり、最後尾パターンである電極パターン502ncが給電ニップ部202Nの手前にある。このため、図8(a)の電極パターン領域520aと同様、全ての電極パターンに給電された状態となっている。
吸着部材200と第2挟持搬送内ローラ201aとの接触開始点付近で、シートSは吸着部材200から離れ始め、その位置よりも下流側にて吸着部材200の表面は、図6(a)のように剥離帯電された状態になっている。
吸着部材200の剥離帯電された部分が除電ニップ部250Nの除電外ローラ250bに接触すると、吸着部材200表面の電荷が、図4(b)で説明した導電性ゴム部であるローラ250bRと、金属軸250bMとを経由してGND電位部に流れる。これにより、吸着部材200の表面が除電される。
図8(c)では、電極パターン領域520aの電極パターン5020aが給電ニップ部202Nの手前にあり、最後尾パターンである電極パターン502naが除電ニップ部250Nを通過した後の状態となっている。電極パターン502naが除電ニップ部250Nを通過するまでは電極パターン5020aは、給電ニップ部202N手前の非給電位置にあるため、図6(b)の除電可能状態が維持される。従って、電極パターン5020aから電極パターン502naまでの全ての電極パターンが除電ニップ部250N(除電外ローラ250b)を通過すると、この電極パターン領域の吸着部材200の表面は、除電完了となる。
そして、電極パターン5020aは除電完了後に給電ニップ部202Nに到達し、第1挟持搬送内ローラ202aから給電部510,511への給電を開始され、吸着部材200表面がシートSを吸着可能な状態となる。このとき、電極パターン領域520bは電極パターン5020bが除電ニップ部250Nを通過し、最後尾パターンである電極パターン502nbが除電ニップ部250Nの手前にある。電極パターン領域520bの中で除電ニップ部250Nを通過した電極パターンの表面(シート吸着面)は除電が完了した状態となっている。このとき、電極パターン領域520cは、最後尾パターンである電極パターン502ncが給電ニップ部202Nよりも下流にあり、図8(b)と同様全ての電極パターンに給電された状態が続いている。
次に、図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)を参照して、本実施形態におけるシート吸着分離給送部51bのシート分離給送動作について説明する。なお、図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)は、シート吸着分離給送部51bによってシートSが給送される動作を時系列に表現した模式図である。シートSの給送動作は、時系列順に、図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)に示す初期動作、接近動作、接触長さ増大動作、吸着動作、分離動作、搬送動作の6つの工程によって構成されている。以下、これらについて順に説明する。
本実施形態では、制御部70は、駆動回転する回転体である第1挟持搬送内ローラ202aと第2挟持搬送内ローラ(第2の回転体)201aとの回転速度に差をつけるように第1の駆動手段204及び第2の駆動手段203をそれぞれ制御する。これにより、吸着部材200の下方弛み部分(第1の部位)200aでの下方への弛み量を大きくすることで、中板51f上のシートSを吸着部材200に吸着させる。そして、吸着部材200の下方への弛み量を小さくさせながら、吸着部材200に吸着されたシートを給送することができる。
ここで、図2に示した例えばステッピングモータから構成される第1及び第2の駆動手段204,203は、所定のステップ数回転した後に次の動作工程に移行するように制御される。まず、図9(a)に示す初期動作は吸着部材200を給送動作初期位置に配置する動作であり、本実施形態では、吸着部材200の弛みが第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250との間に集められている状態である。制御部70は、初期状態にするため、矢印Rの方向へ第2挟持搬送ローラ対201を第1挟持搬送ローラ対202よりも速い速度(周速度、搬送速度)で回転させ、吸着部材200の弛みを第2挟持搬送ローラ対201よりも下流側に送り出す。
前述したように、除電内ローラ250aには図2で示したような負荷トルク付与手段251が備えられており、吸着部材200を搬送する方向に対しての搬送抵抗となっている。吸着部材200の弛みは、除電ローラ対250によって下流側には送り出されないため、第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250との間に集めることができる。このとき、吸着部材200は、第2挟持搬送ローラ対201と第1挟持搬送ローラ対202との間で張力が作用し、最短距離で張られた状態になっている。
この場合、第1挟持搬送ローラ対202は停止していても、回転していても良い。初期動作が完了したときには、最上位のシートSaと吸着部材200との間の距離は、シートSaと第1挟持搬送内ローラ202aとの空隙Lrだけ離間した状態となっている。なお、第2挟持搬送ローラ対201及び第1挟持搬送ローラ対202は、初期動作から回転し続けた状態で次の動作に移行しても良いし、一旦回転を停止してから次の動作に移行しても良い。
本実施形態の構成において、引き抜きローラ対71がシートSaを挟持するまではシートSaの吸着に寄与する電極パターン領域への給電を継続しなければならないため(理由は後述)、電極パターン領域とシートとの位置関係を一定に保つ必要がある。
本実施形態では、電極パターン5020aが図9(a)の位置にある状態を、吸着部材200のホームポジション(HP)としている。なお、ホームポジションとは、電極パターン領域520aに限らず3つの電極パターン領域520a,520b,520c(図7)のいずれかの先頭パターンが図9(a)の電極パターン5020aの位置にある状態とする。この状態からシートの給送を開始する。
本実施形態では、吸着部材200をホームポジションで停止させるために吸着部材200の位置を検出できる構成にされている。例えば、吸着部材200の吸着領域外の任意位置に凹凸形状、穴などを形成し、制御部70が、透過型、反射型センサ、マイクロスイッチなどにより吸着部材200の位置を検出し、電極パターン5020の位置が図9(a)の位置にくるように制御する。
制御部70は、シートSを給送する信号が送られてきたら、第1及び第2挟持搬送ローラ対201,202により吸着部材200を駆動してホームポジションを探す、もしくはシートSの搬送終了時にホームポジションを検出したら駆動を停止する制御を行う。
図9(b)に示す接近動作は、吸着部材200を下方に弛ませるように変形させ、吸着部材200の吸着面側をシートSaに接近させる動作である。まず、制御部70は、第1の駆動手段204を駆動して第1挟持搬送内ローラ(給電手段)202aを矢印R方向に回転させると共に、第2の駆動手段203を駆動して第2挟持搬送内ローラ201aを同方向に回転させ、吸着部材200を搬送する。
