JP5968241B2 - 乾き度測定装置及び乾き度測定方法 - Google Patents

乾き度測定装置及び乾き度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は湿り蒸気の測定技術に係り、乾き度測定装置及び乾き度測定方法に関する。
水は沸点に達した後、水蒸気ガス(気相部分:飽和蒸気)と、水滴(液相部分:飽和水)と、が混合した湿り蒸気となる。ここで、湿り蒸気に対する水蒸気ガスの重量比を、「乾き度」という。例えば、水蒸気ガスと、水滴と、が半分ずつ存在すれば、乾き度は0.5となる。また、水滴が存在せず、水蒸気ガスのみが存在する場合は、乾き度は1.0となる。熱交換器等において、湿り蒸気が保有する顕熱と、潜熱と、を有効に利用することや、水蒸気タービンにおいて、タービン翼の腐食を防止すること、等の観点から、湿り蒸気の乾き度を1.0に近い状態にすることが望まれている。そのため、乾き度を測定する様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、配管に設けられた圧力調節弁の前後で全エンタルピーに変化がないことを利用して、圧力調節弁の前後の湿り蒸気流量及び圧力に基づき、飽和蒸気表を用いて飽和水エンタルピーと飽和蒸気エンタルピーとを求めて、乾き度を算出する技術を開示している。
特開平8−312908号公報
しかし、特許文献1に開示された技術は、湿り蒸気の流量及び圧力を検出するセンサの時定数が長く、また、測定対象の湿り蒸気を二相状態から気相状態に状態変化させ、さらに測定対象を気相状態で安定化させる必要があるため、乾き度の測定に時間がかかるという問題があった。このため、湿り状態が定常状態にあるときの乾き度を測定することは可能であったが、湿り蒸気が安定するまでの過渡状態にあるときの乾き度測定には適さなかった。
そこで、本発明は、湿り蒸気が過渡状態である場合でも乾き度を測定することを目的の1つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する実施形態に示す解決原理を有する解決手段を得ることも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
本願発明者は、湿り蒸気が安定していない過渡状態において乾き度を測定する技術を鋭意研究したところ、湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度のばらつきと湿り蒸気の乾き度とが強い相関関係を有するという知見を得て、この相関関係を利用した乾き度の測定技術を発明するに至った。具体的には、上記課題を解決するために、本発明は以下の構成要件を備えるものである。
(1−1)本発明の乾き度測定装置は、測定対象の湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度のばらつき量を測定するばらつき量測定部と、前記光の強度または吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定する乾き度測定部と、を備えている。
(1−2)また本発明の乾き度測定方法は、湿り蒸気に光を照射することと、前記湿り蒸気を透過した光を受光することと、前記光の強度または吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定することと、を含む。
本発明は、所望により、以下の構成を備えていてもよい。
(2)上記発明において、前記湿り蒸気の圧力を計測する圧力計測部を備え、前記相関関係は、前記湿り蒸気の圧力に対応した前記光の強度または吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係であり、前記乾き度測定部は、計測された前記湿り蒸気の圧力に対応する前記相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定する。
(3)上記発明において、前記湿り蒸気の温度を計測する温度計測部を備え、前記相関関係は、前記湿り蒸気の温度に対応した前記光の強度または前記吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係であり、前記乾き度測定部は、計測された前記湿り蒸気の温度に対応する前記相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定する。
(4)上記発明において、前記測定対象の湿り蒸気に光を照射する発光部と、前記湿り蒸気を透過した光を受光する受光部と、受光した前記光の強度を計測する光強度計測部と、前記光の強度または前記吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係を記憶する相関関係記憶部と、をさらに備え、前記ばらつき量測定部は、前記光の強度または前記吸光度のばらつき量を測定し、前記乾き度測定部は、測定された前記光の強度または前記吸光度のばらつき量を参照値として前記相関関係記憶部に格納された前記相関関係を参照し、前記湿り蒸気の乾き度を測定する。
本発明によれば、光の強度または吸光度のばらつき量と乾き度の相関関係に基づき、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を測定可能である。
