JP2016114791A - 帯電ローラ - Google Patents

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Daijiro Shirakura
代治郎 白倉
純一 ▲高▼野
純一 ▲高▼野
Junichi Takano
洋一 古田中
Yoichi Kodanaka
洋一 古田中
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Mitsuaki Adachi
光顕 安立
武宏 佐野
Takehiro Sano
武宏 佐野
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Abstract

【課題】画像の端部に発生するを黒モヤを防止することができる帯電ローラおよびその製造方法を提供する。【解決手段】シャフト1と、1シャフトの外周に形成された弾性層2と、を備える帯電ローラ10である。弾性層2が、3.5以上のチクソトロピックインデックスを有する弾性層形成用塗料で形成されてなる。【選択図】図1

Description

本発明は、帯電ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは、画像の端部に発生する黒モヤを良好に防止することができる帯電ローラに関する。
従来、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置では、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成する静電潜像プロセスにより静電潜像を得、次いで、トナーの付着によるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転写により、プリントする方法が採られている。
この場合、最初の感光体を帯電させる操作として、電圧を印加した帯電用部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で接触させることにより被帯電体を帯電させる、接触方式による帯電方法が知られている。この接触方式で使用される帯電部材としては、例えば、シャフトの外周にゴムやウレタンフォーム等からなる弾性層を形成し、さらに、表面の平滑性確保やトナーの付着防止のために、ウレタン、ナイロン等の樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液や水に溶解もしくは分散させた樹脂溶液をディップ法やスプレー法などにより塗布してなる表層を設けた多層構造の帯電ローラが知られている。
ディップ法にて帯電ローラの表層を形成する方法としては、例えば、特許文献1では、塗料の粘度、およびチクソトロピックインデックスを制御する方法が提案されている。また、特許文献2では、チクソトロピックインデックス、浸漬速度、および停止時間を制御することで、1回の浸漬のみによるディップ法で表層を形成する方法が提案されている。これらによれば、帯電ローラの表層の帯電均一性が向上するため、潜像のムラを小さくすることが可能となる。
特開2004−309856号公報 特開2006−195360号公報
従来、帯電ローラの弾性層は、シャフト上に設けられたゴムやウレタンフォーム等を成形することにより形成していたが、製造コスト低減を理由に、ディップ法により形成することが検討されている。ディップ法で帯電ローラを製造する場合、まず、ローラのシャフトが汚れないようシャフトの両端に樹脂製のマスキングキャップを嵌め込み、次いで、シャフトを垂直方向に向けた状態で、ディップ液を貯留するディップ槽に浸漬させて、シャフトの周囲に塗膜を形成し、乾燥させた後、マスキングキャップが取り除かれる。しかしながら、弾性層をディップ法により形成した帯電ローラを画像形成装置に用いると、画像の端部に黒モヤが発生してしまうという問題が生ずる場合があった。
そこで、本発明の目的は、画像の端部に発生する黒モヤを防止することができる帯電ローラを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、帯電ローラのローラ端部におけるローラ径が、ローラ中心部におけるローラ径よりも小さく、この部分が感光体との密着不良を起こしており、そのため、感光体が十分に帯電できず、トナーが感光体表面に供給されすぎてしまい、画像端部に黒モヤが発生することを見出した。
さらに、本発明者らは鋭意検討した結果、ディップ法により帯電ローラの弾性層を形成する場合、ローラは垂直に吊り下げられているため、塗布した弾性層形成用塗料が垂れてしまい、吊り下げられた状態におけるローラの上端側の弾性層の層厚が薄くなることを見出した。かかる知見をもとに、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、弾性層形成用塗料のチクソトロピックインデックス(TI値)を制御することで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の帯電ローラは、シャフトと、該シャフトの外周に形成された弾性層と、を備える帯電ローラにおいて、
