JP2016122560A - ヒューズ装置、ヒューズユニット、消弧体、および消弧体の製造方法 - Google Patents

ヒューズ装置、ヒューズユニット、消弧体、および消弧体の製造方法 Download PDF

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【課題】 アーク放電の拡がりをより確実に抑制し、また安定した電気遮断性能が得られるヒューズ装置を提供する。【解決手段】 過電流が流れたときに発熱して溶断する長尺板状のヒューズエレメントと、前記ヒューズエレメントの2つの主面の少なくとも一方と当接する消弧体とを備えるヒューズ装置であって、前記消弧体は、セラミック焼結体からなる基体と、前記基体の表面に設けられた、酸化珪素を主成分とする燃焼抑制体とを備え、前記燃焼抑制体の表面は、前記ヒューズエレメントの前記主面と、前記ヒューズエレメントの長尺方向に沿って当接していることを特徴とするヒューズ装置を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒューズ装置、ヒューズユニット、消弧体、および消弧体の製造方法に関するものである。
従来、過電流が流れたときに発熱して溶断することにより電気回路を保護する電子部品として、過電流が流れることで発熱して溶断するヒューズエレメントを備えるヒューズ装置が用いられている。そして、このようなヒューズ装置を用いたヒューズユニットの例として、例えば特許文献1では、両端をカップ状口金で嵌着閉塞された絶縁筒と、カップ状口金間に張渡したヒューズエレメントと、絶縁筒内に充填した消弧剤とを有するヒューズユニットが開示されている。ヒューズエレメントは過電流が流れることで発熱して溶断するが、この際にアーク放電が生じる。アーク放電では電極間の気体分子が電離してプラズマが生じる。この周囲雰囲気で気体が励起状態となり大きな熱や光が発生する。このアーク放電が強すぎると、ヒューズユニットの周囲まで熱が広く伝播し、例えばヒューズユニットが配置された配電板が溶けたり燃焼したりすることもある。消弧剤はこのアーク放電の拡がりを遮断するために用いられており、例えば特許文献1のヒューズユニットは、消弧材として粒状の天然珪砂を用いている。ヒューズエレメントでアーク放電が生じる箇所は決まっておらず、特許文献1のヒューズユニットでは、ヒューズエレメントの長さ方向全体にわたって消弧材が押し付けられるように、ガラス筒内の全体に消弧材が充填されている。
特開平10−340664号公報
特許文献1記載のヒューズユニットは、消弧剤として粒状の珪砂が充填されているが、アーク放電が生じる際のヒューズエレメントの溶断にともなって、この消弧剤の配置状態が崩れてしまい、消弧剤に隙間が生じてしまう場合があった。この場合、アーク放電の際のプラズマが隙間から外に広がる虞もあった。また消弧剤はヒューズエレメントの燃焼を抑制する作用も有するが、絶縁筒内での粒状の消弧剤の充填密度のばらつきによってヒューズエレメントに対する消弧材(天然珪砂)の当接圧力もばらつき易く、この当接圧力のばらつきによって、ヒューズエレメントの燃焼を抑制する程度も部分的にばらつくことがあった。本発明は、上記課題に鑑みて案出されたものである。
本発明のヒューズ装置は、過電流が流れたときに発熱して溶断する長尺板状のヒューズエレメントと、前記ヒューズエレメントの2つの主面の少なくとも一方と当接する消弧体とを備えるヒューズ装置であって、前記消弧体は、セラミック焼結体からなる基体と、前記基体の表面に設けられた、酸化珪素を主成分とする燃焼抑制体とを備え、前記燃焼抑制体の表面は、前記ヒューズエレメントの前記主面と、前記ヒューズエレメントの長尺方向に沿って当接していることを特徴とするヒューズ装置を提供する。
また、上述のヒューズ装置と、前記ヒューズエレメントに電気的に接続した電極とを備えたヒューズユニットを併せて提供する。
また、過電流が流れたときに発熱して溶断する長尺板状のヒューズエレメントと当接されて、前記ヒューズエレメントの溶断の際に生じるアーク放電を消すために用いる消弧体であって、セラミック焼結体からなる基体と、前記基体の表面に設けられた、酸化珪素を主成分とする燃焼抑制体とを備えることを特徴とする消弧体を併せて提供する。
