JP2007009617A - 木質系板材及びそれを用いたユニット床材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビス等により木質系板材を合成樹脂製架台に固定する際に生じる掘削屑によって隙間が生じることを防ぐことができるユニット床材を提供する。
【解決手段】隣接するユニット床材との連結部を有する合成樹脂製架台4の上に木質系板材5を配置接合してなるユニット床材であって、前記合成樹脂製架台4及び木質系板材5の少なくとも一方に、合成樹脂製架台4と木質系板材5とを接合した際に生じる掘削屑を逃がすための凹部を設ける。
【選択図】図3
【解決手段】隣接するユニット床材との連結部を有する合成樹脂製架台4の上に木質系板材5を配置接合してなるユニット床材であって、前記合成樹脂製架台4及び木質系板材5の少なくとも一方に、合成樹脂製架台4と木質系板材5とを接合した際に生じる掘削屑を逃がすための凹部を設ける。
【選択図】図3
Description
本発明は、ベランダ、バルコニー、テラス等に敷設される木質系板材及びユニット床材に関するものである。
住宅等のバルコニー、ベランダ、テラス等には、美観の向上等を目的として、木質系板材が好適に用いられている。これら木質系板材は産業廃棄物の有効利用という点から廃材より得られる木粉と合成樹脂を原料とし成形されたものが多く、これら木質系板材は、施工性を向上させるためユニット化されている。
ところで、このユニット床材としては、例えば、枠状に形成した合成樹脂製架台の内部に木質系板材の短辺のピッチで格子が設けられており、該格子を木質系板材の裏面に加工した溝に差し込むことによって、架台と木質系板材とを接合しユニット化したものが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では合成樹脂製架台と木質系板材の熱膨収縮率の差により、合成樹脂製架台の周囲枠体と木質系板材の間に隙間が生じ、十分な接合強度が維持されず、木質系板材が容易に移動するという問題が発生する。そこで、十分な接合強度を維持するため、例えば、合成樹脂製架台上に木質系板材を積層し、裏面から金属ビスを用いて固定することも行われる。しかし、これらユニット床材は、木質系板材を金属ビスで接合する際に生じる木質系板材の掘削屑が、木質系板材と合成樹脂製架台の間に挟まり、木質系板材と合成樹脂製架台の間に隙間が生じ、その結果、合成木材が浮き上がり段差が発生するという問題がある。
特開平10−196093号公報
本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し、ビス等により木質系板材を合成樹脂製架台に固定する際に生じる掘削屑によって隙間が生じることを防ぐことができるユニット床材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(4)の構成を特徴とするものである。
(1)隣接するユニット床材との連結部を有する合成樹脂製架台の上に木質系板材を配置接合してなるユニット床材であって、前記合成樹脂製架台及び木質系板材の少なくとも一方に、合成樹脂製架台と木質系板材とを接合した際に生じる掘削屑を逃がすための凹部が設けられていることを特徴とするユニット床材。
(2)前記凹部が、合成樹脂製架台と木質系板材との接触面に設けられていることを特徴とする、上記(1)に記載のユニット床材。
(3)前記連結部が、連結孔または連結穴と、該連結孔または連結穴に嵌合する連結片とで構成されていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のユニット板材
(4)前記木質系板材が、セルロース系材料を主原料とする基層材の周囲を、合成樹脂を主原料とする表層材で被覆したものであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のユニット板材。
(1)隣接するユニット床材との連結部を有する合成樹脂製架台の上に木質系板材を配置接合してなるユニット床材であって、前記合成樹脂製架台及び木質系板材の少なくとも一方に、合成樹脂製架台と木質系板材とを接合した際に生じる掘削屑を逃がすための凹部が設けられていることを特徴とするユニット床材。
(2)前記凹部が、合成樹脂製架台と木質系板材との接触面に設けられていることを特徴とする、上記(1)に記載のユニット床材。
(3)前記連結部が、連結孔または連結穴と、該連結孔または連結穴に嵌合する連結片とで構成されていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のユニット板材
(4)前記木質系板材が、セルロース系材料を主原料とする基層材の周囲を、合成樹脂を主原料とする表層材で被覆したものであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のユニット板材。
本発明によれば、合成樹脂製架台及び木質系板材の少なくとも一方に、合成樹脂製架台と木質系板材とを接合した際に生じる掘削屑を逃がすための凹部が設けられているので、ビス等によって木質系板材を合成樹脂製架台に固定する際にも、掘削屑はその凹部に逃れ、木質系板材と合成樹脂製架台との間に隙間が生じるのを防ぐことができる。その結果、木質系板材の浮き上がり、段差発生も防ぐことができる。
