JP2016121930A - 乾き度測定装置及び乾き度測定方法 - Google Patents

乾き度測定装置及び乾き度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾き度を正確に測定可能な乾き度測定装置を提供する。
【解決手段】内部に湿り蒸気を流す検査管21であって、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に厚くなる第1の部分121と、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に薄くなる第2の部分221と、を有する検査管21と、飽和液に向けて、検査管21内部に検査光を照射する検査光発光体11A、11Bと、検査管21の第1の部分121において検査管21内部を透過した検査光を受光する第1の受光素子12Aと、検査管21の第2の部分221において検査管21内部を透過した検査光を受光する第2の受光素子12Bと、第1又は第2の受光素子12A、12Bが受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部301と、を備える乾き度測定装置。
【選択図】図1

Description

本発明は測定技術に係り、乾き度測定装置及び乾き度測定方法に関する。
水は沸点に達した後、水蒸気ガス(気相部分)と、水滴(液相部分)と、が混合した湿り蒸気となる。ここで、湿り蒸気に対する水蒸気ガスの質量比を、「乾き度」という。あるいは、乾き度は、潜熱の比エンタルピに対する、湿り蒸気の比エンタルピと飽和液の比エンタルピとの差の比、としても定義される。
例えば、水蒸気ガスと、水滴と、が半分ずつ存在すれば、乾き度は0.5となる。また、水滴が存在せず、水蒸気ガスのみが存在する場合は、乾き度は1.0となる。熱交換器等において、湿り蒸気が保有する顕熱と、潜熱と、を有効に利用することや、水蒸気タービンにおいて、タービン翼の腐食を防止すること、等の観点から、湿り蒸気の乾き度を1.0に近い状態にすることが望まれている。そのため、乾き度を測定する様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、配管に設けられた圧力調節弁の前後で全エンタルピに変化がないことを利用して、圧力調節弁の前後の湿り蒸気流量及び圧力に基づき、飽和蒸気表を用いて飽和水エンタルピと、飽和蒸気エンタルピと、を求めて、乾き度を算出する技術を開示している。しかし、特許文献1に開示された技術は、測定対象の湿り蒸気を二相状態から気相状態に状態変化させ、さらに測定対象を気相状態で安定化させる必要があるため、乾き度の測定に時間がかかるという問題がある。これに対し、特許文献2は、光学的に乾き度を測定する技術を開示している。
特開平8−312908号公報 特開2013−92457号公報
従来の乾き度測定装置のさらなる改良が望まれている。そこで、本発明は、乾き度を正確に測定可能な乾き度測定装置及び乾き度測定方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の第1の態様は、(a)内部に湿り蒸気を流す検査管であって、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に厚くなる第1の部分と、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に薄くなる第2の部分と、を有する検査管と、(b)飽和液に向けて、検査管内部に検査光を照射する検査光発光体と、(c)検査管の第1の部分において検査管内部を透過した検査光を受光する第1の受光素子と、(d)検査管の第2の部分において検査管内部を透過した検査光を受光する第2の受光素子と、(e)第1又は第2の受光素子が受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部と、を備える乾き度測定装置であることを要旨とする。
本発明の第1の態様において、第1の受光素子が受光した検査光の強度が、第1の受光素子の測定限界以下である場合、乾き度特定部が、第2の受光素子が受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定してもよい。あるいは、第1の受光素子が受光した検査光の強度が、第1の受光素子の測定限界より大である場合、乾き度特定部が、第1の受光素子が受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定してもよい。
本発明の第1の態様において、重力方向において、検査管の第1の部分が相対的に深く、第2の部分が相対的に浅くてもよい。また、検査管の第2の部分の水平方向の幅が、第1の部分と比して広くてもよい。さらに、検査管の第1の部分の断面積と第2の部分の断面積が同じであってもよい。
本発明の第1の態様において、湿り蒸気の流れ方向に沿って、検査管の第1及び第2の部分が設けられていてもよい。あるいは、湿り蒸気の流れ方向の反対方向に沿って、検査管の第1及び第2の部分が設けられていてもよい。
本発明の第1の態様において、第1及び第2の受光素子の測定限界が同じであってもよい。また、乾き度特定部が、検査管の第1又は第2の部分における湿り蒸気の吸光度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定してもよい。
本発明の第2の態様は、(a)内部に湿り蒸気を流す検査管であって、重力方向において、下方に向かうほど幅が狭くなる検査管と、(b)検査管内部を流れる飽和液に向けて、検査管内部に検査光を照射する検査光発光体と、(c)検査管内部を透過した検査光を受光する受光素子と、(d)受光素子が受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部と、を備える乾き度測定装置であることを要旨とする。
本発明の第2の態様において、検査管の側壁の少なくとも一部に段が設けられており、当該段によって、検査管の幅が下方に向かうほど狭くなっていてもよい。あるいは、検査管の側壁の少なくとも一部が傾斜しており、当該傾斜によって、検査管の幅が下方に向かうほど狭くなっていてもよい。
本発明の第2の態様において、検査管の上流に接続されている配管と比して、検査管の最も幅が狭い部分の幅が、配管の最も幅が狭い部分の幅よりも狭くてもよい。また、検査管の上流に接続されている配管と比して、検査管の最も幅が広い部分の幅が、配管の最も幅が広い部分の幅よりも広くてもよい。
本発明の第2の態様において、検査管の上流に接続されている配管と比して、重力方向において、検査管の最も深い部分の深さが、配管の最も深い部分の深さよりも長くてもよい。
