JP2017019650A - シート給送装置及び画像形成装置。 - Google Patents

シート給送装置及び画像形成装置。 Download PDF

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崇 平塚
Takashi Hiratsuka
崇 平塚
吉田 康美
Yasumi Yoshida
康美 吉田
青山 武史
Takeshi Aoyama
武史 青山
青▲柳▼ 孝陽
Takaaki Aoyanagi
孝陽 青▲柳▼
功夫 林
Isao Hayashi
功夫 林
久恵 清水
Hisae Shimizu
久恵 清水
森 正和
Masakazu Mori
正和 森
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Abstract

【課題】吸着部材の弛み量を制御することでシートを給送するシート給送装置であって、画像形成装置全体の小型化を可能とするシート給送装置、及びこのシート給送装置を備えた画像形成装置を提供する。【解決手段】このシート給送装置は、吸着ベルト200と、第1搬送ローラ対201及び第2搬送ローラ対202と、弛み形状補正手段としての弛み補正板210と、を有する。第1搬送ローラ対201及び第2搬送ローラ対202は、吸着ベルト200が下方側に弛んでシートSに接触する吸着状態となった後、吸着状態に比して下方側への弛み量が少ない状態でシートSの給送方向に搬送されるように回転駆動される。弛み補正板210は、吸着ベルト200の外周面に接触可能に設けられ、シートSに接触する側(Rf)とは反対の上方側(Rb)における吸着ベルト200の弛み形状を補正する。【選択図】図7

Description

本発明は、吸着部材にシートを吸着して給送するシート給送装置、及びこのシート給送装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、駆動ローラ及び従動ローラに巻き掛けた無端状の吸着ベルトにシートを吸着させ、吸着ベルトを上方に移動させた後に回転駆動することで最上位のシートを分離して給送するシート給送装置が知られている(特許文献1参照)。このシート給送装置において、駆動ローラ及び従動ローラは、上下方向に回動自在に設けられた側板によって軸支されている。そして、吸着ベルトは、側板の回動に伴って上下に移動され、シート収容部に収容された最上位のシートに接触する接触位置と、接触位置において吸着した最上位のシートを上方に分離して搬送する離間位置と、に移動可能に設けられている。
特開2011−168396号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシート給送装置は、吸着ベルトを駆動ローラ及び従動ローラごと上下に移動させるものであるため、側板を移動させる際に大きな稼働音が発生するのみならず、ローラ又は吸着ベルトとシートとの衝突音が発生していた。そこで、それぞれ吸着ベルトを挟持して搬送する2組の搬送ローラ対を設け、これら搬送ローラ対の搬送速度差によって、吸着ベルトのシートに接触する側の弛み量を制御する構成が考えられる。すなわち、吸着ベルトを下方に弛ませることでシートに接触させて吸着させた後、この下方側の弛みを取り除いて最上位のシートを他のシートと分離させ、さらに吸着ベルトを回転させてシートを搬送する構成である。これにより、給送動作の安定性を損なわずに、動作時の騒音を低減することが期待できる。
しかしながら、このような構成をとった場合、少なくともシートを分離する際に、吸着ベルトのシートに接触する側とは反対側(上方側)において弛みが発生し、上方に張出した形状となる可能性がある。そして、弛んだ吸着ベルトと他の部材とが干渉することを避けるために、吸着ベルトの上方側に余分な空間を確保する必要があり、画像形成装置の小型化を妨げる要因となる。
そこで、本発明は、吸着部材(吸着ベルト)の上方側における弛み形状を制御することで、吸着部材の配置に必要な空間を減縮して画像形成装置全体の小型化を可能とするシート給送装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシート給送装置は、シートが積載される積載部材を有する積載手段と、前記積載部材の上方に配置される第1回転体と、前記第1回転体よりもシート給送方向における下流側に配置される第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体とに巻き掛けられた状態で前記積載部材に積載されたシートに接触し得る周長を有し、シートを吸着可能な無端状の吸着部材と、前記第1回転体と共に前記吸着部材を挟持する第1挟持部材と、前記第2回転体と共に前記吸着部材を挟持する第2挟持部材と、少なくとも前記第2回転体及び前記第2挟持部材のいずれか一方を回転駆動する駆動手段と、前記吸着部材を前記第1回転体及び前記第2回転体の下方側に弛ませてシートに接触する吸着状態にさせた後に、前記吸着部材を前記吸着状態に比して前記第1回転体及び前記第2回転体の下方側への弛み量が少ない状態で前記シート給送方向に搬送させるように、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記吸着部材の外周面に接触可能に設けられ、前記第1回転体及び前記第2回転体の上方側における前記吸着部材の弛み形状を補正する弛み形状補正手段と、を備える、ことを特徴とする。
本発明に係るシート給送装置によれば、吸着部材の弛み量を制御することでシートを給送するものでありながら、画像形成装置全体の小型化が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。 (a)は第1の実施形態に係るシート給送装置を示す正面図であって、(b)はその位置関係を示す模式図。 (a)は上記シート給送装置の吸着ベルトの一部を示す平面図であり、(b)は吸着ベルトの一部を示す斜視図であり、(c)は吸着ベルトの給電部を示す断面図であり、(d)は吸着ベルトとシートとの間に働く静電吸着力を説明するための模式図。 上記シート給送装置の制御構成を示す制御ブロック図。 上記シート給送装置による給送動作の各工程を説明する模式図であって、(a)は初期工程を表し、(b)は接近工程を表し、(c)は密着工程を表し、(d)は吸着工程を表し、(e)は分離工程を表し、(f)は搬送工程を表す。 上記給送動作に係るタイミングチャート。 上記シート給送装置の要部を示す正面図。 本発明の第2の実施形態に係るシート給送装置の要部を示す正面図。 本発明の第3の実施形態に係るシート給送装置の要部を示す正面図。 本発明の第4の実施形態に係るシート給送装置の要部を示す正面図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。第1ないし第4の実施形態に係るシート給送装置は、いずれも画像形成装置の一部を構成するものである。
[第1の実施形態]
(画像形成装置)
第1の実施形態に係る画像形成装置100は、装置本体100Aに画像読取部41、画像形成部55、及びシート給送装置51,52等を備えている。なお、以下の説明において、図1の視点を基準にして、上下左右の方向を表すものとする。
装置本体100Aの上部に設けられる画像読取部41は、原稿載置台としてのプラテンガラスに載置された原稿に光を照射する露光手段と、原稿からの反射光をデジタル信号に変換するイメージセンサ等(いずれも不図示)を有する。画像読取部41の上部には、原稿を自動でプラテンガラス上の読取位置に搬送する自動原稿給送装置41aが設けられている。
画像形成部55は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、及びブラック(k)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ43y,43m,43c,43kと、中間転写ユニット44と、二次転写部56と、定着部57と、を備えている。
イエローのプロセスカートリッジ43yは、像担持体としての感光ドラム21yと、帯電ローラ22yと、現像ローラ23yと、クリーニング装置24yと、を備えている。他のプロセスカートリッジ43m,43c,43kは、トナー色を除いてイエローのプロセスカートリッジ43yと同様に構成されている。そのため、共通する部材には符号末尾の「y」を「m」、「c」、又は「k」に置換した符号を付して説明を省略する。プロセスカートリッジ43y,43m,43c,43kの下方には、感光ドラム21y,21m,21c,21kにレーザ光を照射する露光ユニット42が設けられている。
中間転写ユニット44は、中間転写ベルト25がベルト駆動ローラ26、二次転写内ローラ56a、一次転写ローラ27y,27m,27c,27k等に巻き掛けられて構成されている。中間転写ベルト25は、ベルト駆動ローラ26によって二次転写部56におけるシートSの搬送方向(上方向)に沿う方向に回転駆動される。一次転写ローラ27y,27m,27c,27kは、中間転写ベルト25を挟んで感光ドラム21y,21m,21c,21kに対向配置されると共に、不図示の高圧出力基板に接続されて正極性の一次転写バイアス電圧を印加されている。
二次転写部56は、二次転写内ローラ56aと、中間転写ベルト25を挟んで二次転写内ローラ56aに対向する二次転写外ローラ56bとを備えている。二次転写外ローラ56bは、高圧出力基板に接続されてトナー像と逆極性の二次転写バイアス電圧を印加されている。二次転写部56の上方に配置される定着部57は、定着ローラ57aと、定着ローラ57aに対向する定着バックアップローラ57bと、不図示の加圧手段及び加熱手段とを備えている。
詳しくは後述するシート給送装置51,52は、装置本体100Aの下部に上下方向に並べて配置されており、それぞれ装置本体100Aに対して手前側に引出し自在に装着されている。シート給送装置51,52は、収納手段としてのカセット51a,52aと、シート給送部51b,52bと、引抜きローラ対51c,52cとを備え、カセット51a,52aに収納したシートSを1枚ずつ分離して給送する。
装置本体100Aの内部には、シートSを搬送する搬送経路として二次転写前搬送パス103、定着前搬送パス104、定着後搬送パス105、排出パス106、及び再搬送パス107が設けられている。シート給送装置51,52から給送されたシートSは、搬送経路上に設けられたローラ対に挟持されながら、これらの搬送パスに沿って搬送される。
二次転写前搬送パス103は、カセット51a,52aから給送されたシートSを二次転写部56に向けて上方に案内する。定着前搬送パス104は、二次転写部56を通過したシートSを定着部57に向けて上方に案内する。定着後搬送パス105は、定着部57を通過したシートSを装置本体100Aの上部に設けられた切換部材61に向けて上方に案内する。排出パス106は、切換部材61によって排出側に振り分けられたシートSを排出部58に向けて案内する。再搬送パス107は、切換部材61によって裏面印刷側に振り分けられたシートSをシート反転部59に案内すると共に、シート反転部59においてスイッチバックされたシートSを画像形成部55に向けて下方に案内する。