また、上述の消弧体の製造方法であって、セラミック焼結体からなる基体を準備する工程と、前記基体の表面に、酸化珪素を主成分とする粉末と溶媒とが混合されたペーストを層状に塗布する工程と、前記基体ともに前記ペーストを焼成して、前記ペーストが焼成されてなる、酸化珪素を主成分とする前記燃焼抑制体を前記基体の表面に形成する工程とを有することを特徴とする消弧体の製造方法を併せて提供する。
本発明は、アーク放電の拡がりをより確実に抑制することができる。また安定した電気遮断性能が得られる。
(a)および(b)は本実施形態のヒューズ装置を備えて構成されたヒューズユニットの一実施形態を示す概略断面であり、(a)はヒューズエレメントの長尺方向に平行な面で切断した断面図であり、(b)は(a)のA−A線による断面を示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、図1とは異なる実施形態のヒューズ装置を備えて構成されたヒューズユニットの実施形態を示す概略断面である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本明細書の全図において、混同を生じない限り、同一部分には同一符号を付し、その説明を適時省略する。
図1に示すヒューズユニット100は、ヒューズ装置10aと、電極としても機能する金属キャップ20aおよび20bと、例えば樹脂やセラミック等を主成分とするアーク消弧板30aおよび30bとを有して構成されている。ヒューズユニット100は、家庭や工場の配電盤や、各種電子機器や自動車等の回路基板等に配置され、電流が流れる電気回路の一部を構成しつつ、過電流が流れた際に配電盤や回路基板全体がこの過電流で壊れないように電流経路を遮断する機能を有する。ヒューズ装置10は、この過電流遮断の機能を有する。
ヒューズ装置10aは、長尺板状のヒューズエレメント1(以降、単にエレメント1ともいう)と、エレメント1の2つの主面(1aおよび1b)の少なくとも一方と当接する消弧体2(2aおよび2b)とを備える。過電流遮断の機能は、長尺板状のエレメント1が、過電流が流れたときに発熱して溶断することで生じる。
消弧体2(2aおよび2b)は、セラミック焼結体からなる基体3と、基体3の表面に設けられた、酸化珪素を主成分とする燃焼抑制体4とを備え、燃焼抑制体4の表面4Aが、エレメント1の主面(1aおよび1b)と当接している。本実施形態では、より具体的には、一対の消弧体2(消弧体2aおよび消弧体2b)を有し、エレメント1の2つの主面(主面1aおよび1b)それぞれに、燃焼抑制体4の表面4Aの一部が当接している。
エレメント1は過電流が流れることで発熱して溶断するが、この際にアーク放電が生じる。アーク放電では電極間の気体分子が電離してプラズマが生じる。すなわち、この周囲雰囲気で気体が励起状態となり大きな熱や光が発生する。このアーク放電が強すぎると、
エレメント1の周囲まで熱が広く伝播することもある。ヒューズ装置10aでは、セラミック焼結体からなる基体3が、燃焼抑制体4を介してエレメント1に近接して配置されており、アーク放電にともなうプラズマは、このセラミック焼結体からなる基体3によってそれ以上の拡がりが抑えられる。
また、過電流が流れてエレメント1が溶断する際、アーク放電にともなう熱によって、エレメント1の燃焼が始まる場合も多い。燃焼抑制体4は、このようなエレメント1の燃焼を抑制する効果も有する。例えば燃焼抑制体4がエレメント1に当接していることで、エレメント1の温度を燃焼抑制体4によって低減することでエレメント1の燃焼が抑制される。また、燃焼抑制体4がアーク放電にともなう熱等で溶解してエレメント1に絡みつくことで、エレメント1への酸素供給を遮断するとともに、エレメント1の温度を低減してエレメント1の燃焼を低減させることができる。
ヒューズ装置10aでは、基体3の表面に形成された燃焼抑制体4の表面4Aの一部が、エレメント1の主面(1aおよび1b)と、ヒューズエレメントの長尺方向に沿って連
続して当接しているので、エレメント1に対する燃焼抑制体4の当接圧力のばらつきが少なく、エレメント1の長尺方向の全体にわたって安定した燃焼抑制効果を得ることができる。また、一対の消弧体2それぞれ(消弧体2aおよび消弧体2bそれぞれ)が、エレメント1の2つの主面(1aおよび1b)の双方に当接しているので、ヒューズエレメントに過電流が流れることで生じたヒューズエレメントの燃焼を、比較的短時間で消すことができる。