本発明の第2の態様において、乾き度特定部が、湿り蒸気の吸光度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定してもよい。
本発明の第3の態様は、(a)内部に湿り蒸気を流す第1及び第2の検査管であって、内部を流れる飽和液の厚みが同一条件下で相対的に厚くなる第1の検査管と、相対的に薄くなる第2の検査管と、を用意することと、(b)第1の検査管内部を流れる飽和液に向けて、第1の検査管内部に検査光を照射することと、(c)第1の検査管内部を透過した検査光を受光素子で受光することと、(d)受光した検査光の強度が受光素子の測定限界以下である場合、第2の検査管内部を流れる飽和液に向けて、第2の検査管内部に検査光を照射することと、(e)第2の検査管内部を透過した検査光を受光し、当該検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定することと、を含む、乾き度測定方法であることを要旨とする。
本発明の第3の態様において、受光した検査光の強度が受光素子の測定限界以下である場合、第1の検査管を第2の検査管に交換することを更に含んでいてもよい。
本発明の第3の態様において、第2の検査管の水平方向の幅が、第1の検査管と比して広くてもよい。また、第1の検査管と第2の検査管の断面積が同じであってもよい。
本発明の第3の態様において、第2の検査管を流れる湿り蒸気の吸光度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定してもよい。
本発明の第4の態様は、(a)内部に湿り蒸気を流す第1及び第2の検査管であって、内部を流れる飽和液の厚みが同一条件下で相対的に厚くなる第1の検査管と、相対的に薄くなる第2の検査管と、を用意することと、(b)第2の検査管内部を流れる飽和液に向けて、第2の検査管内部に検査光を照射することと、(c)第2の検査管内部を透過した検査光を受光素子で受光することと、(d)第2の検査管内部を透過した検査光の受光強度から特定される湿り蒸気の乾き度の分解能が所定の分解能より低い場合、第1の検査管内部を流れる飽和液に向けて、第1の検査管内部に検査光を照射することと、(e)第1の検査管内部を透過した検査光を受光し、当該検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定することと、を含む、乾き度測定方法であることを要旨とする。
本発明の第4の態様において、第2の検査管内部を透過した検査光の受光強度から特定される湿り蒸気の乾き度の分解能が所定の分解能より低い場合、第2の検査管を第1の検査管に交換することを更に含んでいてもよい。
本発明の第4の態様において、第2の検査管の水平方向の幅が、第1の検査管と比して広くてもよい。また、第1の検査管と第2の検査管の断面積が同じであってもよい。
本発明の第4の態様において、第1の検査管を流れる湿り蒸気の吸光度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定してもよい。
本発明によれば、乾き度を正確に測定可能な乾き度測定装置及び乾き度測定方法を提供可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る乾き度測定装置の模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管の第1の部分と第2の部分を示す上面図及び断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る管内の飽和液による層状流と波状流を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る標準大気圧における水の状態変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る飽和蒸気と飽和液の吸光スペクトルを示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る飽和蒸気と飽和液の吸光スペクトルと、乾き度の関係と、を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る飽和蒸気と飽和液の吸光スペクトルと、乾き度の関係と、を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管と、検査管の上流の配管の模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管と、検査管の上流の配管の模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管と、検査管の上流の配管の模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管と、検査管の上流の配管の模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管と、検査管の上流の配管の模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置の検査管と、検査管の上流の配管の模式的断面図である。 本発明の第3及び第4の実施の形態に係る第1及び第2の検査管の模式的断面図である。 本発明の第3及び第4の実施の形態に係る第1の検査管の模式的断面図である。 本発明の第3及び第4の実施の形態に係る第2の検査管の模式的断面図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る乾き度測定装置は、図1に示すように、内部に湿り蒸気を流す検査管21であって、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に厚くなる第1の部分121と、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に薄くなる第2の部分221と、を有する検査管21と、飽和液に向けて、検査管21内部に検査光を照射する検査光発光体11A、11Bと、検査管21の第1の部分121において検査管21内部を透過した検査光を受光する第1の受光素子12Aと、検査管21の第2の部分221において検査管21内部を透過した検査光を受光する第2の受光素子12Bと、第1又は第2の受光素子12A、12Bが受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部301と、を備える。
