JP2016114722A - 筐体構造、電子機器及び画像形成装置 - Google Patents

筐体構造、電子機器及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カバー部材を備える筐体構造で、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができる筐体構造、並びにこれを用いた電子機器及び画像形成装置を提供する。【解決手段】筐体の内部と外部とを空間的に仕切るカバー部材である前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132との外装カバーを備える筐体構造であるプリンタ100の外装カバー及び内装カバー1において、内装カバー1の内部と外装カバーの外部とを繋ぎ、且つ、複数の迂回部からなるラビリンス形状を有する気体の経路として、第一経路R1及び第二経路R2を形成し、第一経路R1及び第二経路R2路が、外装カバーの内部と外部とを連通する一つの筐体開口部である外装カバー開口部5を介して外装カバーの外部と連通する。【選択図】図1

Description

本発明は、筐体構造、電子機器及び画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置として、筐体の内部と外部とを空間的に仕切るカバー部材を備え、装置駆動時に各種駆動部が発生する熱によって加熱された筐体内部の気体を、筐体外部に排出するものが知られている。
特許文献1には、カバー部材にルーバーを備えた開口部を設け、この開口部から装置内部の熱気を装置外部に排出する構成が記載されている。
しかしながら、画像形成装置の各種駆動部は駆動時に熱が発生するだけでなく、音も発生する。加熱された筐体内部の気体を筐体外部に排出する開口部等の気体の経路を設けると、この気体の経路から音も外部に漏れてしまい、漏れた音が騒音となるおそれがある。
このような問題は、画像形成装置に限らず、筐体の内部と外部とを空間的に仕切るカバー部材を備える筐体構造であれば生じ得る問題である。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、筐体の内部と外部とを空間的に仕切るカバー部材を備える筐体構造において、上記筐体の内部と外部とを繋ぎ、且つ、複数の迂回部を有する気体の経路を複数形成し、この複数の気体の経路のうちの二以上の気体の経路が、上記カバー部材の内部と外部とを連通する一つの筐体開口部を介して該カバー部材の外部と連通することを特徴とするものである。
本発明によれば、カバー部材を備える筐体構造で、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができるという優れた効果がある。
実施例1の前面開閉カバーと右側面開閉カバーとの境目の拡大水平断面図。 本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタにおけるプロセスユニットの概略構成図。 前面カバーと、右側面カバーとがそれぞれ開閉カバー部材を有する構成の一例を模式的に示すプリンタの斜視説明図。 実施例2の前面開閉カバーと右側面開閉カバーとの境目の拡大水平断面図。 左側面カバーが複数枚の外装カバーによって形成されたプリンタの斜視説明図。 第一経路及び第二経路の迂回部が湾曲部となっている構成の前面開閉カバーと右側面開閉カバーとの境目の拡大水平断面図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ100」という。)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタ100の基本的な構成について説明する。
図2は、プリンタ100を示す概略構成図であるプリンタ100は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー(以下、K、C、M、Yと記す)のトナー像を形成するための四つのプロセスユニット26(K,C,M,Y)を備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のK,C,M,Yトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
図3は、四つのプロセスユニット26のうちの一つの拡大説明図である。四つのプロセスユニット26は使用するトナーの色が異なる点以外は同様であるため、図3では使用するトナーの色を示す添え字(K,C,M,Y)は省略している。
図3に示すように、プロセスユニット26は、潜像担持体としてのドラム状の感光体24、感光体クリーニング装置83、除電装置及び帯電装置25を保持する感光体ユニット10と、現像ユニット23とを備えている。画像形成ユニットとしてのプロセスユニット26は、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置25は、駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される感光体24の表面を一様帯電する。一様帯電された感光体24の表面は、後述する光書込ユニット27が照射するレーザー光Lによって露光走査されて各色用の静電潜像を担持する。この静電潜像は、トナーを用いる現像ユニット23によってトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト22上に一次転写される。
感光体クリーニング装置83は、一次転写工程を経た後の感光体24表面に付着している転写残トナーを除去する。また、除電装置は、クリーニング後の感光体24の残留電荷を除電する。この除電により、感光体24の表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像ユニット23は、現像剤としてのトナーを収容する縦長のホッパ部86と、現像部87とを有している。現像剤収容部としてのホッパ部86内には、駆動手段によって回転駆動されるアジテータ88、これの鉛直方向下方で駆動手段によって回転駆動される現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ80などが配設されている。ホッパ部86内のトナーは、アジテータ88の回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ80に向けて移動する。トナー供給ローラ80は、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部86内下側に溜まったトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
