JP2016121100A - 安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下においても、製造後の初期段階から長期にわたって着色を防止ができる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液、及びその製造方法の提供。
【解決手段】ジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドで代表される四級アンモニウム水酸化物を含む水溶液中に、式(4)で表されるヒドラジン誘導体を水溶液として添加する安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法及びこの製造方法により得られる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液。
Figure 2016121100

(R7は、直鎖アルキレン基であり、nは0又は1の整数である)
【選択図】図1

Description

本発明は、着色を防止できる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液及びその製造方法に関する。
四級アンモニウム水酸化物は、例えばこれを中和してイオン液体を得るための原料などに用いられる。イオン液体は、イオン性の特性を有し、比較的融点の低い塩であり、リチウムイオン二次電池、コンデンサ、燃料電池、太陽電池等の各種電気化学デバイス用途に好適である。また、四級アンモニウム水酸化物水溶液自体も、医薬品、各種定量試薬等に用いられる他、半導体の製造分野における洗浄液、現像液、剥離液等として用いられる。
四級アンモニウム水酸化物水溶液には、製造後から経時的に着色が起こり易いという問題がある。そこで、四級アンモニウム水酸化物に、着色防止剤として、脂肪族アミンを添加する技術が開発されている(特許文献1参照)。また、無水ヒドラジン、水加ヒドラジンを添加して着色を防止する技術が開発されている(特許文献2参照)。しかし、脂肪族アミンは、着色を防止する有効期間が短く、無水ヒドラジン及び水加ヒドラジンは、毒性があるため、取り扱いが困難であるとい問題がある。そこで、特定のヒドラジン誘導体を安定化剤として用いる技術が開発されている(特許文献3参照)。
特開昭59−148739号公報 特公平7−45443号公報 特開2004−67548号公報
しかしながら、上述の特定のヒドラジン誘導体を添加しても着色防止効果は十分ではない。例えば1−アミノピロリジンは、着色防止効果の持続性が不十分であり、十分な効果を得るためには、添加量の増大が避けられない。しかし、添加量の増大は、添加対象物である四級アンモニウム水酸化物水溶液のpHを低下させ、所望の用途に適用することができなくなるおそれがある。また、1−アミノピロリジンは、製造が非常に困難であり、現状では製造メーカ等からの入手が不可能である。したがって、1−アミノピロリジンの安定化剤としての利用は、現実的ではない。
また、カルボジヒドラジド等の他のヒドラジン誘導体は、特に、添加後の初期段階における着色防止効果が低いという問題がある。即ち、ヒドラジン誘導体が添加されても、一旦着色が起こってしまうという問題がある。添加後の初期段階における水溶液の着色は、ヒドラジン誘導体による着色防止効果が発揮されることにより次第に緩和されて経時的に液が無色透明になるが、さらに時間が経過すると着色防止効果が衰退していくため、液の着色が進行し、液が再度茶色〜黒色に着色する。さらに、常温(25℃)以上の高温環境下では、着色が促進される傾向がある。したがって、初期段階から長期間に亘って着色を防止できる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の開発が望まれている。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高温環境下においても、製造後の初期段階から長期にわたって着色を防止することができる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液、及びその製造方法を提供しようとするものである。
下記の一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物を含む水溶液中に、下記の一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体を水溶液として添加することを特徴とする安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
Figure 2016121100
(ただし、一般式(1)中のR1〜R4の少なくとも1つは、下記の一般式(2)又は(3)で表される構造を含み、残りは炭化水素鎖であり、R1〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2016121100
(ただし、一般式(2)中のR5は、水素、メチル基、又はエチル基である。)
Figure 2016121100
(ただし、一般式(3)中のR6は、水素、メチル基、又はエチル基である。)
Figure 2016121100
(ただし、一般式(4)中のR7は、直鎖アルキレン基であり、nは0又は1の整数である。)
本発明の他の態様は、上記製造方法によって得られることを特徴とする安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液にある。
上記製造方法においては、上記特定の四級アンモニウム水酸化物を含む水溶液中に、上記特定のヒドラジン誘導体を水溶液として添加している。そのため、特に製造後の初期段階に起こりうる着色の防止が可能であり、長期間安定して着色の防止が可能な安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液を得ることができる。また、安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液においては、着色が進行しやすい常温(25℃)以上の高温環境下においても、長期間安定した着色の防止が可能になる。したがって、保管や輸送時等における低温での保温が必ずしも必要なくなる。さらに、上記製造方法においては、毒性の低い上記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体を用いているため、製造時における取り扱いも容易である。
