JP2016112343A - 首かけ用含水ゲル製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】首にかけるだけで、長時間にわたり効果的に冷涼感を実感することのできる首かけ専用の含水ゲル製剤に関する。【解決手段】特定の測定方法(A)により求められる、含水ゲルC1と含水ゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である長尺状の含水ゲルから形成されてなり、長尺方向の長さが25cm以上80cm以下であり、かつ厚みが0.08cm以上3cm以下であり、含水ゲルの両端部が結合してリング状を呈していてもよい、首かけ用含水ゲル製剤。【選択図】図1

Description

本発明は、首にかけて使用するための、首かけ用含水ゲル製剤に関する。
従来より、ゲルを用いることによって、冷却効果や保湿効果等を発揮させる種々のシートが開発されており、支持層や剥離層等を積層した多層構造を有するものも存在している。
例えば、特許文献1には、芯材が埋設されてなるゲル層と剥離可能なフィルムからなる経皮吸収医薬品、医薬部外品、化粧品等に用いられるゲルシートが開示されており、皮膚からの不用意な剥離を防止すべく、強い粘着力の付与も試みている。また、特許文献2に記載のパック用シートでは、シートの貼付面に所定の凹凸なる模様を形成させることで、皮膚への密着性や粘着性を確保しつつ、通気性や良好な着用感等を付与している。
一方、特許文献3には、ゲル基体層、支持体層、及び衣服との粘着層を有する冷却シートが開示されており、皮膚に常時貼り付けて使用するものではなく、衣服に装着して使用するものであり、粘着力を低めることでゲル基体層を皮膚に触れたり離れたりする工程を繰り返させ、冷却感の持続性を高めようと試みている。
特開2001−26519号公報 特開2005−104929号公報 特開2013−79198号公報
前記特許文献1及び2に記載の発明は、保湿剤等を皮膚に供給することが主たる目的であるため、冷却効果の持続性は十分なものではない。また、前記特許文献3に記載の発明は、冷却効果の持続を目的とはしているものの、衣服の内面に貼り付けて使用するものであるため、ゲル基体層からの水の蒸散が不十分であり、ゲル基体層が皮膚に触れていないときには全く冷却効果を感じることができない。さらに、使用中にゲルの収縮が生じにくく、効果の持続性の点から依然として改善の余地がある。
したがって、本発明は、首にかけるだけで、長時間にわたり効果的に冷涼感を実感することのできる首かけ専用の含水ゲル製剤に関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、特定の測定方法により求められる粘着力が特定の値を示し、かつ特定の寸法を有する長尺状の含水ゲル製剤であれば、冷涼感の持続性に優れることを見出した。
すなわち、本発明は、下記測定方法(A)により求められる、含水ゲルと含水ゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である長尺状の含水ゲルから形成されてなり、
長尺方向の長さが25cm以上80cm以下であり、かつ厚みが0.08cm以上3cm以下であり、含水ゲルの両端部が結合してリング状を呈していてもよい、首かけ用含水ゲル製剤に関する。
測定方法(A):試験環境23℃、相対湿度50%において、幅2cm長さ5cmの2つの試験片の一方の端部同士を幅2cm長さ3cmの領域で重ねて1分間100gの荷重をかけた後、他方の端部同士を引張り速度5mm/秒で上下方向に引っ張ったときの最大強度を5回測定し、求めた平均値を粘着力の平均最大値Xとする。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤によれば、首にかけるだけで、首の周辺に持続して優れた冷涼感をもたらすことができる。
測定方法(A)において、含水ゲルの試験片を配置する様子を示す図である。 測定方法(A)において、含水ゲルの試験片を引っ張る様子を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤は、下記測定方法(A)により求められる、ゲルとゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である長尺状のゲルから形成されてなり、
長尺方向の長さが25cm以上80cm以下であり、厚みが0.08cm以上3cm以下であり、含水ゲルの両端部が結合してリング状を呈していてもよい剤である。
そして、測定方法(A)とは、試験環境23℃、相対湿度50%において、幅2cm長さ5cmの2つの試験片の一方の端部同士を幅2cm長さ3cmの領域で重ねて1分間100gの荷重をかけた後、他方の端部同士を引張り速度5mm/秒で上下方向に引っ張ったときの最大強度を5回測定し、求めた平均値を粘着力の平均最大値Xとする方法である。
本発明で用いる含水ゲルにおいて、ゲルとゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下であることは、含水ゲルと皮膚との間において適度に低い粘着性を発現させることに相当し、かかる含水ゲルにより形成されてなる本発明の首かけ用含水ゲル製剤は常に皮膚に触れているにも拘わらず、使用中に生じる種々の動きに応じて適宜連動して動くことが可能となる。そのため、本発明の首かけ用ゲル製剤が特定の長尺状を呈することと相まって、皮膚と接触する含水ゲル表面が随所で適宜入れ替わり、そのたびごとに新たな冷涼感を皮膚にもたらし、使用者に対してかかる冷涼感の持続性を効果的に実感させることが可能となる。また、含水ゲルは、使用中に水分が蒸散することで、水の気化熱による冷却効果が発揮されると共に収縮が生じる。このとき、長尺方向の長さが25cm以上80cm以下の長尺状であれば、収縮の度合いが大きいため、使用時に大きな身体の動きがなくても、皮膚上で含水ゲルが位置ズレを起こしやすく、皮膚と含水ゲル表面との接触界面で常に動きが生じて、含水ゲルから皮膚へと冷涼感をもたらし続けることが可能となる。また、含水ゲルの厚みが0.08cm以上であれば、水分蒸散による冷却とゲルの収縮を良好に持続させることが可能であり、含水ゲルの厚みが3cm以下であれば、水分蒸散による収縮が生じやすく、含水ゲルに適度な自重を付与して収縮への連動性を高めることが可能であり、使用時に大きな身体の動きがなくても、皮膚上での含水ゲルの位置ズレが起こりやすくなって、冷涼感の持続性を高めることができる。
