JP2016114278A - 気化式加湿器 - Google Patents

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Abstract

【課題】給水弁のリークによる水の垂れ流しを防止した気化式加湿器を提供する。
【解決手段】給水制御部23は、加湿運転の開始または停止の指示が入力されると、給水弁34の開閉を制御する。排水制御部21は、水位センサ70または80からの検知信号に基づいて、ドレンポンプ60を動作させる。異常判定部22は、加湿器の停止指令が入力された後、ドレンポンプ60を動作させた回数をカウントし、カウント数が予め設定された閾値に達すると給水弁34にリークが発生していると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、異常状態を判定して警報を出力する気化式加湿器に関する。
気化式加湿器(以下、加湿器という)は、給水されている加湿モジュールに送風機によって空調の対象となる空気を送り込み、加湿モジュールに保持された水と接触させることで加湿する。加湿モジュールの上部には散水装置を設けると共に、この散水装置に給水する配水管の経路に電磁弁などで構成された給水弁を設け、この給水弁を開閉制御することにより加湿モジュールに対する給水と停止を行う。給水弁の開閉は、操作者がリモコンなどのスイッチを使用して加湿器の運転停止を行う場合や、加湿器自体がその運転中に処理空気の湿度を検出して自動的に運転の開始及び停止を行う場合がある。
加湿モジュールで気化されなかった水は、加湿モジュールの下部に設けられたドレンパンに溜められた後、ドレンポンプによって排出される。ドレンパン内部の水は、そのまま加湿器の外部に排出されることもあるし、加湿器に設けられた貯水タンクなどを経由して加湿モジュールに循環されることもある。特許文献1の段落0015,0016に記載のように、ドレンパンに設けた水位センサからの検知信号によってドレンポンプの運転を制御したり、送風機が停止してから一定時間経過した後にドレンポンプを停止することも行われている。
特開2007−170684号公報
加湿器の運転が停止している間、正常な状態であれば給水弁は閉じており、加湿モジュールに給水されることはない。しかし、給水弁が機械的に損傷したり、給水弁の制御系に異常が生じて、リークがあると、給水弁からリークした水が加湿モジュールを経由してドレンパンに溜まっていく。ドレンパン内の水位が予め決められた満水位に達すると、ドレンパンに設けられた水位センサの検知信号がドレンポンプ運転用の制御回路に入力される。ドレンポンプ運転用の制御回路は、検知信号の受信に基づいて、ドレンポンプを動作させることで、ドレンパンから水を排出させる。
このように、従来技術では、給水弁にリークがあったとしても、ドレンポンプを運転することで、ドレンパンから水があふれて加湿器の周囲を水浸しにすることは防止される。しかし、従来技術は給水弁のリーク自体を検知する手段を持たないため、水が垂れ流しになり、ドレンポンプの運転が何時までも続くという問題があった。
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、給水弁のリークによる水の垂れ流しを自動的に検出して、操作者に警報を発することのできる気化式加湿器を提供することを目的とする。
本発明の気化式加湿器は、次のような構成を有する。
(1)気化させる水を保持する加湿モジュール。
(2)前記加湿モジュールへの給水配管に設けられた給水弁。
(3)前記加湿モジュールで気化されなかった水を溜めるドレンパン。
(4)前記ドレンパン内の水位が予め設定された満水位に達すると、検知信号を出力する水位センサ。
(5)前記ドレンパンに溜まった水を排出するためのドレンポンプ。
(6)加湿運転の開始または停止の指示が入力されると、前記給水弁の開閉を制御する給水制御部。
(7)前記水位センサからの前記検知信号に基づいて、前記ドレンポンプを動作させる排水制御部。