なお、二次転写前搬送パス103の上流部には、シートSの厚みを検出する厚み検出手段としての厚み検出センサ53が設けられている。また、厚み検出センサ53の下流かつ二次転写部56の上流には、レジストレーションローラ対62が設けられている。
次に、上述のように構成された画像形成装置100による画像形成動作について説明する。この画像形成動作は、例えば不図示のパソコンから画像情報及び画像形成指令が送信されることによって開始される。画像形成動作が開始されると、画像形成部55のプロセスカートリッジ43y,43m,43c,43kはトナー画像の形成を開始する。
イエローのプロセスカートリッジ43yにおいて、感光ドラム21yの表面は、帯電ローラ22mによって所定の極性及び電位に一様に帯電された後、露光ユニット42から画像情報に基づくレーザ光を照射される。感光ドラム21yの表面には、レーザ光が照射された部分の表面電荷が減衰することで静電潜像が形成される。現像ローラ23yは、イエローのトナーを担持した状態で回転して、感光ドラム21yにトナーを供給する。そして、トナーが感光ドラム21yの表面に吸着されることで、静電潜像がトナー像として顕像化(現像)される。このトナー像は、感光ドラム21yと一次転写ローラ27yとの対向部(一次転写部)において、一次転写バイアス電圧によって中間転写ベルト25に転写される。
このようなトナー像の形成動作は、他のプロセスカートリッジ43m,43c,43kにおいても並行して進められ、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像が形成される。そして、これらのトナー像が、中間転写ベルト25に担持されたイエローのトナー像に重なり合うように多重転写されることで、中間転写ベルト25の表面にフルカラーのトナー画像が形成され、二次転写部56に向けて搬送される。
画像形成部55におけるトナー画像の形成動作に並行して、シート給送装置51,52は、カセット51a,52aに収納されたシートSをシート給送部51b,52bによって一枚ずつ分離して引抜きローラ対51c,52cへ向けて搬送する。引抜きローラ対51c,52cに到達して挟持されたシートSは、厚み検出センサ53によるシート厚検出を経て二次転写前搬送パス103に送り込まれ、回転停止状態にあるレジストレーションローラ対62のニップ部に当接して先端位置を補正される。
レジストレーションローラ対62は、中間転写ベルト25に担持されたフルカラーのトナー像の位置とシートSの位置とが二次転写部56において整合するようにタイミング調節して駆動され、シートSを二次転写部56に送り込む。二次転写部56に到達したシートSには、二次転写バイアス電圧によってフルカラーのトナー画像が転写される。二次転写部56から定着部57に搬送されたシートSは、定着ローラ57a及びバックアップローラ57bに挟持されて熱及び圧力を付与される。これにより、シートSに吸着された各色のトナーが溶融して混色した後にシート表面に固着し、シートSにフルカラーの画像として定着する。定着部57から排出部58に搬送されたシートSは、排出部58によって装置本体100Aの外部に露出する排出トレイに排出される。なお、シートSの裏面に画像を形成する際は、シートSは切換部材61によって裏面印刷側(再搬送パス107の側)へと案内され、シート反転部59によって表裏を反転された状態で再び画像形成部55へと搬送される。
(シート給送装置)
次に、図2を用いて本実施形態に係るシート給送装置51の構成について説明する。なお、シート給送装置52はシート給送装置51と同様に構成されるため、説明を省略する。上述したように、シート給送装置51は、カセット51aと、シート給送部51bと、引抜きローラ対51cと、を備えている。
積載手段としてのカセット51aは、図2(a)に示すように、シートSを昇降する昇降手段としての昇降装置301と、昇降装置301を収める箱状のケース303と、シート高さ検出手段としてのシート高さ検出部302と、を備えている。昇降装置301は、ケース303の底部に回動自在に支持されるリフタ301bと、リフタ301bに下方から支持される中板301aとを有している。シートSが積載される積載部材である中板301aは、リフタ301bの回動角度を変更されることでケース303に対して昇降可能に設けられ、中板301aの上面に積載されるシートSの上下位置を調節する。
シート高さ検出部302は、フォトセンサ302bとセンサフラグ302aとによって構成され、中板301aの上方に配置されている。センサフラグ302aは支持部によって上下方向に回動自在に支持されると共に、その一端部である接触部において、最も上側に載置されたシートSである最上位シートSaの上面に接触可能な位置に配置されている。また、センサフラグ302aの接触部に対する他端部である遮光部は、最上位シートSaの上面が所定の高さにある状態で、フォトセンサ302bを遮光するように配置されている。フォトセンサ302bは後述する制御部70(図4参照)に接続されており、制御部70は、フォトセンサ302bの遮光状態を検出して、最上位シートSaの上面を上記所定の高さに保持するように昇降装置301を制御可能に構成されている。
シート給送部51b(シート吸着分離給送部)は、図2(a)に示すように、吸着部材としての吸着ベルト200と、第1搬送ローラ対201と、第2搬送ローラ対202と、弛み形状補正手段としての弛み補正板210と、を備えている。第1搬送ローラ対201及び第2搬送ローラ対202は、それぞれ吸着ベルト200を挟持して搬送する挟持搬送部材(挟持搬送ローラ対)として設けられている。
第1搬送ローラ対201は、最上位シートSaの上方に位置するように、中板301aの上方に配置されている。この第1搬送ローラ対201は、回転軸を装置本体100Aの前後方向(紙面奥行方向)に向けた姿勢で互いに平行に配置された第1搬送内ローラ201aと第1搬送外ローラ201bとによって構成されている。第1搬送内ローラ201a及び第1搬送外ローラ201bは、軸方向の両端部を支持プレート201dによってそれぞれ回転自在に支持され、この支持プレート201dは、装置本体100Aに固設された側板207に固定されている。
第1搬送内ローラ201aは吸着ベルト200の内側に位置し、第1駆動手段としての第1駆動モータ203に不図示の駆動伝達部を介して駆動連結されている。従動回転部材である第1搬送外ローラ201bは、吸着ベルト200の外側にて第1搬送内ローラ201aに対向配置され、第1搬送内ローラ201aと共に吸着ベルト200を挟持している。この第1搬送外ローラ202bは、支持プレート201dに接続された第1押圧バネ201cによって第1搬送内ローラ201aの軸中心へ向けて付勢されている。
第2搬送ローラ対202は、第1搬送ローラ対201に対してシート給送方向(矢印A1)における下流側(右方側)で、かつ第1搬送ローラ対201よりも上方に配置されている。この第2搬送ローラ対202は、第1搬送ローラ対201の各ローラにそれぞれ平行に配置された第2搬送内ローラ202aと第2搬送外ローラ202bとによって構成されている。第2搬送内ローラ202a及び第2搬送外ローラ202bは、側板207に固定された支持プレート202dによって、軸方向の両端部をそれぞれ回転自在に支持されている。
第2搬送内ローラ202aは、吸着ベルト200の内側に位置し、第2駆動手段としての第2駆動モータ204に不図示の駆動伝達部を介して駆動連結されている。従動回転部材である第2搬送外ローラ202bは、吸着ベルト200の外側にて第2搬送内ローラ202aに対向配置され、第2搬送内ローラ202aと共に吸着ベルト200を挟持している。この第2搬送外ローラ202bは、支持プレート202dに接続された第2押圧バネ202cによって、第2搬送内ローラ202aの軸中心へ向けて付勢されている。
なお、第1搬送内ローラ201aは第1回転体の一例であり、第1搬送外ローラ201bは第1挟持部材の一例である。また、第2搬送内ローラ202aは第2回転体の一例であり、第2搬送外ローラ202bは第2挟持部材の一例である。これらは吸着ベルト200を挟持して搬送可能に構成されたものであればよく、例えば第1挟持部材及び第2挟持部材の少なくとも一方をベルト部材によって構成してもよい。また、第1駆動モータ203及び第2駆動モータ204は、第1搬送ローラ対201及び第2搬送ローラ対202を駆動する駆動手段の一例であり、他の駆動構成をとってもよい。例えば、1つの駆動モータの動力を第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに分配する構成としてもよく、あるいは第1搬送外ローラ201bや第2搬送外ローラ202bを駆動させてもよい。また、駆動手段として第2搬送内ローラ202a及び第2搬送外ローラ202bのいずれか一方を駆動する駆動モータを設けてもよい。この場合、第2搬送ローラ対202による吸着ベルト200の搬送方向及び搬送速度を制御することで、吸着ベルト200の下方側への弛みを制御して、シートSを分離して搬送させることができる。
吸着部材のとしての吸着ベルト200は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに内周面を支持される無端状のベルト部材である。この吸着ベルト200は、後述する正電圧供給部205a及び負電圧供給部205bに接続されて、所定の電圧を印加されている。吸着ベルト200の周長は、第1搬送内ローラ201aと第2搬送内ローラ202aとに巻き掛けたときに弛んだ状態となり、かつ下方側に弛んだ状態で最上位シートSaに接触し得る長さに設定されている。すなわち、吸着ベルト200の内周長は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに巻回され得る最短周長よりも長く設定されている。ただし、この最短周長とは、第1搬送内ローラ201aの軸中心O1a(図2(b)参照)と第2搬送内ローラ202aの軸中心O2aとの間の距離を2倍して、各ローラ(201a,202a)の円周の長さの半分を加えたものである。さらに、本実施形態における吸着ベルト200の周長は、後述する吸着工程において最も下方側に弛んだ状態(図5(d)参照)で、所定の接触面積Mnに亘って最上位シートSaと接触し得る長さに設定されている。
引抜きローラ対51cは、図2(a)、(b)に示すように、第2搬送内ローラ202aよりもシートSの給送方向における下流側において、左右に並んで配置された左側ローラ51c1及び右側ローラ51c2によって構成される。引抜きローラ対51cと第2搬送内ローラ202aとの間には、上側ガイド103aと下側ガイド103bとによって、シート給送方向(矢印A1)に沿う方向の給送パスが形成されている。左側ローラ51c1及び右側ローラ51c2は駆動モータ208によって回転駆動されており、吸着ベルト200から給送パスに送り込まれたシートSを挟持して引き抜くと共に、上方の二次転写前搬送パス103に送り出す。