上記測定方法(A)は、具体的には、まず図1に示すように、含水ゲルにより短冊試験片C1〜C2(幅2cm、長さ5cm、厚み無調整)を2個作製する。ただし、含水ゲルの厚みが1cm以上の場合は、後述の引張試験機固定具に取り付けやすいように、カッター等で切断して厚さを0.5cmに調整して試験片を採取する。また、採取可能な幅が2cmに満たない場合は、採取できた幅で採取した試験片を用いて下記の測定を行った後、後述の計算により数値を補正する。
次いで、気温23℃、相対湿度50%環境下で、双方の短冊試験片における一方の端部から長辺方向に向けて3cm(e)までの部分を互いに重ねた後(重なり領域2cm×3cm)、平らな机の上に配置し、重なり領域の上から2cm×3cm×2mm厚アクリル板bを配置し、さらにY方向に向けて荷重がかかるよう、厚アクリル板bの上から100gの分銅aを配置して1分間保持する。次に、分銅aと厚アクリル板bを取り除き、図2に示すように、短冊試験片C1〜C2の重なり領域以外の他方の端部の部分(端部から長尺方向に向けて約1cmずつ)をテンシロン引張試験機固定具fに垂直に取り付ける。このときの短冊試験片C1〜C2における長尺方向の初期長さgは3cmとする。続いて、これら短冊試験片C1〜C2を毎秒5mmで上方向Zに引っ張り、経時で強度(N)を測定してその最大強度を求める。但し、短冊試験片の幅が2cmに満たなかった場合は、得られた数値に、2cm/(短冊試験片の幅cm)を乗じて最大強度とする。これを5回行い、求めた最大強度の平均値をゲルとゲルとの間の粘着力(最大平均値:N)とする。
なお、ゲルとゲルとの間の粘着力の平均最大値Xの値が低くなるにつれ、これと相関してゲルと皮膚との間における粘着力も低まることは、例えば後述する実施例における《粘着力の測定1》及び《粘着力の測定2》の測定結果からも確認することができる。
本発明で用いる含水ゲルにおいて、ゲルとゲルとの間の粘着力の平均最大値Xは、含水ゲルと皮膚との間において、冷涼感の持続性を高めるのに適した適度に低い粘着性を発現させる観点から、0.3N以下であって、好ましくは0.24N以下であり、より好ましくは0.18N以下であり、さらに、より好ましくは0.16N以下であり、また、好ましくは0.01N以上である。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤は、長尺方向の長さが25cm以上80cm以下であり、かつ厚みが0.08cm以上3cm以下である。このような長尺状で適度な厚みを呈していることにより、首かけ用含水ゲル製剤が、使用時に皮膚熱等によりゲルから水分が蒸発するにつれて伸縮する変動幅を十分に確保することができ、持続的な水分蒸散を確保できる。すなわち、本発明の首かけ用含水ゲル製剤は、最初に配置した皮膚上の部位から位置ズレを起こし、含水ゲル表面と接する皮膚も随時変動するため、そのたびごとに新たな冷涼感を感じることができ、その持続性を有効に高めることが可能となる。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤における長尺方向の長さは、良好に冷涼感を持続させる観点から、25cm以上であって、好ましくは30cm以上であり、より好ましくは35cm以上である。また本発明の首かけ用含水ゲル製剤における長尺方向の長さは、さらに首にかけたときの使用性等を加味する観点から、80cm以下であって、好ましくは75cm以下であり、より好ましくは70cm以下である。そして、本発明の首かけ用含水ゲル製剤における長尺方向の長さは、25cm以上80cm以下であって、好ましくは30〜75cmであり、より好ましくは35〜70cmである。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤における短尺方向の長さは、良好な冷涼感をもたらす観点から、0.5cm以上であって、好ましくは1cm以上であり、より好ましくは1.5cm以上である。また本発明の首かけ用含水ゲル製剤における短尺方向の長さは、首にかけたときの密着性等の観点から、10cm以下であって、好ましくは8cm以下であり、より好ましくは6cm以下である。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤は、良好な冷涼感をもたらす観点から、短尺方向と長尺方向の長さの比(短尺長さ/長尺長さ)が、0.02以上であることが好ましく、0.025以上であることがより好ましい。また、短尺方向と長尺方向の長さの比(短尺長さ/長尺長さ)は、冷涼感の持続性および首へのかけやすさの観点から、0.25以下であることが好ましく、0.18以下であることがより好ましく、0.15以下であることがさらに好ましく、0.13以下であることがさらに好ましい。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤の厚みは、良好な冷涼感をもたらす観点から、0.08cm以上であって、好ましくは0.14cm以上であり、より好ましくは0.2cm以上である。本発明の首かけ用含水ゲル製剤の厚みは、良好に冷涼感を持続させる観点から、3cm以下であって、好ましくは2cm以下であり、より好ましくは1cm以下である。そして、本発明の首かけ用含水ゲル製剤の厚みは、0.08〜3cmであって、好ましくは0.14〜2cmであり、より好ましくは0.2〜1cmである。
このような本発明の首かけ用含水ゲル製剤は、全体として、シート状や帯状を呈していてもよく、また短尺方向での断面が略円形又は楕円形である筒状であってもよい。さらに、首かけ用含水ゲル製剤の両端部が結合し、リング状を呈していてもよい。
