JP2016112305A - 薬剤注入装置 - Google Patents

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谷田 貴彦
Takahiko Tanida
貴彦 谷田
鈴木 啓司
Keiji Suzuki
啓司 鈴木
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Toru Aoki
青木  透
真人 鍵山
Masato Kagiyama
真人 鍵山
武 今田
Takeshi Imada
武 今田
村上 健二
Kenji Murakami
健二 村上
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Abstract

【課題】結露状態における薬剤の注入動作を防止することを目的とする。【解決手段】本発明の薬剤注入装置1は、製剤の入ったカートリッジが装着され、人体に前記製剤を注入する薬剤注入装置であって、ピストン12と、ピストン駆動部13と、ハウジング2と、結露センサ14と、表示部3と、マイコン16とを備える。ピストン12は、カートリッジ7の後端を押す。ピストン駆動部13は、ピストン12を駆動する。ハウジング2には、ピストン12およびピストン駆動部13が内部に配置されている。結露センサ14は、ハウジング2内であってピストン駆動部13の近傍に設けられ、結露を検出する。表示部3は、結露が発生したことを通知する。マイコン16は、結露センサ14により結露を検出した場合、表示部3に通知を行わせる。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、インスリンや成長ホルモンなどの薬剤を自動で注入する駆動部を有する薬剤注入装置に関するものである。
従来、この種の薬剤注入装置においては、結露対策などをしたものは、ほとんどなく、専用のケースに結露対策した例のみが開示されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特表2005−515869号公開公報
上記従来例では、薬剤注入装置内に薬剤などが収納されており、薬剤注入装置を格納する格納ケースに、結露や湿気対策として乾燥剤などが設けられている。
このような従来の方法では、薬剤が収納された製剤カートリッジを収納したまま冷所に保存される薬剤注入装置においては、以下のような問題があった。
すなわち、ユーザは、薬剤注入装置内において結露が発生したことが分からないため、結露が発生しても駆動部などが動作できなくなるまで使用される場合も考えられる。また、駆動部が動作したとしても、結露による駆動部の動作不良によって適切な注入量での注入ができていない可能性も考えられる。
そこで、本発明は、結露状態での薬剤の注入を防止可能な薬剤注入装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明の薬剤注入装置は、製剤の入ったカートリッジが装着され、人体に製剤を注入する薬剤注入装置であって、ピストンと、ピストン駆動部と、筐体と、結露センサと、通知部と、制御部と、を備える。ピストンは、カートリッジの後端を押す。ピストン駆動部は、ピストンを駆動する。筐体の内部には、ピストンおよびピストン駆動部が配置されている。結露センサは、筐体内であってピストン駆動部の近傍に設けられ、結露を検出する。通知部は、結露が発生したことを通知する。制御部は、結露センサにより結露を検出した場合、通知部に通知を行わせる。
このように、本発明の薬剤注入装置では、ピストン駆動部の近傍に結露センサを搭載し、この結露センサにより、装置内の結露を検出して、その旨を通知するようにしている。そのため、結露状態での薬剤の注入を未然に防止できる。
本発明によれば、結露状態での薬剤の注入を防止可能な薬剤注入装置を提供することができる。
(a)本発明の実施の形態1にかかる薬剤注入装置を示す斜視図、(b)図1(a)の薬剤注入装置において製剤カートリッジを収納する部分が開いた状態を示す図。 (a)図1(a)の薬剤注入装置の部分透視斜視図、(b)図2(a)の要部拡大図。 図1(a)の薬剤注入装置の内部構成を示す図。 (a)図2(a)のA−A´における断面部分を別の角度から見た場合の部分透視斜視図、(b)図4(a)の要部拡大図。 図1(a)の薬剤注入装置の制御ブロック図。 図1(a)の薬剤注入装置の結露センサの構成例1を示す図。 図1(a)の薬剤注入装置の結露センサの構成例2を示す図。 図1(a)の薬剤注入装置の結露検出回路を示す図。 図3に示す薬剤注入装置の内部構成のP部の拡大図。 図9Aを模式的に示した図。 図9Aの状態からカートリッジホルダを開いた状態を示す図。 (a)図3のB−B’間における断面図、(b)図10(a)のQ部拡大図、(c)図10(a)のR部拡大図。 (a)、(b)図1(a)の薬剤注入装置の基板コーティング例を示す図。 図1(a)の薬剤注入装置の全体動作を示すフローチャート。 図1(a)の薬剤注入装置の結露検出動作(結露検出1)を示すフローチャート。 図1(a)の薬剤注入装置の表示部に表示した表示例を示す図。 図1(a)の薬剤注入装置の表示部に表示した表示例を示す図。 本発明にかかる実施の形態の変形例の薬剤注入装置の結露検出回路を示す図。 図16に示す結露検出回路における結露センサの出力波形を示す図。 図16に示す結露検出回路を用いた際の動作(結露検出2)を示すフローチャート。 本発明の実施の形態2にかかる薬剤注入装置を示す平面図。 図19の薬剤注入装置の内部構成を示す図。 図20のC−C´間の矢示断面図。 図19に示す薬剤注入装置の制御ブロックを示す図。
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1の薬剤注入装置について説明を行う。本実施の形態1の薬剤注入装置は、セミオートタイプの薬剤注入装置である。詳しくは後述するが、本実施の形態1の薬剤注入装置では、刺針および抜針はユーザによって手動で行われ、薬剤(製剤ともいう)の注入は自動で行われる。
<1.構成>
(1−1.薬剤注入装置の外観構成)
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施の形態1における薬剤注入装置1の外観図である。
薬剤注入装置1のハウジング2の外装面には、注入状態等を表示する表示部3が設けられている。ハウジング2の外装面であって表示部3の近傍には、設定データを入力したり、過去の注入履歴を参照したりする設定ボタン群4(複数のボタン)が設けられている。