前記弾性層が、3.5以上のチクソトロピックインデックスを有する弾性層形成用塗料で形成されてなることを特徴とするものである。ここで、チクソトロピックインデックス(TI値)とは、23℃において、塗料を6rpmで撹拌した際の粘度をV6rpm、塗料を60rpmで撹拌したときの粘度をV60rpmとしたとき、V6rpmをV60rpmで除した値、
TI値=V6rpm/V60rpm
をいう。
本発明の帯電ローラにおいては、前記弾性層形成用塗料は、主成分として水系ウレタン樹脂を含むことが好ましい。また、本発明の帯電ローラにおいては、前記弾性層形成用塗料は、ポリカルボン酸を含むことが好ましく、前記ポリカルボン酸は、前記水系ウレタン樹脂100質量部に対して0.01〜1質量部であることが好ましい。さらに、本発明の帯電ローラにおいては、前記弾性層が、機械的な撹拌により発泡した前記弾性層形成用塗料へ前記シャフトをディップすることにより形成されてなることが好ましい。さらにまた、本発明の帯電ローラにおいては、端部外径差が110μm以下であることが好ましい。ここで、端部外径差とは、シャフトを垂直方向に吊り下げて、シャフトを弾性層形成用塗料に浸漬して弾性層を形成した際、上方側にあったローラ端部から軸方向に27.3mm内側に向かった位置におけるローラの外径をD1、上方側にあったローラ端部から軸方向に18.3mm内側に向かった位置におけるローラの外径をD2、としたとき、D1とD2との差、
端部外径差=D1−D2
を意味する。
本発明によれば、画像の端部に発生する黒モヤを防止することができる帯電ローラを提供することができる。
本発明の帯電ローラの一例を示す長手方向断面図である。 本発明の帯電ローラのシャフト近傍の正面拡大図である。 本発明の帯電ローラの他の例を示す長手方向断面図である。 本発明の帯電ローラのさらに他の例を示す長手方向断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の帯電ローラの一例を示す長手方向断面図である。本発明の帯電ローラ10は、シャフト1と、その外周に形成された弾性層2(図示例では1層)と、を有し、図示例においては、弾性層2の外周に、さらに表層3が形成されている。
本発明の帯電ローラ10においては、弾性層2は、3.5以上のTI値を有する弾性層形成用塗料で形成されてなる。TI値は、弾性層形成用塗料の垂れにくさの目安となり、この値が高いほど弾性層形成用塗料が垂れにくいことを意味する。そこで、本発明の帯電ローラ10においては、TI値を3.5以上、好適には3.8以上とし、ディップ時に弾性層形成用塗料が垂れるのを防止している。なお、本発明の帯電ローラ10においては、弾性層用塗料のTI値の上限については特に制限はないが、作業性の観点から好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下とする。
本発明の帯電ローラ10においては、後述するが、弾性層形成用塗料のTI値の調整にポリカルボン酸を好適に用いることができるため、弾性層形成用塗料としては、水系ウレタン樹脂を主成分とする塗料が好ましい。水系ウレタン樹脂としては、熱硬化型でも紫外線(UV)硬化型でもよいが、特には、硬化の速い紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。UV硬化の条件は、例えば、UV照射の積算光量50〜2000mJ/cmとすればよい。UV照射の積算光量がこの範囲よりも少ない場合、弾性層2が十分硬化しないおそれがある。一方、UV照射の積算光量がこの範囲よりも多い場合、弾性層2が焦げるおそれがあり実用的でない。
水系ウレタン樹脂としては、樹脂中にウレタン結合を含むものであれば、特に制限はない。ポリオール成分としては、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が好ましくは2〜95質量%、より好ましくは5〜90質量%であり、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましい。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配列は、ランダムであることが好ましい。
なお、ポリエーテルポリオールの分子量としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、400〜3000の範囲のものがより好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、1500〜6000の範囲のものがより好ましい。さらに、2官能のポリオールと3官能のポリオールとを適宜ブレンドして用いることもできる。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得ることができ、重量平均分子量が400〜4000の範囲、特には、650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。さらに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、質量比で95:5〜20:80の範囲、特には90:10〜50:50の範囲となるよう用いることが好適である。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やこれらの誘導体を併用することもできる。