本発明の実施形態1に係る乾き度測定装置の模式図。 時間に応じて変化する、湿り蒸気を透過する光の強度の標準偏差と、それに対応する湿り蒸気の乾き度を示すとの相関関係を示す図。 本発明の実施形態1に係る湿り蒸気の乾き度と光の強度の標準偏差との相関関係を示す図。 湿り蒸気の液相部分が比較的多い場合の管路断面の模式図。 湿り蒸気の液相部分が比較的少ない場合の管路断面の模式図。 本発明の実施形態2に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態2に係る湿り蒸気の圧力と乾き度と光の強度の標準偏差との相関関係を示す図。 本発明の実施形態3に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態3に係る湿り蒸気の温度と乾き度と光の強度の標準偏差との相関関係を示す図。 本発明の実施形態4に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態4に係る湿り蒸気の乾き度と吸光度の標準偏差との相関関係を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
(定義)
本明細書で使用する主たる用語を以下のとおりに定義する。
「蒸気」:各実施形態では、水蒸気のことを意味するが、気相部分と液相部分との二相状態となる物質の蒸気であればよく、水蒸気に限定されない。
「乾き度」:蒸気中の気相部分と液相部分との重量割合のことをいう。乾き度[%]=100[%]−湿り度[%]の関係がある。
「湿り蒸気」:乾き度χが0−100[%]の蒸気をいう。
「飽和蒸気」:湿り蒸気の気相部分をいう。乾き飽和蒸気(飽和乾き蒸気)ともいう。
「飽和水」:湿り蒸気の液相部分をいう。
「光の強度」(光強度):光(電磁波)の強さを表す物理量をいい、その称呼や単位に限定はない。例えば、放射強度、光度、光量子束密度など、それぞれ単位が異なるが相互に換算可能な物理量である。
「吸光度」:光が湿り蒸気中を通過した際に光の強度がどの程度弱まるかを示す無次元量であり、光学密度ともいう。吸光度といっても光の吸収のみならず、散乱や反射により光の強度が弱まる場合も含む。
「ばらつき量」:母集団となる光の強度または吸光度の測定値の差異を定量化した値であり限定はないが、本実施形態では、母集団の分散の平方根で表される「標準偏差」で表すものとする。
(原理説明)
まず本発明の原理を、図2−図5を参照しながら説明する。
上述したように、本願発明者は、湿り蒸気が安定していない過渡状態において乾き度を測定する技術を鋭意研究し、湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度のばらつきと湿り蒸気の乾き度とが強い相関関係を有するという知見を得るに至った。
湿り蒸気がパイプ(配管)を流れると、湿り蒸気の液相部分(飽和水)と気相部分(飽和蒸気)とが湿り蒸気の流速に応じてパイプ内で偏在するようになる。このようなパイプの側壁に光の透過路を設け、湿り蒸気の流通方向に交差する横方向から光を透過させ、湿り蒸気を透過する光の強度を測定したところ、光の強度のばらつき量がパイプ内部の湿り蒸気の乾き度と強い相関関係を有することを発見するに至った。
図2は、時間に応じて変化する、湿り蒸気を透過する光の強度の標準偏差と、それに対応する湿り蒸気の乾き度を示すとの相関関係を示す図である。図2において、特性f1は、標準偏差である。当該標準偏差は、所定の単位期間、例えば約300msecごとに連続100サンプルを取得して、合計約30秒間の期間を1単位として標準偏差を計算し、湿り蒸気を透過した光の強度のばらつき量としてプロットしたものである。図2に示されるように、光の強度のばらつき量(標準偏差)は、パイプ内部の湿り蒸気の状態に依存して刻一刻と変動する。一方、図2の特性f2は、同じ時間軸について、パイプ内部の湿り蒸気の乾き度を測定してプロットしたものである。
光の強度のばらつき量に係る特性f1と湿り蒸気の乾き度に係る特性f2とを比べると、光の強度のばらつき量が多い(標準偏差が大きい)ほど、湿り蒸気の乾き度が小さく、光の強度のばらつき量が少ない(標準偏差が小さい)ほど、湿り蒸気の乾き度が大きくなることが判る。また光の強度のばらつき量の変化に対応する湿り蒸気の乾き度の変化は、対応しているように見える。
そこで、湿り蒸気の乾き度と光の強度のばらつき量との関係を調べるために、これら2つのパラメータを直交軸にプロットすると、図3に示されるような関係があることが判った。
図3は、湿り蒸気の乾き度と光の強度の標準偏差との相関関係を示す図である。図3では、乾き度に対する光強度のばらつき量(標準偏差)に係る特性f1が点の集合で示され、この光強度のばらつき量に係る特性f1を直線近似した特性f2が直線で示されている。図3に示すように、湿り蒸気の乾き度が下がると光の強度のばらつき量(標準偏差)が大きくなり、湿り蒸気の乾き度が上がると光の強度のばらつき量が小さくなるという関係にあることが示されており、湿り蒸気の乾き度は、湿り蒸気を透過した光の強度のばらつき量と線形的な一次相関関係があることが判明した。
なお、図3では、湿り蒸気の乾き度と光の強度のばらつき量との間に一次相関関係があることが示されているが、これに限らない。湿り蒸気の状態や光の検出方法等の測定条件によって、一次相関とは異なる相関関係を有することも考えられる。本発明は、湿り蒸気の乾き度と光の強度のばらつき量との関係が、実験等で確認可能な一定の相関関係(例えば、多次相関、指数対数的相関等)を有していれば、適用することが可能である。
この現象は、湿り蒸気の乾き度が上昇し、湿り蒸気のうち液相部分(飽和水)の量が増えると光の強度のばらつき量が増え、湿り蒸気の乾き度が下降し、湿り蒸気のうち液相部分の量が減少すると光の強度のばらつき量が減るということであり、図4および図5のようなモデルから理解することができる。
図4は湿り蒸気の液相部分が比較的多い場合のパイプ(管路)断面の模式図であり、図5は湿り蒸気の液相部分が比較的少ない場合のパイプ(管路)断面の模式図である。図4および図5に示すように、湿り蒸気がある程度の速さで流れている場合、湿り蒸気のうちの液相部分(飽和水)は、パイプ20の内壁に沿って流れ、パイプ20の軸芯近くに集まって流れるようになる。
