JP2015232520A - 乾き度測定装置 - Google Patents

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Shiko Tanabe
志功 田邉
康博 五所尾
Yasuhiro Goshoo
康博 五所尾
義一 西野
Giichi Nishino
義一 西野
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Abstract

【課題】サイトグラスが高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラスの表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することを課題とする。
【解決手段】乾き度測定装置1は、測定対象の湿り蒸気の測定部21、22に介設されたサイトグラス31、32と、湿り蒸気を透過した光の強度Aまたは吸光度Bの測定値と、湿り蒸気の乾き度χと、の関係に基づき、湿り蒸気の乾き度χの値を特定する乾き度特定部101と、を備える。サイトグラス31、32は、少なくとも湿り蒸気との接触面がサファイアガラスで形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は湿り蒸気の測定技術に係り、乾き度測定装置に関する。
水は沸点に達した後、水蒸気ガス(気相部分:飽和蒸気)と、水滴(液相部分:飽和水)と、が混合した湿り蒸気となる。ここで、湿り蒸気に対する水蒸気ガスの重量比を、「乾き度」という。例えば、水蒸気ガスと、水滴と、が半分ずつ存在すれば、乾き度は0.5となる。また、水滴が存在せず、水蒸気ガスのみが存在する場合は、乾き度は1.0となる。熱交換器等において、湿り蒸気が保有する顕熱と、潜熱と、を有効に利用することや、水蒸気タービンにおいて、タービン翼の腐食を防止すること、等の観点から、湿り蒸気の乾き度を1.0に近い状態にすることが望まれている。そのため、乾き度を測定する様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、配管に設けられた圧力調節弁の前後で全エンタルピーに変化がないことを利用して、圧力調節弁の前後の湿り蒸気流量及び圧力に基づき、飽和蒸気表を用いて飽和水エンタルピーと飽和蒸気エンタルピーとを求めて、乾き度を算出する技術を開示している。
しかし、特許文献1に開示された技術は、湿り蒸気の流量及び圧力を検出するセンサの時定数が長く、また、測定対象の湿り蒸気を二相状態から気相状態に状態変化させ、さらに測定対象を気相状態で安定化させる必要があるため、乾き度の測定に時間がかかるという問題があった。このため、湿り状態が定常状態にあるときの乾き度を測定することは可能であったが、湿り蒸気が安定するまでの過渡状態にあるときの乾き度測定には適さなかった。
そこで、湿り蒸気が過渡状態である場合でも乾き度を測定することを目的として、本出願人は、特許文献2を提案した。特許文献2は、湿り蒸気に光を照射する発光体と、湿り蒸気を透過した光を受光する受光素子と、湿り蒸気の温度又は圧力を測定する環境センサと、湿り蒸気を透過した光の強度と、湿り蒸気の乾き度と、の関係を、温度又は圧力毎に保存する関係記憶部と、受光素子による光の強度の測定値と、環境センサによる温度又は圧力の測定値と、上記関係と、に基づき、湿り蒸気の乾き度の値を特定する乾き度特定部と、を備える乾き度測定装置を開示している。
特開平8−312908号公報 特開2013−92457号公報
ところで、従来、配管には、当該配管内部を流通する流体を観察するためのサイトグラスが介設されている。また、特許文献2のように、湿り蒸気の乾き度を光学的に測定する場合にも、湿り蒸気の測定部にサイトグラスが介設される。従来のサイトグラスは、パイレックス(登録商標)や石英などの耐圧性および耐熱性に比較的優れた材質で形成されていた。
しかし、サイトグラスが高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されると、次第にサイトグラスの表面が侵食され、いわゆる「白焼け」という現象が発生していた。サイトグラスの表面に白焼けが生じると、光強度の測定精度が悪くなるので、乾き度の測定精度が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、サイトグラスが高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラスの表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる乾き度測定装置の提供を目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成要件を備えるものである。
(1)本発明に係る乾き度測定装置は、(a)測定対象の湿り蒸気の測定部に介設されたサイトグラスと、(b)上記湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度の測定値と、上記湿り蒸気の乾き度と、の関係に基づき、上記湿り蒸気の乾き度の値を特定する乾き度特定部と、を備え、上記サイトグラスは、少なくとも上記湿り蒸気との接触面がサファイアガラスで形成されている。
本発明は、所望により、以下の構成を備えていてもよい。
(2)上記発明において、(c)上記湿り蒸気の圧力を計測する圧力計測部と、(d)上記乾き度特定部で特定した上記湿り蒸気の乾き度の値を補正する乾き度補正部と、をさらに備え、上記乾き度補正部は、計測された前記湿り蒸気の圧力に対応する前記相関関係に基づいて上記湿り蒸気の乾き度を特定する。
