JP2016034868A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Hisae Shimizu
久恵 清水
吉田 康美
Yasumi Yoshida
康美 吉田
青山 武史
Takeshi Aoyama
武史 青山
青▲柳▼ 孝陽
Takaaki Aoyanagi
孝陽 青▲柳▼
崇 平塚
Takashi Hiratsuka
崇 平塚
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Isao Hayashi
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Abstract

【課題】給電と除電の切り替え制御を行わずに、静電吸着力の発生と除電を両立させることで生産性を低下させないシート給送装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】シート給送装置は、吸着部材200の下方弛み部分がシートに接触する際に静電吸着力を発生するように、吸着部材200の周方向に延びるように設けられた電極200a,200bに正及び負の電圧を夫々供給する給電ローラを有している。さらに、シート給送装置は、吸着部材200における下方弛み部分から離れた上方部分にて電極200a,200bに接触して除電する除電ブラシを有している。吸着部材200は、周方向及び幅方向に配列され、電極200a,200bを夫々有して互いに独立した複数の櫛歯電極領域210を有し、複数の櫛歯電極領域210の内の幅方向で隣り合う領域同士の周方向の端部が周方向にて互いにずれるように配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、シート給送装置及び画像形成装置に関し、特に静電吸着力を用いてシートを給送するものに関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置において、シートを積載したカセットからシートを搬送する方式として摩擦分離方式のものが多く提案されている。摩擦分離方式では、ゴム材料である給送ローラを、カセット内に積載されたシートに押し付けながら回転させることで、中板上に積載されたシートの最上位のシートを搬送する。ここで、最上位シートに接している下位のシートも搬送されてしまう重送を防止するために、シートを分離パッドに押さえ付けながら搬送し、リタードローラで最上位以外のシートに搬送方向とは逆方向の力を加える構成のものも知られている。このような摩擦分離の構成では、シートに大きな垂直抗力を加えながら搬送するため、給送動作による騒音が課題となる。
この課題を解決するものとして、静電吸着分離方式の構成を備えた装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置では、シートの吸着時には、無端状のベルトを弛ませることで吸着面積を増加させて分離し、シートの吸着後には、ベルトに張力を与えて平面状態にしてシートを搬送するので、給送部での騒音を大幅に低減することができる。
また、電極が設けられている無端状の静電吸着ベルトに給電する構成を備えた装置も提案されている(特許文献2、3参照)。特許文献2に記載の装置では、無端状の静電吸着ベルトに設けられた一体電極に、静電吸着ベルトを懸架する2本のローラから正極及び負極をそれぞれ給電している。また、特許文献3に記載の装置では、無端状の静電吸着ベルトに設けられ且つ周方向に分割された電極のうち吸着範囲にある電極のみと接触する給電ブラシが配置された構成を備えている。
特開2012−140224号公報 特開平6−255823号公報 特開2001−48370号公報
特許文献2に記載の装置では正負極を一か所で給電しているため、給電中は、静電吸着ベルト全域に電圧が印加されることになる。これにより、シート搬送中に印加された状態でシートが静電吸着ベルトから離間していくため、剥離放電によって静電吸着ベルトに電荷が残留する。この残留電荷は、静電吸着ベルトの吸着力を劣化させるので、除電する必要がある。
以上のような従来技術では、シートを吸着している動作中は静電吸着ベルト全域に電圧が印加されているため、この状態で除電手段を静電吸着ベルトに接触させても、十分な除電効果を得ることができない。従って、先行シートの搬送を完了した後に、給電を停止した状態で無端状の静電吸着ベルトを一周回転させて全域を除電手段に接触させて除電してから、再度給電して次シートの搬送動作を行なう。そのため、生産性が著しく低下するおそれがある。
また、特許文献3に記載の給電構成を特許文献1に記載の装置に適用しようとする場合、吸着範囲が上下に移動することになるため、静電吸着ベルトに設けられた電極に給電ブラシを確実に接触させて給電することが困難になる。
本発明は、給電と除電の切り替え制御を行うことなく、静電吸着力の発生と除電とを両立させることで生産性を低下させないことを可能にしたシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート給送装置において、シートが積載される積載手段と、前記積載手段の上方に配置された第1の回転体と、前記第1の回転体よりもシートの給送方向において上流に設けられた第2の回転体と、前記第1及び第2の回転体に内面を支持されて周方向に回転し、前記積載手段に積載されたシートに対向する吸着側の第1の部位でシートを吸着して給送する無端状の吸着部材と、前記第1の部位が前記積載手段上のシートに接触する際に静電吸着力を発生するように、前記吸着部材の前記周方向に延びるように設けられた第1及び第2の電極に正及び負の電圧をそれぞれ供給する給電手段と、前記吸着部材における前記第1の部位から離れた第2の部位にて前記第1及び第2の電極に接触して除電する除電手段と、を備え、前記吸着部材は、前記周方向及び前記周方向と直交する幅方向に配列され、前記第1及び第2の電極をそれぞれ有して互いに独立した複数の電極パターン領域を有し、複数の前記電極パターン領域の内の前記幅方向で隣り合う領域同士の前記周方向の端部が前記周方向にて互いにずれるように配置されることを特徴とする。
本発明によると、吸着部材の回転中に、複数の電極パターン領域の内の対応する領域の第1、第2の電極に給電手段から給電して第1の部位に静電吸着力を発生させつつ、第2の部位では別の電極パターン領域に対し除電手段による除電を行うことができる。これにより、給電及び除電を切り替え制御することなく、吸着部材がシートに対応する領域で常に静電吸着力を保つことが可能で、静電吸着力の発生と除電とを両立させることで生産性を低下させないシート給送を可能にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図。 上記シート給送装置の構成を説明する図。 上記シート給送装置に設けられたシート吸着分離給送部の吸着部材の詳細構成及び吸着部材がシートを吸着する吸着力の発生原理を説明する図。 本実施形態における測定結果を示すグラフ。 第1の実施形態に係る吸着部材を説明する図。 第1の実施形態に係る給電手段の構成を説明する図。 第1の実施形態に係る吸着部材の動作の説明図。 第1の実施形態に係る吸着部材の動作の説明図。 第1の実施形態に係る吸着部材の吸着領域の説明図。 第1の実施形態に係る吸着部材の吸着領域の説明図。 第1の実施形態に係る吸着部材の電極線を説明する図。 第1の実施形態に係るシート給送装置の制御ブロック図。 本発明の第2の実施形態に係る給電手段の構成を説明する図。 第2の実施形態に係る吸着部材の動作を段階的に示す説明図。 第2の実施形態に係る吸着部材の動作を段階的に示す説明図。 第2の実施形態に係る吸着部材の吸着領域の説明図。 第2の実施形態に係る吸着部材の吸着領域の説明図。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図1は、本実施形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1において、100は画像形成装置、100Aは画像形成装置本体(以下、装置本体という)である。装置本体100Aの上部には、原稿載置台としてのプラテンガラスに載置された原稿に光を照射し、反射光をデジタル信号に変換するイメージセンサ等を有する画像読取部41が配置されている。装置本体100A内には、CPU、ROM、RAMを有して装置各部を制御する制御部70が設けられている。