なお、筒状やリング状を呈する場合における首かけ用含水ゲル製剤の短尺方向の長さとは、短尺方向での断面における最大差し渡し長さを意味し、筒状やリング状を呈する場合における首かけ用含水ゲル製剤の厚みとは、短尺方向での断面において、上記最大差し渡し長さと垂直に交差する差し渡し長さを意味する。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤は、含水ゲルの内部に支持体を含むことができる。これにより、長尺状を呈するが故に低下しがちなゲル製剤の耐久性を確保することができる。かかる支持体の素材としては、特に制限されず、不織布のほか、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等や繊維を撚ったロープ・紐等が挙げられる。なかでも、含水ゲルによりもたらされる冷涼感を阻害せず、首周辺への追従性を確保する観点、強度の観点から、不織布が好ましい。
不織布の素材としては、特に制限はなく、天然繊維、化学繊維のいずれも用いることができる。天然繊維としては、粉砕パルプ、コットン、麻等のセルロース等が挙げられる。化学繊維としては、レーヨン、キュプラ、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、熱可塑性疎水性化学繊維、又は親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維などが挙げられる。熱可塑性疎水性化学繊維としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(Ny)等の単繊維、ポリエチレンとポリプロピレンをグラフト重合してなる繊維、芯鞘構造等の複合繊維等が挙げられる。
不織布の坪量は、加工性や加工後の形態の保持性の観点等から、好ましくは10〜60g/m2であり、より好ましくは20〜40g/m2である。また、不織布の厚みは、各々好ましくは0.1〜5mmであり、より好ましくは0.2〜3mmである。
不織布の製造方法としては、乾式(カード法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等)及び湿式のいずれか一つのウェブフォーミング方法を用いることができる。乾式法と湿式法のうち、複数の方法を組み合わせてもよい。また、サーマルボンディング、ニードルパンチ、ケミカルボンディング等の方法が挙げられる。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤において、上記支持体の少なくとも一部が含水ゲル表面から露出していてもよい。これにより、使用場面において、露出した支持体を接合したり結んだりすることにより、かけた首から脱離してしまうのを有効に防止することができる。支持体が露出する部位は、首かけ用含水ゲル製剤の側面や上面であってもよく、長尺方向に向けての端部であってもよく、またこれら複数の部位であってもよく、例えば、含水ゲルと支持体を順に積層し、必要に応じて所望の部位をカット等することにより得ることができる。
なかでも、支持体が直接皮膚に触れると生じがちなかゆみ等をも有効に防止する観点から、かかる支持体は、含水ゲル表面から露出することなく埋設されているのが好ましい。この場合、例えば、支持体よりも寸法の大きい含水ゲルによって、支持体を挟み込む等することにより製造することができる。
本発明の首かけ用含水ゲル製剤を形成する含水ゲルの水分含有量は、水の気化熱によって冷涼感を良好に持続させる観点から、好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは68質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。また含水ゲルの水分含有量は、良好な使用感を保持する観点から、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは93質量%以下であり、さらに好ましくは92質量%以下である。そして、含水ゲルの水分含有量は、好ましくは65〜95質量%であり、より好ましくは68〜93質量%であり、さらに好ましくは70〜92質量%である。
含水ゲルを形成する高分子としては、水を保持して適度な弾力性や柔軟性を有するゲルを形成し、上記測定方法(A)により求められる含水ゲルと含水ゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下であればよく、例えば、カルボキシル基、硫酸基、又はリン酸基なる官能基を有する高分子が挙げられる。具体的には、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等のポリ(メタ)アクリル酸;カルボキシメチルセルロース及びその塩、カルボキシエチルセルロース及びその塩等のアニオン性セルロース誘導体;ジェランガム、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナン、寒天、アルギン酸及びその塩、アニオン性の澱粉誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の高分子を使用できる。なかでも、高い保水量と、十分なゲル強度、及び皮膚に貼付した際における皮膚の凹凸やその動きに追従可能な柔軟性とを兼ね備え、良好に冷涼感を持続させる観点から、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
例えば、含水ゲルを形成する高分子がポリ(メタ)アクリル酸又はその塩である場合、高分子の含有量は、十分な水分量を供給し続ける観点から、含水ゲル中に、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは7質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは18質量%以下であり、さらに好ましくは16質量%以下である。そして、含水ゲルを形成する高分子がポリ(メタ)アクリル酸又はその塩である場合、高分子の含有量は、含水ゲル中に、好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは5〜18質量%であり、さらに好ましくは7〜16質量%である。