図1及び図2に示す検査管21には、例えば湿り蒸気(飽和蒸気と、飽和液と、が合わさったもの)が通過する。検査管21の第1の部分121において、内部を流れる飽和液の図3に示すような層状流又は波状流の厚みが相対的に厚くなり、検査管21の第2の部分221において、内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが相対的に薄くなる。ただし、図1及び図2に示す検査管21の第1及び第2の部分121、221において、飽和蒸気と、飽和液と、の比率に変化は生じない。
重力方向において、検査管21の第1の部分121は相対的に深く、検査管21の第2の部分221は相対的に浅くてもよい。また、検査管21内部を流れる湿り蒸気の流れ方向に対向して見た場合、検査管21の第1の部分121の断面積と、第2の部分221の断面積が、同じであってもよい。例えば、第1の部分121が相対的に深い分、第1の部分121の水平方向の横幅が狭く、第2の部分221が相対的に浅い分、第2の部分221の水平方向の横幅が広くてもよい。これにより、検査管21内部の流速が一定となる。
検査管21の第1及び第2の部分121、221は、検査管21内部を流れる湿り蒸気の流れ方向に沿って設けられていてもよいし、湿り蒸気の流れ方向の反対方向に沿って設けられていてもよい。
図4に示すように、標準大気圧下においては、水は沸点(100℃)に達した後、液滴としての水と、蒸気と、が混合し、共存態にある湿り蒸気となる。圧力が一定の場合、湿り蒸気は加熱及び冷却により潜熱が変化するため、飽和温度は一定となる。ここで、下記(1)で与えられるように、湿り蒸気全量に対する、飽和蒸気の質量比を、「乾き度」という。したがって、飽和蒸気の乾き度は1となり、飽和液の乾き度は0となる。
x=mvapor/(mvapor+mwater) (1)
xは乾き度、mvaporは飽和蒸気の質量、mwaterは飽和液の質量を表す。
ここで、飽和蒸気の質量は、飽和蒸気の吸光度に比例する。また、飽和液の質量は、飽和液の吸光度に比例する。そのため、上記(1)式から下記(2)式が導かれる。
x=mvapor/(mvapor+mwater
=avapor/(avapor+k×awater) (2)
vaporは飽和蒸気の吸光度、awaterは飽和液の吸光度、kは下記(3)式で与えられるモル吸光係数比を表す。
k=evapor/ewater (3)
vaporは飽和蒸気の吸光係数、ewaterは飽和液の吸光係数を表す。
湿り蒸気の吸光度Aは、下記(4)式で与えられるように、飽和蒸気の吸光度と、飽和液の吸光度と、の和で与えられる。
A=avapor+awater (4)
また、湿り蒸気の吸光度は、下記(5)式で与えられるように、湿り蒸気を透過する前の光の光強度に対する、湿り上記を透過した後の光の光強度の比で与えられる。
A=−ln(Isteam1/Isteam0) (5)
steam0は湿り蒸気を透過する前の光の光強度、Isteam1は湿り蒸気を透過した後の光の光強度を表す。
図5に示すように、飽和蒸気と飽和液の吸収スペクトルは異なり、乾き度が変化すると、飽和液の吸収スペクトルが変化する。例えば、乾き度が0から1に向かって変化するにつれて湿り蒸気における飽和液の含有量は減少するので、図6に示すように、飽和液の吸収スペクトルのピーク波長における湿り蒸気の吸光度Aも減少する。飽和液の吸収スペクトルのピークにおける波長は、1880nm付近である。なお、湿り蒸気においては、飽和蒸気の体積が飽和液の体積より非常に大きいため、圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度は一定とみなすことができる。
湿り蒸気の乾き度は、上記(2)式、(4)式及び(5)式から導かれる下記(6)式でも与えられる。
x=1/(1−k+(k/avapor)×A) (6)
モル吸光係数比kは定数である。上述したように、飽和蒸気の吸光度avaporは一定圧力下では一定とみなせるため、飽和蒸気の吸光度avaporは湿り蒸気の圧力から導くことができる。そのため、湿り蒸気の吸光度Aを測定することにより、(6)式から湿り蒸気の乾き度xを算出することが可能である。
図1に示す検査光発光体11A、11Bは、飽和溶液によって吸収される波長帯域を含む検査光を発する。検査光は、例えば、波長領域800ないし2500nmの近赤外光である。図7に示すように、検査光は、飽和液の吸収スペクトルのピーク波長を中心波長としてもよい。当該波長領域において、飽和蒸気と飽和液の吸収スペクトルは重なりあっている。検査光発光体11A、11Bには、発光ダイオード等が使用可能である。また、検査光発光体11A、11Bは、略同一の特性を有し、略同一の光強度の検査光を発する。
第1の実施の形態に係る乾き度測定装置は、参照光発光体111A、111Bをさらに備える。図7に示すように、参照光発光体111A、111Bは、乾き度の全範囲において、湿り蒸気に吸収されにくい波長帯域の参照光を発する。参照光発光体111A、111Bには、発光ダイオード等が使用可能である。また、参照光発光体111A、111Bは、略同一の特性を有し、略同一の光強度の参照光を発する。
図1に示す検査光発光体11Aには検査光を伝搬する光導波路30Aが接続されており、参照光発光体111Aには参照光を伝搬する光導波路130Aが接続されている。光導波路30Aと光導波路130Aには、合波器14Aが接続されている。合波器14Aには、合波器14Aで合波された検査光と参照光を、検査管21の第1の部分121の内部に伝搬する光導波路31Aが接続されている。
検査光発光体11Bには検査光を伝搬する光導波路30Bが接続されており、参照光発光体111Bには参照光を伝搬する光導波路130Bが接続されている。光導波路30Bと光導波路130Bには、合波器14Bが接続されている。合波器14Bには、合波器14Bで合波された検査光と参照光を、検査管21の第2の部分221の内部に伝搬する光導波路31Bが接続されている。
例えば、光導波路31A、31Bは、検査管21の側壁を貫通している。あるいは、検査管21の側壁にサイトグラス等の光透過性の窓を設け、窓に光導波路31A、31Bを接続してもよい。また、光導波路31A、31Bの端部に、コリメータレンズを配置してもよい。
光導波路30A、31A、130A、30B、31B、131Bには、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Poly(methyl methacrylate))からなるプラスチック光ファイバ、及び石英ガラスからなるガラス光ファイバ等が使用可能であるが、検査光発光体11A、11Bが発した検査光、及び参照光発光体111A、111Bが発した参照光を伝搬可能であれば、これらに限定されない。
