JP2016112631A - チャック装置、及びそれを備えた搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部にアクチュエータを有しないチャック装置を提供する。【解決手段】チャック装置80のダブルノック機構1は、ノック軸Zに沿って配置され互いに係止可能なノック棒2、回転子3、及びノックカム4を含み、外力によってノック棒2が一度押圧されたとき回転子3を介してノックカム4を前進させ、且つ前進位置で保持し、外力によってノック棒2が再度押圧されたとき回転子3を介してノックカム4を後退させ、且つ後退位置で保持する。傾斜カム5は、ノックカム4の一端に連結されてノックカム4と一体に前進及び後退し、ノック軸Zに対して傾斜した傾斜面52を有する。アーム6は、傾斜カム5の傾斜面52に当接し、傾斜カム52の前進に伴って正方向に移動し、傾斜カム52の後退時、戻し手段15、63の力によって逆方向に移動する。チャック部61は、アーム6の正方向及び逆方向の移動に伴って開閉し、ワーク9を把持及び離脱可能である。【選択図】図6

Description

本発明は、ワークを把持及び脱離可能なチャック装置、及びそれを用いてワークを搬送する搬送装置に関する。
従来、自動でワークを把持及び脱離可能なチャック装置が知られている。例えば特許文献1には、マシニングセンターの自動工具交換装置に用いられるアンクランプ装置において、油圧手段によるプランジャピンの押圧、及び押圧の解除によりドローバーを作動させることで、ドローバー先端のコレットが工具ホルダーのプルスタットをクランプ(把持)する装置が開示されている。
特開2010−214568号公報
特許文献1の装置を例とする従来のチャック装置は、一般にワーク把持及び脱離(把持解除)のための電気、油圧又はエア圧等の動力源を用いるアクチュエータを、装置の内部に有していた。そのため、装置の体格が大きくなり、配線や配管によって作動範囲が制約されるという問題があった。また、ワーク把持及び脱離に専用の動力源を用いることで、ランニングコストが増加する場合があった。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部にアクチュエータを有しないチャック装置を提供することにある。また、そのチャック装置を備えた搬送装置を提供することにある。
本発明のチャック装置は、ダブルノック機構と、傾斜カムと、アームと、チャック部とを備えることを特徴とする。
ダブルノック機構は、ノック軸に沿って配置され互いに係止可能なノック棒、回転子、及びノックカムを含む。ダブルノック機構は、外力によってノック棒が一度押圧されたとき回転子を介してノックカムを前進させ、且つ前進位置で保持し、外力によってノック棒が再度押圧されたとき回転子を介してノックカムを後退させ、且つ後退位置で保持する。
傾斜カムは、ノックカムの一端に連結されてノックカムと一体に前進及び後退し、ノック軸に対して傾斜した傾斜面を有する。
アームは、傾斜カムの傾斜面に当接し、傾斜カムの前進に伴って正方向に移動し、傾斜カムの後退時、戻し手段の力によって逆方向に移動する。
チャック部は、アームの正方向及び逆方向の移動に伴って開閉し、ワークを把持及び離脱可能である。
ダブルノック機構は、ノック式筆記具等に用いられている周知技術である。
ここで、「外力によってノック棒が押圧される」とは、チャック装置の内部にノック棒を押圧する専用のアクチュエータを有するのでなく、例えば、チャック装置が適用される搬送装置の昇降駆動手段がテーブルに対してチャック装置を昇降駆動する力を利用して、ノック棒が押圧されることを意味する。
本発明のチャック装置は、内部にアクチュエータを有しないため、体格を小型にし、配線や配管による作動範囲の制約を回避することができる。また、ワークの把持及び脱離に専用の動力源を用いないため、ランニングコストを低減することができる。
