JP2016113700A - 銀粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平均粒径が0.3〜2.0μmで粒度分布が狭い銀粉を、生産性が高く低コストで製造することができる銀粉の製造方法及びその製造方法により製造された銀粉を提供する。【解決手段】銀錯体を含む銀溶液と還元剤溶液とをそれぞれ定量的かつ連続的に流路内に供給し、該銀溶液と該還元剤溶液とを流路内で混合させた反応液中で銀錯体を定量的かつ連続的に還元する銀粉の製造方法において、上記反応液に分散剤を含有させるとともに、該反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整し、塩素含有量が40質量ppm未満であり、走査型電子顕微鏡観察によって測定される一次粒子の平均粒径が0.3〜2.0μmであり、粒径の標準偏差をその平均値で除した値が0.3以下である銀粉を得ることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、銀粉の製造方法に関するものであり、より詳しくは、電子機器の配線層や電極等の形成に利用される樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペーストの主たる成分となる銀粉に関する。
電子機器における配線層や電極等の形成には、樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペーストのような銀ペーストが多用されている。これらの銀ペーストは、塗布又は印刷した後、加熱硬化あるいは加熱焼成されることによって、配線層や電極等となる導電膜を形成する。
例えば、樹脂型銀ペーストは、銀粉、樹脂、硬化剤、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷し、100℃〜200℃で加熱硬化させて導電膜とし、配線や電極を形成する。また、焼成型銀ペーストは、銀粉、ガラス、溶剤などからなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷し、600℃〜800℃に加熱焼成して導電膜とし、配線や電極を形成する。これらの銀ペーストで形成された配線や電極では、銀粉が連なることで電気的に接続した電流パスが形成されている。
銀ペーストに使用される銀粉は、粒径が0.1μmから数μmであり、形成する配線の太さや電極の厚さによって使用される銀粉の粒径が異なる。また、ペースト中に均一に銀粉を分散させることにより、均一な太さの配線、均一な厚さの電極を形成することができる。
銀ペースト用の銀粉に求められる特性としては、用途及び使用条件により様々であるが、一般的で且つ重要なことは、粒径が均一で凝集が少なく、ペースト中への分散性が高いことである。粒径が均一で、且つペースト中への分散性が高いと、硬化あるいは焼成が均一に進み、低抵抗で強度の大きい導電膜を形成できるからである。逆に、粒径が不均一で分散性が悪いと、印刷膜中に銀粒子が均一に存在しないため、配線や電極の太さや厚さが不均一となるばかりか、硬化あるいは焼成が不均一となるため、導電膜の抵抗が大きくなったり、導電膜が脆く弱いものになったりしやすい。
更に、銀ペースト用の銀粉に求められる事項として、製造コストが低いことも重要である。銀粉はペーストの主成分であるため、ペースト価格に占める割合が大きいためである。製造コストの低減のためには、生産性が高いことや、使用する原料や材料の単価が低いだけでなく、廃液や排気の処理コストが低いことも重要となる。
ところで、上述した銀ペーストに使用される銀粉の製造は、硝酸銀等の銀塩のアンミン錯体を含む溶液が入った槽内に還元剤溶液を投入して還元するバッチ式で行われることが多かった。しかしながら、バッチ式では、還元剤溶液が投入された位置で局部的に還元反応が始まり、還元剤溶液の投入開始から終了までの間で銀粒子の核が随時発生していくため、均一な粒径の銀粉を得ることは難しい。
バッチ式による還元を用いた銀粉の製造方法においても、粒度分布を改善した提案がなされている。例えば、特許文献1には、銀塩のアンミン錯体及び還元反応の際に媒晶剤として機能する重金属塩のアンミン錯体を含むスラリーと、還元剤である亜硫酸カリ及び保護コロイドとしてのアラビアゴムを含有する溶液とを混合して銀塩のアンミン錯体を還元し、生成した銀粒子を回収する銀粉の製造方法が開示されている。
この製造方法によれば、1次粒子の平均粒径が0.1〜1μmであり、低凝集で且つ粒度分布が狭い粒状銀粉が得られるとされている。しかしながら、この製造方法では、重金属のアンミン錯体の存在下で銀塩を還元するため、重金属が不純物として混入しやすく、得られる銀粉の純度が低下する可能性がある。また、具体的な粒度分布は開示されておらず、どの程度の粒度分布を有した銀粉であるか不明である。
一方、銀塩のアンミン錯体を含む溶液と還元剤溶液を連続的に混合して還元する連続方式による粒度分布改善の試みも提案されている。例えば、特許文献2は、銀アンミン錯体水溶液Sが一定の第一流路aを流れ、その第一流路aの途中に合流する第二流路bを設け、この第二流路bを通じて有機還元剤及び必要に応じた添加剤Sを流し、第一流路aと第二流路bとの合流点mで接触混合して還元析出させる銀粉の製造方法が開示されている。
しかしながら、この方法で得られる銀粉は、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DIAが0.6μm以下で、結晶子径が10nm以下であり、微細粒子であるため、一般的な銀ペーストの用途には不向きであり、用途が限られたものとなってしまう。また、反応溶液中の銀濃度が低く、生産性に優れた製造方法とは言い難い。
ここで、上述した従来の製造方法を含めて、銀源として用いる原料は硝酸銀が一般的である。しかしながら、硝酸銀はアンモニア水等への溶解過程で有毒な亜硝酸ガスを発生し、これを回収する装置が必要となる。また、廃水中に硝酸系窒素やアンモニア系窒素が多量に含まれるので、その処理のための装置も必要となる。さらに、硝酸銀は危険物であり劇物でもあるため、取り扱いに注意を要する。このように、硝酸銀を銀粉の原料として用いる場合は、環境に及ぼす影響やリスクが他の銀化合物に比べて大きいという問題点を抱えている。
そこで、硝酸銀を原料とせずに、塩化銀を還元して銀粉を製造する方法も提案されている。塩化銀は危険物にも劇物にも該当せず、遮光の必要はあるものの比較的取り扱いが容易な銀化合物であるという利点を有している。また、塩化銀は銀の精製プロセスの中間品としても存在し、電子工業用として十分な純度を有するものが提供されている。
例えば、特許文献3には、塩化銀をアンモニア水に銀濃度で1〜100g/lとなるように溶解した後、この溶液に保護コロイドの存在下で還元剤を加えて撹拌し、溶液中の銀アンミン錯体を液相還元して銀超微粒子を得る方法が開示されている。しかしながら、この方法で得られる銀粉の粒径は0.1μm以下と微細であるため、電子工業用としては用途が限られるものであった。
以上のように、銀粉の製造方法についてはこれまで多くの提案がなされているが、平均粒径が0.1μmから数μmで均一な粒径を有した銀粉、すなわち粒度分布が狭い銀粉を得ることと、優れた生産性を有し低コストで銀粉を得ることが両立できていなかった。
特開平11−189812号公報 特開2005−48236号公報 特開平10−265812号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑み、生産性が高く低コストで製造でき、適度な粒径を有するとともに粒度分布が狭い銀粉の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、銀錯体を含む溶液に還元剤溶液を連続的に混合して還元する銀粉の製造方法において、得られる銀粒子の粒径制御について検討を重ねた結果、反応液中の銀濃度によって得られる銀粒子の粒径制御ができ、従来より高い銀濃度とすることによって粒径の均一化が可能であることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明に係る銀粉の製造方法は、銀錯体を含む銀溶液と還元剤溶液とをそれぞれ定量的かつ連続的に流路内に供給し、該銀溶液と該還元剤溶液とを流路内で混合させた反応液中で銀錯体を定量的かつ連続的に還元する銀粉の製造方法において、上記反応液に分散剤を含有させるとともに、該反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整し、塩素含有量が40質量ppm未満であり、走査型電子顕微鏡観察によって測定される一次粒子の平均粒径が0.3〜2.0μmであり、粒径の標準偏差をその平均値で除した値が0.3以下である銀粉を得ることを特徴とする