また、ハウジング2の外装面には、薬剤の注入を起動する薬剤注入ボタン5も設けられている。ハウジング2の外装端面には、薬剤注入装置1の電源を入れるための電源ボタン6も設けられている。
さらに、ハウジング2の側面部には、注入する薬剤が入ったカートリッジ7を収納するカートリッジホルダ8が設けられており、カートリッジホルダ8は、回動式の開閉機構を有しており、薬剤の入ったカートリッジの装着・取り外しが容易にできる(図1(b)参照)。
つまり、通常使用時において、ユーザは、薬剤注入装置1の側面に設けられているカートリッジホルダ8を回動して開放し、図1(a)の状態から図1(b)の状態にさせて、薬剤の入ったカートリッジ7を装填する。その後、ユーザがカートリッジ7を装填した状態で、ユーザがカートリッジホルダ8を閉じると、図1(b)の状態から図1(a)の状態に戻り、薬剤注入の準備が出来る。
(1−2.薬剤注入装置の内部構成)
図2(a)は、本発明の実施の形態1における薬剤注入装置1の一部を透視した部分透視斜視図(薬剤注入装置を横にした状態)である。図2(a)の例は、ハウジング2の長手側面部分を透視した状態を示している。図3は、本実施の形態1の薬剤注入装置1の内部構成図(下から見た図)である。図3は、薬剤注入装置1の背面側外装2bを取り除いた図である。つまり、図3において、向かって手前方向が薬剤注入装置1の背面(下面)側であり、奥方向が、表示部3を有している正面(上面)側である。
図1(a)および図1(b)に示すように、ハウジング2は、正面側外装2aと背面側外装2bから構成されている。表示部3、設定ボタン群4および薬剤注入ボタン5が正面側外装2aに設けられている。
ハウジング2の先端側には、先端部9があり、その近傍のハウジング2の内側には、注射針装着部11が配置されている。注射針装着部11には、カートリッジホルダ8(図2(a)では、奥側の側面部になるので、見えていない)に収納されているカートリッジ7内の薬剤を注入するための注射針10が装着される。尚、本明細書では、説明の便宜上、電源ボタン6が設けられている側を上方又は後方とし、その反対側の注射針装着部11が設けられている側を下方、前方、または先端方向とする。
図1〜図3に示すように、カートリッジホルダ8は、薬剤注入装置1の先端側に設けられている。そして、カートリッジホルダ8は、注射針装着部11の後方の回転軸8aを中心にして後端8c側が側方に回動する(図3参照)。また、図3に示すように、薬剤注入装置1のハウジング2内には、ピストン12と、ピストン12を移動させるピストン駆動部13が設けられている。
ピストン12は、カートリッジホルダ8の後端側に前後方向に沿って配置されている。ピストン12は、ピストン駆動部13によって、前後方向に移動可能である。ピストン12が、カートリッジホルダ8に装着されたカートリッジ7内に挿入されて、カートリッジ7内の薬剤が注射針10から押し出される。
ピストン駆動部13は、送りネジ71、歯車部72、注入用モータ18、およびエンコーダ15(後述する図4(a)、(b)参照)を有している。送りネジ71は、ピストン12の後端に設けられており、送りネジ71の回転によってピストン12が前後方向に移動する。注入用モータ18は、ピストン12の内側であってピストン12に沿って配置されている。歯車部72は、複数の歯車を有しており、注入用モータ18の回転を送りネジ71に伝達する。
また、薬剤注入装置1のハウジング2内には、図2(a)および図3に示すように、上記カートリッジホルダ8やピストン12などと平行する位置に、先端部9側から、各部に電源を供給する電池20、薬剤注入装置1の制御回路などが搭載されている基板26(後述する図10参照)、及びピストン駆動部13を構成する注入用モータ18が配置されている。図2(a)の例では、この注入用モータ18の近傍に結露センサ14が搭載されている。
図2(b)は、図2(a)の要部(点線部分)拡大図である。ピストン駆動部13を構成する注入用モータ18の端部にエンコーダ15が搭載されている。エンコーダ15は、注入用モータ18とともに回転する回転スリット円板15aと、透過型フォトセンサ(図示せず)とを有している。図2(b)には、エンコーダ15の回転スリット円板15aが示されている。また、このエンコーダ15の近傍に結露センサ14が配置されている例が示されている。
この結露センサ14は、ハウジング2内の結露の発生を検出するものである。
(1−3.薬剤注入装置が扱う薬剤)
ここで、本発明の薬剤注入装置1が扱う薬剤について、説明する。
本発明の実施の形態1の薬剤注入装置では、多くの薬剤・製剤(使用時には、液体の状態でカートリッジ7内に収納または封入されている)を利用することが出来、治療に役立っている。それらの薬剤の中には、例えば、成長ホルモン剤や骨粗鬆症治療薬のように、定期的に(例:1日1回など)薬剤投与(=薬剤注入)が必要であり、且つ、未使用時には冷所(つまり冷蔵庫など)に保存する必要があるものが多い。
また、カートリッジ7内に封入されている薬剤の量は、通常、数日〜数週間分が収納されている場合が大半である。そのため、1回の投与(注入)動作で、カートリッジ7内の薬剤がなくならない。
このような場合、薬剤注入を行なった後、毎回、薬剤注入装置1のカートリッジホルダ8を開放して薬剤が残ったカートリッジ7を取り外し、次回の使用時まで、冷蔵庫などの冷所に保存にしておく必要がある。
この時、薬剤注入装置1においても、毎回、次の動作を行う必要がある。すなわち、冷所から取り出したカートリッジ7が薬剤注入装置1に装着された後、薬剤の残ったカートリッジ7の前回投与終了位置まで、後述するマイコン16によって制御されたピストン駆動部13がピストン12を予め移動させる。前回投与終了位置にピストン12が到達してから、今回の薬剤の注入量に該当する移動距離をピストン駆動部13がピストン12を先端側に移動させる。この移動により、薬剤を注射針10経由で人体に注入する動作が行われる。そして、注入が完了すると、ピストン12が原点位置まで戻されて、残った薬剤が入っているカートリッジ7が取り外し可能になる。
すなわち、毎回の薬剤注入(つまり使用)後に、薬剤の入ったカートリッジ7を取り出すためには、薬剤注入装置1側でも、ピストン駆動部13を再度起動させてピストン12を原点まで復帰させる動作を行うことになる。この動作は、電池の余分な消耗にもなる。
このように、ユーザ側も毎回カートリッジを交換することが必要となり、また、薬剤注入装置1側の動作も毎回必要となる。このように、注射ごとにカートリッジを取り出すことは、極めて面倒、且つ、時間が掛かる。