弛み形状補正手段としての弛み補正板210は、図2(a)、(b)に示すように、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの上方側に配置された板状部材である。この弛み補正板210は、詳しくは後述するように、少なくともシート給送部51bの分離工程(図5(e))において吸着ベルト200の外周面に接触し得るように構成され、吸着ベルト200の弛み形状を補正する機能を有している。
ここで、画像形成装置1の正面から、つまりシート給送方向(矢印A1)と直交する水平方向から視た給送部51bの配置について、図2(b)に基づいて説明する。第1搬送内ローラ201aは、シートSの給送方向における下流端が突き当てられるケース303の突き当て部303aに対して、上流側(左方側)に離間した位置にある。また、第1搬送内ローラ201aの下端部は、最上位シートSaの所定の高さ位置である給送位置Haの上方に、高さLr1の空隙をあけて配置されている。第2搬送内ローラ202aは、突き当て部303aの上方において、一部が突き当て部303aの下流側(右方側)に突出する位置に配置されている。第2搬送内ローラ202aの下端部は、給送位置Haの上方に、高さLr1よりも大きい高さLr2(Lr2>Lr1)の空隙をあけて配置されている。
このため、シート給送方向(矢印A1)に沿う接線である第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの下側の共通外接線Tbは、第2搬送内ローラ202aの側(図2(b)の右方側)に行くほど上昇するように傾斜している。この共通外接線Tbは、第2搬送内ローラ202aよりも給送方向における下流位置において、シートSを引抜きローラ対51cに案内する上側ガイド103aと下側ガイド103bとの間に延びている。
本実施形態において、第1搬送内ローラ201aの外径と第2搬送内ローラ202aの外径とは略等しく設定されている。従って、第1搬送内ローラ201aの軸中心O1aと第2搬送内ローラ202aの軸中心O2aとを結んだ中心線L1は、これら内ローラの上下の共通外接線Tt,Tbにそれぞれ平行であると共に、シート給送方向(矢印A1)に略平行である。そして、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aは、上記中心線L1が給送位置Haに引いた水平線(図2(b)の破線)に対して所定の配設角度θをなすように配置されている。
第1搬送ローラ対201の第1搬送外ローラ201bは、その軸中心O1bを中心線L1よりも上方側に配置されて、第1搬送内ローラ201aの左方に位置しており、第1搬送内ローラ201aとの間に第1ニップN1(挟持部)を形成する。また、第2搬送ローラ対202の第2搬送外ローラ202bは、その軸中心O1bを中心線L1よりも上方側に配置されて、第2搬送内ローラ202aの右上方に位置しており、第2搬送内ローラ202aとの間に第2ニップN2(挟持部)を形成する。これら第1ニップN1及び第2ニップN2によって、吸着ベルト200は、周方向において2つの領域(Rf,Rb)に区分される(図2(a)参照)。
第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aは、反時計回り方向に回転駆動され、これに伴って、第1搬送外ローラ201b及び第2搬送外ローラ202bは時計回り方向に従動回転する。従って、第1ニップN1及び第2ニップN2によって区分された吸着ベルト200の領域の内、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの下方側(シートSに対する吸着面側)に位置する順行領域Rfは、シート給送方向に沿った方向に搬送される。吸着ベルト200のもう一方の領域であって、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの上方側(非吸着面側)に位置する逆行領域Rbは、シート給送方向に逆らって、第2ニップN2から第1ニップN1へと向かう方向に搬送される。
従って、順行領域Rfにおいて、吸着ベルト200は第1ニップN1から下方に送り出された後、第2ニップN2に右下方から引き込まれる。また、逆行領域Rbにおいて、吸着ベルト200は第2ニップN2から左上方に送り出された後、第1ニップN1に上方から引き込まれる。吸着ベルト200は、このように順行領域Rfと逆行領域Rbとにおいて第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの周囲を循環搬送されている。後述するように、順行領域Rfと逆行領域Rbとの長さの比は一定ではなく、シート給送部51bの給送動作における工程毎に変化させられる。
(吸着ベルトの詳細構成)
続いて、吸着ベルト200の詳細な構成と、シートSを吸着する機構について、図3に基づいて説明する。なお、図3(a)は吸着ベルト200の一部を示す平面図であり、図3(b)は吸着ベルト200の一部を示す斜視図である。また、図3(c)は吸着ベルト200に電圧を供給する給電部を示す断面図であり、図3(d)は吸着ベルト200とシートSとの間に働く静電吸着力を説明するための模式図である。
吸着ベルト200は、図3(a),(b)に示すように、基層200cに第1電極である正電極200aと第2電極である負電極200bとが埋め込まれて構成されている。正電極200a及び負電極200bのそれぞれは、吸着ベルト200の内周面に露出した状態で周方向に亘って延びる露出部200d,200eと、この露出部から幅方向に延出する複数の導電部200f,200gとを有して櫛歯形状に形成されている。正極側の露出部200dと負極側の露出部200eとは、幅方向における吸着ベルト200の両端部に配置されており、正極側の導電部200fと負極側の導電部200gとは、基層200cの内部に埋没した状態で、周方向において交互に配置されている。
基層200cは、体積抵抗率10Ωcm以上の誘電体からなり、例えばポリイミドからなる層厚100μm程度のシート材である。正電極200a及び負電極200bは、それぞれ体積抵抗率10Ωcm以下の導電体からなり、例えば層厚10μm程度の銅を用いることができる。なお、吸着ベルト200は、弾性材料を用いると共に、適度な曲げ剛性を持たせるように材質及び厚さを設定することが好ましい。具体的には、後述するシート給送部51bの接近工程(図5(b))において、吸着ベルト200が順行領域Rfにおいて下方側に撓んだ樽型形状となるような曲げ剛性であることが好ましい。
正電極200a及び負電極200bは、図3(b)、(c)に示すように、給電手段としての正電圧供給部205a又は負電圧供給部205bにそれぞれ電気的に接続されている。詳しく説明すると、正電極200aの露出部200dには、正電圧供給部205aに接続された正接点206aが接触しており、負電極200bの露出部200eには、負電圧供給部205bに接続された負接点206bが接触している。従って、吸着ベルト200に電圧を供給する給電部は、正接点206a及び露出部200dの接触部と、負接点206b及び露出部200eの接触部とによって構成されている。正接点206a及び負接点206bは、例えば弾性を有する金属板材の先端にカーボンブラシをかしめて構成され、吸着ベルト200の変形に追従して接触可能に設けられている。
正電圧供給部205a及び負電圧供給部205bは、例えば装置本体100Aの高圧出力基板(不図示)に設けられた高圧電源である。正電極200aは、正電圧供給部205aによって例えば+1kV程度の正電圧を印加され、負電極200bは、負電圧供給部205bによって例えば−1kV程度の負電圧を印加されている。なお、給電部は吸着ベルト200の形状によらず安定的に給電可能に構成されたものであればよい。例えば、第1搬送内ローラ201a又は第2搬送内ローラ202aの両端部に導電材料からなる電極リングを設けて露出部200d,200eに接触させると共に、これらの電極リングを給電手段に接続してもよい。また、図示の都合上、図2(a)において、吸着ベルト200と正電圧供給部205a及び負電圧供給部205bとの接続箇所が、第1搬送内ローラ201aの上方に位置しているが、これは給電部の位置を示すものではない。
ここで、図3(d)を用いて吸着ベルト200とシートSとの間に働く静電吸着力について説明する。図3(d)は、正電圧供給部205a及び負電圧供給部205bによって正電極200a及び負電極200bに電圧が印加された状態を示している。この状態では、正極側の導電部200fに正の電荷が供給される一方で、正極側の導電部200fと交互に配置される負極側の導電部200gには負の電荷が供給される。このため、吸着ベルト200の表面近傍には、吸着ベルト200の周方向において周期的に変化する不平等電界が形成される。そして、このような不平等電界が形成された吸着ベルト200をシートSに接近させると、一般に誘電体であるシートSの表層に誘電分極が生じる。すると、Maxwellの応力によって吸着ベルト200とシートSとの間に静電吸着力が生じ、シートSは吸着ベルト200の表面に吸着される。
(シート給送部による給送動作)
次に、制御部70によるシート給送装置51の制御構成を説明した後、シート給送部51bによる給送動作について説明する。
図4に示すように、装置本体100Aに設けられる制御手段としての制御部70(CPU)は、シート高さ検出部302のフォトセンサ302b、タイマ71、及びカセット開閉検出センサ72に接続されて、これらからの信号を入力可能に構成されている。タイマ71は、例えば制御部70が配置される制御基板上に配置されている。カセット開閉検出センサ72は、カセット51aの装着状態又は引出し状態を検出可能に構成されている。また、制御部70は、昇降装置301、第1駆動モータ203、第2駆動モータ204、正電圧供給部205a、及び負電圧供給部205bに接続されて、これらに制御信号を出力可能に構成されている。
このように構成された制御部70は、シート給送装置51を制御することでシート給送部51bによるシートSの給送動作(シート分離給送動作)を実行する。この給送動作は、時系列順に、図5(a)〜(f)にそれぞれ示す初期工程、接近工程、密着工程、吸着工程、分離工程、搬送工程の6つの工程によって構成されている。以下、これら各工程を時系列順に説明するが、弛み補正板210の詳細な構成と作用については後述する。
制御部70は、給送動作の6つの工程に亘って、正電圧供給部205a及び負電圧供給部205bから吸着ベルト200に電圧を供給させており、吸着ベルト200の表面にはシートSを吸着可能な不平等電界が常に形成された状態にある。また、制御部70は、シート高さ検出部302からの信号に基づいて、最上位シートSaの位置を給送位置Ha(図2(b)参照)に保持するように昇降装置301を制御している。
