JP2016112621A - アルミニウム棒材のピーリング方法 - Google Patents

アルミニウム棒材のピーリング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016112621A
JP2016112621A JP2014250755A JP2014250755A JP2016112621A JP 2016112621 A JP2016112621 A JP 2016112621A JP 2014250755 A JP2014250755 A JP 2014250755A JP 2014250755 A JP2014250755 A JP 2014250755A JP 2016112621 A JP2016112621 A JP 2016112621A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum bar
aluminum
cutting
bar
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014250755A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016112621A5 (ja
JP6381431B2 (ja
Inventor
智也 早川
Tomoya Hayakawa
智也 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2014250755A priority Critical patent/JP6381431B2/ja
Priority to PCT/JP2015/079043 priority patent/WO2016092949A1/ja
Priority to MYPI2017702032A priority patent/MY177263A/en
Publication of JP2016112621A publication Critical patent/JP2016112621A/ja
Publication of JP2016112621A5 publication Critical patent/JP2016112621A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6381431B2 publication Critical patent/JP6381431B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B1/00Methods for turning or working essentially requiring the use of turning-machines; Use of auxiliary equipment in connection with such methods
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B13/00Arrangements for automatically conveying or chucking or guiding stock
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B5/00Turning-machines or devices specially adapted for particular work; Accessories specially adapted therefor
    • B23B5/08Turning-machines or devices specially adapted for particular work; Accessories specially adapted therefor for turning axles, bars, rods, tubes, rolls, i.e. shaft-turning lathes, roll lathes; Centreless turning
    • B23B5/12Turning-machines or devices specially adapted for particular work; Accessories specially adapted therefor for turning axles, bars, rods, tubes, rolls, i.e. shaft-turning lathes, roll lathes; Centreless turning for peeling bars or tubes by making use of cutting bits arranged around the workpiece

Abstract

【課題】切削加工を確実に行えるアルミニウム棒材のピーリング方法を提供する。【解決手段】本発明は、アルミニウム棒材Wを上流側搬送機、上流側支持機、切削加工機3、下流側支持機および下流側搬送機に沿って順次搬送する一方、切削加工機3を通過するアルミニウム棒材Wの外周面に沿って切削加工機3の切削刃31を回転させることによって、アルミニウム棒材の外周面を切削するようにしたアルミニウム棒材のピーリング方法を対象とする。切削刃31の回転によって発生するアルミニウム棒材Wの回転力に対し、上流側搬送機および下流側搬送機の少なくとも一方の搬送機によるアルミニウム棒材Wへのグリップ力を制動力として作用させることにより、切削刃31およびアルミニウム棒材Wを同方向に回転させつつ、切削刃の回転数Paに対するアルミニウム棒材Wの回転数Pbの比率Pcを、0.01%〜0.2%に調整するようにした。【選択図】図1

Description

この発明は、アルミニウム棒材の外周面を切削刃によって切削除去するようにしたアルミニウム棒材のピーリング方法およびその関連技術に関する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、アルミニウム(Al)の語はアルミニウム合金(Al合金)を含む意味で用いられる。
鍛造用素材等として用いられる丸棒形状のアルミニウム棒材は、例えば連続鋳造棒によって構成されている。連続鋳造棒を製造するに際しては特許文献1に示すように、鋳造によって得られた連続鋳造棒(棒材)に対し、切断処理工程、熱処理工程(均質化処理工程)、前矯正工程(第1矯正工程)、ピーリング工程(表面切削工程)、後矯正工程(第2矯正工程)、外観検査工程が順次行われた後、梱包されて搬出されるという一貫製造ラインが周知である。
この一貫製造ラインのピーリング工程に用いられるピーリング装置として、回転カッター式のものが多く使用されている(特許文献1,2)。このピーリング装置は、アルミニウム棒材の外周面に沿って周方向に回転駆動する切削刃を備え、アルミニウム棒材を長さ方向に搬送しつつ、切削刃を回転させることによって、アルミニウム棒材の外周面を切削除去するようにしている。
このようなピーリング装置においては、切削刃の上流側に、アルミニウム棒材をグリップして切削刃に送り込むための搬送ローラ等の上流側搬送機が配置されるとともに、下流側に、切削されたアルミニウム棒材をグリップして切削刃から搬出するためのキャリッジ等の下流側搬送機が配置されている。
特開平7−178618号公報 特開昭61−121801号公報
しかしながら、上記従来のピーリング装置においては、切削刃の前後に配置された搬送機によるアルミニウム棒材に対するグリップ力が不十分であると、回転する切削刃によってアルミニウム棒材が引き摺り回されて、アルミニウム棒材が回転してアルミニウム棒材の表面を精度良く確実に削り取ることが困難になってしまう。
そこで搬送機によってアルミニウム棒材を強固にグリップしてアルミニウム棒材の回転を抑制した状態で切削加工を行うと、切削刃とアルミニウム棒材の被切削面(被加工面)との間に強いトルク力が発生することになり、切削刃に強い衝撃が加わって切削刃が破損し易くなり、十分な耐久性を得ることが困難になる。その上さらに、搬送機からのアルミニウム棒材へのグリップ力(押圧力)を周方向に分散させることができず、押圧力が一部に集中して作用するため、アルミニウム棒材が弓なりに反るように曲がり変形するという課題が発生する。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、アルミニウム棒材表面を精度良く確実に切削できるとともに、アルミニウム棒材の曲がり変形を防止しつつ、切削刃への負荷を小さくできて、耐久性を向上させることができるアルミニウム棒材の製造方法およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1]上流側搬送機によって搬送されたアルミニウム棒材を上流側支持機、切削加工機、下流側支持機に通して下流側搬送機によって搬出させる一方、前記切削加工機を通過するアルミニウム棒材の外周面に沿って切削刃を回転させることによって、アルミニウム棒材の外周面を切削するようにしたアルミニウム棒材のピーリング方法であって、
前記切削刃の回転によって発生するアルミニウム棒材の回転力に対し、前記上流側搬送機および前記下流側搬送機の少なくとも一方の搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を制動力として作用させることにより、