そこで、本願発明の実施形態1に示す薬剤注入装置1は、この薬剤の収納されたカートリッジ7を薬剤がなくなるまで交換する必要が無いように構成されている。
即ち、残った薬剤を封入したカートリッジ7を装填した状態のままで薬剤注入装置1毎、冷蔵庫などの冷所に保管することができる。
このように、本発明の薬剤注入装置1は、非常に操作性が良く、ユーザの利便性にも非常に役に立つ。
しかしながら、従来の薬剤注入装置では、このように薬剤注入装置ごと冷蔵庫などの冷所に保管する場合、未使用時には薬剤の残ったカートリッジ7を装填したままの状態の薬剤注入装置1が冷所に保管され、使用時には冷所から取り出されて、常温の環境で薬剤の注入動作が行われる。このような操作が繰り返し実施されることにより、従来の薬剤注入装置では、機構上および構造上、湿度の高い空気が流入すると冷所と常温環境の温度差で結露が発生する場合が考えられる。結露が発生すると、内部の金属部の錆びやその他の不具合などが生じ、試用期間が長くなるにつれて問題となり、最終的にはピストンを駆動する駆動部などが動作しなくなる可能性も考えられる。
ここで、ピストンを駆動する駆動部などの動作不可になる前の状態でも、結露などの発生後、ピストン駆動部が正しく動作して、適切な量の薬剤を注入できているか否かという問題が残る。
そこで、本発明の実施形態1の薬剤注入装置1には、結露の発生を検出するための結露センサ14が設けられている。以下、結露センサ14について説明する。
(1−4.結露センサ14)
本実施の形態1の薬剤注入装置1では、ピストン12を駆動するピストン駆動部13の近傍、特に注入用モータ18の近傍に結露センサ14が設けられている。本実施の形態1の薬剤注入装置1は、注入動作前に、結露が発生しているか否かを結露センサ14により検出し、制御部であるマイコン16により、その結露状態を判断する。マイコン16は、もし結露が発生していると判断した場合は、その状態を表示部3などに表示することにより、事前にユーザに通知する。この通知によってユーザが薬剤注入装置1の使用をやめるため、不適切な薬剤注入動作を未然に防止できる。
結露センサ14は、ピストン駆動部13の近傍に設けることで、ピストン駆動部13の結露状態をより正確に検出することができる。
また、図4(a)は、図2(a)のA−A´間における断面状態を先端側から見た図である。図4(a)に示すように、結露センサ14の設置場所は、ピストン駆動部13を構成するエンコーダ15の近傍に設けられている。
エンコーダ15は、ピストン12の移動量を測るためのもので、ピストン駆動部13を構成する注入用モータ18の回転数を測定する。そのエンコーダ15により測定された回転数から、その回転数量に応じたピストン12の移動量を求めることが出来る。この求めた移動量により、カートリッジ7内の薬剤の注入量(=投与量)が分かることになる。
また、エンコーダ15は、注入用モータ18の端部に取り付けられるものであり、従って、結露センサ14も注入用モータ18のすぐ近くに配置されることになる(図4(b)参照)。
(1−5.制御ブロック)
次に、図5は、本発明の実施形態1における薬剤注入装置1の制御ブロック80を示す図である。
図5において、本実施の形態1の薬剤注入装置1の制御ブロック80には、メインの制御部であるマイコン16が設けられており、結露センサ14、ピストン駆動部13を構成する注入用モータドライバ(駆動回路)17、エンコーダ15、及びモータ電流を測定し異常を検知する注入用モータ電流測定器19が接続されている。また、注入用モータドライバ17、注入用モータ電流測定器19及びエンコーダ15は、ピストン駆動部13を構成する注入用モータ18にも接続されている。
さらに、注入用モータ18は、ピストン12に機械的に接続されている。注入用モータドライバ17は、マイコン16からの信号を受けて、注入用モータ18に印加する電源を制御して、注入用モータ18を電磁的に回転駆動させる。エンコーダ15は、その回転する注入用モータ18の回転数をカウントする。また、注入用モータ電流測定器19は、回転駆動している注入用モータ18のモータ電流を測定する。
ここで、上述した結露などの発生により、ピストン駆動部13が動かなくなった場合や何らかの大きな負荷がかかり極端に動きが悪くなった場合などは、この注入用モータ電流測定器19により、モータ電流の異常として検知することができる。
具体的には、ピストン12の移動動作中に何らかの負荷がかかると、注入用モータ18のトルクが増加するので、動作電流が通常動作時と異なり、異常に上昇することがある。この異常が、注入用モータ電流測定器19を用いて検出される。
注入用モータ電流測定器19は、注入動作中(つまり、注入用モータ18の動作中)、注入用モータ18に流れるモータ電流をモニタリング(監視)しておき、モータ電流の異常値が出た場合には、それを検知する。
また、注入用モータ電流測定器19によりモータ電流の異常が検知された場合には、マイコン16に入力され、マイコン16により、注入用モータドライバ17が制御されて、注入用モータ18を停止することになる。
マイコン16は、表示部3(図5では、一例であるLCD(液晶表示)を示している)、データやプログラムを格納しておくメモリ23、薬剤注入ボタン5、設定ボタン群4、検出スイッチ24、及び、警報・報知するブザー25と接続されている。
ここで、検出スイッチ24には、例えば、カートリッジ7がカートリッジホルダ8に装填されていることを検知するカートリッジ検出スイッチやピストン12が原点位置に戻っているかどうかを検出する原点検出スイッチ、または、注射針10が注射針装着部11に装着されていることを検知する針検出スイッチなどがある。
また、マイコン16は、LEDドライバ21とも接続されており、LEDドライバ21経由で、表示部3であるLCD(液晶表示)用のバックライトであるLED22の点灯制御を行なう。
電池20は、制御ブロック80(図5において、点線で囲まれている範囲の各部)に電源を供給するものであり、電源スイッチ(電源ボタン)6により、電源の供給/停止が切り替えられる。
(1−6.結露センサ・結露検出回路)
図6および図7は、結露センサ14の構成の一例を示す図である。図6に示す結露センサ14の一例を14aとし、図7に示す結露センサ14の一例を14bとする。
図6に示す結露センサ14aでは、上端と下端を他のパターンに接続し、それぞれが櫛形になるように形成されている。
