JP2016124353A - 重量物の搬送装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、上記した台車は、一般に方向転換が苦手である。これは、台車の車輪にかかる大きな荷重が、車輪の向きを変えることを困難にしているためだと考えられる。
そこで、搬送ルートが直線のみからなる場合を除き、重量物を何度も往復搬送するに際しては、ホイスト等を使って重量物を他の台車に積み直したり、あるいは、ターンテーブルのような設備を導入して台車の方向転換を行ったりすることが望ましいとされる。
予め設定した搬送ルートに沿って設置され、前記台車を前記搬送ルートに沿って走行可能とするガイドレールと、
前記台車の幅方向両側に位置するように前記搬送ルートに沿って設置され、前記各車輪の向きを前記台車の進行方向に合わせると共に、前記搬送ルートから前記台車が逸脱することを防止する補助レールと、
前記台車に設けられ、該台車を前記搬送ルートに沿って移動させる牽引手段とを有する。
ここで、前記ガイドレールは断面凹状となって、その凹部内に前記ワイヤが配置されていることが好ましい。
ここで、上記したワイヤを、断面凹状となったガイドレールの凹部内に配置する場合、搬送ルートがカーブする領域において、ワイヤの巻上げが搬送ルートに沿って行われるため、ワイヤの巻上げ時にかかる牽引力で台車が傾くことなく、台車をウインチ側へ引き寄せることができる。
また、搬送ルートを主ルートと2つの副ルートで構成し、その分岐領域で補助レールを間欠的に設置する場合、台車の進行方向を一方の副ルートから他方の副ルートに変更するに際し、補助レールの付替え作業が不要となり、付替えに要する作業時間を短縮できる。
更に、車輪を鉄製にし、この車輪の走行床も鉄製にする場合、例えば、重量物に対する耐久性の向上、台車の駆動に要する牽引力の低減や方向転換の操作性向上、等が図れる。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る重量物の搬送装置(以下、単に搬送装置ともいう)10は、重量物の一例である高炉11の設置物(ここでは、ステーブクーラ)を載置して搬送する台車12と、予め設定した搬送ルート13、13aに沿って設置されたガイドレール14、14a及び補助レール15、15a、16、16aと、台車12を搬送ルート13、13aに沿って移動させる牽引手段17とを有している。以下、台車12の前後方向を台車12の進行方向とし、台車12の幅方向を台車12の進行方向に直交する方向として、詳しく説明する。
この作業床18、19の高さ位置は、高炉11の所定高さ位置に設置されたデッキ20と略同程度である。なお、デッキ20は、使用済みの設置物(以下、使用済み設置物ともいう)の高炉11炉内からの搬出と、未使用(新品)の設置物(以下、未使用設置物ともいう)の高炉11炉内への搬入とを行う、搬出入口21の前方(炉外側)に設置されている。この搬出入口21は、高炉11に複数(ここでは4箇所)設けられている。
なお、搬送ルート13a、ガイドレール14a、及び、補助レール15a、16aは、上記した搬送ルート13、ガイドレール14、及び、補助レール15、16と略同様の構成であるため、これらに関連する構成には、番号に「a」を付して説明を省略する。
なお、主ルート23は、作業床18外から、又は、作業床18外へ、設置物を搬送するためのルートである。また、副ルート24、25は、各搬出入口21から、又は、各搬出入口21へ、設置物を搬送するためのルートである。
このガイドレール14は、断面凹状となって、平面視して台車12の幅方向中央部(台車12の下方)に設置されるものである。また、ガイドレール14は、上記した主ルート23に設置される直線状の主ガイドレール26と、この主ガイドレール26から分岐し、上記した副ルート24、25にそれぞれ設置される2本の副ガイドレール27、28で構成されている(ガイドレール14aにおいては、主ガイドレール26a、副ガイドレール27a、28a)。
なお、ガイドレールは、台車12を搬送ルート13に沿って走行可能にできる構成であれば、断面凹状の形状に限定されるものではなく、例えば、断面四角形や断面I形等にすることもできる。
この補助レール15、16は、断面L字状のアングルで構成され、台車12を幅方向両側から挟み込むように設置されている。なお、一方の補助レール15は、上記した主ルート23に設置される直線状の主補助レール30と、この主補助レール30から分岐し、上記した2つの副ルート24、25にそれぞれ設置される副補助レール31、32で構成されている(補助レール15aにおいては、主補助レール30a、副補助レール31a、32a)。また、他方の補助レール16も一方の補助レール15と同様に、主補助レール33と、2つの副ルート24、25にそれぞれ設置される副補助レール34、35で構成されている(補助レール16aにおいては、主補助レール33a、副補助レール34a、35a)。