このように、本発明によれば、高温環境下においても、製造後の初期段階から長期にわたって着色を防止することができる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液及びその製造方法を提供することができる。
実施例1における、四級アンモニウム水酸化物水溶液(試料E1、試料C1)のハーゼン色数の経日変化を示す説明図。 実施例1における、四級アンモニウム水酸化物水溶液(試料E2、試料C2)のハーゼン色数の経日変化を示す説明図。 実施例2における、四級アンモニウム水酸化物水溶液(試料E3、試料C3)のハーゼン色数の経日変化を示す説明図。 図3の部分拡大図。 実施例3における、ヒドラジン誘導体水溶液が添加された、濃度の異なる複数の四級アンモニウム水酸化物水溶液のハーゼン色数の経日変化を示す説明図。 実施例3における、ヒドラジン誘導体が添加されていない、濃度の異なる複数の四級アンモニウム水酸化物水溶液のハーゼン色数の経日変化を示す説明図。
次に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
上記一般式(1)において、R1〜R4の少なくとも1つは、上記一般式(2)又は(3)で表される構造を含み、残りは炭化水素鎖(炭化水素基)である。上記一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物において、着色の原因となる構造は、上記一般式(2)又は(3)で表される構造中のヒドロキシアルキル基にあると考えられる。具体的には、ホフマン分解により、ヒドロキシアルキル基からエノールが脱離し、ケト−エノール互変異性により、エノールからアルデヒド又はケトンが生成し、さらにアルデヒドから着色原因物質であるポリエンが生成するためであると考えられる。一般式(1)における着色に寄与しない構造は、上述のように炭化水素鎖であれば、その構造は特に限定されない。即ち、一般式(1)におけるR1〜R4の少なくとも1つが上記一般式(2)又は(3)で表される構造を含み、残りはどのような炭化水素鎖であってもよい。
一般式(1)における炭化水素鎖は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であることが好ましい。この場合には、一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物の生成が容易になり、例えば後述の付加反応により、上記一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物を生成することができる。四級アンモニウム水酸化物の生成率がより向上するという観点から、一般式(1)における炭化水素鎖は、炭素数1〜18のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(1)においては、R1〜R4の少なくとも1つが一般式(2)又は(3)で表される構造を含めばよく、好ましくはR1〜R4のうちの1つ〜3つ、より好ましくはR1〜R4のうちの2つ又は3つが上記一般式(2)又は(3)で表される構造を含むことがよい。
このような構造を有する化合物の例として、例えばR1〜R4のうち1つがヒドロキシエチル基である化合物を式(5)に示し、R1〜R4のうち2つがヒドロキシエチル基である化合物を式(6)に示し、R1〜R4のうち3つがヒドロキシエチル基を有する化合物を式(7)に示し、R1〜R4のうち全てがヒドロキシエチル基である化合物を式(8)に示す。
Figure 2016121100
Figure 2016121100
Figure 2016121100
Figure 2016121100
一般式(5)〜(8)におけるヒドロキシエチル基の数が少ないと、構造中の立体障害が小さくなるため上述のホフマン分解による脱離が起こり易くなる。その結果、四級アンモニウム水酸化物の水溶液の着色が起こり易くなるが、その一方で、四級アンモニウム水酸化物の水溶液にヒドラジン誘導体の水溶液を添加することによる上述の着色防止効果が顕著になる。したがって、かかる観点からは、一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物は、上記の一般式(5)〜(8)の化合物の中でも、一般式(5)〜(7)の化合物であることが好ましく、一般式(5)又は(6)の化合物であることがより好ましい。なお、一般式(5)で表される化合物からヒドロキシエチル基が脱離すると、刺激臭を有するトリメチルアミン等の三級アミンが生成するおそれがあるという観点からは、一般式(6)で表される化合物が最も好ましい。
上記一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物の水溶液は、例えば、水溶媒中で、アミンにアルキレンオキシドを付加させることにより得られる。この付加反応に用いられるアミンとしては、例えば下記の一般式(9)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2016121100
(但し、R8、R9、R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基である。)
上記一般式(9)において、R1、R2、R3は、全て水素であってもよい。即ち、一般式(9)で表されるアミンはアンモニアを含む概念である。好ましくは、一般式(9)のアミンは1〜3級アミンであることがよい。また、一般式(9)におけるヒドロキシアルキル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基の炭素数が上記範囲から外れて大きくなると、付加反応が起こり難くなり、4級化アミンの生成率が低下するおそれがある。同様の観点から、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましい。アルキル基の炭素数は1〜18であることがさらに好ましく、1〜4であることがさらにより好ましい。また、付加反応において用いられるアルキレンオキシドの炭素数が長くなりすぎても、付加反応が起こり難くなり、4級化アミンの生成率が低下するおそれがある。そのため、アルキレンオキシドの炭素数は2〜4であることが好ましく、2又は3がより好ましい。
