JP2016120007A - 管路内の殺菌洗浄装置、及び殺菌洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】物理的な洗浄によって管路内の付着物や汚れを除去するとともに、プラズマ生成装置にて生成したオゾンや活性種によって管路内に残留する細菌を殺菌洗浄し、原料ガスに空気を使用、かつ硝酸性窒素を低濃度に抑制可能な管路内の殺菌洗浄装置、及び殺菌洗浄方法を提供する。
【解決手段】管路10内の付着物を流体とともに洗浄具9を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路10内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、管路10が接続される管路接続部8a,8bと、流体を導入する流体導入部1と、前記流体を排出する流体排出部12が配管11で連結され、前記殺菌手段は、放電プラズマを用いて活性種を生成するプラズマ発生装置3と、前記活性種を前記流体に溶解させる溶解部5とから構成した。
【選択図】図1
【解決手段】管路10内の付着物を流体とともに洗浄具9を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路10内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、管路10が接続される管路接続部8a,8bと、流体を導入する流体導入部1と、前記流体を排出する流体排出部12が配管11で連結され、前記殺菌手段は、放電プラズマを用いて活性種を生成するプラズマ発生装置3と、前記活性種を前記流体に溶解させる溶解部5とから構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、配管やチューブの内部を洗浄、及び殺菌する装置、及び方法に関するものである。
近年、衛生面に対する関心の高まりから、様々な分野において感染症や食中毒の発生を防止するために機材等の衛生管理が徹底されている。例えば、食品分野におけるウォーターサーバーや飲料ディスペンサーなどの管やチューブを通して飲料を排出する装置は、排出された飲料を消費者が直接口にするため、特に衛生管理が徹底されており、装置の管やチューブの内部(管路)が様々な洗浄方法や洗浄装置により定期的に洗浄されている。
このような洗浄方法として、ピグ(球形状や砲弾形状に形成された弾性体)を管内に挿入し、流体とともに管内を移動させることで管内を物理的に洗浄する、いわゆるピグ洗浄が一般的に行われている。例えば、特許文献1には、飲料ディスペンサーの飲料容器を洗浄水容器に接続し、ガスボンベからのガス圧をポンプへ供給することでポンプを動作させ、洗浄水容器内の洗浄水とともに、スポンジを流通させることによって飲料流路を洗浄する洗浄方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の洗浄方法の場合、スポンジによる物理的な洗浄で飲料流路内面に付着した付着物や、目視で確認できる汚れは除去できるものの、飲料流路内面に細菌が残存してしまうという問題があった。
また、飲料ラインにオゾン及び/又はヒドロキシルラジカルを生じた水を流通させ、飲料ライン又は容器中の汚染物質と反応させて飲料ラインを洗浄する方法が先に提案されている(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、特許文献2に記載された洗浄方法の場合、酸素濃縮機や酸素ボンベといった高濃度酸素を原料ガスとすることから、付帯機器の設置スペースが必要であるうえに、コスト高となる問題があった。また、原料ガスに空気を使用した場合、コストが抑えられるものの、オゾン生成とともに高濃度の硝酸性窒素を生成するため食品分野へは適さない。
また、管路内を有機洗剤で洗浄し、更にオゾン水によって殺菌する洗浄装置、及び方法が先に提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献3に記載された洗浄装置は、有機洗剤を使用することで、管路内に残留した有機洗剤を洗い流すリンス工程が必要となり、手間がかかると共に、コスト高となってしまう。さらに、有機洗剤が確実に洗い流されずに管路内に残存した場合には、有機洗剤が流体(引用文献3においてはミルク)に混入するという問題があった。
上記の問題点に鑑み本発明者は鋭意研究の結果、物理的な洗浄によって管路内の付着物や汚れを除去するとともに、プラズマ生成装置にて生成したオゾンや活性種によって管路内に残留する細菌を殺菌洗浄し、原料ガスに空気を使用、かつ硝酸性窒素を低濃度に抑制可能な管路内の殺菌洗浄装置、及び殺菌洗浄方法を提供することを目的とする。
このため本発明の殺菌洗浄装置は、管路内の付着物を流体とともに洗浄具を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、管路が接続される管路接続部と、流体を導入する流体導入部と、前記流体を排出する流体排出部が配管で連結され、前記殺菌手段は、放電プラズマを用いて活性種を生成するプラズマ発生装置と、前記活性種を前記流体に溶解させる溶解部とから構成されたことを第一の特徴とする。
前記流体が、前記溶解部で生成された洗浄水、水道水、純水、又は超純水であることを第二の特徴とし、前記放電プラズマにより生成される活性種が少なくともオゾンであることを第三の特徴とする。