図5(a)に示すように、初期工程(初期動作)は、吸着ベルト200を給送動作における初期位置(待機状態)に配置する工程である。初期位置とは、吸着ベルト200の下端部が最上位シートSaから所定の高さLbの空隙を以て離間した位置である。この高さLbは、高さLr1(図2(b)参照)に位置する第1搬送内ローラ201aの下端部に巻き付いた部分の吸着ベルト200の高さである。制御部70は、吸着ベルト200を初期位置に位置させた状態で、第1駆動モータ203及び第2駆動モータ204を停止状態に保持する。
このとき、吸着ベルト200は、順行領域Rfに対する逆行領域Rbの比が最大となっており、逆行領域Rbにおける弛み量が給送動作の間で最大の状態である。ただし、弛み量とは、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに最短周長で巻回された仮想のベルト部材に対して、実際の吸着ベルト200が有する余分の周長である。また、初期工程において、吸着ベルト200は逆行領域Rbにおいて弛み補正板210に接触した状態にある。
図5(b)に示すように、接近工程(接近動作)は、吸着ベルト200を下方に撓ませることで、シートSに対する吸着面側の領域である順行領域Rfを最上位シートSaに接近させる工程である。このとき、制御部70は、第1駆動モータ203によって第1搬送内ローラ201aを回転速度U1aで反時計回り方向に回転させる。同時に、制御部70は、第2搬送内ローラ202aを停止、又は第2駆動モータ204によって回転速度U1aより遅い回転速度で回転させる。すると、第1ニップN1及び第2ニップN2における搬送速度差によって、順行領域Rfの長さが増大し、順行領域Rfに弛みが発生する。そして、時間経過と共に、吸着ベルト200は下方側(矢印Adの方向)に撓んだ(膨らんだ)樽型形状となって最上位シートSaに接近し、ついには吸着ベルト200の外周面と最上位シートSaの上面とが接触する吸着位置(吸着状態)に移動(変移)する。なお、順行領域Rfにおける弛み量が増大するにつれて、逆行領域Rbにおける弛み量が減少して弛みが解消されていくが、依然として吸着ベルト200は弛み補正板210に接触している。
図5(c)に示すように、密着工程(密着動作)は、最上位シートSaに接触した位置にある吸着ベルト200をさらに撓ませて最上位シートSaに密着させ、吸着ベルト200と最上位シートSaとの接触面積Mcを増大させる工程(接触面積増大動作)である。このとき、制御部70は、接近動作と同様に第1搬送内ローラ201aを回転速度U1aで反時計回り方向に回転させると共に、第2搬送内ローラ202aを回転速度U1aより遅い(停止を含む)回転速度で回転させる。すると、順行領域Rfにおける弛み量が増大することで、吸着ベルト200は下方側(矢印Adの方向)にさらに撓む。そして、吸着ベルト200の周方向における吸着ベルト200と最上位シートSaとの接触部分の幅が広がって、接触面積Mcが増大する。このとき、吸着ベルト200の逆行領域Rbにおける弛み量はさらに減少して弛みが解消されていくが、依然として弛み補正板210に接触している。
制御部70は、接触面積Mcが所定の接触面積Mnと等しくなるタイミングまで密着動作を継続する。所定の接触面積Mnとは、例えば後の分離工程及び搬送工程において、吸着ベルト200が安定的に最上位シートSaを保持し得るように設定された面積である。本実施形態においては、このタイミングをタイマ71による計時結果に基づいて代替的に検出している。すなわち、密着工程における第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの回転速度の差から計算された所要時間を予め設定しておき、制御部70はこの所要時間が経過した時点で密着工程を終了する。なお、タイマ71に代えて接触面積Mcの大きさを直接的に検出可能な検出手段を設けてもよい。
図5(d)に示すように、吸着工程(吸着動作)は、吸着ベルト200と最上位シートSaとが所定の接触面積Mnに亘って面接触した状態(吸着状態)で待機して、吸着ベルト200に最上位シートSaを確実に吸着させる工程である。制御部70は、吸着ベルト200の外周面に最上位シートSaが確実に吸着されるように予め設定された待機時間が経過するまで、第1駆動モータ203及び2駆動モータ204を停止状態に保持する。このとき、吸着ベルト200の逆行領域Rbにおける弛み量は最小限に留まっており、吸着ベルト200の弛み補正板210に対する接触面積は最小となっている。
なお、上述したように、吸着ベルト200には正電圧供給部205a及び負電圧供給部205bから継続的に電圧が供給されているため、吸着ベルト200が吸着位置に到達した時点から最上位シートSaとの間に静電吸着力が働いている。吸着工程においては、吸着ベルト200の搬送を停止させることで、例えば吸着ベルト200の振動やしわ等を低減させて、吸着ベルト200がより安定的に最上位シートSaを吸着した状態となる。
図5(e)に示すように、分離工程(分離動作)は、吸着ベルト200に吸着された最上位シートSaを上方にめくり上げて、最上位シートSaの次のシートSbから分離させる工程である。このとき、制御部70は、第2駆動モータ204によって第2搬送内ローラ202aを反時計回りに回転速度U2dで回転させる。同時に、制御部70は第1搬送内ローラ201aを停止、又は第1駆動モータ203によって回転速度U2dよりも遅い回転速度で回転させる。すると、順行領域Rfにおける弛み量が減少するため、吸着ベルト200は順行領域Rfにおいて最上位シートSaを吸着したまま、上方側(矢印Auの方向)に引上げられる。
制御部70は、順行領域Rfにおける弛み量が最小限となるまで、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの回転を継続させる。これにより、最上位シートSaは、給送方向における下流端が距離Lh(曲げ高さ)だけ引上げられた位置に移動され、下流端から曲げ根元までの距離La(曲げ長さ)に亘ってめくり上げられた状態(分離状態)となる。このとき、吸着ベルト200の順行領域Rfにおける弛み量が減少するにつれて、逆行領域Rbにおける弛み量が増大するため、吸着ベルト200の弛み補正板210に対する接触面積が増大する。
図5(f)に示すように、搬送工程(搬送動作)は、分離動作が終了した時の吸着ベルト200の形状を維持させながら、吸着ベルト200に最上位シートSaを吸着させた状態で引抜きローラ対51cへ向けて搬送させる工程である。このとき、制御部70は、第1搬送内ローラ201aの回転速度U1fと、第2搬送内ローラ202aの回転速度U2fとを略一致させるように第1駆動モータ203及び第2駆動モータ204を制御する。すると、吸着ベルト200は、順行領域Rfの長さが略一定に保たれるため、順行領域Rfにおける形状がシート給送方向(矢印A1)に沿った形状のままで搬送される。そして、最上位シートSaは、搬送方向下流に向かって上昇する吸着ベルト200によって搬送されることで、次のシートSbから分離された状態を保って搬送される。このとき、吸着ベルト200は、逆行領域Rbにおける弛み量が最大となっており、第1搬送ローラ対201及び第2搬送ローラ対202による搬送に伴って弛み補正板210に摺接している。
最上位シートSaがシート給送方向に移動し始めると、第1ニップN1から新たに繰り出された吸着ベルト200の一部と最上位シートSaとが接触する。上述した通り、吸着ベルト200には正電極200a及び負電極200bによって周方向に亘って不平等電界が形成されているため、新たに接触した部分において最上位シートSaが吸着ベルト200に吸着される。これにより、最上位シートSaは吸着ベルト200によって連続的にシート給送方向へ搬送される。
最上位シートSaの給送方向における下流端が、第2搬送内ローラ202aの外周に沿って吸着ベルト200が湾曲する湾曲部に到達すると、この下流端は吸着ベルト200の外周面から剥離する。このとき、最上位シートSaの下流端には、吸着ベルト200による静電吸着力と、シート自身の弾性による曲げ反力(曲げ応力)とが作用している。本実施形態においては、この曲げ反力が静電吸着力よりも大きくなるように、第2搬送内ローラ202aの外径等の値が設定されている。これにより、湾曲部において、最上位シートSaは、下流端が吸着ベルト200から離間した位置に移動した離間状態となる。
吸着ベルト200から剥離した最上位シートSaの下流端は、上側ガイド103aと下側ガイド103bとに案内されて、引抜きローラ対51cへ向けて搬送され、引抜きローラ対51cに引渡される。制御部70は、最上位シートSaの上流端が吸着ベルト200から剥離した後に、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの回転を停止させて初期工程に移行する。これにより、シート給送部51bによる給送動作が完了する。引抜きローラ対51cに引渡された最上位シートSaは、二次転写前搬送パス103を上方に搬送されて、画像形成部55に給送される。シート給送装置51は、シート給送部51bによる給送動作を繰り返し行うことで、シートSを1枚ずつ分離しながら連続的に画像形成部55に給送する。
(タイミングチャート)
図6に示すタイミングチャートは、制御部70が上述した給送動作の各工程を実行する際のタイミングチャートの一例である。図6において、u1は第1ニップN1における吸着ベルト200の搬送速度を示し、u2は第2ニップN2における吸着ベルト200の搬送速度を示している。また、vpは正電圧供給部205aから正電極200aに供給される電圧値を示し、vnは負電圧供給部205bから負電極200bに供給される電圧値を示している。上述した通り、vp及びvnは、給送動作の各工程に亘って一定の値(+V,−V)に保たれており、この実施例においては+V=+1(kV)、−V=−1(kV)である。
上述した通り、第1ニップN1及び第2ニップN2における吸着ベルトの搬送速度u1,u2は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの回転速度によってそれぞれ定まる。そこで、搬送速度u1,u2の設定値として、ローラの周面における回転速度U1a,U1f,U2d,U2fを図示している。なお、これらの回転速度U1a,U1f,U2d,U2fの値は、画像形成装置100の生産性等を考慮して決定されている。
図6において、(a)で示す時刻T0からT1までの区間は初期工程区間であり、このとき搬送速度u1及び搬送速度u2は0に設定されている。
(b)で示す時刻T1からT2までの区間は接近工程区間であり、このとき搬送速度u1はU1a=200(mm/s)、搬送速度u2は0に設定されている。
(c)で示す時刻T2からT3までの区間は密着工程区間であり、このとき時刻T1から継続して搬送速度u1はU1a=200(mm/s)、搬送速度u2は0に設定されている。
(d)で示す時刻T3からT4までの区間は吸着工程区間であり、このとき搬送速度u1及び搬送速度u2は0に設定されている。
(e)で示す時刻T4からT5までの区間は分離工程区間であり、このとき搬送速度u1は0、搬送速度u2はU2d=200(mm/s)に設定されている。
(f)で示す時刻T5からT6までの区間は搬送工程区間であり、このとき搬送速度u1はU1f=200(mm/s)、搬送速度u2はU2f=200(mm/s)に設定されている。