ここで、図4に示すように、湿り蒸気の液相部分が比較的多くなると、すなわち湿り蒸気の乾き度が低くなると、パイプ20の内壁面に形成される液相部分の厚み(内壁面から見た高さ)が大きくなる。液相部分の厚みが大きくなると、図4に示されるように、液相部分の表面が相対的に大きく波打つようになって、液相部分の高さの最大値hmaxと最小値hminとの差も大きくなる。このような状態の湿り蒸気にパイプ20の直径方向から光を照射した場合、湿り蒸気を透過する光の強度は、液相部分の高さに対応して変化するため、液相部分の高さの最大値hmaxと最小値hminとの差が大きいと、それに連れて光の強度のばらつき量も大きくなると考えられる。
一方、図5に示すように、湿り蒸気の液相部分が比較的少なくなると、すなわち湿り蒸気の乾き度が高くなると、パイプ20の内壁面に形成される液相部分の厚みが小さくなる。液相部分の厚みが小さくなると、図5に示されるように、液相部分の表面に生ずる波が小さくなって、液相部分の高さの最大値hmaxと最小値hminとの差が小さくなる。このような状態の湿り蒸気をパイプ20の直径方向から透過する光の強度は、比較的小さな液相部分の高さの最大値hmaxと最小値hminとの差に対応したものとなり、光の強度のばらつき量が小さくなると考えられる。
なお、図4および図5で示した断面図は、現象を理解するための簡略したモデルにすぎず、これらの図に限定されるものではない。パイプを流れる湿り蒸気の相状態はその流速や乾き度、温度や圧力によって種々に変化するものである。湿り蒸気の相状態がどのように変動しても、湿り蒸気の乾き度と光の強度のばらつき量との間に相関関係があるものと理解すべきである。
また、湿り蒸気の相状態は、一般に、湿り蒸気の圧力に影響を受けるものであるため、湿り蒸気の圧力に応じて、光の強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との相関関係も影響を受けると考えられる。
さらに、湿り蒸気の相状態は、一般に、湿り蒸気の温度にも影響を受けるものであるため、湿り蒸気の温度に応じて、光の強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との相関関係も影響を受けると考えられる。
さらにまた、上記説明では、湿り蒸気を透過した光の強度と湿り蒸気の乾き度との関係に言及したが、湿り蒸気により光は吸収、反射、散乱させられるため、光の強度が変化するのに対応して、吸光度も変化する。よって、吸光度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との間にも、上記同様の相関関係があるものと考えるべきである。
以下、上記原理に鑑み本願発明者が鋭意考案した本発明の実施形態を説明する。実施形態1では、湿り蒸気の圧力および温度の影響を考慮しなくてよい状況における光の強度のばらつき量に基づく乾き度測定装置を説明する。実施形態2では、湿り蒸気の圧力を考慮する場合における乾き度測定装置を説明する。実施形態3では、湿り蒸気の温度を考慮する場合における乾き度測定装置を説明する。実施形態4では、吸光度のばらつき量に基づく乾き度測定装置を説明する。
(実施形態1)
本実施形態1は、湿り蒸気を透過した光の強度のばらつきと乾き度との相関関係に基づいて乾き度を測定する乾き度測定装置に関する。特に本実施形態1は、湿り蒸気の圧力および温度の影響を考慮しなくてよい場合、例えば、湿り蒸気の圧力および温度とも、光の強度のばらつき量に大きな影響を与えないような条件で実施される乾き度測定について説明する。
(構成)
図1に、本実施形態1における乾き度測定装置1の構成を示す。図1に示すように、実施形態1に係る乾き度測定装置1は、測定対象の湿り蒸気を透過した光の強度に基づいて湿り蒸気の乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、ばらつき量測定部101、乾き度測定部102、および記憶装置200を備えて構成される。
上記の構成のうち、発光部11および受光部12については、湿り蒸気を透過する光の強度に対応する物理量を出力可能であれば、任意の構成が適用可能であるため、オプショナルな構成である。
また、上記した構成要素のうち、ばらつき量測定部101および乾き度測定部102は、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである。コンピュータ装置100は、例示として、入力装置104、出力装置106、プログラム記憶装置108、一時記憶装置110、および記憶装置200を備える。
入力装置104は、オペレータが所定の指示を操作する入力手段である。入力装置104の一例としては、スイッチ及びキーボード等が使用可能である。出力装置106は、オペレータに対しコンピュータ装置100の処理結果を示す出力手段である。出力装置106の一例としては、光インジケータ、デジタルインジケータ、及び液晶表示装置等が使用可能である。出力装置106は、例えば、乾き度測定部102が算出したパイプ20内部の湿り蒸気の乾き度χ等を表示する。プログラム記憶装置108は、コンピュータ装置100を上記機能ブロックとして機能させるためのソフトウェアプログラムを格納するメモリである。一時記憶装置110は、コンピュータ装置100がソフトウェアプログラムを実行するに際に一時的にデータを記憶するメモリである。
記憶装置200は、コンピュータ装置100から参照可能に接続されているメモリであり、相関関係記憶部201を備える。相関係記憶部201は、乾き度測定部102が演算処理を実行するにあたり必要な、光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納する記憶領域である。相関関係記憶部201は、後述する関係式で代替可能であり、よってオプショナルな構成であるといえる。
発光部11は、所定の波長の光を射出する発光手段である。例えば、発光部11としては、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、半導体レーザ、レーザ発振器、蛍光放電管、低圧水銀灯、キセノンランプ、及び電球等が使用可能である。