詳細には、結露センサ14aは、第1電極パターン101と第2電極パターン102を有している。第1電極パターン101は、線状部分101aと、2つの突出部分101bとを有している。第2電極パターン102は、線状部分102aと、2つの突出部分102bとを有している。線状部分101aと線状部分102aは互いに略平行に形成されている。2つの突出部分101bは、線状部分101aから垂直に線状部分102aに向かって形成されている。2つの突出部分102bは、線状部分102aから垂直に、線状部分101aに向かって形成されている。2つの突出部分101bの間に1つの突出部分102bが配置され、2つの突出部分102bの間に1つの突出部分101bが配置されている。
これら第1電極パターン101および第2電極パターン102は、銅箔を露出しているため、腐食による性能低下が発生しないようにメッキ処理(例えば、金メッキ、はんだメッキなど)が行われている。
向かい合う第1電極パターン101と第2電極パターン102が櫛状に配置されているので、線状部分101aおよび2つの突出部分101bと、線状部分102aおよび2つの突出部分102bのいずれかの間に結露が発生すれば抵抗成分が発生して結露を検出することができる。
この結露センサ14aのタイプは、結露に対して感度を高く検出することができるが、一方、小さな異物に反応してしまう過敏な面も持ち合わせている。
次に、他の結露センサ14の構成について説明する。図7は、別の結露センサ14bを示す図である。図7に示す別の結露センサ14bの実施例では、図6と比較して、櫛形のパターンがそれぞれ独立しているため、すべてのパターンの間に結露が発生しないと結露を検出できない構成となっている。そのため、小さな異物で敏感に反応することはなく、結露検出の安定性は、上記図6の結露センサ14aより良い。
一方、結露センサとしての検出感度は、結露センサ14aよりは、若干低いものとなる。
詳細には、結露センサ14bは、第1電極パターン103と、第2電極パターン104を有している。第1電極パターン103は、線状部分103aと、線状部分103aから垂直に形成された突出部分103bと、線状部分103aとは離間した離間部分103cとを有している。第2電極パターン104は、線状部分104aと、線状部分104aから垂直に形成された突出部分104bと、線状部分104aとは離間した離間部分104cとを有している。突出部分103b、離間部分103c、突出部分104b、離間部分104cは、互いに平行に形成されている。離間部分103cおよび離間部分104cは、突出部分103bと突出部分104bの間に配置されている。
図8は、結露を検出する結露検出回路110を示す図である。
結露検出回路110は、スイッチ(Sw)111と、第1抵抗112と、結露センサ14と、第2抵抗113と、第3抵抗114と、トランジスタ115とを有している。Sw111は、Vcc端子に接続されている。結露センサ14は、Sw111と第1抵抗112を介して接続されている。結露センサ14はトランジスタ115のベースに接続されている。トランジスタ115のエミッタは、グランドに接続されている。トランジスタ115のコレクタは、第2抵抗113を介してSw111に接続されている。第2抵抗113とトランジスタ115の間からVout端子が引き出されている。結露センサ14とトランジスタ115のベースとの間は、第3抵抗114を介してグランドに接続されている。
結露センサ14が有する抵抗をRhとした場合に、図8において、結露が発生していないときは抵抗Rhが極大であるので、トランジスタ(TR)115がONせずに、Vout=Vccになる。
このVout端子は、マイコン16の入力ポートに接続されている。
結露が発生した場合には、抵抗Rhが数十kΩ〜数百kΩの抵抗を持つようになり、トランジスタ(TR)115のベース端子に電流が流れ込み、トランジスタ115がONして、Vout=0(GND)のレベルになる。
また、マイコン16は、結露検出回路110のスイッチ(Sw)111をONして、結露センサ14を動作させると同時に、Voutの入力ポートを監視して、High(=Vccレベル)からLow(=GNDレベルへの)状態変化が起これば先述のように結露が発生したと判断する。
(1−7.結露対策構造)
上述で、結露センサ14を設けた場合を説明したが、結露発生は出来るだけ少ないに越したことはない。そのため、本実施の形態1の薬剤注入装置1は、結露発生を最小限にするため結露対策構造を有している。
薬剤注入装置1の場合の例における、結露対策について、以下に説明する。図9A〜図9Cおよび図10は、本実施の形態1の薬剤注入装置1の結露対策構造を説明するための図である。
結露は、通常、冷たい空気が暖かい部分に触れたりして起こる。つまり、温度差が大きいと発生しやすい。また、空気の流れがあると、温度差が大きい状態が発生し易いことも、よく知られている。
従って、結露対策として、空気の流れを最小限にする構造、いいかえると、空気の流れを出来るだけ遮るような構造が用いられている。即ち、外気などが薬剤注入装置内に入らないようにすることが重要になる。
本願発明の薬剤注入装置1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、カートリッジ7を交換するために可動式のカートリッジホルダ8が設けられている。カートリッジホルダ8はハウジング2に対して回動するために、カートリッジホルダ8とハウジング2の間には隙間が形成され、その隙間から空気が流入しやすい。
図9Aは、図3の薬剤注入装置1の先端部分を示すP部(点線の円内)拡大図である。図9Bは、図9Aを模式的に示した図である。図9Cは、図9Bの状態からカートリッジホルダ8を開いた状態を示す図である。図10は、図3のB−B’間の断面図である。図10では、下方が背面側、図上方が正面側を示している。
図3に示すように、カートリッジホルダ8が、薬剤注入装置1の先端側(図3において向かって左側)に設けられている。カートリッジホルダ8は、その先端部分に、注射針10を脱着自在に装着できる注射針装着部11を有している。カートリッジホルダ8の後端側(図3において向かって右側)には、カートリッジホルダ8内に収納される薬剤が入ったカートリッジ7の後端部を押して、薬剤注入を行なうためのピストン12が配置されている。ピストン12の近傍(図3において、ピストン12の上側)には、ピストン12と連携する注入用モータ18が配置されている。また、カートリッジホルダ8の近傍(図3において、カートリッジホルダ8の上側)には、電池20が搭載されている。