ヒューズ装置10aでは、一対の消弧体2(消弧体2aおよび消弧体2b)の基体3の表面は凹部3Aを備えており、燃焼抑制体4は凹部3Aの内面に設けられている。この凹部3Aの内面部分の燃焼抑制体4とエレメント1とが当接していることで、エレメント1の側面部分も長さ方向にわたって燃焼抑制体4に当接または近接して配置することができ、燃焼を抑制する効果をより高くすることができる。また同様に、エレメント1の側面部分が長さ方向にわたって基体3に当接して配置することができるので、アーク放電の拡がりをより確実に抑制することができる。
ヒューズ装置10aではまた、一対の消弧体2(消弧体2aおよび消弧体2b)の基体3の表面はそれぞれ凹部3Aに連なる平坦面31を備え、一対の基体3それぞれの平坦面31が当接している。凹部3Aに連なる平坦面31が当接しているので、エレメント1の側方にも基体3が存在し、エレメント1の側方へのアーク放電の拡がりも抑制することができ、アーク放電にともなうプラズマの拡がりがより確実に抑制されている。凹部3Aに連なる平坦面31とは、凹部3Aの外側(周り)の基体3の表面の平坦な部分である。
基体3を構成するセラミック焼結体は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体,チタン酸アルミニウム質焼結体,コージェライト質焼結体,リチウムアルミニウムシリケート焼結体または窒化珪素質焼結体であって、安価に作製することができるという点から、酸化アルミニウム質焼結体が好適である。また、線膨張係数が低く、耐熱衝撃性が高いという点から、チタン酸アルミニウム質焼結体,コージェライト質焼結体,リチウムアルミニウムシリケート焼結体,ジルコン質焼結体または窒化珪素質焼結体であることが好適である。
また基体3は、例えば、長さ,幅および厚みがそれぞれ3〜50mm,3〜10mm,1〜3mmであって、燃焼抑制体4の厚みは、例えば、30μm以上250μm以下である。
また、基体3は、気孔率が8体積%以上16体積%以下であることが好適である。気孔率が8体積%以上であると、耐熱衝撃性が向上し、ヒューズエレメントにアークが発生し
たときに基体3内にマイクロクラックが生じたとしても、その進展が抑制されて、破損しにくい。また、基体3の表面の開気孔に燃焼抑制体4が入り込むことによるアンカー効果により、基体3と燃焼抑制体4との接合強度が高くなるので、高温に晒されても必要とされる接合強度を維持することができるため、消弧性能のばらつきがさらに生じにくく、電気の遮断特性をより安定させることができる。気孔率が16体積%以下であると放熱性が比較的高いので、基準未満の電流でエレメント1が溶断することが抑制され、ヒューズユニット100の信頼性が向上する。特に、基体3の気孔率は10体積%以上14体積%以下であることが好適であり、その気孔率は、アルキメデス法に準拠して求めればよい。
また、燃焼抑制体4は、主成分が酸化珪素であって、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛を含む。ここで、燃焼抑制体4における主成分とは、燃焼抑制体4を構成する成分100質量%に対して、65質量%以上含む成分をいう。燃焼抑制体4を構成する各成分の含有量は、ICP発光分光分析装置,蛍光X線分析装置または走査型電子顕微鏡に付設のエネルギー分散型X線分光装置(EDS)を用いて各元素の含有量を求め、それぞれ酸化物に換算すればよい。
燃焼抑制体4は酸化珪素を主成分とする。燃焼抑制体4を構成する各成分は、例えば、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化亜鉛および酸化カリウムである。また、燃焼抑制体4がこれらの各成分からなる場合には、酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化亜鉛および酸化カリウムの各含有量は、それぞれ10質量%以上20質量%以下,4質量%以上8質量%以下,4質量%以上8質量%以下、1.5質量%以上3.5質量%以下であって、残部が酸化珪素である。
