JP2016117808A - 蛍光体およびそれを使用した発光素子 - Google Patents

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度勲 金
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Abstract

【課題】青色光に対する励起特性が優れた蛍光体を提供することを目的とする。【解決手段】下記の式1:式1:Ln2−xEuxSi3−yAlyO3+x+yN4−x−y式1中、0<x<1、0≦y<2であり;LnはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびYからなる群より選択される少なくとも1つである、で表わされる組成を有する結晶体を含む、蛍光体が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光体およびそれを使用した発光素子に関する。
近紫外発光ダイオード(近紫外LED:light emitting diode)や青色発光ダイオード(青色LED)と、黄〜橙色に発光する蛍光体(黄〜橙色蛍光体)とを組み合わせたLEDランプは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や一般照明など、産業界において幅広く利用されている。その黄〜橙色蛍光体として、化学的に安定な窒化物または酸窒化物からなる蛍光体((酸)窒化物蛍光体と呼称)が提案されてきた。
特許文献1ではM(II)Si:Euが、特許文献2ではCaAlSi:Euが、特許文献3ではLaSi11:Ceが提案された。
特開2012−62432号公報 特表2007−169428号公報 特許第4459941号明細書
LEDチップと黄〜橙色蛍光体との組み合わせは、ここ10年以上において白色LED照明のメインストリームでありつづけているが、LEDチップの製品ばらつきによるLED発光波長のばらつきによって、黄〜橙色蛍光体の発光強度がばらつくため、白色LEDの色がばらついてしまう問題があった。
近紫外LED+青色蛍光体+黄〜橙色蛍光体を組み合わせた白色LEDにおいても同様の問題があった。
上述の先行技術文献に記載の蛍光体においては、励起スペクトルにおいて、近紫外LEDの発光波長405nm付近、および、青色LEDの発光波長450nm付近の励起強度が一定していないため、LEDチップ製品の発光波長がばらついたときに白色LED製品として色のばらつきが生じてしまう。
よって、LEDチップの発光波長がばらついても、白色LEDの色ばらつきを生じさせなくできる、LED発光波長付近の励起スペクトルのフラット性をもつ、新しい蛍光体が求められていた。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、近紫外〜青色光に対する励起特性が優れた蛍光体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、下記の式1で表される蛍光体によって上記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。本発明は、以下の内容をその骨子とする。
(1)下記の式1:
式1中、0<x<1、0≦y<2であり;
Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびYからなる群より選択される少なくとも1つである、で表わされる組成を有する結晶体を含む、蛍光体。
本発明は、近紫外〜青色光により励起される、黄色または橙色に発光する蛍光体であり、青LEDの波長である450nm付近、および、近紫外LEDの波長である405nm付近で、ともに励起強度がフラットとなる。
本発明の蛍光体は、LEDチップの発光波長がばらついても、その発光強度が変化しない黄〜橙色光を提供できる、LED発光波長付近の励起スペクトルのフラット性を有するので、白色LEDの色のばらつきを生じさせないという利点をもつ。
また、本発明の蛍光体は、青LEDでも近紫外LEDでもどちらに対してもその利点を有する優位性をもつ。
さらには、本蛍光体は、黄〜橙色の発光の半値幅が100nmを超えており、高演色性白色LEDを与えることができる。
図1は、実施例1に係る蛍光体の励起・発光スペクトル(励起波長475nm、発光波長594nm)を示す。 図2は、実施例1に係る蛍光体のX線回折パターン(Cu Kα線源)を示す。 図3は、本発明の一実施形態に係る発光素子の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」および「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