なお、画像を読み取るための原稿は、自動原稿給送装置41aによりプラテンガラス上に搬送される。また、装置本体100Aには画像形成部55と、画像形成部55にシートS(以下、紙(S)ともいう)を給送するシート給送装置51,52と、シートSを反転させて画像形成部55へ搬送するシート反転部59が設けられている。
画像形成部55は、露光ユニット42と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ43(43y,43m,43c,43k)を備えている。また、画像形成手段としての画像形成部55は、プロセスカートリッジ43の上方に配された中間転写ユニット44、2次転写部56、定着部57を備えている。
ここで、プロセスカートリッジ43は、感光ドラム21(21y,21m,21c,21k)と、帯電ローラ22(22y,22m,22c,22k)と、現像ローラ23(23y,23m,23c,23k)とを備えている。また、プロセスカートリッジ43は、ドラムクリーニングブレード24(24y,24m,24c,24k)を備えている。
中間転写ユニット44は、ベルト駆動ローラ26、2次転写内ローラ56a等に張架されている中間転写ベルト25と、感光ドラム21に対向した位置で中間転写ベルト25に当接する1次転写ローラ27(27y,27m,27c,27k)を備えている。そして、後述するように、中間転写ベルト25に1次転写ローラ27により正極性の転写バイアスを印加することで、感光ドラム21上の負極性を持つトナー像が順次中間転写ベルト25に多重転写される。これにより、中間転写ベルト25上にはフルカラー画像が形成される。
2次転写部56は、2次転写内ローラ56aと、2次転写内ローラ56aと中間転写ベルト25を介して接する2次転写外ローラ56bとにより構成される。そして、後述するように2次転写外ローラ56bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト25上に形成された4色のフルカラー画像をシートSに転写する。
定着部57は、定着ローラ57aと定着バックアップローラ57bとを備えている。そして、定着ローラ57aと定着バックアップローラ57bとの間をシートSが挟持搬送されることにより、シートS上のトナー像は加圧及び加熱されてシートSに定着される。シート給送装置51,52は、それぞれシートSを収納するカセット51a,52aと、カセット51a,52aに収納されたシートSを静電気で吸着しながら1枚ずつ給送する機能を有するシート吸着分離給送部51b,52bとを備えている。
なお、図1において、103は、カセット51a,52aから給送されたシートSを2次転写部56まで搬送する2次転写前搬送パスである。104は、2次転写部56まで搬送されたシートSを、2次転写部56から定着部57まで搬送する定着前搬送パスである。105は、定着部57まで搬送されたシートSを定着部57から切換え部材61まで搬送する定着後搬送パスである。106は、切換え部材61まで搬送されたシートSを切換え部材61から排出部58まで搬送する排出パスである。107は、画像形成部55により片面に画像が形成されたシートSの裏面に画像を形成するため、シート反転部59により反転されたシートSを再び画像形成部55に搬送する再搬送パスである。
次に、以上の構成を備えた画像形成装置100の画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず不図示のパソコン等からの画像情報に基づき、制御部70は、露光ユニット42により感光ドラム21の表面にレーザ光を照射させる。このとき、感光ドラム21の表面は、帯電ローラ22によって所定の極性・電位に一様に帯電されており、レーザ光を照射すると、レーザ光が照射された部位の電荷が減衰することによって感光ドラム表面に静電潜像が形成される。
この後、制御部70は、静電潜像を現像ローラ23からそれぞれ供給されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)のトナーにより現像させ、静電潜像をトナー像として顕像化する。そして、この各色トナー像を1次転写ローラ27にそれぞれ印加した1次転写バイアスにより、順次中間転写ベルト25に転写することで、中間転写ベルト25上にフルカラートナー画像が形成される。
一方、制御部70は、上記トナー画像形成動作に並行して、シート給送装置51,52を作動させ、シート吸着分離給送部51b,52bによりカセット51a,52aから1枚のシートSのみを分離給送させる。このシートSは、シート先端検出センサ51cに検出され、引き抜きローラ51d,51eから構成される引き抜きローラ対71に到達する。また、シートSは、シート先端検出センサ52cに検出され、引き抜きローラ52d,52eから構成される引き抜きローラ対72に到達する。引き抜きローラ対71又は72に挟持されたシートSは搬送パス103に送り込まれ、停止しているレジストレーションローラ62a,62bから構成されるレジストレーションローラ対62のニップ部に当接することで先端の位置を調整される(斜行補正)。
次に、制御部70は、2次転写部56において、中間転写ベルト上のフルカラートナー像とシートSの位置とを一致させるタイミングでレジストレーションローラ対62を駆動する。これにより、シートSは、2次転写部56まで搬送され、2次転写部56にて、2次転写外ローラ56bに印加される2次転写バイアスにより、フルカラートナー像がシートS上に一括して転写される。
制御部70は、フルカラートナー像を転写したシートSを定着部57に搬送させ、定着部57で加熱及び加圧して各色のトナーを溶融混色させ、シートSにフルカラーの画像を定着させる。この後、制御部70は、画像が定着されたシートSを、定着部57の下流に設けられた排出部58を介して排出させる。なお、シートSの両面に画像を形成する際は、シートSの搬送方向をシート反転部59にて反転させて、シートSを再び画像形成部55へ搬送する。
[シート給送装置]
以下、シート給送装置51,52におけるシート吸着分離給送部51b,52bについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、主にシート給送装置51におけるシート吸着分離給送部51bの構成について説明するが、シート給送装置52におけるシート吸着分離給送部52bは同様の構成を有するためその説明を省略する。
既述したように、シート給送装置51は、カセット51aと、カセット51aに収納されたシートSを静電気で吸着しながら1枚ずつ給送するシート吸着分離給送部51bとを備えている。シート給送装置51は、カセット51aに昇降可能に設けられ、シートSが積載される中板51fを昇降させる昇降手段301と、シート吸着分離給送部51bにより給送されたシートSの通過を検知するシート先端検出センサ51cとを備える。
昇降手段301(図12参照)は、中板51fの下方に回動可能に設けられたリフタ301bを備えており、リフタ301bの回動角度によって、中板51f及び中板51f上に積載された最上位シートSaの位置を変更する。シート先端検出センサ51c(図12参照)は、シート吸着分離給送部51bと引き抜きローラ対71(図1参照)との間のシート搬送経路中に配置されている。そして、所定のタイミングでシート先端検出センサ51cがシートSを検出するか否かにより、シート給送の成否を検出する。本実施形態では、シート先端検出センサ51cは非接触の反射式フォトセンサであり、検出対象にスポット光を照射し、その反射光量を測定して検出対象の有無を検出する。
シート吸着分離給送部51bは、第1挟持搬送ローラ対201と、第2挟持搬送ローラ対202と、これら第1及び第2挟持搬送ローラ対201,202により挟持搬送される可撓性を有する無端状の吸着部材200とを備えている。つまり、無端状の吸着部材200は、第1の回転体としての第1挟持搬送内ローラ201aと第2の回転体としての第2挟持搬送内ローラ202aとに内面を支持されて周方向に回転する。そして、中板51f,52fに積載されたシートに対向する吸着側の下方弛み部分200h(第1の部位)でシートを吸着して給送する。
吸着部材200は、周方向(図2(a)の矢印Q方向)、及びこの周方向と直交する幅方向(図5(b)の矢印E方向)に配列され、正電極200a及び負電極200bを夫々有して互いに独立した複数の櫛歯電極領域(電極パターン領域)210を有する。複数の櫛歯電極領域210の内の上記幅方向(矢印E方向)で隣り合う領域同士の周方向(図5(b)では搬送方向G)の端部は、この周方向にて互いにずれるように配置される。