前記切削刃およびアルミニウム棒材を同方向に回転させつつ、前記切削刃の回転数に対するアルミニウム棒材の回転数の比率を、0.01%〜0.2%に調整するようにしたことを特徴とするアルミニウム棒材のピーリング方法。
[2]切削時のアルミニウム棒材の回転数を0.15rpm〜3.0rpmに調整するようにした前項1に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[3]前記上流側搬送機は、搬送面がV溝状に形成され、かつアルミニウム棒材を挟持して搬送する一対の搬送ローラを有し、
前記搬送ローラの搬送面に点接触食い込み突起が設けられ、その点接触食い込み突起をアルミニウム棒材の外周面に点接触状に食い込ませることによって、アルミニウム棒材に対する前記搬送ローラのグリップ力を得るようにした前項1または2に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[4]アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機によって順次連続して搬送され、
前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の後端が前記上流側支持機から下流側に抜け出した状態においては、前記上流側支持機に支持された後続のアルミニウム棒材の先端を切削中の先行のアルミニウム棒材の後端に摩擦接触させることにより、後続のアルミニウム棒材を介して前記上流側支持機によって切削中のアルミニウム棒材の後端側を支持するようにした前項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[5]アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機から前記切削加工機に向けて順次連続して搬送され、
前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の後端が前記上流側搬送機から下流側に抜け出した状態においては、前記上流側搬送機にグリップされた後続のアルミニウム棒材の先端を切削中のアルミニウム棒材の後端に摩擦接触させることにより、前記上流側搬送機のグリップ力に基づく制動力を、後続のアルミニウム棒材を介して切削中のアルミニウム棒材に伝達するようにした前項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[6]アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機から前記切削加工機に向けて順次連続して搬送され、
前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の前端が前記下流側支持機に到達していない状態においては、前記下流側支持機に支持された切削済みの先行のアルミニウム棒材の後端を切削中のアルミニウム棒材の先端に摩擦接触させることにより、先行のアルミニウム棒材を介して前記下流側支持機によって切削中のアルミニウム棒材の前端側を支持するようにした前項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[7]アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機から前記切削加工機に向けて順次連続して搬送され、
前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の前端が前記下流側搬送機に到達していない状態においては、前記下流側搬送機にグリップされた切削済みの先行のアルミニウム棒材の後端を切削中のアルミニウム棒材の先端に摩擦接触させることにより、前記下流側搬送機のグリップ力に基づく制動力を、先行のアルミニウム棒材を介して切削中のアルミニウム棒材に伝達するようにした前項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[8]鋸刃によって所定の長さに切断されたアルミニウム棒材が用いられる前項4〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[9]アルミニウム棒材の端面は、面粗度がRy20μm以上の面に形成されている前項4〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[10]アルミニウム棒材の端面は、一方向とそれに直交する他方向の面粗度RyまたはRaの比が2倍以上の面に形成されている前項4〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[11]アルミニウム棒材の端面は、輪郭曲線における隣り合う山および谷の頂点間を結ぶ直線の傾き(絶対値)が100以上の凹凸を有する面に形成されている前項4〜10のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
[12]前項1〜11のいずれか1項に記載のピーリング方法によって切削されたアルミニウム棒材であって、
前記下流側支持機に備えたれた支持ローラによるローラ痕が外周面に形成され、
前記ローラ痕が、長さ1mあたりの回転量が15°/m〜120°/mの螺旋状に形成されていることを特徴とするアルミニウム棒材。
[13]上流側搬送機によって搬送されたアルミニウム棒材が上流側支持機、切削加工機、下流側支持機に通って下流側搬送機によって搬出される一方、前記切削加工機を通過するアルミニウム棒材の外周面に沿って切削刃が回転することによって、アルミニウム棒材の外周面が切削されるようにしたアルミニウム棒材のピーリング装置であって、
前記切削刃の回転によって発生するアルミニウム棒材の回転力に対し、前記上流側搬送機および前記下流側搬送機の少なくとも一方の搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を制動力として作用させるよう構成され、
前記上流側搬送機および前記下流側搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を調整可能に構成されていることを特徴とするアルミニウム棒材のピーリング装置。
発明[1]のアルミニウム棒材の製造方法によれば、アルミニウム棒材の回転数を適度に調整しているため、切削刃によってアルミニウム棒材の外周面を確実に切削できる。さらに搬送機からのアルミニウム棒材へのグリップ力(押圧力)を周方向に分散させることができるため、アルミニウム棒材の曲がり変形を防止できるとともに、切削刃への衝撃も軽減できて、十分な耐久性を得ることができる。
発明[2][3]のアルミニウム棒材の製造方法によれば、搬送機のグリップ力を制動力としてアルミニウム棒材により確実に作用させることができ、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[4]〜[11]のアルミニウム棒材の製造方法によれば、切削中のアルミニウム棒材に、その前後のアルミニウム棒材を介して支持力および制動力を伝達できて、切削中のアルミニウム棒材に十分な支持力および制動力を確実に付与することができる。
発明[12]のアルミニウム棒材によれば、良好な仕上がり具合の切削面を有し、曲がり等のない高い品質を得ることができる。
発明[13]のアルミニウム棒材のピーリング装置によれば、上流側および下流側搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を調整することによって、上記方法発明と同様に同様の効果を得ることができる。
図1はこの発明の実施形態であるアルミニウム棒材のピーリング装置を示す斜視図である。 図2は実施形態のピーリング装置を示すブロック図である。 図3は実施形態のピーリング装置におけるローラ支持機を示す正面図である。 図4は実施形態にピーリング装置における搬送ローラを示す正面図である。 図5は実施形態のピーリング装置によって切削されたアルミニウム棒材を示す側面図である。 図6はピーリング装置におけるグリップ力と回転比との関係を示すグラフである。 図7Aはピーリング装置によるミニウム棒材の支持状態を説明するためのブロック図である。 図7Bはピーリング装置によるミニウム棒材の押し継ぎ支持状態を説明するためのブロック図である。 図7Cはピーリング装置によるミニウム棒材の押し継ぎ支持状態を説明するためのブロック図である。 図8Aはピーリング装置によるミニウム棒材の片持ち状態を説明するためのブロック図である。 図8Bはピーリング装置によるミニウム棒材の片持ち状態を説明するためのブロック図である。
本発明の実施形態であるアルミニウム棒材のピーリング方法は、連続鋳造棒製造用の一貫製造ラインにおけるピーリング工程に好適に採用されている。この一貫製造ラインは、連続鋳造棒を得る鋳造工程と、連続鋳造棒を切断する切断処理工程と、切断された連続鋳造棒を均質化、軟化、硬化のために熱処理する熱処理工程と、熱処理された連続鋳造棒の曲がりを矯正する前矯正工程(第1矯正工程)と、前矯正された連続鋳造棒の表面を切削除去するピーリング工程と、表面が接触された連続鋳造棒の曲がりを矯正する後矯正工程(第2矯正工程)と、後矯正された連続鋳造棒を検査する外観検査工程と、検査された連続鋳造棒を梱包する梱包工程とを含んでいる。
