JP2016113101A - 燃料タンクの給油部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィラーパイプの給油口に設けられた弁体に付着した水が燃料タンクに到達することを抑制又は防止する燃料タンクの給油部構造を提供する。【解決手段】この燃料タンクの給油部構造10は、給油口と燃料タンクをつなぐフィラーパイプ12の給油口40に設けられたフラップ弁44の車両外側面44Aに撥水性を付与している。また、フラップ弁44の車両外側面44Aは、水平方向に傾斜した方向に延在している。したがって、例えば、フラップ弁44の車両外側面44Aに雨水が付着しても、撥水性が付与された車両外側面44Aで水は球形に近い形状の水滴となるため、フラップ弁44の車両外側面44Aからシールド26に速やかに排出され、フィラーパイプ12の内部に浸入することが防止又は抑制される。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料タンクの給油部構造に関する。
従来、燃料タンクの給油部には、車体のアウタパネルに設けられた開閉自在のフューエルリッドの内側にフィラーパイプの給油口が配設され、給油ノズルの挿入によってフィラーパイプの給油口側に設けられた弁体(フラップ弁)が開放されるキャップレス方式の給油部構造のものがある(例えば、特許文献1)。このような給油部構造では、弁体がフィラーパイプの給油口に設けられた外側カバーに当接することによって給油口を閉塞している。
特開2012−162165号公報
ところが、このような給油部構造では、車体のアウタパネルとフューエルリッドの隙間から内部に浸入した雨水等の水によって弁体の車両外側面が濡れた場合、給油ノズルの挿入によって弁体が開放された際、弁体に付着していた水がフィラーパイプの内部に浸入し、燃料タンクに到達するおそれがあった。
本発明は上記事実を考慮し、フィラーパイプの給油口に設けられた弁体に付着した水が燃料タンクに到達することを抑制又は防止する燃料タンクの給油部構造を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る燃料タンクの給油部構造は、給油口から燃料タンクまで連通するフィラーパイプと、前記フィラーパイプの前記給油口に設けられ、前記フィラーパイプと当接することによって前記給油口を通常閉塞しており、給油時に開放されると共に、水平方向に対して傾斜した方向に延在し、給油口の閉塞時に前記給油口から外部に露出する車両外側面に撥水性が付与された弁体と、を備える。
この燃料タンクの給油部構造は、給油口と燃料タンクを連通するフィラーパイプの給油口に設けられた弁体の車両外側面に撥水性を付与している。また、弁体の車両外側面は、水平方向に傾斜した方向に延在している。したがって、閉塞時に給油口から外部に露出する弁体の車両外側面に水が付着しても球形に近い形状の水滴となって車両外側面上を移動し、給油口の外側に移動する。すなわち、弁体の車両外側面に付着した水が給油口の外側に速やかに排出される。したがって、弁体に付着した水が、弁体の開放時にフィラーパイプの内部に浸入することが防止又は抑制される。
なお、ここで「撥水性」とは、水との接触角が90度以上のことをいう。
請求項1記載の発明の燃料タンクの給油部構造は、上記構成としたので、フィラーパイプの給油口に設けられた弁体の車両外側面に付着した水が燃料タンクに到達することを抑制又は防止できる。
本発明の一実施形態に係る燃料タンクの給油部構造の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクの給油部構造における水の移動を説明するための縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るフィラーパイプの給油口側を矢印X方向視した図である。
本発明の一実施形態に係る燃料タンクの給油部構造について図1〜図3を参照して説明する。以下、各図面において、車両上方を矢印UP、車両幅方向を矢印Wで示す。また、給油ノズルの挿入方向を矢印Xで示す。