(3)上記発明において、(e)上記湿り蒸気の温度を計測する温度計測部と、(f)上記乾き度特定部で特定した上記湿り蒸気の乾き度の値を補正する乾き度補正部と、をさらに備え、上記乾き度補正部は、計測された上記湿り蒸気の温度に対応する上記相関関係に基づいて上記湿り蒸気の乾き度を特定する。
(4)上記発明において、(g)上記湿り蒸気の流速を計測する流速計測部と、(h)上記乾き度特定部で特定した上記湿り蒸気の乾き度の値を補正する乾き度補正部と、をさらに備え、上記乾き度補正部は、特定した上記湿り蒸気の乾き度の値を流速変化に対応する補正値により補正演算する。
(5)上記発明において、(i)上記透光性部材を介して、上記湿り蒸気に光を照射する発光部と、(j)上記透光性部材を介して、上記湿り蒸気を透過した光を受ける受光部と、(k)前記湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度と、前記湿り蒸気の乾き度と、の関係を保存する関係記憶部と、をさらに備える。
本発明によれば、サイトグラスが高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラスの表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる。
本発明の実施形態1に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態2における蒸気使用前後の透過光強度の変化率を示す図。 本発明の実施形態2に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態2における湿り蒸気の圧力と乾き度と光の強度との相関関係を示す図。 本発明の実施形態3に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態3における湿り蒸気の温度と乾き度と光の強度との相関関係を示す図。 本発明の実施形態4に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態5に係る乾き度測定装置の模式図。 本発明の実施形態5における湿り蒸気の乾き度と吸光度との相関関係を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
(定義)
本明細書で使用する主たる用語を以下のとおりに定義する。
「蒸気」:各実施形態では、水蒸気のことを意味するが、気相部分と液相部分との二相状態となる物質の蒸気であればよく、水蒸気に限定されない。
「乾き度」:蒸気中の気相部分と液相部分との重量割合のことをいう。乾き度[%]=100[%]−湿り度[%]の関係がある。
「湿り蒸気」:乾き度χが0−100[%]の蒸気をいう。
「光の強度」(光強度):光(電磁波)の強さを表す物理量をいい、その称呼や単位に限定はない。例えば、放射強度、光度、光量子束密度など、それぞれ単位が異なるが相互に換算可能な物理量である。
「吸光度」:光が湿り蒸気中を通過した際に光の強度がどの程度弱まるかを示す無次元量であり、光学密度ともいう。吸光度といっても光の吸収のみならず、散乱や反射により光の強度が弱まる場合も含む。
以下、本発明の実施形態を説明する。実施形態1では、湿り蒸気の圧力、温度および流速の影響を考慮しなくてよい状況における光の強度と乾き度との相関関係に基づく乾き度測定装置を説明する。実施形態2では、湿り蒸気の圧力を考慮する場合における乾き度測定装置を説明する。実施形態3では、湿り蒸気の温度を考慮する場合における乾き度測定装置を説明する。実施形態4では、湿り蒸気の流速を考慮する場合における乾き度測定装置を説明する。
(実施形態1)
本実施形態1は、湿り蒸気を透過した光の強度と乾き度との相関関係に基づいて乾き度を測定する乾き度測定装置に関する。特に本実施形態1は、湿り蒸気の圧力、温度および流速の影響を考慮しなくてよい場合、例えば、湿り蒸気の圧力、温度および流速が光の強度に大きな影響を与えないような条件で実施される乾き度測定について説明する。
(構成)
図1に、本実施形態1における乾き度測定装置1の構成を示す。図1に示すように、実施形態1に係る乾き度測定装置1は、測定対象の湿り蒸気を透過した光の強度に基づいて湿り蒸気の乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、乾き度特定部101、および記憶装置200を備えて構成される。
上記の構成のうち、発光部11および受光部12については、湿り蒸気を透過する光の強度に対応する物理量を出力可能であれば、任意の構成が適用可能であるため、オプショナルな構成である。
上記した構成要素のうち、乾き度特定部101は、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである。コンピュータ装置100は、例示として、入力装置104、出力装置106、プログラム記憶装置108、一時記憶装置110、および記憶装置200を備える。
入力装置104は、オペレータが所定の指示を操作する入力手段である。入力装置104の一例としては、スイッチ及びキーボード等が使用可能である。出力装置106は、オペレータに対しコンピュータ装置100の処理結果を示す出力手段である。出力装置106の一例としては、光インジケータ、デジタルインジケータ、及び液晶表示装置等が使用可能である。出力装置106は、例えば、乾き度特定部101が特定したパイプ20内部の湿り蒸気の乾き度χ等を表示する。プログラム記憶装置108は、コンピュータ装置100を上記機能ブロックとして機能させるためのソフトウェアプログラムを格納するメモリである。一時記憶装置110は、コンピュータ装置100がソフトウェアプログラムを実行するに際に一時的にデータを記憶するメモリである。