前記オゾンが溶解された流体のオゾン濃度が、0.1mg/L以上0.3mg/L以下であることを第四の特徴とする。
前記オゾンのオゾン濃度が、100volppm以上500volppm以下であることを第五の特徴とし、前記プラズマ生成装置でプラズマを生起するガスが少なくとも酸素を含むことを第六の特徴とする。
前記プラズマ生成装置は、放電方式に沿面放電を用いることを第七の特徴とする。
前記沿面放電に用いる放電素子が、少なくとも二酸化ケイ素を含む化合物によりコーティングされていることを第八の特徴とし、前記洗浄具がフッ素系樹脂で形成されたことを第九の特徴とする。
前記流体導入部と前記流体排出部を連結する配管に設けられるバイパス部と、このバイパスに設けられる複数の開閉弁とを設けたことを第十の特徴とする。
また、本発明の殺菌洗浄方法は、管路内の付着物を流体とともに洗浄具を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、前記殺菌手段がプラズマ発生装置によりオゾンを発生させ、該オゾンを前記流体に溶解させ、洗浄と殺菌を同時、または洗浄後に殺菌を行うことを特徴とし、前記殺菌手段がプラズマ発生装置によりオゾンを発生させ、前記オゾンを前記管路に通気させることを特徴とする。
本発明に係る管路内殺菌洗浄装置によれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)本発明の管路内殺菌洗浄装置を用いることにより、洗浄具による洗浄によって管路内面に付着している付着物を除去するのみでなく、プラズマ生成装置にて生成したオゾンや活性種によって管路内面に残留した細菌を殺菌することが可能となる。
(2)洗浄具による洗浄とプラズマ生成装置による殺菌洗浄を併用することで、低濃度のオゾンで殺菌が可能となる。
(3)プラズマ生成に沿面放電を採用し、前記沿面放電に用いる放電素子が、少なくとも二酸化ケイ素を含む化合物によりコーティングされていることにより、プラズマを生起した際に発生する硝酸性窒素を低濃度に抑制できるため、プラズマを生起するガスに空気を使用することが可能となる。
(4)プラズマを生起するガスに空気を使用することができるので、酸素濃縮機や酸素ボンベを必要としないため、省スペース・低コストで殺菌洗浄が可能となる。
(2)洗浄具による洗浄とプラズマ生成装置による殺菌洗浄を併用することで、低濃度のオゾンで殺菌が可能となる。
(3)プラズマ生成に沿面放電を採用し、前記沿面放電に用いる放電素子が、少なくとも二酸化ケイ素を含む化合物によりコーティングされていることにより、プラズマを生起した際に発生する硝酸性窒素を低濃度に抑制できるため、プラズマを生起するガスに空気を使用することが可能となる。
(4)プラズマを生起するガスに空気を使用することができるので、酸素濃縮機や酸素ボンベを必要としないため、省スペース・低コストで殺菌洗浄が可能となる。
(実施形態1)
以下、本発明における第一の実施形態について図1から図3を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことはいうまでもない。
以下、本発明における第一の実施形態について図1から図3を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことはいうまでもない。
図1において、本発明の管路内殺菌洗浄装置は外部から流体を導入する流体導入部1、流体を排出する流体排出部12、放電プラズマによりオゾンや活性種を生成するプラズマ生成装置3、プラズマ生成装置3に空気を供給するブロア2、プラズマ生成装置3内の圧力を調整する圧力調整弁4、プラズマ生成装置3によって生成されたオゾンや活性種を流体中に溶解させるガス溶解部5、流体を通す方向を切換えるための開閉弁7a〜7d、管路10を接続する管路接続部8a、8b、流体の流路となる配管11から構成される。
管路接続部8a、8bには、被洗浄体である管路10が接続され、管路10内には、ピグなどの洗浄具9が挿入される。尚、配管11への洗浄具9の移動を防ぐために、管路接続部8a、8bにフィルターを設けても良い。
また、図3に示すように流体導入部1及び流体排出部12は流体容器13に連結され、流体が循環可能となるよう構成される。
流体はポンプ6により装置内に導入され、装置内の配管11を通過する。流体としては、溶解部5で生成された洗浄水、水道水、純水、超純水、又は衛生上問題ない程度の微量な有機溶剤を含む液などが挙げられる。水道水を用いる場合には、流体導入部1に水道を連結し、水道圧を利用して水道水を供給しても良く、その際にはポンプ6が不要となる。
プラズマ生成装置3の放電方式は限定しないが、装置が小型であるためには沿面放電式のものが良く、更に、発生する硝酸性窒素を低濃度に抑制するために、沿面放電素子が二酸化ケイ素を含む化合物であるガラスによってコーティングされているものが望ましい。その中でも特に石英ガラスがより好ましい。
プラズマ生成装置3に導入されるガスは、例えば空気などの少なくとも酸素を含むガスであれば良く、酸素を含むガスを放電させることによりオゾンやOHラジカル、酸素ラジカル等の活性種を生成する。更に、導入されるガスは、外部から加圧供給されれば良いが、配設スペースやコストがかかることから、管路内殺菌洗浄装置内にブロア2を配設して、外部からの圧力供給の代わりにすることが好ましい。