本発明に係る銀粉の製造方法によれば、工業的規模でも容易に実施可能な方法で、平均粒径が0.3μmから2.0μmの範囲に粒径を制御した銀粉を製造することができる。また、本発明に係る銀粉の製造方法は、連続的に還元する製造方法で高濃度の銀溶液を用いるため、生産性が極めて高く、しかも安価な塩化銀を出発原料として用いることが可能で、排気及び排水用の硝酸系処理装置を必要としないため、低コストで実施することができる。
銀溶液と還元剤溶液との混合し反応させる反応管の一例を示す概略模式図である。 銀溶液供給管内に還元剤溶液供給管の出口を配置させた反応管の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明に係る銀粉及びその製造方法の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
本実施の形態に係る銀粉の製造方法は、銀錯体を含む銀溶液と還元剤溶液とをそれぞれ定量的かつ連続的に流路内に供給し、銀溶液と還元剤溶液とを流路内で混合させた反応液中で銀錯体を定量的かつ連続的に還元するものであり、その反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整することを特徴としている。
この銀粉の製造方法においては、銀溶液と還元剤溶液を定量的かつ連続的に一定の空間に供給し、これらを混合させた反応液中で還元反応を生じせしめ、還元反応が終了した還元後反応液、すなわち銀粒子スラリーを定量的かつ連続的に排出する。これにより、還元反応場の銀錯体の濃度と還元剤の濃度が一定に保たれ、核発生の速度とその濃度が一定になり、さらに一定の粒成長を図るものである。このような方法によれば、得られる銀粒子の大きさが揃い、粒度分布が狭い銀粉を得ることができる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給と銀粒子スラリーの排出を連続的に行うことで、連続的に銀粉を得ることができ、高い生産性でもって銀粉を製造することができる。
そして、本実施に形態に係る銀粉の製造方法においては、反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整することが重要である。これにより、平均粒径が0.3〜2.0μmで粒度分布が狭い銀粉を高い生産性で製造することが可能となる。すなわち、本実施の形態に係る銀粉の製造方法は、反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整することにより、還元により生成される銀粒子の粒径及び粒度分布を制御する。上述のように、この製造方法においては、連続的に銀溶液と還元剤溶液を定量的に混合するため、混合後の還元反応場の銀錯体の濃度と還元剤の濃度が一定に保たれる。したがって、核発生の速度とその濃度が一定であるため、高い銀濃度であっても濃度の揺らぎによる異常な粒成長が抑制され、全体として粒子の成長速度を一定に保つことができ、粗大粒子の生成を抑制することができる。
ここで、銀濃度が低い場合には、粒子の成長速度は一定に保たれるものの、粒子成長が十分でなく、得られる銀粒子は微細なものとなる。このような微細な銀粒子では、洗浄後の乾燥処理において、銀粒子間で過度凝集が起こり易くなる。一方、銀濃度が高い場合には、核発生の濃度が一定に保たれても核発生が多過ぎるため、粒子の凝集が発生して粗大粒子が生成されてしまう。したがって、連続的に銀溶液と還元剤溶液を定量的に混合し、かつ混合後の反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整することにより、上記粒径の範囲で粒度分布が狭い銀粉を高い生産性で得ることができる。
より具体的に、銀粒子の粒径は、反応液中の銀錯体を低濃度とすれば小さくなり、高濃度とすれば大きくなる傾向にあり、反応液中の銀濃度の調整により粒径を制御することができる。しかしながら、銀濃度が5g/L未満では、粒径が小さくなり過ぎるとともに十分な生産性が得られない。また、得られる銀粉のタップ密度も低くなってしまう。一方、銀濃度が75g/Lを超えると、粒子の凝集による粗大粒子が生成するため、粒度分布が広くなってしまう。
本実施の形態に係る銀粉の製造方法において用いる還元剤としては、一般的なヒドラジンやホルマリン等を用いることもできるが、アスコルビン酸を用いることが特に好ましい。アスコルビン酸は、その還元作用が緩やかであるため、銀粒子中の結晶粒が成長しやすく、また銀濃度が高濃度の反応液中でも粒径制御が容易であることも好ましい理由となっている。また、反応の均一性あるいは反応速度を制御するために、還元剤を純水等で溶解又は希釈して濃度調整した水溶液として用いることもできる。
還元剤としてアスコルビン酸を用いた場合、化学量論的にはアスコルビン酸0.25モルで銀1モルを還元することができる。銀溶液と還元剤溶液との混合時における混合比は、化学量論による混合比より多くすることが好ましく、具体的には銀1モルに対して還元剤を0.25〜0.50モルとすることが好ましく、0.30〜0.40モルとすることがより好ましい。0.25モル未満の場合は、廃液に未還元の銀錯体が残留し、銀粉の収率が低下する。一方、0.50モルを超えると、還元に利用されないアスコルビン酸が多く残留することになり、コスト的に不利となる。
さらに、本発明者は、銀粉の原料として塩化銀を用いた場合、反応液中の銀濃度に対する還元剤添加量が、銀粉の残留塩素濃度に影響することを見出した。塩化銀をアンモニア水で溶解した銀溶液を還元剤で還元する従来の方法によって得られる銀粒子は、原料由来の塩素を多く含む。しかしながら、還元剤添加量を、銀溶液と還元剤溶液との混合時における混合比で銀1モルに対して0.50モル以下とすることによって、銀粉の塩素濃度を大幅に低減させることができる。これにより、塩化銀を原料としながら塩素濃度が40ppm未満となる銀粉を得ることができる。
なお、銀粉の粒径及び残留塩素濃度低減のみであれば、バッチ式による銀の還元において銀濃度と還元剤添加量を上述した範囲に制御すことで達成できるが、さらに上述のように銀溶液と還元剤溶液とを定量的かつ連続的に流路内に供給して銀錯体を還元する連続式により銀粉を製造することにより、優れた粒度分布を有する銀粉を、高い生産性でもって製造することができる。
銀溶液は、還元されて銀となる銀錯体を含む溶液であり、各種銀塩を銀の原料として用いることができるが、塩化銀をアンモニア水に溶解することにより得たものであることが好ましい。このように、塩化銀を原料とすることにより、硝酸銀を出発原料とする方法で必要とされた亜硝酸ガスの回収装置や廃水中の硝酸系窒素の処理装置を設置する必要がなく、環境への影響も少ないプロセスとなり、製造コストの低減を図ることができる。また、粒径制御と反応液中の銀の高濃度化を両立することにおいて、塩化銀を用いることで他の銀塩より容易に行えることが実験的に確認された。
塩化銀は高純度のものを用いることが好ましく、このような塩化銀としては、純度99.9999質量%の高純度塩化銀が工業用に安定的に製造されている。塩化銀を溶解するアンモニア水は、工業的に用いられる通常のものでよいが、不純物混入を防止するため可能な限り高純度のものが好ましい。
以下では、塩化銀を用いた場合を具体例として、本実施の形態に係る銀粉の製造方法について、より詳細に説明する。
銀溶液と還元剤溶液とをそれぞれ定量的かつ連続的に流路内に供給して銀錯体を還元させるに際して、銀溶液及び還元剤溶液のそれぞれの濃度と供給速度は、銀溶液と還元剤溶液とが混合された反応液中の銀濃度が5〜75g/Lの範囲で所望の濃度となるように適宜調整すればよい。供給速度が過度に低い場合には、流速が低下して流路内における銀の堆積や生産性が低下する問題が生じる。また、供給速度が高過ぎる場合には、銀溶液と還元剤溶液の混合不足や銀の還元反応の不足が生じる場合がある。これらは流路の大きさにも影響されるため、流路の大きさを考慮しながら適正な供給速度を決めればよい。
また、銀の還元反応時の反応液の温度は、25〜40℃とすることが好ましい。25℃未満では、塩化銀のアンモニア水に対する溶解度が小さくなり、反応液中の銀濃度を高められないことにより所望の粒径が得られない可能性がある。一方、40℃を超えると、アンモニアの揮発が激しくなり、溶解度が低下して核発生速度が大きくなり粒径が変動する可能性があり、さらの塩化銀の析出が起きることがある。
この製造方法においては、流路内で銀の還元反応を完了させることが好ましい。このため、流路内で銀溶液と還元剤溶液とが混合されてからその流路内を流下して出口に出るまでの時間(流下時間)が15秒以上60秒以下となるような流路長に流路を構成することが好ましい。その流下時間が15秒以下では還元反応が終了せず、未還元の銀錯体が反応液中に残留し、粒子が連結して粗大粒となることや、凝集して分散性が悪くなることがある。一方、60秒以上では、装置を無用に大きくするだけである。また、流路の長さは、銀溶液と還元剤溶液とを混合させる混合管に軟質チューブを接続し、そのチューブを螺旋状に巻くようにして調整してもよい。これにより、スペースを要せずに流路の長さを調整することができる。