また、一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体において、R7は直鎖アルキレン基であり、nは0又は1である。直鎖アルキレン基の炭素数は、ヒドラジン誘導体として入手可能なものであれば特に限定はされないが、比較的入手が容易であり、色調変化の防止効果が優れているという観点から、1〜3であることが好ましい。一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体において、上述の好ましい炭素数の範囲内における炭素数が最小の化合物は、下記の構造式(10)で表されるカルボヒドラジド(「カルボジヒドラジド」ともいう)であり、炭素数が最大の化合物は、下記の構造式(11)で表されるアジピン酸ジヒドラジドである。ヒドラジン誘導体は、一般式(4)におけるnが0であるカルボヒドラジド(式(10)参照)であることがより好ましい。この場合には、着色防止効果の有効期間をより長くすることができる。
Figure 2016121100
Figure 2016121100
一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体は、上述のアルデヒド又はケトンのカルボニル基を還元することにより、着色防止効果を発揮できると考えられる。
(実施例1)
次に、安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の実施例について説明する。本例においては、ヒドラジン誘導体である上述の構造式(10)で表されるカルボヒドラジドを水溶液又は粉末の状態で添加することにより、四級アンモニウム水酸化物水溶液の着色の経日変化を比較する。
まず、下記の式(12)で表される四級アンモニウム水酸化物の水溶液を製造した。
Figure 2016121100
具体的には、まず、内部の空気を窒素にて置換した容量1.5Lの金属製のオートクレーブ内に、濃度50質量%のジメチルアミン水溶液310gと、水303gとを入れて、オートクレーブ内を密閉した。次いで、オートクレーブ内の温度を45〜50℃に保ちながら、オートクレーブ内にエチレンオキシド303gを3時間かけて連続的に供給した。この間、オートクレーブ内の圧力を0.15MPa以下に保った。エチレンオキシドの供給完了後、さらに同一温度で1時間保持することにより、熟成反応を行った。その結果、ジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド(上記式(12)の四級アンモニウム水酸化物)の濃度50質量%水溶液を得た。
次に、濃度50質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、カルボヒドラジド水溶液を添加して混合することにより、カルボヒドラジド濃度が0.5質量%、及び1質量%となる2種類の水溶液(安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液)を得た。カルボヒドラジド濃度が0.5質量%の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液を試料E1とし、カルボヒドラジド濃度が1質量%の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液を試料E2とする。
また、本例においては、試料E1及び試料E2の比較用として、上述の濃度50質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、粉末のカルボヒドラジドを添加し、混合を行うことにより水溶液を作製した。これを試料C1及び試料C2とする。試料C1におけるカルボヒドラジド濃度は0.5質量%であり、試料C2におけるカルボヒドラジド濃度は1質量%である。
次に、大気条件下にある温度50℃の恒温器内に、試料E1、試料E2、試料C1、試料C2をそれぞれ保管した。恒温器内への保管は、上述のカルボヒドラジドの添加後できるだけ速やかに行った。そして、経日的に、各試料の着色をJIS規格のハーゼン色相(APHA)標準液と対比し、ハーゼン色数(APHA)を測定した。測定には、日本電色工業(株)製のOME−2000を用いた。その結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2より知られるように、粉末状のヒドラジン誘導体を添加した試料C1及び試料C2においては、初期段階においてAPHAが高くなっており、水溶液が着色していた。これに対し、ヒドラジン誘導体を水溶液の状態で添加した試料E1及び試料E2においては、添加後の初期段階においても、APHAが非常に低く、水溶液はほぼ無色透明であった。また、同じ濃度でヒドラジン誘導体が添加されているにもかかわらず、試料E1は、試料C1に比べてより長く着色が抑制されていた(図1参照)。同様に、試料E2は、試料C2に比べてより長く着色が抑制されていた(図2参照)。
したがって、特定のヒドラジン誘導体を水溶液として添加することにより、高温環境下においても、製造後の初期段階から長期にわたって、四級アンモニウム水酸化物の着色を防止できる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液が得られることがわかる。また、試料E1及び試料E2との対比から、ヒドラジン誘導体の添加濃度を高くすることにより、着色防止効果をより長くできることがわかる(図1参照)。一方、ヒドラジン誘導体の濃度が高くなりすぎると、相対的に四級アンモニウム水酸化物の濃度が低下して水溶液のpHが低下するおそれがある。その結果、比較的高いpHが要求される例えば洗浄液等の所望の用途への適用が困難になるおそれがある。したがって、添加後のヒドラジン誘導体の濃度は0.5〜1質量%であることが好ましい。
なお、本例においては、上述の式(12)で表される四級アンモニウム水酸化物の水溶液を用いたが、上述の着色のメカニズム及びこれを防止するメカニズムに基づけば、上述の一般式(1)で表される全ての四級アンモニウム水酸化物の水溶液に対しても同様の効果が得られることが理解される。
(実施例2)
本例は、ヒドラジン誘導体として、アジピン酸ジヒドラジドを用いた例である。具体的には、まず、実施例1と同様にして、濃度50質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を作製した。次に、濃度50質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、アジピン酸ジヒドラジド水溶液を添加して混合した。添加後のアジピン酸ジヒドラジド濃度は1質量%である。このようにして、安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液を得た。これを試料E3とする。