この際、第1挟持搬送内ローラ202a(第1挟持搬送ローラ対202)を第2挟持搬送内ローラ201a(第2挟持搬送ローラ対201)よりも速く回転させる。これにより、吸着部材200における第1挟持搬送ローラ対202と第2挟持搬送ローラ対201との間の下側が弛むように変形させる。このとき、第2挟持搬送ローラ対201は、停止していても回転していても良い。そして、このように吸着部材200が変形することにより、吸着部材200の下面がシートSaに接近する。
図9(c)に示す接触長さの増大動作は、上述の接近動作を継続させることで吸着部材200の下側表面とシートSaとを接触させると共に、吸着部材200における下方弛み部分(第1の部位)200aの接触長さMcを増大させる動作である。本実施形態では、接近動作と同様に、第1挟持搬送内ローラ202aを矢印Rの方向へ第2挟持搬送内ローラ201aよりも速く回転させることにより、接触長さMcを増大させている。
吸着部材200には、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266からそれぞれに電圧が印加されており、少なくとも接触長さMcの領域は、第1挟持搬送内ローラ202aから給電される範囲内にある。これにより、吸着部材200とシートSaとの間に静電吸着力が働いている状態にある。しかし、接触長さMcが所定の接触長さMn(図10(a)参照)よりも短い場合には、吸着部材200がシートSaを吸着する力も小さいため、シートSaに働く給送抵抗に打ち勝つことができない。このため、シートSaは、カセット51a内に収まったままで接触長さの増大動作が継続される。
図10(a)に示す吸着動作は、シートSaの上面と吸着部材200の表面とが所定の接触長さMnをもって面接触した後、シートSaが吸着部材200によって搬送開始される動作である。上述の接触長さ増大動作が継続された後、接触長さがMnとなってシートSaへの搬送力が増大すると、搬送抵抗に打ち勝ってシートSaが搬送され始める。
第2挟持搬送ローラ対201の下流にある引き抜きローラ51d,51eから構成される引き抜きローラ対71にシートSを確実に搬送するには、図10(a)の状態で吸着部材200がシートSaの先端を確実に吸着していることが望ましい。本実施形態では、第1及び第2挟持搬送ローラ対202,201の駆動を制御してシートSaの吸着に寄与している電極パターン領域(破線)の電極パターン5020がシートSa先端位置901よりも下流に距離902離れた位置903に到達させる。ただし、シートSa先端位置901が電極パターン5020より下流にあっても、シートSaの先端が剛性によって吸着部材200と略直線を形成する範囲内であれば、シートSaは引き抜きローラ対71へ搬送できるので問題はない。
この吸着部材200は、中板51f上の最上位のシートSaが次シートSbと分離される前であってシートSaに対する下方弛み部分200aの吸着領域が最大になった際(図10(a))、電極パターン領域先端がシートSaの先端近傍に位置可能になる。これにより、最上位のシートSaの次シートSbとの分離時に、吸着部材200の吸着領域が最大になった際にその対応する電極パターン領域の先端部がシートSaの先端近傍を吸着し始めて確実に給送することが可能になる。この場合、電極パターン領域の先端部が、最上位のシートSaより下流側にあるときだけでなく、上流側にあるときであっても給送を開始することが可能である。
図10(b)に示す分離動作は、吸着部材200に吸着されたシートSaを上方に持ち上げ、次位のシートSbから分離させる動作である。分離動作では、矢印R方向へ第2挟持搬送ローラ対201を第1挟持搬送ローラ対202よりも速い速度(周速度、搬送速度)で回転させる。これにより、吸着部材200のシートSaと対向している面の弛みが第2挟持搬送ローラ対201よりも下流側に送り出される。
さらに、除電内ローラ250a軸上の負荷トルク付与手段251が吸着部材200の搬送方向に対する抵抗になるため、第1挟持搬送ローラ対202が従動回転する除電ローラ対250を吸着部材200で引っ張り続ける。つまり、第1挟持搬送ローラ対202と除電ローラ対250との間の吸着部材200には常に張力が与えられていることになり、吸着部材200の弛みは第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250との間に集まる。その結果、吸着部材200のシートSaと対向している面の弛みが無くなって略直線形状へと弾性変形し、吸着部材200に吸着されたシートSaが上方に持ち上げられて下方のシート(次シート)Sbから分離される。
この間も、シートSaの吸着に寄与している電極パターン領域の最後尾パターンである電極パターン502nは、給電ニップ部202Nよりも上流にあるため、吸着部材200は、シートSaの先端から位置904までを吸着している。
図10(c)に示す搬送動作は、シートSaの吸着面が略直線形状へと変形した吸着部材200を搬送することにより、吸着されたシートSaを、シート給送下流の引き抜きローラ対71まで吸着給送させる動作である。図10(c)は、シートSaの先端が引き抜きローラ51d,51eのニップ部に挟持される直前の状態である。
この動作において、第1挟持搬送ローラ対202及び第2挟持搬送ローラ対201の回転速度を略一致させることにより、シートSaを吸着した吸着部材200を、吸着面側を略直線形状に維持したままの状態で搬送する。これにより、シートSaは、吸着部材200に吸着されたままの状態で少なくとも先端部が下方の次シートSbと分離された状態を保ちながら搬送される。図10(b)〜図10(c)の間で、シートSaの先端が、第2挟持搬送内ローラ201aによって形成される吸着部材200の湾曲部近傍の位置905に差し掛かると、シートSaの先端が吸着部材200から剥離する。
この剥離は、シートSaが有する曲げ反力が、吸着部材200に発生する静電吸着力よりも大きくなるために生ずる。言いかえれば、本実施形態において、吸着部材200に発生する静電吸着力の大きさは、シートSaが有する曲げ反力より小さい力でシートを吸着する大きさに設定されている(曲率分離)。つまり、この搬送動作により、吸着部材200はシートSaが離間する位置(離間位置)に移動する。なお、このように先端が吸着部材200から剥離した後、シートSaは、先端から剥離が拡大していくものの、このシートSaの後端領域は吸着部材200によって吸着されている。
引き抜きローラ対(引き抜き回転体対)71にシートSaの先端が挟持される前に、最後尾パターンである電極パターン502nが給電ニップ部202Nを通過してしまうと、このシートSaが吸着部材200から剥がれてしまう。このため、シートSaは、引き抜きローラ対71のニップ部に進入できず、ジャム(紙詰まり)を生じてしまう。これを防ぐために、少なくともシートSa先端が引き抜きローラ対71に挟持されるまでは、シートSaの吸着に寄与している電極パターン領域の最後尾パターンである電極パターン502nが給電ニップ部202Nより上流に位置するように構成している。これにより、シートSaの吸着状態を維持することができる。