また、分岐領域29aにおいては、副補助レール32a、34aを部分的に取付け取外しすることで、進行方向を切替えた台車12の搬送ルート13aからの逸脱を防止することができる。
補助レール36は、上記した主ルート23に設置される直線状の主補助レール37と、この主補助レール37から分岐し、上記した2つの副ルート24、25にそれぞれ設置される副補助レール38、39で構成されている。この副補助レール38、39のうち、カーブの外側に設置される副補助レール39は、分岐領域29において、間欠的(断続的)に設置されている。
一方の補助レール40は、上記した主ルート23aに設置される直線状の主補助レール30aと、この主補助レール30aから分岐し、上記した2つの副ルート24a、25aにそれぞれ設置される副補助レール31a、42で構成されている。また、他方の補助レール41も一方の補助レール40と同様に、主補助レール33aと、2つの副ルート24a、25aにそれぞれ設置される副補助レール43、35aで構成されている。
この補助レール40、41も、副補助レール42と副補助レール43が、分岐領域29aにおいて、間欠的に設置されている。
図5(A)において、一方の副ルート25に設置された副補助レール39が、他方の副ルート24を走行する台車12の走行を妨げること、及び、副ガイドレール27と副補助レール39とが接触することを、それぞれ防止した状態を意味する。
また、図5(B)において、一方の副ルート24a(副ルート25a)に設置された副補助レール43(副補助レール42)が、他方の副ルート25a(副ルート24a)を走行する台車12の走行を妨げること、及び、副ガイドレール27a(副ガイドレール28a)と副補助レール42(副補助レール43)とが接触することを、それぞれ防止した状態を意味する。
従って、上記した構成とすることで、台車12が進行方向を切替えるごとに、副補助レール39、42、43を付替える必要がない。
載置台44は、平面視して矩形状のものであり、例えば、複数のアングル等を用いて構成されている。また、各走行手段45は、2個の鉄製のローラ(車輪の一例)46と、このローラ46が設けられた1本のシャフト47と、このシャフト47の両側を回転自在に支持する支持枠48と、支持枠48の上部に回転自在に設けられたターンテーブル49とで構成されている(チルローラやスピードローラともいう)。
ガイドローラ50は、カムフォロア(内部にニードルベアリングが組込まれたシャフト付きベアリング、以下同様)で構成され、対となって使用されるものであり、ローラ51の回転中心を鉛直方向にして、前記したガイドレール14を幅方向両側から挟み込むように、載置台44に取付け固定されている。
なお、この機能を有していれば、走行手段の構成は特に限定されるものではなく、例えば、1又は複数のローラが設けられたシャフトが、支持枠に複数本設けられたものでもよい。また、走行手段は、載置台の四隅部に設けることを原則とする。
進行方向転換用ローラ52は、カムフォロアで構成されており、ローラ53の回転中心が鉛直方向となるように、1つの支持枠48の片側に2つ(複数)取付け固定されている。
この2つの進行方向転換用ローラ52は、台車12の前後方向に間隔を有して、各支持枠48に取付け固定されている。このため、2つのローラ53を補助レール15、16の側面に接触させることで、各ローラ46の向きを台車12の進行方向に合わせることができる。
例えば、鉄製の板22と鉄製のローラ46の場合、ローラ46の転動方向と台車12の走行方向とのなす角が5度以上のときに、ローラ46による台車12の走行が不能になるとすると、その角度以上にローラ46が意図しない方向に向かないようにする程度の精度でよい。
牽引手段17は、ワイヤ54と、このワイヤ54の巻上げ巻戻しを行う電動ウインチ(ウインチの一例:例えば、電動チルホール)55で構成されている。このワイヤ54の先端部は、台車12の前後方向両側に連結され、電動ウインチ55が、搬送ルート13の起点(主ルート23の基端部)と終点(副ルート24、25の先端部)の双方に設置されている。
これにより、搬送ルート13の起点又は終点に設置された電動ウインチ55を作動させることで、台車12を搬送ルート13に沿って移動させることができる。
なお、電動ウインチ55を、搬送ルート13の起点と終点の双方に設置しているが、必要に応じて、起点と終点のいずれか一方のみに設置することもできる。
また、電動ウインチを台車に取付け固定し、ワイヤの先端部を搬送ルートの起点及び/又は終点に取付け固定することもできる。
なお、台車12の車高(板22の表面から載置台44の上面までの高さ)は、特に限定されるものではないが、例えば、30cm以下、更には20cm以下にできる。