また、含水ゲルを形成する高分子がカルボキシメチルセルロース又はその塩である場合、高分子の含有量は、十分な水分量を供給し続ける観点から、含水ゲル中に、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは2.5質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは9.5質量%以下であり、さらに好ましくは9質量%以下である。そして、含水ゲルを形成する高分子がカルボキシメチルセルロース又はその塩である場合、高分子の含有量は、含水ゲル中に、好ましくは2〜10質量%であり、より好ましくは2.5〜9.5質量%であり、さらに好ましくは3〜9質量%である。
上記高分子により含水ゲルを形成する際、さらに架橋剤を用いて高分子が有する官能基と反応させるのがよい。かかる架橋剤としては、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、鉛、カルシウム、カリウム等の金属イオンを含む酸化物、水酸化物又は塩類、例えば乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ミョウバン、焼ミョウバン、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシナート等の金属イオン化合物;ポリリジン等のポリアミノ酸のようなカチオン性ポリマー;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多官能性エポキシ化合物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、含水ゲルを形成する高分子がポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である場合、架橋剤として金属イオン化合物を用いるのが好ましい。
例えば、含水ゲルを形成する高分子がポリ(メタ)アクリル酸又はその塩である場合、架橋剤である金属イオン化合物の含有量は、上記測定方法(A)により求められる含水ゲルと含水ゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である含水ゲルを良好に形成する観点から、含水ゲル中に、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.25質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.9質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である。そして、含水ゲルを形成する高分子がポリ(メタ)アクリル酸又はその塩である場合、架橋剤である金属イオン化合物の含有量は、含水ゲル中に、好ましくは0.2〜1質量%であり、より好ましくは0.25〜0.9質量%であり、さらに好ましくは0.3〜0.8質量%である。
また、含水ゲルを形成する高分子がカルボキシメチルセルロース又はその塩である場合、架橋剤である金属イオン化合物の含有量は、上記測定方法(A)により求められる含水ゲルと含水ゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である含水ゲルを良好に形成する観点から、含水ゲル中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.08質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.9質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である。そして、含水ゲルを形成する高分子がカルボキシメチルセルロース又はその塩である場合、架橋剤である金属イオン化合物の含有量は、含水ゲル中に、好ましくは0.05〜1質量%であり、より好ましくは0.08〜0.9質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.8質量%である。
含水ゲルは、さらに冷感剤を含有することができる。これにより、持続性の高い冷涼感のさらなる増強を図ることができる。かかる冷感剤としては、具体的には、例えば、l−メントール、d−メントール、dl−メントール、乳酸メンチル、シネオール、メンタンジオール、メンチルピロリドンカルボン酸、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、メンタンカルボニルグリシンエチルエステル、メントン、メントングリセリンアセタール、3−l-メントキシ−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンチルエチルアミノシュウ酸、N−エチル−3−p−メンタンカルボキシアミド、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、イソプレゴール、プレゴール、メンチルアセテート、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、ボルネオール、オイゲノール、アネトール、サリチル酸メチル、カンファー、チモール、スピラントール、トリメチルシクロヘキサノール、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、前記物質を含有する精油を用いることもでき、例えば、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、サッサフラス油、ウィンターグリーン等が挙げられる。これらのなかでも、溶媒への溶解性や冷却効果の観点から、l−メントール、乳酸メンチル、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンタンカルボニルグリシンエチルエステル、メンチルエチルアミノシュウ酸、イソプレゴール及びカンファーから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