また、ウレタン樹脂を構成するイソシアネートとしては、芳香族イソシアネートまたはその誘導体、脂肪族イソシアネートまたはその誘導体、脂環族イソシアネートまたはその誘導体が用いられる。これらの中でも芳香族イソシアネートまたはその誘導体が好ましく、特に、トリレンジイソシアネート(TDI)またはその誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはその誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートまたはその誘導体としては、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物、ポリオール等で変性したウレタン変性物等が用いられる。ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンまたはその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。また、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体をブレンドして用いることもできる。
また、イソシアネートをポリオールによりあらかじめプレポリマー化してもよく、その方法としては、ポリオールとイソシアネートを適当な容器に入れ、充分に攪拌し、30〜90℃、より好ましくは40〜70℃に、6〜240時間、より好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。この場合、ポリオールとイソシアネートとの分量の比率は、得られるプレポリマーのイソシアネート含有率が4〜30質量%となるように調節することが好ましく、より好ましくは6〜15質量%である。イソシアネートの含有率が4質量%未満であると、プレポリマーの安定性が損なわれ、貯蔵中にプレポリマーが硬化してしまい、使用に供することができなくなるおそれがある。また、イソシアネートの含有率が30質量%を超えると、プレポリマー化されていないイソシアネートの含有量が増加し、このポリイソシアネートは、後のポリウレタン硬化反応において用いるポリオール成分と、プレポリマー化反応を経ないワンショット製法に類似の反応機構により硬化するため、プレポリマー法を用いる効果が薄れる。イソシアネートをあらかじめポリオールによりプレポリマー化したイソシアネート成分を用いる場合のポリオール成分としては、上記ポリオール成分に加えて、エチレングリコールやブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンやソルビトール等のポリオール類やそれらの誘導体を用いることもできる。
本発明に係る弾性層形成用塗料には、これらポリオール成分およびイソシアネート成分に加え、所望に応じて導電剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、架橋剤、界面活性剤、触媒、整泡剤等を添加することができ、これにより所望に応じた弾性層とすることができる。
本発明の帯電ローラ10においては、弾性層形成用塗料として水系の塗料を用いる場合、増粘剤としてはポリカルボン酸が好適である。ポリカルボン酸は水系の塗料と相性がよく、また、少量でも弾性層形成用塗料のTI値を大きくすることができるためである。その添加量は、水系ウレタン樹脂を主成分とする塗料を用いた場合、水系ウレタン樹脂100質量部に対して0.01〜1.0質量部でよい。ポリカルボン酸の添加量が水系ウレタン樹脂100質量部に対して0.01質量部未満であると弾性層形成用塗料のTI値を3.5以上とすることができない場合があり、一方、ポリカルボン酸が1.0質量部より多くなると、TI値が大きくなりすぎてローラ製造の作業性が悪化する場合がある。
ここで、ポリカルボン酸とは、COOH基を複数含有する化合物であり、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等を挙げることができる。このようなポリカルボン酸は、低分子量化合物でもよく高分子量化合物でもよく、また、脂肪族ポリカルボン酸でも芳香族ポリカルボン酸でもよい。例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ポリカルボン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、不飽和脂肪酸の二量化によって得られるダイマー酸等を用いることができる。