また、本発明の搬送装置は、上記チャック装置と、昇降駆動手段と、移送手段とを備える。昇降駆動手段は、チャック装置を保持しテーブルに対して昇降駆動しつつ、チャック装置のノック棒を押圧可能である。移送手段は、昇降駆動手段に保持されたチャック装置を所定のピック位置からプレース位置まで、水平方向を含む方向に移動させる。そして、チャック装置がピック位置で把持したワークをプレース位置で離脱することでワークを搬送する。これにより、本発明のチャック装置の効果を有効に利用し、いわゆる「ピックアンドプレース」の搬送を好適に実現することができる。
本発明の一実施形態による搬送装置の概略構成を示す斜視図。 図1の搬送装置に適用されるチャック装置の斜視図。 図2のチャック装置の正面図。 同チャック装置の側面図(図3のIV方向矢視図)。 同チャック装置の平面図(図3のV方向矢視図)。 図4のVI−VI線断面図。 同チャック装置のダブルノック機構を構成する部品の斜視図。 同チャック装置による作動の第1段階及び第6段階を示す図。 同チャック装置による作動の第2段階及び第5段階を示す図。 同チャック装置による作動の第3段階及び第4段階を示す図。 ダブルノック機構の作動原理を説明する部品図。 ダブルノック機構の作動原理を説明する作動図(1)。 ダブルノック機構の作動原理を説明する作動図(2)。
(一実施形態)
以下、本発明の一実施形態によるチャック装置、及びそれを備えた搬送装置について、図面に基づいて説明する。この搬送装置は、いわゆる「ピックアンドプレース」の搬送を行う装置であり、チャック装置がピック位置で把持したワークをプレース位置で離脱することでワークを搬送する。
最初に図1を参照し、搬送装置100の概略構成について説明する。
搬送装置100はテーブル81上に載置され、チャック装置80、昇降駆動手段82、移送手段83、及び支持脚84等を備える。ここで、テーブル81の面方向を水平と仮定する。チャック装置80は、チャック部61が水平方向に開閉することで、テーブル81上のワーク9を把持(チャック)及び離脱(アンチャック)可能である。
昇降駆動手段82は、チャック装置80を保持しテーブル81に対して昇降駆動する。例えば、チャック装置80が結合されたスライダ825が、垂直方向に配設されたレール820に沿ってスライドする。また、昇降駆動手段82は、この昇降駆動とともに、チャック装置80の後述する「ノック棒」を押圧可能である。
移送手段83は、両端を支持脚84に支持され、テーブル81から所定の高さで水平方向に配設されており、チャック装置80を保持した昇降駆動手段82の全体がスライダとして、水平方向にスライドする。これにより、移送手段83は、昇降駆動手段82に保持されたチャック装置80を所定のピック位置からプレース位置まで、水平方向を含む方向に移動させる。「水平を含む方向」とは、ピック位置とプレース位置との高さが同一とは限らないことを意味する。ただし、垂直方向のみの移動は除外する。
そして、チャック装置80がピック位置で把持したワーク9をプレース位置で離脱することでワーク9を搬送する。
このような搬送装置において、従来技術のチャック装置は、ワーク把持及び脱離のための電気、油圧又はエア圧等の動力源を用いるアクチュエータを装置の内部に有していた。そのため、装置の体格が大きくなり、配線や配管によって作動範囲が制約されるという問題があった。また、ワーク把持及び脱離に専用の動力源を用いることで、ランニングコストが増加する場合があった。
それに対し、本実施形態のチャック装置80は、内部にアクチュエータを有しないことにより、上記課題の解決を図るものである。
次にチャック装置80の構成について、図2〜図7を参照して説明する。以下、図3の視方向を正面視とする。また、ワーク9は仮想線(二点鎖線)で図示する。図3、図4、図6に示す状態は、ワーク9を把持するための作動状態(図8〜図10参照)以前のスタンバイ状態に相当する。
以下の説明で、チャック装置80のシャンク20側を「上側」、ワーク9側を「下側」という。また、図6に示すダブルノック機構1のノック棒2、回転子3及びノックカム4が配置される鉛直軸を「ノック軸Z」とし、ノック軸Zに直交する水平面におけるノック軸Zに近い側を「内側」、ノック軸Zから遠い側を「外側」という。