なお、図2(a),(b)において、302は中板51fに積載されたシートSの上面位置を検知する紙面高さ検出手段(図12参照)である。この紙面高さ検出手段302は、中板51fの上方に配置されると共に、センサフラグ302aとフォトセンサ302bとにより構成されている。センサフラグ302aは不図示の支持部に回転可能に支持されており、一端は最上位シートSaの上面と接触可能な位置に、他端はフォトセンサ302bを遮光可能な位置に配置されている。
ここで、最上位シートSaの上面が所定の高さに位置すると、紙面高さ検出手段302は、センサフラグ302aが回動してフォトセンサ302bの遮光状態を変更することで、最上位シートSaの上面位置を検出する。制御部70は、最上位シートSaの上面が紙面高さ検出手段302で常に検出されるように昇降手段301の動作を制御し、中板51fの位置を最上位シートSaの上面高さが略一定となる位置に保つ。この結果、第2挟持搬送ローラ対202と、最上位シートSaの上面との空隙Lrも略一定に保たれる。
第1挟持搬送ローラ対201は、第2挟持搬送ローラ対202に対してシート給送方向の下流に配置され、第1挟持搬送内ローラ201aと第1挟持搬送外ローラ201bとから構成される。第1挟持搬送内ローラ201aは、吸着部材200の内側に配置されると共に、位置が固定された軸支持部材(不図示)により回転軸201dを回転可能に支持されている。第1挟持搬送内ローラ201aには、第1の駆動手段203からの駆動が不図示の駆動伝達手段を介して伝達される。なお、第1挟持搬送内ローラ201aは、中板51f,52fの上方に配置された第1の回転体を構成し、第2挟持搬送内ローラ202aは、第1挟持搬送内ローラ201aよりもシートの給送方向において上流に設けられた第2の回転体を構成する。
第1挟持搬送外ローラ201bは、無端のベルト形状の吸着部材(ベルト部材)200を第1挟持搬送内ローラ201aとで挟んだ状態でこのローラ201aと対向する位置に配置され、不図示の軸支持部材によって回転可能に軸支されている。この第1挟持搬送外ローラ201bは、矢印B方向に回転する第1挟持搬送内ローラ201aにより同方向に回転させられる吸着部材200によって連れ回り回転(従動回転)させられる。なお、不図示の軸支持部材には第1押圧バネ201cが連結されており、第1挟持搬送外ローラ201bは、第1押圧バネ201cにより第1挟持搬送内ローラ201aの軸中心方向に付勢されてこのローラ201aと共に吸着部材200を挟持する。
第2挟持搬送ローラ対202は、第2挟持搬送内ローラ202aと第2挟持搬送外ローラ202bとから構成される。第2挟持搬送内ローラ202aは、吸着部材200の内側に配置されると共に、位置が固定された軸支持部材(不図示)により回転軸202dを回転可能に支持されている。第2挟持搬送内ローラ202aには、第2の駆動手段204からの駆動が不図示の駆動伝達手段を介して伝達される。
第2挟持搬送外ローラ202bは、吸着部材200を第2挟持搬送内ローラ202aとで挟んだ状態でこのローラ202aと対向する位置に配置され、不図示の軸支持部材によって回転可能に軸支されている。この第2挟持搬送外ローラ202bは、矢印Cの方向に回転する第2挟持搬送内ローラ202aにより同方向に回転させられる吸着部材200によって従動回転させられる。なお、不図示の軸支持部材には第2押圧バネ202cが連結されており、第2挟持搬送外ローラ202bは、第2押圧バネ202cにより第2挟持搬送内ローラ202aの軸中心方向に付勢されてこのローラ202aと共に吸着部材200を挟持する。
以上の第1挟持搬送外ローラ201bは、第1挟持搬送内ローラ(第1の回転体)201aとで吸着部材200を挟持する第1挟持部材を構成する。第2挟持搬送外ローラ202bは、第2挟持搬送内(第2の回転体)ローラ202aとで吸着部材200を挟持する第2挟持部材を構成する。
第2挟持搬送内ローラ202aは、図2(c)に示すように、導電性の正の給電ローラ207aと、導電性の負の給電ローラ207bとを有している。正の給電ローラ207aは、正電圧供給手段205a(図12参照)から電圧が供給され、負の給電ローラ207bは、負電圧供給手段205b(図12参照)から電圧が供給される。実際は、吸着部材200の電極パターンに応じて、正の給電ローラ207a及び負の給電ローラ207bが複数配置される。
第2挟持搬送内ローラ202aにおける給電ローラ207a,207bは、第2挟持搬送内ローラ202aの軸方向にて第2挟持搬送内ローラ202aと一体的に設けられたローラであり、給電手段を構成する。また、後述する正接点206a及び負接点206b(図3(b)参照)も、給電ローラ207a,207bと同様に、給電手段を構成する。
正電極200a及び負電極200bは、吸着部材200の周方向に延びるように設けられている。給電ローラ207a,207bは、下方弛み部分200h(第1の部位)が中板51f,52f上のシートに接触する際に静電吸着力を発生するように、正電極(第1の電極)200a及び負電極(第2の電極)200bに正及び負の電圧を夫々供給する。
吸着部材200には、正の給電ローラ207a及び負の給電ローラ207bを介して正電圧供給手段205a及び負電圧供給手段205bが電気的に接続された状態になる。これにより吸着部材200には、供給される正及び負の電圧によってシートSを引き付ける静電的な吸着力が発生する。
吸着部材200は、シート給送方向に沿って複数設けられた、本実施形態においては2つ設けられた第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aにて支持されている。そして、吸着部材200は、[第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aの回転中心間距離の2倍+各ローラ201a,202aの円周面の長さの半分]よりも長い長さを有している。このような長さを有することで、吸着部材200は、第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aの回転により回転(移動)しながら、図2(a)に示す下方弛み部分200hのように下方に撓むことができる。
例えば、第1挟持搬送ローラ対201を停止させ、もしくは第1の駆動手段203により第1挟持搬送ローラ対201を第2挟持搬送ローラ対202よりも遅く回転させることで、吸着部材200を下方に撓ませて下方弛み部分200hを形成する。これにより、第2挟持搬送内ローラ202aと中板51f上の最上位のシートSaとの間には空隙Lrが存在するものの、吸着部材200は、最上位シートSaと接触可能になる。
本実施形態では、シート同士が摺擦しないように、吸着部材200にシートを静電気により吸着した後、吸着部材200を弾性変形させながら上方に引き上げるようにしている。そして、このように吸着部材200を弾性変形させながら上方に引き上げることで、シートSaを他のシートSbから分離することができる。この吸着分離に必要なシート吸着力が得られるように、単位面積当たりの静電吸着力、シート接触面積、吸着部材200の長さが決定される。
続いて、第2挟持搬送ローラ対202を停止させ、もしくは第2の駆動手段204により第2挟持搬送ローラ対202を第1挟持搬送ローラ対201よりも遅く回転させる。これにより、下方弛み部分200hを解消し、吸着部材200の下方形状を直線形状へと変化させる。
即ち、図2(b)のように吸着部材200の下方部分が直線形状になると、制御部70は、第1挟持搬送ローラ対201と第2挟持搬送ローラ対202とが等速回転するように駆動手段203,204を制御する。吸着部材200の下方形状を直線形状のままで搬送することにより、吸着された最上位シートSaをシート給送方向下流の引き抜きローラ対71まで吸着給送させる。例えば、第1挟持搬送ローラ対201及び第2挟持搬送ローラ対202の回転速度を一致させることにより、図2(b)に示すようにシートSaを吸着した吸着部材200を、吸着面側を略直線形状に維持したままの状態で搬送することができる。
