JP2016113766A - 床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工後の形状・寸法変化や反りを防止でき、かつ耐荷重性の低下を防止できる床材を提供する。
【解決手段】床材1は、少なくとも一方向の両側端部に対となる実部(合いじゃくり実11、11)を備えた木質基材10を有している。木質基材10の少なくとも裏面側に単板13、13が配設され、単板13、13の裏面に発泡材15が配設され、実部11、11のうちの一方の実部11の下方に、補強材16が、木質基材10の裏面側端よりも突出するように発泡材15に隣接して配設された構成とされている。木質基材10の表裏における単板13としての厚みは、裏面側が表面側よりも大とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも一方向の両側端部に対となる実部を有した木質基材の裏面側に発泡材を複合した床材に関する。
従来には、軽量化などを目的として、木質基材の裏面側に発泡材を配設した床材が提案、実施されている(たとえば、特許文献1参照)。さらに、この種の床材として、発泡材の柔軟性により実部における耐荷重性が低下することを防止するために、実部の下方に釘打ち込み部を兼ねた補強材を備えたものも提案されている。
特開昭64−6461号公報
しかしながら、このような床材であっても、補強材は吸湿や乾燥による形状・寸法変化や反りに対しては十分に作用しない。特に、施工後の床材に凹反りが発生すれば歩行感が悪くなることが知られている。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、施工後の形状・寸法変化や反りを防止でき、かつ、耐荷重性の低下を防止できる床材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の床材は、少なくとも一方向の両側端部に対となる実部を備えた木質基材を有した床材であって、木質基材の少なくとも裏面側に単板が配設され、単板の裏面に発泡材が配設され、実部のうちの一方の実部の下方に、補強材が、木質基材の裏面側端よりも突出するように発泡材に隣接して配設された構成とされており、木質基材の表裏における単板としての厚みは、裏面側が表面側よりも大とされることを特徴とする。
本発明の床材によれば、上述の構成となっているため、施工後の形状・寸法変化や反りを防止でき、かつ耐荷重性の低下を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る床材(実施例)の説明図である。(a)は床材の縦断面図、(b)は同分解縦断面図である。 比較例に係る床材の縦断面図である。 実施例と比較例の評価結果を示す評価表である。
以下に、本発明の床材に係る実施形態について、添付図面にもとづいて説明する。
以下に説明する床材1は、少なくとも一方向の両側端部に対となる実部11、11を備えた木質基材10を有した床材である。この床材1は、木質基材10の少なくとも裏面側に単板13が配設され、その単板13の裏面側に発泡材15が配設された構成となっている。また、実部11、11のうちの一方の実部11の下方に、補強材16が木質基材10の裏面側端よりも突出するように発泡材15に隣接して配設されている。
そして、木質基材10の表裏における単板13としての厚みは、裏面側が表面側よりも大とされる。なお、表面側には単板13が配設されていなくてもよく、その場合は、表面側の単板13の厚みはゼロとされる。
ついで、図1に図示した床材1について詳細に説明する。
この床材1は、平面視(平面図は省略)で略長方形(たとえば、303mm×1818mm)の板材である。なお、図1(a)(b)および比較例について図示した図2の各図は、床材1、2の幅方向に沿って切断した断面を示した縦断面図である。
本床材1は、図1(a)に示すように、一方の側端部に突条状の雄実部5を有し、他方の側端部に凹溝状の雌実部6を有している。なお、床材1の長手方向の側端部にも、同様の雄実部5、雌実部6が形成されている。これらの雌雄実部は床下地(不図示)上で隣設される床材1と実結合する。