(8)前記加湿器の停止指令が入力された後、前記ドレンポンプを動作させた回数をカウントし、カウント数が予め設定された閾値に達すると前記給水弁にリークが発生していると判定する異常判定部。
前記ドレンパン内の水位が満水位に達したことを検出する第1の水位センサと第2の水位センサを備え、前記排水制御部は、前記第1の水位センサまたは第2の水位センサからの満水位の検知信号に基づいて、前記ドレンポンプを所定時間動作させ、前記異常判定部は、前記加湿器の停止指令が入力された後、前記ドレンポンプを動作させた回数をカウントし、カウント数が予め設定された閾値に達すると前記給水弁にリークが発生していると判定しても良い。
前記排水制御部は、加湿器の運転中または加湿器の運転停止中に前記ドレンパン内の水位が満水位に達した検知信号を受信する度に、第1の運転時間、前記ドレンポンプの運転を行い、加湿器の停止指令を受信した場合は、前記第1の運転時間よりも長い時間である第2の運転時間、前記ドレンポンプの運転を行っても良い。
前記異常判定部は、加湿器の運転開始後、所定時間内に前記ドレンポンプが動作しないと、前記加湿モジュールに水が供給されていないと判定しても良い。
本発明によれば、ドレンポンプの運転状態や水位センサからの検知信号を監視することにより、給水弁のリークを検出し、無駄な水の垂れ流しを防止した湿式加湿器を提供することができる。
第1実施形態の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における運転制御方法を示すフローチャートである。 第1実施形態における別の運転制御方法を示すフローチャートである。 第2実施形態の構成を示すブロック図である。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
本実施形態の気化式加湿器の構成を説明する。図1は本実施形態の気化式加湿器の一例を示すブロック図である。この気化式加湿器10は、加湿モジュール30と、給水弁34と、ファン40と、ドレンパン50と、ドレンポンプ60と、フロートスイッチ70と、運転制御部20と、加湿対象空気の湿度を検出する湿度センサ25及び運転操作用のリモコン90を有する。
給水配管35には、給水弁34よりも上流側に遮断弁32が設けられている。リモコン90、遮断弁32、給水弁34、ファン40、ドレンポンプ60およびフロートスイッチ70のそれぞれは、運転制御部20と信号線を介して接続されている。
運転制御部20は、ドレンポンプ60を制御する排水制御部21と、操作者に給水弁34のリークなどの異常を知らせる異常判定部22と、給水弁34の開閉を制御する給水制御部23と、ファン40の運転停止を制御するファン制御部24とを有する。運転制御部20は、例えば、マイクロコンピュータである。運転制御部20は、湿度センサ25が検出した空気中の湿度情報及びリモコン90からの加湿器の運転または停止指令に従って、給水弁34の開閉とドレンポンプ60の運転停止を制御する。
加湿モジュール30は、気化させる水を保持するための保水機能のある加湿材を有する。加湿器の運転時において、加湿モジュール30には、給水配管35を介して加湿用の水が供給される。すなわち、運転制御部20に設けられた給水制御部23は、湿度センサ25またはリモコン90から運転指令を受信すると、給水弁34に閉状態から開状態への切り替えを指示する。運転制御部20に設けられた給水制御部23は、停止指令を受信すると、給水弁34に開状態から閉状態への切り替えを指示する。これにより給水配管35から加湿モジュール30への給水と止水が行われる。遮断弁32は、異常判定部22により給水弁34の異常が判定された場合などに、開状態から閉状態に切り替わり、給水配管35を止水する。
ファン40は、ファン制御部24からの指示に従って、加湿モジュール30への送風を実行または停止する。すなわち、ファン制御部24は、運転指令がリモコン90から入力されると、ファン40に送風を開始させ、停止指令がリモコン90から入力されると、ファン40に送風を停止させる。同様に、ファン制御部24は、湿度センサ25からの運転指令または停止指令に従い、ファン40の送風または停止を行う。