冷感剤の含有量は、良好な冷感効果を発揮させ、冷涼感の持続性を補強する観点から、含水ゲル中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.03質量%以上である。冷感剤の含有量は、刺激性等を抑制し、良好な使用感を確保する観点から、含水ゲル中に、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である。また、冷感剤の含有量は、含水ゲル中に、好ましくは0.01〜1.5質量%であり、より好ましくは0.02〜1質量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.8質量%である。
含水ゲルには、上記成分のほか、通常、化粧品や医薬品等で用いられる他の成分、例えば、グリセリン、1.3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類、尿素、アミノ酸類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤;油剤;アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;薬効成分;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;溶解剤;着色料;「合成香料化学と商品知識」、印藤元一著、1996年化学工業日報社刊;「パフューム アンド フレバー ケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」、ステファンアークタンダー(STEFFENARCTAMDER)著、1969年等の文献に記載された香料等であって、上記冷感剤以外の成分を適宜含有させてもよい。
含水ゲルを形成するには、まず、高分子や水、及び必要に応じて架橋剤や他の成分を含有するゲル原液を調製する。次いで、剥離可能なフィルムにゲル原液を挟み込み、ベーカー式アプリケーター等を用いて展延する。このとき、ゲル原液を挟み込む一方の面を支持体としてもよく、展延したゲル原液で支持体を挟み込んでもよい。そのほか、ゲル原液を剥離可能なフィルムに押出塗工してもよい。そして、室温下(25℃)あるいは加温下で数日間熟成させることにより、含水ゲルを形成する。なお、含水ゲルは、従来公知の方法にしたがって製造することができ、これに限られるものではない。形成された含水ゲルは、次いで所定の寸法になるよう、カットしたり縫い合わせたりすればよく、熟成させる前に所定の寸法に調整してもよい。
使用時には、首の後ろ皮膚表面に含水ゲル表面が接触するよう、本発明の首かけ用含水ゲル製剤をかければよい。製剤がシート状や帯状等の両端部を有する形状を呈している場合、かかる両端部をそのまま皮膚に沿うよう垂らして用いてもよく、衣服等に挟み込んで用いてもよい。製剤がリング状を呈する場合には、そのまま首にかけるだけで使用することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
なお、実施例及び比較例で得られた成形品(ゲル製剤)について、下記方法にしたがって各測定及び評価を行った。なお、成形品に保護フィルムが貼着されている場合、保護フィルムを剥離してから各測定及び評価を行った。
《粘着力の測定1:ゲルとゲルとの間の粘着力》
各成形品を切り出して、短冊試験片(幅2cm、長さ5cm、厚み無調整)を2個作製した。ただし、含水ゲルの厚みが1cm以上の場合は、引張試験機固定具に取り付けやすいように、カッターで切断して厚みを0.5cmに調整した。次いで、気温23℃、相対湿度50%環境下で、双方の短冊試験片におけるゲル面の一方の端部から長辺方向に向けて3cmまでの部分を互いに重ねた後(重なり領域2cm×3cm)、平らな机の上に配置し、重なり領域の上から2cm×3cm×2mm厚アクリル板を配置し、さらに厚アクリル板の上から100gの分銅を配置し、そのまま1分間保持した。その後、分銅と厚アクリル板を取り除き、短冊試験片の重なり領域以外の他方の端部の部分(端部から長尺方向に向けて約1cmずつ)をテンシロン引張試験機固定具に垂直に取り付け、毎秒5mmで上方向に引っ張り、経時で強度(N)を測定してその最大強度を求めた。なお、引っ張り操作にて短冊試験片同士が剥がれたのち、測定値が安定化したときの値を強度0(N)に定めた。これを5回行い、求めた最大強度の平均値をゲルとゲルとの間の粘着力(最大平均値:N)とした。
《粘着力の測定2:ゲルと前腕との間の粘着力、及びゲルと掌との間の粘着力》
各成形品を切り出して、短冊試験片(幅2cm、長さ10cm)を作製した。予め前腕内側部、及び掌を石鹸と水で洗浄し、十分な量の水で皮膚についた石鹸を洗い流し、タオルでふき取って自然乾燥させた。次いで、気温23℃、相対湿度50%環境下で、短冊試験片における一方の端部(端部から長尺方向に向けて約1cm)をテンシロン引張試験機上端固定具に取り付けた。他方の端部のゲル面の部分(端部から長尺方向に向けて3cmまでの領域)を前腕内側部又は掌の皮膚に接触するように配置し、さらにゲル製剤の上から、2cm×3cmにカットした40μmポリエチレンフィルム、2cm×3cm×2mm厚アクリル板、及び100gの分銅の順に配置し、そのまま1分間保持した。その後、分銅、及びアクリル板を取り除き、腕又は掌を適度な高さの水平台の上に固定し、テンシロン引張試験機にて毎秒5mmで上方向に引っ張り、経時で強度(N)を測定してその最大強度を求めた。