この一貫製造ラインにおいて処理されるアルミニウム棒材の素材は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金であれば、特に限定されるものではないが、例えば合金番号が2000系、4000系、6000系等の展伸材用アルミニウム合金や、A390合金等の鋳物用合金を好適に用いることができる。
さらに本実施形態においてアルミニウム棒材は、直径25mm〜125mmの丸棒状のものを好適に用いることができる。
本実施形態のピーリング工程は、例えば連続鋳造棒によって構成されるアルミニウム棒材の表面における逆偏析層を除去する目的で外周面を除去するものである。
上記逆偏析層は、鋳造時の連続鋳造棒の組成、鋳型の構造、鋳造条件等によってその範囲が決定される。通常、逆偏析層の厚さは、表面から0.1mm〜2mm程度までの範囲である。なお表面から深さ1mm程度までの範囲は、アルミニウム合金溶湯が鋳型、潤滑油、気体と接触することによって欠陥が発生している可能性の高い範囲であり、除去すべき鋳肌の一例である。従って本実施形態においては、逆偏析層や欠陥等の除去を確実に行えるように、表面から深さ1mm〜2mm程度の鋳肌を除去するのが好ましい。
図1は上記ピーリング工程に採用される本実施形態のピーリング装置を示す斜視図、図2は実施形態のピーリング装置を示すブロック図、図3は実施形態のピーリング装置のローラ支持機を示す正面図である。
これらの図に示すように、このピーリング装置は、アルミニウム棒材Wの搬送ラインに沿って上流側から下流側に向けて、上流側搬送機としてのローラ搬送機1と、上流側支持機としての上流側ローラ支持機2と、切削加工機3と、下流側支持機としての下流側ローラ支持機4と、下流側搬送機としてのキャリッジ5とがこの順で配置されている。
切削加工機3は、搬送ラインに沿って搬送されるアルミニウム棒材Wの外周面に沿って、周方向に等間隔おき(90°間隔)の4箇所で切削刃31が設けられている。ここで本実施形態においては、各箇所の切削刃31は、粗加工用の刃物と、仕上げ加工用の刃物との一対の刃物をそれぞれ有するコンビネーションバイトを好適に使用することができる。言うまでもなく、本発明においては、切削刃(刃物)の枚数等は限定されるものではなく、さらにコンビネーションバイト以外の切削刃を用いるようにしても良い。
そして本実施形態においては、切削刃31を回転させつつ、アルミニウム棒材Wを搬送ラインに沿って搬送することによって、アルミニウム棒材Wの外周面が切削刃31によって削り残しなく切削除去されるようになっている。
ここで本実施形態においては、切削時に、切削刃31がアルミニウム棒材Wに外周面に沿って切り込まれるため、切削刃31の回転に伴ってアルミニウム棒材Wがその軸心回りに回転しようとする回転力が発生する。従って仮に、アルミニウム棒材Wの回転を規制しない場合には、アルミニウム棒材Wは、切削刃31の回転に追従して同方向に回転する、いわゆる連れ回りが生じることになる。なお後に詳述するが、本実施形態においては、アルミニウム棒材Wに対するローラ搬送機1およびキャリッジ5によるグリップ力によって、アルミニウム棒材Wの回転を適度に抑制するようにしている。
上流側ローラ支持機2および下流側ローラ支持機4は、アルミニウム棒材Wの外周面に沿って周方向に等間隔おきに複数本の上流側支持ローラ21…および複数の下流側支持ローラ41…が設けられており、アルミニウム棒材Wの搬送に伴って、各支持ローラ21,41がアルミニウム棒材Wの外周面上を転動するようになっている。本発明においては上流側ローラ支持機2および下流側ローラ支持機4におけるローラの設置数は特に限定されるものではないが、例えば各ローラ支持機として、ローラ設置数が4本〜12本のものを好適に用いることができる。
本実施形態において上流側支持ローラ21および下流側支持ローラ41は、ガイドローラを兼用するものであり、アルミニウム棒材Wをガイドしつつ支持するものである。なお図4においては、上流側ローラ支持機2と下流側ローラ支持機4とを重複して記載している。
本実施形態において、支持ローラ21,41は、アルミニウム棒材Wに搬送力を付与するものではない。さらに本実施形態において、支持ローラ21,41は、切削刃31と連れ回りするアルミニウム棒材Wの軸心回り方向の回転を規制するための制動力は、0ではないが、後述のローラ搬送機1およびキャリッジ5に比べて無視できる程度に小さいものである。
ローラ搬送機1は、搬送ラインに対し上下前後に2本ずつ合計4本のV溝ローラからなる搬送ローラ(フィードローラ)11を備えている。図1および図4に示すように各搬送ローラ11は、V溝の両側内面が搬送面12として構成されており、上下に対応する搬送ローラ11によってアルミニウム棒材Wをそれぞれ挟持した際には、各搬送ローラ11の各搬送面12がアルミニウム棒材Wの外周面に押し付けられて、アルミニウム棒材Wがグリップ(把持)されるようになっている。そしてこの把持状態で、搬送ローラ11が図示しないローラ駆動機構によって回転駆動することによって、アルミニウム棒材Wが搬送ラインに沿って下流側に搬送されるようになっている。ここで、ローラ搬送機1によるアルミニウム棒材Wのグリップ力(把持力)は、切削刃31の回転に伴って軸心回りに回転しようとするアルミニウム棒材Wの回転力に対し、制動力として作用するようなっている。
また図4に示すように本実施形態において、搬送ローラ11の搬送面12は、多数の点接触食い込み突起13が形成されており、搬送ローラ11によりアルミニウム棒材Wをグリップした際には、対応する食い込み突起12をアルミニウム棒材Wの外周面に点接触状に食い込ませることによってアルミニウム棒材Wをグリップするようにしている。つまり、搬送ローラ11のグリップ力は、アルミニウム棒材Wを面接触による摩擦力によって決定されるものではなく、点接触食い込み突起13の食い込み量と押付力とによって決定されるものである。
なお点接触食い込み突起12は、例えば転造ローレット加工や、切削ローレット加工、その他の切削加工等によって形成することができる。
図1および図2に示すようにキャリッジ5は、上下一対の挟持ブロック51,51を備え、両ブロック51の対向面(挟持面)としての搬送面は、V字型の溝に形成されており、挟持ブロック51,51によってアルミニウム棒材Wの切削された部分を上下から挟持してグリップ(把持)できるようになっている。こうしてグリップした状態で、アルミニウム棒材Wを切削加工機3から下流側に搬出させることができるようになっている。ここでキャリッジ5によるアルミニウム棒材Wのグリップ力(把持力)は、切削刃31の回転に伴って軸心回りに回転しようとするアルミニウム棒材Wの回転力に対し、制動力として作用するようなっている。
このキャリッジ5は、切削後のアルミニウム棒材Wをグリップするものであるため、挟持ブロック51の搬送面は、アルミニウム棒材Wの表面に、不用意に表面傷や圧痕を付けないように平滑面に形成されている。
以上の構成のピーリング装置においては、ローラ搬送機1から送り出されたアルミニウム棒材Wは、上流側ローラ支持機2、切削加工機3および下流側ローラ支持機4を通って、キャリッジ5によって引き込まれるように搬送される。こうして搬送されるアルミニウム棒材Wが切削加工機3を通過する際に、切削刃31がアルミニウム棒材Wの外周面に沿って周方向に回転することによって、アルミニウム棒材Wの外周面が切削除去される。
そして本実施形態においては、切削時に切削刃31の回転に伴ってアルミニウム棒材Wが軸心回りに同方向に回転する一方、そのアルミニウム棒材Wの回転力に対し、ローラ搬送機1およびキャリッジ5のグリップ力を制動力として作用させることによって、切削刃31の回転数に対し、アルミニウム棒材Wを所定の回転数で回転させるように調整している。
すなわち本実施形態においては、切削刃31の回転数を「Pa」、アルミニウム棒材Wの回転数を「Pb」、切削刃31の回転数Pbに対するアルミニウム棒材Wの回転数Paの比を「Pc」としたとき、回転比(Pc=Pb/Pa)を0.01%〜0.2%に設定する必要がある。
特に本実施形態においては、切削前のアルミニウム棒材Wの直径が25mm〜125mmの場合、アルミニウム棒材Wの回転数を0.15rpm〜3.0rpmに設定するのが好ましい。
すなわちアルミニウム棒材Wの回転数が少な過ぎる場合には、搬送ローラ11からアルミニウム棒材Wに作用する押付力がアルミニウム棒材Wの周方向の一部に集中して強く作用するため、押付力を分散させることができず、アルミニウム棒材Wが弓なりに反るように曲げ変形するおそれがある。そればかりか、加工刃31とアルミニウム棒材Wの被加工面(外周面)との間のトルクが増大するため、特にアルミニウム棒材Wの状態に変化がある場合、例えば曲がりがあったり、切削対象部位に変質等が生じているような場合、トルクを緩和できず、切削刃31への負荷が異常に大きくなってしまい、切削性能が極端に低下したり、刃こぼれが生じる等の不具合が発生するおそれがある。またアルミニウム棒材Wの回転数が多過ぎる場合には、切削刃31がアルミニウム棒材Wに対し滑った状態となり、加工面の仕上がり具合が悪化し、場合によっては切削加工ができないという不具合が発生する。