本発明のユニット床材は、たとえば図1に示すような、セルロース系材料を主原料とする基層材1の周囲を、合成樹脂を主原料とする表層材2で被覆してなる木質系板材5を、図2、図3に示すような合成樹脂製架台4に配置、接合してなるものである。
ここで、図1に示す木質系板材5は、セルロース系材料を主原料とする基層材1の周囲を、合成樹脂を主原料とする表層材2で被覆してなるものである。つまり、木質系板材の大部分を占める基層材1の主原料として木粉などのセルロース系材料を採用することで産業廃棄物の有効利用ができるし、また、合成樹脂を主原料とする表層材2で、セルロース系材料の周囲を覆うので、反りなどの形状変化を抑制し、耐候劣化による色調変化を抑制することもできる。ここで、主原料とは50重量%以上の使用比率を言う。また、基層材1と表層材2の2層構造とすることにより、意匠性向上を目的に比較的高価な顔料を添加する場合であっても外周部の表層材2のみに使用すればよく、そのため最低限のコストアップで意匠性を向上させ、かつ、反りの発生などの形状変化を抑制することができる。
セルロース系材料としては、木材を微粉化した木粉を採用することが木の質感を再現する上で好ましい。さらに、産業廃棄物の有効利用という点から、建築廃材などから得られる木粉を採用することがより好ましい。
合成樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、これらの共重合体、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ABS(アクリロニトリルブチレンスチレン共重合体)、ASA(アクリル酸エステル共重合体)等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂を主原料とすることにより、カビなどの発生し難い木質系板材を得ることが出来る。また、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂の他、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を使用することも可能である。しかしながら、押し出し成形により木質系板材を成形する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。なお、熱可塑性樹脂を主原料として、熱硬化性樹脂を副原料として併用してもよい。
また、木質系板材の内部には、長手方向に延びる空洞3を形成することも好ましい。空洞3を設けることは、原料の使用を抑え、木質系板材の軽量化を図る上で好ましい。
さらに、表層材2の意匠性を向上させるため、主原料と異なる種類の合成樹脂や無機質粉体を前記合成樹脂に添加したり、表面に凹凸模様を施すことも好ましいことである。
そして、本発明において木質系板材は、上述のような構成に限らず、表層材と基層材に同一原料を用いたものや単層構造品、さらには表層材の一方の表面のみに基層材を積層した2層構造品などを用いることもできる。また、南洋材、チーク材などの天然木材を使用することもできる。
上述の木質系板材は、たとえば図2及び図3に示すような合成樹脂製架台4上に載置され、使用時における裏面側から金属ビスなどの接合部材6を打ち込んで固定される。
ここで、本発明における合成樹脂製架台は、隣接するユニット床材との連結部を有するものであって、連結孔または連結穴と、該連結孔または連結穴に嵌合する連結片を備えているものが好ましい。具体的には、たとえば図2に示すように、略矩形の合成樹脂製架台の隣接する2辺に連結用の凸部7(連結片)を設け、残りの2辺に連結用の凹部8(連結孔)を設ければよい。
そして、本発明のユニット床材においては、合成樹脂製架台4および木質系板材5の少なくとも一方に、後述する接合部材6を用いて合成樹脂製架台4と木質系板材5とを接合した際に生じる掘削屑9を逃がすための凹部が設けられている。すなわち、木質系板材5を合成樹脂製架台4に載置したときの合成樹脂製架台4と木質系板材5の接触面に凹部を形成することが好ましく、この凹部は合成樹脂製架台4に設けても木質系板材5に設けても、もしくは両方に設けてもよい。
接触面が凹部に形成されていない合成樹脂製架台及び木質系板材を接合部材を用いて接合した場合には、図4に示すように、木質系板材5の掘削屑9が合成樹脂製架台4と木質系板材5との間に挟まり、木質系板材5と合成樹脂製架台4との間に隙間10が生じてしまう。それに対し、上述したように合成樹脂製架台4および木質系板材5の少なくとも一方に掘削屑9を逃がすための凹部を設けていると、掘削の際に生じた掘削屑9が凹部に逃げる形となり、合成樹脂製架台4と木質系板材5の間に隙間が生じるのを防ぐことができる。
接合部材6としては、金属ネジ、釘、ステープルなど、上記木質系板材に打ち込む事が可能なものであれば特に限定されない。
以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明するが、実施例中に示す特性値の測定方法は次のとおりである。
A.反り促進試験