さらに、ノックカム4及び傾斜カム5の作動について、ワーク9に近づく方向(下方)への移動を「前進」、ワーク9から離れる方向(上方)への移動を「後退」という。
チャック装置80は、ダブルノック機構1を収容する本体10、シャンク20、傾斜カム5、アーム6等を備える。
ダブルノック機構1は、ノック軸Zに沿って配置され互いに係止可能な「ノック棒2、回転子3、及びノックカム4」を含む。本実施形態では、昇降駆動手段82による駆動力が「外力」としてシャンク20に伝達され、さらにシャンク20からノック棒2に伝達される。ダブルノック機構1は、この外力によってノック棒2が一度押圧されたとき回転子3を介してノックカム4を前進させ、且つ前進位置で保持する。また、外力によってノック棒2が再度押圧されたとき回転子3を介してノックカム4を後退させ、且つ後退位置で保持する。ダブルノック機構1の作動の詳細については後述する。
本体10は多角柱ブロック状を呈し、内部にノック軸Zに沿ってダブルノック機構1が収容される。また、本体10は、チャック装置80の作動における位置の基準となる。正面視における本体10中心の鉛直方向下方には、ワーク9の上面を押さえるワークストッパ11が傾斜カム5のストッパ穴51を貫通して垂設されている。
正面視におけるワークストッパ11の両側には、本体10から鉛直方向下方に、傾斜カム5の穴に摺動しつつ貫通する2本のカムガイドシャフト12が垂設されている。また、本体10から左右の水平方向に、アーム6の穴に摺動しつつ貫通する複数本のアームガイドシャフト13が延設されている。アームガイドシャフト13の先端の鍔部14とアーム6の外壁との間には、アーム6を内側に付勢する「戻し手段」としてのシャフトバネ15が設けられている。
シャンク20は、本体10の上方で昇降駆動手段82のスライダ825に結合されており、且つ、ダブルノック機構1のノック棒2に結合されている。本体10に対してシャンク20が押し下げられることにより、ノック棒2が押圧される。また、本体10に対してシャンク20が引き上げられることにより、ノック棒2の押圧が解除される。
傾斜カム5は、ノックカム4の一端に連結され、カムガイドシャフト12に案内されてノックカム4と一体に前進及び後退する。傾斜カム5は、正面視において上底が相対的に長く下底が相対的に短い台形状を呈している。台形の斜辺に対応する面は、ノック軸Zに対して傾斜した「傾斜面52」を構成する。すなわち、本実施形態の傾斜面52は、上側から下側に向かうにつれ外側から内側に移行するように形成されている。
アーム6は、正面視においてノック軸Zに対称に一対設けられている。片方のアーム6は、本体10の外側で鉛直方向に延び、傾斜カム5の下外側で水平方向に延びる略L字状を呈している。アーム6の下部には一対のチャック部61が設けられており、アーム6が傾斜カム5の傾斜面52と当接する部位にはカムフォロア62が設けられている。
また、アーム6の下部には、シャフトバネ15と共にアーム6を内側に付勢する「戻し手段」としてのカムバネ63が設けられている。
カムフォロア62が傾斜カム5の傾斜面52に当接しているため、アーム6は、傾斜カム5の前進に伴って、アームガイドシャフト13に案内されて外方向に移動する。また、アーム6は、傾斜カム5の後退時、シャフトバネ15及びカムバネ63の付勢力によって内方向に移動する。アーム6の移動方向について、本実施形態では、外方向及び内方向が特許請求の範囲に記載の「正方向」及び「逆方向」に相当する。
一対のチャック部61は、正面視において、ワーク9の側面に対向するように配置されている。一対のチャック部61は、アーム6の外方向及び内方向の移動に伴って開閉し、ワーク9を把持及び離脱可能である。
続いて、本実施形態のダブルノック機構1の構成について、図7を参照して説明する。図7(a)は、ノック棒2、回転子3、ノックカム4の3部材の組合せ状態を示し、図7(b)は、各部材の単独の状態を示している。
ノック棒2の下端面23は、周方向に連続するW字の山谷状に形成されている。また、軸の外周に複数の爪24が形成されている。
回転子3の上端面32は、ノック棒2の下端面23に対応して、周方向に連続するW字の山谷状に形成されている。回転子3は、ノック棒2に対し、W字の山谷の嵌合位置が周方向に一つずつずれながら回転可能である。