従って本実施形態において、アルミニウム棒材Wの回転数を上記の特定の範囲に設定することによって、搬送ローラ11からアルミニウム棒材Wに作用する押圧力をアルミニウム棒材Wの周方向の広い範囲に分散させることができ、アルミニウム棒材Wの曲げ変形を防止できるとともに、切削刃31によってアルミニウム棒材Wの外周面を安定した状態で切削加工できて、良好な仕上がり具合の切削加工面を効率良く得ることができる。
また図5に示すように本実施形態のピーリング方法によって切削加工されたアルミニウム棒材Wは、その外周面に下流側ローラ支持機4の支持ローラ41によるローラ痕(螺旋痕)W1が螺旋状に形成されている。このローラ痕W1は、複数の支持ローラ41のうちの少なくとも1つの支持ローラ41によって、少なくとも1箇所に形成されている。さらにこのローラ痕W1は、必ずしもアルミニウム棒材Wの長さ方向全域に連続して形成されるものではなく、長さ方向の途中が部分的に1箇所以上消失しているような場合もある。
本実施形態において、ローラ痕W1のピッチは、上記の回転比Pcに対応するものであり、本実施形態においては、1mあたりの回転量(角度)が15°/m〜120°/mに設定されている。
次にローラ搬送機1およびキャリッジ5による把持力(制動力)と、切削刃31に対するアルミニウム棒材Wの回転比Pcとの関係について具体的に説明する。
図6はグリップ力(把持力)と回転比Pcとの関係を示すグラフであって、縦軸に回転比Pcを示し、横軸にグリップ力(把持力)を示す。同図に示すように、回転比Pcとグリップ力との間には相関関係がある。従ってグリップ力を調整して、回転比Pcを上記の特定の範囲に制御することによって、上記の効果を確実に得ることが可能となる。
すなわち、グリップ力(把持力)を過度に大きく設定すると、回転比Pcが小さくなり0.01未満の領域A1となる。この場合、アルミニウム棒材Wの回転量が少なくなり、グリップ力が周方向の一部に集中するため、曲がり変形等が発生する。
またグリップ力を過度に小さく設定すると、回転比Pcが大きくなり、0.2超で0.27付近までの領域A3となる。この場合、アルミニウム棒材Wの回転量が多くなって、切削刃31がアルミニウム棒材Wに対し滑る状態となり、良好な切削面(加工面)を得ることができなくなってしまう。さらにグリップ力を大きく設定すると、回転比Pcが非常に小さくなり、0.27超の領域A4になる。この場合、アルミニウム棒材Wの推進力が失われてアルミニウム棒材Wがほとんど前進しなくなり、切削加工を行えずに製造不可となってしまう。
これに対し、グリップ力の調整によって、回転比Pcを0.01以上で0.2以下の領域A2、つまり好適な領域Aに調整すると、既述した通り、曲がり変形等の不具合を確実に防止しつつ、良好な仕上がり具合の切削面(加工面)を効率良く得ることができる。
上記ピーリング装置によって処理されるアルミニウム棒材Wは、ローラ搬送機1、上流側ローラ支持機2、切削加工機3、下流側ローラ支持機4およびキャリッジ5に順次供給されるが、アルミニウム棒材Wは所定の長さに切断されているため、アルミニウム棒材Wを一つずつ個別に切削する場合には、例えば図8Bに示すようにアルミニウム棒材Wの前端を切削加工機3に到達した直後(切削開始直後)には、アルミニウム棒材Wはその前側が支持されず支持状態が不安定となる。また図8Aに示すように、アルミニウム棒材Wの後端が切削加工機3を抜け出す直前(切削終了直前)には、アルミニウム棒材Wはその後側は支持されず支持状態が不安定となる。
これに対し本実施形態では、以下に説明するように、この不安定な支持状態を解消するようにしている。
まず図7Aに示すようにピーリング装置に供給されるアルミニウム棒材Wが、ローラ搬送機1から下流側ローラ支持機4にかけて配置された状態では、アルミニウム棒材Wの後側がローラ搬送機1および上流側ローラ支持機2に支持されるとともに、前側が下流側ローラ支持機4に支持されており、アルミニウム棒材Wは切削加工機3を挟んで前後両側で支持されている。このためこの状態では、アルミニウム棒材Wの支持状態が安定するため、切削中にアルミニウム棒材Wにビビリ等が発生せず、精度良く切削加工することができる。
一方この状態から切削加工が進むと、アルミニウム棒材Wの前端がキャリッジ5によりグリップされた後、後端がローラ搬送機1から抜け出す。ここで仮にアルミニウム棒材Wを一つずつ単独で切削加工を行うと仮定すると、既述した通り図8Aに示すように切削中のアルミニウム棒材Wの切削が完了する直前の状態では、アルミニウム棒材Wの後端は上流側ローラ支持機2から下流側に抜け出して支持されておらず、前側だけが下流側ローラ支持機4およびキャリッジ5に支持された片支持状態(片持ち状態)となっている。この状態では、アルミニウム棒材Wに振れが生じて、ビビリが発生して精度良く切削加工を行うことができないおそれがある。そればかりか、ローラ搬送機1のグリップ力(制動力)がアルミニウム棒材Wに伝達されないため、アルミニウム棒材Wの制動力自体が不足する場合があり、上記所定の回転比Pcに調整することができず、切削加工面に良好な仕上がり具合が得られず、さらにアルミニウム棒材Wの回転量が多くなってしまい、切削加工自体ができなくなるおそれがある。なおキャリッジ5によるグリップ力(押圧力)を強くして、所定の回転数に調整しようとすると、切削後の加工面にキャリッジ5による傷や圧痕が形成されてしまう等の不具合が発生する。
そこで本実施形態においては、図7Bに示すようにアルミニウム棒材Wを間隔をあけずに連続してするようにしている。すなわち切削中のアルミニウム棒材Wの後端面に、未切削の後続のアルミニウム棒材Wの前端面を接触させるようにしている。このため切削中のアルミニウム棒材Wの後端と後続のアルミニウム棒材Wの前端とが摩擦接合されて一体化(擬似嵌合)されているため、切削中のアルミニウム棒材Wの後端が、後続のアルミニウム棒材Wを介して上流側ローラ支持機2およびローラ搬送機1に間接的に支持されている。このため切削中のアルミニウム棒材Wは、切削加工機3を挟んで前後両側で安定状態で支持されるため、ビビリの発生を確実に防止でき、精度良く切削加工することができる。
しかも、後続のアルミニウム棒材Wはローラ搬送機1によってグリップされているため、そのグリップ力(制動力)が、後続のアルミニウム棒材Wを介して切削中のアルミニウム棒材Wに伝達される。つまり、切削中のアルミニウム棒材Wは、ローラ搬送機1およびキャリッジ5の双方のグリップ力を、アルミニウム棒材Wの回転力に対する制動力として作用させることができるため、十分な制動力を得ることができる。このためアルミニウム棒材Wの回転量を正確に制御でき、上記特定の回転比Pcを確実に得ることができ、既述した通り良好な切削加工を効率良く行うことができる。
一方、仮にアルミニウム棒材Wを一つずつ単独で切削加工を行うと仮定した場合、既述した通り図8Bに示すようにアルミニウム棒材Wの切削を開始した直後の状態では、アルミニウム棒材Wは、その前端が下流側ローラ支持機4に到達しておらず、後側だけが支持された片持ち状態となり、ビビリの発生等により良好な切削加工を行うことが困難になってしまう。
これに対し本実施形態においては図7Cに示すように、アルミニウム棒材Wを隙間なく連続して供給しているため、切削加工が開始された直後のアルミニウム棒材Wの前端面が、切削済みの先行のアルミニウム棒材Wの後端面に接触して、摩擦接合により一体化している。このため、切削中のアルミニウム棒材Wの前側が、先行のアルミニウム棒材Wを介して下流側ローラ支持機4およびキャリッジ5に間接的に支持されるため、アルミニウム棒材Wをその前後両端を支持できて精度良く切削加工することができる。
その上さらに、先行のアルミニウム棒材Wは、キャリッジ5によってグリップされているため、そのグリップ力が、先行のアルミニウム棒材Wを介して切削中のアルミニウム棒材Wに伝達される。従って、切削中のアルミニウム棒材Wは、ローラ搬送機1およびキャリッジ5の双方のグリップ力を、アルミニウム棒材Wの回転力に対する制動力として作用させることができるため、十分な制動力を得ることができる。このためアルミニウム棒材Wの回転量を正確に制御でき、上記特定の回転比Pcを確実に得ることができ、良好な切削加工を効率良く行うことができる。
ここで本実施形態においては、切削中のアルミニウム棒材Wに対し、その前後のアルミニウム棒材Wからのグリップ力および支持力を的確に伝達できるように、アルミニウム棒材Wの突き合わせ端面を粗面に仕上げて、前後のアルミニウム棒材Wの突き合わせ端面間を確実に摩擦接合(擬似嵌合)できるように構成するのが好ましい。
さらに前後のアルミニウム棒材Wの互いの突き合わせ端面は、接触面積を大きくする方が好ましいため、互いの突き合わせ面が軸心に対して同じ角度に調整するのが好ましく、より好ましくは軸心に対し直角に設定するのが良い。
アルミニウム棒材の切断方法は、特に限定されるものではないが、鋸刃切断を用いるのが好ましい。すなわち鋸刃によって切断することにより、表面状態を所定の粗さの切断面(突き合わせ面)に仕上げることができ、さらに縦横方向間で所定の異方性を有する切断面、つまり鋸刃が進む方向(切断方向)と回転する方向(周方向)とで粗さの比が異なる切断面に仕上げることができ、前後のアルミニウム棒材Wの突き合わせ端面間を、擬似一体化(クラッチ結合)できて、上記のグリップ力や支持力の伝達を、より一層的確に行うことができる。