現像ユニット23の現像部87内には、感光体24やトナー供給ローラ80に当接しながら回転する現像ローラ81や、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード82などが配設されている。ホッパ部86内のトナー供給ローラ80に付着したトナーは、現像ローラ81とトナー供給ローラ80との当接部で現像ローラ81の表面に供給される。供給されたトナーは、現像ローラ81の回転に伴って現像ローラ81と薄層化ブレード82との当接位置を通過する際に、現像ローラ81表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のトナーは、現像ローラ81と感光体24との当接部である現像領域において、感光体24表面上の静電潜像に付着する。この付着により、静電潜像がトナー像に現像される。
このようなトナー像の形成が、各プロセスユニット26で行われ、各色のトナー像が各プロセスユニット26のそれぞれの感光体24上に形成される。
図2に示すように、四つのプロセスユニット26の鉛直方向上方には、光書込ユニット27が配設されている。潜像書込装置としての光書込ユニット27は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、四つのプロセスユニット26におけるそれぞれの感光体24を光走査する。この光走査により、感光体24上に各色用の静電潜像が形成される。かかる構成においては、光書込ユニット27と、四つのプロセスユニット26とにより、四つの感光体24のそれぞれ互いに異なる色の可視像としてのK,C,M,Yトナー像を作像する作像手段として機能している。
光書込ユニット27は、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーによって光源から発したレーザー光Lを主走査方向に偏光しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体24に照射するものである。光書込ユニット27としては、LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
四つのプロセスユニット26の鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト22を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させるベルト装置としての転写ユニット75が配設されている。転写ユニット75は、中間転写ベルト22の他に、駆動ローラ76、テンションローラ20、四つの一次転写ローラ74(K,C,M,Y)、二次転写ローラ21、ベルトクリーニング装置71、クリーニングバックアップローラ72などを備えている。
ベルト部材であり、転写ベルトである中間転写ベルト22は、そのループ内側に配設された駆動ローラ76、テンションローラ20、クリーニングバックアップローラ72及び四つの一次転写ローラ74(K,C,M,Y)によって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ76の回転力により、同方向に無端移動される。
四つの一次転写ローラ74(K,C,M,Y)は、このように無端移動される中間転写ベルト22を感光体24(K,C,M,Y)との間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト22のおもて面と、感光体24(K,C,M,Y)とが当接するK,C,M,Y用の四箇所の一次転写ニップが形成されている。
一次転写ローラ74(K,C,M,Y)には、転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体24(K,C,M,Y)の静電潜像と、一次転写ローラ74(K,C,M,Y)との間に転写電界が形成される。なお、一次転写ローラ74に代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
イエロー用プロセスユニット26Yのイエロー用感光体24Y表面に形成されたYトナーは、イエロー用感光体24Yの回転に伴って上述のY用の一次転写ニップに進入する。Y用の一次転写ニップでは、転写電界やニップ圧の作用により、Yトナーは、イエロー用感光体24Y上から中間転写ベルト22上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写された中間転写ベルト22は、その無端移動に伴ってM,C,K用の一次転写ニップを通過する際に、感光体24(M,C,K)上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト22上には四色トナー像が形成される。
転写ユニット75の二次転写ローラ21は、中間転写ベルト22のループ外側に配設されて、ループ内側のテンションローラ20との間に中間転写ベルト22を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト22のおもて面と、二次転写ローラ21とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ21には、転写バイアス電源によって二次転写バイアスが印加される。この印加により、二次転写ローラ21と、アース接続されているテンションローラ20との間には、二次転写電界が形成される。
転写ユニット75の鉛直方向下方には、記録紙を複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット41がプリンタ100の筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット41は、紙束の一番上の記録紙に給紙ローラ42を当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙を給紙路に向けて送り出す。
給紙路の末端付近には、二つのレジストローラから構成されるレジストローラ対43が配設されている。このレジストローラ対43は、給紙カセット41から送り出された記録部材としての記録紙をローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙を上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト22上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙を二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで記録紙に密着された中間転写ベルト22上の四色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙上に一括二次転写され、記録紙の白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙は、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ21や中間転写ベルト22から曲率分離する。そして、転写後搬送路を経由して、定着手段としての定着装置40に送り込まれる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト22には、記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト22のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置71によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト22のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ72は、ベルトクリーニング装置71によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
