JP2016114274A - 空気調和機及び冷凍サイクルの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機の損傷を抑制することができる空気調和機及び冷凍サイクルの制御方法を提供する。【解決手段】実施形態の空気調和機は、能力可変型の圧縮機、絞り機構および熱交換器を冷媒が流れる冷媒配管によって環状に接続した冷凍サイクルと、圧縮機に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機の運転周波数を制御するとともに、絞り機構に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で絞り機構の開度を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、絞り機構の最大開度を、圧縮機の運転周波数に基づいて設定する。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、空気調和機に関する。
空気調和機では、その運転に必要な要素部品である圧縮機の信頼性を確保することは、空気調和機を設計する上で課題の1つとなっている。そのため、例えば特許文献1のように、圧縮機の電動機の巻線が焼損することを防止する等の対策が行われている。
さて、圧縮機の内部には、冷媒と圧縮機内部の潤滑油である冷凍機油が共存している。このとき、冷凍機油の油面位置や油温が低下すると、冷凍機油に溶け込む冷媒量が増加して、冷凍機油の粘度が低下したり、冷媒による希釈が促進されたりする等、潤滑特性が悪化する。また、圧縮機からは冷媒とともに冷媒配管に冷凍機油が吐油されるものの、吐油した冷凍機油を効率よく圧縮機に回収できないと、油切れによって圧縮機の摺動部が焼き付く可能性がある。そのため、一般的には、圧縮機の運転周波数が低いほど絞り機構の開度を下げ、運転周波数が高いほど絞り機構の開度を上げることで、冷凍サイクルを最適な運転状態で維持するような制御が行われている。
しかしながら、低周波数で運転している時に環境温度の変化等の偶発的要因によって絞り機構の開度が過度に上がった状態になると、圧縮機内部に貯留する冷凍機油の油面位置が低下することがあり、圧縮機の摺動部の摩耗等、圧縮機の損傷が誘発されるおそれがある。
そこで、実施形態では、圧縮機の損傷を抑制することができる空気調和機及び冷凍サイクルの制御方法を提供する。
実施形態の空気調和機は、能力可変型の圧縮機、絞り機構および熱交換器を冷媒が流れる冷媒配管によって環状に接続した冷凍サイクルと、圧縮機に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機の運転周波数を制御するとともに、絞り機構に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で絞り機構の開度を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、絞り機構の最大開度を、圧縮機の運転周波数に基づいて設定する。
以下、一実施形態について、図1から図7を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室外に設けられる室外機2、室内に設けられる室内機3、およびこれら室外機2と室内機3とを環状に接続し、その内部に冷媒が流れる冷媒配管4を備えている。本実施形態では、冷媒として、R32単一冷媒を採用している。このR32は、広く使われていたR410A混合冷媒と比較して相対的に体積当たりの冷媒能力が高く、同一の冷房能力あるいは暖房能力を出すために必要となる冷媒の流量(循環量)が少なくなる。なお、冷媒としては、R32を50重量%以上含む混合冷媒を採用してもよい。
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室外に設けられる室外機2、室内に設けられる室内機3、およびこれら室外機2と室内機3とを環状に接続し、その内部に冷媒が流れる冷媒配管4を備えている。本実施形態では、冷媒として、R32単一冷媒を採用している。このR32は、広く使われていたR410A混合冷媒と比較して相対的に体積当たりの冷媒能力が高く、同一の冷房能力あるいは暖房能力を出すために必要となる冷媒の流量(循環量)が少なくなる。なお、冷媒としては、R32を50重量%以上含む混合冷媒を採用してもよい。
この空気調和機1は、使用者が利用するリモコン5等の操作手段によって、冷房運転、暖房運転、送風運転、除湿運転等の運転状態の切り替え、運転開始時間の予約設定等、周知の空調運転を行う。
室外機2は、圧縮機6、室外熱交換器7(熱交換器に相当)、膨張弁8(絞り機構に相当)、四方弁9、室外ファン10、サクションカップ11、サクション温度センサ12(温度検出手段)、吐出温度センサ13(温度検出手段)、室外熱交換器温度センサ14(温度検出手段)、室外温度センサ15(温度検出手段)、ケース温度センサ16(温度検出手段)、および、これらを制御する室外制御部17(制御手段に相当)等を備えている。
