JP2016123383A - 浮上槽及び仔稚魚管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】豊富な水資源を持たない地域でも浮上槽の利用を可能にする。
【解決手段】本体枠10内で下方から上方に向けて水流が形成される孵化育成室10Aと、孵化育成室10Aに下方から水を供給する給水口13Aを有する給水流路13と、孵化育成室10Aを通過した水を排水する排水流路12と、排水流路12を介して排水される水を貯留する循環貯留槽30と、循環貯留槽30から汲み上げた水を給水流路13に循環させる循環手段40を備え、循環貯留槽30からは排水流路12を介して排水される水の一部が放出され、給水流路13には循環貯留槽30から放出される水の流量と同流量の原水が追加される。
【選択図】図1

Description

本発明は、サケ・マス類などの増殖における孵化・仔稚魚管理に用いられる浮上槽及びこれを用いた仔稚魚管理方法に関するものである。
サケ・マス類などの増殖事業において、孵化した仔魚やその仔魚が成長した稚魚(以下、仔魚と稚魚の成長時期の魚を仔稚魚という)の管理は、養魚池若しくは浮上槽を用いて行われるのが一般的である。浮上槽は、養魚池のように広いスペースを必要としない比較的簡易な水槽設備であり、屋内や屋外の任意の場所に設置することができて集約的に仔稚魚管理を行うことができる利点がある。近年、サケ・マス類の増殖事業の効率化が求められている背景で、集約的に仔稚魚管理を行うことができる浮上槽の利用が注目されている。
従来の浮上槽は、槽本体の内部を給水側仕切り板と排水側仕切り板で縦割りにして、給水室、孵化室、排水室を区分けし、給水側仕切り板の下方で給水室から孵化室に水を送り、排水側仕切り板を越えて孵化室内の水を排水室に逃がす構造になっており、孵化室内を下網と受卵盆とで上下に区分けして、その間に育成床材を配備している(下記特許文献1参照)。このような浮上槽によると、受卵盆上に受精卵を載せ、受精卵から孵化した仔魚が受卵盆の孔から下に落ちて育成床材の中で安定期を過ごす。育成資材内で内部栄養を摂取して成長した仔魚は稚魚期に入ると浮上するので、受卵盆や育成床材などを取り除き、槽内で成長した稚魚を槽外の稚魚飼育設備(飼育池など)に移す。
また、本発明者は、槽内での仔稚魚の健全な成長を可能にした新規な浮上槽として、下記特許文献1に記載のものを提案している。この浮上槽は、下方から上方に向けて水流が形成される孵化育成室を備えた浮上槽であって、孵化育成室を設定間隔で上下に区画して板上で仔稚魚を育成する複数の育成板が積層配置されており、複数の育成板間で仔稚魚の移動を可能にする通過口が各育成板に設けられている。
実用新案登録第3150213号公報 特許第5260805号公報
従来の浮上槽は、給排水を掛け流しで行っており、通常孵化から浮上率が100%に至るまでには10日前後の日数を要し、その間常時原水の供給が必要になる。特に、浮上率が高まった浮上槽での管理期間の後半では、酸素含有率の高い原水を十分な流量で供給して、水質の良好な原水を浮上槽全体に行き渡らせることが必要になるので、浮上槽による仔稚魚管理を行うには、豊富な水資源が必要になる問題があった。
また、従来の浮上槽は、合成樹脂製、金属製、木板製などの直方体型の水槽であり、その中で管理される仔稚魚には光などの刺激を一切与えない設計になっている。これは、浮上槽が専ら狭いスペースで集約的に仔稚魚管理を行うことを目的に作られたものであり、また、浮上槽の育成床材内で安定期を過ごす仔魚には刺激を与えないで動かさない方がよいという認識に基づいて作られているからである。
しかしながら、浮上槽内で成長した稚魚を槽外の稚魚飼育設備に移した直後の状態を観察すると、稚魚は槽内外の急な環境変化に対応することができず、稚魚飼育設備の日陰部分やコーナー部分に集まって生活することが多く、その間餌の食いつきが悪い状態が観察された。そしてこのような状態が全体的に解消されるには数日の時間が必要になり、これによって稚魚飼育設備移行後の稚魚の成長が遅れてしまう問題があった。稚魚飼育設備における稚魚の成長は、海に放流した稚魚を遠方に運ぶのに適した海流の発生時期に合わせて行われることが多いが、稚魚飼育設備移行後に成長遅れが生じると、海流の発生時期に間に合わせることができず、効果的な回帰率向上が望めなくなる問題があった。