また、還元反応が終了しても余剰の還元剤の活性により、銀粒子の連結や凝集を起こすことがある。そのため、流路末端の反応液の出口に受槽を配置するようにし、流路内で混合し還元反応させた反応液を、その受槽に保持して攪拌することが好ましい。
ここで、受槽内では、還元により生成した銀粒子が沈降しないように十分に攪拌することが必要になる。沈降すると、銀粒子が凝集体を形成して分散性が悪くなってしまうため好ましくない。攪拌は、銀粒子が沈降しない程度の力で行えばよく、一般的な攪拌機を用いることができる。受槽に入って余剰の還元剤が失活した反応液は、ポンプでフィルタープレス等の濾過機に送液することで、連続的に次の工程へと移送することができる。
銀溶液と還元剤溶液との混合においては、流路内における銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を、両液の供給方向を含む平面内において0°以上、90°以下として混合することができる。銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°以上、90°以下とすることにより、銀溶液を供給する銀溶液供給管内への還元剤溶液の逆流、あるいは還元剤溶液を供給する還元剤供給管内への銀溶液の逆流を防ぎ、いずれかの供給管出口付近で銀粉の堆積が発生することを防止することができる。なお、このような堆積銀粉が生成されると、その堆積銀粉が剥離して銀粉中に粗大粒子として混入することがあり、また堆積が進むといずれかの供給管が閉塞することがある。
上述した銀溶液と還元剤溶液との混合に用いられる装置、すなわち反応管としては、特に限定されるものではないが、流路が銀溶液を供給する銀溶液供給管と、還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給管と、銀溶液と還元剤とを混合させる2液混合管とからなり、銀溶液と還元剤溶液とを混合管内で混合する構造を有するものが用いられ、例えばY字管が挙げられる。なお、後でも述べるが、ここで言う「反応管」、「混合管」との用語は、筒状やパイプ状等の外周囲が閉塞され空洞を形成するものに限定解釈されるものではなく、例えば樋のような、その外周囲の一部が開口した形状のものも含む意味であり、形状は何れであっても供給される銀溶液と還元剤溶液とが混合して反応する場となるものを意味する。
より具体的に、図1に反応管の一具体例としてのY字管(Y字反応管)10の模式図を示す。図1に示すように、銀溶液と還元剤溶液との混合に用いるY字管10は、銀錯体を含む銀溶液を供給する銀溶液供給管11と、還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給管12と、銀溶液と還元剤溶液とを混合させる混合管13とから構成されている。
このようなY字管10を用いることにより、銀溶液と還元剤溶液とを定量的かつ連続的に供給し、混合管13内で混合させて反応液とし、銀錯体を定量的かつ連続的に還元することができる。
反応管における各管の径は、銀溶液と還元剤溶液の供給に対する抵抗が過度にならず、かつ十分な攪拌が得られるように各溶液の供給量に基づいて決めることができる。
また、反応管における各管は、パイプ状となっており、またその形状は、特に限定されるものではないが、円柱状であることが銀溶液と還元剤溶液を供給する配管と接続しやすいという点で好ましい。また、反応管の材質としては、銀溶液や還元剤溶液と反応しないことと、還元反応後の銀が付着しないことが選択上重要であり、これらの条件を満たす材質であればよい。例えば、ガラス、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン等から選択することができ、その中でもガラスを用いることが特に好ましい。
さらに、銀溶液と還元剤溶液を、それぞれ銀溶液供給管11と還元剤溶液供給管12を介して供給するに際しては、一般的な定量ポンプを用いることができる。このとき、定量ポンプとしては、脈動の小さいものを用いることが好ましい。また、例えば、還元剤溶液の供給量が銀溶液の供給量より少ない場合には、その合流点でこれら2液が十分に混合されるように還元剤溶液の流速を大きくするように供給することが好ましい。
また、図1(及び図1中の一部拡大図)に示すように、Y字管10を構成する混合管13内には、スタティックミキサー(SM)14を設けることができる。銀溶液と還元剤溶液をそれぞれ供給すると、混合管13内での乱流や拡散等により各溶液が混合されて反応液となる。このとき、それぞれの溶液が均一に混合されない場合や混合が終わるまでに時間がかかる場合には、銀溶液と還元剤溶液の合流点の下流側にスタティックミキサー14を設置することにより、反応液を均質化させることができる。
スタティックミキサー14としては、衝突板型、捻り翼型等のものがあるが、混合管13内に設置するという観点からすると捻り翼型のものが好ましい。図1中の一部拡大図に示すように、捻り翼型のスタティックミキサーは、90°捻った捻り翼(固定スクリュー)を1エレメントとして捻り方向を変えた捻り翼を交互に数エレメント配置したものである。なお、図1中の一部拡大図では、左側から順に、右エレメントと左エレメントが交互に配置されている様子を示している。
また、そのスタティックミキサー14のエレメントの数については、特に限定されないが、エレメント数が少な過ぎると、銀溶液と還元剤溶液が十分に混合されず還元反応が不均一となり、微粒が発生することがある。一方で、エレメント数が多過ぎても、無用に混合管を長くすることになるばかりか銀の付着が発生することがある。このエレメント数については、各溶液の供給量と流速により、溶液の混合が十分にできる程度に適宜決めればよい。また、その材質は、銀の付着や反応性の観点から、ガラスとすることが好ましい。
また、混合管13の水平面に対する角度は、任意に決定することができるが、混合管13内面と反応液の間に空隙が多くなるような場合、例えば混合管の断面で80%以上の空隙が生じる場合や、後述するような樋状の混合管を用いる場合には、混合管の水平面に対する角度を20°〜40°とすることが好ましい。これにより、混合管内の反応液の流速を適度に抑制することができ、十分な反応時間を得ることができる。
上述したY字管10は、用いられる反応管の一例を示したものであって、当然これに限定されるものではない。例えば、混合管は必ずしもパイプ状のものを用いる必要はなく、樋状、すなわち上部に開口部を有するものでもよい。そして、その桶状の混合管の断面形状としては、円や楕円、多角形等の一部を切断したものを用いることができ、特に断面形状として円弧状のものが好ましい。
このような樋状の混合管を用いる場合、銀溶液の供給方向と還元剤溶液の供給方向が交差するように銀溶液供給管と還元剤供給管を混合管にそれぞれ接続する。例えば、銀溶液を混合管の上端から混合管と平行に流し込ませるように銀溶液供給管を接続し、還元剤溶液を混合管の上端から数cm下流側で混合管に直角に流し込ませるように還元剤供給管を接続する。これにより、各供給管から供給されたそれぞれの溶液を、その混合管の交差位置において衝突させることによって混合することができ、十分な混合を行うことができる。なお、混合管の内径は、銀溶液と還元剤溶液の流れに対して抵抗が大きくなるような細いものより、流れに対して直角な断面を見たときに上部に空間が残るものが好ましい。
ところで、上述したように、銀溶液と還元剤溶液とを混合するに際しては、銀溶液供給管内への還元剤溶液の逆流や還元剤供給管内への銀溶液の逆流を防ぎ、いずれかの供給管出口付近での銀粉の堆積を防止することができるという点において、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を、両液の供給方向を含む平面内において0°以上、90°以下として混合することが好ましい。しかしながら、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向が15°以下の場合には、各溶液の流れのみでは十分に混合されない場合がある。
したがって、そのため、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向が15°以下とする場合においては、いずれかの供給管内に他方の供給管出口を配置することが好ましい。すなわち、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を両液の供給方向を含む平面内において0°として、銀溶液と還元剤溶液の2液を同方向に流すようにすることが好ましい。