この直後に、引き抜きローラ対71にシートSaが挟持され、その下流の不図示のシート検出センサがシートSaの到達を検出すると、制御部70が、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266を停止して吸着部材200への給電を停止する。この給電の停止により、電極パターン領域には静電吸着力が発生しなくなり、シートSaは吸着部材200から離れる。その後、このシートSaは引き抜きローラ対71によって下流に搬送される。制御部70は、このシートSaが吸着部材200から離れた後も吸着部材200の駆動を継続し、吸着部材200がホームポジション(HP)400に到達したことを検出すると、第1及び第2挟持搬送ローラ対201,202の駆動を停止する。この停止した状態は、図9(a)に示した状態である。
以上説明した構成には、図7に示したシート給送方向長さ530a〜530c>距離206a+距離206bの関係が必要となる。ここで、距離206aは、図10(a)に示す給電ニップ部202Nの上流側(図中の上側)の点から位置903までの距離である。この距離206bは、図10(c)に示すシートSaの先端が位置901(図10(a)参照)から引き抜きローラ対71に挟持されるまでに移動する距離である。このように電極パターン領域520a〜520c夫々の周方向長さは、1つの電極パターン領域で吸着給送するシートが先端部を引き抜きローラ対71に挟持された時点でもこの電極パターン領域の後端側が上記ローラ202aに接触可能に設定されている。
本実施形態では、シートSaが引き抜きローラ対71に挟持された時点(ほぼ図10(c)の状態)で次の電極パターン領域の電極パターン5020bがホームポジション400に接近している。このまま給電を継続すると、電極パターン5020bがホームポジション400に到達して、吸着部材200を停止させるときに吸着部材200にシートSaが吸着されたままになってしまい、引き抜きローラ対71の搬送負荷が増加するので望ましくない。従って、シートSaが引き抜きローラ対71に挟持されて、かつ次の電極パターン領域の先頭パターンがホームポジション400に到達する前に給電を停止することで、シートSaを吸着部材200から離間させている。
シート給送方向長さ530a,530b,530cもしくは各電極パターン領域間の距離を、本実施形態の設定よりも長くすることで、給電を停止する必要がない構成として実現することも可能である。シートSaが引き抜きローラ対71に挟持された後も給電を継続し、吸着部材200から離れた後に次の電極パターン領域の先頭パターンがホームポジションに到達する構成である。上記実施形態よりも吸着部材200の全長は長くなるが、シート給送開始から終了まで常に一定の給電を継続すれば良いため、制御は簡素化される。
また、初期動作において常に電圧を印加しても良いし、電圧印加を停止しておき、吸着部材200とシートSaとが接触した後に電圧を印加しても良い。また、第1の駆動手段204及び第1の駆動手段204(図11参照)の回転ステップ数で動作工程を管理する方法としたが、これに限定されるものではない。例えば、吸着部材200の形状やシートSaの吸着のタイミングを検知しながら挟持搬送ローラ対201,202の速度(搬送速度)を制御する方法等を採用することも可能である。
図6(c)で説明したように、電極パターン領域に電圧が印加された状態ではきれいに除電できないため、電極パターン502nが給電ニップ部202Nを通過する前に、先頭パターンである電極パターン5020が除電ニップ部250Nに到達してはならない。また、502nが除電ニップ部250Nを通過する前に、先頭パターンである電極パターン5020が給電ニップ部202Nに到達してはならない。
本実施形態では、前述したように、距離205a及び距離205bを図7の電極パターン領域の搬送方向長さ530a〜530cよりも長く構成しているため、電極パターン領域は給電ニップ部202Nと除電ニップ部250Nとに同時に接触することはない。従って、シートSの搬送を行ないながら吸着部材200の表面を除電することができる。
ここで、シート検出センサ51cにてシートSaが所定時間内に検出されなかった場合、制御部70(図11)は、シートSaの給送動作にミスが生じたと判断し、再び接近動作(図9(b))から給送動作をやり直す。以上の6つの工程によって、カセット51aに積載された複数のシートSからシートSaが1枚だけ給送される。そして、この6つの工程を繰り返し行うことにより、シートSを1枚ずつ、連続して給送することが可能となる。
以上のように構成することにより、電極パターン領域520a〜520cに高電圧が印加されていない状態で除電することが可能となり、除電している間もシートの搬送を停止させる必要がないので、スループットを低下させることがなくなった。
吸着部材200の電極パターン領域520a〜520cの各電極パターンに対し、第1挟持搬送ローラ対202で挟持した給電ニップ部202Nから給電し、吸着部材200の張り状態が変化する下方弛み部分200aに静電吸着力を発生可能となった。このため、シート給送装置51,52全体を揺動させるようなことなく、第1挟持搬送ローラ対202の配置及び吸着部材200の弛みを制御することで、シートSを斜め上方の引き抜きローラ対71に向けて確実に給送することが可能になる。
なお、本実施形態では、電極パターン領域の数は3つに構成しているが、これに限らず、2つでもよいし4つ以上に構成しても良い。電極パターン領域の数によらず、各電極パターン領域に高圧が印加されていない状態で除電可能となるように、吸着部材200の長さや、第2挟持搬送ローラ対201、第1挟持搬送ローラ対202(第1挟持搬送内ローラ202a)の配置を決めれば良い。
本実施形態では、吸着部材200の電極をシート給送方向にて複数の電極パターン領域に分割して構成し、各電極パターン領域の周方向長さを第1挟持搬送内ローラ202aから除電ローラ対250までの最短長さよりも短く構成した。これにより、電極パターン領域520a〜520cが、第1挟持搬送内ローラ202aと除電ローラ対250とに同時に接触することがなくなった。また、吸着部材200への給電は、給電ニップ部202Nで挟持した部分から行い、吸着部材200の張り状態が変化する下方弛み部分200aに静電吸着力を発生させることができる。
これらにより、シートSの給送を停止させることなく除電することが可能になり、画像形成時のスループットを低下させることなく、十分な静電吸着力を発生させながら確実なシート給送を行うことができる。従って、給電及び除電を切り替え制御することなく、第1挟持搬送ローラ対202(第1挟持搬送内ローラ202a)に常に一定の電圧を印加すれば良いので、間欠駆動や極性の制御が不要な簡単な構成とすることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について図12〜図17を参照して説明する。なお、なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一の部材には同一符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態について図12〜図17を参照して説明する。なお、なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一の部材には同一符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