記憶装置200は、コンピュータ装置100から参照可能に接続されているメモリであり、相関関係記憶部201を備える。相関係記憶部201は、乾き度特定部101が乾き度を特定するにあたり必要な、光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納する記憶領域である。相関関係記憶部201は、後述する関係式で代替可能であり、よってオプショナルな構成であるといえる。
発光部11は、所定の波長の光を射出する発光手段である。例えば、発光部11としては、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、半導体レーザ、レーザ発振器、蛍光放電管、低圧水銀灯、キセノンランプ、及び電球等が使用可能である。
発光部11は、測定対象の湿り蒸気の測定部21に配設される。具体的には、湿り蒸気の測定部21は、パイプ20にノズル部23を貫通して設けられる。測定対象の湿り蒸気の測定部21には、パイプ20内部を流通する湿り蒸気を観察するためのサイトグラス31が介設される。サイトグラス31は、全体が単体のサファイアガラスで形成されていてもよいが、これに限定されず、少なくとも湿り蒸気との接触面がサファイアガラスで形成されていればよい。良好な光透過性を有すれば、例えば、石英ガラスの表面にサファイアガラスを積層した複合ガラスであっても構わない。ここで、サファイアガラスとは、アルミナ(Al23)に微量の鉄(Fe)やチタニウム(Ti)を加えて、人工的に巨大結晶へと成長させた、耐圧性および耐熱性に優れる光透過性部材である。サイトグラス31により伝搬された光は、サイトグラス31の端部からパイプ20の内部に進入する。
パイプ20は、測定対象となる湿り蒸気が流通する配管である。パイプ20には、上記したサイトグラス31から照射され、パイプ20の内部の湿り蒸気を通過した光が進入する湿り蒸気の測定部22が設けられる。具体的には、湿り蒸気の測定部22は、パイプ20にノズル部24を貫通して設けられる。測定対象の湿り蒸気の測定部22には、サイトグラス32が介設される。サイトグラス32は、全体が単体のサファイアガラスで形成されていてもよいが、これに限定されず、少なくとも湿り蒸気との接触面がサファイアガラスで形成されていればよい。良好な光透過性を有すれば、例えば、石英ガラスの表面にサファイアガラスを積層した複合ガラスであっても構わない。
サイトグラス32の端部は、パイプ20の径方向でサイトグラス31の端部と対向している。サイトグラス32は、パイプ20の内部の湿り蒸気を透過した光を受光部12に導くことが可能に構成されている。
なお、発光部11とサイトグラス31との間、サイトグラス32と受光部12との間には、不図示の光導波路を設けてもよい。光導波路には、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Poly(methyl methacrylate))からなるプラスチック光ファイバ、及び石英ガラスからなるガラス光ファイバ等が使用可能であるが、発光部11が発した光を伝搬可能であれば、これに限定されない。
受光部12は、パイプ20内の湿り蒸気を透過した光を受ける受光手段である。例えば、受光部12としては、には、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の光電変換素子が使用可能である。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に応じた受光信号Sdを出力する。
なお、図1では、発光部11と受光部12とが対向して設けられているが、この代わりに、発光部と受光部との双方が一体化された発光受光素子を用いてもよい。発光受光素子を用いる場合、発光受光素子と対向するパイプの側壁に反射板を配置してもよい。発光受光素子から発せられた光は、パイプ内部を進行し、反射板で反射され、再びパイプ内を進行して発光受光素子に受光される。さらに、発光部11および受光部12に代えて、公知の分光計など、光の強度に対応する出力が得られる分光計等の光学的計測機器を適用することも可能である。
乾き度特定部101は、記憶装置200の相関関係記憶部201に記憶された光の強度と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを特定する手段である。具体的には、乾き度特定部101は、受光部12が測定した光強度Aを参照値として、記憶装置20の相関関係記憶部201を参照し、光強度Aに対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201には、例えば、光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係がデータテーブルとして格納される。この相関関係は、当該乾き度測定装置1が想定している湿り蒸気について、予め規定された圧力と温度における、光強度と湿り蒸気の乾き度との関係を示すものである。
なお、光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(1)のような関係式として記述することもできる。光の強度σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、一次相関関係であれば、式(1)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(A) …(1)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度特定部101は、光の強度Aを式(1)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態1の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11からサイトグラス31を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にあるサイトグラス32に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