その具体的な態様としては、いずれかの供給管の中心に他方の供給管出口を配置することにより、銀溶液と還元剤溶液とを同方向に流すようにする。通常は、銀溶液の流量が還元剤溶液より多いため、還元剤供給管より銀溶液供給管が大径となる。このため、銀溶液供給管内に還元剤供給管出口を配置することが好ましく、銀溶液を供給する配管内に還元剤溶液を供給する配管を同軸上に設けることが好ましい。これにより、各溶液が十分に混合されるようになるとともに、還元反応が反応管の中心近傍で起こり反応管内壁付近での還元反応が少なくなるため、反応管内壁への銀の付着を減少させ、粗大粒子の生成を抑制することができる。
ここで、図2に、銀溶液を供給する銀溶液供給管内に還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給管の出口を配置させた反応管20の一例を示す。この図2は、反応管のAA’断面を模式的に示した図である。図2に示すように、この反応管20は、銀錯体を含む銀溶液を供給する銀溶液供給管21と、還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給管22と、銀溶液供給管21と還元剤溶液供給管22が接合され銀溶液と還元剤溶液とを混合する混合管23とから構成されている。なお、この反応管20においても、混合管23内の銀溶液と還元剤溶液の合流位置より下流側にスタティックミキサーを設けるようにしてもよい。
図2に示すように、反応管20は、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°となるように、すなわち両液を同方向に供給するように、銀溶液供給管21の内部に還元剤溶液供給管22の出口を配置させている。これにより、還元剤供給管22の出口付近に、還元された銀が堆積することを抑制することができる。また、反応管20では、銀溶液と還元剤溶液とが混合されやすいように、還元剤溶液供給管22の出口の位置を銀溶液供給管21の中心位置に配置している。
また、銀溶液供給管21と還元剤溶液供給管22のそれぞれの径や長さについては、特に限定されるものではなく、各供給管を介して供給される銀溶液と還元剤溶液の流速の違いによって効果的な混合ができるように適宜設定することが好ましい。
例えば、反応管20においては、銀溶液供給管21の内部にその銀溶液供給管21と同軸に配置された還元剤溶液供給管22の直線部22Aを、還元剤溶液供給管22の内径の5倍以上の長さに設ける。これにより、還元剤溶液供給管22の出口から出る還元剤溶液を層流とすることができ、それぞれの溶液の流速の違いによって両液が均一に混合されることになる。
なお、各供給管の配置等は、各溶液の供給量や流速によっても、適宜変更することができる。また、各供給管の寸法等についても、特に限定されるものではなく、各溶液を供給する際の所望とする流速や流れの状態等に基づいて、適宜設定することができる。
また、銀溶液と還元剤溶液との混合をより迅速に行いたい場合には、流路内における銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を、両液の供給方向を含む平面内において90°を超え、180°以下、好ましくは135°以上、180°以下として混合してもよい。具体的に、例えば銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を両液の供給方向を含む平面内において180°とする態様としては、銀溶液を供給する配管である銀溶液供給管内に還元剤溶液を供給する配管である還元剤溶液供給管を同軸上に設ける。そして、同軸上に設けた各配管を介して、銀溶液と還元剤溶液とを逆方向に、すなわちそれぞれの流れが向かい合うように流して混合させる。
このように、両液の供給方向をその供給方向を含む平面内において90°を超え、180°以下、好ましくは135°以上、180°以下として混合することにより、両液の合流時に乱流が生じやすくなり、迅速な混合が可能となる。ただし、この場合には、供給管への銀の堆積が生じる可能性があるため、各溶液の供給量及び流速を調整する必要がある。供給管への銀の堆積を抑制するためには、溶液流量を大きくすることが有効である。なお、供給方向がなす角度以外の構成および条件については、供給方向のなす角度が90°以下の場合と同様にすればよい。
本実施の形態に係る銀粉の製造方法においては、銀溶液と還元剤溶液とを混合させた反応液に、分散剤を含有させることが重要である。分散剤が含有されていないと、還元により発生した銀粒子が凝集を起こし、粗大粒子が発生したり、分散性が悪いものとなってしまう。分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性シリコンオイル系界面活性剤、ポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることが好ましく、又はこれらの2種以上を組合せて用いることがより好ましい。
分散剤は、予め還元剤溶液に添加しておくことにより、反応液に含有させることが好ましい。分散剤を銀溶液に混合しておくことも選択肢としてはあり得るが、還元剤溶液に混合しておく方が分散性の良い銀粉が得られることが実験的に確認された。これは、還元剤溶液に分散剤を添加しておくことで、銀粒子の生成場に分散剤が存在し、効率よく銀粒子の凝集を抑制できるためと考えられる。なお、分散剤として用いるポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンは、還元反応時に発泡する場合があるため、還元剤溶液や銀溶液に消泡剤を添加してもよい。
分散剤の含有量としては、分散剤の種類及び得ようとする銀粉粒径により適宜決めればよいが、銀溶液中に含有される銀に対して3〜20質量%とすることが好ましい。分散剤の含有量が3質量%未満であると、銀粒子の凝集抑制効果が十分に得られない可能性があり、一方で含有量が20質量%を超えても、それ以上に凝集抑制効果の向上はなく、排水処理等の負荷が増加するのみである。
得られた銀スラリーは、濾過した後、洗浄し、乾燥する。洗浄方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、銀粒子を水に投入し、撹拌機又は超音波洗浄器を使用して撹拌した後、濾過して銀粉を回収する方法が用いられる。この方法において、銀粒子の水への投入、撹拌洗浄及び濾過からなる操作を、数回繰返して行うことが好ましい。また、洗浄に用いる水は、銀粉に対して有害な不純物元素を含有していない水を使用し、特に純水を使用することが好ましい。
そして、水による洗浄を行った後、銀粒子の水分を蒸発させて乾燥させる。乾燥の方法としては、例えば、水洗浄後の銀粒子をステンレスパッド上に置き、大気オーブン又は真空乾燥機等の一般的な乾燥装置を用いて、40〜80℃程度の温度で加熱することにより行うことができる。
以上詳述した製造方法により製造された銀粉は、走査型電子顕微鏡観察によって測定される平均粒径、すなわち、一次粒子(銀粒子)の平均粒径が0.3〜2.0μmであり、粒径の標準偏差をその平均値で除した値が0.3以下である。また、この銀粉のタップ密度は、4〜6g/cmである。ここで、一次粒子とは、外見上から判断して、単位粒子と考えられるものを意味する。また、平均粒径は個数平均の粒径であり、SEM観察により300個以上の一次粒子の粒径測長結果より平均粒径と標準偏差が求められる。
このような銀粉は、粒度分布が狭く、高い分散性を有する。そして、このように分散性が良好であることから、電子機器の配線層や電極等の形成に利用される樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペースト等のペースト用銀粉として好適に用いることができる。
また、この銀粉は、上述した製造条件を最適化することで、塩素含有量を40質量ppm未満とすることができる。塩素含有量が多い場合には、形成された配線層や電極の電気抵抗を増大させるばかりか、配線間のマイグレーションを起こす要因となる。したがって、これらの観点からも、塩素含有量を低減した銀粉は、電子機器に用いられるペースト用銀粉として好適なものである。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