これにより、吸着部材200に吸着されたまま最上位シートSaは、少なくとも先端部が下方のシートSbと分離された状態を保ちながら図2(b)の矢印A方向へ搬送される。この後、最上位シートSaの先端が、第1挟持搬送内ローラ201aによって形成される吸着部材200の湾曲部近傍に差し掛かると、最上位シートSaの先端が吸着部材200から剥離する。この剥離は、シートSaが有する曲げ反力が吸着部材200に発生する静電吸着力よりも大きくなるように、静電吸着力の大きさが設定されている。なお、以上の弾性変形の形状は一例であり、これに限定されるものではない。
一方、最上位シートSaが分離離間した後、吸着部材200は、第1挟持搬送ローラ対201に隣接する回転方向下流側に配置された除電ブラシ221(図7参照)によって除電される。なお、この除電ブラシ221は、吸着部材200における下方弛み部分(第1の部位)200hから離れた上方部分(第2の部位)200jにて正電極200a及び負電極200bに接触して除電する除電手段を構成する。この除電手段としての除電ブラシ221は、上方部分(第2の部位)200jにて正電極200a及び負電極200bに接触して吸着部材200の残留電荷を除電するようにアース接続された除電部材である。
ここで、図12は、本実施形態に係るシート給送装置51,52に共通する制御ブロック図である。図12に示すように、制御部70の入力ポートには、紙面高さ検出手段302、シート先端検出センサ51c,52c等が接続されている。制御部70の出力ポートには、昇降手段301、第1の駆動手段203、第2の駆動手段204、正電圧供給手段205a、負電圧供給手段205b等が接続されている。
制御部70は、第1の駆動手段203及び第2の駆動手段204を制御する制御手段を構成している。この制御部70は、第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aの回転速度に差をつけるように駆動手段203,204をそれぞれ制御する。これにより、吸着部材200の下方への弛み量を大きくすることで中板51f,52f上(積載手段上)のシートSを吸着部材200に吸着させた後、吸着部材200の下方への弛み量を小さくさせながら吸着部材200に吸着されたシートSを給送する。なお、中板51f,52fは、シートSが積載される積載手段を構成する。
紙面高さ検出手段302は、カセット51a,52a内に夫々設けられた中板51f,52fに積載されたシートSの上面位置を検知する。この紙面高さ検出手段302は、中板の上方に配置されると共に、不図示のセンサフラグとフォトセンサによって構成されている。
シート先端検出センサ51c,52c(図1参照)は、シート吸着分離給送部51b,52bによりそれぞれ給送されたシートSの通過を検知する。シート先端検出センサ51cは、シート吸着分離給送部51bと引き抜きローラ対71との間のシート搬送経路中に配置されている。また、シート先端検出センサ52cは、シート吸着分離給送部52bと引き抜きローラ対72dとの間のシート搬送経路中に配置されている。そして、所定のタイミングでシート先端検出センサ51c又は52cがシートSを検出するか否かにより、シート給送の成否を検出する。本実施形態では、シート先端検出センサ51c,52cは、非接触の反射式フォトセンサであり、検出対象にスポット光を照射し、その反射光量を測定して検出対象の有無を検出する。
昇降手段301は、制御部70の制御により、カセット51a,52aにそれぞれ昇降可能に設けられてシートSが積載される中板51f,52fを昇降作動させる。昇降手段301は、中板51f,52fの下方に回動可能に設けられたリフタ(不図示)を備えており、このリフタの回動角度によって、中板51f,52f及び中板上に積載されたシートSの最上位のシートの位置を変更する。
第1の駆動手段203は、パルスモータ等を備えており、制御部70の制御により第1挟持搬送内ローラ201aを回転駆動する。また、第2の駆動手段204は、パルスモータ等を備えており、制御部70の制御により第2挟持搬送内ローラ202aを回転駆動する。
次に、図3(a)〜(d)を参照して、吸着部材200の詳細構成及び吸着部材200がシートSを吸着する吸着力の発生原理について説明する。なお、図3(a)は吸着部材の表面構造を示す図、図3(b)は吸着部材200の一部を示す斜視図、図3(c)は吸着部材200の給電部断面について示す図、図3(d)は吸着部材200とシートS間に働く静電吸着力の概念について説明するための図である。
図3(a)〜(d)に示すように、吸着部材200は、基層200cと、第1電極である正電極200aと、第2電極である負電極200bとを備えている。正電極200a及び負電極200bは、それぞれ櫛歯形状を有すると共に、基層200cの内部に交互に配置されている。即ち、正電極200a及び負電極200bは、櫛歯電極領域(電極パターン領域)210における周方向にて互いに平行に延設された第1及び第2の給電電極部200m,200nを有する。さらに、正電極200a及び負電極200bは、周方向と直交する幅方向にて第1及び第2の給電電極部200m,200nから櫛歯状に交互に突出する櫛歯電極パターン200r,200sを有する。
なお、本実施形態における基層200cは、体積抵抗10Ωcm以上の誘電体であるポリイミドであり、層厚は100μm程度である。また、正電極200a及び負電極200bは、体積抵抗10Ωcm以下の導電体であり、層厚10μm程度の銅を用いている。
本実施形態では、シートSに吸着部材200が接近する際、吸着部材200が下方に撓んで樽型形状になるように、吸着部材200の材質及び厚み等を調節して適度な弾性を持たせている。吸着部材200の第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aに臨む内周面には、正電極200a及び負電極200bが露出する露出領域200d,200eが設けられている。正電極200aの露出領域200dには、正電圧供給手段205aと電気的に接続された正接点206aが接触し、負電極200bの露出領域200eには、負電圧供給手段205bと電気的に接続された負接点206bが接触している。
本実施形態では、正電圧供給手段205aに+1kV程度の正電圧を設定し、負電圧供給手段205bに−1kV程度の負電圧を設定する。これらを、図2(c)に示す給電ローラ207a,207bを介して、吸着部材200の電極露出領域200d,200eから正電極200aに+1kVの正電圧として、負電極200bに−1kVの負電圧として夫々供給する。
即ち、図6に示すように、本実施形態における第2挟持搬送内ローラ202aは、給電手段としての給電ローラ207a,207bを有している。つまり、第2挟持搬送内ローラ202aの回転軸202dには、吸着部材200の櫛歯電極領域210における(裏面の)給電電極200f,200gに夫々対向する位置に、正の給電ローラ207aと負の給電ローラ207bとが固着されている。
同図に示すように、例えば給電電極200gが隣接するレーンが2本ある場合には、これに対向する給電ローラ207bは、略2倍の軸方向長さを有する構成とされる。さらに、給電電極200fが隣接するレーンが1本の場合には、これに対向する給電ローラ207aは、給電ローラ207bの半分の軸方向長さを有する構成とされる。このような構成により、給電ローラ207a,207bから給電電極200f,200gを介して正電極200a及び負電極200bに確実に給電を施すことができる。
なお、給電ローラ207a,207bを用いた給電手段に代えて、次のような構成の給電手段とすることも可能である。つまり、図3(b)に示すように、正電圧供給手段205aは、制御部70の制御により、吸着部材200の正電極200aに正接点206aから正極性の電圧を供給する。負電圧供給手段205bは、制御部70の制御により、吸着部材200の負電極200bに負接点206bから負極性の電圧を供給する。正電圧供給手段205a及び負電圧供給手段205bにより供給される正及び負の電圧によって、吸着部材200には、シートSを引き付ける静電的な吸着力が発生する。
ここで、図3(d)に示すように、正電極200a及び負電極200bに正及び負の電圧が印加されると、電圧が印加された正電極200a及び負電極200bによって、吸着部材200の表面近傍に不平等電界が形成される。そして、このような不平等電界が形成された吸着部材200をシートSに接近させると、誘電体であるシート表層には誘電分極が生じ、Maxwellの応力によって、吸着部材200とシートSとの間に静電吸着力が生じる。