また、稚魚に餌を与えるのは、稚魚を浮上槽から槽外の稚魚飼育設備に移した後であるが、前述したように環境変化に対応することができずに餌の食いつきが悪い魚と比較的環境変化への対応が速やかになされて餌の食いつきが良い魚との間で、稚魚飼育設備移行後の魚の成長に個体差が生じてしまう。そして、このような個体差が大きくなると、成長の遅い小さな魚が成長の早い大きな魚の餌になってしまう状況が発生して、稚魚の生産性が悪化する問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、豊富な水資源を持たない地域でも浮上槽による健全な仔稚魚管理を行うことができること、浮上槽から稚魚飼育設備に魚を移す際の環境変化を少なくすることで、稚魚飼育設備移行後の魚の成長遅れを抑止すること、浮上槽から稚魚飼育設備に移した後の魚の成長に個体差をなくすことで、稚魚の生産性向上を図ること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
本体枠内で下方から上方に向けて水流が形成される孵化育成室と、前記孵化育成室に下方から水を供給する給水口を有する給水流路と、前記孵化育成室を通過した水を排水する排水流路と、前記排水流路を介して排水される水を貯留する循環貯留槽と、前記循環貯留槽から汲み上げた水を前記給水流路に循環させる循環手段とを備え、前記循環貯留槽からは前記排水流路を介して排水される水の一部が放出され、前記給水流路には前記循環貯留槽から放出される水の流量と同流量の原水が追加されることを特徴とする浮上槽。
前記浮上槽において、前記本体枠には前記孵化育成室内に光を取り込む光取り入れ窓を設けたことを特徴とする。
前記浮上槽において、前記孵化育成室に受精卵を投入した後の槽内の水温が設定された積算水温に達するか、又は所定の日時が経過したときに、前記循環貯留槽に餌成分を混入させる餌成分混入手段を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する浮上槽及びこれを用いた仔稚魚管理方法によると、排水流路を介して排水される水を貯留する循環貯留槽を設け、この循環貯留槽から汲み上げた水を給水流路に循環させる循環手段を設けており、給水流路には循環貯留槽から放出される水の流量と同流量の原水が追加されるので、循環水の水質を維持することができ且つ、豊富な水資源を持たない地域でも浮上槽による健全な仔稚魚管理を行うことができる。
浮上槽内での成長期に光取り入れ窓から孵化育成室内に光を取り入れることができるので、浮上槽から稚魚飼育設備に魚を移す際の環境変化を少なくすることができ、稚魚飼育設備移行後の魚の成長遅れを抑止することができる。また、浮上槽から稚魚飼育設備に魚を移す際の環境変化を少なくすることで、浮上槽から稚魚飼育設備に移した後の魚の成長に個体差をなくすことができ、稚魚の生産性向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る浮上槽の全体構成を示した説明図である。 本発明の一実施形態に係る浮上槽の槽内構成(孵化器を取り付けた状態)と循環水システムを示した説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係る浮上槽1は、孵化育成室10Aを有する本体枠10と、孵化育成室10Aに下方から水を供給する給水口13Aを有する給水流路13と、孵化育成室10Aを通過した水を排水する排水流路12と、排水流路12を介して排水される水を貯留する循環貯留槽30と、循環貯留槽30から汲み上げた水を給水流路13に循環させる循環手段40を備えている。
循環貯留槽30は、塵分離手段(塵ネット)31で区分けされており、区分けされた一方の側である排水貯留区分30Aに排水流路12が連通し、区分けされた他方の側である戻し水貯留区分30Bに循環手段40が連通している。塵分離手段31は、排水に混在する卵の殻などの塵を分離し、戻し水貯留区分30Bには塵が除去されたきれいな水が貯留される。また、循環貯留槽30に連通する排水流路12には、成長した稚魚を放流するための放流送水管12Aが接続されている。放流送水管12Aは稚魚の放流時のみ開放される。
循環手段40は、循環ポンプ41と循環流路42を備えており、循環ポンプ41が途中に接続された循環流路42の上流端が循環貯留槽30の戻し水貯留区分30Bに連通しており、循環流路42の下流端が給水流路13に連通している。また、循環手段40は、循環貯留槽30の塵分離手段31で区分された戻し水貯留区分30Bに散水を戻す散水戻し流路43を備えている。散水戻し流路43は、循環ポンプ41の下流側の循環流路42から分岐して、先端に付けられたシャワーノズル43Aが戻し水貯留区分30Bの上に配置されている。