本発明は、近紫外〜青色光に対する励起特性が優れた、蛍光体に関する。
本発明に係る蛍光体は、下記の式1で表わされる組成を有する結晶体を含み、特に、黄〜橙色に発光する蛍光体(黄〜橙色蛍光体)である。
式1中、0<x<1、0≦y<2であり;
Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびYからなる群より選択される少なくとも1つである。
本発明に係る蛍光体によれば、YSiと同じメリライト型結晶構造を有し、青色光に対する励起特性が優れる。
なお、結晶体とは、特定の結晶構造を有する化合物を意味する。
式1中、xは、輝度の観点から、0<x<0.8であることが好ましく、0.001<x<0.7であることがより好ましく、0.002<x<0.4であることがさらに好ましい。
式1中、yは、結晶構造維持との観点から、0≦y<1.5であることが好ましく、0≦y<1.0であることがより好ましい。
式1中、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびYからなる群より選択される少なくとも1つ(以降、「本発明におけるランタノイド元素」とも称する。)であるが、輝度の観点から、Y、Gd、Ce、La、またはLuが好ましい。
なお、Ln2モルの一部は、0<x<1を前提として、例えば、Ca、Ba、SrおよびMgからなる群から選択される少なくとも一種に置換されていてもよい。その場合、好ましくは0.3〜1.3モル置換される。
輝度や結晶構造保持の観点から、Y、Lu、Gd、またはLaがより好ましく、その中で、イオン半径の小さなYおよびLuがLn中60モル%以上占めるのがさらに好ましい。これらの本発明におけるランタノイド元素のうち、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に係る蛍光体は、YSi型であるが、式1で表わされる通り、Siの一部がAlで置換されてもよい。
Si元素(Si4+)をAl元素(Al3+)で置き換えると、カチオンの変化(Si4+→Al3+)に伴う電荷補償の観点から、窒素(N3−)が酸素(O2−)に置換される。即ち、式1において、ySi→yAlの置換により、カチオンのプラスの電荷がyモルだけ減少すると、アニオンでは、酸素がyだけ増えて、窒素がyだけ減少することにより、マイナスの電荷がyだけ減少するので、電荷がバランスされる。
Ln3+として大きなイオン半径をもつLa3+やGd3+をLn3+に使用した場合でも、Si4+より大きなAl3+の置換量を多くすることによって、YSi型結晶構造が保持しやすくなる。
式1に含まれるEuは、賦活剤(付活剤)として機能する。Ln2モルに対してEuが、0モルを超えて含まれていることにより、賦活され、発光ピークが大きくなり、0.002モルを超えて含まれていることにより、十分に賦活され、発光ピークがより大きくなる。他方で、Euが、1モル未満であることにより濃度消光による発光スペクトルの減少を抑えることができ、0.4モル未満であることにより濃度消光による発光スペクトルの減少をより抑えることができる。
なお、賦活剤としてはEuのみが含まれていてもよいが、Ce、Pr、Mn、Eu、Tb、Yb等が微量成分として含まれていてもよい。ここで「微量」とは、0.2モル以下を意味する。
本発明の蛍光体は、焼成後、主たる結晶構造が、YSi型であればよく、本発明の作用効果を損なわない程度に異なる結晶相を有することを妨げない。
蛍光体に含まれる、YSi型の結晶構造の割合について、上限は特に制限されないが、好ましくは実質的に100%である。
本発明の蛍光体は、YSi型結晶構造(メリライト型結晶構造)を有するものであるが、Cu Kα線源のX線回折パターンのプロファイルにおいて、2θが31.0°〜32.0°、28.7°〜29.7°、25.4°〜26.4°にその強度が強いピークを有することを特徴とする。
一実施態様においては、本発明の蛍光体は、式1で表わされる黄色蛍光体であって、波長350nm〜500nmの範囲の光で励起したとき、550nm〜605nmの範囲に発光ピークを有することが好ましい。本発明に係る蛍光体を波長350nm〜500nmの範囲の光で励起したとき、本発明の蛍光体が発する光の発光ピークは、より好ましくは波長560nm〜600nmの範囲であり、さらに好ましくは波長570nm〜600nmの範囲である。