なお、引っ張り操作にて皮膚からゲル部が剥がれたのち、測定値が安定化したときの値を強度0(N)とした。これを同一人物に対して5回行い、求めた最大強度の平均値をそれぞれの最大強度の平均値をゲルと前腕との間の粘着力(最大平均値:N)、及びゲルと掌との間の粘着力(最大平均値:N)とした。
《装着のしやすさ》
気温25℃、相対湿度50%環境下にて、上半身にTシャツを着用した状態で、成形品の長尺方向の中央部を首の真後ろ付近に配置して、含水ゲルのより平らな面が皮膚側に向くようにして、首周辺の皮膚に接触させながら首に廻し掛けるように装着した。次いで、装着した際におけるゲル製剤同士の粘着の度合いや、ゲル製剤の衣服への付着の度合いを次の5段階で評価した。これを専門パネラー3名にて行い、その平均値を求めて装着のしやすさの評価の指標とした。
なお、かかる評価の値が大きいほど、装着のしやすさが良好であることを示す。
5:粘着や付着が全く生じなかった
4:粘着や付着がほとんど生じなかった
3:粘着や付着が少し生じた
2:粘着や付着が生じた
1:粘着や付着がかなり生じた
《冷涼感の持続性》
上記「装着のしやすさ」の評価と同様にして、上半身にTシャツを着用した状態で成形品を装着し、さらにその上から長袖の作業上着を着用した後、気温25℃、相対湿度50%環境下で、椅子に座った状態のまま0.5時間ごとに冷涼感を5段階(5:強い、4:あり、3:少しあり、2:わずかあり、1:なし)で評価し、「3:少しあり」以上の評価となる持続時間(時間)を記録した。これを専門パネラー3名にて行い、その平均値を求めて冷涼感の持続性の評価の指標とした。
《低刺激性の評価》
上記「装着のしやすさ」の評価と同様にして、上半身にTシャツを着用した状態で成形品を装着し、装着から1時間経過した時点での皮膚上で感じるかゆみについて、次の5段階で評価した。これを専門パネラー3名にて行い、その平均値を求めて低刺激性の評価の指標とした。
5:かゆみを感じなかった
4:ごくわずかなかゆみが感じられた
3:少しかゆみが感じられた
2:かゆみが感じられた
1:強いかゆみが感じられた
[ゲル組成物を構成する成分の準備]
表1〜2に示す処方にしたがって、首かけ用含水ゲル製剤を製造するのに用いる各ゲル組成物を得るための各成分を準備した。
[実施例1〜5、比較例1]
表1の処方を元に、表3に示す各ゲル組成物を得るための各成分を混合し、室温(25℃、以下同じ)で撹拌して均一に分散溶解させて、未架橋ゲルを調製した。次いで、かかる未架橋ゲルを75μm厚シリコン処理延伸ポリプロピレンフィルムのシリコン処理面と、75μm厚ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)との間に挟み込み、厚さ0.1cmになるように伸展させたものを2個作製した。それぞれのシリコン処理延伸ポリプロピレンフィルムを剥離し、まず一方の未架橋ゲル塗工面に、支持体として幅1cm長さ45cmに成形したスパンレース不織布(レーヨン+PET+PP/PE;40g/m2;MD方向が長尺方向)をまっすぐ平らになるように配置し、さらにその上から他方の未架橋ゲル面が合わさるように、かつ支持体全体がゲル間に挟まるように重ねてから、アルミピローに入れ、熱シールして閉じた。そして、アルミピローごと50℃の恒温槽に入れて1週間加温してゲルを架橋させた後、室温に戻してからアルミピローを開封して中身を取り出し、支持体の長尺方向に平行に、かつ支持体が内部に埋まるようにカットして、長尺方向の長さ40cm、短尺方向の長さ2cm、厚み0.2cmの成形品を作製した。なお、40cmにカットした両端部には支持体の端がわずかに露出していた。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表3に示す。
[比較例2〜3]
額に貼付するタイプのメントール含有含水ゲルシートA〜B(市販品)を用い、それぞれ11cm×2cm幅に切り出したものを4枚準備した。含水ゲル面がすべて同じ側を向くようにした状態で、それぞれの短辺同士をミシン糸で縫い合わせ、長尺方向の長さ40cm、短尺方向の長さ2cm、厚み0.2cmの成形品を作製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表3に示す。
表3の結果より、ゲルとゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である実施例1〜5の成形品では、粘着力が低く、身体への装着が容易である上、ほとんどかゆみも感じられず、冷涼感が2時間以上もの間持続した。一方、かかる平均最大値Xが0.3Nを超える比較例1では、粘着力が高すぎるために身体への装着が困難となり、使用中にかゆみが感じられる上、冷涼感も1時間程度持続する程度であった。さらに、市販品である比較例2〜3は、いずれも装着のしやすさは良くなく、使用中にもかゆみが感じられ、冷涼感はおよそ1.3時間持続するに留まった。
なお、表3の粘着力の測定1〜2の結果より、ゲルと皮膚との間の粘着力は、ゲルとゲルとの間の粘着力と相関性を有していることがわかった。
[実施例6〜12、比較例4〜8]
表2の処方を元に、表4に示す各ゲル組成物7〜9を得るための各成分を混合し、実施例1と同様にして、成形品を作製し、表4に示す寸法にカットした。また、製造時に用いた1cm幅の不織布の長さは、最終的なゲル製剤の成形品における長尺方向の長さに5cm足した長さとした。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表4に示す。
表4の結果より、成形品における長尺方向の長さが25cm未満である比較例4〜8では、たとえ冷感剤である乳酸メンチルの濃度を増大させても、冷涼感が1.3時間以上持続することはなかった。一方、成形品における長尺方向の長さが25cm以上である実施例3〜12では、冷涼感が2.8時間以上も持続した。特に、長尺方向の長さが40cmの実施例6〜8では、成形品の面積がほぼ等しい比較例6〜8と比較して、乳酸メンチルの濃度が増大するにつれ、有効に冷涼感を持続させることができた。なお、いずれの成形品も、身体への装着が容易であり、かゆみも生じにくかった。