また、燃焼抑制体4が、酸化亜鉛を含む場合には、燃焼抑制体4に含まれる亜鉛元素は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて得られる面分析画像(マッピング)における平均重心間距離が2.4μm以下であることが好適である。亜鉛元素の平均重心間距離が2.4μm以下であると、燃焼抑制体4の溶融温度の部分的なばらつきが生じにくくなるので、消弧性能のばらつきがさらに生じにくくなり、電気の遮断特性をより安定させることができる。ここで、重心間距離とは、面分析画像(マッピング)における任意の亜鉛元素のポイントの重心から隣り合う他の亜鉛元素までのポイントの重心までの直線距離であり、平均重心間距離とは、この重心間距離の平均値である。
また、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いた亜鉛元素の面分析画像(マッピング)を得るには、例えば、倍率を1000倍以上2000倍以下として、厚み方向に沿った燃焼抑制体4の断面から横方向の長さを80μm、縦方向の長さを50μmとしてCCDカメラで取り込み、面分析すればよい。そして、面分析によって得られた亜鉛元素の面分析画像を画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)による分散度計測を行なうことで亜鉛元素の平均重心間距離を求めることができる。なお、分散度計測の設定条件としては、重心間距離法を用いて、明度を明に設定し、2値化の方法を自動、小図形除去面積を0μmとする。
また、燃焼抑制体4は気孔を含み、気孔の体積は、基体3に近い基体側領域(以降、下側領域ともいう)よりもエレメント1に近いエレメント側領域(以降、上側領域ともいう)により多い。なお上側領域とは燃焼抑制部4を厚み方向に2分割した場合のエレメント1に近い側の半分の領域をいい、下側領域は基体3に近い側の半分の領域をいう。燃焼抑制体4がこのような構成であると、エレメント1に近い上側領域を比較的溶融し易くすることができるので、アークの発生によって溶融した燃焼抑制体4を比較的速やかにエレメント1に絡ませて、エレメント1の燃焼を良好に抑制することができる。また、気孔の単位面積当たりの体積(気孔率)は、エレメント1に当接する側の表面に近づくにしたがって漸増している。この場合も同様に、エレメント1に当接する側の表面が比較的溶融し易いので、エレメント1の燃焼を良好に抑制することができる。また、エレメント1が例えば燃焼して高温となった場合には、このエレメント1に当接する側である上側領域に存在する気孔がまず膨張し、この気孔の起点とする亀裂が生じて燃焼抑制体4の表面積が増える傾向が強くなるので、消弧性能が高くなる。気孔の体積や気孔の分布等は、例えば燃焼抑制体4の断面をCCDカメラや走査型電子顕微鏡で観察して断面の画像を取得し、取得し断面画像を上述の画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)等で解析することで知ることができる。すなわち、燃焼抑制体4の断面における気孔の面積率を気孔の体積率(気孔率)とする。燃焼抑制体4の断面における気孔の状態は、燃焼抑制体4における気孔の状態をよく表しており、燃焼抑制体4の断面における気孔の面積率は、燃焼抑制体4における気孔の体積率(気孔率)とよく一致する。
次に、本実施形態の消弧体の製造方法の一例について説明する。本実施形態の製造方法は、セラミック焼結体からなる基体を準備する工程と、基体の上面に、酸化珪素を主成分とする粉末と溶媒とが混合されたペーストを層状に塗布する工程と、基体ともに前記ペーストを焼成して、前記ペーストが焼成されてなる、酸化珪素を主成分とする前記燃焼抑制体を前記上面に形成する工程とを有する。以降、本実施形態の製造方法についてより具体的に説明する。
まず、基体3を構成するセラミック焼結体が酸化アルミニウム質焼結体である場合について説明する。酸化アルミニウムの粉末と、酸化クロムの粉末と、成形助剤としてポリビニルアルコール,アクリル樹脂および分子量が20000以上であるポリエチレングリコール