また、カートリッジホルダ8は、図9Bおよび図9Cに示すように、矢印Xの方向に回動して開閉し、薬剤の入ったカートリッジ7を装着したり、取り出したり出来る構造である。
図9A〜図9Cに示すように、カートリッジホルダ8が矢印X(図3参照)に回動した場合、カートリッジホルダ8は、その先端側に設けた回転軸8aを支点にして回転する。カートリッジホルダ8の回転軸8aの内側部分8eには、バネ部材70の一端が固定されている。バネ部材70の他端はハウジング2に固定されている(不図示)。
このバネ部材70によってカートリッジホルダ8は開放する方向に付勢されている。なお、図示しないロック機構によって、カートリッジホルダ8は閉じた状態が保持される。
このように、カートリッジホルダ8は開閉可能に構成されている。従来の同様に開閉して薬剤の入ったカートリッジを交換するので、必然的に外部からの空気が流入し易く、結露が発生する要因となる。
本実施の形態1の薬剤注入装置1では、図9Aの点線部分内の機構は、重なりあうような構造になっており、空気が容易に流入できず、結果的に結露の発生を大幅に軽減している。
即ち、ハウジング2の先端側の端部2cは、カートリッジホルダ8の先端側に設けた段差のある延在部8bと重なり合うような構造になっており、空気の流入を難しくして、結露発生防止を向上させている。
図9Bは、図9Aを模式的に示した図である。図9Cは、図9Bの状態からカートリッジホルダ8を開いた状態を示す図である。図9Bおよび図9Cに示すように、注射針装着部11は、カートリッジホルダ8は、注射針装着部11の根元部分に先端面8dを有している。また、ハウジング2は、先端面2sを有している。先端面2sのカートリッジホルダ8側の端部2cと、カートリッジホルダ8の先端面8dとの間には隙間Sが形成されている。そして、延在部8bは、カートリッジホルダ8が閉じられた状態において隙間Sを内側から覆うように形成されている。すなわち、隙間Sから空気が流入した場合であっても、空気の流れは延在部8bに衝突するため、空気が薬剤注入装置1内に入り難い。
また、薬剤注入装置1は、図10(a)に示すように、背面近くであって背面に沿って配置された基板26を有している。図10(a)は、図3のB−B´間における断面図である。基板26には、制御ブロック80が搭載されている。基板26は、背面側外装2bに形成されているリブ50、51によって固定されている。リブ50は、背面側外装2bの内側であって、図10(a)に示す左側の点線内部に設けられている。リブ51は、背面側外装2bの内側であって、図10(a)に示す右側に設けられている。リブ50およびリブ51によって、基板26の縁が(コネクタ接続箇所を除いて)背面側外装2bで仕切られている。すなわち、リブ50、51によって、基板26の上方空間と基板26の下方空間が仕切られており、薬剤注入装置1は、空気の流れを遮る構造を有している。
また、ハウジング2は、正面側外装(表示部3がある側:図10(a)における上面)2aと背面側外装2b(図10(a)における下面)で構成されており、正面側外装2aと背面側外装2bの取り付け部分(結合部分ともいう)の構造も、相互に重なる部分を設けることにより、薬剤注入装置1の外部からの空気の流入を防止している。
図10(b)は、図10(a)のQ部(左側の点線円の部分)拡大図であり、図10(c)は、図10(a)のR部(右側の点線円の部分)拡大図である。Q部およびR部は、正面側外装2aと背面側外装2bの接合部分を示す。
図10(a)〜図10(c)に示すように、正面側外装2aは、断面において逆Uの字形状であり、その下端200には、当接面201と、突出部202が形成されている。突出部202は、下端200の内側が下方に向かって突出している。当接面201は、突出部202の外側であって、基板26と略平行(図中水平方向)に形成されている。
一方、背面側外装2bは、断面においてUの字形状であり、その上端210には、挿入部211と、当接部212と、溝部213が形成されている。挿入部211は、上端210の内側が上方に向かって延びて形成されており、正面側外装2aの内側に接するように挿入される。当接部212は、挿入部211よりも外側に形成されており、上方に突出し、当接面201に当接している。溝部213は、挿入部211と当接部212の間に形成されており、突出部202が溝部213に嵌っている。
内側から視て、背面側外装2bの当接部212と正面側外装2aの当接面201の間に重なるように、正面側外装2aの突出部202が形成され、更に、この突出部202と背面側外装2bの溝部213の間の隙間に重なるように背面側外装2bの挿入部211が形成されている。
このように正面側外装2aの下端部分と背面側外装2bの上端部分が交互に重なるように配置・構成することによって、たとえ当接部212と当接面201の間から空気が侵入した場合であっても、突出部202に空気の流れが当たって遮られる。さらに、空気が、突出部202と溝部213の間の隙間から装置内部に侵入しようとしても、挿入部211によって遮られる。
これらの機構・構造により、結露発生を軽減することができ、薬剤注入装置1の安定稼動に貢献することが出来る。
次に、図11(a)と図11(b)は、本願発明の薬剤注入装置1内に搭載している基板26の結露対策例を示す図である。
図11(a)が表面(表示部3側の面)、図11(b)が、その裏面(背面側の面)である。
斜線部分がコーティングされた部分26a、26bを示している。図11(a)および図11(b)に示すように、接続部分であるコネクタ52〜57、及び、光学部品58〜60、及び、結露センサ14以外のほとんどの部分がコーティングされている。
ここで、コネクタ52〜57は、注入用モータ18や表示部3であるLCDとの接続用などであり、光学部品58〜60は、光センサ(ラベル判別)、原点検出、エンコーダ用のフォトインタラプタなどである。
これらの部品は、それぞれの部品の特性に影響が出て正しく機能しない可能性があるために、コーティング剤は塗布されない。
また、コーティング剤としては、防水、絶縁効果のあるものであれば、フッ素系、シリコン系、ゴム系、ポリウレタン系などが使用可能である。
基板26に搭載される電子部品は、特に、湿気、水分などは不適であるため、上記のように、コーティング剤により、防水および絶縁することで薬剤注入装置1の安定動作に貢献する。
<2.動作>
(2−1.基本動作)
次に、図12は、本発明の実施形態1における薬剤注入装置1の基本的な動作を示すフローチャートである。