ノックカム4は、筒状に形成され、筒の内側に鋸刃状の係止溝43が形成されている。
ところで、「ダブルノック機構」そのものは、ノック式筆記具等に用いられている周知技術である。そのため、ダブルノック機構の作動原理の説明には一般的なモデル図を用いる方が理解しやすい。そこで、モデル図である図11〜図13を参照する。なお、モデル図における各部材の位置関係は、本実施形態のものと多少異なる。
図11(a)は回転子R、(b)はカム本体C、(c)はノック棒Kを示す。回転子Rは周方向に等間隔に複数の羽根f(f1、f2、f3・・・)を有しており、カム本体Cは周方向に等間隔に複数の溝体g(g1、g2、g3・・・)を有している。複数の羽根f及び複数の溝体gは同ピッチで形成されている。また、複数の溝体g同士の周方向の間を「I」、鋸刃状の左端の第1ピークを「P1」、谷を「V」、中央の第2ピークを「P2」と表す。ノック棒Kの端面Wは、周方向に連続するW字の山谷状に形成されている。
図12及び図13に、<1>〜<8>の8段階の作動図を示す。ここで、カム本体Cの開口側を「上」、カム本体Cの底側を「下」と表す。8段階を通じカム本体Cの位置は動かない。ノック棒K(上端部のみ図示する)は、図の下方向から押圧されたとき上昇し、押圧が解除されたとき下降する。回転子Rの羽根fは、上下に動きながら、図の左方向から右方向に向かって回転する。
<1>では、ノック棒Kは最下限にあり、羽根fは、溝体g同士の間Iの「後退位置」にある。
<2>では、ノック棒Kが一度押圧されて上昇することで羽根fが押し上げられる。
<3>では、羽根fが溝体gに係止可能な第1ピークP1の高さまで押し上げられる。
<4>では、ノック棒Kが下降すると、羽根fが第1ピークP1から谷Vまで滑り落ちる。このとき、回転子Rは、溝体gの周方向長さ分だけ回転する。そして、<3>で右端にあった羽根f1が正面視から消えて右側面に移行し、代わりに左側面にあった羽根f4が正面視の左端に出現する。羽根fが谷Vの高さである「前進位置」で係止されると、ノック棒Kが最下限まで下降してもこの状態が保持される。
<5>では、ノック棒Kが再度押圧されて上昇する。
<6>では、羽根fが前進位置(谷Vの高さ)から溝体gに係止可能な第2ピークP2の高さまで押し上げられる。
<7>では、ノック棒Kが下降すると、羽根fが第2ピークP2から滑り落ちる。
<8>では、ノック棒Kは最下限にあり、羽根fが溝体g同士の間Iまで滑り落ちることで、「後退位置」に保持される。こうして、上記<1>に戻る。
以上のようにモデル図を用いて説明したのと同様の作動原理によって、本実施形態のチャック装置80におけるダブルノック機構1も作動する。
次にチャック装置80の作動の6段階について、図8〜図10を参照して説明する。詳しくは、第1段階と第6段階とを図8に、第2段階と第5段階とを図9に、第3段階と第4段階とを図10に、それぞれ同じ図で示す。ただし、各部の作動方向について矢印を付記する場合、第1〜第3段階については各図の左半分に、第4〜第6段階については各図の右半分に示す。
(第1段階:図8)
初期位置では、ワーク9は、テーブル81上の「ピック位置」に置かれている。また、チャック装置80の傾斜カム5は前進位置にあり、チャック部61は開いている。
ワーク9の直上位置で、昇降駆動手段82によってシャンク20が押し下げられると、ワークストッパ11がワーク9上面に当接し、ワーク9はワークストッパ11とテーブル81とによって挟まれる。これにより、本体10は、ワーク9及びワークストッパ11によってテーブル81からの高さ位置が規制される。
(第2段階:図9)
さらにシャンク20が押し下げられると(矢印D2)、ダブルノック機構1における回転子3の係止が解除される。
(第3段階:図10)
シャンク20が引き上げられる(矢印U3)と共に傾斜カム5が後退することにより、アーム6が内方向に移動し、チャック部61が閉じる(矢印S3)。これにより、ワーク9が把持される。その後、傾斜カム5は後退位置に保持される。
