JP2016115982A - 車載アンテナ - Google Patents

Abstract

【課題】部品点数を削減することができる車載アンテナを提供する。【解決手段】車載アンテナ１は、ツイストペア線２とアンテナ部３とを備える。ツイストペア線２は、２本の電線２１，２１夫々の一部分を撚り合わせたものである。アンテナ部３は、２本の直線状のエレメント３１，３１を有する。エレメント３１，３１夫々は２本の電線２１，２１の他の部分により構成され、ツイストペア線２の端部から分岐する。２本の電線を用いて車載アンテナ１を構成することにより、車載アンテナ１の部品点数を大幅に削減することができる。【選択図】図１

Description

本発明は、車載アンテナに関する。

車輌から離れた位置で無線による遠隔操作を行うことにより、車輌のドアの施解錠を行うシステム、いわゆるキーレスエントリーシステムが普及している。キーレスエントリーシステムでは、ユーザが所持した送信機から送信された電波をアンテナで受信し、受信した信号に基づいて施錠又は解錠を行う。通常、アンテナはインストルメントパネル内に設置されたキーレス制御用ＥＣＵ（Electronic Controller Unit）内に設けられる。しかし、近年、車輌の機能増加に伴い、インストルメントパネル内に搭載されるＥＣＵ数が増加する傾向がある。このため、アンテナは、周辺に搭載されたＥＣＵの影響により、所望の受信特性が得られない虞がある。

特許文献１には、車体内部に配設されたワイヤーハーネスに近接して併設されたアンテナが開示されている。このアンテナは、給電部とアンテナ部とからなる。アンテナ部は、給電部の端部から現れて車輌のフロントピラー内に配されている。よって、インストルメントパネル内に搭載されるＥＣＵによる影響を受け難い。

また、特許文献２には、アンテナが開示されている。このアンテナは、同軸ケーブルからなる給電部と、フロントピラー内に配されたアンテナ部と、ウインドシールドガラスの上端縁に配されたアース線とを有する。アース線をワイヤーハーネスに近接して併設させることで、アンテナの受信感度を向上させることができる。

特開平５−１５２８１８号公報 特許第３２３６３２６号公報

しかし、特許文献１及び２に開示されているアンテナでは、ワイヤーハーネスに近接して併設されおり、アンテナ部を構成する芯線と、給電部の内側導体とがはんだ付けにより接続されている。このため、部品点数が多く、組み立て作業に手間がかかる。よって、設計工数及びコストの増加を招く虞がある。また、アンテナ部が車輌のフロントピラー内に設けられているため、受信感度向上の余地がある。

本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、部品点数を削減することができる車載アンテナを提供することにある。

本発明に係る車載アンテナは、２本の電線夫々の一部分を撚り合わせたツイストペア線と、前記２本の電線の他の部分により構成され、前記ツイストペア線の端部から分岐した２本の直線状のエレメントを有するアンテナ部とを備えることを特徴とする。

本発明にあっては、２本の電線を用いて車載アンテナを構成することにより、車載アンテナの部品点数を大幅に削減することができる。

本発明に係る車載アンテナは、前記アンテナ部が車輌のルーフ内に搭載されていることを特徴とする。

本発明にあっては、アンテナ部を地面から高い位置に設置することにより、受信感度の向上を図ることができる。

本発明に係る車載アンテナは、前記アンテナ部がダイポールアンテナであり、前記２本の電線が前記ルーフの前側縁部の中央部で分岐していることを特徴とする。

本発明にあっては、電波の送信特性又は受信特性の車種依存性が低く、車輌形状に関わらず、同様の箇所にアンテナ部を配することができることができる。

本発明に係る車載アンテナは、前記２本の電線がワイヤーハーネスを構成することを特徴とする。

本発明にあっては、車載アンテナをワイヤーハーネスの一部で作成するため、ワイヤーハーネス以外の部品を必要とせず、配線の手間を減少させることができる。

本発明によれば、２本の電線夫々の一部分を撚り合わせたツイストペア線と、前記２本の電線の他の部分により構成され、前記ツイストペア線の端部から分岐した２本の直線状のエレメントを有するアンテナ部とを備えることで、車載アンテナの部品点数を大幅に削減することができる。