圧縮機6は、運転周波数を変更することにより、冷房運転時や暖房運転時における運転能力が可変となる能力可変型である。この圧縮機6の内部には、冷媒と圧縮機6内部の潤滑油である冷凍機油とが共存しており、圧縮機6内の油分(冷凍機油および冷媒の混合物)の油面位置や温度(以下、油温とも称する)が低下すると冷凍機油に溶け込む冷媒量が増加して潤滑特性が悪化するおそれがある。また冷媒とともに圧縮機6から冷媒配管4内に冷凍機油が吐油された際、冷凍機油を圧縮機6に効率よく回収できないと、潤滑油が少なくなることで圧縮機6の摺動部(図示省略)の焼き付きを招く等、圧縮機6が損傷する可能性がある。そのため、圧縮機6内に必要とされる油分の貯留量を示す油面位置が設定されている。
具体的には、本実施形態では、図2に示すように、圧縮機6には、圧縮機6内の油面位置を見るための窓部6aが設けられており、サクションカップ11(アキュームタンクとも称する)には、サクションカップ11内の油分の油面位置を見るための窓部11aが設けられている。そして、図3に示すように、圧縮機6内で必要となる油分の貯留量を示す油面位置が、規定油面高さとして設定されている。
また、サクションカップ11内を貫通して圧縮機6に接続されている配管部には、サクションカップ11内に貯留する油分を圧縮機6に戻すための油戻し穴11bが、サクションカップ11内に位置して設けられている。サクションカップ11内に貯留する油分は、サクションカップ11内と圧縮機6内との圧力差によってこの油戻し穴11bから圧縮機6に戻される。なお、詳細は後述するが、図3は、圧縮機6内の油面位置を模式的に示している。
サクション温度センサ12は、サクションカップ11の温度を検出する。吐出温度センサ13は、圧縮機6から吐出される冷媒の温度を間接的に検出する。室外熱交換器温度センサ14は、室外熱交換器7の温度を検出する。室外温度センサ15は、室外機2が設置されている環境温度つまり外気温を検出する。ケース温度センサ16は、圧縮機6のケース温度を検出する。
室外制御部17は、圧縮機6に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機6の運転周波数を制御するとともに、膨張弁8(絞り機構)に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で膨張弁8の開度を制御する。このとき、室外制御部17は、詳細は後述するが、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に基づいて設定する。
室内機3は、図1に示すように、室内熱交換器18(熱交換器)、室内ファン19、室内熱交換器温度センサ20(温度検出手段する)、室温センサ21(温度検出手段する)、およびこれらを制御する室内制御部22等により構成されている。これら圧縮機6、室外熱交換器7、膨張弁8、室内熱交換器18等により、ヒートポンプ式の冷凍サイクル23が構成されている。
このような構成の空気調和機1は、詳細な説明は省略するが、周知のように冷媒の流れを冷房運転時(図1に矢印Aにて示す向き)と暖房運転時(図1に矢印Bにて示す向き)とに四方弁9によって切り替えたり、圧縮機6の運転周波数を変更したりすることで、冷房運転や暖房運転等のいわゆる空調制御を行っている。
次に、上記構成の空気調和機1の作用について説明する。
前述のように、空気調和機1に必要な要素部品である圧縮機6の信頼性を確保することは、空気調和機1を設計する上で課題の1つであると言える。この圧縮機6の内部には油分(冷媒と冷凍機油)が貯留されており、その油分の油面位置や油温が低下すると冷凍機油に溶け込む冷媒量が増加して潤滑特性を悪化させる。また冷媒とともに圧縮機6から冷凍サイクル配管内に冷凍機油が吐油されるため、冷凍機油を圧縮機6に効率よく回収できないと、油切れにより圧縮機6の摺動部が焼き付くおそれもある。
前述のように、空気調和機1に必要な要素部品である圧縮機6の信頼性を確保することは、空気調和機1を設計する上で課題の1つであると言える。この圧縮機6の内部には油分(冷媒と冷凍機油)が貯留されており、その油分の油面位置や油温が低下すると冷凍機油に溶け込む冷媒量が増加して潤滑特性を悪化させる。また冷媒とともに圧縮機6から冷凍サイクル配管内に冷凍機油が吐油されるため、冷凍機油を圧縮機6に効率よく回収できないと、油切れにより圧縮機6の摺動部が焼き付くおそれもある。
さらに、圧縮機6を低周波数で運転している時に必要以上に膨張弁8の開度が開いた状態になると、圧縮機6内とサクションカップ11内との圧力差が小さくなり、サクションカップ11に貯留する冷凍機油が油戻し穴11bから圧縮機6へ戻りにくくなり、圧縮機6内部に貯留する冷凍機油の油面が低下する現象が発生することがある。この現象が発生すると、上記したように油切れにより、圧縮機6の摺動部の摩耗を誘発するおそれがある。