本発明のさらに別の実施態様においては、本発明に係る蛍光体は、式1で表わされる組成を有する結晶体を含み、青色LEDの波長領域と近紫外LEDの波長領域とをカバーした395〜460nmにおける最高励起強度をEx(max)、最低励起強度をEx(min)とすると、下記の式2を満たす。
式2における励起強度Ex(max)およびEx(min)は任意単位であり、分光蛍光光度計(例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製F7000)によって測定できる励起強度である。
本発明の好ましい蛍光体は、式2の条件を満たすため、青色LEDチップごと、近紫外チップごとの発光波長ずれがあっても、色ずれのない白色LED製品を多数製造することができる。式2のEx(min)/Ex(max)なる値は、より好ましくは、90%以上であり、さらにより好ましくは、92%以上である。
(蛍光体の製造方法)
本発明に係る蛍光体の原料として用いることができる化合物(原料化合物)は、特に制限されるものではなく、金属;金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、酢酸塩、ハロゲン化物、酸窒化物、硫酸塩等;から適宜、式1におけるEuの原料、Lnの原料、Siの原料、またはAlの原料を選択すればよい。例えば、
a)Euの原料としてEuの金属、酸化物、窒化物、炭酸塩、フッ化物や塩化物などのハロゲン化物、または酸窒化物;
b)Lnの原料としてLnの金属、酸化物、窒化物、ケイ化物、炭酸塩、フッ化物や塩化物などのハロゲン化物、または酸窒化物;
c)Siの原料としてSiの酸化物、窒化物、炭酸塩、硝酸塩、または水酸化物;
d)Alの原料としてAlの酸化物、窒化物、フッ化物や塩化物などのハロゲン化物、または炭化物、等を採用することができる。
より具体的には、原料化合物として、
Euの原料としてEu、EuN、Eu(CO、Eu(NO等;
Lnの原料としてLaN、LaSi、La、YN、Y,GdN,Gd,LuN,Lu等;
Siの原料としてSi、SiO、SiO、Si、SiC等;
Alの原料としてAlN、Al、Al等;が例示できる。
フラックスとしての効果を得るため、EuF、LaF、AlF、CaF、YF等のフッ化物を原料化合物として用いることもできる。
式1におけるOの原料やNの原料は、上記a)、b)、c)、またはd)から供給されてもよいし、焼成雰囲気(例えばNガス)から供給されてもよい。上記a)、b)、c)、またはd)をOまたはNの原料として用いることができるという点から、上記a)、b)、c)、またはd)は酸化物または窒化物であることが好ましい。
これらの原料化合物の使用量は、式1でのモル比を満たすように選択すればよい。例えば、原料としてEu、La、Y、Si、およびAlを採用する場合、モル比が式1の組成比となるように原料化合物を秤量して混合する。この時、これらの中で、Eu源化合物のモル数は極微量であるため、Eu源化合物のアニオンのモル数は無視しても構わない。
原料化合物の混合(混合工程)は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法が採用でき、湿式法、乾式法のいずれであってもよい。
湿式法の場合、秤量した原料化合物と溶媒とを合一し、乳鉢と乳棒、ミキサー、ミルなどで混合する。溶媒としては、水;メタノール、エタノールなどのアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒;等を、1種単独で、または2種以上を混合して採用できる。原料化合物と溶媒とを1〜24時間混合した後、乾燥工程にて溶媒を除去する。乾燥温度は、特に制限されるものではないが、例えば50〜200℃である。乾燥工程には、オーブン等による加熱乾燥、噴霧乾燥などを採用すればよい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下等のいずれの条件であってもよいが、原料化合物の酸化を防止するため、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、または真空雰囲気下が好ましい。
乾式法によって混合する場合、溶媒を用いることなく、乳鉢、乳棒、ミキサー、ボールミル、ジェットミル等によって原料化合物を混合する。
原料化合物の混合物を、篩を用い、所望のサイズに分級してもよい。
本発明に係る蛍光体の製造に際しては、混合した原料化合物を焼成する工程が含まれる。焼成工程は、原料化合物の混合物をアルミナ製、ジルコニア製、窒化ホウ素製、白金製、またはイリジウム製等の容器(坩堝など)に充填して行う。充填率は特に制限されないが、例えば10〜50%である。
焼成工程では、窒素雰囲気下、もしくは、水素が1〜10モル%含まれた混合窒素ガスを用いた雰囲気下で行われることが好ましい。