また、本発明の帯電ローラ10においては、弾性層2は、機械的な撹拌により発泡した弾性層形成用塗料へシャフト1をディップすることにより形成されてなることが好ましい。例えば、まず、弾性層2を構成する材料、好適には水系ウレタン樹脂に、ポリカルボン酸のような任意の添加剤を添加して、得られた配合材料を、攪拌機、例えば、ハンドミキサー等を用いて機械的に攪拌することにより発泡させて弾性層形成用塗料を調製する。この調製した弾性層形成用塗料にシャフト1をディップすることにより、弾性層2を形成する。この際、撹拌により発泡した状態における弾性層形成用塗料のTI値は3.5以上であるため、シャフト1に塗布された弾性層形成用塗料の垂れが抑制され、ローラ端部のローラ径が細くなることを防止することができる。これにより、画像の端部に発生する黒モヤを防止することができる。また、弾性層形成用塗料をシャフトに直接塗布することで弾性層2を形成することで、製造工程の簡略化が可能になり、製造コストを削減することができる。
本発明の帯電ローラ10の弾性層2をディップ法により形成した場合、端部外径差は110μm以下であることが好ましい。ここで、図2を用いて、端部外径差について説明する。図2は、本発明の帯電ローラのシャフト近傍の正面拡大図であり、端部外径差とは、シャフト1を垂直方向に吊り下げて、シャフト1を弾性層形成用塗料に浸漬して弾性層を形成した際、上方側にあったローラ端部から軸方向に27.3mm内側に向かった位置におけるローラ10の外径をD1、上方側にあったローラ端部から軸方向に18.3mm内側に向かった位置におけるローラ10の外径をD2、としたとき、D1とD2との差、
端部外径差=D1−D2
を意味する。端部外径差を110μm以下とすることで、画像の端部に発生する黒モヤを良好に防止することができる。
本発明の帯電ローラ10においては、弾性層2が3.5以上のTI値を有する弾性層形成用塗料で形成されてなることのみが重要であり、それ以外については、特に制限されるものではない。例えば、弾性層2の発泡倍率としては、1.2〜50倍、特には1.5〜10倍程度が好ましく、密度は、0.1〜0.7g/cm程度が好ましい。
また、本発明の帯電ローラ10においては、弾性層形成用塗料に導電剤を添加してもよく、これにより、弾性層2に導電性を付与し、または調整して、所定の抵抗値とすることができる。かかる導電剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi、Na、K等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4+の塩などの電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。これらの導電剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、弾性層2の体積抵抗率が10〜10Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cmとなるように調整される。
さらに、本発明の帯電ローラ10においては、弾性層形成用塗料に導電剤の他にも、必要に応じて、耐水化剤、発泡剤、整泡剤、硬化剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、ブロッキング防止剤、架橋剤、成膜助剤等の公知の添加剤を適量配合することができる。このうち耐水化剤としては、例えば、炭酸アンモニウムジルコニウムを好適に使用することができる。弾性層2に耐水化剤を含有させることで、ローラ抵抗の環境依存性を改善して、環境変化に伴う抵抗の変動を抑制することができるとともに、弾性層2の表面に形成される気孔を微細化して、ローラの表面性を向上することができる。かかる耐水化剤の配合量は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部、特には0.5〜5質量部とすることが好ましい。耐水化剤の配合量が多すぎると、粘度が高くなりすぎてポットライフが低下する傾向があり、一方、耐水化剤の配合量が少なすぎると、所期の効果を十分に得られないおそれがあり、いずれも好ましくない。
弾性層2の厚みとしては、1.0〜5.0mmであることが好ましく、1.0〜3.0mmであることがより好ましい。弾性層2の厚みをかかる範囲とすることで、スパーク放電を防止することができる。
本発明の帯電ローラ10においては、シャフト1として金属製またはプラスチック製の、中空円筒体または中実円柱体を使用することができるが、好ましくは、金属製の中空円筒体または中実円柱体であり、より好ましくは、金属製の中空円筒体である。これにより、コスト性を向上させることができる。