本実施形態においては、アルミニウム棒材Wの端面(突き合わせ端面)における一方向の粗さはRy20μm以上とするのが好ましい。さらにアルミニウム棒材Wの端面における輪郭曲線において隣り合う山および谷の頂点間を結ぶ直線の傾き(絶対値)が100以上であることが好ましい。あるいは、アルミニウム棒材Wの端面に所定の異方性を有するのが好ましい。本実施形態において、所定の異方性とは、アルミニウム棒材Wの端面において、一方向を鋸刃の進行方向としたとき、一方向の面粗度がRy20μm以上、好ましくは20μm〜100μmであり、かつ、一方向に直交する他方向(鋸刃の回転方向)の面粗度(RyまたはRa)と一方向の面粗度(RyまたはRa)との比が2倍以上の場合であり、より好ましくは2倍〜20倍の場合である。
本実施形態においては、アルミニウム棒材Wを切断する際に、鋸刃の歯数、回転数、鋸刃の送り速度等を適宜調整することによって、アルミニウム棒材Wの切断面における表面を上記所定の表面状態(表面プロファイル)に形成することができる。
なおアルミニウム棒材を鋸刃切断以外で行ったとしても、その切断面に対し表面処理や機械加工を施すことによって、上記所定の表面状態に形成することができる。
一方、本実施形態においては、ローラ搬送機1における搬送ローラ11をV溝ローラによって構成しているため、アルミニウム棒材Wに対する搬送ローラ11の接点が、搬送ローラ11の押付方向(図4の上下方向)の両側に配置される。このため、搬送ローラ11のアルミニウム棒材Wへの押付力のうち、押付方向に対し直交する方向の成分が多くなるため、押付力(グリップ力)を大きくしても、アルミニウム棒材Wが弓なりに反るような不具合を防止でき、曲がり変形をより確実に防止することができる。
ここで、搬送ローラ11の開き角度Pδ(図4参照)を大きく設定しておけば、グリップできるアルミニウム棒材Wの直径寸法範囲を広くできるため、段取り替えを少なくできて、稼働率の観点から見ると好ましい。ところが、ローラ開き角度Pδを大きくし過ぎると、アルミニウム棒材Wをグリップした際の押付力のうち、押付方向に対し直交する方向の成分が少なくなる。このため、押付力が押付方向に集中して、アルミニウム棒材Wが弓なりに変形してしまう等の不具合が発生する。
そこで、本実施形態においては、搬送ローラ11の開き角度(V字角度)Pδを90°〜120°の範囲に設定するのが好ましい。すなわち開き角度Pδが小さ過ぎる場合には、グリップ可能なアルミニウム棒材Wの直径寸法範囲が狭くなり、素材変更時の段取り替え作業が多くなり、稼働率が低下するため、好ましくない。またローラ開き角度Pδが大き過ぎる場合には、既述した通り、アルミニウム棒材Wへの押付力が押付方向に集中し、アルミニウム棒材Wに曲がり変形等の不具合が発生するおそれがあり、好ましくない。
さらに本実施形態においては、搬送ローラ11の搬送面12に点接触食い込み突起13を形成し、その突起13をアルミニウム棒材Wの外周面に点接触状に食い込ませてグリップするようにしているため、小さな押付力で十分なグリップ力を得ることができる。
すなわち、搬送ローラ11の搬送面12に突起等を設けずに搬送面12を平滑面に形成した場合には、アルミニウム棒材Wに対する搬送ローラ11のグリップ力は、押付力と、搬送ローラ11のアルミニウム棒材Wとの接触面全体における摩擦力とによって決定されるが、その場合、滑りの影響により、アルミニウム棒材Wの回転を微調整できず、上記特有の回転数を得ることができないおそれがある。そればかりか、摩擦力により十分なグリップ力を確保するためには、押付力を大きくする必要があり、アルミニウム棒材Wが圧延されるように塑性加工されて延び変形が生じたり、弓なりに曲がり変形する等の不具合が発生するおそれがある。
そこで本実施形態においては、搬送ローラ11の点接触食い込み突起13を、アルミニウム棒材Wに食い込ませてグリップしているため、面摩擦力でグリップする場合と比較して、滑りの影響が少なく、アルミニウム棒材Wの回転を微妙に制御することができ、上記特定の回転数を確実に得ることができる。さらに押付力が小さくとも十分なグリップ力を得ることができ、アルミニウム棒材Wの延び変形や曲がり変形を確実に防止することができる。
本実施形態においては、上記の点接触食い込み突起13による効果をより確実に得るためには、アルミニウム棒材Wに転写された、点接触食い込み突起13による食い込み痕の面積が1mm〜3mm、食い込み痕の深さが0.5mm〜1.0mmとなるように、点接触食い込み突起13を形成するのが好ましい。食い込み痕の深さの調整は、アルミニウム棒材Wに対する搬送ローラ11の押圧力を適宜変更することによって行うことができる。
また点接触食い込み突起13は、搬送ローラ11の搬送面12に分散して配置するのが良い。例えば突起13の形成数を2個/cm〜8個/cmに設定するのが好ましい。
なおこのような構成の点接触食い込み突起13による食い込み痕は、切削加工によって確実に消失させることができ、食い込み痕の残存による悪影響が及ぶようなことはない。
ところで本実施形態においては、切削刃31に対するアルミニウム棒材Wの回転比Pcを調整する方法としては、既述したようにローラ搬送機1の搬送ローラ51による押圧力や、キャリッジ5の挟圧ブロック51による押圧力の調整によって行われるが、それ以外には、アルミニウム棒材Wの直径寸法に対し、搬送ローラ51や挟圧ブロック51の垂直方向の位置調整によって行うこともできる。さらに回転比Pcの調整は、前後に並ぶアルミニウム棒材W間の接触圧力の調整、例えば前後のアルミニウム棒材Wの搬送速度を異ならせて、アルミニウム棒材W間の接触圧力を高くしたり低くすることによっても行うことができる。
なお上記実施形態においては、アルミニウム棒材として、連続鋳造棒を用いているが、本発明においては、連続鋳造棒以外の棒材も用いることができる。例えば本発明においては、鋳造ビレットを押出加工した押出棒を用いることもできる。
なお上記実施形態においては、ローラ搬送機(上流側搬送機)およびキャリッジ(下流側搬送機)のグリップ力だけで、アルミニウム棒材の回転を抑制するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、例えば上流側および下流側搬送機によるグリップ力だけで十分な制動力が得られないような場合には、制動手段を別途設けて、その制動手段によって補助的に制動力を付加するようにしても良い。
(1)回転比Rcに関する実施例
Figure 2016112621
<実施例1>
表1に示すように、Aタイプの合金(Siが10w%〜12w%と、Cu、Mg等を含有するアルミニウム合金)を連続鋳造して得られた連続鋳造棒に対し、熱処理工程および矯正工程を行った後、丸鋸型の回転鋸刃を用いて切断して、長さ5m、直径54mmのアルミニウム棒材を得た。
このアルミニウム棒材に対し、上記実施形態と同様のピーリング装置(図7A参照)を用いて切削加工を行った。
このピーリング装置の状態(ピーリング加工の条件)としては、切削刃31の回転数Paは1200rpm、切削加工機3の切削刃31の数(歯数)は4枚、ローラ搬送機1における搬送ローラ11の開き角度Pδ(図4参照)は120°、アルミニウム棒材Wの1mあたりの回転角度(回転量)は18°/m、アルミニウム棒材Wの送り速度は4m/min、アルミニウム棒材Wの回転数Pbは0.200rpm、切削刃3に対するアルミニウム棒材Wの回転比Pcは0.017%とした。なおこの実施例1のアルミニウム棒材Wは、図6のグラフにおける領域A2の範囲に含まれている。さらに本発明に関連した以下の実施例2〜8も、図6の領域A2の範囲に含まれるものである。
この条件で切削加工したアルミニウム棒材Wに対し、切削面(加工面)の面粗度の評価と、曲がり具合の評価と、総合評価とを行った。表1の切削面においては、面粗度Raが10μm以下の場合は「○(良好)」とし、Raが10μm超の場合または切削加工が困難な場合は「×(不良)」とした。総合評価において「○(良好)」は、切削面が「○」であり、かつ曲がりが1.0mm/1000m以下の場合であり、「×(不良)」は、切削面および曲がりのいずれの評価においても、良好な結果が得られなかった場合、または曲がりが異常に大きい場合である。さらに総合評価の「△(やや不良)」は、切削面が「○」であっても、曲がりが1.0mm/1000m超の場合である。
表1に示すように実施例1では、全ての評価が良好であり、「○」の総合評価が得られた。
<実施例2>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、アルミニウム棒材Wの回転角度を30°/m、棒材Wの回転数を0.333rpm、回転比Rcを0.028%とした以外は、上記実施例1と同様に切削加工を行って、実施例2の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「○」であった。
<実施例3>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、アルミニウム棒材Wの回転角度を72°/m、送り速度を3m/min、棒材Wの回転数を0.600rpm、回転比を0.050%とした以外は、上記実施例1と同様に切削加工を行って、実施例3の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「○」であった。
<実施例4>