発光部11には、光導波路21を接続してもよい。光導波路21は、パイプ20の側壁を貫通して設けられたり、パイプ20の側壁に設けられた光透過性の窓に接続されたりする。例えば、光導波路21により伝搬された光は、光導波路21の端部からパイプ20の内部に進入する。光導波路21には、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Poly(methyl methacrylate))からなるプラスチック光ファイバ、及び石英ガラスからなるガラス光ファイバ等が使用可能であるが、発光部11が発した光を伝搬可能であれば、これに限定されない。
パイプ20は、測定対象となる湿り蒸気が流通する配管である。パイプ20には、上記した光導波路21から照射され、パイプ20の内部の湿り蒸気を通過した光が進入する光導波路22を接続してもよい。光導波路22は、パイプ20の側壁を貫通して設けられたり、パイプ20の側壁に設けられた光透過性の窓に接続されたりする。光導波路22の端部は、パイプ20の径方向で光導波路21の端部と対向している。光導波路22は、パイプ20の内部の湿り蒸気を透過した光を受光部12に導くことが可能に構成されている。
受光部12は、パイプ20内の湿り蒸気を透過した光を受ける受光手段である。例えば、受光部12としては、には、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の光電変換素子を使用可能である。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に応じた受光信号Sdを出力する。
なお、パイプ20の側壁に光導波路21を設けずに発光部11を接近させて設けてもよく、パイプ20の側壁に光導波路22を設けずに受光部12を接近させて設けてもよい。また図1では、発光部11と受光部12とが対向して設けられているが、この代わりに、発光部と受光部との双方が一体化された発光受光素子を用いてもよい。発光受光素子を用いる場合、発光受光素子と対向するパイプの側壁に反射板を配置してもよい。発光受光素子から発せられた光は、パイプ内部を進行し、反射板で反射され、再びパイプ内を進行して発光受光素子に受光される。さらに、発光部11および受光部12に代えて、公知の分光計など、光の強度に対応する出力が得られる分光計等の光学的計測機器を適用することも可能である。
ばらつき量測定部101は、測定対象の湿り蒸気を透過した光の強度のばらつき量を測定する測定手段である。具体的には、ばらつき量測定部101は、受光部12から受光信号Sdを入力し、所定の間隔で所定のサンプル数だけ、例えば、300msec間隔で100サンプルだけ、受光信号Sdが示す光の強度をサンプリングし、そのサンプル数分の光の強度の標準偏差を、光の強度のばらつき量σとして算出する。このサンプリング間隔およびサンプル数は、乾き度測定部102が参照する光の強度のばらつき量と乾き度との相関関係の測定時と同じか、または、対応関係にある必要がある。
乾き度測定部102は、記憶装置200の相関関係記憶部201に記憶された光の強度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを測定する測定手段である。具体的には、乾き度測定部102は、ばらつき量測定部101が測定したばらつき量σを参照値として、記憶装置20の相関関係記憶部201を参照し、ばらつき値σ(標準偏差)に対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201には、例えば、図3に示すような、光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係がデータテーブルとして格納される。この相関関係は、当該乾き度測定装置1が想定している湿り蒸気について、予め規定された圧力と温度における、光強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との関係を示すものである。
なお、光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(1)のような関係式として記述することもできる。光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図3に示したような一次相関関係であれば、式(1)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(σ) …(1)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度測定部102は、光の強度のばらつき量σを式(1)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態1の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11から光導波路21を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にある光導波路22に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
ばらつき量測定部101は、受光信号Sdを参照して、予め規定されたサンプルの間隔およびサンプル数の光の強度からばらつき量(標準偏差)σを演算する。もしも、乾き度測定部102が参照する光の強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との相関関係を示すデータテーブルまたは関係式を作成した時のサンプルの間隔および/またはサンプル数が異なる場合には、所定の変換演算をしてばらつき量σを演算する。