ドレンパン50は、気化されずに加湿モジュール30から滴下する水を溜めるもので、このドレンパン50には、その水位を検出するフロートスイッチ70と、ドレンパン50内部に溜まった水を排出するドレンポンプ60が設けられている。フロートスイッチ70は、ドレンパン50内の水位を検知する機械的センサの一種である。フロートスイッチ70は、ドレンパン50内の水位が予め設定された満水位に達すると、満水位の検知信号を排水制御部21及び異常判定部22に送信する。ドレンパン50内の水位が、ドレンポンプ60が空運転となる最低水位に達した場合は、その検知信号を排水制御部21に送信する。
排水制御部21は、フロートスイッチ70から満水位の検知信号を受信するとドレンポンプ60に対して運転指令を送信し、最低水位の検知信号を受信すると停止指令を送信する。ドレンポンプ60は排水制御部21から運転指令または停止指令に従って運転または停止し、ドレンパン50に溜まった水の排出または停止を行う。
異常判定部22は、加湿器の停止時を起点としてレンポンプ60の動作回数をカウントする。このドレンポンプの60の動作回数は、排水制御部21からドレンポンプ60へ運転指令をカウントしても良いし、満水位の検知信号はドレンポンプ60の運転指令と実質的に同一のものであるから、図1のように、フロートスイッチ70が検出した満水位の検知信号を直接カウントしても良い。
異常判定部22は、加湿器の停止後に、ドレンポンプ60に対する運転指令に基づいて、給水弁34にリークが発生しているか否かを判定する。具体的には、異常判定部22は、加湿器の停止後にドレンポンプ60の運転指令を受信すると、この信号のカウントを開始する。動作回数をカウントし、カウント数が予め設定された閾値に達すると、給水弁34にリークが発生していると判定する。異常判定部22は、給水弁34にリークが発生していると判定すると、警報をリモコン90や加湿器本体に設けられた表示部26に送信する。
湿度センサ25は、加湿対象の気中の湿度を検出するものであり、検出した湿度が予め設定された上限値に達した場合に、運転制御部20に対して加湿器の停止指令を出力する。また、検出した湿度が予め設定された下限値に達した場合に、運転制御部20に対して加湿器の運転指令を出力する。
リモコン90は操作者が加湿器の運転指令または停止指令を運転制御部20に送信するための操作部である。リモコン90は、加湿器10に異常があることを操作者に通知するための表示部(図示せず)を備えている。リモコン90は、異常判定部22から警報を受信すると、表示部に異常を示す表示を行う。加湿器本体には、異常判定部22から受信した警報を表示する表示部26が設けられている。
[1−2.作用]
本実施形態の気化式加湿器10による運転制御方法の手順を説明する。図2は本実施形態の運転制御方法の手順を示すフローチャートである。ここでは、給水弁34にリークが発生したか否かの判定基準となる閾値をn(nは2以上の整数)とする。
加湿運転中に操作者がリモコン90の運転停止スイッチを押したり、湿度センサ25から停止指令が出力されると、運転制御部20はこれらの信号を受信する(ステップ110)。これらの信号に従って、運転制御部20の給水制御部23は給水弁34を開状態から閉状態に切り替え、加湿モジュール30に対する給水を停止すると共に、運転制御部20のファン制御部24がファン40の送風を停止させる。
加湿器の運転が停止しても、加湿モジュール30に残っている水はドレンパン50に垂れていき、ドレンパン50内の水量は増加する。ドレンパン50の水位が満水位に達すると、満水位を検出したフロートスイッチ70から検知信号が排水制御部21に出力される。排水制御部21はこの検知信号を受信すると、ドレンポンプ60に運転指令を出力し、ドレンポンプ60はドレンパン50からの排水を開始する。ドレンポンプ60は、ドレンパン50内の水を最低水位にまで排水し、フロートスイッチ70がそれを検出すると、フロートスイッチ70からの検知信号に基づいて排水制御部21はドレンポンプ60の運転を停止させる。