まず、薬剤注入装置1の天面(後端)にある電源ボタン6(図1(a)参照)が押下されることにより、薬剤注入装置1の電源がON状態となる(電源ON:ステップS1)。
これにより、制御部であるマイコン16にも電気が供給され、マイコン16の指令(信号に)により、電源ON状態が維持される。
上記のように電源がONされると、薬剤注入装置1では、電源立上げ時のスタートアップ処理(マイコン16の設定、LCDバックライトであるLED22の点灯、初期表示など)が行なわれ、薬剤注入装置1の準備が行なわれる(立上げ処理:ステップS2)。
次に、上記の立上処理が完了すると、結露検出処理に移りマイコン16(制御部の一例)は、結露センサ14をチェックし、結露が発生しているか否かを判断する(結露検出処理:ステップS3)。
ここで、もし結露の発生を検出すると、マイコン16は、その結露状態を表示部(LCD)3に表示したり、ブザー25を鳴動させ警報通知したりする。それにより、ユーザに薬剤注入装置1の使用を中止させることが出来る。
また、結露を検出した場合は、警告メッセージなどを表示通報するだけでなく、ピストン駆動部13を駆動禁止として、起動させないようにすること(例えば、注入用モータドライバ17に電源供給を停止するなど)もできる。
これは、間違って、薬剤注入ボタン5などが押されたとしても、警告を無視して、ピストン駆動部13を起動させないようにするためである。
結露センサ14を使用した結露検出方法についての詳細は、後述する。
結露が発生していない場合は、薬剤の投与(=注入)準備に移り、投与(注入)履歴の確認、投与量の設定(必要に応じて)、薬剤のカートリッジ7の装着及び確認、注入のための注射針10の装着及び確認、薬剤が封入されたカートリッジ7の種別判定処理(製剤の判別・確認)などが実施される(ステップS4)。
上記の確認などが完了すれば、空気抜き処理が行なわれる(ステップS5)。
空気抜きとは、薬剤(液状である)の封入したカートリッジ7内の気泡やそのカートリッジ7の先端部に装着した注射針10の中空内にある空気を除去する動作のことであり、薬剤注入動作の前に行う動作である。
次に、刺針動作が行われる(ステップS6)。
これは、ユーザが、薬剤注入装置1の先端側に装着した注射針10を人体に刺す動作のことである。本実施の形態1の薬剤注入装置1は、刺針および抜針についてはユーザが手動で行う必要があるセミオートタイプである。そのため、刺針動作が手動によって行われる。なお、後述する実施の形態2のフルオートタイプでは、専用の刺針用モータ駆動部が設けられているため、刺針用モータ駆動部を起動することにより自動で刺針することができる。
刺針する場所は、おなか回り、太もも、お尻など比較的痛点の少ない場所を選ぶほうが好ましい。
刺針動作が完了すると、薬剤投与(注入)動作が行われる(ステップS7)。
ここでは、マイコン16は、ピストン駆動部13を起動して、ピストン12を先端側に移動させる。それにより、薬剤の入ったカートリッジ7の後端部のガスケットをピストン12が押す。このようにガスケットが先端側に押されることで、カートリッジ7の内部の薬剤(薬液)が、先端側の注射針10を経由して、人体に所定量分、注入される。
このときに、所定量は、ピストン12の移動量により検出されている。
具体的には、ピストン駆動部13を構成する注入用モータドライバ17で注入用モータ18が回転駆動される。その時に、その注入用モータ18の回転数はエンコーダ15により検出されている。そのエンコーダ15によって検出される回転数から、ピストン12の移動量が求められる(図5参照)。そして、その求めたピストン12の移動量と、予め設定している薬剤の注入量(投与量)に対応した移動量とを比較して、薬剤の所定量の注入が行われる。
薬剤の注入動作が完了すると、所定時間経過後、抜針動作が行われる(ステップS8)。つまり、薬剤(薬液)投与後、所定の保持時間(薬剤が確実に人体内に入りきる時間)待機して、その後、注射針10が人体から抜かれる。
セミオートタイプでは、手動で注射針10を抜くことになるが、フルオートタイプでは、上記の刺針・抜針専用のモータにより、自動で抜針動作を行うことが出来る。
抜針動作が完了すると、終了処理が行われる(ステップS9)。
ここでは、使用した注射針10の取り外し、投与履歴の確認、次回投与の確認などがおこなわれる。
最後に、電源がOFFされる(ステップS10)。
具体的には、ユーザが電源ボタン6を一定時間押下することにより、マイコン16は「終了」を検知する。終了の検知によりマイコンなどのシャットダウン処理(一部メモリーデータの退避など)、および電源OFFシーケンスの実行などが来なわれ、薬剤注入装置1の電源OFFが行われる。
以上が、薬剤注入装置1における一連の動作である。
(2−2.結露検出処理)
次に、今回の発明の特徴である結露センサ14を使用した結露状態を検出する結露検出処理(図12におけるステップS3)について、図13〜図15を用いて、以下、詳細に説明する。
次に、図13に示すフローチャートを使って、図8に示す結露検出回路110を利用した場合の結露検出処理の流れ(シーケンス)を、以下に説明する。
図13に示す結露検出処理1(結露検出シーケンス1)において、まず、図8に示す結露検出回路110のSw111がONされ、結露検出電源がON状態となる(図13のステップS11)。つまり、結露センサ14に電源が供給され、結露センサ14が使用可能状態にされる。
次に、結露センサ14からの出力がチェックされる(図13のステップS12)。
ここで結露していない場合、結露センサ14のパターンは開放状態(OPEN状態)であるので、図8の結露検出回路110のベース電圧Vb=0のため、トランジスタ(TR)115はONせず、Voutには、“High”が出力される。
マイコン16が、Voutの“High”を検知すると、「結露が発生していない」として、結露検出回路110のスイッチ(Sw)111をOFFして、結露検出電源をOFFし、結露検出処理1が終了される(図13のステップS13)。そして、次の「投与準備」動作(図12のステップS4)に制御が移行する。
また、上記ステップS12において、結露が発生している場合は、結露センサ14のパターンがショート(短絡)して通電すると、ベース電圧Vbに電圧が現れるので、トランジスタ(TR)115がONして、Voutには、“Low”が出力される。
マイコン16が、Voutの“Low”を検知すると、「結露が発生している」として、スイッチ(Sw)111がOFFされて、結露電源がOFFされる(図13のステップS14)。結露電源のOFFとともに、図14のように、マイコン16が、表示部3に「結露が発生した」旨を示す結露警告表示(表示画面3a)を行なわせ、「結露発生」フラグをメモリに記憶する(図13のステップS15)。