[実施例13]
前記のゲル組成物7を用い、長尺方向の長さが80cmのリング状の成形品を作製した。まず、調製した未架橋ゲルを75μm厚シリコン処理延伸ポリプロピレンフィルムのシリコン処理面と、75μm厚ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)との間に挟み込み、厚さ0.1cm、長尺方向の長さ40cmの矩形型になるように伸展させたものを4個作製した。それぞれのシリコン処理延伸ポリプロピレンフィルムを剥離し、まず、一つ目の未架橋ゲル塗工面に、幅1cm長さ60cmに成形した前記スパンレース不織布を、不織布の両端が10cmずつはみ出るようにして、まっすぐ平らに載せ、さらに、その上から二つ目の未架橋ゲルをゲル面同士が合わさるように重ねてから、アルミピローに入れ、熱シールして閉じた。同様の操作を残る2個に対しておこない、これらを計2組調製した。
そして、アルミピローごと50℃の恒温槽に入れて1週間加温してゲルを架橋させた後、室温に戻してからそれぞれアルミピローを開封して中身を取り出し、支持体の長尺方向に平行に、かつ支持体が内部に埋設されるように2cm幅にカットした。皮膚に適用する直前にそれぞれの両面のフィルム2枚を除去し、それぞれの両端からはみ出た支持体である不織布同士2か所を結び合わせてから、余分な不織布の端部をカットして取り除き、長尺方向の長さが80cmのリング状の成形品を作製した。なお、このとき、露出する不織布ができる限り少なくなるように結び合わせてカットした。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表4に示す。
さらに表4の結果より、全長80cmのリング状の成形品である実施例13は、冷涼感が3.3時間もの間持続することが確認され、身体へ装着も容易であり、かゆみも生じにくかった。
[実施例14〜16、比較例9]
前記ゲル組成物7を用い、実施例1と同様にして、成形品を作製した。但し、未架橋ゲルを75μm厚シリコン処理延伸ポリプロピレンフィルムのシリコン処理面と、75μm厚ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)との間に挟み込んでから伸展させるときの厚みを、それぞれ、0.025cm、0.04cm、0.07cm、0.15cmとした(最終厚みはそれぞれ、0.05cm、0.08cm、0.14cm、0.3cm)。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表5に示す。
[実施例17〜19、比較例10]
100μm厚ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)を8cm×45cmにカットし、長尺方向に平行に端から2cm・3cm・5cm・6cmの位置で、それぞれ同一面方向に対して谷折りの折り目をつけた。両側2か所の折り目は元の平らに戻し、中央2か所の折り目はおよそ角度90°にしてから、中央部折り目側が下になるように平らなテーブルの上に配置した。
前記ゲル組成物7を用い、適量をビニール袋に入れ、閉じたビニール袋下辺の一方の角を少しハサミで切り取り、小さな穴をあけた。次いで、ビニール袋の上端をねじり未架橋のゲルが漏出しないようにして両手で押さえ、少しずつ力を加えながら、ポリエチレンテレフタレートフィルムの中央のくぼみ部分の中に、40cmの長さに渡って、ビニール袋下辺角の穴から未架橋のゲルを少しずつ押出した。未架橋ゲルの平均の高さが0.5cmになったところで、支持体として幅1cm長さ40cmに成形した前記スパンレース不織布を用い、これを未架橋のゲルの真上にまっすぐ平らになるように配置した。その上に再び未架橋のゲルをくぼみの中に押出し、ゲルの平均高さが1cmになるようにした。
なお、未架橋ゲル押出作業中にポリエチレンテレフタレートフィルムが外側に倒れないよう、両側から金属ブロックで支えた。
次に、上部でポリエチレンテレフタレートフィルムの両端の折り目に沿って折りたたんで包んだのち、数か所をセロテープ(登録商標)で留めた。また、長尺方向の両端もテープを数か所貼りつけて未架橋ゲルが架橋前に漏出しないようにした。次いで、全体をアルミピローに入れ、熱シールして閉じてから、アルミピローごと50℃の恒温槽に入れて1週間加温しゲルを架橋させた。その後室温に戻し、長尺方向の長さ40cm、短尺方向の長さ2cm、厚み1cmの成形品を作製した(実施例17)。
同様にして、10cm×45cmで端から2cm・4cm・6cm・8cmに折り目を付けたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、長尺方向の長さ40cm、短尺方向の長さ2cm、厚み2cmの成形品(実施例18)を作製し、15cm×45cmで端から3cm・6cm・9cm・12cmに折り目を付けたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、長尺方向の長さ40cm、短尺方向の長さ3cm、厚み3cmの成形品(実施例19)を作製し、さらに20cm×45cmで端から4cm・8cm・12cm・16cmに折り目を付けたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、長尺方向の長さ40cm、短尺方向の長さ4cm、厚み4cmの成形品(比較例10)を作製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表5に示す。
表5の結果より、成形品における厚みが0.08cm未満である比較例9では、冷涼感が1.2時間持続するにとどまった。また、成形品における厚みが3cmより大きな比較例10でも、冷涼感が1.7時間持続したにすぎなかった。一方、成形品における厚みが0.08cm以上3cm以下である実施例14〜19では、冷涼感が2.0時間以上持続した。なお、いずれの成形品も、身体への装着が容易であり、かゆみも生じにくかった。