次いで、乾き度測定部102は、演算されたばらつき量σを参照値として記憶装置200の相関関係記憶部201を参照するか、上記式(1)のような関係式に基づく演算をして、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態1によれば、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを演算可能なので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
(実施形態2)
上記実施形態1は、湿り蒸気の圧力および温度の影響を考慮しなくてよい場合における乾き度測定装置を説明したが、本実施形態2では、湿り蒸気の圧力を考慮する場合における乾き度測定装置に関する。
(構成)
図6に、本実施形態2における乾き度測定装置1bの構成を示す。図6に示すように、実施形態2に係る乾き度測定装置1bは、測定対象の湿り蒸気の圧力に対応した、湿り蒸気の光の強度のばらつき量に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、ばらつき量測定部101、乾き度測定部102b、および相関関係記憶部201bを含む記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態2では、さらに圧力センサ23を備えている。圧力センサ23は、パイプ20に配置されており、パイプ20内部の湿り蒸気の圧力pを計測して圧力信号Spとしてコンピュータ装置100に出力する。
上記の構成のうち、発光部11、受光部12、および相関関係記憶部201bがオプショナルな構成であり、ばらつき量測定部101および乾き度測定部102bが、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである点は、上記実施形態1と同じである。
本実施形態2では、記憶装置200の相関関係記憶部201bが、湿り蒸気の圧力pに対応した光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度測定部102bが、相関関係記憶部201bに記憶された、湿り蒸気の圧力に対応した光の強度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを測定する点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成については、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
具体的には、乾き度測定部102bは、圧力センサ23が検出した湿り蒸気の圧力pを示す圧力信号Sp、および、ばらつき量測定部101が測定したばらつき量σを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201bを参照し、当該圧力pに対応した相関関係からばらつき値σ(標準偏差)に対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201bには、例えば、図7に示すような、湿り蒸気の圧力pの大きさに対応させた光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係fp1〜fp4がデータテーブルとして格納される。この相関関係fp1〜fp4は、当該乾き度測定装置1bが想定している湿り蒸気について、湿り蒸気の圧力ごとに光強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との関係を例示したものである。
なお、湿り蒸気の圧力pに対応した光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(2)のような関係式として記述することもできる。圧力pごとの光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図7に示したような一次相関関係であれば、式(2)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(σ、p) …(2)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度測定部102bは、湿り蒸気の圧力pに対応した光の強度のばらつき量σを式(2)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態2の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11から光導波路21を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にある光導波路22に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
また圧力センサ23は、パイプ20内を流れる湿り蒸気の圧力pを計測して圧力信号Spとしてコンピュータ装置100に出力する。
ばらつき量測定部101は、受光信号Sdを参照して、予め規定されたサンプルの間隔およびサンプル数の光の強度からばらつき量(標準偏差)σを演算する。もしも、乾き度測定部102が参照する光の強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との相関関係を示すデータテーブルまたは関係式を作成した時のサンプルの間隔および/またはサンプル数が異なる場合には、所定の変換演算をしてばらつき量σを演算する。
次いで、乾き度測定部102bは、計測された湿り蒸気の圧力p、および、演算されたばらつき量σを参照値として相関関係記憶部201bを参照するか、上記式(2)のような関係式に基づいて演算し、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態2によれば、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを演算可能なので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