とを秤量して水等の溶媒とともに、例えば、バレルミル,回転ミル,振動ミル,ビーズミル,サンドミル,アジテーターミルなどによって混合・粉砕してスラリーとする。ここで、酸化アルミニウムの粉末は、例えば、純度が99.5%で平均粒径が3μmである酸化アルミニウムの粉末Aと、純度が99.9%で平均粒径が0.5μmである酸化アルミニウムの粉末Bとからなり、粉末Aの比率を40質量%以上65重量%以下とし、残部を粉末Bとする。
また、酸化クロムの粉末は、酸化アルミニウムおよび酸化クロムの各粉末の合計100質
量%中、例えば、0.1質量%以上2質量%以下とする。また、成形助剤は、上記粉末の合計100質量部に対して、2質量部以上10質量部以下とする。成形助剤の添加量が2質量
部未満であれば、成形体に求められる強度や可とう性が得られず脆い成形体となる。また、成形助剤の添加量が10質量部を超えると焼成でバインダが焼失しにくくなり、クラックなどの不具合が出るおそれが高くなる。
なお、基体の気孔率が8体積%以上16体積%以下である消弧体を得るには、粉末Aを43質量%以上62重量%以下とし、残部を粉末Bとすればよい。
次に、スラリーを噴霧乾燥装置を用いて造粒し顆粒を得る。
次に、得られた顆粒をプレス成形によって相対密度が45%以上60%以下の所望の形状を有する成形体とする。成形圧力は50〜100MPaの範囲であれば、成形体の密度の向
上や顆粒の潰れ性の観点から好適である。また、鋳込み成形,射出成形,テープ成形などの成形方法を用いてもよい。この成形の後に切削することにより、凹部(凹部3Aに対応する凹部)を形成する。また、それぞれの成形方法で成形した後に、成形体を切削したり、積層したり、接合したりすることによって所望の形状としてもよい。
そして、得られた成形体を、大気雰囲気中、1550℃以上1650℃以下で焼成することにより、基体3を得ることができる。
次に、酸化珪素(SiO)が55〜65質量%,酸化硼素(B)が14〜18質量%,酸化ナトリウム(NaO)が8〜14質量%,酸化アルミニウム(Al)が5〜10質量%,酸化カルシウム(CaO)が1〜4質量%および酸化カリウム(KO)が0.5〜2質量%である混合粉末と、有機ビヒクルとを混合して得られるペーストを基体3の互いに対向する面に塗布またはスクリーン印刷する。なお、酸化硼素(B)は、蒸気圧が高い成分であることから、熱処理後に形成される燃焼抑制体4には含まれない可能性が高い。
ここで、燃焼抑制体4が酸化亜鉛を含む消弧体を得るには、上記混合粉末中、酸化亜鉛(ZnO)を、例えば、2〜6質量%含めればよい。
また、燃焼抑制体4を所定の厚みにする場合には、スクリーン印刷を用い、スキージの圧力を調整すればよい。
また、有機ビヒクルは、有機バインダを有機溶剤に溶解したものであり、例えば、有機バインダと有機溶剤の比率は、有機溶剤1に対し、有機バインダが2〜5である。そして、有機バインダとしては、例えば、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル類、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセルロース類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリビニル類から選択される1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、有機溶剤としては、例えば、カルビトール、カルビトールアセテート、テルピネオール、メタクレゾール、ジメチルイミダゾール、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコール、パラキシレン、乳酸エチル、イソホロンから選択される1種または2種以上を混合して用いることができる。
ここで、燃焼抑制体4に含まれる亜鉛元素は、電子プローブマイクロアナライザを用いて得られる面分析画像における平均重心間距離が0.8μm以上2.4μm以下である消弧体を得るには、25℃における粘度が100Pa・s以下になるようにペーストを調整すればよい。
そして、ペーストが塗布またはスクリーン印刷された基体3を100〜120℃で、10〜30分保持してペーストを乾燥させた後、800℃以上1400℃以下で、1.5時間以上2.5時間以下で熱処理することにより燃焼抑制体4を形成する。特に、熱処理する温度は、1000℃以上1100℃以下であることが好適である。