先ず、燃料タンクの給油部構造10の全体について図1を参照して説明する。燃料タンクの給油部構造10は、図示しない燃料タンクと給油口40を連通するフィラーパイプ12と、フィラーパイプ12の給油口40を形成する外側カバー14と、外側カバー14に形成された給油口40を閉塞する外側弁機構16と、フィラーパイプ12の外側弁機構16よりも燃料タンク側でフィラーパイプの流路を閉塞する内側弁機構18と、を備える。
車体のアウタパネル20には、車両内側に凹ませた凹部22が形成されている。凹部22の底壁23には、後述するシールド26を取り付けるためのシールド取付口24が形成されている。
また、凹部22には、アウタパネル20の外面と面一になるように、フューエルリッド34(以下、単に「リッド」という)が設けられている。リッド34は、図示しない回動部材によってアウタパネル20に対して回動可能に設けられており、凹部22を開閉する。ただし、凹部22を閉塞した状態でも、アウタパネル20とリッド34の間には、僅かな隙間が形成されている。したがって、雨水等の水が隙間から凹部22の内部に浸入する。
凹部22のシールド取付口24には、略円筒形状に形成されたシールド26が挿入され、シールド26の一端に形成されたフランジ部28が凹部22の底壁23に係止される。シールド26の他端には、フィラーパイプ12の給油口側端部が挿入され取り付けられるフィラーパイプ取付口30を含む取付部32が径方向内側に突出形成されている。
なお、シールド26内の最も車両下方側(最低位置)には、水抜き孔36が形成されている。
このシールド26の取付部32のフィラーパイプ取付口30には、フィラーパイプ12のリッド34側の端部が取り付けられている。フィラーパイプ12は、リッド34側のアウタパイプ12Aと、このアウタパイプ12Aに接続されて燃料タンク側に位置するインナパイプ12Bとで構成されている。なお、インナパイプ12Bは、図示しない燃料タンクまで連通している。
アウタパイプ12Aは、略円筒形状をしており、リッド34側の端部に径方向内側に膨出した外側カバー14が形成されている。外側カバー14には、図1、図3に示すように、アウタパイプ12Aの軸方向と垂直な方向に延在する外側面37の略中央に、燃料タンク側に向かって縮径するテーパ面38を備える給油口40が形成されている。
この給油口40は、外側弁機構16によって通常閉塞されている。外側弁機構16は、アウタパイプ12Aの外側カバー14の燃料タンク側に設けられた軸支部42に回転軸46を介して回転自在に支持されたフラップ弁44を備える。フラップ弁44は、回転軸46を回転中心として図示しない捩じりバネによって給油口40を閉塞する方向に常時付勢されており、外側カバー14の内側面14Aに当接することによって給油口40を閉塞している。
なお、アウタパイプ12Aの燃料タンク側端部には、フランジ部48が形成されており、インナパイプ12Bのリッド34側端部に形成されたフランジ部50と接合されることにより、一体化されている。
略円筒形に形成されたインナパイプ12Bのリッド34側端部には、図示しない給油ノズルを後述する孔部58に案内するために軸方向に沿って縮径するテーパ面が形成されたテーパ部52と、テーパ部52の燃料タンク側端部から軸方向に沿って一定の径とされた円筒面が形成された円筒部54とを備える。円筒部54の先端には、リング状のゴムシール56が取り付けられている。この円筒部54の孔部58は、内側弁機構18によって閉塞されている。内側弁機構18は、インナパイプ12Bのテーパ部52の燃料タンク側に設けられた軸支部60に回転軸64を介して回転自在に支持されたフラップ弁62を備える。フラップ弁62は、軸支部60に支持された回転軸64を回転中心として図示しない捩じりバネによって孔部58を閉塞する方向に常時付勢されており、ゴムシール56と当接することによって孔部58を閉塞している。
ところで、外側弁機構16のフラップ弁44の車両外側面44A及び、外側カバー14の外側面37及びテーパ面38には、幅が数μm程度の微小な凹凸が連続的に形成されている。この結果、外側弁機構16のフラップ弁44の車両外側面44A及び、外側カバー14の外側面37及びテーパ面38には、撥水性が付与されている。本実施形態において、「撥水性」とは水との接触角が90度以上となることを意味する。