前述した第1の実施形態では、吸着部材200への給電を正電圧供給手段265と負電圧供給手段266から第1挟持搬送内ローラ202aを経由して行なっていたが、本実施形態では、これに加えて第2挟持搬送内ローラ201aからも給電する。
図12は、本実施形態におけるシート給送装置51の構成を示す図である。本実施形態では、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266を、第1挟持搬送内ローラ202aと共に第2挟持搬送内ローラ201aにも接続し、吸着部材200の給電部510,511に対して第2挟持搬送内ローラ201aからも給電可能にしている。
図13は、図12における第2挟持搬送ローラ対201における第2挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送外ローラ201bの部分を拡大して示す斜視図である。図13に示すように、吸着部材200の内周に配置された第2挟持搬送内ローラ201aは円柱形の絶縁物から構成され、330,331で示す二箇所の部位に、リング状の導電性物質から構成されるローラ給電部330,331を有している。
ローラ給電部330,331は、吸着部材200の給電部510,511に接触する位置に形成されている。ローラ給電部330,331に対向して、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266(例えば+1200V,−1200V)に接続された導電性の接触端子280,281が摺動可能となるように配置されている。
以上の構成により、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266から、接触端子280,281、ローラ給電部330,331、吸着部材200の給電部510,511へと正負の高電圧が印加される。
図17は、本実施形態における吸着部材200を展開した状態で示す斜視図であり、第1の実施形態で説明した図7と同様の構成を有している。以下、図7と異なる点について説明する。
本実施形態では、図17に示すように、電極パターン領域520a〜520cの隣接する領域同士の距離が、電極パターン領域内における各電極パターンの電極ピッチと同じに構成されている。即ち、隣接する電極パターン領域間の距離540a,540b,540cが、各電極パターン領域内の各電極パターンのピッチと同一に構成されている。つまり、電極パターン領域520a〜520cそれぞれの間の距離540a,540b,540cは、各電極パターン領域における櫛歯状電極のピッチと同寸法に設定される。
このようにピッチを同一にすることで、隣接する電極パターン領域間において最も近接した電極パターン間で発生する静電吸着力の立ち上がりが、同一電極パターン領域内の最も近接した電極パターン間で発生する静電吸着力の立ち上がりと同等になる。つまり、給電してから必要な静電吸着力に到達するまでの時間が、隣接する電極パターン領域間と、同一電極パターン領域内の最も近接した電極パターン間とにおいて等しくなる。このため、電極パターン領域間においても静電吸着力が変化せず、安定させることができる。この構成は、前述した第1の実施形態においても適用することができる。
また、電極パターン領域520a〜520cの隣接する領域の電極パターンが、異なる給電手段である第1挟持搬送内ローラ202aと第2挟持搬送内ローラ201aのどちらかに同じタイミングで接続されることが可能である。例えば、電極パターン領域520aの最後尾パターンである電極パターン502naが給電部511aから給電を受けているタイミングで、電極パターン領域520bの電極パターン5020bが給電部510bから給電を受けるときがある。これらにより、隣接する電極パターン領域間でも交互に正負の高電圧が適正に印加されるので、静電吸着力が変化せず、吸着部材200の全長に亘ってムラのない静電吸着力を発生でき、どの位置でも同じ静電吸着力でシートを吸着することが可能となる。
図14(a)〜(c)は、電極パターン領域520a〜520cにおける各電極パターンの位置と、給電手段である第1挟持搬送内ローラ202a及び第2挟持搬送内ローラ201aと除電手段である除電ローラ対250との位置関係を、夫々示す図である。図14(a)〜(c)は、吸着部材200が上記搬送ローラ対202,201間の下方弛み部分(第1の部位)200aが最も弛んだ状態で、上記ローラ201aと除電ローラ対250間の上方部分(第2の部位)200bが最短距離に張られた状態を示す。
図14(a)〜(c)において吸着部材200の内側に破線で示した部分は、電極パターン領域520a〜520c夫々における位置である。そして、5020a,5020b,5020cはシート給送方向で各電極パターン領域中の先頭となる電極パターンを示し、502na,502nb,502ncは、最後尾となる電極パターンの位置を示している。
201N,202Nは夫々、第1及び第2挟持搬送ローラ対201,202によって吸着部材200が挟持される給電ニップ部を示しており、201eは、吸着部材200と第2挟持搬送内ローラ201aとが接触する領域の端部位置を示す。この給電端部201eは、ローラ給電部330,331と吸着部材200の給電部510,511とが接触している領域のうち、吸着部材200の搬送方向で最下流の点である。
図14(a)〜(c)では、吸着部材200が上記搬送ローラ対201と除電ローラ対250間で最短距離の状態に張られた状態にあり、給電端部201eは搬送ニップ部201Nよりも下流となっているが、吸着部材200の状態によりその位置は変動する。(詳細は後述)
給電端部201eから搬送ニップ部(給電ニップ部)201Nまでの接触部及び給電ニップ部202Nを介して、吸着部材200の給電部510,511にそれぞれ給電される。250Nは、除電ローラ対250によって吸着部材200が挟持される除電ニップ部を示しており、図6(a)で説明したシートSの剥離帯電による残留電荷は、この除電ニップ部250Nで除去される。
図14(a)の状態において、除電ニップ部250Nの上流(図中の右)側の点から給電端部201eまでの距離を205aとする。また、給電ニップ部202Nの上流側(図中の上)の点から除電ニップ部250Nの下流側の点までの距離を205bとする。そして、給電端部201eから給電ニップ部202Nの上流側の点までの距離を205cとする。
本実施形態では、各部分を以下のように設定している。
(1)距離205a>図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530c
(2)距離205b>図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530c
(3)距離205c<図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530c