まず、作業床18の板22上に、予め設定した搬送ルート13に沿って、ガイドレール14と補助レール15、16を設置し、台車12を主ルート23に配置する。なお、高炉11には、搬出入口21が4箇所設けられており、その2箇所について、搬送ルート13を設定している(作業床19も同様)。
そして、主ルート23に配置された台車12を、副ルート24、25側の電動ウインチ55で牽引し、目的とする搬出入口21まで走行させる。このとき、台車12の行き先(副ルート24、25)に応じて、副ガイドレール27、28の部分的な付替えと、副補助レール32の部分的な付替えを、それぞれ行う。
なお、分岐領域29においては、カーブ部分も全区間ある補助レールを使用することが望ましいが、行き先の切替えに際し、台車12が反対方向へ走行する場合のローラ46が踏む部分の着脱も必要となる。従って、その着脱作業を不要とするため、図5(A)に示すように、副補助レールを飛び飛びの構成(反対方向に走行する台車12のローラ46が踏む部分を抜く構成)とすることが好ましい。
上記した方法で、台車12を主ルート23の基端部まで走行させた後、台車12の載置台44上から使用済み設置物を降ろし、未使用設置物を載せる。そして、この台車12を副ルート24、25側の電動ウインチ55で牽引し、目的とする搬出入口21まで走行させ、未使用設置物を高炉11に設置する。
この軌道系交通システムは、乗り心地や騒音の問題から、その多くはゴムタイヤでコンクリートの路面上を走行する。このような構成では、鉄製の車輪で鉄板上を走行する場合に比べ、摩擦係数が高いため、高勾配を上り下りできる点や、緊急時直ちに停車することができる点等のメリットがある。
このため、構造が複雑となり、低い車高の実現も困難としている。また、台車そのものの重量も増す。
前記実施の形態においては、重量物の搬送装置の搬送対象を高炉の設置物とした場合について説明したが、重量物(重量が、例えば、数トンから数十トン程度)であれば、これに限定されるものではない。従って、搬送対象となる重量物に応じて、重量物の搬送装置の設置場所も、適宜選定できる。
そして、前記実施の形態においては、車輪を構成するローラを鉄製としたが、重量物の搬送装置の使用環境(床面の状況)によっては、例えば、ウレタン製やナイロン製のものを使用することもできる。
なお、複数台の台車を使用する場合、各台車は同一構造でもよく、また、異なる構造(例えば、載置台の幅や長さが異なる構造)でもよい。
Claims (7)
- 重量物を載置する載置台と、該載置台の四隅部に設けられそれぞれの向きが独立して任意に調整可能な車輪とを備える台車と、
予め設定した搬送ルートに沿って設置され、前記台車を前記搬送ルートに沿って走行可能とするガイドレールと、
前記台車の幅方向両側に位置するように前記搬送ルートに沿って設置され、前記各車輪の向きを前記台車の進行方向に合わせると共に、前記搬送ルートから前記台車が逸脱することを防止する補助レールと、
前記台車に設けられ、該台車を前記搬送ルートに沿って移動させる牽引手段とを有することを特徴とする重量物の搬送装置。 - 請求項1記載の重量物の搬送装置において、前記牽引手段は、ワイヤと該ワイヤの巻上げ巻戻しを行うウインチで構成され、前記ワイヤが前記台車に連結され、前記ウインチが前記搬送ルートの起点及び終点のいずれか一方又は双方に設置されていることを特徴とする重量物の搬送装置。
- 請求項2記載の重量物の搬送装置において、前記ガイドレールは断面凹状となって、その凹部内に前記ワイヤが配置されていることを特徴とする重量物の搬送装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の重量物の搬送装置において、前記台車の高さは30cm以下であることを特徴とする重量物の搬送装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重量物の搬送装置において、前記搬送ルートは、主ルートと、該主ルートから分岐する2つの副ルートで構成され、前記主ルートと前記副ルートとの分岐領域では前記補助レールを間欠的に設置して、一方の前記副ルートに設置された前記補助レールが、他方の前記副ルートを走行する前記台車の走行を妨げること、及び、前記ガイドレールと前記補助レールとが接触することを、それぞれ防止したことを特徴とする重量物の搬送装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重量物の搬送装置において、前記車輪は鉄製であり、該車輪の走行床も鉄製であることを特徴とする重量物の搬送装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の重量物の搬送装置において、前記重量物は高炉の設置物であることを特徴とする重量物の搬送装置。
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