JP2016117888A - ポリオレフィン樹脂用改質剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的強度を損なうことなく、ポリオレフィン樹脂に優れた改質効果を付与するポリオレフィン樹脂用改質剤を提供する。【解決手段】ポリオレフィンと、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)とを構成単位とする酸変性ポリオレフィンを含有してなり、該酸変性ポリオレフィンが下記(1)〜(4)をいずれも満たすポリオレフィン樹脂用改質剤。(1)酸価が1〜60(2)数平均分子量(Mn)が1,000〜40,000(3)160℃での溶融粘度が10〜50,000mPa・s(4)示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱が1〜80J/g【選択図】なし

Description

本発明はポリオレフィン樹脂用改質剤に関する。さらに詳しくは酸変性ポリオレフィンを含有してなるポリオレフィン樹脂用改質剤に関する。
酸変性ポリオレフィンは、樹脂の表面改質剤、分散剤、相溶化剤等のようにポリオレフィン樹脂の改質剤として幅広く用いられている。また、酸変性ポリオレフィンの製造法としては、低分子量ポリオレフィンに不飽和カルボン酸を付加させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。
特開2005−194507号公報 特開平3−91547号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の酸変性ポリオレフィンでは、ポリオレフィン樹脂の改質効果が不十分である課題があった。
本発明の目的は、機械的強度を損なうことなく、ポリオレフィン樹脂に優れた改質効果を付与するポリオレフィン樹脂用改質剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とを構成単位とする酸変性ポリオレフィン(X)を含有してなり、該(X)が下記(1)〜(4)をいずれも満たすポリオレフィン樹脂用改質剤(K)である。
(1)酸価が1〜60
(2)数平均分子量(Mn)が1,000〜40,000
(3)160℃での溶融粘度が10〜50,000mPa・s
(4)示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱が1〜80J/g
本発明のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)は下記の効果を奏する。
(1)ポリオレフィン樹脂に、機械的強度を維持しつつ、極性の異なる樹脂との密着性、顔料・フィラー等の分散性等の改質特性を付与する。
(2)溶剤溶解性に優れる。
(3)ポリオレフィン樹脂組成物の成形品は、改質特性および機械的強度に優れる。
[ポリオレフィン(A)]
本発明におけるポリオレフィン(A)は、後述のポリオレフィン(A0)を熱的減成法(以下において熱減成法ということがあり、例えば特公昭43−9368号公報、特公昭44−29742号公報、特公平6−70094号公報に記載の製造方法)により熱減成して得られた熱減成物であることが好ましい。
(A)の(エチレン単位)と(プロピレン単位)の重量比[(エチレン単位)/(プロピレン単位)]は、後述のポリオレフィン樹脂組成物の成形性および後述のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)の改質特性の観点から、好ましくは1/99〜10/90、さらに好ましくは、2/98〜8/92である。
熱減成法は、前記ポリオレフィン(A0)を窒素通気下で、有機過酸化物不存在下、通常300〜450℃で0.5〜10時間、熱減成する方法が含まれる。
(A)の数平均分子量(Mn)は、ポリオレフィン樹脂組成物の成形品の機械的強度および改質剤(K)の生産性の観点から、好ましくは800〜20,000、さらに好ましくは1,000〜18,000である。
本発明におけるGPCによるMnの測定条件は以下のとおりである。
<測定条件>
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフ
[「Alliance GPC V2000」、Waters(株)製]
検出装置 :屈折率検出器
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列
[ポリマーラボラトリーズ(株)製]
カラム温度 :135℃
(A)は、後述の不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)との反応性の観点から分子末端に二重結合を有することが好ましい。
(A)の炭素1,000個(炭素数1,000個ともいう)当たりの該分子末端の二重結合数は、(A)と(B)との反応性および改質剤(K)の生産性の観点から、好ましくは1.0〜20個、さらに好ましくは1.1〜18個、とくに好ましくは1.2〜15個である。
ここにおいて、該二重結合数は、(A)の1H−NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。
すなわち、該スペクトル中のピークを帰属し、(A)の4.5〜6ppmにおける二重結合由来の積分値および(A)由来の積分値から、(A)の二重結合数と(A)の炭素数の相対値を求め、(A)の炭素1,000個当たりの該分子末端の二重結合数を算出する。後述の実施例における末端二重結合数は該方法に従った。
[ポリオレフィン(A0)]