次に、吸着部材200の除電について説明する。即ち、吸着部材200に1枚目のシートSを静電吸着させた後、静電吸着力を上回る外的な力、例えば手動でシートSを剥離し、その後、2枚目のシートSを静電吸着する実験を行った結果について述べる。
図4(a),(b)は、実験(m1)〜(m6)について、次のシートSを吸着するまでの吸着部材200の履歴を横軸にとり、2枚目のシートSに働く静電吸着力を縦軸にとった場合の結果を示すグラフである。
図4(a)に示す「除電ブラシを用いる場合」の実験によると、(m1)初期の吸着部材200の静電吸着力に対し、(m2)給電したまま、外的な力でシートSを剥がし、2枚目のシートSを吸着させると、働く静電吸着力は初期の1/4程度しかない。これは、1枚目のシートSの剥離の際に、吸着部材200の表面が剥離帯電してしまい、給電による帯電と電気的に打ち消し合った結果、2枚目のシートSに静電吸着力が十分に発生しないためであると考えられる。続けてシートSを吸着するためには、吸着部材200を除電ブラシで擦るなどで表面を除電してやらなければ、十分な静電吸着力の発揮が難しい。但し、(m3)給電させたままの状態で除電ブラシを吸着部材200に当てても除電効果は得られない。
そこで、(m4)吸着部材200の電極部を一旦電気的にフローティングにして除電ブラシで表面を擦った後、再度給電して2枚目のシートSを吸着させると、初期と同等の静電吸着力が得られることが実験からわかった。なお、図4(b)に示す実験(m5)及び(m6)については、第2の実施形態において後述する。
次に、本実施形態で用いる吸着部材200の電極パターンについて説明する。なお、図5(a)〜(e)は、吸着部材200の構成を示す図である。
図5(a)は、円筒状(無端状)の吸着部材200の外観を示す斜視図である。これを破線Fに沿って展開した部分図を、図5(b)に示す。図5(b)に示すように、吸着部材200は、各々が電気的に独立した複数の電極パターン領域としての櫛歯電極領域210から構成されている。吸着部材200は、シートの搬送方向(矢印Gの方向)と直交する幅方向(矢印Eの方向)に複数のレーン(例えば4本)に分割される。
各レーンは、搬送方向(矢印Gの方向)にて2等分されて各々に櫛歯電極領域(電極パターン領域)210が配置されている。1本のレーンの中で櫛歯電極領域210同士の間に存在する空白を、空白領域238とする。この空白領域238は、吸着部材200の周長、及び、給電と除電の電気的なショートを避けるのに必要な長さで決まる。その詳細については、後述することとする。
さらに、図5(b)に示すように、隣り合うレーンの櫛歯電極領域210同士は、吸着部材200の搬送方向に直交する任意のラインYに対し、必ずどこかのレーンで櫛歯電極領域210が存在するようにずれて配置されている。空白領域238が吸着部材200の幅方向(矢印Eの方向)に一直線に並ばないようにするためである。レーンの数は、最低この条件を満たす本数以上が必要である。
本実施形態では、搬送方向(矢印Gの方向)に対して、第1のレーン(I)の空白領域238の最前部が第2のレーン(II)の空白領域238の最後尾となるように配置している。さらに、第2のレーン(II)の空白領域238の最前部が第3のレーン(III)の空白領域238の最後尾、第3のレーン(III)の空白領域238の最前部が第4のレーン(IV)の空白領域238の最後尾、となるように配置している。なお、レーンの数、及び櫛歯電極領域210をずらした配置のパターンは、吸着力の強さやシートSの分離位置などによって変更可能であり、この図に限定されるものではない。
図5(c)、(d)、(e)は、櫛歯電極領域210を取り出して示す図である。即ち、1レーンにおける櫛歯電極領域210同士が電気的ショートを避けられるように、以下のように設定する。つまり、給電用に露出して第2挟持搬送内ローラ202aの例えば給電ローラ207a,207bからの給電を受ける給電電極200f,200gの長さを、櫛歯電極領域210の端部から長さzだけ短く設定する。
図5(e)に示す断面層では、基層200cの中において、以下のようになっている。即ち、図5(c)のパターンで形成された櫛歯状部を有する正電極200aと負電極200bが、図5(d)のパターンで形成された露出領域200d,200eから給電電極200f,200gとして裏面に露出している。
次に、図6を参照して、吸着部材200に給電を行う、第2挟持搬送内ローラ202aの構成について詳細に説明する。なお、図6は、本実施形態に係る給電手段の構成を説明する図である。
図6に示すように、第2挟持搬送内ローラ202aの軸方向は、櫛歯電極領域210のそれぞれの正負の電極の露出領域200d,200eの位置に応じて複数の給電ローラ207a,207bによって構成することができる。
ここでは、櫛歯電極領域210の各々の中で正電圧と負電圧の印加ができればよい。そこで、正の給電ローラ207a及び負の給電ローラ207bの配置は、以下のようにするのが良い。即ち、正、負、正、負、のような交互である必要はなく、本実施形態では、図6に示すように、正、負、負、正・・・とし、隣り合う電極線同士の極性を同じにして給電ローラ207a,207bの数を削減している。つまり、本実施形態では、複数の櫛歯電極領域210は、幅方向において、給電ローラ(給電手段)207a,207bからの給電の正負の順番を、正極と正極、負極と負極が互いに隣接するように配置される。これにより、部品点数を削減し、コストを低減している。
なお、給電ローラ207a,207bを使用するのは、帯電ブラシよりも電圧を安定して印加できるからであり、摺擦音も静かであり、幅方向に交互に配置される正電圧と負電圧とのショートの可能性も無くなるからである。
次に、吸着部材200への給電及び除電の動作について説明する。図7(a)〜(h)及び図8(a)〜(h)に、吸着部材200が撓んだり張ったり弾性変形しながらシートSを吸着分離する工程を4段階で示す。なお、図8(a)〜(d)は図7(e)〜(h)と同じ図であるが、図7(e)〜(h)と図8(e)〜(h)とを対比させる目的から、便宜上このように図示している。
即ち、吸着部材200に対し、第2挟持搬送内ローラ202aの給電ローラ207a,207bにより給電を行い、除電ブラシ221で除電を行う。つまり、図7(a)に示すように吸着部材200が徐々に撓んでシートSaに接近し(工程1)、図7(b)に示すように吸着部材200がさらに撓んで下方弛み部分200hがシートSaに接してこれを吸着する(工程2)。
さらに、図7(c)に示すように吸着部材200が徐々に張りながらシートSaを持ち上げ(工程2)、図7(d)に示すように吸着部材200がさらに張りながらシートSaを上方へ搬送する(工程4)。これにより、第1挟持搬送内ローラ201aの箇所で、曲率分離によりシートSaが吸着部材200から剥がれる。その後、シートSaは、引き抜きローラ対71(図1参照)に向かう。
図7(e)〜(h)は、図7(a)〜(d)の工程1〜工程4における吸着部材200のベルト形状と給電、除電位置関係を表した図である。吸着部材200と除電ブラシ221との接点位置を除電位置222とし、吸着部材200に給電が行われる第2挟持搬送内ローラ202aに接触した上流側の位置を給電位置220とする。
図7(e)〜(h)(図8(a)〜(d))を参照し、無端状の吸着部材200を、除電ブラシ221が位置する除電位置で幅方向に切って広げた場合の様子を図8(e)〜(h)に示す。第1挟持搬送ローラ対201と第2挟持搬送ローラ対202を境として、シートSを吸着する面側の領域を吸着面領域230とし、シートSとの非吸着面側の領域を非吸着面領域231とし、実際シートSを吸着している領域を吸着領域237と定義する。
吸着面側の吸着面領域230のサイズは、図7(b),(f)に示す工程2で、シートSaを吸着し始める際、吸着部材200が最も撓んだときに最大になる。そして吸着面領域230のサイズは、図7(d),(h)に示す工程4で、最上位のシートSaを曲率分離する際、吸着部材200が最も張ったときに最小になる。
ここで、図8(e)〜(h)に対して吸着部材200の展開図の一部を併記したものを図9(a)〜(d)に示す。