特に本実施形態2によれば、湿り蒸気の圧力pに対応して用意された光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を用いるので、湿り蒸気の圧力が乾き度に影響を与えるような条件下でも正確な湿り蒸気の乾き度を測定可能である。
(実施形態3)
上記実施形態2では、湿り蒸気の圧力を考慮したが、本実施形態3では、湿り蒸気の温度を考慮する場合における乾き度測定装置に関する。
(構成)
図8に、本実施形態3における乾き度測定装置1cの構成を示す。図8に示すように、実施形態3に係る乾き度測定装置1cは、測定対象の湿り蒸気の温度に対応した、湿り蒸気の光の強度のばらつき量に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、ばらつき量測定部101、乾き度測定部102c、および相関関係記憶部201cを含む記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態3では、さらに温度センサ24を備えている。温度センサ24は、パイプ20に配置されており、パイプ20内部の湿り蒸気の温度tを計測して温度信号Stとしてコンピュータ装置100に出力する。
上記の構成のうち、発光部11、受光部12、および相関関係記憶部201cがオプショナルな構成であり、ばらつき量測定部101および乾き度測定部102cが、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである点は、上記実施形態1と同じである。
本実施形態3では、記憶装置200の相関関係記憶部201cが、湿り蒸気の温度tに対応した光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度測定部102cが、相関関係記憶部201cに記憶された、湿り蒸気の温度に対応した光の強度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを測定する点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成については、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
具体的には、乾き度測定部102cは、温度センサ24が検出した湿り蒸気の温度tを示す温度信号St、および、ばらつき量測定部101が測定したばらつき量σを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201cを参照し、当該温度tに対応した相関関係からばらつき値σ(標準偏差)に対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201cには、例えば、図9に示すような、湿り蒸気の温度tの大きさに対応させた光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係ft1〜ft4がデータテーブルとして格納される。この相関関係ft1〜ft4は、当該乾き度測定装置1が想定している湿り蒸気について、湿り蒸気の温度ごとに光強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との関係を示すものである。
なお、湿り蒸気の温度tに対応した光の強度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(3)のような関係式として記述することもできる。温度tごとの光の強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図9に示したような一次相関関係であれば、式(3)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(σ、t) …(3)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度測定部102cは、湿り蒸気の温度tに対応した光の強度のばらつき量σを式(3)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態3の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11から光導波路21を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にある光導波路22に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
また温度センサ24は、パイプ20内を流れる湿り蒸気の温度tを計測して温度信号Stとしてコンピュータ装置100に出力する。
ばらつき量測定部101は、受光信号Sdを参照して、予め規定されたサンプルの間隔およびサンプル数の光の強度からばらつき量(標準偏差)σを演算する。もしも、乾き度測定部102が参照する光の強度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との相関関係を示すデータテーブルまたは関係式を作成した時のサンプルの間隔および/またはサンプル数が異なる場合には、所定の変換演算をしてばらつき量σを演算する。