なお、シート給送方向長さ530a,530b,530cは、上記条件を満たしていれば、互いに異なる長さに設定することも可能である。
(1)距離205a>図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530c
(2)距離205b>図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530c
(3)距離205c<図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530c
なお、シート給送方向長さ530a,530b,530cは、上記条件を満たしていれば、互いに異なる長さに設定することも可能である。
このように、本実施形態の給電手段は、下方弛み部分200aを双方の間に位置させるように配置された第1挟持搬送内ローラ(第1の給電回転体)202aと、第2挟持搬送内ローラ(第2の回転体,第2の給電回転体)201aとから構成される。そして、電極パターン領域夫々の周方向長さは、上記ローラ202aと除電ローラ対250間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さよりも短く設定されている。同時に、電極パターン領域夫々の周方向長さは、上記ローラ201aと除電ローラ対250間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さよりも短く設定されている。
給電ニップ部202N及び除電ニップ部250Nではそれぞれにローラ対が圧接されているため、ニップ部にはある程度の幅があり、図14(a)ではその幅を強調して表わしている。距離205a,205bは、いずれもニップ部の幅を含まない距離を示している。距離205cは、給電ニップ部202Nの幅と、給電端部201eから搬送ニップ部201Nの上流側の点までの幅とを含む距離を示す。
図14(a)では、電極パターン領域520aの電極パターン5020aが給電端部201eを通過した位置にあり、電極パターン502naが給電ニップ部202Nの手前にある。このとき、第2挟持搬送内ローラ201a付近では、図13に示すように正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266から、接触端子280,281及びローラ給電部330,331を介して給電部510,511に給電されている。
一方、第1挟持搬送内ローラ202a付近では、図4(a)に示すように、正電圧供給手段265及び負電圧供給手段266から、接触端子270,271及びローラ給電部230,231を介して給電部510,511に給電されている。
従って、電極パターン領域520aにおける電極パターン5020aから電極パターン502naまでの全ての電極パターンに正極と負極の電圧が交互に印加されている。これにより、給電端部201eから給電ニップ部202Nまでの吸着部材200のシートと対向する下方弛み部分(第1の部位)200aが静電吸着力を発生している。
電極パターン領域520aは、給電ニップ部202Nから給電端部201eに進む間に、少なくとも第1挟持搬送ローラ対202もしくは第2挟持搬送ローラ対201から常に給電される。このとき、電極パターン領域520bの電極パターン5020bは、給電ニップ部202Nの上流側に位置し、最後尾パターンである電極パターン502nbは、除電ニップ部250Nを通過した位置にある。この場合、電極パターン領域520bの表面(シート吸着面)は、第1の実施形態で説明したのと同様、除電が完了した状態となっている。
この際、電極パターン領域520cの電極パターン5020cは、除電ニップ部250Nの直前にある。そして、最後尾パターンである電極パターン502ncは、給電端部201eを通過した位置にあり、電極パターン領域520cは除電も給電もされていない状態となっている。
本実施形態では、図17で説明したように、隣接する電極パターン領域間の距離540a,540b,540cが、電極パターン領域内のピッチと同等に構成されている。これにより、ある電極パターン領域の最後尾パターンである電極パターン502nが給電ニップ部202Nを通過しても、すぐに次の電極パターン領域の先頭パターンが給電ニップ部202Nに到達して吸着部材200への給電が継続される。図14(a)〜(c)では、隣接電極パターン領域間の距離を強調して離して表わしている。
本実施形態においても、電極パターン領域520a〜520cは夫々、吸着部材200の幅方向に給電部(第1の電極)510a及び給電部(第2の電極)511aの夫々から交互に櫛歯状に突出する櫛歯状電極を有している。これら櫛歯状電極として、電極パターン5020a,5021a・・・、502naのn本と、電極パターン5020b・・・、502nbのn本と、5020c・・・、502ncのn本とを有している。また、複数の電極パターン領域520a〜520cでは、各電極パターンが、上記幅方向において、給電手段である第1挟持搬送内ローラ202aからの給電の正負の順番を、正極と正極、負極と負極が互いに隣接するように配置されている。これにより、第1の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、隣接する電極パターン領域間の距離540a,540b,540cは、各電極パターン領域内の電極パターンのピッチと同一にするのが望ましいが、要求される静電吸着力の許容範囲内であれば、多少異なる寸法に構成することも可能である。
また、前述したように、電極パターン領域間の隣接する電極パターンはその極性が正負交互となるように配置されているので、吸着部材200は全長に亘ってムラのない静電吸着力を発生することができる。
従って、後述する動作工程中、電極パターン領域の位置が図14(a)の状態になる前後で、給電端部201eと給電ニップ部202Nとの間に2つの電極パターン領域がある場合であっても、以下のようにすることができる。つまり、第1及び第2挟持搬送ローラ対201,202から各電極パターン領域に給電を行い、均一な静電吸着力を発生させることができる。
図14(b)は、電極パターン領域520aの電極パターン5020aが除電ニップ部250Nを通過し、電極パターン502naが除電ニップ部250Nの手前にある状態を示している。
除電内ローラ250a付近では、図4(b)のようにGND電位から接触端子275,276、ローラ給電部232,233、吸着部材200の給電部510,511へと導通し、吸着部材200の給電部510,511はGND電位となっている。
電極パターン5020aが除電ニップ部250Nに到達したときに電極パターン502naが給電端部201eを通過する位置関係に構成したので、5020aから502naまでの全ての電極パターンは非給電状態、即ち図6(b)と同じ除電可能状態となる。
吸着部材200と第2挟持搬送内ローラ201aとの接触開始点付近で、シートは吸着部材200から離れ始め、その位置より下流側では、吸着部材200表面は図6(a)のように剥離帯電された状態になっている。