焼成工程では、例えば、少なくとも、好ましくは1500〜1900℃、より好ましくは1700〜1900℃の温度範囲を経るように、原料化合物の混合物の焼成を行う。焼成工程では、輝度の観点から、段階的に昇温してもよい。
本発明においては、前記温度にて、例えば、1〜24時間、好ましくは2〜10時間程度焼成を行う。焼成温度が1500℃未満であると、YSi型結晶構造の形成が十分に行われないおそれがある。一方、上記焼成温度が2100℃を超えると、原料化合物や焼成による生成物が昇華してしまうおそれがある。
焼成工程における昇温速度は、特に限定されるものではないが、例えば1〜30℃/分であり、好ましくは5〜20℃/分である。
焼成工程において焼成炉内の圧力は任意に設定できるが、制御された圧力下で焼成工程が行われることが好ましい。この場合、減圧下(例えば真空度0.13Pa(1×10−3Torr)以下であり、好ましくは0.01Pa(1×10−4Torr)以下)で比較的低温域(1300℃以下、好ましくは1200℃以下)まで昇温し、その後、温度を維持しつつ、10〜60分かけて、窒素ガス、若しくは、水素が1〜10モル%含まれた混合窒素ガスを炉内に導入する。
焼成温度を1650℃以上とする場合は、窒素ガスを採用し、炉内のガス圧を0.5〜2MPa程度まで加圧するのがよい。窒化物原料の分解や酸化を抑えつつ、蛍光体が形成できる。目的とする焼成温度まで炉内温度を昇温し、所定の時間焼成(焼結)を行う。
焼成後、例えば10〜30℃/分の速度で室温付近まで炉内を冷却する。合成された蛍光体の酸化を防止するため、冷却中は炉内圧を維持したまま行うことが好ましい。
焼成によって得られた焼成物を粉砕した後、焼成工程を1回〜3回繰り返し行うこともできる。焼成工程を複数回行うことで、結晶性の高い蛍光体を得ることができる。
焼成工程を経て得られた焼成物を、乳鉢と乳棒、ミキサー、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ブレンダ―等によって粉砕してもよい。粉砕物の粒度は、例えば、メジアン径(D50値)が1〜30μmの範囲であり、好ましくは5〜20μmの範囲である。粉砕物の粒度分布は、例えばレーザー回折散乱法によって測定できる。焼成物を粉砕することで、蛍光体を発光素子などへ利用しやすくなる。
粉砕後の焼成物は、焼成工程中に生成される副反応物を除去するために、洗浄工程に供してもよい。この場合、例えば、水、有機または無機酸、およびエタノール等のアルコールからなる群のうち、1種または2種以上を組み合わせた溶液にて粉砕物を洗浄すればよい。酸洗浄には、無機酸および有機酸を広く利用できるが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸などが例示できる。酸洗浄においては、1〜10N程度の酸に対して、粉砕後の焼成物が0.5〜10重量%となるよう、酸と粉砕後の焼成物とを合一する。洗浄時間は任意に設定すればよいが、例えば0.5〜10時間であり、攪拌下で行ってもよい。
焼成工程、並びに、任意に、粉砕工程および/または洗浄工程を経て得られた蛍光体の成分組成は、例えばSEM−EDX(Scanning Electron Microscope Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)法等によって確認することができる。
(蛍光体の利用)
本発明に係る蛍光体は、発光ダイオード(近紫外LED、青色LED)と組み合わせることにより、発光素子に利用することができる。すなわち、本発明の別の側面においては、特定の波長範囲の光を発する光源と、上述の本願蛍光体とを含む、発光素子が提供される。
図3は、本発明に係る発光素子の概略図であるが、本発明の技術的範囲を制限するものではない。発光素子1はリードワイヤ2,3、光源4、樹脂5,8、導電性ワイヤ6、蛍光体7を含む。リードワイヤ2には、凹部があり、光源4が設置され、該凹部と光源4とは電気的に接続される。光源4は導電性ワイヤ6を介してリードワイヤ3と電気的に接続される。本発明に係る蛍光体7が分散された第1の樹脂5は、光源4を被うように形成される。凹部を含むリードワイヤ2の先端部、光源4、および第1の樹脂5は、第2の樹脂8によって封止される。樹脂5,8としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等公知の熱硬化性樹脂を採用できる。
前記発光素子において、前記光源は、近紫外LEDまたは青色LEDであって、380〜480nmの範囲の光を発するものが採用し得る。