なお、(a)で示す時刻T6からT7までの区間は、次のシートを給送する給送動作における初期工程区間である。これらの区間(a)〜(f)の開始タイミング及び終了タイミングは、タイマ71からの信号に基づいて制御部70に検出されている。制御部70は、上述した各区間(a)〜(f)における制御を繰り返して、シート給送装置51に給送動作を繰り返して実行させることにより、連続したシート給送動作を行わせる。
なお、図6に図示したタイミングチャートは制御部70による制御の一例であり、一部を変更したものを用いてもよい。例えば、初期工程区間(a)において、第1駆動モータ203と第2駆動モータ204とを等速度で駆動して、搬送速度u1,u2を0以外の等速度としてもよい。この場合、順行領域Rfの長さが一定であるため、吸着ベルト200の下端部が最上位シートSaから所定の高さLbの空隙を以て離間した状態を保つことができる。
また、接近工程区間(b)又は密着工程区間(c)において、第1搬送内ローラ201aを停止させると共に、第2駆動モータ203を逆回転させて第2搬送内ローラ202aを時計回り方向に回転させてもよい。この場合、第2ニップN2から吸着ベルト200が繰り出されることで順行領域Rfの長さが増大するため、吸着ベルト200を最上位シートSaに接近あるいは密着させることができる。また、吸着工程区間(d)において、吸着ベルト200と最上位シートSaとが所定の接触面積Mnで面接触した状態にある限りで、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aを動作させてもよい。
また、vp及びvnを給送動作の全工程に亘って一定に保つことなく、一部の工程に限って吸着ベルト200に電圧を供給する構成としてもよい。例えば、吸着工程区間(d)、分離工程区間(e)、及び搬送工程区間(f)の間は、正電圧供給部205aと負電圧供給部205bとを吸着ベルト200に接続させて電圧を供給させると共に、これ以外の区間ではvp及びvnを0としてもよい。この場合、吸着ベルト200と最上位シートSaとが所定の接触面積Mnに亘って接触した状態で、正電極200a及び負電極200bに電圧が印加されて最上位シートSaが吸着ベルト200に静電吸着された吸着状態となる。そして、上述した分離工程及び搬送工程において、最上位シートSaは次のシートSbから分離されて引抜きローラ対51cへと搬送される。
(弛み補正板)
次に、吸着ベルト200の逆行領域Rbにおける弛み形状を補正する弛み形状補正手段として設けられた弛み補正板210の構成と作用について、図2(b)、図5、及び図7に基づいて詳しく説明する。なお、図7は、搬送工程が完了した状態、すなわち吸着ベルト200が上方側に最も弛んだ状態のシート給送部51bを示す模式図である。この図7には、弛み補正板210を例とする弛み形状補正手段が配置されない場合の吸着ベルト200の形状を破線Trで示し、本実施形態に係る吸着ベルト200の形状との差分をハッチングで図示している。
本実施形態に係る弛み補正板210は、図7に示すように、板状部材からなる補正部210aと、補正部210aを支持する支持部210bと、を備えている。摺接部としての補正部210aは、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの上方側に配置され、その片側(下側)の面である摺接面210cにおいて、吸着ベルト200の外周面に摺接可能(摺動可能)に設けられている。支持部210b,210bは、吸着ベルト200の幅方向における両外側において補正部210aから下方に延設されて、側板207に固定されている。
補正部210aの形状について、図2(b)を用いて詳しく説明する。補正部210aの摺接面210cは、第2搬送内ローラ202aの上方に位置する上流側端部210d(第2回転体側の端部)から、左下方に傾斜して延び、さらに第2搬送内ローラ202aの上端高さH1よりも低い位置において左方に延びている。摺接面210cのもう一方の端部である下流側端部210e(第1回転体側の端部)は、第1搬送内ローラ201aの左端部よりも、少なくとも距離d1だけさらに左方に位置している。従って、上面視において、摺接面210cは、第1搬送内ローラ201aを覆うと共に、第2搬送内ローラ202aとは反対側(左方側)へ向けて第1搬送内ローラ201aを超えて延設されている。延設幅である距離d1は、吸着ベルト200の逆行領域Rbにおける弛み量が最大となった状態で、吸着ベルト200が摺接面210cを超えて上方側に弛むことを規制し得るように設定されている。
このように構成された弛み補正板210は、図5に示すように、吸着ベルト200が逆行領域Rb(非吸着面側)において弛んだ状態にある場合に、摺接面210cにおいて吸着ベルト200の外周面に摺接する。第2ニップN2から送り出された吸着ベルト200は、第2搬送内ローラ202aの上方位置にて摺接面210cに接触した後、摺接面210cに摺動しながら案内されて、第2搬送内ローラ202aの上端高さH1よりも低い位置を左方へと搬送される。そして、吸着ベルト200は、下流側端部210eよりも上流位置(右側位置)にて摺接面210cから下方に離間した後、第1ニップN1に引込まれる。
上述した通り、逆行領域Rbにおける弛み量が最小限となる吸着工程(図5(d))を除く給送動作の各工程において、吸着ベルト200は弛み補正板210の摺接面210cに接触している。このため、弛み補正板210は少なくともこれら各工程において、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の弛み形状を、摺接面210cの下側の範囲内に留めるように補正する(図5及び図7参照)。
ところで、分離工程(図5(e))又は搬送工程(図5(f))など、吸着ベルト200が逆行領域において搬送される場合には、吸着ベルト200の外周面と補正部210aの摺接面210cとが摺動する。このため、少なくとも摺接面210cは、自己潤滑性を有する(摺動性に優れる)材質であることが望ましい。
また、発明者らの研究によれば、吸着ベルト200と弛み補正板210との摺動によって発生する摺動音の大きさには、両者の間の摩擦抵抗力の大きさと一定の相関があることが判っている。この点からも、摺接面210cは摺動性に優れた材質であることが好ましい。そこで、本実施形態に係る弛み補正板210は、自己潤滑性を有する樹脂材料の例としてポリアセタール樹脂を用いて形成されている。
また、吸着ベルト200と補正部210aとの摺動によってこれらが摩擦帯電することによる影響を軽減するため、弛み補正板210は適度な導電性を付与された材質であることが望ましい。このような影響としては、摩擦によって発生した電荷が吸着ベルト200の外周面に残留することで、シートSとの間に働く静電吸着力が変動することが挙げられる。また、通常は接地電位にある弛み補正板210が帯電することによって、例えば弛み補正板210に待機中の塵埃が吸着された後、弛み補正板210の放電に伴って落下してシートSを汚染することが考えられる。そこで、本実施形態においては、弛み補正板210を側板207を介してアース接続すると共に、表面抵抗率を1010Ω/□〜1014Ω/□(Ω毎平方)程度に設定している。
本実施形態に係るシート給送装置51(及びシート給送装置52)には、このように吸着ベルト200の外周面に摺接することで、逆行領域Rb(非吸着面側)おける弛み形状を補正する弛み補正板210が設けられている。これにより、例えば図7における破線Trのように、弛んだ吸着ベルト200が上方に大きく張出すことを防ぐことができる。そして、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の弛み形状を、補正部210aの下方側の範囲である一定の範囲内に収めることができ、吸着ベルト200と他の部材とを大きく離間させずとも干渉を回避することができる。これにより、シート給送装置51の配置に必要な空間の高さを抑えて画像形成装置の小型化を可能とする。
また、発明者らの研究によれば、弛み形状補正手段を用いない場合には、吸着ベルト200の形状や搬送軌跡(図7の破線Tr参照)がばらつくことが確認された。これは、吸着ベルト200の製造時に起因する形状クセや、吸着ベルト200が搬送を停止された状態で一定の姿勢をとり続けたことによる形状クセが主な要因と考えられる。しかし、本実施形態においては、弛み補正板210を設けたことによって吸着ベルト200の形状及び搬送軌跡が一定の範囲内に収められるため、確実に吸着ベルト200と他の部材との干渉を防ぐことができる。
ここで、本実施形態に対する比較例として、吸着ベルト200の内周側に配置されたテンションローラを設けると共に、このテンションローラに付勢部材を接続して、吸着ベルト200の逆行領域Rbを外周側へ押圧させる構成が考えられる。しかし、シート給送部51bによる分離工程及び搬送工程の安定性を確保するためには、順行領域Rfにおける弛み量を大きく変化させる必要があり、これに対応して、逆行領域Rbにおける弛み量の変化幅が大きなものとなる。そして、テンションローラには、この弛み量の変化幅に対応可能な広いストローク幅を有することが要求される。しかし、このような広いストローク幅を実現するには大きな付勢部材を用いる必要があり、コスト増や装置の大型化につながる可能性がある。また、テンションローラによって吸着ベルト200に発生する張力によって、例えば吸着ベルト200が周方向に伸びてしまうことが考えられる。
一方、本実施形態に係る弛み補正板210は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに対して位置決めされた板状部材を設ける簡易な構成によって、逆行領域Rbにおける大きな弛み量の変化に対応可能に設けられている。また、吸着ベルト200に余計な張力を発生させるものではないため、吸着ベルト200の耐久性を向上させることができる。
また、補正部210aの吸着ベルト200に対する摺接面210cを、第1搬送内ローラ201aの上方に位置する上流側端部210dと、第1搬送内ローラ201aの上端高さH1より低い位置の下流側端部210eとに亘って連続的に形成した。このため、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の形状を、第1搬送内ローラ201aの上端よりも低い位置に案内して、シート給送部51bの高さを効果的に抑えることができる。さらに、摺接面210cは、第2搬送内ローラ202aの左端部よりも下流側(左方側)に延設されている。このため、順行領域Rfにおける弛み量を大きく変化させることで給送工程の安定性を高めたものでありながら、逆行領域Rbにおける弛み量が大きくなった状態でも確実に吸着ベルト200と他の部材とを干渉を抑えることができる。