ここで、図14の結露警告表示を示す表示画面3aには、同時に、薬剤注入装置1の電源をシャットダウンする(電源を切る)ことの確認のため、決定キー27の押下を促す問合せ表示も行なっている。この時、ユーザにより決定キー27が選択されると、薬剤注入装置1のマイコン16にて、終了処理(エラー終了処理)が実行される(図13のステップS16)。その後、主電源(薬剤注入装置1の電源)がOFFされる(図13のステップS17)。
もし、ステップS15において決定キー27が押下されない場合は、一定時間経過後(例えば、30秒程度)、マイコン16が自動的に終了処理(エラー終了処理)を実行する(図13のステップS16)。その後、主電源(薬剤注入装置1の電源)がOFFされる(図13のステップS17)。
また、結露発生時には、異常終了であるので、制御は、薬剤の投与準備や投与動作には移行しない。
次に、図15の警告表示(表示画面3b)についてであるが、これは、上記の結露が発生した結露警告表示(表示画面3a)と関連する表示を示す。表示画面3bは、薬剤注入装置1の電源をONした時点で、上記の「結露発生」フラグがONになっていた場合に行なう、「デバイスエラー」を示す警告表示(表示画面3b)である。
具体的には、結露発生後、薬剤注入装置1はエラー終了して電源がOFFされるが、その結露発生後に、薬剤注入装置1の電源がONされた場合も(図12のステップS1)、薬剤注入動作を禁止する必要がある。そのため、図12の立ち上げ処理ステップS2を実行する時に、上述の「結露発生」フラグをチェックする。もしこの「結露発生」フラグがONであれば、マイコン16は、図15の結露発生による「デバイスエラー」警告表示(表示画面3b)を表示部3に行う。
また、当該警告表示を行う時も、上述の結露発生警告表示(表示画面3a)と同様に、警告表示と同時に薬剤注入装置1の電源をシャットダウンする(電源を切る)ことの確認のため、決定キー27の押下を促す問合せ表示も行なわれる。
以降の処理は、上記の結露発生時と同様である(図13のステップS16,ステップS17参照)。
この図15に示す警告表示(表示画面3b)の目的は、結露が発生している状態で、薬剤注入動作を行うのは危険であるので、それを禁止するためである。また、薬剤注入装置1を結露対策している場合において、結露が発生していることは、他の要因(例えば、落下等により薬剤注入装置1が壊れており、結露対策部分に亀裂などが入っている場合など)も考えられる。そのため、結露対策をしている場合であっても、やはり安全上、薬剤注入動作を禁止する必要がある。
<3.特徴>
本実施の形態の薬剤注入装置1は、製剤の入ったカートリッジが装着され、人体に製剤を注入する薬剤注入装置であって、ピストン12と、ピストン駆動部13と、ハウジング2(筐体の一例)と、結露センサ14(14a、14b)と、表示部3(通知部の一例)と、マイコン16(制御部の一例)とを備える。ピストン12は、カートリッジ7の後端を押す。ピストン駆動部13は、ピストン12を駆動する。ハウジング2には、ピストン12およびピストン駆動部13が内部に配置されている。結露センサ14は、ハウジング2内であってピストン駆動部13の近傍に設けられ、結露を検出する。表示部3は、結露が発生したことを通知する。マイコン16は、結露センサ14により結露を検出した場合、表示部3に通知を行わせる。
このように、本実施の形態の薬剤注入装置1では、ピストン駆動部13近傍に結露センサ14を搭載し、この結露センサ14により、装置内の結露を検出して、その旨を通知する。そのため、結露状態での薬剤の注入を防止できる。
ここで、結露センサ14をピストン駆動部13の近傍に設けるのは、ピストン駆動部13が結露しているかどうかを、近傍に配置した結露センサ14により検出しようとするためである。結露センサ14により、薬剤の適切な注入に不可欠なピストン駆動部13の結露状態を検出し、結露状態と判断した場合は、薬剤の注入には適さないため、結露状態を警告表示したり、それに加えて、ピストン駆動部13の動作を禁止したりする。これにより、薬剤の不適切な注入動作を防止できる。
また、本実施の形態の薬剤注入装置1は、少なくとも結露センサ14による結露のセンサを行うことが出来れば、たとえ結露対策構造を有していなくても、結露状態における薬剤の注入を防止できる。
<4.他の実施形態>
(A)
次に、上記の結露検出回路110の変形例として、図16および図17を使って、以下に説明する。
図16は、上記実施の形態の変形例のひとつである結露検出回路120(結露検出方法2:抵抗値/電圧値)について示す図である。
結露検出回路120は、スイッチ(SW)121と、抵抗122と、結露センサ14と、電圧バッファ123とを有している。スイッチ121は、結露センサ14は、SW121と接続されている。結露センサ14は電圧バッファ123を介してVout端子に接続されている。電圧バッファ123と結露センサ14の間にはグランドに接続されている抵抗122が接続されている。結露センサ14の抵抗をRhとし、抵抗122の抵抗をRbとする、
図16の結露センサ14は、結露が発生していない場合は、結露センサの有する抵抗Rhは極大の抵抗を有する。そのため、スイッチ(Sw)121をONして電源を供給しても、Vout=Rb/(Rb+Rh)*Vcc≒0になる。
結露が発生すると、Rhは数十kΩ〜数百kΩの抵抗に変わるので、Vout≠0となり(つまり、Voutの電圧は、0Vとはならず)、Voutに図17に示すようなアナログ電圧の出力として現れる。
また、Voutの(アナログ電圧)出力は、この場合、制御ブロック内のADコンバータ(アナログ・デジタル変換器:図示せず)に接続され、そのADコンバータの出力(つまり、Voutの電圧を示すデジタル値)が、マイコン16の入力ポートに入力される。
図17に示すグラフは、X軸を時間、Y軸をVoutのアナログ出力として表したもので、結露発生の状態(tk)及びその前後の状態を示す図である。図17において、結露発生(tk)後に徐々に電圧が低下しているのは、時間の経過と共に結露が乾燥しているためである。
つぎに、図18のフローチャートを使って、変形例である結露検出回路120を利用した場合の結露検出処理2(結露検出シーケンス2)について、以下、説明する
まず、図16に示す結露検出回路120のスイッチ(Sw)121がONされ、結露検出電源がONされる(図18のステップS21)。つまり、結露センサ14に電源を供給し、結露センサ14が使用可能状態となる。