次いで、乾き度測定部102cは、計測された湿り蒸気の温度t、および、演算されたばらつき量σを参照値として相関関係記憶部201cを参照するか、上記式(3)のような関係式に基づいて演算し、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態3によれば、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを演算可能なので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
特に本実施形態3によれば、湿り蒸気の温度tに対応して用意された光の強度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を用いるので、湿り蒸気の温度が乾き度に影響を与えるような条件下でも正確な湿り蒸気の乾き度を測定可能である。
(実施形態4)
上記実施形態1〜実施形態3は、光の強度のばらつき量に基づいて湿り蒸気の乾き度を計測していたが、本実施形態4では、吸光度のばらつき量に基づいて湿り蒸気の乾き度を計測する乾き度測定装置に関する。
(構成)
図10に、本実施形態4における乾き度測定装置1dの構成を示す。図10に示すように、本実施形態4に係る乾き度測定装置1dは、湿り蒸気の吸光度のばらつき量に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、分光光度計13、ばらつき量測定部101b、乾き度測定部102d、および記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態4では、まず受光部12に代えて分光光度計13を備える点で、上記実施形態と異なる。分光光度計13は、湿り蒸気を透過した光の強度に基づき吸光度を計測する計測手段であり、その構成に限定はない。
また、ばらつき量測定部101bは、吸光度のばらつき量σを測定し、記憶装置200の相関関係記憶部201dが吸光度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度測定部102dが、相関関係記憶部201dに記憶された、吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを測定する点で、上記実施形態1と異なる。
なお、上記の構成のうち、ばらつき量測定部101bおよび乾き度測定部102dが、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである点は、上記実施形態1と同じである。
具体的に、分光光度計13は、湿り蒸気を透過する光の強度に基づいて、吸光度を演算し、吸光度信号Saとして出力する。ここで、吸光度Aは、入射光強度をI0、受光した光の強度をIとすると、式(4)のように定義される。

吸光度A=−log10(I/I0) …(4)

以上より、湿り蒸気を透過する光の強度を計測できれば、一義的に吸光度Aが特定される。したがって、コンピュータ装置100が上記実施形態1〜3のように光の強度を含む受光信号Sdを入力し、式(4)に基づいて吸光度Aを計算するように構成してもよい。
ばらつき量測定部101bは、分光光度計13から吸光度信号Saを入力し、所定の間隔で所定のサンプル数だけ、例えば、300msec間隔で100サンプルだけ、吸光度信号Saが示す吸光度をサンプリングし、そのサンプル数分の吸光度の標準偏差を、吸光度のばらつき量σとして算出する。
乾き度測定部102dは、ばらつき量測定部101bが測定した吸光度のばらつき量σを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201dを参照し、吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係から、吸光度のばらつき値σ(標準偏差)に対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201dには、例えば、図11に示すような、吸光度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係f3がデータテーブルとして格納される。吸光度のばらつき量σ(標準偏差)と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係についても、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(5)のような関係式として記述することもできる。吸光度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図11に示したような一次相関関係であれば、式(5)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=g(σ) …(5)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度測定部102dは、吸光度のばらつき量σを式(5)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態4の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11から光導波路21を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にある光導波路22に入射して伝播し、分光光度計13にて受光される。分光光度計13は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した吸光度を示す吸光度信号Saを出力する。
ばらつき量測定部101bは、吸光度信号Saを参照して、予め規定されたサンプルの間隔およびサンプル数の吸光度からばらつき量(標準偏差)σを演算する。もしも、乾き度測定部102dが参照する吸光度のばらつき量と湿り蒸気の乾き度との相関関係を示すデータテーブルまたは関係式を作成した時のサンプルの間隔および/またはサンプル数が異なる場合には、所定の変換演算をしてばらつき量σを演算する。