また、吸着ベルト200に摺接する補正部210aを、自己潤滑性を有する摺動性に優れた材料によって構成している。このため、摺動抵抗による吸着ベルト200の搬送負荷を軽減させると共に、例えば、吸着ベルト200を静止状態から搬送状態へと円滑に移行させてシート給送部51bの動作の安定性を高めることができる。さらに、摺接面210cと吸着ベルト200の外周面との摺動による摺動音を低減させることができ、装置の稼働音を低減させることができる。
なお、本実施形態において、弛み補正板210の形状は上述したものに限らず、例えば、簀子状に配置された(非連続的な)複数の板状部材を有するものであってもよい。また、弛み形状を補正する範囲は弛み補正板210の下方側に限らず、例えば、上下方向に広がる摺接面によって、吸着ベルト200の弛みを左右方向の一方に留める構成であってもよい。要するに、弛み補正板210は、吸着ベルト200の外周面に接触することで、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の形状を弛み形状補正手段がない場合の形状(例えば図7における破線Tr)から変位させて、一定の範囲に収めるものであればよい。
また、補正部210aは、吸着ベルト200の外周面に面接触するものに限らず、例えば、板状部材の片面にリブ状部材を凸設して、リブ突端において吸着ベルト200に摺接するように構成されてもよい。
また、弛み補正板210は、ポリアセタール樹脂に限らず、自己潤滑性を有する他の材料(摺動性材料)を用いてもよい。このような摺動性材料としては、フッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン等、一般にエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂材料が挙げられる。また、摺動性材料を摺接面210cに限って用いる構成であってもよく、例えば摺動性材料を用いたコーティングや、摺動性材料からなるシート材の貼付けによって摺接面210cを構成してもよい。
また、弛み補正板210の補正部210aを支持する支持構成は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに対する相対位置を上述したように位置決めしうるものであればよい。このため、支持部210bが側板207に固定される構成に代えて、例えば、シート給送部51bの近傍に配置された部材に補正部210aを固定してもよい。
(変形例)
上述した第1の実施形態に係るシート給送装置51の変形例について説明する。この変形例では、上述した補正部210aと同様の形状を有する板状の案内部材に、吸着ベルト200の外周面に接触して回転可能な複数のコロ部材(回転部材)を設けている。これらのコロ部材は、吸着ベルト200の幅方向に回転軸を向けた姿勢で案内部材に回転自在に支持されると共に、少なくともその一部が案内部材の下面側に露出している。なお、この変形例において、案内部材の下面を吸着ベルト200に摺接させる必要はないが、下面の一部において吸着ベルト200に摺接しても構わない。
このように構成されたシート給送装置は、補正部210aによって吸着ベルト200を案内して逆行領域Rbにおける弛み形状を一定の範囲内に収めることができ、シート給送部51bの配置に必要な高さを抑えて画像形成装置の小型化を可能とする。これに加えて、この変形例に係る弛み補正板は、コロ部材を介して吸着ベルト200の外周面に接触するため、吸着ベルト200が弛み補正板に面接触して摺動するものに比して、吸着ベルト200の搬送負荷を軽減させることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るシート給送部151bについて、図8に基づいて説明する。図8は、搬送工程が完了した状態、すなわち吸着ベルト200が上方側に最も弛んだ状態のシート給送部151bを示す模式図である。この図には、弛み形状補正手段が配置されない場合の吸着ベルト200の形状を破線Trで示し、本実施形態に係る吸着ベルト200の形状との差分をハッチングで図示している。
本実施形態に係るシート給送部151bは、弛み形状補正手段として、弛み補正板210に代えて補正ローラユニット220を備えている点で上述した第1の実施形態に係るシート給送部51bと異なっている。その他の構成は上述したシート給送部51bと同様であり、また、シート給送装置51及び画像形成装置100の全体構成も上述したものと同様である。そこで、第1の実施形態と同様の構成及び作用を有する部材には同符号を付して説明を省略する。
補正ローラユニット220は、補正ローラ220bと、補正ローラ220bを回転自在に支持する支持アーム220aとを有している。補正ローラ220bは、左右方向に第1搬送内ローラ201aと第2搬送内ローラ202aとの間に配置され、回転軸を吸着ベルト200の幅方向に向けた姿勢で、軸方向の両端部を支持アーム220a,220aにそれぞれ支持されている。補正ローラ220bの下端部は、第1搬送内ローラ201aの上端部よりも低い位置にあり、かつ補正ローラ220bの外周円は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの上側の共通外接線Ttよりも上方に位置する。なお、補正ローラ220bは、回転補正部材の一例であり、吸着ベルト200の外周面に接触して回転可能なものであれば、例えばベルト部材によって構成されてもよい。
支持アーム220a(第2支持部材)は、補正ローラ220bの軸受部から下方に延出し、第1搬送内ローラ201aの軸受部と第2搬送内ローラ202aの軸受部との間の位置で側板207(第1支持部材)に固定されている。支持アーム220a及び側板207は、例えば金属板等の導電性材料からなり、補正ローラ220bはこれらを介してアース接続された状態にある。補正ローラ220bの材質は、例えば樹脂材料にカーボンブラックを混錬したものを用いるなど、適度な導電性を付与されたものであることが好ましい。
吸着ベルト200は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに巻き掛けられると共に、逆行領域Rbにおいて補正ローラ220bの下方側を通過するように配置されている。補正ローラ220bは、吸着ベルト200が補正ローラ220bの外周に接触した状態で、吸着ベルト200の搬送に伴って従動回転可能なコロ部材として設けられている。
このように構成された補正ローラユニット220は、吸着ベルト200が逆行領域Rbにおいて弛んだ状態にある場合に、補正ローラ220bによって吸着ベルト200を下方に押圧して、補正ローラ220bの下方側を通過するように案内する。すなわち、少なくとも補正ローラ220bが設けられた位置において、吸着ベルト200の形状は、弛み形状補正手段がない場合の形状(例えば破線Tr)よりも低い高さ範囲に制限される。これにより、上述した弛み補正板210と同様に、吸着ベルト200を案内して逆行領域Rbにおける弛み形状を補正することができ、シート給送部51bの配置に必要な高さを抑えて画像形成装置の小型化を可能とする。
また、第1の実施形態と比較した場合、本実施形態に係る補正ローラユニット220が吸着ベルト200に対して与える搬送方向に逆行する方向の力は、摺動抵抗(摩擦抵抗)ではなく補正ローラ220bを回転させる際の抵抗力である。この抵抗力には、吸着ベルト200の外周面上を補正ローラ220bが回転する際の転がり抵抗と、補正ローラ220bの軸受け部に発生する軸受摩擦とが含まれる。接触部における垂直荷重が同程度ならば、これら転がり抵抗及び軸受摩擦は、通常、摺動抵抗よりも小さいため、第1の実施形態に比して吸着ベルト200を搬送する際の第1駆動モータ203及び第2駆動モータ204等の駆動負荷を軽減することができる。また、吸着ベルト200の外周面が弛み補正板210のような板状部材に摺動することがないため、装置の稼働音を低減させることができる。
また、補正ローラ220bが支持アーム220a及び側板207を介してアース接続され、適度な導電性を付与されている(除電可能に構成されている)ため、吸着ベルト200の外周面に接触した際に、表面電荷を除電することができる。これにより、例えばシートSが吸着ベルト200から剥離する際に、剥離帯電によって基層200cの表層に残留する表面電荷を除去して、吸着ベルト200による静電吸着力を安定させることができる。
なお、本実施形態において、補正ローラ220bにモータ等の駆動手段(補正駆動手段)を接続して、例えば第2ニップN2における搬送速度に合わせた回転速度で回転させてもよい。これにより、上述した軸受摩擦による抵抗力が吸着ベルト200に伝達されないため、吸着ベルト200を搬送する際の駆動負荷をさらに軽減することができる。
また、補正ローラ220bを1個ではなく、複数個設けてもよい。これにより、吸着ベルト200の搬送軌跡が描く範囲を適宜絞り込むことができる。すなわち、弛み形状を一定の範囲内に補正する際の範囲設定の自由度が向上するため、例えば画像形成装置100の他の部材の配置に合わせた適切な範囲に収めることができる。
また、補正ローラ220bを支持する支持構成は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに対する相対位置を上述したように位置決めしうるものであればよい。このため、支持アーム220aを側板207に固定する構成に代えて、例えば、シート給送部151bの近傍に配置された部材に補正ローラ220bを固定してもよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るシート給送部251bについて、図9に基づいて説明する。図9は、搬送工程が完了した状態、すなわち吸着ベルト200が上方側に最も弛んだ状態のシート給送部251bを示す模式図である。この図には、弛み形状補正手段が配置されない場合の吸着ベルト200の形状を破線Trで示し、本実施形態に係る吸着ベルト200の形状との差分をハッチングで図示している。
本実施形態に係るシート給送部251bは、弛み形状補正手段として、弛み補正板210に代えて補正ローラ対230を備えている点で上述した第1の実施形態に係るシート給送部51bと異なっている。その他の構成は上述したシート給送部51bと同様であり、また、シート給送装置51及び画像形成装置100の全体構成も上述したものと同様である。そこで、第1の実施形態と同様の構成及び作用を有する部材には同符号を付して説明を省略する。
補正ローラ対230は、図9に示すように、外ローラ230bと、内ローラ230cと、これら外ローラ230b及び内ローラ230cを回転自在に支持する支持アーム230aとを有している。これら外ローラ230b及び内ローラ230cは、回転軸を吸着ベルト200の幅方向に向けた姿勢で、軸方向の両端部を支持アーム230aによって軸支されている。なお、外ローラ230bは、吸着ベルト200の外周面に接触する回転補正部材の一例であり、内ローラ230cは、吸着ベルト200の内周面に接触する内回転部材の一例である。