乾き度特定部101は、受光部12が測定した光強度Aを参照値として記憶装置200の相関関係記憶部201を参照するか、上記式(1)のような関係式に基づく演算をして、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
サイトグラス31,32は、少なくとも湿り蒸気との接触面が耐圧性および耐熱性に優れたサファイアガラスで形成されている。図2に、石英ガラスとサファイアガラスの蒸気使用前後の透過光強度の変化率を示す。図2に示すように、石英ガラスが湿り蒸気に曝されると、−40.6%まで透過光強度が低下する。これに対し、サファイアガラスが湿り蒸気に曝されると、−0.3%と透過光強度が良好に維持されている。すなわち、石英ガラスには白焼け現象が生じたが、サファイアガラスには白焼け現象が生じていないことが判る。
(効果)
以上説明した実施形態1によれば、サイトグラス31,32の少なくとも湿り蒸気との接触面がサファイアガラスで形成されているので、サイトグラス31,32が高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラス31,32の表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる。したがって、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを測定可能であるので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
(実施形態2)
上記実施形態1は、湿り蒸気の圧力および温度の影響を考慮しなくてよい場合における乾き度測定装置を説明したが、本実施形態2では、湿り蒸気の圧力を考慮する場合における乾き度測定装置に関する。
(構成)
図3に、本実施形態2における乾き度測定装置1bの構成を示す。図3に示すように、実施形態2に係る乾き度測定装置1bは、測定対象の湿り蒸気の圧力に対応した、湿り蒸気の光の強度に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、乾き度特定部101、乾き度補正部102b、および相関関係記憶部201bを含む記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態2では、さらに圧力センサ41を備えている。圧力センサ41は、パイプ20に配置されており、パイプ20内部の湿り蒸気の圧力pを計測して圧力信号Spとしてコンピュータ装置100に出力する。
上記の構成のうち、発光部11、受光部12、および相関関係記憶部201bがオプショナルな構成である。乾き度特定部101および乾き度補正部102bは、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである。
本実施形態2では、記憶装置200の相関関係記憶部201bが、湿り蒸気の圧力pに対応した光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度補正部102bが、相関関係記憶部201bに記憶された、湿り蒸気の圧力に対応した光の強度と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを補正する点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成については、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
具体的には、乾き度補正部102bは、圧力センサ41が検出した湿り蒸気の圧力pを示す圧力信号Sp、および、光強度Aを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201bを参照し、当該圧力pに対応した相関関係から光強度Aに対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201bには、例えば、図4に示すような、湿り蒸気の圧力pの大きさに対応させた光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係fp1〜fp4がデータテーブルとして格納される。この相関関係fp1〜fp4は、当該乾き度測定装置1bが想定している湿り蒸気について、湿り蒸気の圧力ごとに光強度と湿り蒸気の乾き度との関係を例示したものである。
なお、湿り蒸気の圧力pに対応した光の強度σと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(2)のような関係式として記述することもできる。圧力pごとの光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図4に示したような一次相関関係であれば、式(2)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(A、p) …(2)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度補正部102bは、湿り蒸気の圧力pに対応した光の強度Aを式(2)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態2の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11からサイトグラス31を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にあるサイトグラス32に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