また、燃焼抑制体4が気孔を有し、気孔の単位面積当たりの個数が燃焼抑制体4の底面側よりも燃焼抑制体4の表面側に多い消弧体を得るには、上記混合粉末に、蒸気圧の高い酸化亜鉛(ZnO)を加え、その含有量を4〜6質量%とすればよい。
また、気孔の単位面積当たりの個数は、燃焼抑制体4の底面側から燃焼抑制体4の表面側に向って多くなっている消弧体を得るには、昇温速度を、例えば、5℃/分以上10℃/分以下にすればよい。
ヒューズユニットは図1に示す実施形態に限定されない。例えば図2(a)に断面図で示す実施形態のように、基体3の表面全体を覆う燃焼抑制体4を形成し、一対の消弧体2の燃焼抑制体同士が当接していてもよい。また、図2(b)に断面図で示す実施形態のように、基体3は凹部3Aを備えていなくてもよい。また、図2(b)に断面図で示すように、例えばセラミック焼結体からなるカバー体23で、一対の消弧体2(消弧体2aおよ
び消弧体2b)を囲む構成であってもよい。このように全体をカバー体23で囲むことで、全体のサイズは少し大きくなるが、アーク放電にともなうプラズマ等の拡がりをより確実に抑制することができる。なおカバー体23は消弧体2aおよび消弧体2bの全体を囲むのではなく、消弧体2aと消弧体2bとの隙間を閉じるように図中の左右の側面部分のみに配置されていてもよい。また、各部材の断面形状も特に限定されず、例えば図2(c)に断面図で示すように基体3の断面の輪郭線を円状として全体を円柱形状としてもよい。
以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
1 ヒューズエレメント
2(2aおよび2b) 消弧体
3 基体
4 燃焼抑制体
10a ヒューズ装置
20a、20b 金属キャップアーク
30a、30b 消弧板
100 ヒューズユニット

Claims (8)

  1. 長尺板状のヒューズエレメントと、
    前記ヒューズエレメントの2つの主面の少なくとも一方と当接する消弧体とを備えるヒューズ装置であって、
    前記消弧体は、
    セラミック焼結体からなる基体と、前記基体の表面に設けられた、酸化珪素を主成分とする燃焼抑制体を備え、
    該燃焼抑制体の表面が、前記ヒューズエレメントの前記主面と当接していることを特徴とするヒューズ装置。
  2. 前記ヒューズエレメントを挟んで配置された一対の前記消弧体を有し、
    前記ヒューズエレメントの2つの主面それぞれに、前記燃焼抑制体の表面が当接していることを特徴とする請求項1記載のヒューズ装置。
  3. 一対の前記消弧体の前記基体の表面は凹部を備えており、前記燃焼抑制体は前記凹部の内面に設けられていることを特徴とする請求項2記載のヒューズ装置。
  4. 一対の前記消弧体の前記基体の表面はそれぞれ前記凹部に連なる平坦面を備え、
    一対の前記基体それぞれの平坦面同士が当接していることを特徴とする請求項3記載のヒューズ装置。
  5. 前記燃焼抑制体は気孔を含み、該気孔の体積が、前記基体に近い基体側領域よりも前記エレメントに近いエレメント側領域により多いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヒューズ装置。
  6. 請求項1〜5に記載のヒューズ装置と、前記ヒューズエレメントに電気的に接続した電極とを備えたヒューズユニット。
  7. セラミック焼結体からなる基体と、前記基体の表面に設けられた、酸化珪素を主成分とする燃焼抑制体とを備えることを特徴とする消弧体。
  8. 請求項7記載の消弧体の製造方法であって、
    セラミック焼結体からなる基体を準備する工程と、
    前記基体の表面に、酸化珪素を主成分とする粉末と溶媒とが混合されたペーストを塗布する工程と、
    前記基体ともに前記ペーストを焼成して、前記ペーストが焼成されてなる、酸化珪素を主成分とする前記燃焼抑制体を前記基体の表面に形成する工程とを有することを特徴とする消弧体の製造方法。
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