支持アーム230aは、第1搬送内ローラ201aの軸受部と第2搬送内ローラ202aの軸受部との間の位置で、側板207に固定されている。支持アーム230a及び側板207は、例えば金属板等の導電性材料からなり、外ローラ230b及び内ローラ230cはこれら支持アーム230a及び側板207を介してアース接続された状態にある。外ローラ230bの材質は、例えば樹脂材料にカーボンブラックを混錬したものを用いるなど、適度な導電性を付与されたものであることが好ましい。
吸着ベルト200は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに巻き掛けられると共に、逆行領域Rbにおいて外ローラ230bと内ローラ230cとの間に形成された補正ニップN3に挟持されている。補正ローラ対230の内ローラ230cは、不図示の駆動伝達機構を介して第2駆動モータ204からの駆動力を受取っている。この駆動伝達機構は、第2駆動モータ204の回転を、第2ニップN2における第2搬送内ローラ202aの周速と補正ニップN3における内ローラ230cの周速とが略同一となるように第2搬送内ローラ202a及び内ローラ230cに伝達する。
ここで、外ローラ230b及び内ローラ230cは、補正ニップN3における接線方向が、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの上側の共通外接線Ttと略平行となるように配置されている。また、外ローラ230b及び内ローラ230cの上下位置は、これらの軸中心の間を共通外接線Ttが通過するように設定されている。すなわち、第2ニップN2から補正ニップN3に亘って張架された状態の吸着ベルト200の形状が、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aに最短周長で巻き掛けられた仮想のベルト部材と重なるように構成されている。また、補正ニップN3は、少なくとも第2搬送内ローラ202aの上端部より低い位置にある。
このように構成された補正ローラ対230は、吸着ベルト200の逆行領域Rbのうち、補正ニップN3よりも上流側部分である第1領域Rb1の長さを一定に保つように吸着ベルト200を挟持して搬送する。このため、逆行領域Rbの全体の弛み量が増加する場合であっても、第1領域Rb1の弛み量は増加せず、補正ニップN3よりも下流側部分である第2領域Rb2に弛みが集中する。
本実施形態に係る外ローラ230bは、吸着ベルト200が下方側を通過するように配置されているため、上述した第2の実施形態と同様に、吸着ベルト200を下方側に案内して弛み形状を補正することができる。これにより、シート給送部51bの配置に必要な高さを抑えて、画像形成装置の小型化を可能とする。
これに加えて、本実施形態に係る補正ローラ対230は、逆行領域Rbにおける弛み量を、第1搬送内ローラ201aに近い側である第2領域Rb2に集中させることができる。第1搬送内ローラ201aは第2搬送内ローラ202aよりも低い位置にあるため、第1領域Rb1において弛みが発生するものに比して、吸着ベルト200の弛み形状の高さを低く抑えることができ、シート給送部51bの高さを抑えることができる。
さらに、補正ニップN3における吸着ベルト200の搬送方向は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの共通外接線Ttに沿って下向きに傾斜している。このため、補正ニップN3から送り出された吸着ベルト200の形状は、搬送方向の慣性モーメントとベルト自身の曲げ剛性とによって制限されるため、効果的に弛み形状の高さを抑えることができる。
また、外ローラ230bが支持アーム230a及び側板207を介してアース接続され、適度な導電性を付与されている(除電可能に構成されている)ため、吸着ベルト200の外周面に接触した際に、表面電荷を除電することができる。これにより、吸着ベルト200の基層200cの表層に残留した電荷を除去して、吸着ベルト200による静電吸着力を安定させることができる。
なお、本実施形態において、補正ローラ対230を1箇所に配置する構成に代えて、複数セットの補正ローラ対を設けてもよい。また、補正ニップN3における搬送方向は、共通外接線Ttとは異なる方向であってもよい。これらの代替構成によって、吸着ベルト200の搬送軌跡が描く範囲を適宜絞り込むことができる。すなわち、弛み形状を一定の範囲内に補正する際の範囲設定の自由度が向上するため、例えば画像形成装置100の他の部材の配置に合わせた適切な範囲に収めることができる。
また、補正ニップN3において吸着ベルト200を搬送する駆動構成は、上述したものに限らない。例えば、第2駆動モータ204とは別個の駆動手段(駆動モータ)を設けて内ローラ230cに接続してもよく、あるいは駆動手段を外ローラ230bに接続してもよい。また、補正ニップN3における搬送速度の設定は、第2ニップN2における搬送速度と略同一又はそれ以上、すなわち第1領域Rb1における弛み量を少なくとも増加させないように決定されていればよい。
また、本実施形態に係る弛み形状補正手段は、吸着ベルト200を外側部材(回転補正部材)と内側部材(内回転部材)とによって挟持して案内するものであればよく、外ローラ230b及び内ローラ230cを用いたローラ対に限定されるものではない。例えば、外側部材及び内側部材の少なくとも一方を、無端状のベルト部材等の回転部材によって構成してもよい。また、外側部材及び内側部材の一方を上述した弛み補正板210のような板状部材として、外側部材及び内側部材の他方として設けられる回転部材によって吸着ベルト200をこの板状部材に押付けるように挟持する構成であってもよい。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係るシート給送部351bについて、図10に基づいて説明する。図10は、搬送工程が完了した状態、すなわち吸着ベルト200が上方側に最も弛んだ状態のシート給送部351bを示す模式図である。この図には、弛み形状補正手段が配置されない場合の吸着ベルト200の形状を破線Trで示し、本実施形態に係る吸着ベルト200の形状との差分をハッチングで図示している。
本実施形態に係るシート給送部351bは、弛み形状補正手段として、上流側の挟持補正部242と下流側の挟持補正部241とによって構成される弛み補正機構240を備えている。弛み形状補正手段以外の構成は上述したシート給送部51bと同様であり、また、シート給送装置51及び画像形成装置100の全体構成も上述したものと同様である。そこで、第1の実施形態と同様の構成及び作用を有する部材には同符号を付して説明を省略する。
上流側の挟持補正部242は、吸着ベルト200の外周面に接触して第2搬送内ローラ202aとの間に吸着ベルト200を挟持する上流側挟持ローラ242bと、上流側挟持ローラ242bを回転自在に支持する支持アーム242aとを有している。また、下流側の挟持補正部242は、吸着ベルト200の外周面に接触して第1搬送内ローラ201aとの間に吸着ベルト200を挟持する下流側挟持ローラ241bと、下流側挟持ローラ241bを回転自在に支持する支持アーム241aとを有している。上流側挟持ローラ242bは、上流側挟持補正部材の一例であり、下流側挟持ローラ241bは、下流側挟持補正部材の一例である。これら上流側挟持ローラ242b及び下流側挟持ローラ241bは、回転軸を吸着ベルト200の幅方向に向けた姿勢で互いに平行に配置されている。
上流側挟持ローラ242bは、第2ニップN2よりも吸着ベルト200の搬送方向における下流位置にて、第2搬送内ローラ202aとの間に上流側補正ニップNu(挟持部)を形成している。上流側挟持ローラ242bの位置は、上流側補正ニップNuにおける接線Tuが、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの間において、これらの上側の共通外接線Ttの下方を通過するように設定されている。
また、下流側挟持ローラ241bは、第1ニップN1よりも吸着ベルト200の搬送方向における上流位置にて、第1搬送内ローラ201aとの間に下流側補正ニップNd(挟持部)を形成している。下流側挟持ローラ241bの位置は、下流側補正ニップNdにおける接線Tdが、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの間において、共通外接線Ttの下方を通過するように設定されている。従って、上流側補正ニップNuにおける搬送方向に沿う接線Tuと、下流側補正ニップNdにおける搬送方向に沿う接線Tdとの交点Tcは、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの間に位置し、かつ共通外接線Ttより下方に位置している。
支持アーム241a,242a及び側板207は、例えば金属板等の導電性材料からなり、上流側挟持ローラ242b及び下流側挟持ローラ241bは、支持アーム241a,242a及び側板207を介してアース接続された状態にある。上流側挟持ローラ242b及び下流側挟持ローラ241bの少なくとも一方の材質は、例えば樹脂材料にカーボンブラックを混錬したものを用いるなど、適度な導電性を付与されたものであることが好ましい。
このように構成された弛み補正機構240は、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aとの間に吸着ベルト200を挟持することで、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の形状を補正する。つまり、上流側挟持ローラ242b及び下流側挟持ローラ241bは、第1搬送外ローラ201b及び第2搬送外ローラ202bと同様に、吸着ベルト200を挟持して搬送する機能に加えて、吸着ベルト200の弛み形状を補正する機能を有している。逆行領域Rbにおいて、第2ニップN2を通過した吸着ベルト200は、第2搬送内ローラ202aに巻き付いた状態で、上流側補正ニップNuを通過する。上流側補正ニップNuから接線Tuに沿った方向に送り出された吸着ベルト200は、下流側補正ニップNdに引込まれて、第1搬送内ローラ201aに巻き付いた状態で第1ニップN1を通過する。
上述したように、上流側補正ニップNu及び下流側補正ニップNdにおける搬送方向は、これらの搬送方向に沿う接線Tu,Tdの交点Tcが共通外接線Ttより下方に位置するように設定されている。このため、吸着ベルト200が逆行領域Rbにおいて弛んだ状態にある場合には、ベルト自身の曲げ剛性(弾性)によって、吸着ベルト200は上流側補正ニップNuと下流側補正ニップNdとの間において下方側に湾曲した形状となる。すなわち、弛み補正機構240は、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の弛み形状を、下方側に窪んだ凹形状となるように補正する。なお、逆行領域Rbにおける弛み量が最小限である場合には、吸着ベルト200は上流側補正ニップNuから下流側補正ニップNdに亘って張架された状態となる。
本実施形態に係る弛み補正機構240は、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200が上方側に張出すことを防ぐため、第1ないし第3の実施形態に係る他の弛み形状補正手段と同様に、吸着ベルト200の弛み形状を補正して画像形成装置の小型化を可能とする。