この床材1は、木質基材10の表裏側に種々の材料を貼着し積層してなる。木質基材10の材料としては、合板、MDF、パーティクルボードなど、種々の木質材料を用いることができる。木質基材10の側端部には、床材1の雄実部5、雌実部6を形成するための、相互に噛み合い得る段形状とした合いじゃくり実11、11が形成されている。
このように、木質基材10に合いじゃくり実11、11が形成されているため、裏面側に発泡材15および補強材16を設けることで、側端部に相互に嵌合し得る形状の雄実部5、雌実部6を有した床材1を形成することができる。
また、本床材1には軽量化を図るために薄く形成した木質基材10が用いてあるが、そのような薄めの材料であっても合いじゃくり実11であれば、破損することなく加工でき、かつ実強度を担保した状態に形成することができる。
図1(b)に示すように、木質基材10の表面側には、下から順に防湿紙14、単板13が貼着してある。また、木質基材10の裏面側には、上から順に防湿紙14、2枚の単板13、13、発泡材15が貼着してある。
また、床材1の雌実部6側には、凹溝(雌実部6)を形成するための部材が、発泡材15に隣接して設けられている。この部材は、雌実部6側に釘打ち用の釘打ち込み部を形成するための補強材16である。
この補強材16は、雌実部6としての凹溝を形成するために、木質基材10の裏面側端(凹溝の底に相当する端面)よりも突出するように配されている。また、この補強材16は、床材1を床下地(不図示)上に施工した際には、図1(a)に示すように、隣設される床材1の雄実部5を下方より支える支持材ともなり得る。
補強材16としては、木質基材10と同種の木質材料が用いられている。もちろん、補強材料としても、釘打ち用材料としても利用できるものであれば、他の素材で形成されたものであってもよい。
また、床材1の裏面層の主材料として設けた発泡材15は、発泡ウレタンなどの発泡樹脂材よりなる。
このように、本床材1は裏面層の主材料が発泡材15で構成されているため、床材1の軽量化を図ることができる。特に、木質基材10をMDFやパーティクルボードで構成したものでは、そもそもそれらが高重量な材料であるため、発泡材15による軽量化効果は大きい。また、使用する木質材料を少なくできるので、木質材料の価格相場の変動にも対応しやすい。
また、この床材1は、発泡材15に隣接する補強材16を有した構造となっているため、発泡材15を裏面層に配したことによる強度低下、歩行感の悪化を防止することができる。また、補強材16を一方の側端部のみに突出するように設けるだけで、上述したように床下地上で隣設される床材1を下方より支持する構成とすることができるので、効率的である。
ついで、単板13について説明する。本床材1における表面側の単板13は、突き板などの硬質の表面化粧材として取り付けたものであり、厚みは概ね0.5mm程度のものである。また、裏面側の2枚の単板13、13としては、いずれも表面化粧材と同素材、同厚のものが用いられている。
上述したように、この床材1は、木質基材10の表面側には単板13が1枚配され、裏面側には単板13、13が2枚積層されており、単板13としての合計厚みは裏面側が表面側よりも厚くなっている。
このように、床材1の裏面側の単板層が厚く形成されているため、裏面側の単板層が収縮しやすくなり、木質基材10は中央が上方に突出しがちとなる。つまり凸気味になりやすい。そのため、施工後の乾燥による凹反り(中央の下方への凹み)が発生しにくくなる。施工後の凹反りが発生しにくいため、歩行時の沈み込みの発生を抑えられる。よって、歩行の際の沈み込みによる違和感が感じられることはほとんどない。なお、床材1が吸湿した場合は凸反りが発生するおそれがあるが、凸反りなので歩行時の沈み込みはあまりなく、違和感は感じにくい。
この床材1について、反りの程度を確認するために、比較試験を行った。試験は、図1に示した床材1(実施例)と、図2に示した床材2(比較例)とについて同条件にて行った。図2は比較例の床材2の縦断面図であり、図3は両床材1、2の評価結果を示す評価表である。なお、床材1、2の平面寸法は、実施例、比較例ともに303mm×1818mmである。