20℃雰囲気(湿度60%、大気圧)で24時間放置した後に反りを測定し基準値とする。次に50℃の恒温水槽中に16hr浸積した後、80℃乾燥機中で8hr乾燥する。この操作を3サイクル繰り返し、再び20℃雰囲気(湿度60%、大気圧)で24時間放置し、測定した反りの値を試験値とする。
A.反り促進試験
20℃雰囲気(湿度60%、大気圧)で24時間放置した後に反りを測定し基準値とする。次に50℃の恒温水槽中に16hr浸積した後、80℃乾燥機中で8hr乾燥する。この操作を3サイクル繰り返し、再び20℃雰囲気(湿度60%、大気圧)で24時間放置し、測定した反りの値を試験値とする。
次に(試験値)−(基準値)より反り量を算出する。なお、4隅の反り量のうち最大値をその試験体の反り量とする。
B.反りの測定方法
水平床面に試験片を載置し、床面からの4隅を浮き上がりをスケール尺を用い測定する。
<実施例1>
表層材の主原料として、廃木粉(セルロース系材料)10重量%、ASA(熱可塑性樹脂)90重量%を混合し、さらに、副原料として顔料、耐候剤を主原料100に対してそれぞれ5重量%、1重量%添加し、表層材の原料とした。また、基層材の原料として、廃木粉(セルロース系材料)60重量%、ABS(熱可塑性樹脂)40重量%を混合した
次に上述の表層材原料及び基層材原料を用い、厚み約13.5mmの基層材周囲を厚み約1mmの表層材で被覆するように押出成形し、木質系板材を得た。(サイズ:約71.5×303×15.5mm)。
B.反りの測定方法
水平床面に試験片を載置し、床面からの4隅を浮き上がりをスケール尺を用い測定する。
<実施例1>
表層材の主原料として、廃木粉(セルロース系材料)10重量%、ASA(熱可塑性樹脂)90重量%を混合し、さらに、副原料として顔料、耐候剤を主原料100に対してそれぞれ5重量%、1重量%添加し、表層材の原料とした。また、基層材の原料として、廃木粉(セルロース系材料)60重量%、ABS(熱可塑性樹脂)40重量%を混合した
次に上述の表層材原料及び基層材原料を用い、厚み約13.5mmの基層材周囲を厚み約1mmの表層材で被覆するように押出成形し、木質系板材を得た。(サイズ:約71.5×303×15.5mm)。
そして、得られた木質系板材の裏面に凹部を形成し、図2に示す合成樹脂製架台に金属ネジを用いて接合し、そのときの接合状態を確認した。
その結果、裏面に凹部を形成した木質系板材と合成樹脂製架台との接合面には隙間が生じなかった
<比較例1>
木質系板材に凹部を形成しなかった以外は実施例1と同様にして木質系板材を合成樹脂製架台に接合し、そのときの接合状態を確認した。
<比較例1>
木質系板材に凹部を形成しなかった以外は実施例1と同様にして木質系板材を合成樹脂製架台に接合し、そのときの接合状態を確認した。
その結果、裏面に凹部を形成しなかった木質系板材と合成樹脂製架台との間には約1〜2mmの隙間が生じた。
1 基層材
2 表層材
3 空洞
4 合成樹脂製架台
5 木質系板材
6 接合部材
7 凸部
8 凹部
9 掘削屑
10 隙間
2 表層材
3 空洞
4 合成樹脂製架台
5 木質系板材
6 接合部材
7 凸部
8 凹部
9 掘削屑
10 隙間
Claims (4)
- 隣接するユニット床材との連結部を有する合成樹脂製架台の上に木質系板材を配置接合してなるユニット床材であって、前記合成樹脂製架台及び木質系板材の少なくとも一方に、合成樹脂製架台と木質系板材とを接合した際に生じる掘削屑を逃がすための凹部が設けられていることを特徴とするユニット床材。
- 前記凹部が、合成樹脂製架台と木質系板材との接触面に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のユニット床材。
- 前記連結部が、連結孔または連結穴と、該連結孔または連結穴に嵌合する連結片とで構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のユニット板材
- 前記木質系板材が、セルロース系材料を主原料とする基層材の周囲を、合成樹脂を主原料とする表層材で被覆したものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のユニット板材。
Priority Applications (1)
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JP2005194662A JP2007009617A (ja) | 2005-07-04 | 2005-07-04 | 木質系板材及びそれを用いたユニット床材 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008087917A1 (ja) | 2007-01-18 | 2008-07-24 | Riken | 視細胞への分化誘導方法 |
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2005
- 2005-07-04 JP JP2005194662A patent/JP2007009617A/ja active Pending
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