定着装置40には、ハロゲンランプ等の発熱源45aを内包する定着ローラ45と、定着ローラ45に所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ47とが設けられており、定着ローラ45と加圧ローラ47とによって定着ニップを形成している。定着装置40内に送り込まれた記録紙は、その未定着トナー像担持面を定着ローラ45に密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化されて、フルカラー画像が定着される。
片面プリントモードが設定されている場合には、定着装置40内から排出された記録紙は、そのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー56の上面で構成するスタック部にスタックされる。
プリンタ100の筺体の上カバー56は、図2中の矢印Aで示すように、上カバー軸部材51を中心にして回動自在に支持されており、図2中の反時計回り方向に回転することで、プリンタ100の筺体に対して開いた状態になる。そして、プリンタ100の筺体の上部開口を大きく露出させる。また、光書込ユニット27も上カバー軸部材51を中心に回動自在に支持されており、光書込ユニット27を図2中の反時計回り方向に回転させることで、四つのプロセスユニット26(K,C,M,Y)の上面を露出させることができる。
プロセスユニット26(K,C,M,Y)は、上カバー56および光書込ユニット27を開放して着脱が行われる。具体的には、上カバー56および光書込ユニット27を開放してプロセスユニット26(K,C,M,Y)の上面を露出させた後、プロセスユニット26(K,C,M,Y)を鉛直上方向に引き抜くことにより、本体から取り出される。
着脱頻度高いプロセスユニット26を上カバー56および光書込ユニット27を開放して行うことで、しゃがんだり、腰を曲げたり、かがんだりなどといった無理な姿勢をとることなく、筺体内を上側から眺めながら着脱操作を確認することができる。よって、作業負担を軽減したり、操作ミスの発生を抑えたりすることができる。
また、本実施形態では、感光体ユニット10と現像ユニット23とを備えたプロセスユニット26をプリンタ100本体から着脱可能にしているが、現像ユニット23、感光体ユニット10をそれぞれ別々にプリンタ100本体から着脱可能にしてもよい。
図4は、プリンタ100の図2中の手前側の面を覆う前面カバー120と、右側面を覆う右側面カバー130とがそれぞれ開閉カバー部材を有する構成の一例を模式的に示すプリンタ100の斜視説明図である。
また、プリンタ100では、画像形成に用いる各装置を支持し、装置の骨組みを構成する本体フレームを備え、メンテナンスやパーツ交換等を行うために、複数の外装カバーを取り外し可能な状態で、本体フレームにねじ締結で固定している。本体フレームとしては鉄やアルミニウム等の金属製のものを挙げることができるが、金属製に限らず、各装置を支持する剛性を保てる材料からなるものであればよい。
前面カバー120は、固定カバー部材として本体フレームに固定される前面上カバー121及び前面下カバー123と、開閉カバー部材として前カバー回動軸122aを中心に回動可能な前面開閉カバー122とを備える。
右側面カバー130は、固定カバー部材として本体フレームに固定される右側面上カバー131と、開閉カバー部材として右側面カバー回動軸132aを中心に回動可能な右側面開閉カバー132とを備える。
前面開閉カバー122は、前カバー回動軸122aを中心に図4中の矢印F方向に回動させることで開放することができ、右側面開閉カバー132は、右側面カバー回動軸132aを中心に図4中の矢印G方向に回動させることで開放することができる。
〔実施例1〕
次に、本発明を適用した筐体構造の一つ目の実施例(以下、「実施例1」という)について説明する。
図1は、実施例1のプリンタ100の前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132との境目を上方から見た拡大水平断面図である。
図1中の矢印F及びGは、図4を用いて説明した前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132とを開放する際の回動方向を示している。
右側面開閉カバー132は、前面開閉カバー122側の端部よりも少しだけ前面開閉カバー122から離れた位置に、装置の内側向けて突出した右側面開閉カバー突出部132bを備える。一方、前面開閉カバー122は、右側面開閉カバー132側の端部から順に装置の内側向けて突出した前面開閉カバー第一突出部122b及び前面開閉カバー第二突出部122cを備える。
図1に示すように、前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132とは異なる方向に開閉し、前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132との境目に装置内部からの音や空気の流れの出口となる外装カバー開口部5を形成している。
また、プリンタ100は、二つの外装カバー(前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132)の内側に、本体フレームに固定された内装カバー1を備える。内装カバー1の内側には、定着装置40や光書込ユニット27等の画像形成に用いる各装置が配置されており、外装カバーを開放しただけでは、各装置が露出しない構成となっている。
内装カバー1と、右側面開閉カバー132との間には隙間があり、この隙間によって装置内部の熱や音が外装カバー開口部5に向かう第一経路R1を形成する。また、内装カバー1と、前面開閉カバー122との間にも隙間があり、この隙間によって装置内部の熱や音が外装カバー開口部5に向かう第二経路R2を形成する。第一経路R1及び第二経路R2は、内装カバー1の内部と外装カバーの外部とを繋ぎ、音や熱が伝達する空気の経路が直角に変化する屈曲部を三箇所以上有する。これにより、屈曲部が二箇所のものよりも外部に漏れようとする音を回折させることができ、音漏れ防止の効果を向上させることができる。
プリンタ100では、内装カバー1における右側面開閉カバー132と対向する面に第一内装開口部11を設け、前面開閉カバー122と対向する面に第二内装開口部12を設けている。
定着装置40は、発熱源45aを有する熱源であり、定着装置40内やその周りには複数のローラが配置され、駆動時にはそれらが音源となる。定着装置40及びその周辺から発生した熱や音は、内装カバー1の内側から第一内装開口部11を通って内装カバー1と右側面開閉カバー132との隙間に伝達し、この隙間によって形成される第一経路R1を通って外装カバー開口部5から装置外部に排出される。