また、本発明の帯電ローラ10においては、弾性層2上に設ける表層3は、水系の塗料を用いても溶剤系の塗料を用いてもよい。例えば、表層3に水系塗料を用いる場合、ローラ等の材料として公知のゴムや樹脂を用いることができる。樹脂としては、例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。また、ゴム系の水系塗料としては、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、ポリウレタン樹脂系の水系塗料としては、エーテル系、エステル系等のエマルションやディスパージョン、アクリル樹脂系の水系塗料としては、アクリル、アクリルスチレン等のエマルション、フッ素樹脂系の水系塗料としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を好適に用いることができる。
本発明の帯電ローラ10の表層3においては、水系塗料として、水系アクリル樹脂を好適に用いることができる。かかる水系アクリル樹脂としては、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとを必須成分とし、任意にその他のモノマーを含むものが好ましく、その他のモノマーとしては、エチルアクリレート、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。アクリロニトリルおよびn−ブチルアクリレートを必須成分とするのは、これらが弾性(セット性)の向上に寄与するためであり、かかる観点からは、可能な限りn−ブチルアクリレート量を増量し、他の成分を減量するとともに、必須成分以外のその他のモノマー成分のモノマー比率を減らすことが好ましい。一方、アクリロニトリルの比率を高めすぎると、形成された層が硬くなってしまうため好ましくない。したがって、必須成分であるアクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとのモノマー比率は、モル比で1〜25:99〜75、特には5〜20:95〜80の範囲内とすることが好ましい。
また、上記水系アクリル樹脂は、分子中に活性水素を有する基を含んでいることが好ましい。活性水素を有する基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等が挙げられ、好適にはカルボキシル基である。本発明において、かかる活性水素を有する基を含むモノマーの比率は、全モノマー量の3〜6%の範囲内とすることが好ましい。本発明においては、活性水素を有する基を含むモノマーの比率をこの範囲内とすることで、表面酸価が10mg/g以上、例えば、10〜20mg/gに調整された水系アクリル樹脂を好適に用いることができる。
さらに、表層3を形成する水系塗料中には、特に制限されるものではないが、導電剤を添加して、表層3の導電性(電気抵抗)を付与または調整することができる。この場合に用いる導電剤としては、特に制限はなく、弾性層2に使用されるのと同様のものを、1種にて、または2種以上を混合して、適宜用いることができる。また、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、表層3の体積抵抗率が1×10〜1×1012Ω・cm、好ましくは1×10〜1×10Ω・cmとなるように調整される。
なお、この表層3を形成する水系塗料中には、架橋剤、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を、必要に応じて添加してもよい。また、表層3の形成方法としては、特に制限はないが、表層を構成する各成分を含む塗料を調製し、この塗料をディッピング法やスプレー法により塗布する方法を好ましく用いることができる。
表層3の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜30μm、特には1〜20μmとすることができる。表層3の厚みが1μm未満であると、ローラの耐久性に劣る場合があり、一方20μmを超えると、帯電特性等に悪影響を与えたり、表面にしわを生じたりするなど、良好な表面性が得られない場合がある。
図3は、本発明の帯電ローラの他の例を示す長手方向断面図である。図示する帯電ローラ20は、シャフト1の外周に少なくとも弾性層2を備え、さらに表層3を備えるものであるが、図示するように、必要に応じて、弾性層2と表層3との間に、中間層として抵抗調整層4を設けることができる。さらに、シャフト1の外周に、弾性層2を形成するに先立って、接着層5を設けて、シャフト1と弾性層2との接着性を向上させることもできる。
抵抗調整層4は、樹脂に導電剤を添加した樹脂組成物により形成することができる。この樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に制限されるものではないが、具体的には例えば、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種を、または、2種以上を混合して用いることができ、中でも、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂等の水系塗料が好ましく用いられる。また、この水系塗料に添加される導電剤としては、弾性層2に用いられた導電剤と同じものを使用することができる。