この浮上槽1は、循環貯留槽30の排水貯留区分30Aでオーバーフローする水を放水する放水流路44が設けられており、循環貯留槽30からは排水流路12を介して排水される水の一部が放水流路44から放出され、給水流路12には循環貯留槽30から放出される水の流量と同流量の原水が追加供給される。
このような浮上槽1によると、例えば、毎分50リットルの水を孵化育成室10Aに給水する場合には、循環貯留槽30の排水貯留区分から放水流路44を介して毎分30リットルの水を放水して、循環貯留槽30の戻し水貯留区分30Aから循環流路42を介して毎分20リットルの水を循環させ、給水流路13には放水流量と同流量の毎分30リットルの原水を供給する。循環水の流量は、循環流路42に設けた循環調整弁42Aを適宜調整することで、任意に調整することができる。特に、成長した稚魚への酸素供給を充実させるためには、循環手段40によって循環される水の流量は、孵化育成室10A内での育成後期にて段階的に高められる。
このように浮上槽1は、原水を追加して給水しながら、孵化育成室10Aを通過した水の一部を循環させるので、仔稚魚の育成に必要な水質を維持しながら、水の使用量を抑えることができる。また、循環貯留槽30では塵分離手段31によって循環する水の塵除去を行っているので、これによって孵化育成室10Aに供給する水の水質低下を防いでいる。このような浮上槽1を用いることで、仔稚魚の育成に必要な水質を維持しながら、水の使用量を抑えることができ、豊富な水資源を持たない地域でも浮上槽1による健全な仔稚魚管理を行うことができる。
また、循環水の酸素含有量が低下した場合には、散水戻し流路43を介して循環貯留槽30の戻し水貯留区分30Bに酸素供給用の散水を行うことで、十分な酸素を含んだ水を循環させることができる。散水戻し流路43には開閉調整弁43Bが設けられており、この開閉調整弁43Bを開閉することで必要に応じて散水を行うことができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る浮上槽の槽内構成(孵化器を取り付けた状態)と循環水システムを示している。浮上槽1は、前述したように、本体枠10内に下方から上方に向けて水流が形成される孵化育成室10Aを備えている。図示の例では、孵化育成室10Aは本体枠10内を壁11で区分けしたスペースであり、壁11の外側には排水室10Bが形成され、排水室10B内には排水流路12の立て管が着脱自在に立設されている。
孵化育成室10Aは、受精卵を孵化させ、孵化した仔魚を育成するスペースである。孵化育成室10Aの上部には、孵化器4が配置される。この孵化育成室10Aには、複数の育成板2が積層配置されている。また、育成板2の下方には下面ネット板3が配置され、その下方に給水流路13の給水口13Aが配置される給水室10Cが形成されている。
本体枠10には孵化育成室10A内に光を取り込む光取り入れ窓50が設けられている。光取り入れ窓50は、図示の例では、本体枠10の外壁部材や壁11を光透過性の部材にすることで形成されている。これに限らず、本体枠10の外壁部材に対して部分的に光透過性部材を嵌め込んで光取り入れ窓50を形成することもできる。光透過性部材は、透明プラスチックや透明ガラスなどで形成することができる。
光取り入れ窓50は開閉自在にすることができる。本体枠10の外壁部材や壁11を光透過性の部材にして光取り入れ窓50を形成しているものでは、外壁部材の周囲を遮光部材で覆うことで光取り入れ窓50を閉じる。光取り入れ窓50の開閉は手動又は自動で行うことができる。光取り入れ窓50を手動又は自動開閉する場合には、例えば、孵化育成室10A内に受精卵を投入するときに光取り入れ窓50を閉じておき、槽内の水温を検出して、孵化育成室10Aに受精卵を投入した後の槽内の水温が設定された積算水温に達したとき、或いは設定された日時が経過したときに光取り入れ窓50を開放する。
このような光取り入れ窓50を設けることで、孵化育成室10A内で成長する仔稚魚に光の刺激を与えることができる。孵化育成室10A内で光の刺激を受けながら成長した仔稚魚は、浮上槽1から稚魚飼育設備に移った直後において、既に光の刺激に対する耐性ができているので、速やかに環境変化に対応することができ円滑に餌摂取による成長期に移行することができる。これによって、浮上槽1から稚魚飼育設備へ移行した後の魚の成長遅れを抑止することができ、稚魚飼育設備内で均一な成長を促すことができる。