検査光は、例えば検査管21の底に向けて、重力方向と略平行に発せられる。ただし、検査光が飽和液の層状流又は波状流を横切ることができれば、検査光の進行方向は特に限定されない。参照光も、例えば検査管21の底に向けて、重力方向と略平行に発せられる。ただし、参照光が飽和液の層状流又は波状流を横切ることができれば、参照光の進行方向は特に限定されない。例えば、重力方向において、発光体と受光素子の配置を逆にしてもよい。
検査光発光体11A、11Bが発した検査光である近赤外光は、検査管21の内部において、湿り蒸気に含まれる飽和液によって吸収される。上述したように、湿り蒸気に含まれる飽和液は、乾き度が0から1に近づくにつれて減少する。したがって、検査管21内部の湿り蒸気の乾き度が0から1に近づくにつれて、湿り蒸気の吸光度は低下する傾向にある。
検査光及び参照光の一部は、検査管21内部の飽和液の層状流又は波状流によって、反射、散乱、及び屈折等される。検査管21の第1の部分121内部における反射、散乱、及び屈折、並びにサイトグラスの汚れ等による検査光の損失は、参照光の損失と略同一である。また、検査管21の第2の部分221内部における反射、散乱、及び屈折、並びにサイトグラスの汚れ等による検査光の損失は、参照光の損失と略同一である。
検査管21には、検査管21の第1の部分121の内部を通過した検査光及び参照光が進入する光導波路32Aと、検査管21の第2の部分221の内部を通過した検査光及び参照光が進入する光導波路32Bと、が接続されている。光導波路32A、32Bの端部は、光導波路31A、31Bの端部とそれぞれ対向している。また、例えば、光導波路32A、32Bは、検査管21の側壁を貫通している。あるいは、検査管21の側壁に光透過性の窓を設け、窓に光導波路32A、32Bを接続してもよい。さらに、光導波路32A、32Bに光を入射させるレンズを配置してもよい。
光導波路32Aは、検査管21の第1の部分121の内部の湿り蒸気を透過した検査光及び参照光を、第1の受光素子12Aに導く。光導波路32Bは、検査管21の第2の部分221の内部の湿り蒸気を透過した検査光及び参照光を、第2の受光素子12Bに導く。第1及び第2の受光素子12A、12Bは、略同一の特性を有し、測定可能な最小光強度を示す測定限界が略同一である。第1及び第2の受光素子12A、12Bには、フォトダイオード等の光強度検出素子が使用可能である。
第1の実施の形態に係る乾き度測定装置は、検査管21内の湿り蒸気の圧力を測定する圧力センサ13をさらに備えていてもよい。ただし、圧力の情報は、検査管21の上流や下流から得てもよい。
第1及び第2の受光素子12A、12B、並びに圧力センサ13には、中央演算処理装置(CPU)300が接続されている。CPU300には、関係記憶部401を含むデータ記憶装置400が接続されている。関係記憶部401は、例えば、上記(6)式のような、湿り蒸気の吸光度と、湿り蒸気の乾き度と、の関係式を保存する。
乾き度特定部301は、CPU300に含まれている。乾き度特定部301は、第1受光素子12Aから、検査管21の第1の部分121内部の湿り蒸気を透過した検査光及び参照光の受光強度の測定値を受信し、第2受光素子12Bから、検査管21の第2の部分221内部の湿り蒸気を透過した検査光及び参照光の受光強度の測定値を受信する。また、乾き度特定部301は、圧力センサ13から、検査管21内の湿り蒸気の圧力の測定値を受信する。
ここで、上述したように、検査管21の第1の部分121において、内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが相対的に厚くなり、検査管21の第2の部分221において、内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが相対的に薄くなる。そのため、検査光発光体11A、11Bが略同一の光強度の検査光を発しても、飽和液の層状流又は波状流によって、第2の部分221と比して、第1の部分121で、検査光がより反射、散乱、及び屈折されることとなる。したがって、第1の部分121を透過した検査光の強度は、第2の部分221を透過した検査光の強度よりも弱くなる。
乾き度特定部301は、第1の受光素子12Aが受光した検査光の強度が、第1の受光素子12Aの測定限界以下であるか否かを判定する。例えば第1の受光素子12Aが受光した検査光の強度がノイズ成分の強度以下である場合、乾き度特定部301は、第1の受光素子12Aが受光した検査光の強度が、第1の受光素子12Aの測定限界以下であると判定する。この場合、乾き度特定部301は、第2の受光素子12Bが受光した検査光の強度に基づき、例えば下記(7)式に従って、検査管21の第2の部分221における湿り蒸気の吸光度A2を特定する。
2=−ln(Isteam2_1/Isteam2_0) (7)
steam2_0は湿り蒸気を透過する前の検査光発光体11Bが発した検査光の光強度を表し、Isteam2_1は湿り蒸気を透過した後の検査光発光体11Bが発した検査光の光強度を表す。湿り蒸気を透過する前の検査光発光体11Bが発した検査光の光強度は、予め測定した定数を用いてもよい。
さらに、乾き度特定部301は、例えば下記(8)式に従って、検査光の吸光度から参照光の吸光度を引き、検査管21の第2の部分221内部における反射、散乱、及び屈折等、並びにサイトグラスの汚れ等による検査光の損失を補正した補正された吸光度A2Cを算出する。
2C=A2−(−ln(Iref2_1/Iref2_0) (8)
ref2_0は湿り蒸気を透過する前の参照光発光体111Bが発した参照光の光強度を表し、Iref2_1は湿り蒸気を透過した後の参照光発光体111Bが発した参照光の光強度を表す。湿り蒸気を透過する前の参照光発光体111Bが発した参照光の光強度は、予め測定した定数を用いてもよい。
また、乾き度特定部301は、圧力センサ13から受信した検査管21内の湿り蒸気の圧力の測定値に基づき、圧力に依存する飽和蒸気の吸光度avaporを算出する。さらに、乾き度特定部301は、例えば上記(6)式に、検査管21の第2の部分221における湿り蒸気の補正された吸光度A2Cの値と、飽和蒸気の吸光度avaporの値と、を代入し、検査管21内の湿り蒸気の乾き度xを算出する。ただし、圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度avaporは一定であるとみなせるため、検査管21内の圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度avaporに定数を用いてもよい。この場合、第1の実施の形態に係る乾き度測定装置は、圧力センサ13を備えていなくてもよい。