給水弁34にリークがない場合には、加湿モジュール30に対する給水は停止されるため、加湿モジュール30からドレンパン50に対する水の滴下は一定の時間、例えば20分から30分の間に停止する。そのため、ドレンポンプ60がドレンパン50内の水を最低水位まで排水すると、多少の水が加湿モジュール30から垂れてきても、ドレンパン50の満水位に達することはない。
給水弁34にリークがある場合には、ドレンポンプ60の停止後も加湿モジュール30から継続して水が垂れてくるため、ドレンパン50内は再び満水位となる。そのため、フロートスイッチ70から満水位の検知信号が出力されるため、一旦停止したドレンポンプ60が運転を開始する。
本実施形態では、加湿器の運転停止後、異常判定部22は、ドレンポンプ60の動作回数のカウントを開始する(ステップ120)。ドレンポンプ60の動作回数がnに達すると(ステップ130)、運転制御部20は、給水弁34にリークが発生したと判定する(ステップ140)。この場合、前記の様に給水弁34のリークがなくても加湿器の運転停止後にドレンポンプ60が運転される場合があることから、n=2以上としている。加湿器の運転停止後における加湿モジュール30から垂れる水の量が多い場合や、異常の誤判定を防止する場合は、n=3以上とすることも可能である。
その後、異常判定部22は、給水弁34のリークを知らせる警報を加湿器の表示部26やリモコン90に送信して、警報の表示を行う(ステップ150)。また、異常判定部22は、給水制御部23に警報を送信し、この警報を受信した給水制御部23は遮断弁32に対して、開状態から閉状態に切り替えさせる制御を行う。この遮断弁32の閉状態への切り替えは、異常判定部22からの制御信号で行うことも可能である。
フローチャートに示していないが、加湿運転の停止から予め決められた監視時間が経過するまで、運転制御部20が給水弁リークの有無の判定を行った結果、「リークなし」と判定したら、ドレンポンプ60の監視を止めてもよい。
[1−3.変形例]
本実施形態の変形例として、異常判定部22にタイマーを設けて、ドレンポンプ60の運転開始のカウントを一定時間遅らせるようにしてもよい。図3は変形例の手順を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートでは、加湿運転の停止後に異常判定部22がタイマーを起動し、一定時間(=T)経過したらステップ120のカウント開始の処理に進むように、図2に示したステップ110とステップ120の間に、タイマーの起動ステップ111と、タイマーによる計時ステップ112が追加されている。
この変形例では、図3に示すように、ドレンポンプ動作の検知開始を一定時間遅らせることにより、加湿運転停止直後の加湿モジュール30からの水垂れ分をドレンポンプ60が排水するための時間をはじめから除外することができ、異常の判定がより正確になる利点がある。
[1−4.効果]
本実施形態によれば、異常判定部22は、加湿器の運転停止後にドレンポンプ60の運転回数が閾値に達すると、給水を行っていないのにドレンパン50内に水が溜まり続けていると判定する。その結果、加湿器やリモコンの表示部に警報を出力させることにより、操作者に加湿器の異常を通知することが可能となる。
特に、給水弁34にリークがなくても、加湿運転の停止直後は加湿モジュール30からの水垂れが数十分間発生するため、運転停止後にドレンポンプ60が動作することがある。本実施形態では、ドレンポンプ60の動作回数について閾値を設けることにより、閾値よりカウント数が少ない場合は異常ではないと判定する。その結果、給水弁リークによるドレンポンプ動作か、加湿モジュール30からの水垂れ量が多かったことによるドレンポンプ動作なのかを確実に区別することができる。
本実施形態によれば、電磁弁リークを早急に発見できるようになり、給水元バルブを閉止したり、部品点検や部品交換等を行ったりすることで、無駄水を減らすことができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.目的]