本発明に係る実施の形態１の車載アンテナの構成を示す模式図である。 本発明に係る実施の形態１の車載アンテナの配置を示す斜視図である。 本発明に係る実施の形態２の車載アンテナの構成を示す模式図である。 本発明に係る実施の形態２の車載アンテナの配置を示す模式図である。

以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳しく説明する。図１は本発明に係る実施の形態１の車載アンテナ１の構成を示す模式図である。
（実施の形態１）

車載アンテナ１は、キーレスエントリーシステムに使われる受信アンテナであり、図１に示すように、ツイストペア線２及びアンテナ部３を備える。ツイストペア線２は、絶縁被覆付の２本の電線２１，２１夫々の一部分を螺旋状に撚り合わせて構成されている。ツイストペア線２の長さは適宜設定される。

ツイストペア線２の一端部にはアンテナ部３が設けられている。アンテナ部３は、いわゆるダイポールアンテナであり、２本の直線状をなすエレメント３１，３１を備える。エレメント３１，３１は、２本の電線２１，２１の他の部分により構成され、ツイストペア線２の端部から分岐する。２本のエレメント３１，３１のなす角度は約１８０度である。エレメント３１，３１夫々の長さは、キーレスエントリーシステムに使用される電波の波長λの１／４程度と設定されている。なお、ツイストペア線２において分岐点に近い箇所に留め具（図示しない）を設けることは好ましい。これにより、ツイストペア線の撚り戻しを防き、エレメント３１，３１夫々の長さが変化することを防ぐことができる。

図２は、本発明に係る実施の形態１の車載アンテナ１の配置を示す斜視図である。アンテナ部３は、車輌１０のウインドシールドガラス１１の上端縁付近のルーフ１２内に設置されている。アンテナ部３のエレメント３１，３１夫々はウインドシールドガラス１１の上端縁とほぼ平行に、ルーフ１２の前側縁部の中央部で車輌１０の左右方向へ分岐するように配設されている。

ツイストペア線２は、エレメント３１，３１の分岐点から、アンテナ部３のウインドシールドガラス１１の上端縁とほぼ平行に、車輌１０の左方向へ延び、助手席側のフロントピラー１３を通り、車輌１０内のインストルメントパネル内に設置された受信機４に接続されている。

受信機４はキーレス制御用ＥＣＵ５内に設置されている。ユーザが所持した送信機から制御信号が送信された場合、制御信号はアンテナ部３により受信され、ツイストペア線２により受信機４へ出力される。受信機４は、入力された制御信号を増幅し、データ信号に変換して、キーレス制御用ＥＣＵ５へ与える。キーレス制御用ＥＣＵ５は、与えられたデータ信号に基づいて、例えばドアロック機構（図示しない）によりドアの施錠又は解錠等の制御を行う。

実施の形態１では、２本の電線２１，２１夫々の一部分を用いてツイストペア線２を構成し、２本の電線２１，２１の他の部分を用いてアンテナ部３のエレメント３１，３１を構成することにより、車載アンテナ１の部品点数を大幅に削減することができる。よって、車載アンテナ１の設計工数及びコストは削減される。

また、実施の形態１では、アンテナ部３を地面から高い位置にあるルーフ１２内に設置することにより、フロントピラー１３内に設置する場合より、受信感度の向上を図ることができる。

さらに、実施の形態１では、アンテナ部３のダイポールアンテナを構成する２本の電線２１，２１をルーフ１２の前側縁部の中央部で分岐させることにより、電波の送信特性又は受信特性の車種依存性が低く、車輌形状に関わらず、同様の箇所にアンテナ部３を配することができることができる。
（実施の形態２）

実施の形態２の説明において、実施の形態１と同様の構成については、実施の形態１を参照するものとし、その説明を省略する。

図３は、本発明に係る実施の形態２の車載アンテナ１００の構成を示す模式図である。車載アンテナ１００では、２本の電線２１，２１が車載用のワイヤーハーネス６を構成するものである。ワイヤーハーネス６は、ツイストペア線２と、両端にコネクタが取り付けられた複数本のワイヤー６１とを結束帯６２でまとめて構成してある。なお、ツイストペア線２の他端部には、プラグ２２が接続されている。エレメント３１，３１夫々の先端には、プラグ３２，３２夫々が接続されている。