また圧力センサ41は、パイプ20内を流れる湿り蒸気の圧力pを計測して圧力信号Spとしてコンピュータ装置100に出力する。
乾き度特定部101は、受光部12の受光信号Sdを参照して、湿り蒸気を透過した光強度Aを特定する。次いで、乾き度特定部102bは、計測された湿り蒸気の圧力p、および、光強度Aを参照値として相関関係記憶部201bを参照するか、上記式(2)のような関係式に基づいて演算し、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態2によれば、上記実施形態1と同様に、サイトグラス31,32が高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラス31,32の表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる。したがって、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを測定可能であるので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
特に本実施形態2によれば、湿り蒸気の圧力pに対応して用意された光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を用いるので、湿り蒸気の圧力が乾き度に影響を与えるような条件下でも正確な湿り蒸気の乾き度を測定可能である。
(実施形態3)
上記実施形態2では、湿り蒸気の圧力を考慮したが、本実施形態3では、湿り蒸気の温度を考慮する場合における乾き度測定装置に関する。
(構成)
図5に、本実施形態3における乾き度測定装置1cの構成を示す。図5に示すように、実施形態3に係る乾き度測定装置1cは、測定対象の湿り蒸気の温度に対応した、湿り蒸気の光の強度に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、乾き度測定部101、乾き度補正部102c、および相関関係記憶部201cを含む記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態3では、さらに温度センサ42を備えている。温度センサ42は、パイプ20に配置されており、パイプ20内部の湿り蒸気の温度tを計測して温度信号Stとしてコンピュータ装置100に出力する。
上記の構成のうち、発光部11、受光部12および相関関係記憶部201cがオプショナルな構成である。乾き度特定部101および乾き度補正部102cは、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである。
本実施形態3では、記憶装置200の相関関係記憶部201cが、湿り蒸気の温度tに対応した光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度補正部102cが、相関関係記憶部201cに記憶された、湿り蒸気の温度に対応した光の強度と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを補正する点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成については、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
具体的には、乾き度補正部102cは、温度センサ42が検出した湿り蒸気の温度tを示す温度信号St、および、光強度Aを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201cを参照し、当該温度tに対応した相関関係から光強度Aに対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201cには、例えば、図6に示すような、湿り蒸気の温度tの大きさに対応させた光の強度と湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係ft1〜ft4がデータテーブルとして格納される。この相関関係ft1〜ft4は、当該乾き度測定装置1bが想定している湿り蒸気について、湿り蒸気の温度ごとに光強度と湿り蒸気の乾き度との関係を示すものである。
なお、湿り蒸気の温度tに対応した光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(3)のような関係式として記述することもできる。温度tごとの光の強度と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図6に示したような一次相関関係であれば、式(3)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(A、t) …(3)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度補正部102cは、湿り蒸気の温度tに対応した光の強度Aを式(3)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態3の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11からサイトグラス31を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にあるサイトグラス32に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