前記ポリオレフィン(A0)は、メタロセン触媒を使用して重合されたエチレン/プロピレン共重合体であることが好ましい。該(A0)は、前記(A)の場合と同様に、(エチレン単位)と(プロピレン単位)の重量比[(エチレン単位)/(プロピレン単位)]は、後述のポリオレフィン樹脂組成物の成形性および後述のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)の改質特性の観点から、好ましくは1/99〜10/90、さらに好ましくは、2/98〜8/92である。
また、ポリオレフィン(A0)の数平均分子量[以下、Mnと略記。測定は後述するゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下同じ。]は、後述のポリオレフィン(A)の生産性および工業的な観点から、好ましくは30,000〜400,000、さらに好ましくは50,000〜200,000である。
[不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)]
本発明における不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)は、重合性不飽和基を1個有する炭素数[以下、Cと略記することがある]3〜30の(ポリ)カルボン酸(無水物)である。なお、本発明において不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ポリカルボン酸および/または不飽和ポリカルボン酸無水物を意味する。
該(B)のうち、不飽和モノカルボン酸としては、脂肪族(C3〜24、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸)、脂環含有(C6〜24、例えばシクロヘキセンカルボン酸);不飽和ポリ(2〜3またはそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、不飽和ジカルボン酸(無水物)[脂肪族ジカルボン酸(無水物)(C4〜24、例えばマレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびこれらの無水物)、脂環含有ジカルボン酸(無水物)(C8〜24、例えばシクロへキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、ビシクロヘプテンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、およびこれらの無水物)等]等が挙げられる。(B)は1種単独でも、2種以上併用してもいずれでもよい。
上記(B)のうち、ポリオレフィン(A)との反応性および後述の改質剤(K)の改質特性の点から好ましいのは不飽和ジカルボン酸無水物、さらに好ましいのは無水マレイン酸である。
[酸変性ポリオレフィン(X)]
本発明における酸変性ポリオレフィン(X)は、前記ポリオレフィン(A)と不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とを構成単位とする。好ましくは、前記ポリオレフィン(A)と不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とを、ラジカル開始剤の不存在下で反応させてなる。
(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]は、後述するポリオレフィン樹脂(C)との親和性および改質剤(K)の改質特性の観点から、好ましくは90/10〜99.5/0.5、さらに好ましくは92/8〜99/1で反応させてなる。
酸変性ポリオレフィン(X)は、好ましくは、ラジカル開始剤の不存在下で、前記ポリオレフィン(A)および不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)に、必要により適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(ジ−、トリ−、およびテトラクロロエタン、ジクロロブタン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジ−t−ブチルケトン等)、エーテル(エチル−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジオキサン等)]を加え反応させて製造することができる。
反応温度は(A)、(B)の反応性および生産性の観点から好ましくは100〜270℃、さらに好ましくは120〜250℃、とくに好ましくは130〜240℃である。
(X)の酸価は、改質剤(K)の改質特性の観点から1〜60mgKOH/g(以下数値のみを示す)、好ましくは3〜50である。ここにおける酸価はJIS K0070に準じて測定される値である。酸価が1未満では改質剤(K)の改質特性が劣り、60超では(X)の生産性が劣る。
(X)のMnは、1,000〜40,000、好ましくは1,500〜35,000、さらに好ましくは2,000〜30,000である。Mnが1,000未満では成形品の機械的強度が劣り、40,000超では(K)の改質特性が劣る。
(X)の160℃での溶融粘度は、10〜50,000mPa・s(以下数値のみを示す)、好ましくは50〜45,000、さらに好ましくは100〜40,000である。該溶融粘度が10未満では(X)の生産性が劣り、50,000超では(K)の改質特性が劣る。
(X)の示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱は、1〜80J/g(以下数値のみを示す)、好ましくは3〜75、さらに好ましくは5〜70である。該融解熱が1未満では生産性が劣り、80を超えると改質特性、溶剤溶解性が劣る。