吸着部材200の剥離帯電された部分が除電ニップ部250Nの除電外ローラ250bに接触すると、表面の電荷は、図4(b)で説明した導電性ゴム部であるローラ250bR、金属軸250bMを経由してGND電位部に流れることにより除電される。
このとき、電極パターン領域502b,502cは、その電極パターン5020b,5020cがそれぞれ給電端部201e、給電ニップ部202Nを通過した位置にあって給電された状態にある。従って、図14(a)と同様、給電端部201eから給電ニップ部202Nまでの吸着部材200のシートと対向する下方弛み部分(第1の部位)200aは、静電吸着力を発生している。
図14(c)では、電極パターン領域520aの電極パターン5020aが給電ニップ部202Nの手前にあり、電極パターン502naが除電ニップ部250Nを通過した後の状態となっている。電極パターン502naが通過するまでは、電極パターン5020aは給電ニップ部202N手前の非給電位置にあるため、図6(b)の除電可能状態が維持される。従って、電極パターン5020aから電極パターン502naまでの全ての電極パターンが除電ニップ部250Nを通過すると、この電極パターン領域の吸着部材200の表面は除電完了となる。
電極パターン5020aは、除電完了後に給電ニップ部202Nに到達し、第1挟持搬送内ローラ202aから給電部510,511への給電が開始され、吸着部材200表面がシートSを吸着可能な状態となる。このとき、電極パターン領域520bは、電極パターン5020bが除電ニップ部250Nを通過し、最後尾パターンである電極パターン502nbが除電ニップ部250Nの手前にある。そして、電極パターン領域520bの中で除電ニップ部250Nを通過した電極パターンの表面は、除電が完了した状態となっている。
このとき、電極パターン領域520cは電極パターン5020cが給電端部201eを通過し、最後尾パターンである電極パターン5020ncが給電ニップ部202Nより上流にあって給電された状態にある。従って、図14(a),(b)と同様、給電端部201eから給電ニップ部202Nまでの吸着部材200のシートと対向する下方弛み部分200aは静電吸着力を発生している。
次に、図15(a)〜(c)及び図16(a)〜(c)を参照して、本実施形態におけるシート吸着分離給送部51bのシート分離給送動作について説明する。なお、図15(a)〜(c)は、シート吸着分離給送部51bによってシートSが給送される動作を時系列にそれぞれ表現した模式図である。図16(a)〜(c)は、シート吸着分離給送部51bによってシートSが給送される動作を時系列にそれぞれ表現した模式図である。
ここで、図14(a)〜(c)の状態では、給電端部201eから給電ニップ部202Nの上流側までの吸着部材200の長さが最大となっている。このときに3つの電極パターン領域がどのような位置関係であっても、給電端部201eから給電ニップ部202Nまでの吸着部材200のシートと対向する下方弛み部分200aは、常に静電吸着力が発生する。従って、以下の6つの工程において、給電端部201eから給電ニップ部202Nの上流側までの吸着部材200の長さが変化する間も給電する限りは、この領域には常に静電吸着力が発生している。
また、図14(a)〜(c)の状態では、除電ニップ部250Nの上流側から給電端部201eまでの吸着部材200の長さが最短となっている。電極パターン領域の先頭パターンが除電ニップ部250Nに到達した時点で、最後尾パターンは給電端部201eを通過するように電極パターン領域の長さを設定した。従って、以下の6つの工程において、先頭パターンが除電ニップ部250Nに到達した電極パターン領域は、常に除電可能な状態となっている。
よって、以下の6つの工程の中で、電極パターン領域の位置関係を限定する条件はないため、各工程における電極パターン領域の位置の説明は省略する。
シートSの給送動作は、時系列順に、図15(a)〜(c)及び図16(a)〜(c)に示す初期動作、接近動作、接触長さ増大動作、吸着動作、分離動作、搬送動作の6つの工程によって構成されている。
図15(a)に示す初期動作は、吸着部材200を給送動作初期位置に配置する動作であり、本実施形態では、吸着部材200の弛みが第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250との間に集められている状態である。初期状態にするため、矢印R方向へ第2挟持搬送ローラ対201を第1挟持搬送ローラ対202よりも速い速度で回転させ、吸着部材200の弛みを第2挟持搬送ローラ対201よりも下流側に送り出す。前述したように、除電内ローラ250aには、図12で示したような負荷トルク付与手段251が備えられており、吸着部材200を搬送する方向に対しての搬送抵抗となっている。
吸着部材200の弛みは、除電ローラ対250によって下流側には送り出されないため、第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250との間に集めることができる。このとき、第1挟持搬送ローラ対202は停止していても、回転していても良い。初期動作が完了した時には、シートSaと吸着部材200との距離は、シートSaと第1挟持搬送内ローラ202aとの空隙Lrだけ離間した状態となっている。第2挟持搬送ローラ対201及び第1挟持搬送ローラ対202は、初期動作から回転し続けた状態で次の動作に移行しても良いし、一旦回転を停止してから次の動作に移行しても良い。
図15(b)に示す接近動作は、吸着部材200を下方に弛ませるように変形させ、吸着部材200の吸着面側をシートSaに接近させる動作である。第2挟持搬送ローラ対201及び第1挟持搬送ローラ対202をそれぞれ矢印R方向へ回転させ、吸着部材200を搬送する。このとき、第1挟持搬送ローラ対202を第2挟持搬送ローラ対201よりも速く回転させることにより、吸着部材200の下側が弛むように変形する。このとき、第2挟持搬送ローラ対201は停止していても、回転していても良い。そして、このように吸着部材200が変形することにより、吸着部材200の下側の表面がシートSaに接近する。
図15(c)に示す接触長さ増大動作は、上述の接近動作を継続させて吸着部材200の表面とシートSaとを接触させ、なおかつ、接触長さMcを増大させる動作である。本実施形態では接近動作と同様に、第1挟持搬送ローラ対202を矢印R方向へ第2挟持搬送ローラ対201よりも速く回転させることにより、接触長さMcを増大させている。
この間も吸着部材200とシートSaとの間には、静電吸着力が働いている状態である。しかし、接触長さMcが所定長より小さい場合は、吸着部材200がシートSaを吸着する力も小さいためシートSaに働く搬送抵抗に打ち勝つことができず、シートSaはカセット51a内に収まったまま接触長さ増大動作が継続される。
図16(a)に示す吸着動作は、シートSaの上面と吸着部材200の表面とが所定の接触長さMnをもって面接触した後、シートSaが吸着部材200によって搬送開始される動作である。上述の接触長さ増大動作が継続された後、接触長さがMnとなってシートSaへの搬送力が増大すると、搬送抵抗に打ち勝ってシートSaが搬送され始める。