図４は本発明に係る実施の形態２の車載アンテナ１００の配置を示す模式図である。図４には、車輌１０の正面から観たウインドシールドガラス１１が示されている。ルーフ１２（図２を参照）内には、図４に示すように、ウインドシールドガラス１１の上端縁付近に、レセプタクル３３，３３が左右対称に配置されている。レセプタクル３３，３３の距離は、２本のエレメント３１，３１全体の長さとほぼ同じである。レセプタクル３３，３３夫々には、プラグ３２，３２夫々が嵌合されている。嵌合されたプラグ３２及びレセプタクル３３を同じ色で構成し、左右両側に配置されたレセプタクル３３，３３を異なる色で構成することは好ましい。これにより、２本のエレメント３１，３１をルーフ１２内に配置する際に、プラグ３２の接続先を容易に認識することができ、プラグ３２及びレセプタクル３３を迅速に接続することができる。

実施の形態２では、２本の電線２１，２１がワイヤーハーネス６を構成するものであるため、車載アンテナ１００を作成するためのワイヤーハーネス６以外の部品を必要とせず、車輌１０内の配線の手間を減少させることができる。従って、コスト及び設計工数の低減を図ることができる。

また、車載アンテナ１００は、プラグ２２を有するため、受信機４側にプラグ２２が嵌合可能なレセプタクルを設ければ、ツイストペア線２と受信機４とを容易に接続することができる。よって、受信機４への接続作業が簡単になる。

さらに、車載アンテナ１００がプラグ３２，３２を有し、ルーフ１２内にレセプタクル３３が設けられているため、エレメント３１，３１夫々をルーフ１２内に容易かつ確実に固定することができる。よって、車輌１０内への組み立て作業が簡単になる。

なお、実施の形態２では、ツイストペア線２の他端部に接続されたプラグ２２は、電線２１毎に設けてもよいし、設けなくてもよい。また、プラグ２２を代えてレセプタクルをツイストペア線２の他端部に設け、プラグを受信機４側に設けてもよい。また、実施の形態２では、プラグ３２を代えてレセプタクルをエレメント３１の先端に設け、プラグをルーフ１２側に設けてもよい。

以上の各実施の形態では、キーレスエントリーシステムに使われる車載アンテナ１，１００について説明したが、本発明はキーレスエントリーシステムに限らず、スマートエントリー（登録商標）等にも適用される。また、ツイストペア線２の他端部を送信機又は受送信機に接続して、本発明を送信用アンテナ又は受送信用アンテナとして使用してもよい。

また、２本のエレメント３１，３１のなす角度は１８０度に限らず、必要に応じて設定された他の角度であってもよい。エレメント３１，３１夫々の長さは、波長の１／４に限らず、電線２１の太さ及びなす角度に応じて適宜に調整してもよい。

また、アンテナ部３の設置位置は、ウインドシールドガラス１１の上端縁付近のルーフ１２内に限らず、ルーフ１２内の他の位置であってもよい。

さらに、受信機４の設置場所は、インストルメントパネル内に限らず、必要に応じて車輌１０内の適所であればよい。ツイストペア線２は受信機４の設置場所に応じて配置してもよい。ツイストペア線２は、例えば、車輌１０の右方向へ延び、運転席側のフロントピラーを通るように配置してもよいし、車輌１０のＢピラーを通るように配置してもよい。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

１ 車載アンテナ
１０ 車輌
１００ 車載アンテナ
１１ ウインドシールドガラス
１２ ルーフ
１３ フロントピラー
２ ツイストペア線
２１ 電線
２２ プラグ
３ アンテナ部
３１ エレメント
３２ プラグ
３３ レセプタクル
４ 受信機
５ キーレス制御ＥＣＵ
６ ワイヤーハーネス
６１ ワイヤー
６２ 結束帯

Claims (4)

1. ２本の電線夫々の一部分を撚り合わせたツイストペア線と、
   前記２本の電線の他の部分により構成され、前記ツイストペア線の端部から分岐した２本の直線状のエレメントを有するアンテナ部と
   を備えることを特徴とする車載アンテナ。
2. 前記アンテナ部は車輌のルーフ内に搭載されていることを特徴とする請求項１に記載の車載アンテナ。
3. 前記アンテナ部はダイポールアンテナであり、
   前記２本の電線は前記ルーフの前側縁部の中央部で分岐していることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車載アンテナ。
4. 前記２本の電線はワイヤーハーネスを構成することを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一つに記載の車載アンテナ。

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