本実施形態は、ドレンパン50内の水位上昇をフロートスイッチ70による機械的な水位検知だけでなく、レベルセンサ80による電気的な水位検知との二重化により、ドレンパン50が満水位に達した場合の検知精度を高めて、信頼性の向上を図ることを目的とする。
従来のドレンパン内の水位検知はフロートスイッチで行うのが一般的である。そのため、加湿器を長期間使用していると、フロートスイッチのステムやフロートの中筒にスケール(水垢)などの異物が付着してフロートの動作を妨げたり、フロート自体が固着してしまったりすることがあった。この場合、検知すべき水位になっても、フロートスイッチが動作しないということが多くみられた。これらの機械的な動作不良によりドレンポンプが動作しないと、ドレンパンから水が溢れるなどの水漏れ事故につながるおそれがあった。
[2−2.構成]
本実施形態の加湿器の構成を、図4に従って説明する。なお、図1に示した構成と同様な構成については、説明を省略する。
本実施形態の気化式加湿器は、ドレンパン50にレベルセンサ80が追加されている。このレベルセンサ80は、ドレンパン50の満水位位置に配置された2つの電極を有し、2つの電極が水中に没することにより通電し、満水位であることを検出する。このレベルセンサ80とフロートスイッチ70は、満水位の検知信号を排水制御部21及び異常判定部22に出力する。そのため、満水位になった場合、排水制御部21及び異常判定部22には、フロートスイッチ70とレベルセンサ80の2つの検知信号が入力される。
排水制御部21は、フロートスイッチ70とレベルセンサ80の2つの検知信号のいずれかが入力された場合に、ドレンポンプ60に対して運転指令を出力する。また、運転指令の出力後、予め定めた一定時間(例えば1分間)経過後に、ドレンポンプ60に対して停止指令を出力する。
異常判定部22は、ドレンポンプ60が予め定めた一定時間動作し、その後停止した後に、フロートスイッチ70またはレベルセンサ80の検知信号を監視し、検知信号の受信回数が閾値に達すると、ドレンパン50からの排水に異常があると判定する。この閾値は、任意に設定可能である。
[2−3.作用]
本実施形態の動作を説明する。ドレンパン50内の水位が上昇して、フロートスイッチ70とレベルセンサ80のいずれか一方または双方が満水位を検知すると、その検知信号が排水制御部21と異常判定部22に送信される。排水制御部21は、この検知信号に基づき、ドレンポンプ60に運転指令を出力し、これを受信したドレンポンプ60は運転を開始する。ドレンポンプ60が運転を開始すると、排水制御部21は予め定めた一定時間(例えば1分間)経過後、ドレンポンプ60を停止させる。
ドレンポンプ60が最初の運転を停止した後に、フロートスイッチ70またはレベルセンサ80からの満水位の検知信号を再度出力されると、排水制御部21は同様にしてドレンポンプ60を予め定めた一定時間(例えば1分間)運転する。以下、満水位の検知信号を受信するごとに、ドレンポンプ60の一定時間運転を繰り返す。給水弁34にリークがない場合には、加湿モジュール30からの水垂れも一定の時間内には解消され、ドレンパン50が満水位となることはなくなる。その結果、ドレンポンプ60の運転の繰り返しの運転も数回程度で終わり、閾値に達することはない。
給水弁34からリークがある場合には、ドレンポンプ60が一定時間(例えば1分間)運転した後に停止すると、加湿モジュール30から垂れた水により、再び満水位となるため、ドレンポンプ60の運転が何度も繰り返されることになる。異常判定部22は、加湿器の運転停止後における満水位の検知信号をカウントし、その回数が予め定めた閾値に達すると、給水弁34にリークがあると判定し、リモコン90や加湿器の表示部26に警報を送信する。
この場合、フロートスイッチ70とレベルセンサ80との両方から満水位の検知信号が異常判定部22に入力されるが、異常判定部22にOR回路を設けることで、同時に検知信号が入力されても、ドレンポンプ60の1回分の運転指令と判定することができる。また、フロートスイッチ70とレベルセンサ80との両方から満水位の検知信号を一旦排水制御部21に入力し、排水制御部21からのドレンポンプ60の運転指令を異常判定部22に入力することで、ドレンポンプ60の運転回数を判定することもできる。