給電端部201eから除電ニップ部250Nまでの距離は、この状態が最短距離となる。図14(b)で説明したように、図17の各電極パターン領域のシート給送方向長さ530a〜530cをこの最短距離より短く設定している。このため、何れの電極パターン領域においても、第2挟持搬送内ローラ201aと除電ローラ対250とに同時に接触することはない。
従って、電極パターン5020が除電ニップ部250Nに到達したときには、最後尾パターンである電極パターン502nまでの全ての電極パターンは、図6(b)と同じ除電可能状態となる。このため、吸着部材200の表面は、除電ニップ部250Nを通過した部分が除電済みとなる。
また、除電ニップ部250Nから張架ローラ260を経由した給電ニップ部202Nまでの距離は常に一定であり、この距離を、図17の電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530cよりも長く構成している。従って、何れの電極パターン領域においても、第1挟持搬送内ローラ202aと除電ローラ対250とに同時に接触することはないので、電極パターン502nが除電ニップ部250Nを通過するまで、図6(b)に示した除電可能状態を継続する。
図16(b)に示す分離動作は、吸着部材200に吸着されたシートSaを上方に持ち上げ、次のシートSbから分離させる動作である。分離動作では、矢印R方向へ第2挟持搬送ローラ対201を第1挟持搬送ローラ対202よりも速い速度(周速度、搬送速度)で回転させる。これにより、吸着部材200のシートSaと対向している面の弛みが第2挟持搬送ローラ対201よりも下流側に送り出される。
さらに、除電内ローラ250aの回転軸上の負荷トルク付与手段251(図12参照)が吸着部材200の搬送方向に対する抵抗になるため、第1挟持搬送ローラ対202が従動回転する除電ローラ対250を吸着部材200で引っ張り続ける。つまり、第1挟持搬送ローラ対202と除電ローラ対250との間の吸着部材200には、常に張力が与えられていることになり、吸着部材200の弛みは、第2挟持搬送ローラ対201と除電ローラ対250との間に集まる。その結果、吸着部材200のシートSaと対向している面の弛みが無くなって略直線形状へと弾性変形し、吸着部材200に吸着されたシートSaが上方に持ち上げられて下方のシートSbから分離される。
図16(c)に示す搬送動作は、シートSaの吸着面が略直線形状へと変形した吸着部材200を搬送することにより、吸着されたシートSaを、シート給送方向下流の引き抜きローラ対71まで吸着給送させる動作である。この動作において、第2挟持搬送ローラ対201及び第1挟持搬送ローラ対202の速度(周速度、搬送速度)を略一致させることにより、シートSaを吸着した吸着部材200を、吸着面側を略直線形状に維持したまま搬送する。
これにより、シートSaは、吸着部材200に吸着されたままの状態で少なくとも先端部が下方のシートSbと分離された状態を保ちながら搬送される。図16(b)から図16(c)の間で、シートSaの先端が、第2挟持搬送内ローラ201aで形成される吸着部材200の湾曲部近傍に差し掛かると、シートSaの先端が吸着部材200から剥離される。この剥離は、シートSaが有する曲げ反力が、吸着部材200に発生する静電吸着力よりも大きくなるために生ずる。
言い換えれば、本実施形態において、吸着部材200に発生する静電吸着力の大きさは、シートSaが有する曲げ反力より小さい力でシートSaを吸着するような大きさに設定されている。この搬送動作により、吸着部材200は、シートSaが離間する位置(離間位置)に移動する。
なお、シートSaの剥離が拡大する間、給電端部201eから給電ニップ部202Nの領域にある電極パターンには常に給電されているため、この領域は常に吸着可能な状態にある。従って、図16(c)における剥離開始点300から吸着部材200とシートSaの接触点の最後尾である点304の領域では、シートSaは吸着されており、シートSaの後端が剥離開始点300に到達するまで吸着状態が維持される。
本実施形態では、距離205a,205bを、図17に示した電極パターン領域のシート給送方向長さ530a,530b,530cより長く構成しているため、電極パターン領域が給電ニップ部202Nと除電ニップ部250Nとに同時に接触することはない。従って、シートSの給送動作を行ないながら吸着部材200の表面を除電することが可能となる。
ここで、シート検出センサ51cによりシートSaが所定時間内に検出されなかった場合、制御部70は、シートSaの給送動作にミスが生じたと判断し、再び接近動作(図15(b))から給送動作をやり直すように各部を制御する。以上の6つの工程によって、カセット51aに積載された複数のシートSから最上位のシートSaが1枚だけ給送される。そして、この6つの工程を繰り返し行うことにより、後続のシートSを1枚ずつ、連続して給送することが可能となる。
給電端部201eは、ローラ給電部330,331と吸着部材200の給電部510,511とが接触している領域のうち、吸着部材200の給送方向における最下流の点である。給電端部201eは、図15(a)〜図16(c)の間に図中に示すように位置が変動し、第2挟持搬送ローラ対201から第1挟持搬送ローラ対202の間の下方弛み部分(第1の部位)200a弛みが大きいほど、搬送ニップ部201Nから下流に離れていく。給電端部201eと搬送ニップ部201Nがもっとも離れるのは、図16(a)の状態である。
本実施形態では、以上のように構成することで、第1の実施形態と同様、電極パターン領域520a〜520cに高圧が印加されていない状態で除電することが可能となり、除電の間もシートの給送動作を継続することができる。このため、スループットを低下させることがなくなり、生産性を高めることができる。さらに、第1の実施形態で述べた他の効果と同様の効果も得ることが可能である。
そして、本実施形態では、隣接する電極パターン領域間の距離540a〜540cが、各電極パターン領域内の各電極パターンのピッチと同一に構成されている。これにより、給電ニップ部としての搬送ニップ部201Nから、給電ニップ部202Nまでの全ての領域は、電極パターン領域の位置がどこにあっても一定の静電吸着力を発生することができる。従って、給送開始時の電極パターン5020a,5020b,5020cの位置に制約はないので、吸着部材200にホームポジションを設定してその位置を検出して制御する必要はない。このため、電極パターン5020a,5020b,5020cがどの位置にあっても、給送動作を開始することができる。これにより、制御部70による制御をより簡単化することが可能になる。
また、本実施形態では、第1挟持搬送内ローラ202aと第2挟持搬送内ローラ201aとの間で吸着部材200が最短長さになったときの周方向長さが、電極パターン領域520a〜520cそれぞれの周方向距離よりも短く設定される。これにより、吸着部材200の電極パターン領域520a〜520cの夫々に対し、二箇所の第1及び第2挟持搬送ローラ対202,201で挟持した状態で給電することが可能になる。このため、吸着部材200の張り状態が変化する部分(下方弛み部分200a)に静電吸着力をより安定して発生させることが可能になる。これにより、シート給送装置全体を揺動させることなく、ローラ対の配置及び吸着部材200の弛みを制御することによって、シートをより上方に給送することが可能になる。