例えば第1の受光素子12Aが受光した検査光の強度がノイズ成分の強度よりも大である場合は、乾き度特定部301は、第1の受光素子12Aが受光した検査光の強度が、第1の受光素子12Aの測定限界より大と判定する。この場合、乾き度特定部301は、第1の受光素子12Aが受光した検査光の強度に基づき、例えば下記(9)式に従って、検査管21の第1の部分121における湿り蒸気の吸光度A1を特定する。
1=−ln(Isteam1_1/Isteam1_0) (9)
steam1_0は湿り蒸気を透過する前の検査光発光体11Aが発した検査光の光強度を表し、Isteam1_1は湿り蒸気を透過した後の検査光発光体11Aが発した検査光の光強度を表す。湿り蒸気を透過する前の検査光発光体11Aが発した検査光の光強度は、予め測定した定数を用いてもよい。
また、乾き度特定部301は、例えば下記(10)式に従って、検査光の吸光度から参照光の吸光度を引き、検査管21の第1の部分121内部における反射、散乱、及び屈折等、並びにサイトグラスの汚れ等による検査光の損失を補正した補正された吸光度A1Cを算出する。
1C=A1−(−ln(Iref1_1/Iref1_0) (10)
ref1_0は湿り蒸気を透過する前の参照光発光体111Aが発した参照光の光強度を表し、Iref1_1は湿り蒸気を透過した後の参照光発光体111Aが発した参照光の光強度を表す。湿り蒸気を透過する前の参照光発光体111Aが発した参照光の光強度は、予め測定した定数を用いてもよい。
さらに、乾き度特定部301は、例えば上記(6)式に、検査管21の第1の部分121における湿り蒸気の補正された吸光度A1Cの値と、飽和蒸気の吸光度avaporの値と、を代入し、検査管21内の湿り蒸気の乾き度xを算出する。ただし、上述したように、圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度avaporは一定であるとみなせるため、検査管21内の圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度avaporに定数を用いてもよい。
CPU300には、さらに入力装置321、出力装置322、プログラム記憶装置323、及び一時記憶装置324が接続される。入力装置321としては、スイッチ及びキーボード等が使用可能である。関係記憶部401に保存される関係式は、例えば、入力装置321を用いて入力される。出力装置322としては、光インジケータ、デジタルインジケータ、及び液晶表示装置等が使用可能である。出力装置322は、例えば、乾き度特定部301が特定した検査管21内部の湿り蒸気の乾き度の値を表示する。プログラム記憶装置323は、CPU300に接続された装置間のデータ送受信等をCPU300に実行させるためのプログラムを保存している。一時記憶装置324は、CPU300の演算過程でのデータを一時的に保存する。
以上説明した第1の実施の形態に係る乾き度測定装置によれば、検査管21の第1の部分121において、湿り蒸気の飽和液の含有量が多くなる乾き度0付近であり、内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが厚くて、検査光の損失が大きい場合、内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが薄くなる第2の部分221において、検査管21内部を流れる湿り蒸気の乾き度を測定することが可能となる。
また、乾き度1付近で、第1の部分121の内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが問題とならない場合は、検査光の光路長が第2の部分221より長い第1の部分121で湿り蒸気を透過した検査光の強度を測定することにより、湿り蒸気の乾き度を高い感度で測定することが可能となる。
したがって、第1の実施の形態に係る乾き度測定装置によれば、従来測定が困難である0付近の乾き度を測定することが可能となると共に、1付近の乾き度を高い分解能で測定することが可能となる。
なお、単一の検査光発光体を用意し、単一の検査光発光体から発せられた検査光を分波して、管21の第1及び第2の部分121、221に検査光を照射してもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る乾き度測定装置は、図8及び図9に示すように、内部に湿り蒸気を流す検査管21であって、重力方向において、下方に向かうほど幅が狭くなる検査管21と、検査管21内部を流れる飽和液に向けて、検査管21内部に検査光を照射する検査光発光体11と、検査管21内部を透過した検査光を受光する受光素子12と、受光素子12が受光した検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部301と、を備える。
検査管21内部の湿り蒸気の進行方向に対向して見た断面図である図9に示すように、検査管21の側壁の少なくとも一部に段が設けられており、当該段によって、検査管21の幅が下方に向かうほど狭くなっている。これにより、図10に示すように、検査管21の上流に接続されている配管22と比して、検査管21の最も幅が狭い部分の幅WDBが、配管22の最も幅が狭い部分の幅WRよりも狭くなっている。なお、段の数は特に限定されない。
また、検査管21の上流に接続されている配管22と比して、検査管21の最も幅が広い部分の幅WDTが、配管22の最も幅が広い部分の幅WRよりも広くなっていてもよい。さらに、図11に示すように、検査管21の上流に接続されている配管22と比して、重力方向において、検査管21の最も深い部分の深さDDが、配管22の最も深い部分の深さDRよりも長くてもよい。
第2の実施の形態に係る乾き度測定装置は、図8及び図9に示す参照光発光体111をさらに備える。
検査光発光体11には検査光を伝搬する光導波路30が接続されており、参照光発光体111には参照光を伝搬する光導波路130が接続されている。光導波路30と光導波路130には、合波器14が接続されている。合波器14には、合波器14で合波された検査光と参照光を、検査管21の内部に伝搬する光導波路31が接続されている。
検査光発光体11は、光導波路31等を介して、検査管21の底に向けて、飽和溶液によって吸収される波長帯域を含む検査光を重力方向と略平行に発する。なお、検査光が飽和液の層状流又は波状流を横切ることができれば、検査光の進行方向は特に限定されない。
参照光発光体111は、光導波路31等を介して、検査管21の底に向けて、飽和溶液によって吸収されない波長帯域を含む参照光を重力方向と略平行に発する。なお、参照光が飽和液の層状流又は波状流を横切ることができれば、参照光の進行方向は特に限定されない。