また、光取り入れ窓50を開閉自在にすることで、孵化直後に内部栄養を摂取して成長する仔魚期には、光取り入れ窓50を閉じて光の刺激を与えること無く平穏な成長を促すことができ、仔魚期から稚魚期に移行する段階で光取り入れ窓50を開けて光の刺激を与え、浮上槽1から外部の稚魚飼育設備に移すための準備期間を設けることができる。この際、どのような成長段階で光取り入れ窓50を開けるかは、槽内の水温を検出して、受精卵を投入した後の槽内水温が設定された積算温度に達したか否かで判断するか、或いはタイマによって経過時間を計測して設定された日時に達したか否かで判断することができる。
孵化育成室10Aを設定間隔で上下に区画している育成板2は、平坦な板材で形成することができる。この育成板2の板上は、仔魚が自然な姿勢で育成することができる育成スペースになる。この育成板2には、仔魚が通過できないが水の流れを確保できる小孔が全体的に形成されている。
そして、育成板2には、仔魚が通過でき且つ水の流れが形成される通過口20が一つ又は間隔を空けて複数配置されている。通過口20は、育成板2の全体に形成される小孔と比較してかなり大きい口径を有しており、下方からの水量を増すことで十分な量の用水を流すことができる。また、複数段に設けられた育成板2は、一つの段の育成板2を複数の区域に仕切るより板21が設けられている。
互いに対面する一対の育成板2に形成された通過口20は互いに異なる平面位置に配置されている。これによって、一つの育成板2における通過口20を通過した仔魚が連続的に下層の育成板2まで落下するのを抑制している。しかしながら、複数の通過口20を設ける場合には、その一部は上下の位置を一致させて下層の育成板2まで直接移動できるバイパスルートを形成してもよい。このようなバイパスルートは育成板2を多層配置する場合に仔魚をより下層の育成板2上に均等配置させるのに有効である。
より板21で区分けされた領域に合わせて孵化器4内の仕切り壁4Aを設けることで、一つの孵化育成室10A内で孵化から育成に至るまで独立した分割区域を作ることができる。このように孵化育成室10A内を分割することで、種類別の魚の試験や生産を一つの孵化育成室10A内の一定条件下で行うことができる。
このような育成板2上で育つ仔稚魚は、成長が進むに連れて複数の階層を頻繁に行き来するようになり、複数の育成板2上にほぼ均等に分散するようになる。このように育成板2上に分散した仔稚魚に対して光取り入れ窓50から入った光が当てられるので、各々の仔稚魚に均等に光を当てることができる。そして、孵化育成室10Aの仔稚魚全体に均一に光を当てるためには、育成板2を含めた浮上槽1内の構成部品を全て光透過性部材で形成することが好ましい。これによると、孵化育成室10A内で様々な位置に移動する仔稚魚に対して均一に光を当てることができる。
このような浮上槽1の使用方法を説明する。原水供給源から供給される原水と循環口13Bから流入する循環水が合流した用水が給水管13の給水口13Aから本体枠10の最下層に形成される給水室10Cに供給される。給水室10Cに供給された用水は下面ネット板3を通って孵化育成室10A内に満たされ、壁11の上をオーバーフローした水が排水室10Bに溜められ、排水流路12の上端まで溢れた水が排水流路12内に入り排水流路12を通って循環貯留槽30に排水される。
孵化育成室10A内の用水の流れは、主に大径の通過口20を通る水の流れによって形成される。下方から通過口20を通る大量の水はその上の育成板2の下面に当たり、一部が小孔を通過し更に上の通過口20を通過して上方に向かう。上下の通過口20の平面位置を異ならせることで、水の流れは迷路を通るように流れることになる。
槽内に用水が満たされた段階で、孵化育成室10Aの上部に配置した孵化器4に受精卵を投入する。図2は、孵化育成室10AをA,B,C,D区域に4分割した例を示している。孵化器4から出た仔魚は、一番上の育成板2上に落ちることになるが、一部の仔魚は通過口20を通って下層の育成板2に落下し、他の仔魚は育成板2の板上で過ごすことになる。上層の育成板2の密集度が高まると通過口20を通って順次下層の育成板2へ落下する仔魚の量が増えるので、最終的には各層の育成板2の板上には一定量の仔魚が収容されることになる。
このような浮上槽1において、孵化育成室10Aに受精卵を投入した後の槽内の水温が設定された積算水温に達するか、又は所定の日時が経過したときに、循環貯留槽30に餌成分を混入させることが、浮上槽1から外部の稚魚飼育設備に稚魚を移した後の成長促進に有効になる。図1に示すように、餌成分の混入は、循環貯留槽30の戻し水貯留区分30Bに餌成分を投入することで、効果的に浮上槽1内に混入させることができる。