また、本例においては、試料E3の比較用として、上述の濃度50質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、粉末のアジピン酸ジヒドラジドを添加し、混合を行うことにより水溶液を作製した。これを試料C3とする。試料C3におけるアジピン酸ジヒドラジド濃度は1質量%である。
次に、温度50℃の環境下における試料E3及び試料C3のハーゼン色数の経日変化を実施例1と同様にして調べた。その結果を図3に示す。また、0日〜20日目における図3の拡大図を図4に示す。
図3及び図4より知られるように、本例においても実施例1と同様の結果が得られた。即ち、特定のヒドラジン誘導体を水溶液として添加することにより、高温環境下においても、製造後の初期段階から長期にわたって、四級アンモニウム水酸化物の着色を防止できる安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液が得られる。また、本明細書においてはデータの図示を省略するが、アジピン酸と構造が類似するコハク酸を有するコハク酸ジヒドラジドを用いて、本例と同様の実験を行ったところ、上述のアジピン酸ジヒドラジドの場合とほぼ同様の結果が得られることを確認している。
上述の実施例1及び実施例2の結果より、上述の一般式(4)で表される全てのヒドラジン誘導体を水溶液として用いることにより、実施例1及び実施例2と同様の結果が得られることが理解される。
(実施例3)
本例は、濃度の異なる四級アンモニウム水酸化物水溶液に対して、ヒドラジン誘導体を添加し、着色防止効果を比較する例である。具体的には、まず、実施例1と同様にして、濃度50質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を作製した。次いで、この水溶液を水で希釈し、さらに濃度25質量%、濃度10質量%、及び濃度1質量%のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を作製した。次に、各濃度(50質量%、25質量%、10質量%、1質量%)のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、カルボヒドラジド水溶液をそれぞれ添加して混合した。添加後の水溶液中のカルボヒドラジドの濃度は0.5質量%である。このようにして、ジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド濃度が異なる4種類の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液を得た。次に、温度50℃の環境下における各安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液のハーゼン色数の経日変化を実施例1と同様にして調べた。その結果を図5に示す。
また、比較用として、カルボヒドラジドを添加していない、各濃度(50質量%、25質量%、10質量%、濃度1質量%)のジヒドロキシエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のハーゼン色数の経日変化を実施例1と同様にして調べた。測定温度条件は50℃である。その結果を図6に示す。
図5及び図6より知られるように、濃度1質量%の四級アンモニウム水酸化物水溶液に対して一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体を添加しても、着色防止効果が小さい。これに対し、濃度10質量%以上の四級アンモニウム水酸化物水溶液に対して、一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体を添加することにより、着色防止効果がより顕著になる。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(1)で表される四級アンモニウム水酸化物を含む水溶液中に、下記の一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体を水溶液として添加することを特徴とする安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
    Figure 2016121100
    (ただし、一般式(1)中のR1〜R4の少なくとも1つは、下記の一般式(2)又は(3)で表される構造を含み、残りは炭化水素鎖であり、R1〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2016121100
    (ただし、一般式(2)中のR5は、水素、メチル基、又はエチル基である。)
    Figure 2016121100
    (ただし、一般式(3)中のR6は、水素、メチル基、又はエチル基である。)
    Figure 2016121100
    (ただし、一般式(4)中のR7は、直鎖アルキレン基であり、nは0又は1の整数である。)
  2. 上記一般式(1)におけるR1〜R4のうちの1つ〜3つが上記一般式(2)又は(3)で表される構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
  3. 上記一般式(1)における上記炭化水素鎖は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
  4. 上記一般式(4)における直鎖アルキレン基の炭素数が1〜3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
  5. 上記一般式(4)におけるnが0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
  6. 上記四級アンモニウム水酸化物を含む水溶液の濃度が10質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
  7. 添加後の上記ヒドラジン誘導体の濃度を0.5〜1質量%に調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって得られることを特徴とする安定化四級アンモニウム水酸化物水溶液。
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