また温度センサ42は、パイプ20内を流れる湿り蒸気の温度tを計測して温度信号Stとしてコンピュータ装置100に出力する。
乾き度特定部101は、受光部12の受光信号Sdを参照して、湿り蒸気を透過した光強度Aを特定する。次いで、乾き度補正部102cは、計測された湿り蒸気の温度t、および、受光部12が測定した光強度Aを参照値として相関関係記憶部201cを参照するか、上記式(3)のような関係式に基づいて演算し、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態3によれば、上記実施形態1と同様に、サイトグラス31,32がより高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラス31,32の表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる。したがって、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを測定可能であるので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
特に本実施形態3によれば、湿り蒸気の温度tに対応して用意された光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を用いるので、湿り蒸気の温度が乾き度に影響を与えるような条件下でも正確な湿り蒸気の乾き度を測定可能である。
(実施形態4)
上記実施形態2では湿り蒸気の圧力を考慮し、上記実施形態3では湿り蒸気の温度を考慮したが、本実施形態4では、湿り蒸気の流速を考慮する場合における乾き度測定装置に関する。
(構成)
図7に、本実施形態4における乾き度測定装置1dの構成を示す。図7に示すように、実施形態4に係る乾き度測定装置1dは、測定対象の湿り蒸気の流速に対応した、湿り蒸気の光の強度に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、受光部12、乾き度測定部101、乾き度補正部102d、および相関関係記憶部201dを含む記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態4では、さらに流速センサ43を備えている。流速センサ43は、パイプ20に配置されており、パイプ20内部の湿り蒸気の流速sを計測して温度信号Ssとしてコンピュータ装置100に出力する。
上記の構成のうち、相関関係記憶部201dがオプショナルな構成であり、乾き度特定部101および乾き度補正部102dが、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである点は、上記実施形態1と同じである。
本実施形態4では、記憶装置200の相関関係記憶部201dが、湿り蒸気の流速sに対応した光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度補正部102dが、相関関係記憶部201dに記憶された、湿り蒸気の流速に対応した光の強度と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを補正する点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成については、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
具体的には、乾き度補正部102dは、流速センサ43が検出した湿り蒸気の流速sを示す温度信号Ss、および、光強度Aを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201dを参照し、当該流速sに対応した相関関係から光強度Aに対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201dには、湿り蒸気の流速sの大きさに対応させた光の強度と湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係fs1〜fs4がデータテーブルとして格納される。この相関関係fs1〜fs4は、当該乾き度測定装置1dが想定している湿り蒸気について、湿り蒸気の温度ごとに光強度と湿り蒸気の乾き度との関係を示すものである。
なお、湿り蒸気の流速sに対応した光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係は、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(4)のような関係式として記述することもできる。流速sごとの光の強度と湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が一次相関関係であれば、式(4)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=f(A、s) …(4)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度補正部102dは、湿り蒸気の流速sに対応した光の強度Aを式(4)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態4の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11からサイトグラス31を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にあるサイトグラス32に入射して伝播し、受光部12にて受光される。受光部12は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した受光信号Sdを出力する。