そこで、本実施形態の空気調和機1は、以下に説明する開度制御処理を実行することにより、膨張弁8の開度制御を適切に行うことで、上記した現象の発生を未然に防いでいる。なお、以下に説明する開度制御処理は、基本的には室外制御部17により実行されるものの、説明の簡略化のため、ここでは空気調和機1を主体として説明する。
空気調和機1は、図4に示す開度制御処理を開始すると、まず、周波数(圧縮機6の運転周波数)に応じた膨張弁8の最大開度を設定する(S1)。このとき、空気調和機1は、膨張弁8の最大開度を、図5に示すように圧縮機周波数(圧縮機6の運転周波数)を横軸、膨張弁8の最大開度を縦軸とした場合、圧縮機6の最小周波数(fmin)と最大周波数(fmax)との間に1つの閾値周波数(f0)を設定し、圧縮機周波数に応じて2段階で設定する。
ここで、図5に示すPmaxは、設定可能な最大開度の上限値であり、Pmax’は、圧縮機6の運転周波数がfminの場合における膨張弁8の最大開度である。つまり、空気調和機1では、膨張弁8の最大開度は、圧縮機周波数に応じて、Pmax’からPmaxまでの範囲で設定される。また、Pminは、圧縮機6の運転周波数の下限値(つまり、最小開度)であり、空気調和機1は、膨張弁8の開度を、最小開度から圧縮機6の運転周波数に応じて設定される最大開度までの範囲内で制御する。
このとき、fmin〜f0の領域の最大開度、およびf0〜fmaxの領域の最大開度は、f0〜fmaxの領域の最大開度のほうがfmin〜f0の領域の最大開度よりも高く設定されているとともに、圧縮機6がその周波数で運転された際に許容できる開度が設定されている。換言すると、各領域では、膨張弁8の開度をそれぞれの最大開度以下とすれば、過度に膨張弁8が開いてしまうことを防止できる。
本実施形態の場合、Pmax’は、最大開度の上限値(Pmax)の50%に設定されている。空気調和機1の構成(圧縮機6、サクションカップ11、冷媒配管4等)では、Pmax’がPmaxの50%以下であれば、図3に示すように、圧縮機6内の油面位置(Pmax’=50%に対応)が規定油面高さよりも高い状態、つまり、圧縮機6内の油分の貯留量が充分にある状態となる。一方、Pmax’がPmaxに対して50%以上、より詳細には概ね60%を超える場合には(Pmax’=70%、Pmax’=100%等に対応)、圧縮機6内の油面位置を規定油面高さに維持できず、規定油面高さよりも低くなった状態、つまり、圧縮機6内の油分の貯留量が不足している状態となる。
そのため、本実施形態では、圧縮機6内の油分の貯留量を充分に確保するために、Pmax’をPmaxの50%に設定している。なお、50%以下であれば圧縮機6内の油分の貯留量を充分に確保することができるため、50%以下の範囲で任意に設定すればよい。
最大開度を設定すると、空気調和機1は、温度に基づく膨張弁8の開度制御を行う(S2)。なお、このステップS2では、空気調和機1は、温度センサで検出した温度に基づいて、膨張弁8の開度を制御するための開度指令を求めている。具体的には、空気調和機1は、例えば吐出温度センサ13で検出した温度に基づいて膨張弁8の開度指令を求めている。
続いて、空気調和機1は、ステップS2において求めた開度指令が、ステップS1にて設定した最大開度を超えているかを判定する(S3)。そして、空気調和機1は、開度指令が最大開度を超えている場合には(S3:YES)、膨張弁8を最大開度に制御する(S4)。つまり、空気調和機1は、開度指令が最大開度を超えている場合には、開度指令を最大開度で制限する。これにより、膨張弁8の開度が最大開度を超えること、つまり、膨張弁8が過度に開くことが防止される。
一方、空気調和機1は、開度指令が最大開度を超えていない場合には(S3:NO)、膨張弁8を開度指令に応じた開度に制御する(S5)。この場合、開度が最大開度を超えていないため、膨張弁8が過度に開くことはない。なお、図4では説明の簡略化のために膨張弁8の開度の制御を開度制御処理中に示しているが、実際には、膨張弁8の開度の制御は、通常は所定の制御周期ごとに定期的に実行されている。
続いて、空気調和機1は、空調負荷に基づいて圧縮機6の運転周波数を制御し(S6)、周波数が下がったかを判定する(S7)。周波数が下がった場合、図5に示すように膨張弁8に設定可能な最大開度が変更される可能性がある。そのため、空気調和機1は、周波数が下がった場合には(S7:YES)、周波数の閾値(f)を通過したかを判定する(S8)。そして、周波数の閾値(f)を通過した場合、つまり、圧縮機6の運転周波数が閾値(f)を下回った場合には(S8:YES)、最大開度を再設定する(S9)。