表1に示すように、Bタイプの合金(Siが14w%〜18w%と、Cu、Mg等を含有するアルミニウム合金)を連続鋳造して得られた連続鋳造棒に対し、熱処理工程および矯正工程を行った後、丸鋸型の回転鋸刃を用いて切断して、長さ5m、直径30mmの未切削の連続鋳造棒(アルミニウム棒材)を得、この棒材に対し以下の条件でピーリング加工を行った。すなわち、切削刃31の回転数Pbを2600rpm、搬送ローラ41の開き角度Pδを90°、アルミニウム棒材Wの回転角度を15°/m、送り速度を11m/min、棒材Wの回転数を0.458rpm、回転比を0.018%とし、それ以外は、上記実施例1と同様に切削加工を行って、実施例4の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「○」であった。
<実施例5>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、アルミニウム棒材Wの回転角度を45°/m、棒材Wの回転数を1.375rpm、回転比を0.053%とした以外は、上記実施例4と同様に切削加工を行って、実施例5の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「○」であった。
<実施例6>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、搬送ローラ11の開き角度Rδを120°とした以外は、上記実施例5と同様に切削加工を行って、実施例5の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ「○」であった。
<実施例7>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、アルミニウム棒材Wの回転角度を90°/m、棒材Wの回転数を2.750rpm、回転比を0.106%とした以外は、上記実施例6と同様に切削加工を行って、実施例7の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「○」であった。
<実施例8>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、搬送ローラ11の開き角度Rδを150°、アルミニウム棒材Wの回転角度を15°/m、棒材Wの回転数を0.458rpm、回転比を0.018%とした以外は、上記実施例7と同様に切削加工を行って、実施例8の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「○」であった。
<比較例1>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、アルミニウム棒材Wの回転角度を5°/m、棒材Wの回転数を0.153rpm、回転比を0.006%とした以外は、上記実施例7と同様に切削加工を行って、比較例1の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「△」であった。
なおこの比較例1のアルミニウム棒材Wは、図6のグラフにおける領域A1の範囲に含まれている。
<比較例2>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、搬送ローラ11の開き角度Rδを150°、アルミニウム棒材Wの回転角度を0°/m、棒材Wの回転数を0.000rpm、回転比を0.000%とした以外は、上記比較例1と同様に切削加工を行って、比較例2の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「×」であった。
なおこの比較例2のアルミニウム棒材Wは、図6のグラフにおける領域A1の範囲に含まれている。
<比較例3>
表1に示すように、ピーリング加工の条件において、アルミニウム棒材Wの回転角度を180°/m、棒材Wの回転数を5.500rpm、回転比を0.212%とした以外は、上記比較例2と同様に切削加工を行って、比較例3の切削済みのアルミニウム棒材Wを得た。このアルミニウム棒材Wに対し、上記と同様に評価したところ、総合評価は「×」であった。
なおこの比較例2のアルミニウム棒材Wは、図6のグラフにおける領域A3の範囲に含まれている。
<対比評価>
実施例1〜8に示す通り、回転比Pcが0.17%から0.106%の範囲では、確実に曲がりを小さく抑制でき、かつ良好な切削面を確実に得ることができる。
比較例1,2に示すように、回転比Pcが0.006%以下と低い場合、曲がりを十分に抑制することができなかった。
中でも実施例4と比較例1とを対比すると、回転比Pcが0.01以上であれば、曲がり抑制効果を十分に得ることができると推測される。
実施例5〜7に示す通り、搬送ローラ11の開き角度Pδが、大きい場合には回転比Pcが大きい方が好ましい傾向があるのが判る。さらに実施例8を参照すると、多少開き角度が大きくとも、回転比等が所定の範囲であると、十分な曲がり抑制効果を得ることができるとともに、良好な切削面を得ることができる。
比較例3に示すように、回転比Pcが高い0.212%では、良好な切削面を得ることができず、所望の切削性能を得ることができなかった。この比較例3と実施例7とを対比すると、回転比Pcが0.20%以下であれば、良好な切削面を得ることができると推測される。
(2)グリップ力の伝達に関する実施例
Figure 2016112621
以下の実施例は、複数のアルミニウム棒材Wを間隔をあけずにピーリング装置に連続的に供給するに際して、図7Bに示すようにキャリッジ5にグリップされた切削中のアルミニウム棒材Wに対し、ローラ搬送機1にグリップされた後続のアルミニウム棒材Wを介して、ローラ搬送機1のグリップ力を伝達するようにした実施例である。
<実施例11>
上記実施例1と同様にして、所定長さ(5m)の切削加工前のアルミニウム棒材Wを準備した。このアルミニウム棒材Wの端面(突き合わせ端面)の表面状態は、表2に示すように、面粗度Ryが47μmであり、かつX方向(一方向)の面粗度Ryと、その方向に直交するY方向(他方向)の面粗度Ryとの比(異方性:XY方向のRy比)が14.6倍に調整されている。
また表2において、Fiはローラ搬送機1におけるアルミニウム棒材Wのトルクであり、Foはキャリッジ5におけるアルミニウム棒材Wのトルクである。従って「Fi/Fo」は、キャリッジ5のトルクに対するローラ搬送機1のトルクの比となり、両搬送機1,5の送り力の比(送り力比)に相当する。なおこのトルク比の制御方法の具体的な手段としては、ローラ搬送機1およびキャリッジ5のそれぞれのトルクを電流値などで計測し、そのトルク比が適正になるよう先行のアルミニウム棒材Wの送り速度に対して、後続のアルミニウム棒材Wの送り速度を適正に制御する方法等を挙げることができる。
このアルミニウム棒材Wを上記実施形態と同様なピーリング装置(図7B参照)に間隔をあけずに連続して供給する。すなわち先行のアルミニウム棒材Wの後端面に後続のアルミニウム棒材Wの前端面を摩擦接合(擬似嵌合)させつつ連続して供給する。そして図7Bに示すように、切削加工中の先行のアルミニウム棒材Wの後端が上流側ローラ支持機2を抜け出した直後の状態(片持ち状態)において、先行のアルミニウム棒材Wに対し、ローラ搬送機1のグリップ力(把持力)が後続のアルミニウム棒材Wを介して十分に伝達されているか否かの評価を行った。
この評価の「把持力伝達性」において「○(良好)」は、ローラ搬送機1のグリップ力が後続のアルミニウム棒材Wを介して先行のアルミニウム棒材Wに伝達されて、所定の回転比Rc(=0.01%〜0.2%)が確実に得られている場合であり、「△(やや良好)」は、後続のアルミニウム棒材Wから先行のアルミニウム棒材Wに少量のグリップ力が伝達され、所定の回転比Rcがほぼ得られた場合である。
「押圧による変形」とは、後続のアルミニウム棒材Wのグリップ力が強くて送り速度が速く、先行のアルミニウム棒材Wが後続のアルミニウム棒材Wに押されて押圧変形が生じるか否かの評価である。
「ビビリ不良」において「無」は、ローラ搬送機1および上流側ローラ支持機2の支持力が後続のアルミニウム棒材Wを介して十分に伝達されて、先行のアルミニウム棒材Wが安定状態に支持されてビビリが発生しない場合であり、「少し有」は、ビビリが発生する場合もあったが、他の条件等を工夫することによって、ビビリの発生を防止できると考えられる場合である。
「総合」において「○」は、把持力伝達性、押圧による変形およびビビリ不良の全ての評価において良好な結果が得られた場合であり、「△」は、いずれか1つでも良好な結果が得られなかった場合である。
この実施例11においては、全ての評価が良好であり、総合評価は「○」である。
<実施例12>
表2に示すように、ローラ搬送機1およびキャリッジ5のトルク比Fi/Foが1.15、アルミニウム棒材Wの端面におけるRyが46μmであり、かつ異方性(XY方向の方向のRy比)が2.6倍として、上記実施例11と同様に、切削加工を行って同様の評価を行った。その結果、良好な評価が得られた。
<実施例13>
表2に示すように、トルク比Fi/Foが1.05、Ryが3μmであり、かつRy比が1.5として、上記実施例11と同様に、切削加工を行って同様の評価を行った。その結果、ローラ搬送機1のグリップ力を少量ではあるが、後続のアルミニウム棒材Wを介して先行のアルミニウム棒材Wに伝達でき、所定の回転比Rcを維持することができた。さらに先行のアルミニウム棒材Wにビビリの発生が僅かに認められたものの、改善の余地は残されていると思われる。
<実施例14>