また、ガス溶解部5にエジェクタ等を使用したり、配管中に縮経部を設けることによって、流体を通過させた際に生じる負圧を利用し、プラズマ生成装置3に外部からガスを導入させることが可能であるため、ブロア等の加圧供給がなくとも流体中にガスを供給することができる。このような流体の原理を活用するには、正・負の圧力を調整できるようにスピードコントローラ等の圧力調整弁4を配設すれば良い。
管路10の殺菌洗浄は、洗浄具9による洗浄と同時もしくは洗浄後に、プラズマ生成装置3によって生成したオゾンや活性種による殺菌洗浄が実施されることが好ましい。
オゾンは強力な酸化力をもつため、洗浄具9及び配管11の材質は、耐オゾン性のあるフッ素系樹脂が好ましい。
本実施形態における殺菌手段に用いる殺菌洗浄の殺菌液(オゾンガスが溶解した流体)のオゾン濃度は0.1mg/L以上0.3mg/L以下が好ましく、殺菌効果をさらに向上させるためには、0.2mg/L以上0.3mg/L以下が更に好ましい。殺菌効果が小さくなることを防ぎ効率よく殺菌を行うためにはオゾン濃度は0.1mg/L以上がよく、濃度が高いほど殺菌効果は高まるが、オゾン水中から揮散するオゾンガスによって作業者の健康への害を防ぐためには、0.3mg/L以下がよい。管路10が耐オゾン性を保持する材質である場合には使用頻度に応じて0.3mg/Lよりも高い濃度のオゾン水を使用しても良い。
次に、開閉弁7a〜7dの動作について説明する。管路10内部の流体を管路接続部8aから管路接続部8bへ向かって通す場合、図2の(a)に示すように、流体導入部1と流体排出部12間に管路10を通るルートとは別にバイパスルートを設け、このバイパスルートに開閉弁7a、7cを開とし、開閉弁7b、7dを閉とする。また、管路10内部の流体を管路接続部8bから管路接続部8aへ向かって通す場合は、図2の(b)に示すように、開閉弁7a、7cを閉とし、開閉弁7b、7dを開とする。このように、開閉弁7a〜7dの開閉を切換えることによって管路10内部の洗浄具9と流体を通す方向を切換え、管路10内で洗浄具9、及び流体を往復移動させて管路10内を確実に洗浄することが可能となる。
開閉弁7a〜7dの切換えは、管路10の長さや流体の流速に合わせて任意のタイミングで切換えを行うことで、確実に管路10内の洗浄を行うことが可能となる。そのため、開閉弁7a〜7dは、電動作動やエア作動のものを適用し、タイマー等を用いて切換えるタイミングを設定し、電気信号や圧力信号によって自動で弁を開閉させることが好ましい。
(実施形態2)
次に、本発明における第二の実施形態について図8を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことはいうまでもない。
次に、本発明における第二の実施形態について図8を基に説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことはいうまでもない。
第二の実施形態は、図8に示すように、流体導入部1を閉じ、流体排出部12にオゾン濃度計14を配置し、管路10及び配管11にはオゾンガスのみを通過させ、排出されるオゾンガス濃度を測定するよう構成した。管路内殺菌洗浄装置の構成は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
まず、管路10及び配管11内にオゾンガスのみを通過させ、オゾンガスによる殺菌効果を検証する。
本実施形態における殺菌洗浄の殺菌手段に用いる殺菌ガス(オゾンが含まれたガス)のオゾンガスの濃度は100volppm以上500volppm以下が好ましく、殺菌効果をさらに向上させるためには、300volppm以上500volppm以下が更に好ましい。殺菌効果が小さくなることを防ぎ効率よく殺菌を行うためには、オゾンガスの濃度は100volppm以上がよく、濃度が高いほど殺菌効果は高まるが、排出されたガスに含まれる高濃度オゾンによる作業者の健康への害を防ぐためには、500volppm以下がよい。風通しの良い屋外で用いる場合には、作業者の健康を害さない程度で500volppmよりも高い濃度のオゾンガスを使用することができる。
本発明において第一、及び第二の実施形態を用いて、一般細菌の殺菌試験、生成オゾンガス濃度、生成オゾン水濃度、硝酸性窒素濃度の測定を行った。試験の測定方法を以下に示す。
(1)一般生菌数の測定
コロニーカウント法:チッソ社製乾式培地使用
(2)生成オゾン水濃度の測定
溶存オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−20
洗浄水容器内にオゾン水濃度計を投入し測定した。
(3)硝酸態窒素濃度の測定
クロモトロープ酸法:HACH社製 DR/2400型
(4)生成オゾンガス濃度の測定
気相オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−30
オゾンガス通気管内にオゾン濃度計を差込んで測定した。
コロニーカウント法:チッソ社製乾式培地使用
(2)生成オゾン水濃度の測定
溶存オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−20
洗浄水容器内にオゾン水濃度計を投入し測定した。