実施例の床材1は、図1に示した構成のものであり、表面側に1枚の単板13を含み、裏面側に2枚の単板13、13を含む積層構造を有している。木質基材10、補強材16のそれぞれは、ともに厚みが5.5mmのパーティクルボードよりなる。各単板13、13、13の厚みは約0.5mmである。よって、裏面側の単板13、13の合計厚みは約1.0mmである。また、発泡材15は厚みが5.5mmの発泡ウレタンよりなる。
これに対して比較例の床材2は、裏面側の単板13の枚数が1枚である。つまり、表裏における単板13、13の厚みは同一であり、ともに0.5mmである。なお、木質基材10、発泡材15、補強材16については、本床材1と同じものである。
比較試験は、施工直後のもの、施工後に吸湿状態としたもの、施工後に乾燥させたものの3種について、実施例の床材1と比較例の床材2とを比較して行った。恒温恒湿器内で大引き、根太、捨て貼り材(この試験環境については不図示)の上に床材1、2を施工して試験を実施した。
吸湿状態の床材1、2は、恒温恒湿器内を温度40℃、湿度90%とし、その中に床材1、2を2週間放置することにより生成した。また、乾燥状態の床材1、2は、恒温恒湿器内を温度50℃、湿度20%とし、その中に床材1、2を2週間放置することにより生成した。
また、幅反りの測定は測定治具(不図示)を用いて行った。図3の幅反りの数値は、幅中央部での上下への変化量(mm)である。表中のマイナス符号は凹反りしたことを示している。
図3の評価表からわかるように、実施例の床材1は、施工直後において比較例の床材2よりさらに凸気味である。また、施工後に吸湿した場合には、いずれの床材1、2にも凸反りが発生し、この場合においても実施例の床材1が比較例の床材2よりも凸気味となった。
また、施工後に乾燥した場合には凹反りするように形状・寸法変化が起こるが、実施例の床材1については数値が小さくなるものの凸反り状態(数値は0.012)が維持された。一方、比較例の床材2については、乾燥後に凹反り状態(数値がマイナス値)となる。この評価表に記載してあるように、乾燥後においては、比較例の床材2では歩行時の沈み込み感が感じられたが、実施例の床材1では沈み込み感は感じられなかった。
以上のように、本床材1の試験によれば、施工後の乾燥によっても凹反りは発生せず、歩行感が悪くなることはなかった。このように、本床材1を用いれば、施工後の凹反りを抑制することができ、そのため歩行感が悪くなる可能性は低い。
以上に示した実施形態に係る床材1は、凹反りしにくい構造とするために、表裏に設けた単板13の枚数を異ならせて裏面側の単板層の厚みを厚くしているが、裏面側に表面側の単板13よりも厚めの1枚の単板13を積層するようにしたものとしてもよい。また、裏面側の2枚の単板13、13を、たとえば防湿紙などを介して分離して設けるようにしてもよい。
また、表面化粧材として単板13を用いず柔軟性のある化粧シートを設けたものでは、表面側には単板13を設けなくてもよいため、裏面側には単板13を1枚だけを設けるようにしてもよい。
ようするに、凹反りしにくくするための床材1の構成として、木質基材10の表裏における単板13としての厚みが、裏面側が表面側よりも大となるものであればよい。
以上のように、本床材1によれば、木質基材10を薄くすることによる耐荷重性の低下を防止できるだけではなく、施工後の形状・寸法変化や反りを防止でき、特に凹反りの発生による歩行感の悪化を防止することができる。
1 床材
5 雄実部
6 雌実部
10 木質基材
11 合いじゃくり実(実部)
13 単板
14 防湿紙
15 発泡材
16 補強材

Claims (3)

  1. 少なくとも一方向の両側端部に対となる実部を備えた木質基材を有した床材であって、
    前記木質基材の少なくとも裏面側に単板が配設され、該単板の裏面側に発泡材が配設され、前記実部のうちの一方の実部の下方に、補強材が前記木質基材の裏面側端よりも突出するように前記発泡材に隣接して配設された構成とされており、
    前記木質基材の表裏における前記単板としての厚みは、裏面側が表面側よりも大とされることを特徴とする床材。
  2. 請求項1において、
    前記木質基材はMDFまたはパーティクルボードよりなる、床材。
  3. 請求項1または2において、
    前記実部は合いじゃくり実である、床材。
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