また流速センサ43は、パイプ20内を流れる湿り蒸気の流速sを計測して流速信号Ssとしてコンピュータ装置100に出力する。
乾き度特定部101は、受光部12の受光信号Sdを参照して、湿り蒸気を透過した光強度Aを特定する。次いで、乾き度補正部102dは、計測された湿り蒸気の流速s、および、受光部12が測定した光強度Aを参照値として相関関係記憶部201dを参照するか、上記式(4)のような関係式に基づいて演算し、対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態4によれば、上記実施形態1と同様に、サイトグラス31,32が高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラス31,32の表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる。したがって、湿り蒸気の相状態に影響を受けない光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを測定可能であるので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
特に本実施形態4によれば、湿り蒸気の流速sに対応して用意された光の強度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を用いるので、湿り蒸気の温度が乾き度に影響を与えるような条件下でも正確な湿り蒸気の乾き度を測定可能である。
(実施形態5)
上記実施形態1〜実施形態4は、光の強度に基づいて湿り蒸気の乾き度を計測していたが、本実施形態5では、吸光度に基づいて湿り蒸気の乾き度を計測する乾き度測定装置に関する。
(構成)
図8に、本実施形態5における乾き度測定装置1eの構成を示す。図8に示すように、本実施形態5に係る乾き度測定装置1eは、湿り蒸気の吸光度に基づいて乾き度を測定する装置であり、例示的に、発光部11、分光光度計13、乾き度特定部101、乾き度補正部102e、および記憶装置200を備えて構成される。
本実施形態5では、まず受光部12に代えて分光光度計13を備える点で、上記実施形態と異なる。分光光度計13は、湿り蒸気を透過した光の強度に基づき吸光度を計測する計測手段であり、その構成に限定はない。
また、乾き度特定部101eは、吸光度Bを特定し、記憶装置200の相関関係記憶部201Eeが吸光度Bと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係を示す相関関係テーブルを格納し、乾き度特定部101eが、相関関係記憶部201eに記憶された、吸光度と乾き度との相関関係に基づいて湿り蒸気の乾き度χを測定する点で、上記実施形態1と異なる。
なお、上記の構成のうち、乾き度特定部101eが、所定のソフトウェアプログラムをコンピュータ装置100が実行することにより機能的に実現される機能ブロックである点は、上記実施形態1と同じである。
具体的に、分光光度計13は、湿り蒸気を透過する光の強度に基づいて、吸光度を演算し、吸光度信号Sbとして出力する。ここで、吸光度Bは、入射光強度をI0、受光した光の強度をIとすると、式(4)のように定義される。

吸光度B=−log10(I/I0) …(5)

以上より、湿り蒸気を透過する光の強度を計測できれば、一義的に吸光度Bが特定される。したがって、コンピュータ装置100が上記実施形態1〜4のように光の強度を含む受光信号Sdを入力し、式(5)に基づいて吸光度Bを計算するように構成してもよい。
乾き度特定部101eは、分光光度計13が測定した吸光度Bを参照値として、記憶装置200の相関関係記憶部201eを参照し、吸光度と乾き度との相関関係から、吸光度Bに対応する乾き度χを取得し、出力値として出力する。
相関関係記憶部201eには、例えば、図9に示すような、吸光度Bと湿り蒸気の乾き度χとの複数の相関関係fbがデータテーブルとして格納される。吸光度Bと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係についても、ある一定の相関関係を有するため、当該関係を以下の式(6)のような関係式として記述することもできる。吸光度Aと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係が、図9に示したような一次相関関係であれば、式(6)は一次関数の近似式として記述することが可能である。

乾き度χ=g(B) …(6)

したがって、関係式を用いる場合には、乾き度特定部101eは、吸光度Bを式(6)に代入し、乾き度χを演算して出力する。
(動作)
次に本実施形態5の動作を説明する。
まず、湿り蒸気がパイプ20の内部を流れている状態で湿り蒸気の乾き度を測定する場合、発光部11に光を発光させる。発光部11からサイトグラス31を伝播した光は、パイプ20内部の湿り蒸気に照射される。