(3)硝酸態窒素濃度の測定
クロモトロープ酸法:HACH社製 DR/2400型
(4)生成オゾンガス濃度の測定
気相オゾン濃度計:東亜ディーケーケー社製 OZ−30
オゾンガス通気管内にオゾン濃度計を差込んで測定した。
[実施例1]
図3に試験装置のフロー図を示す。試験装置は管路内殺菌洗浄装置と、管路内殺菌洗浄装置に流体を導入するための流体容器13(水量1L)を具備しており、流体容器13を管路内洗浄装置の流体導入部1と流体排出部12にホースで接続し、流体を循環させながら管路接続部8a、8bに接続された管路10を洗浄具9による洗浄と、オゾンを流体に溶解させたオゾン水による0〜15分間の殺菌洗浄を実施した。この時のオゾン水の濃度は0.2〜0.3mg/Lの範囲とし、前記した測定項目(1)〜(4)を測定した。試験サンプルは管路10の1部(面積15cm2)に、予め一般細菌の培養液中に48時間浸漬した一般細菌を付着させたものを用いた。殺菌洗浄後、乾式培地を用いて管路内面の細菌検査を行った。その後、乾式培地を35℃で48時間培養し、殺菌洗浄時間ごとに一般生菌数を計測した。その結果、図4に示すように、5分以上の殺菌洗浄で十分な殺菌効果が得られた。
図3に試験装置のフロー図を示す。試験装置は管路内殺菌洗浄装置と、管路内殺菌洗浄装置に流体を導入するための流体容器13(水量1L)を具備しており、流体容器13を管路内洗浄装置の流体導入部1と流体排出部12にホースで接続し、流体を循環させながら管路接続部8a、8bに接続された管路10を洗浄具9による洗浄と、オゾンを流体に溶解させたオゾン水による0〜15分間の殺菌洗浄を実施した。この時のオゾン水の濃度は0.2〜0.3mg/Lの範囲とし、前記した測定項目(1)〜(4)を測定した。試験サンプルは管路10の1部(面積15cm2)に、予め一般細菌の培養液中に48時間浸漬した一般細菌を付着させたものを用いた。殺菌洗浄後、乾式培地を用いて管路内面の細菌検査を行った。その後、乾式培地を35℃で48時間培養し、殺菌洗浄時間ごとに一般生菌数を計測した。その結果、図4に示すように、5分以上の殺菌洗浄で十分な殺菌効果が得られた。
図5に示すように、溶存オゾン濃度計14を流体容器13内(水量1L)に投入し、流体にオゾンを溶解させたオゾン水を循環させながらオゾン水濃度を測定した。その結果、図6に示すように、測定開始から2分後にはオゾン水濃度は0.2mg/Lを越え、0.2〜0.3mg/Lの範囲にあり、15分後もオゾン水濃度は0.26mg/Lであった。
[実施例2]
殺菌洗浄時間を5分とし、オゾン水濃度を0.1mg/Lとしたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。この結果から、オゾン水濃度が0.1mg/L以上のオゾン水で、殺菌洗浄を5分行えば、十分な殺菌効果を得られることが判明した。
殺菌洗浄時間を5分とし、オゾン水濃度を0.1mg/Lとしたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。この結果から、オゾン水濃度が0.1mg/L以上のオゾン水で、殺菌洗浄を5分行えば、十分な殺菌効果を得られることが判明した。
[実施例3]
殺菌洗浄時間を5分としたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
殺菌洗浄時間を5分としたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
[実施例4]
プラズマ生成装置3による放電プラズマを生起させ、洗浄具9、及び水道水による洗浄後、オゾンガスのみを通気させたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。この時のオゾンガスの濃度は300〜500volppmとなるよう設定し、殺菌洗浄時間ごとに複数回測定を行い、殺菌時間に対する一般生菌数を測定した。その結果、図4に示すように、10分以上の殺菌洗浄で十分な殺菌効果が得られることが判明した。
プラズマ生成装置3による放電プラズマを生起させ、洗浄具9、及び水道水による洗浄後、オゾンガスのみを通気させたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。この時のオゾンガスの濃度は300〜500volppmとなるよう設定し、殺菌洗浄時間ごとに複数回測定を行い、殺菌時間に対する一般生菌数を測定した。その結果、図4に示すように、10分以上の殺菌洗浄で十分な殺菌効果が得られることが判明した。
図8に示すように、管路内殺菌洗浄装置の圧力調整弁4を調整し、ブロア2から供給される空気量を1.0L/min、1.5L/min、2.0L/minに設定した。流体導入部1への流体の導入は行わず、管路10及び配管11にはオゾンガスのみを通過させ、流体排出部12にオゾン濃度計14を配置し、排出されるオゾンガス濃度を測定した。その結果、図9に示すように、放電開始から2分後にはオゾンガス濃度は150volppm、420volppm、580volppmであり、15分後もオゾンガス濃度は、125volppm、360volppm、474volppmであった。
[実施例5]
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を100volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が9.1×102cfuとなった。