(第4段階:図10)
ワーク9が把持された後、チャック装置80及びワーク9は、搬送装置100の昇降駆動手段82及び移送手段83により「ピック位置」から「プレース位置」に搬送される。そして、ワーク9がテーブル81に当接するまで下ろされると、本体10は、ワーク9及びワークストッパ11によってテーブル81からの高さ位置が規制される。
(第5段階:図9)
再びシャンク20が押し下げられると(矢印D5)、ダブルノック機構1における回転子3の係止が解除される。そして、傾斜カム5が前進することによりアーム6が外方向に移動し、チャック部61が開く(矢印O5)。
(第6段階:図8)
チャック装置80はワーク9を離脱する。シャンク20が引き上げられ(矢印U6)、傾斜カム5は前進位置に保持される。以上で一連の作動が完了する。
以上の作動において、搬送装置100の昇降駆動手段82は、チャック装置80を保持しテーブル81に対して昇降駆動しつつ、チャック装置80のシャンク20を押し下げ、ノック棒2を押圧可能である。そのため、チャック装置80は、ノック棒2を押圧するためのアクチュエータを内部に有することなく、上記第2段階及び第5段階の作動が可能となる。
(効果)
本実施形態によるチャック装置80及び搬送装置100の効果について説明する。
(1)チャック装置80は、内部にアクチュエータを有しないため、体格を小型にし、配線や配管による作動範囲の制約を回避することができる。例えば、チャック装置80に配線や配管が無いため、チャック装置80がワーク9を保持したまま、ネジ込み動作等の360°以上の回転運動を行うことができる。また、ワーク9の把持及び脱離に専用の動力源を用いないため、ランニングコストを低減することができる。
(2)傾斜カム5の傾斜面52はノック軸Zに対して対称に両側に形成されており、チャック部61はノック軸Zに対して対称に開閉可能である。これにより、形状や重量分布が対称のワーク9を把持する場合、左右両側からバランス良く把持することができる。
(3)アームガイドシャフト13は、本体10から左右の水平方向に延設されており、アーム6の移動方向は、ノック軸Zに直交する水平方向となっている。ワーク9の形状により、チャック部61を斜め方向から移動させる必要がない場合には、これにより、装置の構造を単純にすることができる。
(4)アームガイドシャフト13は、本体10と一体に設けられている。そして、L字状に形成されたアーム6の上部が本体10の真横のスペースにおいて、アームガイドシャフト13に案内されて往復移動する。アーム6の機能を考えると、本体10に限らず、位置基準となる何らかの静止部材に対して往復移動可能であればよい。しかし、本体10を位置基準とすることで、装置の部品点数を減らし、体格をより小型にすることができる。
(5)上記のチャック装置80を備えた搬送装置100は、チャック装置80の効果を有効に利用し、「ピックアンドプレース」の搬送を好適に実現することができる。
(その他の実施形態)
(ア)上記実施形態のチャック装置80では、チャック部61が閉じたとき、チャック部61の内側でワーク9の外側を把持する。一方、中空筒状のワークや、左右両側に立設された壁が対峙する形状のワークを把持する場合、チャック部が開いたとき、チャック部の外側でワークの内側を把持するようにしてもよい。
(イ)上記実施形態に対し、傾斜面が上側から下側に向かうにつれ内側から外側に移行するように形成されてもよい。その場合、アームは、傾斜カムの前進に伴って「正方向」としての内方向に移動し、傾斜カムの後退時、「逆方向」としての外方向に移動する。
(ウ)上記実施形態のチャック装置80では、傾斜カム5の傾斜面52はノック軸Zに対して対称に両側に形成されており、チャック部61はノック軸Zに対して対称に開閉する。しかし、例えばワークの形状や重量分布が非対称の場合等、左右の傾斜面の傾斜角を異ならせ、チャック部がノック軸Zに対して非対称に開閉するようにしてもよい。また、傾斜面を一側のみに形成し、片方のチャック部を固定して、もう片方のチャック部のみを開閉させるようにしてもよい。