そして、空気調和機1は、現在の開度が再設定後の最大開度を超えているかを判定し(S10)、現在の開度が再設定後の最大開度を超えている場合には(S10:YES)、膨張弁8の開度を再設定後の最大開度に制御する(S11)。つまり、空気調和機1は、上記したように通常は膨張弁8の開度を所定の制御周期ごとに制御しているものの、最大開度を下げる場合には、より具体的に言えば、圧縮機6の運転周波数が図5に示すf0〜fmaxの領域からfmin〜f0の領域に遷移した場合には、制御周期まで待機することなく、即座に膨張弁8の開度を制御(変更)する。なお、現在の開度が再設定後の最大開度を超えていない場合には(S10:NO)、現在の開度が維持されることになる(S14)。その後、空気調和機1は、ステップS2に移行して、同様の処理を繰り返す。
一方、空気調和機1は、周波数が下がっていない場合には(S7)、つまり、周波数が同じか上がった場合には、周波数の閾値を通過したかを判定する(S12)。このステップS12では、図5の場合、圧縮機6の運転周波数がfmin〜f0の領域からf0〜fmaxの領域に遷移したかが判定されている。空気調和機1は、周波数の閾値を通過した場合には(S12:YES)、最大開度を再設定する(S13)。一方、空気調和機1は、周波数の閾値を通過していない場合には(S12:NO)、ステップS13の処理を省略する。つまり、空気調和機1は、周波数が下がっていない場合には、最大開度を再設定したか否かに関わらず、現状の開度を維持して(S14)ステップS2に移行して、同様の処理を繰り返す。
このように、空気調和機1は、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に応じて変更しながら制御を行っている。すなわち、空気調和機1は、冷凍サイクル23を構成する圧縮機6に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機6の運転周波数を制御する工程と、冷凍サイクル23を構成する膨張弁8(絞り機構)に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で膨張弁8を制御する工程と、膨張弁8の最大開度を設定する際、最大開度を、圧縮機6の運転周波数に基づいて設定する工程とを含む制御方法で、冷凍サイクル23を制御している。
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
空気調和機1は、圧縮機6に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機6の運転周波数を制御するとともに、膨張弁8(絞り機構)に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で膨張弁8の開度を制御する室外制御部17(制御手段)と、を備えており、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に基づいて設定する。
空気調和機1は、圧縮機6に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機6の運転周波数を制御するとともに、膨張弁8(絞り機構)に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で膨張弁8の開度を制御する室外制御部17(制御手段)と、を備えており、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に基づいて設定する。
これにより、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6が運転される周波数に応じた適切な範囲内に収めることができ、膨張弁8が過度に開くことが防止される。そして、膨張弁8が過度に開くことが防止されることから、圧縮機6内部に貯留する冷凍機油の油面位置が低下して圧縮機6の摺動部の摩耗等が誘発されることを防止することができる。すなわち、圧縮機6の損傷を抑制することができる。
空気調和機1は、圧縮機6の最小周波数(fmin)と最大周波数(fmax)との間に1つの閾値周波数(f)を設定し、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に応じて2段階に設定する。これにより、処理の複雑化を招くことなく、圧縮機6の損傷を抑制することができる。
空気調和機1は、通常は膨張弁8の開度を所定の制御周期ごとに制御している一方、膨張弁8の最大開度を下げる場合には、制御周期まで待機することなく、即座に膨張弁8の開度を制御する。圧縮機6の運転周波数が下がって膨張弁8の最大開度を下げる場合には、現状の開度が、再設定される最大開度を超えるおそれがある。そのため、膨張弁8の最大開度を下げる場合には即座に開度を制御することにより、膨張弁8が過度に開いた状態になることを防止することができる。