前記発光素子において、前記蛍光体の発光スペクトルのピーク波長は、例えば550nm〜605nmの範囲であり、好ましくは波長560nm〜600nmの範囲であり、さらに好ましくは波長570nm〜600nmの範囲である。
本発明に係る発光素子は、例えば、白色発光素子であり、砲弾型であり得る。
本発明に係る発光素子は、青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体の少なくとも一つをさらに含んでもよい。
本発明における発光素子の好ましい形態は、波長380〜480nmの範囲の光を発する光源と、上記の蛍光体と、を含む、発光素子である。
青色蛍光体の例としては、例えば、(Sr,Ba,Ca)(POCl:Eu2+、BaMgAl1627:Eu2+、SrAl1425:Eu2+、BaAl13:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SrSi(2SrCl):Eu2+、BaMgSi:Eu2+、(Sr,Ca)10(PO(nB):Eu2+などを挙げることができ、これらを一つ以上混合して含むことができる。
緑色蛍光体の例としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu2+、BaMgSi:Eu2+、BaZnSi:Eu2+、BaAl:Eu2+、SrAl:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、BaMgAl1627:Eu2+,Mn2+などを挙げることができ、これらを一つ以上混合して含むことができる。
赤色蛍光体の例としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu2+、(Sr,Ca)AlSiN:Eu2+、Y:Eu3+,Bi3+、(Ca,Sr)S:Eu2+、CaLa:Ce3+、(Sr,Ca,Ba):Eu2+,Mn2+、(Ca,Sr)10(PO(F,Cl):Eu2+,Mn2+、(Y,Lu)WO:Eu3+,Mo6+、(Gd,Y,Lu,La):Eu3+,Bi3+、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu3+,Bi3+、(Gd,Y,Lu,La)BO:Eu3+,Bi3+、(Gd,Y,Lu,La)(P,V)O:Eu3+,Bi3+、(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu2+,Mn2+などを挙げることができ、これらを一つ以上混合して含むことができる。
発光素子が黄〜橙色蛍光体だけではなく、赤色蛍光体および青色蛍光体を含む場合は、青色LEDまたは近紫外LEDが用いられる。発光素子が、黄〜橙色蛍光体および赤色蛍光体のみを含む場合は、青色LEDが用いられる。この方法によって、発光素子は、本明細書に開示の黄〜橙色蛍光体;青色LEDまたは近紫外LED;並びに、必要に応じて、青色蛍光体、緑色蛍光体および/または赤色蛍光体を含む。
本発明の蛍光体は、上記に挙げた発光素子以外に、バックライト光源、青色光励起のディスプレイ用塗料にも応用することもできる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
(混合および焼成工程)
原料化合物として、Laを0.787g、Yを0.280g、Euを0.022g、Alを0.101g、Siを0.811g、をアルミナ乳鉢にて混合し、その混合物を、BN(窒化ホウ素製)坩堝に充填した。次いで、前記混合物を充填した坩堝を焼成炉に導入した。炉内の真空度を0.01Pa(1×10−4Torr)以下まで減圧した後、室温から750℃まで昇温した。
750℃に到達後、温度を保持しつつ、2時間 真空引きした後、窒素ガス(N)を炉内に導入し、30分をかけて0.92MPaまで加圧した。
圧力が目的の値まで上昇した後、圧力を維持しつつ1600℃まで10℃/分の速度で再昇温した。1600℃到達後、2時間温度を保持した後、再び、10℃/分で昇温した。1800℃の目的温度に達したところで、圧力や温度を維持しながら2時間保持した。2時間保持後、圧力を維持しながら25℃/分の速度で炉内温度を室温まで冷却した。
(粉砕工程)
焼成物を坩堝から取り出し、アルミナ乳鉢を用いて粉砕した。
(特性分析)
日立ハイテクノロジーズ社製のF7000を用い、得られた蛍光体の励起発光特性を分析した。励起光源としては、紫外線から可視光まで広い発光領域を有するキセノンランプを使用した。
結晶構造の解析にはXRD(X線回折装置:RINT−2000、株式会社リガク製)を用い、最新の結晶構造データベースであるPDF2−2012を参照し、分析した回折データを同定した。