38℃の温水ジャケットで加熱した槽中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水36Lに、塩化銀1940g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液17mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸968g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水5.35Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール293g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水10Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、スムーズフローポンプ((株)タクミナ製APL−5、BPL−2)を使用して、それぞれ、2.4L/分、0.8L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、内径10mmのY字管を使用し、銀液と還元剤溶液を供給する管のなす角度を60°とした。また、反応管には、銀液と還元剤溶液の合流点の下方にスタティックミキサーを配置した。スタティックミキサーは、右と左のエレメントを交互に8個とした。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で78g/分であり、反応液中の銀濃度は24.5g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液18L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水18L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.79μmであり、粒径の標準偏差(σ)を平均粒径(Ave.)で除した値が0.15であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。また、銀粉に含有されている塩素濃度について、得られた銀粉を硝酸で分解し、塩化銀をろ過分離した後に還元して遊離した塩化物イオンをイオンクロマトグラフ装置(日本ダイオネクス(株)製、ICS−1000)を用いて分析したところ、塩素濃度は22ppmであった。
(実施例2)
38℃の温水ジャケットで加熱した槽中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水36Lに、塩化銀2705g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液24mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸1279g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水4.55Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール387g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水10Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、スムーズフローポンプ((株)タクミナ製APL−5、BPL−2)を使用して、それぞれ、2.4L/分、0.8L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、内径10mmのY字管を使用し、銀液と還元剤溶液を供給する管のなす角度を60°とした。また、反応管には、銀液と還元剤溶液の合流点の下方にスタティックミキサーを配置した。スタティックミキサーは、右と左のエレメントを交互に8個とした。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で109g/分であり、反応液中の銀濃度は34.0g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液26L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水26L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が1.01μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.16であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。また、実施例1と同様にして銀粉に含有されている塩素濃度を分析したところ19ppmであった。
(実施例3)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水7.35Lに、塩化銀81g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液0.7mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸35g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水1.0Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール11g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水1.71Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、チューブポンプを使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を使用した。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で18g/分であり、反応液中の銀濃度は5.0g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、開口径0.1μmのメンブレンフィルターを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液0.8L中に投入し、15分間撹拌した後、開口径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水0.8L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.39μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.20であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。また、実施例1と同様にして銀粉に含有されている塩素濃度を分析したところ23ppmであった。
(実施例4)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水4.91Lに、塩化銀128g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液1.1mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸58g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水0.6Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール46g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水1.31Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、チューブポンプを使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で42g/分であり、反応液中の銀濃度は11.8g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、開口径0.1μmのメンブレンフィルターを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液1.2L中に投入し、15分間撹拌した後、開口径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水1.2L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.54μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.21であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。また、実施例1と同様にして銀粉に含有されている塩素濃度を分析したところ35ppmであった。