この場合、実施形態のように、現状の開度が再設定後の最大開度を超えている場合には、再設定後の最大開度で制限した状態で開度を制御する。これにより、確実に、膨張弁8が最大開度を超えて開いてしまうことを防止することができる。
空気調和機1は、膨張弁8の開度を所定の制御周期ごとに制御しており、膨張弁8の最大開度を上げる場合には、制御周期まで待機してから開度を制御する。膨張弁8の最大開度を上げる場合、再設定される最大開度は、再設定前の最大開度よりも高くなる。そのため、最大開度が再設定されたとしても、再設定前の膨張弁8の開度が、再設定される最大開度を超えることはない。そのため、膨張弁8の最大開度を上げる場合には、制御周期になってから開度を制御しても、膨張弁8が過度に開くことがない。
空気調和機1は、圧縮機6を最小周波数で運転する際の膨張弁8の最大開度を、圧縮機6を最大周波数で運転する際の最大開度の50%以下に設定する。これにより、図3に示したように、圧縮機6内の油面位置を規定油面高さよりも高い状態に維持することができ、圧縮機6内に充分な量の油分が貯留され、油切れを防ぐことができる。したがって、圧縮機6の損傷を防ぐことができる。
空気調和機1は、冷媒として、R32単一冷媒、または、R32を50%以上含む混合冷媒を使用する。R32は、R410A混合冷媒と比較して相対的に体積当たりの冷媒能力が高く、同一の冷房能力あるいは暖房能力を出すために必要となる冷媒の流量(循環量)が少なくなる。そのため、R32単一冷媒やR32を50%以上含む混合冷媒を使用する場合には、循環量が少ないことから圧縮機6の油切れ等を起こす可能性が高くなるおそれがあり、冷凍サイクル23を設計する際、最大且つ細心の注意を払う必要がある。そこで、図4に示したような開度制御処理を行って圧縮機6の運転周波数に応じて膨張弁8に許容される開度の最大値(最大開度)を設定することで、少ない循環量の冷媒を使用した場合であっても、油切れを防ぐことができる。
また、冷凍サイクル23を構成する圧縮機6に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で圧縮機6の運転周波数を制御する工程と、冷凍サイクル23を構成する膨張弁8(絞り機構)に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で膨張弁8を制御する工程と、膨張弁8の最大開度を設定する際、最大開度を、圧縮機6の運転周波数に基づいて設定する工程とを含む制御方法で冷凍サイクル23を制御することで、膨張弁8が過度に開くことを防止でき、圧縮機6の損傷を抑制することができる。
また、空気調和機1は、次のように変形あるいは拡張することができる。
例えば、空気調和機1は、圧縮機6の最小周波数と最大周波数との間に複数の閾値周波数を設定し、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に応じて複数段階で設定してもよい。具体的には、図6に示すように、圧縮機周波数を横軸、膨張弁8の最大開度を縦軸とした場合、圧縮機6の最小周波数(fmin)と最大周波数(fmax)との間に複数、例えば3つの閾値周波数(f1,f2、f3)を設定し、膨張弁8の最大開度を、圧縮機周波数に応じて複数段階、例えば4段階で圧縮機周波数が高くなるほど高くなるように設定してもよい。
例えば、空気調和機1は、圧縮機6の最小周波数と最大周波数との間に複数の閾値周波数を設定し、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に応じて複数段階で設定してもよい。具体的には、図6に示すように、圧縮機周波数を横軸、膨張弁8の最大開度を縦軸とした場合、圧縮機6の最小周波数(fmin)と最大周波数(fmax)との間に複数、例えば3つの閾値周波数(f1,f2、f3)を設定し、膨張弁8の最大開度を、圧縮機周波数に応じて複数段階、例えば4段階で圧縮機周波数が高くなるほど高くなるように設定してもよい。
この場合、図4に示す開度制御処理を流用することで、図6に示す関係を満たした状態で最大開度を設定することができ、膨張弁8が過度に開くことを防止でき、圧縮機6の損傷を抑制することができる等、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
あるいは、空気調和機1は、膨張弁8の最大開度を、圧縮機6の運転周波数に比例させて直線的に設定してもよい。具体的には、図7に示すように、圧縮機周波数を横軸、膨張弁8の最大開度を縦軸とした場合、膨張弁8の最大開度を、座標(fmin,Pmax’)と座標(fmax,Pmax)とを結ぶ直線に沿って、圧縮機周波数が高くなるほど高くなるように設定してもよい。