図1に、その励起発光スペクトルを示す。ピーク波長594nm、半値幅102nmの橙色の発光ピークが得られた。また、395〜460nm間の励起強度がフラットな励起スペクトルが得られた。
励起強度の相対値Exは次のとおりであった。(Ex(max),Ex(min),450nmでのEx,405nmでのEx)=(100,94,98,97)。よって、Ex(min)/Ex(max)×100=94%であった。
(XRD回折)
実施例で得られた蛍光体について、XRD回折を行った。結晶構造の解析にはXRD(X線回折装置:RINT−2000、株式会社リガク製)を用い、最新の結晶構造データベースであるPDF2−2012を参照し、分析した回折データを同定した。
(SEM−EDX測定)
実施例1で得られた蛍光体について、多数の粒子のSEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)測定を行った。なお、本実施例におけるSEM−EDX測定は、日立SU8020、加速電圧15keVにより行った。なお、このSEM−EDXによる組成定量においては、SEM−EDXの原理および測定試料の性質から、数値にはその10%前後の誤差が含まれていると考えられる。
図2に、実施例1で得られた蛍光体のXRD回折パターンを示す。得られた回折パターンより、実施例1の蛍光体は、LaSi11型結晶相の粒子と、YSi型結晶相の粒子とからなることがわかった。
SEM−EDXの測定より、Y1.52La0.47Eu0.01Si2.73Al0.273.283.72なる組成の蛍光体粒子と、Y0.73La2.20Eu0.07SiAlO5.079.93が得られていることが判明した。
前者が、YSi型の組成構成に、後者が、LaSi11型の組成構成になっていること、および、前記X線回折の情報から、前者が、YSi型結晶相であり、後者が、LaSi11型結晶相であると決定できた。
最終的に、Y1.52La0.47Eu0.01Si2.73Al0.273.283.72なる粒子と、Y0.73La2.20Eu0.07SiAlO5.079.93なる粒子が合成されたと判明した。
どちらの粒子も蛍光体であるが、後者のY0.73La2.20Eu0.07SiAlO5.079.93は、近紫外に励起帯を有し、青緑色に発光することが、本発明者らの検討により判明しているため、実施例1の蛍光体にて得られた青色励起帯、橙色発光を有する励起・発光スペクトルは、前者のY1.52La0.47Eu0.01Si2.73Al0.273.283.72からのものであることが明らかとなった。
付言すれば、Y0.73La2.20Eu0.07SiAlO5.079.93の青緑色発光スペクトルは、実施例1の励起スペクトルの受光波長594nmにはほとんどその強度を有しない。Y0.73La2.20Eu0.07SiAlO5.079.93の近紫外励起スペクトルは、実施例1の発光スペクトルの励起波長475nmにはほとんどその強度を有しない。
図1に示す通り、本願に係る蛍光体Y1.52La0.47Eu0.01Si2.73Al0.273.283.72は、良好な、近紫外〜青色励起特性を示す。
1 発光素子、
2、3 リードワイヤ、
4 光源、
5、8 樹脂、
6 導電性ワイヤ、
7 蛍光体。

Claims (5)

  1. 下記の式1:
    式1中、
    0<x<1、0≦y<2であり;
    Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびYからなる群より選択される少なくとも1つである、
    で表わされる組成を有する結晶体を含む、蛍光体。
  2. 波長350nm〜500nmの範囲の光で励起したとき、550nm〜605nmの範囲に発光ピークを有する、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 励起スペクトルの395〜460nmにおける最高励起強度Ex(max)と、最低励起波長励起強度Ex(min)とが、下記の式2を満たす、請求項1または2に記載の蛍光体。
  4. 前記Lnが、Y、Lu、Gd、または、Laである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光体。
  5. 波長380〜480nmの範囲の光を発する光源と、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体と、
    を含む、発光素子。
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