(エ)上記実施形態のチャック装置80では、一対のアーム6は、ノック軸Zに直交する方向に延設されたアームガイドシャフト13に案内され、水平方向に移動する。これに対し、チャック部をワークに対し斜め方向に開閉させることが好ましい場合には、アームガイドシャフトを斜め方向に設け、アームを斜め方向に移動させるようにしてもよい。
(オ)上記実施形態のチャック装置80では、アームガイドシャフト13は、ダブルノック機構が収容される本体10と一体に設けられている。これに限らず、アームガイドシャフトは、移動するアームに対して静止した部材に設けられればよい。
(カ)本発明の特徴構成以外のチャック装置の構成は、ワークの大きさ、重量等に応じて適宜変更してよい。例えば、「戻し手段」として、バネ以外にゴム等の弾性体を用いてもよい。
(キ)搬送装置の「昇降駆動手段」及び「移送手段」の作動形態は、図1に例示したスライド(直線移動)式のものに限らず、支点を中心として旋回する回転移動式のものや、直線移動と回転移動とを組み合わせた複合移動式のものとしてもよい。
以上、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施することができる。
1 ・・・ダブルノック機構、
15・・・シャフトバネ(戻し手段)、
2 ・・・ノック棒、
3 ・・・回転子、
4 ・・・ノックカム、
5 ・・・傾斜カム、 52・・・傾斜面、
6 ・・・アーム、 61・・・チャック部、
63・・・カムバネ(戻し手段)、
80・・・チャック装置、 81・・・テーブル、
82・・・昇降駆動手段、 83・・・移送手段、
9 ・・・ワーク、
100・・・搬送装置。

Claims (5)

  1. ノック軸に沿って配置され互いに係止可能なノック棒(2)、回転子(3)、及びノックカム(4)を含み、外力によって前記ノック棒が一度押圧されたとき前記回転子を介して前記ノックカムを前進させ、且つ前進位置で保持し、外力によって前記ノック棒が再度押圧されたとき前記回転子を介して前記ノックカムを後退させ、且つ後退位置で保持するダブルノック機構(1)と、
    前記ノックカムの一端に連結されて前記ノックカムと一体に前進及び後退し、前記ノック軸に対して傾斜した傾斜面(52)を有する傾斜カム(5)と、
    前記傾斜カムの前記傾斜面に当接し、前記傾斜カムの前進に伴って正方向に移動し、前記傾斜カムの後退時、戻し手段(15、63)の力によって逆方向に移動するアーム(6)と、
    前記アームの前記正方向及び前記逆方向の移動に伴って開閉し、ワーク(9)を把持及び離脱可能なチャック部(61)と、
    を備えることを特徴とするチャック装置(80)。
  2. 前記傾斜カムの前記傾斜面は前記ノック軸に対して対称に両側に形成されており、
    前記チャック部は前記ノック軸に対して対称に開閉可能であることを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
  3. 前記アームの移動方向は、前記ノック軸に直交する方向であることを特徴とする請求項1または2に記載のチャック装置。
  4. 前記アームの開閉動作をガイドするアームガイドシャフト(13)は、前記ダブルノック機構が収容される本体(10)と一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のチャック装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のチャック装置と、
    前記チャック装置を保持しテーブル(81)に対して昇降駆動しつつ、前記チャック装置の前記ノック棒を押圧可能な昇降駆動手段(82)と、
    前記昇降駆動手段に保持された前記チャック装置を所定のピック位置からプレース位置まで、水平方向を含む方向に移動させる移送手段(83)と、
    を備え、
    前記チャック装置が前記ピック位置で把持したワークを前記プレース位置で離脱することでワークを搬送することを特徴とする搬送装置(100)。
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