これに加えて、弛み補正機構240は、逆行領域Rbにおける吸着ベルト200の形状を、第1搬送内ローラ201a及び第2搬送内ローラ202aの上側の共通外接線Ttよりも下方側に窪んだ凹形状に補正している。これにより、第1ないし第3の実施形態に比較して、吸着ベルト200が共通外接線Ttの上方側に張出さない分、吸着ベルト200を最もコンパクト(図7ないし図10においてハッチング領域が最大)に配置して省スペース化をより良く図ることができる。
また、上流側挟持ローラ242b及び下流側挟持ローラ241bが支持アーム241a,242a及び側板207を介してアース接続され、適度な導電性を付与されているため、吸着ベルト200の外周面に接触した際に、表面電荷を除電することができる。これにより、吸着ベルト200の表層に残留した電荷を除去して、吸着ベルト200による静電吸着力を安定させることができる。
なお、本実施形態に係る弛み補正機構240において、挟持補正部241,242を2箇所に配置する構成に代えて、これらの内一方を配置する構成であってもよい。また、上流側挟持ローラ242b及び下流側挟持ローラ241bは、それぞれ挟持補正部材の一例である。この挟持補正部材は、第1搬送内ローラ201a又は第2搬送内ローラ202aとの間に吸着ベルト200を挟持して搬送可能に構成されたものであればよく、例えばベルト部材であってもよい。
[他の実施形態の可能性]
これまで説明した第1ないし第4の実施形態に係る弛み形状補正手段の例(210,220,230,240)は、相反するものではなく、組み合わせて用いてもよい。例えば、吸着ベルト200に摺接可能な板状部材と、吸着ベルト200に接触して回転する回転部材と共に配置する構成としてもよい。
なお、吸着ベルト200は、シートSを静電吸着可能に構成される吸着部材の一例であり、上述した構成に限られない。例えば、櫛歯形状の正電極200a及び負電極200bに代えて、一様な電界を形成することでシートSを誘電分極させる一様電極を設けてもよい。
また、吸着部材に埋め込まれた電極に電圧を印加する構成に代えて、吸着部材の外周面に接触する帯電ローラによって静電吸着力を発生させる構成であってもよい。この場合、吸着部材の表層に絶縁性材料を用いると共に、帯電ローラを吸着部材のシートS対する接触位置の上流位置に当接させる。そして、帯電ローラに電圧を印加することによって吸着部材の表層を帯電させ、シートSとの間に吸着力を発生させることができる。なお、帯電ローラに接続する電源は、交流電源及び直流電源のいずれであってもよい。
また、吸着部材は、上述した第1ないし第4の実施形態における吸着ベルト200のように、静電吸着力によってシートSを吸着するものに限定されるものではない。例えば、吸着部材上にサブミクロンオーダーの微細な繊維構造を形成し、シートSとの間に働く分子間引力によってシートSを吸着させる構成としてもよい。
51,52…シート給送装置/51a,52a…積載手段(カセット)/70…制御手段(制御部)/100…画像形成装置/200…吸着部材(吸着ベルト)/201a…第1回転体(第1搬送内ローラ)/201b…第1挟持部材(第1搬送外ローラ)/202a…第2回転体(第2搬送内ローラ)/202b…第2挟持部材(第2搬送外ローラ)/203,204…駆動手段(第1駆動モータ、第2駆動モータ)/207…第1支持部材(側板)/210,220,230,240…弛み形状補正手段(弛み補正板、補正ローラユニット、補正ローラ対、弛み補正機構)/210a…摺接部、板状部材(補正部)/210c…摺接面/210d,210e…端部(上流側端部、下流側端部)/220a…第2支持部材(支持プレート)/220b,230b…回転補正部材(補正ローラ、外ローラ)/230c…内回転部材(内ローラ)/241b…挟持補正部材、上流側挟持補正部材(上流側挟持ローラ/242b…挟持補正部材、下流側挟持補正部材(下流側挟持ローラ)/301a…積載部材(中板)/A1…シート給送方向/N1,N2…挟持部(第1ニップ、第2ニップ)/N3,Nu,Nd…挟持部(補正ニップ、上流側補正ニップ、下流側補正ニップ)/S…シート/Tt…共通外接線

Claims (20)

  1. シートが積載される積載部材を有する積載手段と、
    前記積載部材の上方に配置される第1回転体と、
    前記第1回転体よりもシート給送方向における下流側に配置される第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体とに巻き掛けられた状態で前記積載部材に積載されたシートに接触し得る周長を有し、シートを吸着可能な無端状の吸着部材と、
    前記第1回転体と共に前記吸着部材を挟持する第1挟持部材と、
    前記第2回転体と共に前記吸着部材を挟持する第2挟持部材と、
    少なくとも前記第2回転体及び前記第2挟持部材のいずれか一方を回転駆動する駆動手段と、
    前記吸着部材を前記第1回転体及び前記第2回転体の下方側に弛ませてシートに接触する吸着状態にさせた後に、前記吸着部材を前記吸着状態に比して前記第1回転体及び前記第2回転体の下方側への弛み量が少ない状態で前記シート給送方向に搬送させるように、前記駆動手段を制御する制御手段と、
    前記吸着部材の外周面に接触可能に設けられ、前記第1回転体及び前記第2回転体の上方側における前記吸着部材の弛み形状を補正する弛み形状補正手段と、を備える、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記弛み形状補正手段は、前記吸着部材の外周面に摺接する摺接部を有する、
    請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記摺接部は、片側の面において前記吸着部材に摺接する板状部材からなる、
    請求項2に記載のシート給送装置。
  4. 前記第2回転体の上端は、前記第1回転体の上端に比して高い位置にあり、
    前記板状部材は、前記第1回転体及び前記第2回転体の上方側に配置されると共に、下側の面を、前記第2回転体の上方に配置される前記第2回転体側の端部から、前記第2回転体の上端よりも低い位置に配置される前記第1回転体側の端部に亘って連続的に形成される、
    請求項3に記載のシート給送装置。
  5. 前記板状部材は、上面視において、前記第1回転体を覆うと共に、前記第1回転体を超えて前記第2回転体とは反対側へ延設されている、
    請求項4に記載のシート給送装置。
  6. 前記板状部材は、アース接続されている、
    請求項3乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  7. 前記摺接部の前記吸着部材に対する摺接面は、自己潤滑性を有する樹脂材料からなる、
    請求項2乃至6のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  8. 前記弛み形状補正手段は、前記第1回転体及び前記第2回転体の上方側に配置される板状の案内部材と、前記案内部材に回転自在に支持され、前記案内部材の下面側において前記吸着部材に接触して回転する回転部材と、を有する、
    請求項1に記載のシート給送装置。
  9. 前記弛み形状補正手段は、前記吸着部材の外周面に当接して回転する回転補正部材を有する、
    請求項1に記載のシート給送装置。
  10. 前記第2回転体の上端は、前記第1回転体の上端に比して高い位置にあり、
    前記回転補正部材は、上面視における前記第1回転体と前記第2回転体との間で、かつ前記第2回転体の上端よりも低い位置で前記吸着部材に接触する、
    請求項9に記載のシート給送装置。
  11. 前記第1回転体及び前記第2回転体を軸方向の両端部においてそれぞれ回転自在に支持する第1支持部材と、
    前記第1回転体の軸中心と前記第2回転体の軸中心との間において前記第1支持部材に支持されると共に、前記回転補正部材を軸方向の両端部において回転自在に支持する第2支持部材と、を備える、
    請求項10に記載のシート給送装置。
  12. 前記回転補正部材を駆動する補正駆動手段を備える、
    請求項9乃至11のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  13. 前記弛み形状補正手段は、前記第1回転体と前記第2回転体との間に配置されて前記吸着部材の内周面に当接すると共に前記回転補正部材との間に前記吸着部材を挟持して回転する内回転部材を有する、
    請求項9に記載のシート給送装置。
  14. 前記第2回転体の上端は、前記第1回転体の上端に比して高い位置にあり、
    前記駆動手段は、前記吸着部材の内、前記第2回転体と前記第2挟持部材とによって形成された挟持部と、前記回転補正部材と前記内回転部材とによって形成された挟持部との間の部分の弛み量を少なくとも増加させないように、前記回転補正部材及び前記内回転部材の少なくとも一方を駆動する、
    請求項13に記載のシート給送装置。
  15. 前記回転補正部材は、アース接続されており、前記吸着部材の表面電荷を除電可能に構成されている、
    請求項9乃至14のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  16. 前記弛み形状補正手段は、前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方との間に前記吸着部材を挟持する挟持部を形成する挟持補正部材を有し、
    前記挟持補正部材は、前記第1回転体及び前記第2回転体の軸方向から視て、前記挟持部における接線方向が前記第1回転体と前記第2回転体との間において前記第1回転体と前記第2回転体との上側の共通外接線の下方を通過するように配置されている、
    請求項1に記載のシート給送装置。
  17. 前記挟持補正部材は、前記第2回転体との間に前記吸着部材を挟持する上流側挟持補正部材を含む、
    請求項16に記載のシート給送装置。
  18. 前記挟持補正部材は、前記第1回転体との間に前記吸着部材を挟持する下流側挟持補正部材を含む、
    請求項16又は17に記載のシート給送装置。
  19. 前記挟持補正部材は、アース接続されており、前記吸着部材の表面電荷を除電可能に構成されている、
    請求項16乃至18のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  20. シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部にシートを給送する請求項1乃至19のいずれか1項に記載のシート給送装置と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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