JP2016117649A - 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体用ガラス基板および磁気ディスク - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献1には、化学強化処理を行わない磁気ディスク用基板ガラスが提案されている。
ΔG=RTlnP
ここで、Rは気体定数である。
その結果、例29、137、138の放置前後でのLi2O減少量(絶対量)はそれぞれ0.0質量%、0.1質量%、0.1質量%、Na2O減少量(絶対量)はそれぞれ0.4質量%、0.8質量%、0.9質量%であった。すなわち、B2O3を含有しない例29とB2O3を1モル%以上含有する例137、138とでは、特にNa2O減少量において顕著な差が認められた。
また、Al2O3が5.5〜11%、R2Oが10〜22%である前記情報記録媒体基板用ガラスを提供する。
また、SiO2を63〜70%、Al2O3を5.5〜9%、Li2Oを0〜4%、Na2Oを0〜13%、K2Oを0〜19%、MgOを5〜11%、CaOを2%超8%以下、TiO2を0〜4%、ZrO2を0〜4%含有し、R2Oが13〜19%である前記情報記録媒体基板用ガラスを提供する。
これらのうち、1番目と2番目の態様のガラス、すなわち、前記情報記録媒体基板用ガラスであってCaO、SrOおよびBaOの含有量の合計CaO+SrO+BaOが0〜3%である態様のものは比弾性率と膨張係数を大きくしたいときに好適である(以下、この2者の態様のガラスをガラスAと総称する)。
3番目の態様のガラス、すなわち、前記情報記録媒体基板用ガラスであってLi2Oが0〜4%でありCaOを2%超8%以下含有する態様のものはガラス転移点を高くしたいときに好適である(以下、この態様のガラスをガラスBという)。
また、B2O3を含有しない、またはB2O3を1%未満含有する前記情報記録媒体基板用ガラスを提供する。
また、前記情報記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層が形成された磁気ディスクを提供する。
また、情報記録媒体用ガラス基板の研磨速度を向上することができ、研磨工程の効率化を実現できる。
また、洗浄工程での欠点品質を向上することができ、高品質の情報記録媒体用ガラス基板を得ることができる。
また、磁性膜へのアルカリ拡散を抑制でき、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
また、化学強化処理を行うことなく情報記録媒体用ガラス基板を製造できるので、工程を減らすことができ、また化学強化処理後の基板表面へのよごれ付着の問題を解決できる。
また、ヤング率、比弾性率が高い情報記録媒体基板用ガラスを得ることができる。これにより、ドライブ回転中に反りやたわみが発生しにくくなり、高記録密度の磁気ディスクなど情報記録媒体を得ることができる。
また、密度が小さい情報記録媒体基板用ガラスを得ることができる。これにより、ドライブ回転時にモーター負荷が低減できるため、低消費電力を達成できる。
また、平均線膨張係数が大きい情報記録媒体基板用ガラスを得ることができる。これにより、金属製のドライブ部材との熱膨張マッチングが高くなり、温度変動時の発生応力が小さく、基板割れ等が発生しにくくなる。
また、ガラス転移点が高い情報記録媒体基板用ガラスを得ることができる。これにより、基板上に磁性膜を形成した後に行う熱処理温度を高くでき、記録密度の高い情報記録媒体を得ることができる。
硝酸エッチング速度:厚さが1〜2mm、大きさが4cm×4cmのガラス板の両面を酸化セリウムで鏡面研磨したものを測定サンプルとし、これを25℃、0.01N硝酸に3時間浸漬し、硝酸に溶出したSi量をICP発光法で分析して測定する。得られたSi量、ガラス中のSiO2含有量、およびガラスの密度からガラスがエッチングされた速度を算出する。
SiO2はガラスの骨格を形成する成分であり、必須である。61%未満では、耐酸性もしくは耐候性が低下する、dが大きくなる、またはTLが上昇しガラスが不安定になる。好ましくは62%以上、より好ましくは63%以上である。72%超では、後記T2およびT4が上昇しガラスの溶解、成形が困難となる、EもしくはE/dが低下する、またはαが小さくなる。好ましくは71%以下、より好ましくは70%以下である。
SiO2含有量からAl2O3含有量を減じた差SiO2−Al2O3は53%超であることが好ましい。53%以下では耐酸性が不十分となるおそれがある。
E/dを大きくしたい場合には、K2O含有量からLi2O含有量を減じた差K2O−Li2Oは9%以下であることが好ましく、典型的には8.5%以下である。
EもしくはE/dを大きくしたい、dを小さくしたい、または、TLを低くしたい場合などには、CaO、SrOおよびBaOのいずれも含有しない、または、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1以上を合計で3%以下の範囲で含有するものとすることが好ましい。前記合計CaO+SrO+BaOは、好ましくは2%以下、典型的には1%以下である。
また、Fe2O3、Co3O4、NiOなどの着色剤を合計で2%まで含有してもよい。
なお、B2O3はアルカリ金属酸化物成分と共存すると非常に揮散しやすくなるため、含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.5%未満である。
また、B2O3またはZnOを含有するしないにかかわらず、MgOおよびZnOの質量百分率表示含有量の合計をSiO2、Al2O3およびB2O3の質量百分率表示含有量の合計で除して得られる比(MgO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)は0.08以下であることが好ましい。
磁気ディスク用ガラス基板はノートブックパソコン等に用いられる2.5インチ基板(ガラス基板外径:65mm)やポータブルMP3プレーヤなどに用いられる1.8インチ基板(ガラス基板外径:48mm)などに広く使用され、その市場は年々拡大しており、一方で低価格での供給が求められている。このようなガラス基板に使用されるガラスは、大量生産に適したものであることが好ましい。
板ガラスの大量生産はフロート法、フュージョン法、ダウンドロー法などの連続成形法により広く行われており、本発明のガラスは先に述べたようにたとえばフロート成形が可能なガラスであるので大量生産に好適である。
なお、表19〜36に各ガラスの質量百分率表示組成を示す。
α:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率をガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくなる温度すなわち屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲線から−50〜70℃における平均線膨張係数を算出した。
E:厚さが5〜10mm、大きさが3cm角のガラス板について、超音波パルス法により測定した。
TL:ガラスを乳鉢で2mm程度のガラス粒に粉砕し、このガラス粒を白金ボートに並べて置き、温度傾斜炉中で24時間熱処理した。結晶が析出しているガラス粒の温度の最高値を液相温度とした。なお、たとえば「≧1150」、「≦1050」とはそれぞれ「1150℃以上」、「1050℃以下」の意である。
T2、T4:回転粘度計により測定した。
耐酸性はAl2O3に強い感度を持っており、Al2O3を少なくするほど耐酸性が向上する。一方、耐候性もAl2O3に強い感度を持っており、Al2O3を少なくするほど耐候性が低下する。また、耐候性はアルカリ成分にも強い感度を持っており、アルカリ総量を減少させること、あるいはアルカリ比率を適切な範囲にすることで耐候性が向上する。本発明のガラスは例122に比べてアルカリ総量を減少させ、アルカリ比率を適切な範囲にすることにより、Al2O3の減少による耐候性の低下を抑制し、例122よりも耐酸性に優れたガラスとなっている。
Claims (19)
- 下記酸化物基準のモル%表示で、SiO2を61〜72%、Al2O3を5.5〜12%、Li2Oを0〜4%、Na2Oを0〜13%、K2Oを0〜22%、MgOを4〜13%、CaOを2%超8%以下、TiO2を0〜6%、ZrO2を0.5〜5%含有し、Li2O、Na2OおよびK2Oの含有量の合計R2Oが8〜22%であり、(1)Li2Oの含有量とR2Oとの比Li2O/R2Oが0.52以下、(2)Na2Oの含有量とR2Oとの比Na2O/R2Oが0.35以上、(3)K2Oの含有量とR2Oとの比K2O/R2Oが0.45以上、で表される前記(1)〜(3)の内、複数の条件を満足し、B2O3を含有しない、またはB2O3を1%未満含有し、ヤング率が75GPa以上かつ比弾性率が28MNm/kg以上であり、120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気下に20時間保持した時そのガラス表面に析出しているLi量、Na量、K量をそれぞれCLi、CNa、CKとして、CR=CLi+CNa+CKが12nmol/cm2以下である情報記録媒体基板用ガラス。
- SiO2含有量からAl2O3含有量を減じた差が53%超であり、Al2O3含有量が11%以下であり、25℃、0.01N硝酸に浸漬したときのガラスのエッチング速度が0.3nm/h以下である、請求項1の情報記録媒体基板用ガラス。
- Li2O/R2Oが0.5以下及びNa2O/R2Oが0.4以上の少なくともいずれか一方を満たす請求項1または2の情報記録媒体基板用ガラス。
- TiO2およびZrO2の含有量の合計TiO2+ZrO2が0.5〜8%である請求項1〜3のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- K2O含有量からLi2O含有量を減じた差が9%以下である請求項1〜4のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- R2Oが10%以上である請求項1〜5のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- SiO2が62〜71%、Al2O3が5.5〜12%、Li2Oが0〜4%、Na2Oが0〜13%、K2Oが0〜19%、MgOが5〜12%、CaOが2%超8%以下、TiO2が0〜5%、ZrO2が0.5〜4%、R2Oが11〜20%である請求項1〜5のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- SiO2が63〜70%、Al2O3が5.5〜9%、Li2Oが0〜4%、Na2Oが0〜13%、K2Oが0〜12.8%、MgOが5〜11%、CaOが2%超8%以下、TiO2が0〜4%、ZrO2が0.5〜4%、R2Oが13〜19%である請求項1〜5のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- CaO、SrOおよびBaOのいずれか1以上を合計で3%以下含有する請求項1〜8いずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- Al2O3が5.5〜11%、Li2Oが0〜4%、Na2Oが0〜13%、K2Oが0〜12%、MgOが4〜11%、R2Oが8〜17%であり、CaOを2%超8%以下含有する請求項1〜5のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- SiO2が61〜71%、Al2O3が5.5〜11%、Li2Oが0〜4%、Na2Oが0〜12%、K2Oが0〜10%、MgOが4〜9%であり、CaOを2.5〜7%含有する請求項1〜5のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- ZrO2が0.5〜3%である請求項10または11の情報記録媒体基板用ガラス。
- ガラス転移点が500℃以上である請求項1〜12のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- ヤング率が76GPa以上、比弾性率が30MNm/kg以上かつガラス転移点が590℃以上である請求項10〜12の何れかの情報記録媒体基板用ガラス。
- −50〜70℃における平均線膨張係数が56×10−7/℃以上である請求項1〜14のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- 液相温度をTL、粘度が104dPa・sとなる温度をT4として、(TL−T4)<50℃未満である請求項1〜15のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- 密度が2.60g/cm3以下である請求項1〜16のいずれかの情報記録媒体基板用ガラス。
- 請求項1〜17のいずれかの情報記録媒体基板用ガラスからなる情報記録媒体用ガラス基板。
- 請求項18の情報記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層が形成された磁気ディスク。
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