表2に示すように、トルク比Fi/Foが1.00、Ryが56μmであり、かつRy比が14.1として、上記実施例11と同様に、切削加工を行って同様の評価を行った。その結果、ローラ搬送機1のグリップ力を少量ではあるが、後続のアルミニウム棒材Wを介して先行のアルミニウム棒材Wに伝達でき、所定の回転比Rcをなんとか維持することができた。さらに先行のアルミニウム棒材Wにビビリの発生が僅かに認められたものの、改善の余地は残されていると思われる。
<実施例15>
表2に示すように、トルク比Fi/Foが1.30、Ryが35μmであり、かつRy比が11.2として、上記実施例11と同様に、切削加工を行って同様の評価を行った。その結果、先行のアルミニウム棒材Wが後続のアルミニウム棒材Wに押されて押圧変形が生じる場合もあったが、工夫次第ではその変形は防止できると思われる。
<対比評価>
実施例11と実施例13とを比較すると、トルク比Fi/Foが同じであっても、アルミニウム棒材Wの端面の端面形状(表面状態)により、グリップ力や支持力の伝達性を微妙に制御できることが判る。さらに把持力伝達性およびビビリ防止効果を十分に得るためには、アルミニウム棒材Wの端面の粗さRyが10μm以上が、より好ましいと推測されるとともに、異方性(直交する二方向のRy比またはRa比)が2倍以上が、より好ましいと推測される。
実施例11と実施例14を比較すると、後続のアルミニウム棒材Wにおける先行のアルミニウム棒材Wに対する押し当て力に関連するトルク比が1.00を超えるように調整することによって、ビビり防止効果および把持力伝達性の点で有効であることが判る。すなわち端面状態の粗さRyにかかわらず、トルク比が大きい方が、より好ましいことが判る。
実施例12と実施例15を比較すると、端面状態の最大高さRyにかかわらず、トルク比が高すぎると押し圧が高くなり過ぎて、アルミニウム棒材Wの変形や径寸法不良等が発生する場合があることが判る。
以上説明したように、本発明においては、トルク比Fi/Foの好適値は、1.05〜1.20となり、端面状態の最適値は、Ry10μm以上であり、かつ異方性(直交する二方向のRy比)が2倍以上である、と推測される。
なお上記実施例11〜15では、異方性についてRyを基に評価しているが、異方性についてRaを基に評価したところ、同様な結果が得られた。つまり異方性に関しては、Ry比またはRa比のいずれかが2倍以上であるのが好ましいものである。
この発明のアルミニウム棒材のピーリング方法は、鍛造素材用や鋳物素材用のアルミニウム棒材を製造する際に用いることができる。
1:ローラ搬送機(上流側搬送機)
11:搬送ローラ
12:搬送面
13:点接触食い込み突起
2:上流側ローラ支持機(上流側支持機)
3:切削加工機
31:切削刃
4:下流側ローラ支持機(下流側支持機)
41:下流側支持ローラ
5:キャリッジ(下流側搬送機)
Pa:切削刃の回転数
Pb:アルミニウム棒材の回転数
Pc:回転比
W:アルミニウム棒材
W1:ローラ痕

Claims (13)

  1. 上流側搬送機によって搬送されたアルミニウム棒材を上流側支持機、切削加工機、下流側支持機に通して下流側搬送機によって搬出させる一方、前記切削加工機を通過するアルミニウム棒材の外周面に沿って切削刃を回転させることによって、アルミニウム棒材の外周面を切削するようにしたアルミニウム棒材のピーリング方法であって、
    前記切削刃の回転によって発生するアルミニウム棒材の回転力に対し、前記上流側搬送機および前記下流側搬送機の少なくとも一方の搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を制動力として作用させることにより、
    前記切削刃およびアルミニウム棒材を同方向に回転させつつ、前記切削刃の回転数に対するアルミニウム棒材の回転数の比率を、0.01%〜0.2%に調整するようにしたことを特徴とするアルミニウム棒材のピーリング方法。
  2. 切削時のアルミニウム棒材の回転数を0.15rpm〜3.0rpmに調整するようにした請求項1に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  3. 前記上流側搬送機は、搬送面がV溝状に形成され、かつアルミニウム棒材を挟持して搬送する一対の搬送ローラを有し、
    前記搬送ローラの搬送面に点接触食い込み突起が設けられ、その点接触食い込み突起をアルミニウム棒材の外周面に点接触状に食い込ませることによって、アルミニウム棒材に対する前記搬送ローラのグリップ力を得るようにした請求項1または2に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  4. アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機によって順次連続して搬送され、
    前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の後端が前記上流側支持機から下流側に抜け出した状態においては、前記上流側支持機に支持された後続のアルミニウム棒材の先端を切削中の先行のアルミニウム棒材の後端に摩擦接触させることにより、後続のアルミニウム棒材を介して前記上流側支持機によって切削中のアルミニウム棒材の後端側を支持するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  5. アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機から前記切削加工機に向けて順次連続して搬送され、
    前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の後端が前記上流側搬送機から下流側に抜け出した状態においては、前記上流側搬送機にグリップされた後続のアルミニウム棒材の先端を切削中のアルミニウム棒材の後端に摩擦接触させることにより、前記上流側搬送機のグリップ力に基づく制動力を、後続のアルミニウム棒材を介して切削中のアルミニウム棒材に伝達するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  6. アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機から前記切削加工機に向けて順次連続して搬送され、
    前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の前端が前記下流側支持機に到達していない状態においては、前記下流側支持機に支持された切削済みの先行のアルミニウム棒材の後端を切削中のアルミニウム棒材の先端に摩擦接触させることにより、先行のアルミニウム棒材を介して前記下流側支持機によって切削中のアルミニウム棒材の前端側を支持するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  7. アルミニウム棒材は所定の長さを有し、複数のアルミニウム棒材が前記上流側搬送機から前記切削加工機に向けて順次連続して搬送され、
    前記切削加工機により切削中のアルミニウム棒材の前端が前記下流側搬送機に到達していない状態においては、前記下流側搬送機にグリップされた切削済みの先行のアルミニウム棒材の後端を切削中のアルミニウム棒材の先端に摩擦接触させることにより、前記下流側搬送機のグリップ力に基づく制動力を、先行のアルミニウム棒材を介して切削中のアルミニウム棒材に伝達するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  8. 鋸刃によって所定の長さに切断されたアルミニウム棒材が用いられる請求項4〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  9. アルミニウム棒材の端面は、面粗度がRy20μm以上の面に形成されている請求項4〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  10. アルミニウム棒材の端面は、一方向とそれに直交する他方向の面粗度RyまたはRaの比が2倍以上の面に形成されている請求項4〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  11. アルミニウム棒材の端面は、輪郭曲線における隣り合う山および谷の頂点間を結ぶ直線の傾き(絶対値)が100以上の凹凸を有する面に形成されている請求項4〜10のいずれか1項に記載のアルミニウム棒材のピーリング方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のピーリング方法によって切削されたアルミニウム棒材であって、
    前記下流側支持機に備えたれた支持ローラによるローラ痕が外周面に形成され、
    前記ローラ痕が、長さ1mあたりの回転量が15°/m〜120°/mの螺旋状に形成されていることを特徴とするアルミニウム棒材。
  13. 上流側搬送機によって搬送されたアルミニウム棒材が上流側支持機、切削加工機、下流側支持機に通って下流側搬送機によって搬出される一方、前記切削加工機を通過するアルミニウム棒材の外周面に沿って切削刃が回転することによって、アルミニウム棒材の外周面が切削されるようにしたアルミニウム棒材のピーリング装置であって、