51,52…シート給送装置/51f,52f…中板(積載手段)/55…画像形成部(画像形成手段)/70…制御部(制御手段)/71,72…引き抜きローラ対(引き抜き回転体対)/100…画像形成装置/200…吸着部材/200a…下方弛み部分(第1の部位)/200b…上方部分(第2の部位)/201a…第2挟持搬送内ローラ(給電手段,第2の回転体,第2の給電回転体)/201b…第2挟持搬送外ローラ(第2の挟持部材)/202a…第1挟持搬送内ローラ(給電手段,給電回転体,第1の給電回転体,駆動回転する回転体)/202b…第1挟持搬送外ローラ(第1の挟持部材)/203…第2の駆動手段/204…第1の駆動手段/250…除電ローラ対(除電手段)/260…張架ローラ(第1の回転体)/510a,510b,510c…給電部(第1の電極)/511a,511b,511c…給電部(第2の電極)/520a,520b,520c…電極パターン領域/540a,540b,540c…電極パターン領域間の距離/5020a〜502na、5020b〜502nb、5020c〜502nc…電極パターン(櫛歯状電極)/D…シート給送方向/S…シート/Sa…最上位のシート/Sb…次シート
Claims (13)
- シートが積載される積載手段と、
前記積載手段の上方に配置された第1の回転体と、
前記第1の回転体よりもシートの給送方向において下流に設けられた第2の回転体と、
少なくとも前記第1及び第2の回転体に内面を支持されて周方向に回転し、前記積載手段に積載されたシートに対向する吸着側の第1の部位でシートを吸着してシート給送方向に給送する無端状の吸着部材と、
前記第1の部位が前記積載手段上のシートに接触する際に静電吸着力を発生するように前記吸着部材に正及び負の電圧をそれぞれ供給する給電手段と、
前記吸着部材における前記第1の部位から離れた第2の部位にて前記吸着部材に接触して残留電荷を除電する除電手段と、を備え、
前記吸着部材は、
前記周方向に沿って延設されて前記給電手段から前記電圧をそれぞれ供給される第1及び第2の電極を有して前記周方向で互いに絶縁された複数の電極パターン領域を有し、且つ前記電極パターン領域それぞれの周方向長さが、隣り合う前記給電手段と前記除電手段との間で前記吸着部材が最短長さになったときの周方向長さよりも短くなるように設定される、
ことを特徴とするシート給送装置。 - 前記積載手段上から前記吸着部材で吸着給送されたシートを挟持して下流に搬送する引き抜き回転体対を備え、
前記電極パターン領域それぞれの周方向長さは、1つの前記電極パターン領域で吸着給送するシートがその先端部を前記引き抜き回転体対に挟持された時点においてもこの電極パターン領域の後端側が前記給電手段に接触可能に設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。 - 前記吸着部材は、前記積載手段に積載されたシートの最上位のシートが次シートと分離される前であって前記吸着部材と前記最上位のシートに対する前記第1の部位の吸着領域が最大になった際、前記電極パターン領域の先端が最上位のシートの先端近傍に位置可能となるように設定される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート給送装置。 - 前記給電手段は、前記吸着部材の周方向における一箇所に配置された給電回転体から構成され、
前記電極パターン領域それぞれの周方向長さは、前記給電手段と前記除電手段との間で前記吸着部材が最短長さになったときの周方向長さよりも短く設定される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記複数の電極パターン領域は、前記周方向と直交する幅方向に各前記第1及び第2の電極から交互に櫛歯状に突出する櫛歯状電極を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載のシート給送装置。 - 前記複数の電極パターン領域では、各電極パターンが、前記幅方向において、前記給電手段からの給電の正負の順番を、正極と正極、負極と負極が互いに隣接するように配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載のシート給送装置。 - 前記給電手段は、前記第1の部位を双方の間に位置させるように配置された第1の給電回転体と前記第2の回転体である第2の給電回転体とから構成され、
前記電極パターン領域それぞれの周方向長さは、前記第1の給電回転体と前記除電手段との間で前記吸着部材が最短長さになったときの周方向長さよりも短く設定され、且つ前記第2の給電回転体と前記除電手段との間で前記吸着部材が最短長さになったときの周方向長さよりも短く設定される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記第1の給電回転体と前記第2の給電回転体との間で前記吸着部材が最短長さになったときの周方向長さが、前記複数の電極パターン領域それぞれの周方向距離よりも短く設定される、
ことを特徴とする請求項7に記載のシート給送装置。 - 前記複数の電極パターン領域は、前記周方向と直交する幅方向に各前記第1及び第2の電極から交互に櫛歯状に突出する櫛歯状電極を有する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のシート給送装置。 - 前記複数の電極パターン領域それぞれの間の距離は、前記電極パターン領域における前記櫛歯状電極のピッチと同寸法に設定される、
ことを特徴とする請求項9に記載のシート給送装置。 - 前記複数の電極パターン領域では、各電極パターンが、前記幅方向において、前記給電手段からの給電の正負の順番を、正極と正極、負極と負極が互いに隣接するように配置される、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のシート給送装置。 - 前記給電手段は、駆動回転する回転体であり、
前記回転体とで前記吸着部材を挟持する第1の挟持部材と、
前記第2の回転体とで前記吸着部材を挟持する第2の挟持部材と、
前記回転体及び前記第2の回転体をそれぞれ駆動する第1及び第2の駆動手段と、
前記第1及び第2の駆動手段をそれぞれ制御する制御手段と、備え、
前記制御手段は、
前記回転体及び前記第2の回転体の回転速度に差をつけるように前記第1及び第2の駆動手段をそれぞれ制御して、前記吸着部材の前記第1の部位での下方への弛み量を大きくすることで前記積載手段上のシートを前記吸着部材に吸着させた後、前記吸着部材の下方への弛み量を小さくさせながら前記吸着部材に吸着されたシートを給送する、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段にシートを給送する請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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