JP2016117600A - 吹付コンクリート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
液体急結剤使用時の課題の解決策として、液体急結剤と粉体急結剤を併用する方法が提案されている(特許文献5,6参照)。具体的には、液体急結剤の他に、粉末硫酸アルミニウム及びアルミン酸カルシウム等の無機化合物を添加する方法である。粉体急結剤(無機化合物)の添加方法としては、ベースとなる吹付用コンクリートに含有させることも可能であるが、吹付用セメントコンクリートが吹付される直前に、水もしくは液体急結剤と混合してスラリー化したものを、セメントコンクリートの吐出直前に混合させる方法が、粉塵低減の観点から好ましいとされている。
従って、本発明の課題は、液体急結剤を用いても、急結性や初期強度発現性が優れ、かつコンクリートのコンシステンシーの良好な吹付コンクリート及びその製造方法を提供することにある。
〔1〕硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤と、生石灰系クリンカ組成物、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及びセメント用減水剤を含有するベースコンクリートとからなる吹付コンクリートであって、該生石灰系クリンカ組成物の含有量がベースコンクリート中のセメント100質量部に対して1質量部〜5質量部であり、
該アルミン酸ナトリウムの含有量がベースコンクリート中のセメント100質量部に対して0.1質量部〜1質量部であり、
該炭酸ナトリウムの含有量がベースコンクリート中のセメント100質量部に対して0.1〜2質量部であることを特徴とする吹付コンリート。
〔2〕前記生石灰系クリンカ鉱物が、50質量%以上の遊離石灰及び珪酸カルシウムを含む〔1〕に記載の吹付けコンクリート。
〔3〕液体急結剤の使用量が、ベースコンクリート中のセメント100質量部に対して3〜15質量部である〔1〕又は〔2〕に記載の吹付コンクリート。
〔4〕〔1〕又は〔2〕に記載のベースコンクリートを製造し、該コンクリートに硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を吹付ノズルの先端で混合させることを特徴とする吹付コンクリートの製造方法。
〔5〕少なくとも生石灰系クリンカ組成物、アルミン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含有する混和材と、セメント用減水剤とを含有する〔1〕又は〔2〕に記載のベースコンクリートを製造し、該コンクリートに硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を吹付けノズルの先端で混合させることを特徴とする吹付コンクリートの製造方法。
液体急結剤中の硫酸アルミニウム含有量は、15質量%以上が好ましく、20〜35質量%がより好ましく、22〜30質量%がさらに好ましい。
液体急結剤の使用量は、急結性能と長期強度発現性のバランスの点から、ベースコンクリート中のセメント100質量部に対して、3〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
ベースコンクリートに用いられる骨材としては、特に制限されるものではなく、通常のコンクリート又はモルタルの製造に使用される骨材を何れも使用することができる。
工業用生石灰、珪石、バン土頁岩、酸化鉄及び無水石膏の混合物を、電気炉を用いて1450℃の温度で焼成し、遊離石灰を65質量%含有する生石灰系クリンカ組成物を得た。遊離石灰以外の主な鉱物は、珪酸三石灰(3CaO・SiO2)、無水石膏(CaSO4)であった。この生石灰系クリンカ組成物をインペラーブレーカーで粗砕後、ボールミルで粉砕し、ブレーン比表面積3,200cm2/gの粉砕物を得、以下の評価試験の使用材料とした。
(1)セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、密度;3.16g/cm3)
(2)アルミン酸ナトリウム:市販品、粉末(Na2OとAl2O3のモル比=1.35)
(3)炭酸ナトリウム:市販品
(4)セメント用減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤「NT−1000H」(BASF社製)
(5)細骨材:1)掛川砂(静岡県掛川産山砂、密度;2.59g/cm3(表乾))
2)石灰砕砂(密度;2.66g/cm3(表乾))
(6)粗骨材:砕石(密度;2.74g/cm3(表乾))
(7)水:水道水
(8)液体急結剤:硫酸アルミニウム系液体急結剤(硫酸アルミニウム含有量;27質量%)
(9)カルシウムアルミネート(C−A):CaO/Al2O3モル比=2.04、ガラス化率:88%、ブレーン比表面積7,500cm2/g
(1)急結性評価