[2−4.効果]
本実施形態では、ドレンパン50の水位上昇の検知をフロートスイッチ70による機械的な水位検知だけでなく、レベルセンサ80による電気的な水位検知も行うことにより、ドレンパン50の高水位状態の検知を二重化できるので水位検知の信頼性の向上が図れる。
本実施形態では、ドレンポンプ60をフロートスイッチ70が検出する最低水位にまで運転させることなく、予め定めた一定時間経過後に停止するので、ドレンポンプ60の稼働時間の短縮化になり、省電力化が図れる。また、加湿器の運転停止後は、ドレンポンプ60の運転回数を監視することで、給水弁34のリークを検出することもできる。
[3.第3実施形態]
[3−1.目的]
本実施形態は、ドレンポンプの稼働状態を見直すことにより、ポンプ交換寿命を延ばすことを目的とする。
従来のドレンポンプ運転方法には、次の2種類の方法があった。
第1の方法は、ドレンポンプの運転開始および運転停止にドレンパンの水位の検知信号を利用して、ドレンポンプの運転を制御する方法である。
第2の方法は、ドレンポンプの運転開始にはドレンパンの水位の検知信号を利用してドレンポンプに運転を開始させ、ドレンポンプの運転停止には加湿モジュールからの水の滴下量を考慮して、加湿器の停止から予め定めた運転時間(例えば、30分程度)経過後に、ドレンポンプを停止させる方法である。この場合、運転時間はドレンポンプの空運転が生じない長さに設定される。
第1の方法は、ドレンポンプの運転停止のトリガーとなる最低水位の検知信号によりドレンポンプの運転を停止するため、ドレンポンプの停止後に加湿モジュールからの水垂れがあるとドレンパン内の水位が上昇する。上昇した水位がドレンポンプの運転開始である満水位にまで達しない場合には、ドレンポンプは停止したままであるため、ドレンパンに残水が生じヌル発生の要因となる。ヌルとは、水中の微生物や菌類よって生じるヌメリを言う。
第2の方法は、加湿運転停止後もドレンポンプを稼働させているので、加湿モジュールからの水垂れがあってもドレンパン内の残水を減らすことができる。しかし、従来技術では、通常の加湿運転時にもドレンパン内の水位がドレンポンプの運転開始の水位に達すると、ドレンポンプを30分程度運転していたため、ドレンポンプの稼働時間が長くなり、その寿命に悪影響を与えていた。
[3−2.構成]
本実施形態は、第2の方法を改良したものである。本実施形態の気化式加湿器の構成は、排水制御部21によるドレンポンプ60に対する運転制御方法以外は、第1または第2の実施形態と同様なため、その詳細な説明を省略する。
排水制御部21は、加湿器の運転中または停止中に、フロートスイッチ70またはレベルセンサ80から満水位の検知信号を受信すると、ドレンポンプ60に対して1分間の運転を行わせる。この運転時間は、1分に限らず任意に設定可能である。この短い運転時間が請求項に記載した第1の運転時間である。
排水制御部21は、加湿器の停止信号を受信した場合、ドレンポンプ60が停止中であっても、また1分間の運転中であっても、30分間強制的に運転する。この運転時間は、30分に限らず、第1の所定時間よりも長い時間であれば、自由に設定可能である。この長い運転時間が請求項に記載した第2の運転時間である。
第1の運転時間と第2の運転時間は、ドレンポンプ60の空運転を防止するために、次のように設定される。すなわち、ドレンパン50の容量は、満水位から、ドレンポンプ60を第1の運転時間1分間と、第2の運転時間である30分を加算した31分間継続運転した場合に、最低水位に達する大きさである。従って、ドレンポンプ60が運転中であるか否かにかかわりなく、加湿器の運転停止の指示後に、30分間の強制運転をしてもドレンポンプは空運転することなく、停止する。
排水制御部21は、フロートスイッチ70によって最低水位を検出した場合には、その検知信号により、第2の運転時間中であっても、ドレンポンプ60を停止させる。
[3−3.作用]