検査管21には、検査管21内部を通過した検査光及び参照光が進入する光導波路32が接続されている。光導波路32の端部は、光導波路31の端部と対向している。光導波路32は、検査管21内部の湿り蒸気を透過した検査光及び参照光を、受光素子12に導く。
第1の実施の形態に係る乾き度測定装置は、検査管21内の湿り蒸気の圧力を測定する圧力センサ13をさらに備える。
受光素子12、及び圧力センサ13には、中央演算処理装置(CPU)300が接続されている。CPU300には、関係記憶部401を含むデータ記憶装置400が接続されている。関係記憶部401は、例えば、上記(6)式のような、湿り蒸気の吸光度と、湿り蒸気の乾き度と、の関係式を保存する。
乾き度特定部301は、CPU300に含まれている。乾き度特定部301は、受光素子12から、検査管21内部の湿り蒸気を透過した検査光及び参照光の受光強度の測定値を受信する。また、乾き度特定部301は、圧力センサ13から、検査管21内の湿り蒸気の圧力の測定値を受信する。
乾き度特定部301は、受光素子12が受光した検査光の強度に基づき、例えば下記(11)式に従って、検査管21内部における湿り蒸気の吸光度Aを特定する。
A=−ln(Isteam1/Isteam0) (11)
steam0は湿り蒸気を透過する前の検査光発光体11が発した検査光の光強度を表し、Isteam1は湿り蒸気を透過した後の検査光発光体11が発した検査光の光強度を表す。湿り蒸気を透過する前の検査光発光体11が発した検査光の光強度は、予め測定した定数を用いてもよい。
さらに、乾き度特定部301は、例えば下記(12)式に従って、検査管内部における反射、散乱、及び屈折等、並びにサイトグラスの汚れ等による検査光の損失を補正した補正された吸光度ACを算出する。
C=A−(−ln(Iref1/Iref0) (12)
ref0は湿り蒸気を透過する前の参照光発光体111が発した参照光の光強度を表し、Iref1は湿り蒸気を透過した後の参照光発光体111が発した参照光の光強度を表す。湿り蒸気を透過する前の参照光発光体111が発した参照光の光強度は、予め測定した定数を用いてもよい。
また、乾き度特定部301は、圧力センサ13から受信した検査管21内の湿り蒸気の圧力の測定値に基づき、圧力に依存する飽和蒸気の吸光度avaporを算出する。さらに、乾き度特定部301は、例えば上記(6)式に、検査管21内部における湿り蒸気の補正された吸光度ACの値と、飽和蒸気の吸光度avaporの値と、を代入し、検査管21内の湿り蒸気の乾き度xを算出する。ただし、圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度avaporは一定であるとみなせるため、検査管21内の圧力が一定であれば、飽和蒸気の吸光度avaporには定数を用いてもよい。
第2の実施の形態に係る乾き度測定装置によれば、図12に示すように、検査管21の最も幅が狭い部分の幅WDBを、検査管21の上流に接続されている配管22の最も幅が狭い部分の幅WRよりも狭くすることにより、乾き度が1付近で、配管22内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが薄い場合に、検査管21内部においては飽和液の層状流又は波状流の厚みを厚くすることが可能となる。そのため、乾き度1付近において、高い感度で、湿り蒸気の乾き度を測定することが可能となる。
また、図13に示すように、検査管21の最も幅が広い部分の幅WDTを、検査管21の上流に接続されている配管22の最も幅が広い部分の幅WRよりも広くすることにより、乾き度が0付近で、配管22内部を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚みが厚い場合に、検査管21内部においては飽和液の層状流又は波状流の厚みを薄くすることが可能となる。そのため、乾き度0付近において、飽和液の層状流又は波状流による検査光の損失を抑制することが可能となる。
なお、図10においては、検査管21の側壁の少なくとも一部に段が設けることにより、検査管21の幅を下方に向かうほど狭くする例を示したが、図14に示すように、検査管21の側壁の少なくとも一部を傾斜させ、当該傾斜によって、検査管21の幅が下方に向かうほど狭くなるようにしてもよい。あるいは、図15に示すように、検査管21の側壁の少なくとも一部を曲線状にし、当該曲線状の側壁によって、検査管21の幅が下方に向かうほど狭くなるようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る乾き度測定方法は、図16に示すように、内部に湿り蒸気を流す第1及び第2の検査管23、24であって、内部を流れる飽和液の厚みが同一条件下で相対的に厚くなる第1の検査管23と、相対的に薄くなる第2の検査管24と、を用意することと、第1の検査管23を、湿り蒸気が流れる配管に接続することと、図17に示すように、第1の検査管23内部を流れる飽和液に向けて、検査光発光体11から第1の検査管23内部に検査光を照射することと、第1の検査管23内部を透過した検査光を受光素子12で受光することと、を含む。
例えば、図16に示すように、第2の検査管24の水平方向の幅W2が、第1の検査管23の水平方向の幅W1と比して広いため、内部を流れる飽和液の厚みが、同一条件下で、第1の検査管23において相対的に厚くなり、第2の検査管24において相対的に薄くなる。また、例えば、第1の検査管23と第2の検査管24の断面積が同じであってもよい。第1及び第2の検査管23、24のいずれを通しても、湿り蒸気における飽和蒸気と、飽和液と、の比率に変化は生じない。
本発明の第3の実施の形態に係る乾き度測定方法は、さらに、受光した検査光の強度が受光素子の測定限界以下である場合、配管に接続された第1の検査管23を取り外して、第2の検査管24を配管に接続することと、図18に示すように、第2の検査管24内部を流れる飽和液に向けて、検査光発光体11から第2の検査管24内部に検査光を照射することと、第2の検査管24内部を透過した検査光を受光素子12で受光し、当該検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定することと、を含む。