図8(e)〜(h)及び図9(a)〜(d)に示すように、櫛歯電極領域210は、第2挟持搬送内ローラ202aの給電ローラ207a,207b(図2参照)から給電される給電位置220に接触している期間は、吸着力が働く領域233となる。給電位置220から外れると電気的にフローティングとなって吸着力が働いていない領域234となる。図9(a)〜(d)は、領域233と領域234との分布を工程1〜工程4まで辿った様子を示している。図8(e)〜(h)及び図9(a)〜(d)において、個々の櫛歯電極領域210は、無端状の吸着部材200が周回して搬送方向へ移動するイメージで表している。
工程2〜工程4では、シートSを吸着するべき吸着領域237に対して、吸着部材200の中では常にどこかのレーンで吸着力が働いている領域233が存在し、シートSを吸着できるように、櫛歯電極領域210はレーンごとにずらして配置されている。一方、吸着力が働いていない領域234は電気的にフローティングなので、除電位置222を通過するタイミングで適正に除電が行われる。
このように、吸着部材200における各櫛歯電極領域210は、吸着部材200と共に周回しながら給電位置220と除電位置222とを通過するタイミングで給電と除電とを繰り返し施される。
以上の構成例は、吸着部材200における櫛歯電極領域210の配置の一部を示した例である。実際には、例えば図10に示すように、櫛歯電極領域210の配置を搬送方向(矢印Gの方向)に対して階段状の凸型になるようにずらすことで、吸着力が搬送方向に向かって幅方向両側で均等に働き、シートSへの吸着を安定させることができる。
即ち、幅方向で隣り合う櫛歯電極領域210同士(電極パターン領域同士)の周方向の端部には、周方向にて隣接する櫛歯電極領域210同士の正電極200a及び負電極200bを遮断する空白領域(デッドスペース)238が設けられている。図10のように複数の櫛歯電極領域210は、周方向にて互いに同じ長さに形成され、周方向で互いにずれるように配置された櫛歯電極領域210同士の境界に位置する空白領域238は、吸着部材200の回転方向の下流側に向かって凸となる形状を有する。これ以外にも、例えば階段状の凹型にずらした構成にすることで、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、櫛歯電極領域210を等間隔でずらしたが、シートSの吸着分離に必要な吸着力を有する限りにおいては、必ずしも等間隔に限定されるものではない。
次に、櫛歯電極領域210内における正電極200a及び負電極200b、及びこれら正電極200a及び負電極200bの裏面側の給電電極200f,200gの長さの設定方法について、図11(a)〜(f)を参照して詳細に説明する。
図11(a)は、図9(b)の工程2を取り出した図である。工程2は、吸着部材200における非吸着面領域231側が最も張った状態を示している(図11(g)参照)。図11(b)は、工程2(図11(g)参照)において、吸着面領域230、非吸着面領域231、及び給電位置220と除電位置222との関係を、抜粋している。また図11(g)に示すように、工程2は、非吸着面領域231における給電位置220と除電位置222との間の距離をjとするとき、この距離jが最短になる期間である。
図4(a)を参照して説明したように、除電ブラシ221を用いて除電を有効に行うためには、除電の対象となる櫛歯電極領域210は何れも、電気的にフローティングでなければならない。
ここで、吸着面を最大にするように、吸着部材200の1本のレーンについて、周長を2等分した中に、櫛歯電極領域210を、図11(c−1),(c−2)のように境界いっぱいまで広げた場合を考える。
図11(c−1)は、正電極200a及び負電極200bの電極パターンを示し、図11(c−2)は、正電極200a及び負電極200bの裏側の給電電極200f,200gの電極パターンを示している。この場合、図11(b)と図11(c−1),(c−2)とを比較すると、給電電極200f,200gの長さh1は、「シートSaとの非吸着面領域231側」における除電と給電との間の距離jよりも長くなってしまう。
これでは、正電極200a及び負電極200b及び給電電極200f,200gを介して給電位置220と除電位置222とがショート(即ち櫛歯電極領域210は給電された状態のまま除電ブラシ221で摺擦される)することになる。そのため、図4(a)を用いて説明したように除電を十分に行うことができず、従って、給電電極200f,200gを短く設定することが必要であることが分かる。
次に、図11(d−1),(d−2)に示すように、櫛歯電極領域210を長さg以上、縮めて、正電極200a、負電極200b並びに給電電極200f,200gを一様に短くして、上記長さh1よりも短い長さh2に設定した構成例について考える。この構成例では、除電と給電のショートは確実に回避できるが、吸着部材200全体で見ると、図11(a)に示すように、各レーンに正電極200a及び負電極200bが形成されていないため、静電吸着力が働かない空白領域238が生じる。空白領域238は、吸着面積の損失になってしまう。
そこで、図11(e−2)に示すように、給電電極200f,200gの長さはjよりも短いh2のままで、かつ図11(e−1)に示すように、正電極200a及び負電極200bの長さは、搬送方向下流側に伸ばしてh2+h3として設定する。この場合、吸着部材200表面における電極200a,200bの一方はh3の範囲をマスクして電極を形成せず、電極200a,200bの他方のみをh3の範囲だけ延長する構成とすることもできる。これらの場合、裏面側(内面側)の給電電極200f,200gは、図11(e−2)に示した長さを保持している。なお、給電電極200fは第1の内面給電電極を構成し、給電電極200gは第2の内面給電電極を構成する。
即ち吸着部材200は、表面側に正電極200aと負電極200bを有し、内面側に、給電ローラ207aからの正電圧を正電極200aに供給する給電電極200f、給電ローラ207bからの負電圧を負電極200bに供給する給電電極200gを有する。そして、正電極200a及び負電極200bの少なくとも一方は、給電電極200f,200gよりも長く形成されている。
以上の結果、給電電極200f,200gに給電されている期間は、これまで図11(a)の空白領域238であった領域にも、正電極200a及び負電極200bが形成された分、静電吸着力が働く。一方、給電電極200f,200gの長さはh2<jのままなので、除電と給電とで電気的にショートすることはない。つまり、吸着部材200の表面側と裏面側(内面側)とで電極領域の長さを異ならせたことにより、除電と給電の機能を両立させたままで、吸着部材200の吸着面領域230での空白領域238を可及的に減少させ、吸着面積を拡張することができる。この構成は、後述する第2の実施形態においても同様に実施することが可能である。
以上のように、複数の櫛歯電極領域210の夫々における電極200a,200bは、給電ローラ207a,207bによる給電が行われる給電位置(220)と除電ブラシ221による除電が行われる除電位置(222)間の距離よりも短く形成される。これにより、吸着部材200の回転時において除電と給電とで電気的にショートする不都合の発生を確実に防止することができる。
空白領域(デッドスペース)238は小さいほどシートSを吸着するには有利であるが、図11(e−1),(e−2)において拡張できる長さh3には、次のような留意点がある。
ここで、図11(f)は、図7(d),(h)及び図8(d),(h)に示した工程4において、搬送方向の長さの概念図を取り出したものである。
工程4は「シートSとの吸着面領域230側が最も張った状態」で、吸着面領域230における給電位置220と除電位置222との間の距離をkとすると、この距離kが最短になるタイミングである。そのため、櫛歯電極領域210が給電されたままの状態で除電ブラシ221に接触しないように、h2+h3<kを満たす範囲内でh3を広げることとする。
なお、本実施形態では、吸着部材200が弾性変形する場合を例に挙げて説明したが、吸着部材200が張力を保ったままの状態で2つのローラ間を周回するケースにおいても、同様に適応可能である。
以上のシート給送装置51,52では、図9(a)〜(d)で説明したように、給電及び除電のON/OFFの切り替え制御を行うことなく、吸着部材200がシートSとの接触領域(吸着領域237)で常に吸着力を保つことが可能である。