本実施形態の気化式加湿器の動作を説明する。
加湿器の運転中または停止中に満水位に達すると、フロートスイッチ70やレベルセンサ80からの満水位の検知信号が出力され、この検知信号を受信した排水制御部21はドレンポンプ60を1分間運転する。1分間のドレンポンプ60の運転によりドレンパン50内の水位は満水位より低下する。その後、加湿モジュール30からの水垂れによりドレンパン50が満水位に達すると、その検知信号を受信した排水制御部21は、再びドレンポンプ60を1分間運転する。以下、同様にして、満水位に達するごとに、排水制御部21はドレンポンプ60の1分間の運転を繰り返す。
一方、加湿器の停止指令が排水制御部21に入力されると、排水制御部21は、ドレンポンプ60に運転開始を指示する。排水制御部21から運転開始の指示があると、ドレンポンプ60は、自身の運転中であると停止中であるとにかかわりなく、30分間強制的に運転される。そのため、加湿運転の停止後に、加湿モジュール30からの水垂れがあっても、ドレンパン50内から排水を行うことができる。
[3−4.効果]
本実施形態では、加湿器の運転中や停止中には、ドレンポンプ60の運転時間を短くしてポンプの延命を図ることができる。一方、加湿器の停止指令が入力された場合にはドレンポンプ60を長時間運転することで、加湿器の運転停止後に加湿モジュール30から垂れてくる水を確実に排水することが可能となる。その結果、ドレンパン50内の残水を極力減らすことでヌルの発生を抑制することが可能となる。
[4.第4実施形態]
[4−1.目的]
本実施形態は、ドレンポンプ60の運転状況から加湿モジュール30に対する給水の有無を確認して、加湿器が正常に動作しているか否かを判定することを目的とする。
加湿器の運転時には、給水弁34を開いて加湿モジュール30に給水を行っているが、従来技術では、給水配管35に給水がされていることを前提としているため、給水弁34よりも上流側の元バルブの閉止やストレーナの目詰まりがあると、加湿モジュール30に給水されなくなってしまう。この場合、加湿器の運転指令があると、加湿モジュール30に給水されない状態でファン40が運転されてしまう。
本実施形態の気化式加湿器は、加湿器の運転開始時に給水弁34を開くだけでなく、ドレンパン50からの排水状況を確認することにより、加湿器への給水の有無を判断する。
[4−2.構成]
本実施形態の基本的な構成は、第1実施形態と基本的には同様である。本実施形態の異常判定部22は、給水弁34を閉状態から開状態に切り替えさせた後、一定時間が経過しても、フロートスイッチ70やレベルスイッチ80からの満水位の検知信号、あるいは排水制御部21からのドレンポンプ60に対する運転指令を受信しなければ、加湿モジュール30に水が供給されていないと判定する機能を備えている。
[4−3.作用]
本実施形態において、給水制御部23は、加湿器の運転停止中にリモコン90または湿度センサ25から運転指令が入力されると、加湿モジュール30に水を供給するために、給水弁34を閉状態から開状態に切り替える。
加湿モジュール30に正常に給水されると、加湿モジュール30で保持しきれなかった水がドレンパン60に滴下する。ドレンパン50内の水が満水位に達すると、第1実施形態で説明したように、ドレンポンプ60が動作してドレンパン50内の水が外部に排出される。
一方、給水配管35の故障などの原因により、加湿モジュール30に給水が行われていなかった場合、加湿モジュール30からの水垂れがないため、一定時間を経過してもドレンポンプ60が動作しない。そこで、異常判定部22は、給水制御部23が給水弁34を閉状態から開状態に切り替えさせた後、一定時間が経過しても、ドレンポンプ60に対する運転指令を受信しなければ、加湿モジュール30に水が供給されていないと判定する。加湿モジュール30に水が供給されていないと判定した場合、異常判定部22は、警報をリモコン90や表示部26に送信すると共に、給水制御部23及びファン制御部24に給水及び送風の停止指令を送信する。
[4−4.効果]