光書込ユニット27は、ポリゴンモータによってポリゴンミラーを高速回転させることで、熱と音とが発生する。光書込ユニット27から発生した熱や音は、内装カバー1の内側から第二内装開口部12を通って内装カバー1と前面開閉カバー122との隙間に伝達し、この隙間によって形成される第二経路R2を通って外装カバー開口部5から装置外部に排出される。
第一内装開口部11及び第二内装開口部12のように、内装カバー1の内部と外部とを連通する等の内側カバー開口部を複数備える。さらに、各内側カバー開口部は、それぞれ第一経路R1及び第二経路R2といった異なる空気の経路を介して外装カバー開口部5に連通している。これにより、内装カバー1内の熱源に近い内側カバー開口部から内装カバー1の外に排熱し、さらにとこの内側カバー開口部に連通する空気の経路を介して、外装カバー開口部5から装置外部に排熱することができる。これにより、内装カバー1の内側に熱が篭ることを防止し、内装カバー1の内部の温度上昇を抑制することができる。
プリンタ100では、各種ローラに回転駆動を伝達する駆動モータの駆動音や、各種ローラ等の移動部材の移動音、光書込ユニット27のポリゴンミラーの回転音等の様々な音が発生する。このような音がプリンタ100の外部に伝達し、周辺の人に不快感を与える騒音となるおそれがある。プリンタ100の外部と内部とを空間的に仕切る外装カバー(前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132)は、内部で発生した音が外部に伝達することを抑制し、騒音の発生を抑制することができる。
図1に示すように、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132と内装カバー1との間にはそれぞれ隙間があり、第一経路R1及び第二経路R2が形成されている。第一経路R1や第二経路R2は空気が通過できるため、プリンタ100の内部で生じた熱は第一経路R1や第二経路R2を介して外部に放出することができ、プリンタ100の内部の温度上昇を抑制することができる。
また、第一経路R1及び第二経路R2は複数箇所の屈曲部を有するラビリンス形状となっている。このため、プリンタ100の内部で発生し第一経路R1または第二経路R2を通過して外部に向かおうとする音は、複数回回折しないとプリンタ100の外部に出ることができない。音は回折する度に減衰するため、内部から外部に向かう音を複数回回折させることで、音漏れを抑制することができる。
また、複数箇所の屈曲部を有する複雑なラビリンス形状では、空気の流れが通過し難く流量が減少する。これに対して、プリンタ100では、第一経路R1と第二経路R2との複数の空気の経路を有することにより、装置の内部から外部に向かう空気の流量を確保することができる。これにより、空気の経路にラビリンス形状を設けた構成であっても排熱効率を維持することができる。
さらに、第一経路R1と第二経路R2が装置の外部と連通する外装カバー開口部5を一つとすることで、装置の内部で発生した音が外部に漏れ出る筐体開口部を少なくできる。これにより、複数の空気の経路のそれぞれが個別の筐体開口部を介して外部と連通する構成よりも音漏れを抑制することができる。
このように、実施例1のプリンタ100では、装置の内部から外部に向かう空気の流れを確保することで装置内部の温度上昇を防ぎながら、音漏れを抑制することができる。
プリンタ100のような画像形成装置では、ジャム処理や用紙の追加などの際に開閉する前面開閉カバー122や右側面開閉カバー132のような開閉カバー部材を設ける必要がある。このような開閉カバー部材と他の外装カバーとの間の隙間から装置内部で発生した音が外部に漏れると騒音の原因となる。開閉カバー部材と他の外装カバーとを重ねて接触させる構成で隙間が生じない構成としようとすると、部品の僅かな精度誤差で外装カバー同士のかじりが生じたり、突き当たりが生じたりするおそれがある。
このため、開閉カバー部材と他の外装カバーとを重ねて接触させる構成で隙間が生じない構成とすることは困難であり、隙間が生じないようにするためには、スポンジ等の弾性部材を開閉カバー部材と他の外装カバーとの境目となる部分に設ける必要ある。弾性部材を外装カバーに追加することは部品点数の増加となり、製造コストが増加するおそれがある。また、隙間を備えていないため、開閉カバー部材と他の外装カバーとの境目から装置内部の熱を外部に逃がすことができない。
これに対して、プリンタ100では、開閉カバー部材と他の外装カバーとの境目を外装カバー開口部5とし、装置内部から外装カバー開口部5まで音が伝達する第一経路R1及び第二経路R2をラビリンス形状としている。このような構成により、装置内部の音が外部に漏れ出ることを抑制しつつ、プリンタ100の内部の熱を第一経路R1または第二経路R2を通じて外装カバー開口部5から逃がして、温度上昇を抑制することができる。また、外装カバー同士の境目となる部分に弾性部材を配置することが不要となるので、製造コストの増加を抑制することができる。
また、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132と内装カバー1との間の隙間に第一経路R1及び第二経路R2を形成することで、これらの空気の経路を形成するために新たな部材を設ける必要がない。これにより、ラビリンス形状を備えた空気の経路を設けるコストを抑制することができる。
また、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等の開閉カバー部材は、開放することによって露出する内装カバー1等の内側部材との間に隙間を形成する必要がある。この隙間に第一経路R1及び第二経路R2を形成することで、これらの空気の経路を形成するために新たな部材を設ける必要がなく、ラビリンス形状を備えた空気の経路を設けるコストを抑制することができる。
また、前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132とのように、空気の経路となる隙間を形成する外装カバーが両方とも開閉カバー部材である場合、どちらからも開閉可能にしなければ使い勝手に悪影響を与える。また、開閉カバー部材同士が隣接する部分では、他の外装カバー同士が隣接する部分に比べて可動域を考え隙間を大きくするため、音漏れが大きくなる傾向にある。そのような場合においても、開閉カバー部材同士の境目を外装カバー開口部5とし、この外装カバー開口部5に繋がる空気の経路を、ラビリンス形状を有する第一経路R1及び第二経路R2とすることで、音を複数回折させ、音漏れを減少させることができる。
開閉カバー部材の閉鎖時に開閉カバー部材と内装カバー1とが接触しない第一経路R1及び第二経路R2の幅としては次のように設定する。すなわち、前面開閉カバー122の閉鎖が完了した状態では、前面開閉カバー122は図1で示す位置となる。前面開閉カバー122に必要以上の大きな力を作用させて閉鎖した場合、本体フレーム等の突き当て部材に突き当たった前面開閉カバー122はさらに弾性変形して、図1に示す状態よりも内装カバー1側の位置まで移動する。この際、図1に示す状態での第二経路R2の幅が図1に示す状態よりも前面開閉カバー122が内装カバー1側の位置まで移動したときの移動量よりも大きくなるように設定する。