    前記切削刃の回転によって発生するアルミニウム棒材の回転力に対し、前記上流側搬送機および前記下流側搬送機の少なくとも一方の搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を制動力として作用させるよう構成され、
    前記上流側搬送機および前記下流側搬送機によるアルミニウム棒材へのグリップ力を調整可能に構成されていることを特徴とするアルミニウム棒材のピーリング装置。
JP2014250755A 2014-12-11 2014-12-11 アルミニウム棒材のピーリング方法 Active JP6381431B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250755A JP6381431B2 (ja) 2014-12-11 2014-12-11 アルミニウム棒材のピーリング方法
PCT/JP2015/079043 WO2016092949A1 (ja) 2014-12-11 2015-10-14 アルミニウム棒材のピーリング方法
MYPI2017702032A MY177263A (en) 2014-12-11 2015-10-14 Method of peeling aluminum bar stock

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250755A JP6381431B2 (ja) 2014-12-11 2014-12-11 アルミニウム棒材のピーリング方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016112621A true JP2016112621A (ja) 2016-06-23
JP2016112621A5 JP2016112621A5 (ja) 2017-06-01
JP6381431B2 JP6381431B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=56107144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014250755A Active JP6381431B2 (ja) 2014-12-11 2014-12-11 アルミニウム棒材のピーリング方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6381431B2 (ja)
MY (1) MY177263A (ja)
WO (1) WO2016092949A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018176224A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 昭和電工株式会社 鍛造素材
JP2021010959A (ja) * 2019-07-04 2021-02-04 シチズン時計株式会社 工作機械及び加工方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3899943A (en) * 1974-02-04 1975-08-19 Sundstrand Syracuse High speed bar peeler
JPS5211484A (en) * 1975-07-12 1977-01-28 Marukusu Fuon Butsushie Drawinggin device of surface cutting and working machine
JPS61121801A (ja) * 1984-11-16 1986-06-09 Daisho Seiki Kk ピ−リングマシンのキヤリジ駆動方法
JPH07178618A (ja) * 1993-12-21 1995-07-18 Kawasaki Steel Corp 丸棒材の連続切削方法
WO2004085096A1 (en) * 2003-03-26 2004-10-07 Showa Denko K.K. Horizontally continuously cast rod of aluminum alloy and method and equipment for producing the rod.

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3899943A (en) * 1974-02-04 1975-08-19 Sundstrand Syracuse High speed bar peeler
JPS5211484A (en) * 1975-07-12 1977-01-28 Marukusu Fuon Butsushie Drawinggin device of surface cutting and working machine
JPS61121801A (ja) * 1984-11-16 1986-06-09 Daisho Seiki Kk ピ−リングマシンのキヤリジ駆動方法
JPH07178618A (ja) * 1993-12-21 1995-07-18 Kawasaki Steel Corp 丸棒材の連続切削方法
WO2004085096A1 (en) * 2003-03-26 2004-10-07 Showa Denko K.K. Horizontally continuously cast rod of aluminum alloy and method and equipment for producing the rod.

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018176224A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 昭和電工株式会社 鍛造素材
JP2021010959A (ja) * 2019-07-04 2021-02-04 シチズン時計株式会社 工作機械及び加工方法
JP7261678B2 (ja) 2019-07-04 2023-04-20 シチズン時計株式会社 工作機械及び加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016092949A1 (ja) 2016-06-16
MY177263A (en) 2020-09-10
JP6381431B2 (ja) 2018-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2941974C (en) Wire feed limiter
JP6381431B2 (ja) アルミニウム棒材のピーリング方法
JP5071476B2 (ja) 穿孔機
JP5838765B2 (ja) 圧延材搬送方法および圧延装置
FR3001903A1 (fr) Installation et procede de laminage
SE531264C2 (sv) Ett sammansatt göt och metod för att reducera skär-och klippförluster vid valsning av sådant göt, san band tillverkat av götet och användning av bandet i en värmeväxlare
JP2001162306A (ja) 継目無管の製造方法
JP2016087612A (ja) アルミニウム棒材およびその製造方法
JP3760821B2 (ja) 連続処理ラインにおける鋼帯の接合方法
JP2006289568A (ja) 棒鋼・鋼管のブラシ面取り装置およびその方法
JP2005319495A (ja) 熱間仕上圧延方法および熱間仕上圧延材
AU2012232353A1 (en) Shaving tool
JP5458580B2 (ja) 圧延材のクロップ鋸断方法
JP2001162307A (ja) 継目無管の製造方法
JP2016112621A5 (ja)
JP5765757B2 (ja) 環状素形材の製造方法
JP6460060B2 (ja) 鋼材の圧延装置、鋼材の製造装置、鋼材の圧延方法および鋼材の製造方法
TWI758958B (zh) 鋼帶的開槽方法、冷軋方法及冷軋鋼帶的製造方法
JP3401118B2 (ja) シーム疵のない厚鋼板の製造方法
JP2009018338A (ja) 穿孔圧延用のプッシャ装置及びそれを用いた継目無管の製造方法
JPWO2019188001A1 (ja) 鋼板の端曲げ方法および装置並びに鋼管の製造方法および設備
JP6950858B1 (ja) 傾斜圧延設備、継目無素管の製造方法および継目無鋼管の製造方法
JP4019035B2 (ja) 厚板材の圧延方法
JP2006272427A (ja) 熱間スラブの板幅圧下方法および板幅圧下装置
JP3664883B2 (ja) 熱間圧接方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170414

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6381431

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350