抵抗調整層4は、帯電ローラ20の電気抵抗値を調整するために任意に設けられるものであり、かかる抵抗調整層4の抵抗値は、弾性層2の抵抗値や、ローラに求められる抵抗値に応じて適宜設定されるが、通常は1×10〜1×10Ω・cm、特には1×10〜1×10Ω・cmの範囲である。この場合、上記導電剤の配合量は、この抵抗値が達成される適量とすることができるが、通常は、上記水系塗料の基材樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、特には1〜10質量部である。
また、抵抗調整層4には、導電剤の他に、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の添加剤を配合することができる。例えば、オキサゾリン系、エポキシ系、メラミン系、グアナミン系、イソシアネート系、フェノール系等の架橋剤を、使用する基材樹脂に応じて適量にて配合することができ、その他、造膜助剤、分散剤、増粘剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の公知の添加剤を適量にて配合してもよい。
抵抗調整層4の厚みは、弾性層2の厚みや帯電ローラの形態などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常は10〜500μm、特には50〜300μmとすることが好ましい。抵抗調整層4の厚みが10μm未満であると、十分な抵抗値の調整を行うことが困難になる場合があり、一方、500μmを超えると、相対的に弾性層の厚みが薄くなって、ローラ硬度(部材硬度)が高くなってしまったり、必要以上にコスト高となったりする場合がある。
また、接着層5は、シャフト1と弾性層2との間、または、弾性層2と抵抗調整層4との間を強固に接着させるために、所望に応じ設けることができるものであり、その厚みは1〜100μm程度とすることができる。接着層5は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂材料を用いて形成することができ、必要に応じて導電剤や他の添加剤を添加することもできる。
図3に示すように、抵抗調整層4を塗布形成する場合は、塗布方法としては、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、ダイコート法、リング塗装法等の公知の手法を適宜用いることができ、塗料を塗布後、乾燥固化することにより、抵抗調整層4が形成される。中でも、塗布方法としては、ディップ法を用いることが好ましい。また、接着層5についても、所望に応じ、抵抗調整層4と同様にして塗布形成することができる。さらに、表層3を、上記弾性層2上、または、弾性層2上に形成された抵抗調整層4上に、上記接着層5と同様の手法で塗布形成することにより、本発明の帯電ローラを得ることができる。
図4は、本発明の帯電ローラのさらに他の例を示す長手方向断面図である。帯電ローラ30は、感光ドラムに押圧される際に長さ方向に均一な当たり面を形成することが重要であるため、図示する好適例の帯電ローラ30は、長手方向中央部において端部よりも径が大きいクラウン形状を有している。
帯電ローラ30をクラウン形状とする場合に、ローラ長手方向断面における、長さ方向中央の突出の程度を表すクラウン量としては、50〜300μmとすることが好ましく、これにより、通常の画像を一層良好なものにすることができる。クラウン量が50μm未満であると、ローラ長さ方向中央部の接触圧が低くなり、一方、クラウン量が300μmを超えると、ローラ長さ方向中央部が強く接触しすぎてしまい、いずれの場合も帯電量の不均一等の不具合を招くおそれがある。なお、本発明において帯電ローラのクラウン量の測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザ測定機LSM−430vを用いて行うことができる。この測定機により、ローラ中央部および中央部から端部へ向かう90mmの位置において外径を測定し、中央部の外径と両端部方向へ各90mmの位置における外径の平均値との差をローラクラウン量とする。例えば、ローラ長250mmの帯電ローラにおいては、一方の端から35mm、125mm、215mmの3点において外径を測定する。その際、一方の端から35mm位置における外径をA(mm)、125mm位置における外径をB(mm)、215mm位置における外径をC(mm)とすると、クラウン量(μm)は下記計算式(1)、
クラウン量(μm)={B−(A+C)/2}×1000 (1)
で求めることができる。