[ポリオレフィン樹脂用改質剤(K)]
本発明のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)は、前記酸変性ポリオレフィン(X)を含有してなる。該改質剤(K)は、後述するポリオレフィン樹脂(C)用の改質剤として用いられる。
改質剤(K)は、ポリオレフィン樹脂(C)に、機械的強度を維持しつつ、極性の異なる樹脂との密着性、顔料・フィラー等の分散性等の改質特性を付与できる。
また、本発明のプラスチック成形品用プライマーは、上記ポリオレフィン樹脂用改質剤(K)を含有してなる。該プライマーは、改質剤(K)に、あるいは改質剤(K)とポリオレフィンに、必要により溶剤を加えたものである。
[ポリオレフィン樹脂組成物]
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、前記ポリオレフィン樹脂用改質剤(K)とポリオレフィン樹脂(C)を含有してなる。
(C)には、例えば、エチレン単位含有(プロピレン単位非含有)(共)重合体、プロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体、エチレン/プロピレン共重合体およびC4以上のオレフィンの(共)重合体等が含まれる。
(C)と(K)の組合せとしては、(C)の構成単位と(K)を構成するポリオレフィン(A)の構成単位が同じか類似している場合が(C)と(K)との相溶性の観点から好ましいため、(C)としてはプロピレン単位含有(共)重合体が好ましく、とくにエチレン/プロピレン共重合体が好ましい。
(C)のMnは、後述する本発明の成形品の機械的強度および前記ポリオレフィン樹脂用改質剤(K)との相溶性の観点から好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜400,000である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、必要により本発明の効果を阻害しない範囲でさらに、着色剤(D1)、フィラー(D2)、艶消剤(D3)、帯電防止剤(D4)、分散剤(D5)、難燃剤(D6)、発泡剤(D7)、酸化防止剤(D8)、紫外線吸収剤(D9)および可塑剤(D10)からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(D)を含有させることができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物中の(D)の合計使用量は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づいて、通常30%以下、(D)の機能発現および工業上の観点から好ましくは1〜20%である。
ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づく各添加剤(D)の使用量は、(D1)は通常10%以下、好ましくは1〜5%;(D2)は通常25%以下、好ましくは3〜20%;(D3)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(D4)は通常10%以下、好ましくは1〜5%;(D5)は通常20%以下、好ましくは0〜15%、特に好ましくは0〜10%;(D6)は通常15%以下、好ましくは3〜10%;(D7)は通常1〜20%以下、好ましくは5〜15%;(D8)は通常3%以下、好ましくは0.01〜1%;(D9)は通常3%以下、好ましくは0.01〜1%;(D10)は通常20%以下、好ましくは5〜15%である。
(D1)〜(D10)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法としては、
(1)前記(C)、(K)および必要により(D)を一括混合してポリオレフィン樹脂組成物とする方法(一括法);
(2)(C)の一部、(K)の全量、および必要により(D)の一部もしくは全量を混合して高濃度の(K)を含有するマスターバッチポリオレフィン樹脂組成物を一旦作成し、その後残りの(C)および必要により(D)の残りを加えて混合してポリオレフィン樹脂組成物とする方法(マスターバッチ法)が含まれる。
(K)の混合効率の観点から好ましいのは(2)の方法である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物中の(K)と(C)との重量比[(K)/(C)]は、後述する成形品の改質特性および機械的強度の観点から好ましくは0.1/99.9〜50/50、さらに好ましくは1/99〜40/60である。
前記のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法における具体的な混合方法としては、
(i)混合する各成分を、例えば粉体混合機〔「ヘンシエルミキサー」[商品名「ヘンシエルミキサーFM150L/B」、三井鉱山(株)、社名変更後は日本コークス工業(株)製]、「ナウタミキサ」[商品名「ナウタミキサDBX3000RX」、ホソカワミクロン(株)製]、「バンバリーミキサー」[商品名「MIXTRON BB−16MIXER」、神戸製鋼(株)製]等〕で混合した後、溶融混練装置[バッチ混練機、連続混練機(単軸混練機、二軸混練機等)等]を使用して通常120〜220℃で2〜30分間混練する方法;
(ii)混合する各成分をあらかじめ粉体混合することなく、上記と同様の溶融混練装置を使用して同様の条件で直接混練する方法が挙げられる。
これらの方法のうち混合効率の観点から(i)の方法が好ましい。
[成形品、成形物品]
本発明の成形品は、前記ポリオレフィン樹脂組成物の成形物である。すなわち前記ポリオレフィン樹脂組成物を成形したものである。