検査光の強度に基づき、第2の検査管24内部の湿り蒸気の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づき、第2の検査管24内部の湿り蒸気の乾き度を求める方法は、第1及び第2の実施の形態で説明したとおりである。第3の実施の形態に係る乾き度測定方法によれば、配管を流れる飽和液の層状流又は波状流の厚さによる検査光の損失を抑制することが可能となる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る乾き度測定方法は、図16に示すように、内部に湿り蒸気を流す第1及び第2の検査管23、24であって、内部を流れる飽和液の厚みが同一条件下で相対的に厚くなる第1の検査管23と、相対的に薄くなる第2の検査管24と、を用意することと、第2の検査管24を、湿り蒸気が流れる配管に接続することと、図18に示すように、第2の検査管24内部を流れる飽和液に向けて、検査光発光体11から第2の検査管24内部に検査光を照射することと、第2の検査管24内部を透過した検査光を受光素子12で受光することと、を含む。
例えば、図16に示すように、第2の検査管24の水平方向の幅W2が、第1の検査管23の水平方向の幅W1と比して広いため、内部を流れる飽和液の厚みが、同一条件下で、第1の検査管23において相対的に厚くなり、第2の検査管24において相対的に薄くなる。また、例えば、第1の検査管23と第2の検査管24の断面積が同じであってもよい。第1及び第2の検査管23、24のいずれを通しても、湿り蒸気における飽和蒸気と、飽和液と、の比率に変化は生じない。
本発明の第4の実施の形態に係る乾き度測定方法は、さらに、第2の検査管24内部を透過した検査光の受光強度から特定される湿り蒸気の乾き度の分解能が所定の分解能より低い場合、配管に接続された第2の検査管24を取り外して、第1の検査管23を配管に接続することと、図17に示すように、第1の検査管23内部を流れる飽和液に向けて、検査光発光体11から第1の検査管23内部に検査光を照射することと、第1の検査管23内部を透過した検査光を受光素子12で受光し、当該検査光の強度に基づき、湿り蒸気の乾き度を特定することと、を含む。
所定の分解能は、使用者が任意に設定すればよい。例えば、所定の分解能は、第1の検査管23内部を透過した検査光の受光強度から特定される湿り蒸気の乾き度の分解能であってもよい。検査光の強度に基づき、第1の検査管23内部の湿り蒸気の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づき、第1の検査管23内部の湿り蒸気の乾き度を求める方法は、第1及び第2の実施の形態で説明したとおりである。第4の実施の形態に係る乾き度測定方法によれば、乾き度1付近において、第2の検査管24よりも検査光の光路長が長くなる第1の検査管23を用いることにより、高い精度で湿り蒸気の乾き度を測定することが可能となる。
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、受光素子による受光強度と、湿り蒸気の乾き度と、の関係は、ボイラ等で湿り蒸気を加熱しながら、従来の乾き度測定方法で湿り蒸気の乾き度を測定し、あわせて湿り蒸気を透過した検査光の強度を測定することによって、予め取得してもよい。従来、種々の乾き度測定方法があるが、関係を取得する際には、それらのいずれかを単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。また、受光素子による受光強度と、湿り蒸気の乾き度と、の関係は、表として保存されてもよい。
さらに、発光体及び受光素子を検査管の側壁に配置し、光導波路を省略してもよい。またさらに、発光体と、受光素子と、の両方を、検査管に対して並列に配置してもよい。この場合、発光体及び受光素子と対向する検査管内部の側壁に、反射板が配置される。発光体から発せられた光は、検査管内部を進行し、反射板で反射され、受光素子で受光される。ここで、発光体から発せられた検査光の角度は、検査管に設けられた光透過性の窓で検査光が全反射する臨界角以下、及び検査管内部の飽和液の層状流又は波状流表面で検査光が全反射する臨界角以下であれば、特に限定されない。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
本発明の実施の形態に係る乾き度測定装置は、減圧弁による潜熱増加効果の可視化、最適ボイラ効率を得るための乾き度計測、水蒸気タービンの湿り損失計測、熱効果器の最適乾き度制御、製麺蒸し工程等の食品製造工程の制御、及び化学工程の制御等に利用可能である。
11 検査光発光体
11A 第1の検査光発光体
11B 第2の検査光発光体
12 受光素子
12A 第1の受光素子
12B 第2の受光素子
13 圧力センサ
14、14A、14B 合波器
21 検査管
22 配管
23 第1の検査管
24 第2の検査管
30、30A、30B、31、31A、31B、32、32A、32B、130、130A、130B 光導波路
111 参照光発光体
111A 第1の参照光発光体
111B 第2の参照光発光体
121 第1の部分
221 第2の部分
300 中央演算処理装置
301 乾き度特定部
321 入力装置
322 出力装置
323 プログラム記憶装置
324 一時記憶装置
400 データ記憶装置
401 関係記憶部

Claims (27)

  1. 内部に湿り蒸気を流す検査管であって、内部を流れる飽和液の厚みが相対的に厚くなる第1の部分と、内部を流れる前記飽和液の厚みが相対的に薄くなる第2の部分と、を有する検査管と、
    前記飽和液に向けて、前記検査管内部に検査光を照射する検査光発光体と、
    前記検査管の第1の部分において前記検査管内部を透過した前記検査光を受光する第1の受光素子と、
    前記検査管の第2の部分において前記検査管内部を透過した前記検査光を受光する第2の受光素子と、
    前記第1又は第2の受光素子が受光した前記検査光の強度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部と、
    を備える乾き度測定装置。
  2. 前記第1の受光素子が受光した前記検査光の強度が、前記第1の受光素子の測定限界以下である場合、前記乾き度特定部が、前記第2の受光素子が受光した前記検査光の強度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する、請求項1に記載の乾き度測定装置。
  3. 前記第1の受光素子が受光した前記検査光の強度が、前記第1の受光素子の測定限界より大である場合、前記乾き度特定部が、前記第1の受光素子が受光した前記検査光の強度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する、請求項1に記載の乾き度測定装置。