図1に示す状態よりも前面開閉カバー122が内装カバー1側の位置まで移動したときの移動量としては、前面開閉カバー122が弾性変形し得る範囲で変形量が最大となったときの移動量を設定することが望ましい。弾性変形し得る範囲で変形量が最大となる範囲を超えて前面開閉カバー122が変形した場合は、前面開閉カバー122が塑性変形して破損した状態であり、継続使用ができない状態であるので考慮は不要である。これに対して、弾性変形し得る範囲であれば、前面開閉カバー122は破損した状態ではなく、継続して使用が可能な状態である。よって、前面開閉カバー122が弾性変形し得る範囲で変形量が最大となったときの移動量を図1に示す状態よりも前面開閉カバー122が内装カバー1側の位置まで移動したときの移動量に設定する。これにより、継続使用可能な範囲で前面開閉カバー122が変形しても第二経路R2を形成すべき部分が内装カバー1と接触することを防止することができる。また、右側面開閉カバー132と第一経路R1との関係も同様である。
実施例1のプリンタ100では、第一経路R1及び第二経路R2を形成する隙間は、右側面開閉カバー132、前面開閉カバー122及び内装カバー1等の部品公差及び可動部のクリアランスのばらつきを許容する大きさに設定されている。すなわち、部品公差や可動部のクリアランスが隙間を最も狭める条件となっていても、隙間が右側面開閉カバー132または前面開閉カバー122と内装カバー1とによって閉鎖されないような値に隙間は設定されている。
これにより、隙間によって形成される第一経路R1及び第二経路R2から熱を逃がすことができ、プリンタ100の内部の温度上昇を抑制することができる。
プリンタ100のように内装カバー1を備えることで、右側面開閉カバー132や前面開閉カバー122を開放しても、画像形成に用いる各装置が露出しない構成を実現出来る。
図1に示すように、第一経路R1及び第二経路R2のラビリンス形状は、外装カバー開口部5の近傍に設けられている。これにより、熱が滞り易いラビリンス形状を筐体開口部近傍とし、第一経路R1及び第二経路R2における筐体の内部側の温度上昇を抑制することができる。
内部と外部とを繋ぐ経路にラビリンス形状を設ける構成としては、隣接する外装カバー同士の境界となる隙間にラビリンス形状を形成する構成が考えられる。しかし、外装カバー同士の隙間にラビリンス形状を設けようとすると、ラビリンスを形成する分、外装カバーの厚み分が増えてしまい、画像形成装置全体の大型化に繋がるおそれがある。
また、実施例1のように、隣接する外装カバーが共に開閉カバー部材である場合は、次のような問題が生じ得る。すなわち、開閉可能なカバー部材は移動するためにある程度ガタが必要であるが、ラビリンス形状を設ける隙間は開閉カバー部材の二つ分のガタの影響を受ける。ガタのバラツキが大きいと、ラビリンス形状として成り立たないほど、隙間が広くなったり、開閉カバー部材同士が接触して、隙間が形成されなかったりするおそれがある。そして、隙間を精度良く確保するために、ガタのバラツキを小さくしようとすると、部品精度を高める必要がある。
これに対して、ラビリンス形状を設ける隙間を、一つの開閉カバー部材と一つの固定部材(内装カバー1等)によって形成することで、隙間に影響を与えるガタを開閉カバー部材の一つ分のガタに抑えることができる。
〔実施例2〕
次に、本発明を適用した筐体構造の二つ目の実施例(以下、「実施例2」という)について説明する。
図5は、実施例2のプリンタ100の前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132との境目を上方から見た拡大水平断面図である。
実施例2のプリンタ100は、実施例1の内装カバー1の代わりに、前面開閉カバー122と対向する前面内装カバー18と、右側面開閉カバー132と対向する右側面内装カバー19との二つの内側部材を備える。前面内装カバー18及び右側面内装カバー19は本体フレームに固定されている。第一内装開口部11は右側面内装カバー19に設け、第二内装開口部12は前面内装カバー18に設けている。
実施例2のプリンタ100は、実施例1と同様に、前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132との境目に装置内部からの音や空気の流れの出口となる外装カバー開口部5を形成している。
右側面内装カバー19と、右側面開閉カバー132との間には隙間があり、この隙間によって装置内部の熱や音が外装カバー開口部5に向かう第一経路R1を形成する。また、前面内装カバー18と、前面開閉カバー122との間にも隙間があり、この隙間によって装置内部の熱や音が外装カバー開口部5に向かう第二経路R2を形成する。さらに、実施例2のプリンタ100では、前面内装カバー18と右側面内装カバー19との間に隙間があり、この隙間によって装置内部の熱や音が外装カバー開口部5に向かう第三経路R3を形成する。第一経路R1、第二経路R2及び第三経路R3は音や熱の経路が直角に変化する屈曲部を三箇所以上有する。
実施例2のプリンタ100では、第一経路R1、第二経路R2及び第三経路R3は空気が通過できる。このため、プリンタ100の内部で生じた熱は第一経路R1、第二経路R2または第三経路R3を介して外部に放出することができ、プリンタ100の内部の温度上昇を抑制することができる。
また、第一経路R1、第二経路R2及び第三経路R3は複数箇所の屈曲部を有するラビリンス形状となっている。このため、プリンタ100の内部で発生し第一経路R1、第二経路R2または第三経路R3を通過して外部に向かおうとする音は、複数回回折しないとプリンタ100の外部に出ることができない。音は回折する度に減衰するため、内部から外部に向かう音を複数回回折させることで、音漏れを抑制することができる。
上述したように、複数箇所の屈曲部を有する複雑なラビリンス形状では、空気の流れが通過し難く流量が減少する。実施例2のプリンタ100では、第一経路R1及び第二経路R2に加えて第三経路R3を備え、実施例1よりも多くの空気の経路を有する。これにより、装置の内部から外部に向かう空気の流量をより多く確保することができ、空気の経路にラビリンス形状を設けた構成であっても排熱効率を維持することができる。
さらに、第一経路R1、第二経路R2及び第三経路R3の三つの空気の経路が装置の外部と連通する外装カバー開口部5を一つとしている。これにより、装置の内部で発生した音が外部に漏れ出る筐体開口部を少なくでき、三つの空気の経路のそれぞれが個別の筐体開口部を介して外部と連通する構成よりも音漏れを抑制することができる。
このように、実施例2のプリンタ100では、装置の内部から外部に向かう空気の流れを確保することで装置内部の温度上昇を防ぎながら、音漏れを抑制することができる。