湿り蒸気を透過した光は、パイプ20の反対側にあるサイトグラス32に入射して伝播し、分光光度計13にて受光される。分光光度計13は、湿り蒸気を透過した光の強度に対応した吸光度を示す吸光度信号Sbを出力する。
乾き度特定部101eは、分光光度計13が測定した吸光度Bを参照値として相関関係記憶部201eを参照するか、上記式(6)のような関係式に基づいて演算し、吸光度に対応する湿り蒸気の乾き度χを出力する。出力された湿り蒸気の乾き度χは、例えば、出力装置106に表示される。
(効果)
以上説明した実施形態5によれば、上記実施形態1と同様に、サイトグラス31,32が高温や高圧の湿り蒸気に長期間曝されても、サイトグラス31,32の表面が侵食されず、乾き度の測定精度を良好に維持することができる。したがって、湿り蒸気の相状態に影響を受けない吸光度Bと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係に基づき乾き度χを演算可能なので、湿り蒸気が過渡状態であったとしても湿り蒸気の乾き度を確実に測定することが可能である。
(その他の変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。
(1)例えば、上記実施形態2から上記実施形態4において、上記実施形態5に記載されているように、吸光度と湿り蒸気の圧力p、温度tまたは/および流速sに基づき、湿り蒸気の乾き度χを測定するように構成してもよい。すなわち、測定された圧力pや温度t、流速sごとの吸光度Bと湿り蒸気の乾き度χとの相関関係をデータテーブルとして相関関係記憶部201に格納しておき適宜読み出して出力するか、式(7)で記述して演算することが可能である。

乾き度χ=g(B、p、t、s) …(7)
(2)また、本発明は、上記実施形態2から実施形態4を組み合わせて実施することも可能である。すなわち、圧力p、温度tおよび流速sに対応させて、光の強度と乾き度との相関関係を保持するように乾き度測定装置を構成してもよい。そして、湿り蒸気の圧力p、温度tおよび流速sを計測し、計測された圧力p、温度tおよび流速sに対応した相関関係を記録したデータテーブルを相関関係記憶部201から適宜読み出して出力するか、式(8)で記述して演算することが可能である。

乾き度χ=f(A、p、t、s) …(8)
(3)また、上述した実施形態では、いずれも、湿り蒸気の一例として水蒸気を挙げたが、これに限らず、2相流の冷媒の熱量を測定する場合にも上述した各実施形態は適用可能である。
本願発明によれば、湿り蒸気の乾き度を測定できるようになるから、過渡状態における乾き度に基づき制御を行うようなシステムやプラントに適用可能である。
さらに本発明は、重厚長大産業分野に適用することが可能である。この分野においては、蒸気タービン出口の湿り蒸気の乾き度が発電効率に左右されることから、タービン出口の乾き度を蒸気の安定を待つことなくリアルタイムに計測(蒸気タービンの湿り損失計測)することで、負荷に応じたタービン入口の流量制御が可能であり、熱量ロスを軽減することができる。
11 発光部
12 受光部
13 分光光度計
20 パイプ(配管)
21、22 測定部
31、32 サイトグラス
41 圧力計測部
42 温度計測部
43 流速計測部
100 コンピュータ装置
101 乾き度特定部
102 乾き度補正部
104 入力装置
106 出力装置
108 プログラム記憶装置
110 一時記憶装置
200 記憶装置
201 相関関係記憶部

Claims (5)

  1. 測定対象の湿り蒸気の測定部に介設されたサイトグラスと、
    前記湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度の測定値と、前記湿り蒸気の乾き度と、の関係に基づき、前記湿り蒸気の乾き度の値を特定する乾き度特定部と、を備え、
    前記サイトグラスは、少なくとも前記湿り蒸気との接触面がサファイアガラスで形成された、
    乾き度測定装置。
  2. 前記湿り蒸気の圧力を計測する圧力計測部と、
    前記乾き度特定部で特定した前記湿り蒸気の乾き度の値を補正する乾き度補正部と、をさらに備え、
    前記乾き度補正部は、計測された前記湿り蒸気の圧力に対応する前記相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を補正する、
    請求項1に記載の乾き度測定装置。
  3. 前記湿り蒸気の温度を計測する温度計測部と、
    前記乾き度特定部で特定した前記湿り蒸気の乾き度の値を補正する乾き度補正部と、をさらに備え、
    前記乾き度補正部は、計測された前記湿り蒸気の温度に対応する前記相関関係に基づいて前記湿り蒸気の乾き度を補正する、
    請求項1または2に記載の乾き度測定装置。
  4. 前記湿り蒸気の流速を計測する流速計測部と、
    前記乾き度特定部で特定した前記湿り蒸気の乾き度の値を補正する乾き度補正部と、をさらに備え、
    前記乾き度補正部は、特定した前記湿り蒸気の乾き度の値を流速変化に対応する補正値により補正する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乾き度測定装置。
  5. 前記サイトグラスを介して、前記湿り蒸気に光を照射する発光部と、
    前記サイトグラスを介して、前記湿り蒸気を透過した光を受ける受光部と、
    前記湿り蒸気を透過した光の強度または吸光度と、前記湿り蒸気の乾き度と、の関係を保存する関係記憶部と、をさらに備える、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の乾き度測定装置。
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