[実施例20〜21]
表2の処方を元に、ゲル組成物10及び11を得るための各成分を混合し、実施例1と同様にして、成形品を作製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表6に示す。
表6の結果より、水分含有量が65%以上95%以下である実施例20〜21であれば、冷涼感が2.8時間以上もの間持続することがわかった。
[実施例22]
前記組成物7を用い、支持体である不織布を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、成形品を作製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例23]
前記組成物7を用い、実施例1と同様にして、成形品を作製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例24]
前記組成物7を用い、製造時に用いる不織布幅を5cmとした以外、実施例1と同様にして、成形品を作製した。ただし、2cm幅にカットした際、不織布は内部に埋設せず、成形品側面の表面から不織布側面が露出している状態(それぞれ同じ寸法で含水ゲル−不織布−含水ゲルが積層された状態)とした。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例25]
前記組成物7を用い、製造時に用いる不織布の長さを39cmとした以外、実施例1と同様にして、成形品を作製した。ただし、40cm長さにカットした際、不織布が端から露出しないようにした。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例26]
前記ゲル組成物7を用い、未架橋ゲルを調製した。次いで、かかる未架橋ゲルを前記スパンレース不織布と、75μm厚ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)との間に挟み込み、厚さ0.2cmになるように伸展させたものを作製し、全体をアルミピローに入れて、熱シールして閉じた。そして、アルミピローごと50℃の恒温槽に入れて1週間加温してゲルを架橋させた後、室温に戻してからアルミピローを開封して中身を取り出し、不織布の長手方向に平行に2cm幅にカットし、さらに、最大長さが40cmとなるように両端をカットして、成形品を作製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例27]
支持体としてスパンボンド不織布(ナイロン;坪量30g/m2)を用いた以外、実施例23と同様にして首掛けゲル製剤を調製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例28]
支持体としてスパンボンド不織布(ナイロン;坪量30g/m2)を用いた以外、実施例26と同様にして首掛けゲル製剤を調製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
[実施例29]
支持体としてLDPEフィルム(厚み40μm;両面コロナ処理)を用いた以外、実施例23と同様にして首掛けゲル製剤を調製した。
次いで、得られた成形品を用い、上記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表7に示す。
実施例22〜29のいずれも冷涼感を良好に持続させることができた。
なお、支持体のない実施例22は、他の実施例に比して、使用を繰りかえすにつれてややちぎれやすい状態になる傾向にあった。また、ゲルの表面に支持体が全く露出していない場合(実施例22、25)や成形品の端部から支持体の端部が露出している場合(実施例23、27、29)、側面外周に支持体の外周端が露出している場合(実施例24)では、さらに低刺激性を有しており、支持体が片面に積層された場合(実施例26、28)では、多少かゆみが感じられた。
a:100g分銅
b:フィルム
1 ,c2:短冊試験片
d:試験片における短尺方向の長さ
e:試験片の重なり領域における長尺方向の長さ
f:引張試験機
g:試験片における長尺方向の初期長さ
X:荷重方向
Y:引っ張り方向

Claims (7)

  1. 下記測定方法(A)により求められる、含水ゲルと含水ゲルとの間の粘着力の平均最大値Xが0.3N以下である長尺状の含水ゲルから形成されてなり、
    長尺方向の長さが25cm以上80cm以下であり、かつ厚みが0.08cm以上3cm以下であり、含水ゲルの両端部が結合してリング状を呈していてもよい、首かけ用含水ゲル製剤。
    測定方法(A):試験環境23℃、相対湿度50%において、幅2cm長さ5cmの2つの試験片の一方の端部同士を幅2cm長さ3cmの領域で重ねて1分間100gの荷重をかけた後、他方の端部同士を引張り速度5mm/秒で上下方向に引っ張ったときの最大強度を5回測定し、求めた平均値を粘着力の平均最大値Xとする。
  2. 含水ゲルの水分含有量が65質量%以上95質量%以下である請求項1に記載の首かけ用含水ゲル製剤。
  3. 短尺方向と長尺方向の長さの比(短尺長さ/長尺長さ)が、0.02以上0.25以下である請求項1又は2に記載の首かけ用含水ゲル製剤。
  4. 含水ゲルの内部に支持体を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の首かけ用含水ゲル製剤。
  5. 支持体の少なくとも一部が含水ゲル表面から露出してなる請求項4に記載の首かけ用含水ゲル製剤。
  6. 支持体が含水ゲル表面から露出することなく埋設されてなる請求項4に記載の首かけ用含水ゲル製剤。
  7. 含水ゲルが冷感剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の首かけ用含水ゲル製剤。
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