(実施例5)
38℃の温水ジャケットで加熱した槽中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水90Lに、塩化銀5249g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液46mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸2199g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水10Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール665g((株)クラレ製、PVA205)を36℃の純水22.23Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、スムーズフローポンプ((株)タクミナ製APL−5、BPL−2)を使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で95g/分であり、反応液中の銀濃度は26.5g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液49L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水49L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)のより観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.91μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.15であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。また、実施例1と同様にして銀粉に含有されている塩素濃度を分析したところ20ppmであった。
(実施例6)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水4.91Lに、塩化銀434g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液3.8mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸197g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水0.6Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール12.1g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水1.31Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、チューブポンプを使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で144g/分であり、反応液中の銀濃度は40.1g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、開口径0.3μmのメンブレンフィルターを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液4.1L中に投入し、15分間撹拌した後、開口径0.3μmのメンブレンフィルターで濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水4.1L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が1.18μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.23であり、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。
(実施例7)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水1.11Lに、塩化銀178g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率12.5%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液1.5mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸74g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水0.3Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール8g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水0.15Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、モーノポンプ(兵神装備(株)製3NB−06、3NB−04)を使用して、それぞれ、0.24L/分、0.08L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、内径13mm長さ500mmのポリエチレン製パイプを約16°の傾斜で固定したものを使用した。その上端から銀液を流し、その30mm下流側から還元液を流した。銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を90°とした。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径13mm長さ1mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で23g/分であり、反応液中の銀濃度は71.0g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.30モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して5質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を30分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、開口径0.1μmのメンブレンフィルターを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液1.8L中に投入し、15分間撹拌した後、開口径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水1.8L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.73μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.29であり、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。
(実施例8)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水1.92Lに、塩化銀292g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率7.9%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液2.6mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸126g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水1.02Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール14g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水0.51Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、チューブポンプを使用して、それぞれ、2.1L/分、0.7L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、内径25mm長さ725mmの硬質塩化ビニル樹脂製パイプを約16°の傾斜で固定したものを使用した。