即ち、吸着部材200の中を幅方向に複数のレーン(図5(a)のレーンI〜IVを参照)に分割し、且つ空白領域238により、1本のレーンにつき周長を2等分した領域に分割する。そして、分割した個々の領域に正電極200a及び負電極200bを設け、この正電極200a及び負電極200bは、搬送方向Gに対してレーンごとに任意の間隔でずれた状態に配置されている。吸着部材200の周回に伴って、正電極200a及び負電極200bがそれぞれ給電と除電を繰り返すことができる。そして、個々の櫛歯電極領域同士がずれているため、吸着部材200の搬送方向Gに直交する幅方向での任意の位置のレーンに対して、必ず静電吸着力を有する領域を存在させることができる。
このように、吸着部材200の回転中に、複数の櫛歯電極領域210の内の対応する領域の電極200a,200bに給電ローラ207a,207bから給電して下方弛み部分200hに静電吸着力を発生させることができる。同時に、上方部分200jでは、別の櫛歯電極領域210に対して除電ブラシ221による除電を行うことができる。従って、生産性を低下させることなく、静電吸着力の発生と除電とを両立させた形でシートSを適正に給送することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について図13〜図17を参照して説明する。なお、図13は本実施形態に係る給電手段の構成を説明する図、図14(a)〜(h)は本実施形態に係る吸着部材の動作を段階的に示す説明図、図15(a)〜(h)は本実施形態に係る吸着部材の動作を段階的に示す説明図である。図16(a)〜(d)は本実施形態に係る吸着部材の吸着領域の説明図、図17は本実施形態に係る吸着部材の吸着領域の説明図である。
本実施形態では、吸着力を回復させる別の方法を用いたシート給送装置について説明する。本実施形態では、第1の実施形態のように吸着部材200が弾性変形しながらシートSを吸着搬送させる系の場合で考える。
前述したように、吸着部材200の静電吸着力は、シートSの剥離による帯電で低下するため、シート剥離のたびに除電が必要になる。実験により、吸着力を回復させる別の方法を挙げて説明する。まず、第1の実施形態で引用した「極性を反転させる場合」の図4(b)を用いて説明する。
即ち、図4(b)は、シートSの剥離後、(m6)吸着部材200に印加する電圧の極性を反転させた場合の実験結果である。2枚目のシートSに対する静電吸着力は、初期の吸着力と同等に回復していることがわかる。これは1枚目のシートSの剥離の際に、吸着部材200の表面が1回目の印加電圧と逆の極性で剥離帯電してしまうが、その上に、前回と逆極性の電圧が印加されることで、2回目の電圧印加時にも十分な吸着力を発生すると考えられる。この場合、除電は不要になる。
この測定結果を元に、本実施形態におけるシート給送装置51,52(図1参照)の構成について説明する。吸着部材200の正電極200a及び負電極200b等の電極パターンは、第1の実施形態と同様とする。図13は、本実施形態で用いる第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aの配置図である。
図13に示すように、第1挟持搬送内ローラ201a及び第2挟持搬送内ローラ202aの双方により櫛歯電極領域210のそれぞれに給電を行う。即ち本実施形態では、同図に示すように、第2挟持搬送内ローラ202a及び第1挟持搬送内ローラ201aがそれぞれ、給電手段としての給電ローラ207a,207b及び給電ローラ207a′,207b′を有している。
つまり、第2挟持搬送内ローラ202aの回転軸202dには、吸着部材200の櫛歯電極領域210における給電電極200f,200gに夫々対向する位置に、正の給電ローラ207aと負の給電ローラ207bとが固着されている。第1挟持搬送内ローラ201aの回転軸201dには、櫛歯電極領域210における給電電極200f,200gに夫々対向する位置に、上記ローラ202aとは電圧の極性が反転するように負の給電ローラ207b′と正の給電ローラ207a′とが固着される。これらの場合のローラの軸方向長さについては、図6を用いて第1の実施形態で説明したように隣接するレーンの本数に対応して設定されている。
なお、本実施形態における給電ローラ207a′,207b′を有する第1挟持搬送内ローラ201aは、除電手段を構成する。この除電手段は、吸着部材200における下方弛み部分(第1の部位)200hから離れた上方部分(第2の部位)200jにて正電極(第1の電極)200a及び負電極(第2の電極)200bに接触して除電する。そしてこの除電手段は、上方部分200jにて電極200a,200bに、上記ローラ202aの給電ローラ207a,207b(給電手段)による給電とは逆極性の電圧を給電して吸着部材200の残留電荷を中和するように除電する逆極性給電手段である。この逆極性給電手段を構成する給電ローラ207a′,207b′は、第1挟持搬送内ローラ201aの軸方向にて第1挟持搬送内ローラ201aと一体的に設けられたローラである。
以上により、上記ローラ202aの給電ローラ207a,207bと上記ローラ201aの給電ローラ207a′,207b′とから給電電極200f,200gを介して、正電極200aと負電極200bに正電圧と負電圧を確実に給電することができる。
次に、吸着部材200への給電動作について説明する。図14(a)〜(h)及び図15(a)〜(h)に、吸着部材200が張ったり撓んだり弾性変形しながらシートSを吸着分離する工程を4段階で示す。特に図14(e)〜(h)は、工程1〜工程4における吸着部材200の撓み形状と第1の給電及び第2の給電位置との関係を示している。
図15(a)〜(d)は図14(e)〜(h)と同じ図であるが、図14(e)〜(h)と図15(e)〜(h)とを対比させる目的から、便宜上このように図示している。図15(e)〜(h)は、図15(a)〜(d)を元に吸着部材200を第1の給電位置240で幅方向に切って広げた場合の様子を示している。なお、本実施形態では、第1の実施形態で説明した図7(a)〜(h)及び図8(a)〜(h)における共通の部分については図示を省略する。
本実施形態では、吸着部材200に対して、第1挟持搬送内ローラ201aにより第1の給電を行い、第2挟持搬送内ローラ202aにより第2の給電を行うように構成される。吸着部材200の櫛歯電極領域210には、第1挟持搬送内ローラ201aの給電ローラ207a′,207b′と、第2挟持搬送内ローラ202aの給電ローラ207b,207aとから交互に極性を反転された電圧が印加される。そのため、櫛歯電極領域210は、図4(b)における(m6)に示したように、給電のたびに吸着力を復活させることができる。
図15(e)〜(h)に示すように、吸着部材200において、第1の給電が行われる第1挟持搬送内ローラ201aに接触した上流側の位置を第1の給電位置240とする。また、第2の給電が行われる第2挟持搬送内ローラ202aに接触した上流側の位置を第2の給電位置220とする。
図15(e)〜(h)に対して、吸着部材200の一部の展開図を併記したものを図16(a)〜(d)に示す。なお、第1の実施形態で説明した図9と共通の部分については省略することとする。
即ち、無端状の吸着部材200の櫛歯電極領域210は周回しながら、第1の給電位置240に接触する期間において、静電吸着力を発生させ、第1の給電位置240から外れると静電吸着力を一旦失う。続いて、第2の給電位置220で第2挟持搬送内ローラ202aの給電ローラ207a,207bに接触する期間において再び静電吸着力が発生し、第2の給電位置220から外れると再度静電吸着力を失う、という動作を繰り返す。
これにより、吸着部材200の中で吸着力の働いている領域241,239と働いていない領域234とが順次入れ替わりながら、吸着部材200が周回し、シートSの吸着分離動作が行われる。これは、常に「シートSとの吸着面領域230」に対して、必ずどこかのレーンで吸着力が働いている領域241もしくは領域239が存在するように、櫛歯電極領域210はレーンごとにずらして配置されているからである。
図16は吸着部材200の一部を示した例であったが、実際は図17に示すように櫛歯電極領域210の配置を搬送方向に対して階段状の凸型になるようにずらすことができる。この構成により、搬送方向Gに沿った幅方向両端で均等に働くようにしてシートへの吸着を安定化することができる。また、この凸型とは逆に、階段状の凹型にずらすように構成することで、同様の効果を得ることができる。以上は第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態と比較して、本実施形態では、第1挟持搬送内ローラ201aの箇所においても給電されることで、吸着部材200の中で吸着力の働く面積を増やすことができる。さらに、シートSの給送を休止しているタイミングにおいて、給電しないで空回転させた吸着部材200の表面を不図示の除電ブラシ等で摺擦することで、吸着部材200の表面の除電をより向上させることも可能である。なお、第1の実施形態の図11(a)〜(g)で述べた正電極200a及び負電極200b及び給電電極200f,200gの長さの設計方針については、本実施形態においても同様である。