成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形あるいは発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。成形品の形態としては、板状、シート状、フィルム、繊維(不織布等も含む)等が挙げられる。
本発明の成形品は、前記カルボキシル基等を有するポリオレフィン樹脂用改質剤(K)を含有することから、極性の比較的高い塗料、インキ等との親和性にも優れる。
本発明の成形品は、優れた機械的強度を有すると共に、良好な塗装性および印刷性を有し、成形品に塗装および/または印刷を施すことにより成形物品が得られる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられ、これらのいわゆる極性の比較的高い塗料でも、また極性の低い塗料(オレフィン系等)でも使用することができる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
また、該成形品または成形品に塗装を施した上にさらに印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられている印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、モル%以外の%は重量%を表す。
[ポリオレフィン(A)]
製造例1
反応容器に、プロピレン、エチレンを構成単位とするメタロセン触媒を使用したポリオレフィン(A0−1)[商品名「バーシファイ3000」、ダウケミカル(株)製、Mn:120,000]100部を仕込み、気相部分に工業用窒素(純度99.999%)を通気しながら、マントルヒーターにて加熱溶融し、撹拌しながら360℃で70分間熱減成を行い、ポリオレフィン(A−1)を得た。(A−1)は、炭素1,000個当たりの分子末端の二重結合数は7.2個、Mnは3,000であった。
製造例2〜5、比較製造例1〜3
製造例1において、表1に従って熱減成を行った以外は、製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−2)〜(A−5)、(RA−1)〜(RA−3)が得られた。結果を表1に示す。
[ポリオレフィン樹脂用改質剤]
実施例1
反応容器に(A−1)100部と無水マレイン酸(B−1)5部を仕込み、工業用窒素(純度99.999%)通気下、200℃まで加熱昇温して10時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)で未反応の無水マレイン酸を留去して、酸変性ポリオレフィン(X−1)を含有してなるポリオレフィン樹脂用改質剤(K−1)を得た。(X−1)は、酸価は26、Mnは3,200、溶融粘度は420、融解熱は48であった。
実施例2〜4、比較例1〜3
実施例1において、表2に従って、各使用原料を用いた以外は、実施例1と同様に行い、ポリオレフィン樹脂用改質剤(K−2)〜(K−5)、(RK−1)〜(RK−3)を得た。結果を表2に示す。
[プラスチック成形品用プライマー]
実施例6〜15、比較例4〜9
表3の配合組成(部)に従って、ポリオレフィン樹脂用改質剤(K−1)〜(K−5)、(RK−1)〜(RK−3)とポリオレフィン(A0−1)をヘンシエルミキサー[商品名「ヘンシエルミキサーFM150L/B」、三井鉱山(株)、社名変更後は日本コークス工業(株)製]で3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練した後、撹拌しながら80℃でキシレンに溶解したプライマー溶液(固形分濃度20%)を作成した。該プライマー溶液について以下の評価方法にて溶剤溶解性を評価した。
<評価方法>
1.溶剤溶解性
作成したプライマー溶液を、80℃の乾燥機中で1日経過させた溶液の性状を観察した。結果を表3に示す。
評価基準:
◎:溶液が透明
○:溶液がわずかにかすむ
△:溶液のかすみ、沈殿がある
×:ほとんど溶解しない
次に該プライマー溶液をスプレー機[商品名「EBG−115EXB」、アネスト岩田(株)製]を用いて、ポリオレフィン樹脂基材[商品名「PP1300」、ポリプロピレン、タキン(株)製]表面にスプレー塗布し、80℃にて10分間乾燥(乾燥後膜厚80μm)した。
そして、ポリウレタン塗料[商品名「ユーコートUX−150」三洋化成工業(株)製]を同様のスプレー機を用いてスプレー塗布し、80℃にて10分間乾燥後(乾燥後ウレタン塗料膜厚100μm)の塗装面について、JIS K5400に準拠した碁盤目テープ法による付着性試験(碁盤目試験)を行った。
碁盤目数100のうち、塗膜が剥離しなかった部分の数を0〜100で表し、数値が大きいほど基材と塗膜との密着性が良好であることが示される。結果を表3に示す。
[ポリオレフィン樹脂組成物、成形品]
実施例16〜23、比較例10〜16
前記改質剤(K−1)〜(K−5)、(RK−1)〜(RK−3)、市販のポリプロピレン(C−1)[商品名「ノバテックPP MA3」、日本ポリプロ(株)製]、市販のポリエチレン(C−2)[商品名「ノバテックHD HJ580N」、日本ポリエチレン(株)製]および市販のエチレン/プロピレン共重合体(C−3)[商品名「ノバテックPP BC3H」、日本ポリプロ(株)製]、市販のタルク(D2−1)[商品名「LMS−100」、富士タルク(株)製、体積平均粒子径6μm]、市販の水酸化マグネシウム(D2−2)[商品名「スキマ5A」、協和化学工業(株)製、体積平均粒子径1μm]を、表4の配合組成(部)に従って、それぞれヘンシエルミキサー[商品名「ヘンシエルミキサーFM150L/B」、三井鉱山(株)、社名変更後は日本コークス工業(株)製]で3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。