実施例1及び実施例2の外装カバー開口部5の図で示す断面における幅は、各空気の経路(第一経路R1、第二経路R2及び第三経路R3)の幅よりも広く設定されている。よって、第一経路R1及び第二経路R2の断面積よりも外装カバー開口部5の開口面積の方が大きくなる。これにより、空気の経路が合流する構成であっても、出口となる外装カバー開口部5近傍で空気の流れが滞ることを抑制し、排熱効率を維持することができる。実施例1及び実施例2のプリンタ100では、各空気の経路の幅は3.0[mm]であり、外装カバー開口部5の幅は4.0[mm]であるが、これに限るものではない。
また、各空気の経路の幅と外装カバー開口部5の幅とを同じに設定してもよいし、外装カバー開口部5の幅の方を狭く設定してもよい。
図6は、プリンタ100の図2中における左側面を覆う左側面カバー110が複数枚の外装カバーによって形成された構成の一例を模式的に示すプリンタ100の斜視説明図である。
図6に示すように、左側面カバー110は、第一左側面カバー111、第二左側面カバー112、第三左側面カバー113及び第四左側面カバー114の四枚の外装カバーによって形成される。これら四枚の外装カバーは、固定カバー部材として本体フレームに固定される。
固定カバー部材と内側部材との間に形成される隙間は、固定カバー部材及び内側部材の部品公差のばらつきを許容する大きさに設定されている。すなわち、部品公差が空気の経路を形成する隙間を最も狭める条件となっていても、空気の経路が固定カバー部材と内側部材とによって閉鎖されないような値に隙間は設定されている。
これにより、固定カバー部材と内側部材との間に形成される隙間の空気の経路から熱を逃がすことができ、プリンタ100の内部の温度上昇を抑制することができる。
上述した実施例1及び実施例2では、開閉カバー部材と、内側部材との間の隙間に、ラビリンス形状を備えた複数の空気の経路を形成する構成について説明した。内側部材との間の隙間にラビリンス形状を備えた空気の経路を形成するカバー部材としては、開閉カバー部材に限らず、本体フレームに固定された固定カバー部材であってもよい。空気の経路を形成するカバー部材が固定カバー部材の場合、開閉カバー部材よりも内側部材との位置精度を高めることができ、空気の経路の幅の誤差を小さくすることができる。
上述した実施例1及び実施例2では、ラビリンス形状を備えた空気の経路が装置内部で発生した熱を外部に排出する排熱経路である場合について説明した。このような空気の経路としては、排熱経路に限らず、外部の温度が低い空気を装置内部に導く吸気経路であってもよい。吸気経路の場合も複数の空気の経路を設けることで、筐体の外部から内部に向かう空気の流量を確保することができ、空気の経路に複雑な形状を設けた構成であっても冷却効率を維持することができ、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができる。
本実施形態では、カバー部材を備える筐体構造が画像形成装置の筐体である場合について説明したが、動作時に音を発生する音源部と、この音源部から発する音を吸音する吸音装置とを備える構成であれば画像形成装置以外の電子機器でも本発明は適用可能である。
さらに、電子機器に限らず、内部から外部への音漏れの抑制を求められる筐体構造であれば本発明の特徴部である隙間を形成する構成は適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
筐体の内部と外部とを空間的に仕切る前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等のカバー部材を備えるプリンタ100の外装カバー及び内装カバー1等の筐体構造において、筐体の内部と外部とを繋ぎ、且つ、複数の屈曲部等の迂回部を有する第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路を複数形成し、この複数の気体の経路うちの二以上の気体の経路が、カバー部材の内部と外部とを連通する一つの外装カバー開口部5等の筐体開口部を介してカバー部材の外部と連通する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、筐体の内部と外部とを繋ぐ気体の経路を介して空気等の気体の移動が可能であるため、筐体の内部に熱が篭ることを防止し、筐体内部の温度上昇を抑制することができる。また、この気体の経路が複数箇所の迂回部を有するような複雑な形状であることにより、筐体内部で発生し、気体の経路を通過して外部に向かおうとする音は複数回回折しないと筐体の外部に出ることはできない。複数回回折する際に音は小さくなるため、筐体の内部と外部とを繋ぐ気体の経路を設けた構成であってもこの気体の経路からの音漏れを抑制することができる。複数箇所の迂回部を有する複雑な形状では、気体の流れが通過し難く流量が減少するが、気体の経路を複数とすることで、筐体の内部から外部に向かう気体の流量を確保することができる。これにより、気体の経路に複雑な形状を設けた構成であっても排熱効率を維持することができる。さらに、複数の気体の経路のうちの二以上の気体の経路が筐体の外部と連通する筐体開口部を一つとすることで、筐体の内部で発生した音が外部に漏れ出る筐体開口部を少なくでき、複数の気体の経路のそれぞれが個別の筐体開口部を介して外部と連通する構成よりも音漏れを抑制することができる。よって、態様Aでは、カバー部材を備える筐体構造で、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができる。
なお、迂回部は、直線的に結び得る気体の経路に設けた屈曲部または湾曲部であり、音が伝達する気体の経路を直線的に結ぶよりも遠回りさせる部分である。
図7は、第一経路R1及び第二経路R2の迂回部が湾曲部となっているプリンタ100の前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132との境目を上方から見た拡大水平断面図である。図7に示すように、第一経路R1及び第二経路R2が複数の湾曲部によってラビリンス形状を形成する構成であっても、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができる。
(態様B)
態様Aにおいて、第一経路R1及び第二経路R2等の二以上の気体の経路の少なくとも一つが、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等のカバー部材の内側に位置する内装カバー1等の内側部材とカバー部材との間の隙間に形成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ラビリンス形状等の複数の迂回部を有する気体の経路を形成するために、新たな部材を設ける必要が無く、気体の経路を設けるコストを抑制することができる。
(態様C)
態様Bにおいて、隙間を形成するカバー部材が本体フレーム等の筐体構造本体に固定される第一左側面カバー111、第二左側面カバー112、第三左側面カバー113及び第四左側面カバー114等の固定カバー部材である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、開閉カバー部材よりも内側部材との位置精度を高めることができ、気体の経路の幅の誤差を小さくすることができる。
(態様D)