このように構成された燃料タンクの給油部構造の作用について説明する。
図2に示すように、車体のアウタパネル20に付着した水WD1がアウタパネル20とリッド34の隙間から凹部22の内部に浸入し、フィラーパイプ12(アウタパイプ12A)の外側カバー14に水滴WD2として落下し、外側カバー14の外側面37、テーパ面38を介してフラップ弁44の車両外側面44Aに付着することがある(図2、水滴WD3〜WD5参照)。
この際、外側カバー14の外側面37及びテーパ面38、フラップ弁44の車両外側面44Aには微小な凹凸が形成されて撥水性が付与されているため、外側カバー14に到達した水は、球形に近い形状の水滴WD3となる。水滴WD3は、外側カバー14の外側面37、テーパ面38からフラップ弁44の車両外側面44A上を移動し(図2、水滴WD4、WD5参照)、さらに車両下方に位置するテーパ面38、外側面37上を移動してシールド26に落下する(図2、水滴WD6〜WD8参照)。さらに、シールド26で最も車両下方側に形成された水抜き孔36から水滴WD9として車両下方に排出される。
この際、フラップ弁44の車両外側面44Aは撥水性を有する(接触角が90度以上である)ため、フラップ弁44の車両外側面44Aに付着した水は車両外側面44A上を拡がらず、球形に近い形状の水滴WD4、WD5となる。したがって、フラップ弁44の車両外側面44Aと外側カバー14の内側面14Aとの隙間からフィラーパイプ12の内部に浸入することが回避される。
また、外側カバー14の外側面37、テーパ面38及びフラップ弁44の車両外側面44Aが全て車両下方に傾斜した面であるため、フラップ弁44の車両外側面44A上の球形に近い形状の水滴が、車両外側面44Aからテーパ面38、外側面37上を確実に移動して外側カバー14からシールド26内に落下することになる(図2、水滴WD4〜WD8参照)。すなわち、フラップ弁44の車両外側面44Aに付着した水(水滴)は、速やかにシールド26に排出されることになる。
したがって、給油口40に給油ノズルが挿入されて外側弁機構16及び内側弁機構18のフラップ弁44、62が開放された際、フラップ弁44の車両外側面44Aに付着していた水がフィラーパイプ12内に浸入し、燃料タンクまで移動することが防止又は抑制される。
このように、本実施形態に係る燃料ポンプの給油部構造10では、フラップ弁44の車両外側面44Aに微小な凹凸が形成されていることにより接触角が90度以上の撥水性が付与されている。したがって、アウタパネル20とリッド34との隙間からフラップ弁44の車両外側面44Aに到達した水は球形に近い形状の水滴となり、車両外側面44Aを移動してシールド26に落下していく。したがって、フラップ弁44の車両外側面44Aに付着した水がフィラーパイプ12の内部に浸入して燃料タンクに到達することを抑制又は防止できる。
なお、本実施形態では、フラップ弁44の車両外側面44A、外側カバー14の外側面37、テーパ面38に微小な凹凸を形成することによって撥水性(接触角90度以上)を付与したが、これに限定するものではない。例えば、フラップ弁44の車両外側面44A、外側カバー14の外側面37、テーパ面38に他の表面処理を施すによって、水との接触角が90度以上となるようにしても良い。
また、本実施形態では、外側カバー14の外側面37、テーパ面38に撥水性を付与したが、少なくともフラップ弁44の車両外側面44Aに撥水性を付与すれば、車両外側面44Aに付着した水が燃料タンクまで到達することを防止又は抑制することができる。
10 燃料ポンプの給油部構造
12 フィラーパイプ
40 給油口
44 フラップ弁(弁体)
44A 車両外側面

Claims (1)

  1. 給油口から燃料タンクまで連通するフィラーパイプと、
    前記フィラーパイプの前記給油口に設けられ、前記フィラーパイプと当接することによって前記給油口を通常閉塞しており、給油時に開放されると共に、水平方向に対して傾斜した方向に延在し、給油口の閉塞時に前記給油口から外部に露出する車両外側面に撥水性が付与された弁体と、
    を備える燃料タンクの給油部構造。
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