各樹脂組成物について射出成形機[商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)]を用い、シリンダー温度240℃、金型温度60℃で成形して所定の試験片を作成後、後述の評価方法に従って評価した。結果を表4に示す。
<評価方法>
1.耐衝撃性(単位:J/m)
アイゾット衝撃値をASTM D256に準拠して測定した。
2.ポリオレフィン樹脂(C)とフィラー(D2)との親和性[(D2)の分散性]
上記1の試験後の試験片の破断面を電子顕微鏡により観察し、(C)と(D2)の親和性を以下の基準で評価した。
◎:(C)/(D2)間に界面剥離なし
○:(C)/(D2)間に界面剥離があるがごく一部
△:(C)/(D2)間に界面剥離がやや多い
×:(C)/(D2)間に界面剥離がほとんど
3.曲げ弾性率(単位:MPa)
ASTM D790に準拠して測定した。
4.荷重たわみ温度(単位:℃)
荷重たわみ温度をJIS K7191−2に準拠して測定した。
表3の結果から、本発明のポリオレフィン樹脂用改質剤は、比較のものに比べ、溶剤溶解性に優れ、該改質剤を含有してなるプラスッチック成形品用プライマーは、極性の異なるプラスチック同士(ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂等)の密着性が優れることがわかる。
表4の結果から、本発明のポリオレフィン樹脂用改質剤は、比較のものに比べ、機械的強度を維持しつつ、フィラーの分散性についての改質特性に優れることが分かる。
また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物の成形品は、比較のものに比べ、改質特性および機械的強度に優れるのが明らかである。
本発明のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)は、溶剤溶解性に優れ、成形品の機械的強度を低下させることなく、該成形品に極性の異なる他樹脂との密着性、顔料およびフィラーの分散性等の改質特性を付与することに優れ、該改質剤(K)を含有するポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる成形品は、改質特性と機械的強度とのバランスに優れる。
このことから、該改質剤(K)はポリオレフィン樹脂用改質剤、プラスチック成形品用プライマー等として、該改質剤(K)を含有するポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる成形品、成形物品として電気・電子機器用、包装材料用、搬送材用、生活資材用および建材用等の幅広い分野に好適に適用することができる。

Claims (10)

  1. ポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とを構成単位とする酸変性ポリオレフィン(X)を含有してなり、該(X)が下記(1)〜(4)をいずれも満たすポリオレフィン樹脂用改質剤(K)。
    (1)酸価が1〜60
    (2)数平均分子量(Mn)が1,000〜40,000
    (3)160℃での溶融粘度が10〜50,000mPa・s
    (4)示差走査熱量計(DSC)で測定される融解熱が1〜80J/g
  2. ポリオレフィン(A)の(エチレン単位)と(プロピレン単位)との重量比[(エチレン単位)/(プロピレン単位)]が、1/99〜10/90である請求項1記載のポリオレフィン樹脂用改質剤。
  3. ポリオレフィン(A)が、数平均分子量が800〜20,000である請求項1または2記載のポリオレフィン樹脂用改質剤。
  4. ポリオレフィン(A)が、炭素数1,000個当たり1〜20個の末端二重結合を有する請求項1〜3のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用改質剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)を含有してなるプラスチック成形品用プライマー。
  6. 請求項1〜4のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用改質剤(K)およびポリオレフィン樹脂(C)を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物。
  7. (K)と(C)との重量比[(K)/(C)]が0.1/99.9〜50/50である請求項6記載のポリオレフィン樹脂組成物
  8. 請求項6または7記載のポリオレフィン樹脂組成物の成形物である成形品
  9. 請求項8記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
  10. メタロセン触媒を使用して重合されたポリオレフィン(A0)を熱減成して得られる数平均分子量が800〜20,000であり、炭素数1,000個当たり1〜20個の末端二重結合を有するエチレン/プロピレン共重合体[(エチレン単位)/(プロピレン単位)=1/99〜10/90]であるポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とを、ラジカル開始剤の不存在下、該(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が90/10〜99.5/0.5で反応させる酸変性ポリオレフィン(X)の製造方法。
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