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を100volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が9.1×102cfuとなった。
[実施例6]
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を300volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を300volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
[実施例7]
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を400volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を400volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
殺菌時間を15分とし、オゾンガス濃度を500volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。
[実施例9]
放電時間を60分とし、60分後の流体中の硝酸性窒素濃度を測定した。その結果、表1に示すように、硝酸性窒素濃度は0.78mg/Lとなり、厚生労働省が定める水質基準値10mg/Lを下回る結果が得られた。
放電時間が60分と他実施例と比較して長い時間放電を行ったが、硝酸性窒素が十分に抑制されていることが判明した。
放電時間を60分とし、60分後の流体中の硝酸性窒素濃度を測定した。その結果、表1に示すように、硝酸性窒素濃度は0.78mg/Lとなり、厚生労働省が定める水質基準値10mg/Lを下回る結果が得られた。
[比較例1]
プラズマ生成装置3による放電プラズマを生起させず、洗浄具9のみで洗浄させること以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図4に示すように、5分以降の洗浄ではほぼ変化がなく十分な殺菌効果が得られていないことから、殺菌手段の必要性が示唆された。
プラズマ生成装置3による放電プラズマを生起させず、洗浄具9のみで洗浄させること以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図4に示すように、5分以降の洗浄ではほぼ変化がなく十分な殺菌効果が得られていないことから、殺菌手段の必要性が示唆された。
[比較例2]
プラズマ生成装置3による放電プラズマを生起させず、また、洗浄具9による洗浄も行わず、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が2.3×108cfuとなった。
プラズマ生成装置3による放電プラズマを生起させず、また、洗浄具9による洗浄も行わず、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が2.3×108cfuとなった。
[比較例3]
殺菌洗浄時間を5分とし、オゾン水濃度を0.05mg/Lとしたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が4.0×105cfuとなった。
殺菌洗浄時間を5分とし、オゾン水濃度を0.05mg/Lとしたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が4.0×105cfuとなった。
[比較例4]
殺菌洗浄時間を5分とし、オゾン水濃度を0.4mg/Lとしたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。一般生菌数は検出下限以下であるが、オゾン水中から揮散するオゾンガスによって作業者の健康を害する恐れがある。
殺菌洗浄時間を5分とし、オゾン水濃度を0.4mg/Lとしたこと以外は実施例1と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図7に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。一般生菌数は検出下限以下であるが、オゾン水中から揮散するオゾンガスによって作業者の健康を害する恐れがある。
[比較例5]
殺菌時間を5分とし、オゾンガス濃度を50volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が5.1×106cfuとなった。
殺菌時間を5分とし、オゾンガス濃度を50volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が5.1×106cfuとなった。
[比較例6]
殺菌時間を5分とし、オゾンガス濃度を600volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。一般生菌数は検出下限以下であるが、排出されたガスに高濃度のオゾンを含むので作業者の健康を害する恐れがある。