急結性評価はモルタルによるプロクター貫入抵抗試験で行った。細骨材としては掛川砂を使用し、砂セメント比(S/C)を2.7、水セメント比(W/C)を50%として調合したモルタルに、所定量の生石灰系クリンカ組成物(CL)、アルミン酸ナトリウム(SSA)及び炭酸ナトリウム(N)から構成される混和材(急結助剤)、並びにポリカルボン酸系高性能減水剤(SP)を添加し、モルタルミキサーで1分間混練した。このモルタルに、セメントに対して7質量%の液体急結剤を添加し、ハンドミキサーを用いて5秒間撹拌した後、プロクター貫入抵抗値を測定した。測定は、液体急結剤添加直後を0秒とし、30秒、60秒、90秒、120秒後の各材齢で試験を行った。結果を表1に示す。
急結性評価試験と同様に液体急結剤を添加、混練したモルタルを素早く型枠に詰め、圧縮強度試験用の供試体とした。圧縮強度試験は、材齢3時間、1日及び28日で行った。結果を表1に示す。
急結性評価試験と同様に急結助剤を添加、混練したモルタルについて、流動性(フロー)、締り具合などから目視で評価した。締りがなく流動性が良好なものを○、締りがみられたり、流動性が悪いものを×とした。結果を表1に示す。
一方、生石灰系クリンカ組成物の使用量がセメント100質量部に対して1質量部未満の場合(比較例1)は、所定の急結性能を得ることができず、5質量部を超える場合(比較例2)は良好な流動性を得られなかった。
また、アルミン酸ナトリウムの使用量がセメント100質量部に対して0.1質量部未満の場合(比較例3)は、プロクター貫入値が低く所定の急結性能が得られず、1質量部を超える場合(比較例4)は、練混ぜ直後から流動性が低下し満足する性状を得ることができなかった。
また、炭酸ナトリウムの使用量がセメント100質量部に対して0.1質量部未満の場合(比較例5)は、プロクター貫入値は良好なものの良好な流動性を得ることができず、2質量部を超える場合(比較例6)は、60秒までのプロクター貫入値が低く初期の急結性能が劣っていることがわかった。また、アルミン酸ナトリウムに代えてカルシウムアルミネートを配合した場合(比較例7)は、練り混ぜ直後から流動性がなく、満足する性状が得られなかった。
まず、細骨材としては石灰砕砂、粗骨材としては砕石を用いてベースコンクリートを製造した。ベースコンクリートの配合は表2に示す配合とし、これに表3に示す配合比率で製造した混和材(急結助材)をセメント100質量部に対して4.5質量部添加してベースコンクリートとした。セメント100質量部に対する生石灰系クリンカ組成物、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムの配合比率は、それぞれ3.38質量部、0.34質量部、0.79質量部である。さらにセメント100質量部に対して0.8質量部のセメント用減水剤を添加した。
このベースコンクリート用いて吹付け試験を行った。ベースコンクリートをポンプで圧送し、吹付けノズルの手前0.5mで液体急結剤を添加した。液体急結剤のセメント100質量部に対する添加率は、実質7.2質量部であった。液体急結剤が添加された吹付けコンクリートは、プルアウト試験用型枠および木製型枠に吹付けられた。吹付けたコンクリートの硬化性能評価として、凝結終了後の3時間材齢および1日材齢のものについてプルアウト試験を行い、また圧縮強度試験は28日材齢のものを木製型枠供試体からコア抜きした供試体(直径5cm×長さ10cm)について行った。なお急結剤添加後の吹付け性状については目視および触感で評価した。結果を表3に示す。
Claims (5)
- 硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤と、生石灰系クリンカ組成物、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及びセメント用減水剤を含有するベースコンクリートとからなる吹付コンクリートであって、
該生石灰系クリンカ組成物の含有量がベースコンクリート中のセメント100質量部に対して1質量部〜5質量部であり、
該アルミン酸ナトリウムの含有量がベースコンクリート中のセメント100質量部に対して0.1質量部〜1質量部であり、
該炭酸ナトリウムの含有量がベースコンクリート中のセメント100質量部に対して0.1〜2質量部であることを特徴とする吹付コンリート。 - 前記生石灰系クリンカ鉱物が、50質量%以上の遊離石灰及び珪酸カルシウムを含む請求項1に記載の吹付けコンクリート。
- 液体急結剤の使用量が、ベースコンクリート中のセメント100質量部に対して3〜15質量部である請求項1又は2に記載の吹付コンクリート。
- 請求項1又は2に記載のベースコンクリートを製造し、該コンクリートに硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を吹付ノズルの先端で混合させることを特徴とする吹付コンクリートの製造方法。
- 少なくとも生石灰系クリンカ組成物、アルミン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含有する混和材とセメント用減水剤を含有する請求項1又は2に記載のベースコンクリートを製造し、該コンクリートに硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を吹付けノズルの先端で混合させることを特徴とする吹付コンクリートの製造方法。
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