本実施形態では、加湿器の運転開始後に異常判定部22がドレンポンプ60の運転状況を確認することによって、加湿モジュール30に正常に給水が行われているかを判定することができ、加湿器を空運転しないように制御することができる。
[5.他の実施形態]
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、次のような他の実施形態も包含する。
(1)第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態において、水位センサとしては、フロートスイッチ70のような機械的センサや、レベルセンサのような電気的なセンサのいずれを使用することが可能である。
(2)第2実施形態において、第1のセンサを機械的センサとし、第2のセンサを電気的センサとしたが、2つのセンサを同種類のセンサから構成しても良い。
(3)ドレンポンプ60の運転回数をカウントする手段としては、満水位の検知信号をカウントしたり、排水制御部23からのドレンポンプ60の運転指令をカウントしたり、ドレンポンプ60の電源回路の負荷を検出するなど種々の手段を採用できる。
(4)警報は、リモコン90や加湿器の表示部26に出力する以外に、多数台の加湿器を管理する中央制御装置などに出力することもできる。また、警報は表示や警告灯の点滅に限らず、管理者や操作者に対するメールの発信なども利用できる。遮断弁32を閉じるなど、警報を利用して加湿器の他の部分を制御することもできる。
10…気化式加湿器
20…運転制御部
21…排水制御部
22…異常判定部
23…給水制御部
24…ファン制御部
25…湿度センサ
26…表示部
30…加湿モジュール
34…給水弁
40…ファン
50…ドレンパン
60…ドレンポンプ
70…フロートスイッチ
80…レベルセンサ
90…リモコン

Claims (4)

  1. 気化させる水を保持する加湿モジュールと、
    前記加湿モジュールへの給水配管に設けられた給水弁と、
    前記加湿モジュールで気化されなかった水を溜めるドレンパンと、
    前記ドレンパン内の水位が予め設定された満水位に達すると、検知信号を出力する水位センサと、
    前記ドレンパンに溜まった水を排出するためのドレンポンプと、
    加湿運転の開始または停止の指示が入力されると、前記給水弁の開閉を制御する給水制御部と、
    前記水位センサからの前記検知信号に基づいて、前記ドレンポンプを動作させる排水制御部と、
    前記加湿器の停止指令が入力された後、前記ドレンポンプを動作させた回数をカウントし、カウント数が予め設定された閾値に達すると前記給水弁にリークが発生していると判定する異常判定部と、
    を有する気化式加湿器。
  2. 前記ドレンパン内の水位が満水位に達したことを検出する第1の水位センサと第2の水位センサを備え、
    前記排水制御部は、前記第1の水位センサまたは第2の水位センサからの満水位の検知信号に基づいて、前記ドレンポンプを所定時間動作させ、
    前記異常判定部は、前記加湿器の停止指令が入力された後、前記ドレンポンプを動作させた回数をカウントし、カウント数が予め設定された閾値に達すると前記給水弁にリークが発生していると判定する請求項1に記載の気化式加湿器。
  3. 前記排水制御部は、
    加湿器の運転中または加湿器の運転停止中に前記ドレンパン内の水位が満水位に達した検知信号を受信する度に、第1の運転時間、前記ドレンポンプの運転を行い、
    加湿器の停止指令を受信した場合は、前記第1の運転時間よりも長い時間である第2の運転時間、前記ドレンポンプの運転を行う請求項1または請求項2に記載の気化式加湿器。
  4. 前記異常判定部は、
    加湿器の運転開始後、所定時間内に前記ドレンポンプが動作しないと、前記加湿モジュールに水が供給されていないと判定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の気化式加湿器。
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