その上端から銀液を流し、その30mm下流側から還元液を流した。銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を90°とした。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径25mm長さ1mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で100g/分であり、反応液中の銀濃度は35.5g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.30モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して5質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を30分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、開口径0.1μmのメンブレンフィルターを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液4L中に投入し、15分間撹拌した後、開口径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水4L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.54μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.30であり、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。
(実施例9)
38℃の温水ジャケットで加熱した槽中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水18.66Lに、塩化銀1477g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率11.7%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液13mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸1018g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水2Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール216g((株)クラレ製、PVA205)を36℃の純水5.79Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、スムーズフローポンプ((株)タクミナ製APL−5、BPL−2)を使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を180°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ3.6mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で128g/分であり、反応液中の銀濃度は35.5g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.50モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液25L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水25L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.99μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.28であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。また、実施例1と同様にして銀粉に含有されている塩素濃度を分析したところ39ppmであり、塩素濃度が40ppm未満の塩素含有量の少ない銀粉を製造できることが確認された。
(実施例10)
38℃の温水ジャケットで加熱した槽中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水18.66Lに、塩化銀2272g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率11.7%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液20mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸1566g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水2Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール332g((株)クラレ製、PVA205)を36℃の純水5.79Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、スムーズフローポンプ((株)タクミナ製APL−5、BPL−2)を使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を180°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ3.6mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で196g/分であり、反応液中の銀濃度は54.5g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.50モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液25L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水25L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が1.30μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.29であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。
(実施例11)
38℃の温水ジャケットで加熱した槽中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水14.38Lに、塩化銀2277g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率11.7%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液20mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸972g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水4.12Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール343g((株)クラレ製、PVA205)を36℃の純水2.08Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、スムーズフローポンプ((株)タクミナ製APL−5、BPL−2)を使用して、それぞれ、2.1L/分、0.7L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を180°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ3.6mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で199g/分であり、反応液中の銀濃度は71.0g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.30モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液25L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水25L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が1.40μmであり、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.22であり、高分散性を有し、ペースト用銀粉として良好であることが確認された。