循環貯留槽30に餌成分を含む液剤を混入させる液剤混入手段60を設けている。液剤混入手段60は、制御部71によって開閉制御される供給口61を備えている。制御部71は、槽内水温を検出する温度センサ70の検出温度を積算するか、タイマによる日時の計時によって、供給口61を開閉制御する。このように、浮上槽1内での生育期の後期に、循環手段40を介して孵化育成室10A内に餌成分を混入させることで、稚魚を浮上槽1から外部の稚魚飼育設備に移すための準備期間を設けることができる。このような準備期間を設けることで、浮上槽1から外部の稚魚飼育設備に移した直後から速やかに稚魚の餌摂取が開始されるようになり、稚魚飼育設備移行後に、個体差の無い稚魚の成長を促すことができる。
このように、本発明の実施形態に係る浮上槽1或いはこの浮上槽1を用いた仔稚魚管理方法によると、浮上槽1内での成長期に光取り入れ窓50から孵化育成室10A内に光を取り入れることができるので、浮上槽1から外部の稚魚飼育設備に魚を移す際の環境変化を少なくすることができる。
また、浮上槽1内での成長後期において槽内に餌成分を混入させることができるので、餌摂取の準備を浮上槽1内での育成後期に行うことができ、浮上槽1から稚魚飼育設備に移した直後の餌摂取が活発になる。これにより、稚魚飼育設備移行後の魚の成長遅れを抑止することができると共に、魚の成長に個体差をなくすことができ、稚魚の生産性向上を図ることができる。
1:浮上槽,2:育成板,3:下面ネット板,4:孵化器,
10:本体枠,10A:孵化育成室,10B:排水室,10C:給水室,
11:壁,12:排水流路,12A:放流送水管,
13:給水流路,13A:給水口,13B:循環口,
20:通過口,21:より板,
30:循環貯留槽,30A:排水貯留区分,30B:戻し水貯留区分,
31:塵分離手段(塵ネット),
40:循環手段,41:循環ポンプ,42:循環流路,42A:循環調整弁,
43:散水戻し流路(シャワー管),43A:シャワーノズル,
43B:開閉調整弁,44:放水流路,
50:光取り入れ窓,60:液剤混入手段,61:供給口,
70:温度センサ,71:制御部

Claims (8)

  1. 本体枠内で下方から上方に向けて水流が形成される孵化育成室と、
    前記孵化育成室に下方から水を供給する給水口を有する給水流路と、
    前記孵化育成室を通過した水を排水する排水流路と、
    前記排水流路を介して排水される水を貯留する循環貯留槽と、
    前記循環貯留槽から汲み上げた水を前記給水流路に循環させる循環手段とを備え、
    前記循環貯留槽からは前記排水流路を介して排水される水の一部が放出され、前記給水流路には前記循環貯留槽から放出される水の流量と同流量の原水が追加されることを特徴とする浮上槽。
  2. 前記本体枠には前記孵化育成室内に光を取り込む光取り入れ窓を設けたことを特徴とする請求項1記載の浮上槽。
  3. 前記浮上槽において、前記孵化育成室に受精卵を投入した後の槽内の水温が設定された積算水温に達するか、又は所定の日時が経過したときに、前記循環貯留槽に餌成分を混入させる餌成分混入手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の浮上槽。
  4. 前記循環貯留槽は、塵分離手段で区分けされ、区分けされた一方の側に前記排水流路が連通し、区分けされた他方の側に前記循環手段が連通することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の浮上槽。
  5. 前記循環手段は、前記循環貯留槽の前記塵分離手段で区分された他方の側に散水を戻す散水戻し流路を備えることを特徴とする請求項4記載の浮上槽。
  6. 前記孵化育成室には、当該孵化育成室を設定間隔で上下の層に区画して板上で仔魚を育成する複数の育成板が積層配置され、
    前記育成板を光透過性部材で形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の浮上槽。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された浮上槽を用いた仔稚魚管理方法であって、
    前記循環手段によって循環される水の流量が前記孵化育成室内での育成後期にて段階的に高められることを特徴とする仔稚魚管理方法。
  8. 請求項2に記載された浮上槽を用いた仔稚魚管理方法であって、
    前記光取り入れ窓を閉じた状態で前記孵化育成室内に受精卵を投入し、受精卵を投入した後の槽内の水温が設定された積算水温に達するか、又は所定の日時が経過したときに、前記光取り入れ窓を開放することを特徴とする仔稚魚管理方法。
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