以上の本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、正電極200a及び負電極200bは搬送方向Gに対してレーンごとに任意の間隔でずれた状態に配置される。そして、吸着部材200の周回に伴って正電極200a及び負電極200bに第1の給電と第2の給電が繰り返し施される。そして、個々の櫛歯電極領域同士がずれていることで吸着部材200の幅方向での任意の位置のレーンに対して必ず静電吸着力を有する領域を存在させると共に、吸着部材200の中で吸着力の働く面積を増やすことができる。このように本実施形態では、第1の実施形態と略同様の効果を得ることができると共に、第1の実施形態と比較して吸着面積を拡大することが可能になる。
51,52…シート給送装置/51f,52f…中板(積載手段)/55…画像形成部(画像形成手段)/70…制御部(制御手段)/100…画像形成装置/200…吸着部材/200a…正電極(第1の電極)/200b…負電極(第2の電極)/200f…給電電極(第1の内面給電電極)/200g…給電電極(第2の内面給電電極)/200h…下方弛み部分(第1の部位)/200j…上方部分(第2の部位)/200m…第1の給電電極部/200n…第2の給電電極部/200r,200s…櫛歯電極パターン/201a…第1挟持搬送内ローラ(第1の回転体)/201b…第1挟持搬送外ローラ(第1挟持部材)/202a…第2挟持搬送内ローラ(第2の回転体)/202b…第2挟持搬送外ローラ(第2挟持部材)/203…第1の駆動手段/204…第2の駆動手段/206a…正接点(給電手段)/206b…負接点(給電手段)/207a,207b…給電ローラ(給電手段,ローラ)/207a′,207b′…給電ローラ(除電手段,逆極性給電手段,ローラ)/210…櫛歯電極領域(電極パターン領域)/220…給電位置/221…除電ブラシ(除電手段,除電部材)/222…除電位置/238…空白領域/E…幅方向/Q…周方向/S…シート

Claims (12)

  1. シートが積載される積載手段と、
    前記積載手段の上方に配置された第1の回転体と、
    前記第1の回転体よりもシートの給送方向において上流に設けられた第2の回転体と、
    前記第1及び第2の回転体に内面を支持されて周方向に回転し、前記積載手段に積載されたシートに対向する吸着側の第1の部位でシートを吸着して給送する無端状の吸着部材と、
    前記第1の部位が前記積載手段上のシートに接触する際に静電吸着力を発生するように、前記吸着部材の前記周方向に延びるように設けられた第1及び第2の電極に正及び負の電圧をそれぞれ供給する給電手段と、
    前記吸着部材における前記第1の部位から離れた第2の部位にて前記第1及び第2の電極に接触して除電する除電手段と、を備え、
    前記吸着部材は、前記周方向及び前記周方向と直交する幅方向に配列され、前記第1及び第2の電極をそれぞれ有して互いに独立した複数の電極パターン領域を有し、複数の前記電極パターン領域の内の前記幅方向で隣り合う領域同士の前記周方向の端部が前記周方向にて互いにずれるように配置される、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記複数の電極パターン領域のそれぞれにおける前記第1及び第2の電極は、前記給電手段による給電が行われる給電位置と前記除電手段による除電が行われる除電位置との間の距離よりも短く形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
  3. 前記除電手段は、前記第2の部位にて前記第1及び第2の電極に接触して前記吸着部材の残留電荷を除電するようにアース接続された除電部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のシート給送装置。
  4. 前記除電手段は、前記第2の部位にて前記第1及び第2の電極に、前記給電手段による給電とは逆極性の電圧を給電して前記吸着部材の残留電荷を中和するように除電する逆極性給電手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のシート給送装置。
  5. 前記給電手段は、前記第2の回転体の軸方向にて前記第2の回転体と一体的に設けられたローラから構成される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシート給送装置。
  6. 前記逆極性給電手段は、前記第1の回転体の軸方向にて前記第1の回転体と一体的に設けられたローラから構成される、
    ことを特徴とする請求項4記載のシート給送装置。
  7. 前記複数の電極パターン領域は、前記幅方向において、前記給電手段からの給電の正負の順番を、正極と正極、負極と負極が互いに隣接するように配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のシート給送装置。
  8. 前記幅方向で隣り合う前記電極パターン領域同士の前記周方向の端部には、前記周方向にて隣接する前記電極パターン領域同士の前記第1及び第2の電極を遮断する空白領域が設けられ、
    前記複数の電極パターン領域は、前記周方向において互いに同じ長さに形成され、
    前記周方向で互いにずれるように配置された前記電極パターン領域同士の境界に位置する前記空白領域は、前記吸着部材の回転方向の下流側に向かって凸となる形状を有している、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のシート給送装置。
  9. 前記第1及び第2の電極は、
    前記電極パターン領域における前記周方向にて互いに平行に延設された第1及び第2の給電電極部と、
    前記周方向と直交する幅方向にて前記第1及び第2の給電電極部から櫛歯状に交互に突出する櫛歯電極パターンと、を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のシート給送装置。
  10. 前記吸着部材は、
    表面側に前記第1及び第2の電極を有すると共に、内面側に、前記給電手段からの前記正の電圧を前記第1の電極に供給する第1の内面給電電極と、前記給電手段からの前記負の電圧を前記第2の電極に供給する第2の内面給電電極と、を有し、
    前記第1及び第2の電極の少なくとも一方は、前記第1及び第2の内面給電電極よりも長く形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のシート給送装置。
  11. 前記第1の回転体とで前記吸着部材を挟持する第1挟持部材と、
    前記第2の回転体とで前記吸着部材を挟持する第2挟持部材と、
    前記第1及び第2の回転体をそれぞれ駆動する第1及び第2の駆動手段と、
    前記第1及び第2の駆動手段を制御する制御手段と、備え、
    前記制御手段は、
    前記第1及び第2の回転体の回転速度に差をつけるように前記第1及び第2の駆動手段をそれぞれ制御して、前記吸着部材の下方への弛み量を大きくすることで前記積載手段上のシートを前記吸着部材に吸着させた後、前記吸着部材の下方への弛み量を小さくさせながら前記吸着部材に吸着されたシートを給送する、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のシート給送装置。
  12. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段にシートを給送する請求項1乃至11のいずれか1項記載のシート給送装置と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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