また、本発明の帯電ローラにおいては、振れ(膜厚精度)を、ローラ長さ方向全領域において、70μm以下とすることが好ましい。帯電ローラを感光体と接触させながら回転させた場合、帯電ローラの振れが大きいと、帯電ローラと感光体との間に空隙が生じ、さらに、その空隙距離も様々になってしまう。この場合、感光体上に残留しているトナー粒子および外添剤が、その空隙に侵入しやすくなり、帯電ローラにムラとなって付着する。そのため、ローラ表面がまだらに汚れて、画像不良の原因となってしまう。なお、本発明において帯電ローラの振れの測定は、ミツトヨ(株)製の高精度レーザ測定機LSM−430vを用いて行うことができる。この測定機により、外径を、ローラ長さ方向各5点について測定し、各点について測定した外径の最大値と最小値との差の平均値を振れとする。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜4および比較例1〜5>
図1に示すような、シャフト1と、その外周に順次形成された弾性層2および表層3とを備える帯電ローラ10を作製した。シャフト1は、φ:8mm、長さ:260mm、材質:硫黄快削鋼とした。このシャフトに、下記表1に示す配合内容の弾性層形成用塗料をメカニカルフロス法により発泡させて、垂直方向に吊り下げたシャフトをここに浸漬することにより弾性層2を形成し、硬化させた。その後、弾性層を形成したシャフトを塗工機にディップすることにより、膜厚15μmの表層3を形成して、帯電ローラを作製した。
<TI値の測定>
調製した弾性層形成用塗料を、回転式粘度計(VISMETRON VDA;商品名、芝浦システム(株)社製)にNo.1ロータをセットし、測定温度23±1℃にて、回転数を6rpm、60rpmとして粘度Vrpm6およびVrpm60を測定しTI値を求めた。
<端部外径差の測定>
シャフトを垂直方向に吊り下げて弾性層形成用塗料へディップした際の、ローラ上方のシャフトの端部から軸方向に27.3mm内側の位置におけるローラの外径D1と、シャフトの端部から軸方向に27.3mm内側の位置におけるローラの外径D2と、を測定した。なお、外径D1、D2の測定には、ミツトヨ(株)製高精度レーザ測定機LSM−430vを用いた。
<画像端部モヤ>
各供試ローラをプリンタに装着して、画像の端部における黒モヤにつき評価を行った。黒モヤが発生しなかった場合を○、黒モヤが発生した場合を×、黒モヤがわずかに発生し場合を△とした。
Figure 2016114791
水系樹脂:ウレタンエマルジョン(SPX30:第一工業製薬(株)社製)
発泡剤1:ステアリン酸アンモニウム塩(DC100A:サンノプコ(株)社製)
発泡剤2:アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオゲンS−20D:第一工業製薬(株)社製)
レべリング剤:ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体
消泡剤:鉱油・ポリエーテル・疎水性シリカ混合物
耐水化剤:炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液
整泡剤:ショ糖脂肪酸エステル
架橋剤:オキサゾリン含有ポリマー
増粘剤1:ポリカルボン酸水溶液(SN−651:サンノプコ(株)社製)
増粘剤2:ウレタンプレポリマー(レオレート210:稲畑ファインテック(株))
増粘剤3:アルキルトリメチルアンモニウムクロライド(ビスコトップ200L:花王(株))
増粘剤4:ウレタンポリマー、高沸点アルコール系溶剤等の混合物(SN−660T:サンノプコ)
増粘剤5:変性ポリアクリル系スルホン酸塩の水溶液(SN−615:サンノプコ)
増粘剤6:ポリカルボン酸ナトリウム塩の水溶液(SN−618:サンノプコ)
導電剤:カーボンブラック水分散液
Figure 2016114791
上記表1より、TI値が3.5以上となると端部外径差が60μm以下となり、画像端部の黒モヤの発生を防止することができることがわかる。
1 シャフト
2 弾性層
3 表層
4 抵抗調整層
5 接着層
10、20、30 帯電ローラ

Claims (6)

  1. シャフトと、該シャフトの外周に形成された弾性層と、を備える帯電ローラにおいて、
    前記弾性層が、3.5以上のチクソトロピックインデックスを有する弾性層形成用塗料で形成されてなることを特徴とする帯電ローラ。
  2. 前記弾性層形成用塗料が、主成分として水系ウレタン樹脂を含む請求項1記載の帯電ローラ。
  3. 前記弾性層形成用塗料が、ポリカルボン酸を含む請求項1または2記載の帯電ローラ。
  4. 前記ポリカルボン酸が、前記水系ウレタン樹脂100質量部に対して0.01〜1質量部である請求項3記載の帯電ローラ。
  5. 前記弾性層が、機械的な撹拌により発泡した前記弾性層形成用塗料へ前記シャフトをディップすることにより形成されてなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載の帯電ローラ。
  6. 端部外径差が110μm以下である請求項5記載の帯電ローラ。
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