殺菌時間を5分とし、オゾンガス濃度を600volppmとしたこと以外は実施例4と同様に行い、細菌検査を行った。その結果、図10に示すように、一般生菌数が検出下限である102cfu以下となった。一般生菌数は検出下限以下であるが、排出されたガスに高濃度のオゾンを含むので作業者の健康を害する恐れがある。
1 流体導入部
2 ブロア
3 プラズマ生成装置
4 圧力調整弁
5 ガス溶解部
6 ポンプ
7 開閉弁
8 管路接続部
9 洗浄具
10 管路
11 配管
12 流体排出部
13 流体容器
14 オゾン濃度計
2 ブロア
3 プラズマ生成装置
4 圧力調整弁
5 ガス溶解部
6 ポンプ
7 開閉弁
8 管路接続部
9 洗浄具
10 管路
11 配管
12 流体排出部
13 流体容器
14 オゾン濃度計
Claims (12)
- 管路内の付着物を流体とともに洗浄具を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、管路が接続される管路接続部と、流体を導入する流体導入部と、前記流体を排出する流体排出部が配管で連結され、前記殺菌手段は、放電プラズマを用いて活性種を生成するプラズマ発生装置と、前記活性種を前記流体に溶解させる溶解部とから構成されたことを特徴とする管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記流体が、前記溶解部で生成された洗浄水、水道水、純水、又は超純水であることを特徴とする請求項1に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記放電プラズマにより生成される活性種が少なくともオゾンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記オゾンが溶解された流体のオゾン濃度が、0.1mg/L以上0.3mg/L以下であることを特徴とする請求項3に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記オゾンのオゾン濃度が、100volppm以上500volppm以下であることを特徴とする請求項3に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記プラズマ生成装置でプラズマを生起するガスが少なくとも酸素を含むことを特徴とする請求項1に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記プラズマ生成装置は、放電方式に沿面放電を用いることを特徴とする請求項1又は6に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記沿面放電に用いる放電素子が、少なくとも二酸化ケイ素を含む化合物によりコーティングされていることを特徴とする請求項7に記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 前記洗浄具がフッ素系樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の管路内の殺菌洗浄装置。
- 請求項1記載の装置に前記流体導入部と前記流体排出部を連結する配管に設けられるバイパス部と、このバイパスに設けられる複数の開閉弁とを設けたことを特徴とする管路内の殺菌洗浄装置。
- 管路内の付着物を流体とともに洗浄具を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、前記殺菌手段がプラズマ発生装置によりオゾンを発生させ、該オゾンを前記流体に溶解させ、洗浄と殺菌を同時、または洗浄後に殺菌を行うことを特徴とする管路内の殺菌洗浄方法。
- 管路内の付着物を流体とともに洗浄具を流通させて洗浄する洗浄手段と、管路内を殺菌する殺菌手段を有する管路内の殺菌洗浄装置において、前記殺菌手段がプラズマ発生装置によりオゾンを発生させ、洗浄後に前記オゾンを前記管路に通気させることを特徴とする管路内の殺菌洗浄方法。
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JP2014261029A JP2016120007A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | 管路内の殺菌洗浄装置、及び殺菌洗浄方法 |
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KR102141835B1 (ko) * | 2020-01-21 | 2020-08-06 | 김재성 | 발포스펀지를 이용한 배관세척방법 |
CN113876979A (zh) * | 2021-09-29 | 2022-01-04 | 深圳雅尔典环境技术科技有限公司 | 一种新风系统自动清洁消毒装置及其消毒方法 |
WO2023161991A1 (ja) * | 2022-02-22 | 2023-08-31 | 株式会社Fuji | プラズマ処理液体製造方法、およびプラズマ照射装置 |
-
2014
- 2014-12-24 JP JP2014261029A patent/JP2016120007A/ja active Pending
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