(比較例1)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水14.34Lに、塩化銀2242g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.6%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液20mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸948g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水4Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール111g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水2.03Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、チューブポンプを使用して、それぞれ、2.6L/分、1.1L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、内径10mmのY字管を使用し、銀液と還元剤溶液を供給する管のなす角度を60°とした。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ1mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で300g/分であり、反応液中の銀濃度は81.0g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.30モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して7質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、フィルタープレス機を使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液20L中に投入し、15分間撹拌した後、フィルタープレス機で濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水20L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径は0.45μmであったものの、粒径の標準偏差を平均粒径で除した値が0.49であって粒度分布がブロードとなっており、粗大粒子が生成されていた。このような比較例1にて得られた銀粉は、上述した実施例1や2に比べて粒径の分散性が大幅に低下しており、ペースト用銀粉として良好とは言えないものであった。なお、実施例1と同様にして銀粉に含有されている塩素濃度を分析したところ28ppmであった。
(比較例2)
38℃の温浴中において液温36℃に保持した25質量%アンモニア水7.35Lに、塩化銀49g(住友金属鉱山(株)製、純度99.9999%、水分率10.55%)を撹拌しながら投入して銀溶液を作製した。消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液0.4mlを作製した銀溶液に添加して、得られた銀溶液を温浴中において36℃に保持した。
次に、還元剤のアスコルビン酸21g(関東化学(株)製、試薬)を、30℃の純水1.0Lに溶解した。また、分散剤のポリビニルアルコール7g((株)クラレ製、PVA205)を50℃の純水1.71Lに溶解した。これら2液を混合して還元剤溶液とし、その温度を36℃に調整した。
銀溶液と還元剤溶液を、チューブポンプを使用して、それぞれ、2.7L/分、0.9L/分で反応管に供給し、反応管から排出された反応液を撹拌しながら受槽で保持した。反応管としては、銀溶液の供給方向に対する還元剤溶液の供給方向を0°とした、両液を混合撹拌するガラス製の同芯管(銀溶液供給管:内径10.0mm、還元剤溶液供給管:内径3.6mm、混合管長:100mm)を用いた。還元反応を送液中に完全に終了させるため、内径12mm長さ10mの軟質塩化ビニル樹脂製チューブを反応管出側に接続して、反応液を受槽に送液した。このときの還元速度は、銀量で11g/分であり、反応液中の銀濃度は3.0g/Lとなる。また、供給速度から求めた銀1モルに対するアスコルビン酸の混合比は0.35モルとなる。また、分散剤のポリビニルアルコールの量は、混合時の反応液中の銀量に対して17質量%となる。さらに、銀溶液と還元剤溶液の供給が終了した後、受槽内での攪拌を60分継続した。
撹拌終了後の銀溶液を、開口径0.1μmのメンブレンフィルターを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。続いて、回収した銀粒子を0.01mol/LのNaOH水溶液0.8L中に投入し、15分間撹拌した後、開口径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して回収した。NaOH水溶液への投入、撹拌、及び濾過からなる操作を更に2回繰返した後、回収した銀粒子を純水0.8L中に投入し、撹拌及び濾過からなる操作を行った。濾過後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で15時間乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、SEM観察による平均粒径が0.28μmであり非常に微細な粒子が含まれており、また粒径の標準偏差を平均粒径で除した値も0.35であって粒度分布がブロードとなっていた。このような比較例2にて得られた銀粉では、実施例3と比較すると、粒径の分散性が大幅に低下しており、ペースト用銀粉として良好とは言えないものであった。
下記表1に、各実施例及び比較例における製造条件、並びに、得られた銀粉についての評価結果をまとめて示す。なお、表1において、「PVA濃度」とは、還元剤溶液中に予め添加した分散剤であるポリビニルアルコールの混合後の反応液中の銀量に対する濃度である。また、「SM」とは、混合管内に設けたスタティックミキサーを意味する。また、「流下時間」とは、流路内で銀溶液と還元剤溶液とが混合されてから流路内を流下して出口(受槽)に出るまでの時間を意味する。

Claims (6)

  1. 銀錯体を含む銀溶液と還元剤溶液とをそれぞれ定量的かつ連続的に流路内に供給し、該銀溶液と該還元剤溶液とを流路内で混合させた反応液中で銀錯体を定量的かつ連続的に還元する銀粉の製造方法において、
    上記反応液に分散剤を含有させるとともに、該反応液中の銀濃度を5〜75g/Lの範囲で調整し、塩素含有量が40質量ppm未満であり、走査型電子顕微鏡観察によって測定される一次粒子の平均粒径が0.3〜2.0μmであり、粒径の標準偏差をその平均値で除した値が0.3以下である銀粉を得ることを特徴とする銀粉の製造方法。
  2. 前記一次粒子の平均粒径が0.39〜2.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の銀粉の製造方法。
  3. 上記反応液中の銀濃度を調整することにより、還元により生成される銀粒子の粒径を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粉の製造方法。
  4. 上記銀溶液は、塩化銀をアンモニア水に溶解することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の銀粉の製造方法。
  5. 上記還元剤はアスコルビン酸であり、上記銀溶液と上記還元剤溶液との混合時における混合比を銀1モルに対して該還元剤を0.25〜0.50モルとすることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の銀粉の製造方法。
  6. 上記還元剤溶液に、分散剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性シリコンオイル系界面活性剤、ポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種を添加することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の銀粉の製造方法。
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