次いで、乾き度測定部102dは、演算された吸光度のばらつき量σを参照値として相関関係記憶部201dを参照するか、上記式(5)のような関係式に基づいて演算し、吸光度のばらつき量に対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態4によれば、湿り蒸気の相状態に影響を受けない吸光度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを演算可能なので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
(その他の変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。
(1)例えば、上記実施形態2および上記実施形態3において、上記実施形態4に記載されているように、吸光度のばらつき量と湿り蒸気の圧力pまたは/および温度tに基づき、湿り蒸気の乾き度χを測定するように構成してもよい。すなわち、測定された圧力pや温度tごとの吸光度のばらつき量σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係をデータテーブルとして相関関係記憶部201に格納しておき適宜読み出して出力するか、式(6)で記述して演算することが可能である。

乾き度χ=g(σ、p、t) …(6)
(2)また、本発明は、上記実施形態2と実施形態3とを組み合わせて実施することも可能である。すなわち、圧力pおよび温度tの双方に対応させて、光の強度のばらつき量と乾き度との相関関係を保持するように乾き度測定装置を構成してもよい。そして、湿り蒸気の圧力pと温度tとをともに計測し、計測された圧力pおよび温度tに対応した相関関係を記録したデータテーブルを相関関係記憶部201から適宜読み出して出力するか、式(7)で記述して演算することが可能である。

乾き度χ=f(σ、p、t) …(7)
(3)また、上述した実施形態では、いずれも、湿り蒸気の一例として水蒸気を挙げたが、これに限らず、2相流の冷媒の熱量を測定する場合にも上述した各実施形態は適用可能である。
本願発明によれば、湿り蒸気の乾き度を測定できるようになるから、過渡状態における乾き度に基づき制御を行うようなシステムやプラントに適用可能である。
さらに本発明は、重厚長大産業分野に適用することが可能である。この分野においては、蒸気タービン出口の湿り蒸気の乾き度が発電効率に左右されることから、タービン出口の乾き度を蒸気の安定を待つことなくリアルタイムに計測(蒸気タービンの湿り損失計測)することで、負荷に応じたタービン入口の流量制御が可能であり、熱量ロスを軽減することができる。
11 発光部
12 受光部
13 分光光度計
20 パイプ(配管)
21、22 光導波路
100 コンピュータ装置
101 ばらつき測定部
102 乾き度測定部
104 入力装置
106 出力装置
108 プログラム記憶装置
110 一時記憶装置
200 記憶装置
201 相関関係記憶部

Claims (5)

  1. 測定対象の湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度のばらつき量を測定するばらつき量測定部と、
    前記光の強度または吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定する乾き度測定部と、を備えた、
    乾き度測定装置。
  2. 前記湿り蒸気の圧力を計測する圧力計測部をさらに備え、
    前記相関関係は、前記湿り蒸気の圧力に対応した前記光の強度または前記吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係であり、
    前記乾き度測定部は、計測された前記湿り蒸気の圧力に対応する前記相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定する、
    請求項1に記載の乾き度測定装置。
  3. 前記湿り蒸気の温度を計測する温度計測部をさらに備え、
    前記相関関係は、前記湿り蒸気の温度に対応した前記光の強度または前記吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係であり、
    前記乾き度測定部は、計測された前記湿り蒸気の温度に対応する前記相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定する、
    請求項1または2に記載の乾き度測定装置。
  4. 前記測定対象の湿り蒸気に光を照射する発光部と、
    前記湿り蒸気を透過した光を受ける受光部と、
    受けた前記光の強度を計測する光強度計測部と、
    前記光の強度または前記吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係を記憶する相関関係記憶部と、
    をさらに備え、
    前記ばらつき量測定部は、前記光の強度または前記吸光度のばらつき量を測定し、
    前記乾き度測定部は、測定された前記光の強度または前記吸光度のばらつき量を参照値として前記相関関係記憶部に格納された前記相関関係を参照し、前記湿り蒸気の乾き度を測定する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乾き度測定装置。
  5. 湿り蒸気に光を照射することと、
    前記湿り蒸気を透過した光を受光することと、
    前記光の強度または吸光度のばらつき量と乾き度との相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を測定することと、を含む、
    乾き度測定方法。
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