  4. 重力方向において、前記検査管の第1の部分が相対的に深く、前記第2の部分が相対的に浅い、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  5. 前記検査管の第2の部分の水平方向の幅が、前記第1の部分と比して広い、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  6. 前記検査管の第1の部分の断面積と前記第2の部分の断面積が同じである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  7. 前記湿り蒸気の流れ方向に沿って、前記検査管の第1及び第2の部分が設けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  8. 前記湿り蒸気の流れ方向の反対方向に沿って、前記検査管の第1及び第2の部分が設けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  9. 前記第1及び第2の受光素子の測定限界が同じである、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  10. 前記乾き度特定部が、前記検査管の第1又は第2の部分における前記湿り蒸気の吸光度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  11. 内部に湿り蒸気を流す検査管であって、重力方向において、下方に向かうほど幅が狭くなる検査管と、
    前記検査管内部を流れる飽和液に向けて、前記検査管内部に検査光を照射する検査光発光体と、
    前記検査管内部を透過した前記検査光を受光する受光素子と、
    前記受光素子が受光した前記検査光の強度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する乾き度特定部と、
    を備える乾き度測定装置。
  12. 前記検査管の側壁の少なくとも一部に段が設けられており、当該段によって、前記検査管の幅が下方に向かうほど狭くなる、請求項11に記載の乾き度測定装置。
  13. 前記検査管の側壁の少なくとも一部が傾斜しており、当該傾斜によって、前記検査管の幅が下方に向かうほど狭くなる、請求項11に記載の乾き度測定装置。
  14. 前記検査管の上流に接続されている配管と比して、前記検査管の最も幅が狭い部分の幅が、前記配管の最も幅が狭い部分の幅よりも狭い、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  15. 前記検査管の上流に接続されている配管と比して、前記検査管の最も幅が広い部分の幅が、前記配管の最も幅が広い部分の幅よりも広い、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  16. 前記検査管の上流に接続されている配管と比して、前記重力方向において、前記検査管の最も深い部分の深さが、前記配管の最も深い部分の深さよりも長い、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  17. 前記乾き度特定部が、前記湿り蒸気の吸光度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する、請求項11ないし16のいずれか1項に記載の乾き度測定装置。
  18. 内部に湿り蒸気を流す第1及び第2の検査管であって、内部を流れる飽和液の厚みが同一条件下で相対的に厚くなる第1の検査管と、相対的に薄くなる第2の検査管と、を用意することと、
    前記第1の検査管内部を流れる飽和液に向けて、前記第1の検査管内部に検査光を照射することと、
    前記第1の検査管内部を透過した前記検査光を受光素子で受光することと、
    前記受光した検査光の強度が前記受光素子の測定限界以下である場合、前記第2の検査管内部を流れる飽和液に向けて、前記第2の検査管内部に検査光を照射することと、
    前記第2の検査管内部を透過した前記検査光を受光し、当該検査光の強度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定することと、
    を含む、乾き度測定方法。
  19. 前記受光した検査光の強度が前記受光素子の測定限界以下である場合、前記第1の検査管を前記第2の検査管に交換することを更に含む、請求項18に記載の乾き度測定方法。
  20. 前記第2の検査管の水平方向の幅が、前記第1の検査管と比して広い、請求項18又は19に記載の乾き度測定方法。
  21. 前記第1の検査管と前記第2の検査管の断面積が同じである、請求項18ないし20のいずれか1項に記載の乾き度測定方法。
  22. 前記第2の検査管を流れる前記湿り蒸気の吸光度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する、請求項18ないし21のいずれか1項に記載の乾き度測定方法。
  23. 内部に湿り蒸気を流す第1及び第2の検査管であって、内部を流れる飽和液の厚みが同一条件下で相対的に厚くなる第1の検査管と、相対的に薄くなる第2の検査管と、を用意することと、
    前記第2の検査管内部を流れる飽和液に向けて、前記第2の検査管内部に検査光を照射することと、
    前記第2の検査管内部を透過した前記検査光を受光素子で受光することと、
    前記第2の検査管内部を透過した前記検査光の受光強度から特定される前記湿り蒸気の乾き度の分解能が所定の分解能より低い場合、前記第1の検査管内部を流れる飽和液に向けて、前記第1の検査管内部に検査光を照射することと、
    前記第1の検査管内部を透過した前記検査光を受光し、当該検査光の強度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定することと、
    を含む、乾き度測定方法。
  24. 前記第2の検査管内部を透過した前記検査光の受光強度から特定される前記湿り蒸気の乾き度の分解能が所定の分解能より低い場合、前記第2の検査管を前記第1の検査管に交換することを更に含む、請求項23に記載の乾き度測定方法。
  25. 前記第2の検査管の水平方向の幅が、前記第1の検査管と比して広い、請求項23又は24に記載の乾き度測定方法。
  26. 前記第1の検査管と前記第2の検査管の断面積が同じである、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の乾き度測定方法。
  27. 前記第1の検査管を流れる前記湿り蒸気の吸光度に基づき、前記湿り蒸気の乾き度を特定する、請求項23ないし26のいずれか1項に記載の乾き度測定方法。
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