態様BまたはCの何れかの態様において、隙間を形成するカバー部材の少なくとも一つが、開閉可能な前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等の開閉カバー部材である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、開閉カバー部材を開放することによって露出する内側部材との隙間に第一経路R1及び第二経路R2を形成することができ、これらの気体の経路を形成するために新たな部材を設ける必要がない。これにより、気体の経路を設けるコストを抑制することができる。
(態様E)
態様B乃至Dの何れかの態様において、内装カバー1等の内側部材との間に第一経路R1及び第二経路R2を形成する隙間を形成する前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等のカバー部材を複数備え、隙間を形成するカバー部材のうちの二つが隣接して配置され、それぞれが開閉可能な開閉カバー部材であり、二つの開閉カバー部材はどちらからでも開閉が可能である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、音漏れを抑制する効果を損なうことなく開閉カバー部材同士の境目の隙間を確保することができる。また、二つの開閉カバー部材はどちらからでも開閉が可能であることにより、複雑な形状の気体の経路を形成する構成であっても、使い勝手に悪影響を与えることを防止できる。
(態様F)
態様DまたはEの何れかの態様において、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等の開閉カバー部材の閉鎖が完了した状態における開閉カバー部材の位置に対して、閉鎖時の押し込みによって移動し得る位置までの移動量である押し込み量よりも第一経路R1及び第二経路R2を形成する隙間が大きい。
これによれば、上記実施形態について説明したように、閉める動作によって閉鎖が完了した状態よりも開閉カバー部材が内側に入り込んだ場合であっても隙間を形成する部分で、内装カバー1等の内側部材と接触することを防止することができる。これにより、複雑な形状を有することによる音漏れ防止の効果を維持しつつ、開閉動作時に気体の経路となる隙間を形成するカバー部材と内側部材とが接触することに起因する破損の危険性を回避することができる。
(態様G)
態様D乃至Fの何れかの態様において、第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路を形成する隙間は、部品公差及び可動部のクリアランスのばらつきを許容する大きさである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、部品公差や可動部のクリアランスが隙間を最も狭める条件となっていても、隙間によって形成される気体の経路から熱を逃がすことができ、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができる。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等のカバー部材の内側に位置し、その内部と外部とを空間的に仕切る内装カバー1等の内側カバー部材を有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、開閉カバー部材を開放しても、画像形成に用いる各装置が露出しない構成を実現出来る。
(態様I)
態様Hに記載の筐体構造において、内装カバー1等の内側カバー部材の内部と外部とを連通する第一内装開口部11及び第二内装開口部12等の内側カバー開口部を複数備え、複数の内側カバー開口部がそれぞれ異なる第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路を介して、前面開閉カバー122及び右側面開閉カバー132等のカバー部材の外部と連通する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、内装カバー1の内側に熱が篭ることを防止し、内装カバー1の内部の温度上昇を抑制することができる。
(態様J)
態様HまたはIの何れかの態様において、前面内装カバー18及び右側面内装カバー19等の内側カバー部材を複数備え、隣接する内側カバー部材同士の間にその内部と外部とを連通する隙間が形成され、第三経路R3等の二以上の気体の経路の少なくとも一つが、内側カバー部材同士の隙間に形成されている。
これによれば、上記実施例2について説明したように、装置の内部から外部に向かう空気等の気体の流量をより多く確保することができ、気体の経路にラビリンス形状等の複数の迂回部を有する形状を設けた構成であっても排熱効率を維持することができる。
(態様K)
態様B、CまたはJの何れかの態様において、第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路を形成する隙間は、部品公差のばらつきを許容する大きさである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、部品公差が隙間を最も狭める条件となっていても、隙間から熱を逃がすことができ、筐体内部の温度上昇を抑制しつつ音漏れを抑制することができる。
(態様L)
態様A乃至Kの何れかの態様において、屈曲部等の迂回部が三箇所以上である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、迂回部が二箇所のみのものよりも、隙間を通過して外部に出ようとする音の回折回数を増やすことができ、さらに音漏れを防止することができる。また、屈曲部が三箇所以上であることにより、第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路を形成する隙間を形成する部分の一部が変形しても回折する構造を維持することができ、音漏れを抑制する効果を維持することができる。
(態様M)
態様A乃至Lの何れかの態様において、屈曲部等の迂回部が筐体開口部の近傍に設けられている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路における筐体の内部側の温度上昇を抑制することができる。
(態様N)
態様A乃至Mの何れかの態様において、前面開閉カバー122と右側面開閉カバー132等のカバー部材を複数備え、外装カバー開口部5等の筐体開口部は、隣接するカバー部材同士の間に形成された隙間である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、カバー部材同士の境目を外装カバー開口部5とし、装置内部から筐体開口部まで音が伝達する第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路が複数の迂回部を有する。このような構成により、装置内部の音が外部に漏れ出ることを抑制しつつ、筐体内部の熱を、気体の経路を通じて筐体開口部から逃がして、温度上昇を抑制することができる。また、カバー部材同士の境目となる部分を密閉することが不要となるので、製造コストの増加を抑制することができる。