この場合、図4に示す開度制御処理の流れにおいて、ステップS8、S10の処理を省略することで、図7に示す関係を満たした状態で最大開度を設定することができ、膨張弁8が過度に開くことを防止でき、圧縮機6の損傷を抑制することができる等、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、空気調和機1は、サクションカップ11に設けられているサクション温度センサ12で検出した温度に基づいて開度指令を求めてもよい。また、圧縮機6に設けられているケース温度センサ16で検出した温度に基づいて開度指令を求めてもよい。また、サクション温度センサ12で検出した温度と室外熱交換器温度センサ14で検出した温度との温度差、あるいは、サクション温度センサ12で検出した温度と室内熱交換器温度センサ20で検出した温度との温度差に基づいて開度指令を求めてもよい。また、複数の温度検出手段で検出した温度に基づいて開度指令を求めてもよい。いずれにしろ、空気調和機1は、温度検出手段で検出した温度、すなわち、必要とする冷媒循環量に相関する温度に基づいて、開度指令を求めることができる。
実施形態では室外熱交換器7を有する室外機2と、室内熱交換器18を有する室内機3とで構成された空気調和機1を例示したが、室外機2と室内機3を備えていない一体型の空気調和機であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は空気調和機、4は冷媒配管、6は圧縮機、7は室外熱交換器(熱交換器)、8は膨張弁(絞り機構)、17は室外制御部、18は室内熱交換器(熱交換器)、23は冷凍サイクルを示す。
Claims (9)
- 能力可変型の圧縮機、絞り機構および熱交換器を冷媒が流れる冷媒配管によって環状に接続した冷凍サイクルと、
前記圧縮機に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で前記圧縮機の運転周波数を制御するとともに、前記絞り機構に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で前記絞り機構の開度を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記絞り機構の最大開度を、前記圧縮機の運転周波数に基づいて設定することを特徴とする空気調和機。 - 前記制御手段は、前記圧縮機の最小周波数と最大周波数との間に1つの閾値周波数を設定し、前記絞り機構の最大開度を、前記圧縮機の運転周波数に応じて2段階に設定することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 前記制御手段は、前記圧縮機の最小周波数と最大周波数との間に複数の閾値周波数を設定し、前記絞り機構の最大開度を、前記圧縮機の運転周波数に応じて複数段階で設定することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 前記制御手段は、前記絞り機構の最大開度を、前記圧縮機の運転周波数に比例させて直線的に設定することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 前記制御手段は、前記絞り機構の開度を所定の制御周期ごとに制御する一方、当該絞り機構の最大開度を下げる場合には、制御周期まで待機することなく開度を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の空気調和機。
- 前記制御手段は、前記絞り機構の開度を所定の制御周期ごとに制御しており、当該絞り機構の最大開度を上げる場合には、制御周期まで待機してから開度を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の空気調和機。
- 前記制御手段は、前記圧縮機を最小周波数で運転する際の前記絞り機構の最大開度を、当該圧縮機を最大周波数で運転する際の最大開度の50%以下に設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の空気調和機。
- 前記冷媒は、R32単一冷媒、または、R32を50%以上含む混合冷媒であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の空気調和機。
- 冷凍サイクルを構成する圧縮機に対して最小周波数と最大周波数とを設定し、設定した最小周波数と最大周波数との間で前記圧縮機の運転周波数を制御する工程と、
前記冷凍サイクルを構成する絞り機構に対して最小開度と最大開度とを設定し、設定した最小開度と最大開度との間で前記絞り機構の開度を制御する工程と、
前記絞り機構の最大開度を設定する際、最大開度を、前記圧縮機の運転周波数に基づいて設定する工程と、
を含むことを特徴とする冷凍サイクルの制御方法。
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