(態様O)
態様A乃至Nの何れかの態様において、第一経路R1及び第二経路R2等の気体の経路よりもの断面積よりも外装カバー開口部5等の筐体開口部の開口面積の方が大きい。
これによれば、上記実施形態について説明したように、気体の経路が合流する構成であっても、筐体開口部近傍で空気等の気体の流れが滞ることを抑制し、排熱効率を維持することができる。
(態様P)
動作時に音を発生する光書込ユニット27や駆動装置等の音源装置と、音源装置を覆う外装カバー等の筐体とを備えたプリンタ100等の電子機器において、筐体として、態様A乃至Oの何れかの態様に係る筐体構造を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、電子機器の動作時に内部の温度が上昇することを抑制しつつ電子機器の動作時に生じる音が外部に漏れ出ることを抑制できる。
(態様Q)
プリンタ100等の電子写真方式の画像形成装置において、態様Pに係る電子機器の構成を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成時に装置内部の温度が上昇することを抑制しつつ画像形成時に生じる音が外部に漏れ出ることを抑制できる。
1 内装カバー
5 外装カバー開口部
10 感光体ユニット
11 第一内装開口部
12 第二内装開口部
18 前面内装カバー
19 右側面内装カバー
20 テンションローラ
21 二次転写ローラ
22 中間転写ベルト
23 現像ユニット
24 感光体
24Y イエロー用感光体
25 帯電装置
26 プロセスユニット
26Y イエロー用プロセスユニット
27 光書込ユニット
40 定着装置
41 給紙カセット
42 給紙ローラ
43 レジストローラ対
45 定着ローラ
45a 発熱源
47 加圧ローラ
51 上カバー軸部材
56 上カバー
71 ベルトクリーニング装置
72 クリーニングバックアップローラ
74 一次転写ローラ
75 転写ユニット
76 駆動ローラ
80 トナー供給ローラ
81 現像ローラ
82 薄層化ブレード
83 感光体クリーニング装置
86 ホッパ部
87 現像部
88 アジテータ
100 プリンタ
110 左側面カバー
111 第一左側面カバー
112 第二左側面カバー
113 第三左側面カバー
114 第四左側面カバー
120 前面カバー
121 前面上カバー
122 前面開閉カバー
122a 前カバー回動軸
122b 前面開閉カバー第一突出部
122c 前面開閉カバー第二突出部
123 前面下カバー
130 右側面カバー
131 右側面上カバー
132 右側面開閉カバー
132a 右側面カバー回動軸
132b 右側面開閉カバー突出部
L レーザー光
R1 第一経路
R2 第二経路
R3 第三経路
特開2010−97036号公報

Claims (17)

  1. 筐体の内部と外部とを空間的に仕切るカバー部材を備える筐体構造において、
    上記筐体の内部と外部とを繋ぎ、且つ、複数の迂回部を有する気体の経路を複数形成し、
    この複数の気体の経路のうちの二以上の気体の経路が、上記カバー部材の内部と外部とを連通する一つの筐体開口部を介して該カバー部材の外部と連通することを特徴とする筐体構造。
  2. 請求項1に記載の筐体構造において、
    上記二以上の気体の経路の少なくとも一つが、上記カバー部材の内側に位置する内側部材と該カバー部材との間の隙間に形成されていることを特徴とする筐体構造。
  3. 請求項2に記載の筐体構造において、
    上記隙間を形成する上記カバー部材が筐体構造本体に固定される固定カバー部材であることを特徴とする筐体構造。
  4. 請求項2または3の何れかに記載の筐体構造において、
    上記隙間を形成する上記カバー部材の少なくとも一つが、開閉可能な開閉カバー部材であることを特徴とする筐体構造。
  5. 請求項2乃至4の何れかに記載の筐体構造において、
    上記内側部材との間に上記隙間を形成する上記カバー部材を複数備え、
    該隙間を形成する該カバー部材のうちの二つが隣接して配置され、それぞれが開閉可能な開閉カバー部材であり、
    二つの該開閉カバー部材はどちらからでも開閉が可能であることを特徴とする筐体構造。
  6. 請求項4または5の何れかに記載の筐体構造において、
    上記開閉カバー部材の閉鎖が完了した状態における該開閉カバー部材の位置に対して、閉鎖時の押し込みによって移動し得る位置までの移動量である押し込み量よりも上記隙間が大きいことを特徴とする筐体構造。
  7. 請求項4乃至6の何れかに記載の筐体構造において、
    上記隙間は、部品公差及び可動部のクリアランスのばらつきを許容する大きさであることを特徴とする筐体構造。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の筐体構造において、
    上記カバー部材の内側に位置し、その内部と外部とを空間的に仕切る内側カバー部材を有することを特徴とする筐体構造。
  9. 請求項8に記載の筐体構造において、
    上記内側カバー部材の内部と外部とを連通する内側カバー開口部を複数備え、
    複数の該内側カバー開口部がそれぞれ異なる上記気体の経路を介して、該カバー部材の外部と連通することを特徴とする筐体構造。
  10. 請求項8または9の何れかに記載の筐体構造において、
    上記内側カバー部材を複数備え、
    隣接する該内側カバー部材同士の間にその内部と外部とを連通する隙間が形成され、
    上記二以上の気体の経路の少なくとも一つが、該内側カバー部材同士の隙間に形成されていることを特徴とする筐体構造。
  11. 請求項2、3または10の何れかに記載の筐体構造において、
    上記隙間は、部品公差のばらつきを許容する大きさであることを特徴とする筐体構造。
  12. 請求項1乃至11の何れかに記載の筐体構造において、
    上記迂回部が三箇所以上であることを特徴とする筐体構造。
  13. 請求項1乃至12の何れかに記載の筐体構造において、
    上記迂回部が上記筐体開口部の近傍に設けられていることを特徴とする筐体構造。
  14. 請求項1乃至13の何れかに記載の筐体構造において、
    上記カバー部材を複数備え、
    上記筐体開口部は、隣接する該カバー部材同士の間に形成された隙間であることを特徴とする筐体構造。
  15. 請求項1乃至14の何れかに記載の筐体構造において、
    上記気体の経路の断面積よりも上記筐体開口部の開口面積の方が大きいことを特徴とする筐体構造。
  16. 動作時に音を発生する音源装置と、該音源装置を覆う筐体とを備えた電子機器において、
    上記筐体として、請求項1乃至15の何れかに記載の筐体構造を用いることを特徴とする電子機器。
  17. 電子写真方式の画像形成装置において、
    請求項16に記載の電子機器の構成を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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