次に、結露センサ14からの出力がチェックされる(図18のステップS22)。
ここで、結露が発生していない場合、結露センサ14の有する抵抗Rhの値は極大の抵抗値を有するため、スイッチ(Sw)121をONして、結露センサ14に電源を供給しても、出力端子電圧は、Vout=Rb/(Rb+Rh)*Vcc≒0になる。
このVoutのアナログ出力が、上記のADコンバータ経由で、マイコン16の入力ポートに入力される。マイコン16が、Voutの電圧値を0と認識すると、「結露が発生していない」として、結露検出回路120のスイッチSw2がOFFされて、結露検出電源がOFFされ、結露検出処理2は終了する(図18のステップS23)。そして、制御は、次の「投与準備」動作(図5のステップS4)に移行する。なお、結露がない場合であってもノイズなどによって電圧値は完全には0にはならないため、ステップS22では、ノイズ等によっては超えない所定値の閾値が設定されており、その閾値よりも低い場合に結露が発生していないと判断される。
また、上記ステップS22において、結露が発生している場合は、結露センサ14の有する抵抗Rhは数十kΩ〜数百kΩの抵抗に変化するので、Vout≠0となり(つまり、Voutの電圧が0とはならず)、Voutには、図16のtkにおけるアナログの電圧が現れる。
この出力が、ADコンバータ経由でマイコン16の入力ポートから入力され、マイコン16が、Voutの出力が0でないと認識すると、「結露が発生している」と判断する。そして、マイコン16は、スイッチSw2をOFFして、結露電源をOFFにする(図17のS24)。マイコン16は、結露電源をOFFするとともに図14のように、表示部3に、「結露が発生した」旨を示す結露警告表示(表示画面3a)を行ない、「結露発生」フラグをメモリに記憶する(図18のステップS25)。
ここで、ユーザにより決定キー27(図14参照)が選択されると、薬剤注入装置1のマイコン16にて、終了処理(エラー終了処理)が実行される(図18のステップS26)。その後、主電源(薬剤注入装置1の電源)がOFFされる(図18のステップS27)。
決定キー27が押下されない場合は、一定時間経過後(例えば、30秒程度)、マイコン16が、自動的に終了処理(エラー終了処理)を実行する(図18のステップS26)。その後、主電源(薬剤注入装置1の電源)がOFFされる(図18のステップS27)。
また、この結露発生時には、異常終了であるので、制御は、薬剤の投与準備や投与動作には移行しない。
すなわち、結露が発生したことは、薬剤の適切な注入動作を行う条件が整っていないと判断されるため、次の薬剤注入動作に移行しない。そのため、薬剤の不適切な注入動作を防止することになるのである。
(B)
上記実施の形態では、マイコン16は、結露が発生したと判断すると表示部3に警告表示を行わせていたが、これに限られなく、例えばブザー25(図5参照)によって警告表示を行わせてもよい。
(実施の形態2)
次に、本願発明の実施形態2について、以下説明する。本実施の形態2の薬剤注入装置31は、実施形態1の薬剤注入装置1とは異なり、製剤を人体に皮膚に注入する注射針10(図2(a)参照)を人体に刺す動作(刺針動作)及び、人体から注射針を抜く動作(抜針動作)も自動で行なうことが出来るフルオートタイプの薬剤注入装置である。なお、上述の実施の形態1と同一のものについては同符号を付して、説明は省略する。
<1.構成>
(1−1.薬剤注入装置の外観構成)
図19は、本発明にかかる実施の形態2における薬剤注入装置31の正面図である。
本実施の形態2の薬剤注入装置31のハウジング32の後端側面には、薬剤注入装置31の電源をONにするための電源ボタン34が配置されている(図19の例では、向かって右側端部に設けられている)。また、ハウジング32の正面の外表面には、設定データや各種メッセージを表示する表示部33が設けられている。表示部33の近傍には、完了ボタン35、空気抜きボタン36、および薬剤注入ボタン37が設けられている。完了ボタン35は、次のステップへ移行するため、または終了するためのボタンである。空気抜きボタン36は、空気抜きを起動させるためのボタンである。薬剤注入ボタン37は、薬剤の注入動作を起動するためのボタンである。
ハウジング32の先端側(図19の例では、向かって左側)には、取外し可能な先端キャップ38が装着されており、その内部には、製剤の入ったカートリッジを収納したカートリッジカバー39が装着されている。なお、以下、薬剤注入装置31の先端キャップ38側を先端側とし、その反対側を後端側として説明する。また、本実施の形態2の薬剤注入装置31のハウジング32は、表示部33が設けられている手前側の正面側外装32aと、紙面奥側の背面側外装32b(図20参照)によって構成される。
(1−2.薬剤注入装置の内部構成)
図20は、本実施の形態2の薬剤注入装置31の内部構成を示す図であり、正面側外装32aを取り外した状態を示す図である。図21は、図20のC−C´間の矢示断面図である(図19の例では、右方向(後端側)から見た断面図になる)。
図20および図21に示すように、薬剤注入装置31は、主に、カートリッジ装着部91を有するインナーケース90と、ピストン12と、注入用モータ18と、刺針抜針用モータ43と、を有している。カートリッジ装着部91は、インナーケース90の先端側の開口部分である。この開口部分に、カートリッジカバー39内に収納されてカートリッジ7が着脱可能に装着される。なお、図20では、カートリッジ7およびピストン12が点線で模式的に示されている。カートリッジ7の後側であってインナーケース90の内側にはピストン12が前後方向に移動可能に配置されている。ピストン12はカートリッジ7内の製剤を前方へと押し出す。注入用モータ18は、インナーケース90の後側に配置されており、ピストン12を前後方向に駆動する。刺針抜針用モータ43は、注入用モータ18に並んで配置されており、インナーケース90、ピストン12および注入用モータ18を前後方向に移動する。刺針抜針用モータ43の駆動により、インナーケース90に装着されているカートリッジカバー39も前後方向に移動する。これにより、カートリッジカバー39の先端の注射針装着部39aに装着される注射針も前後方向に移動し、刺針および抜針を行える。
図21に示すように、注入用モータ18の後端側には、エンコーダ15が設けられている。エンコーダ15は、注入用モータ18とともに回転する回転スリット円板15aと、回転スリット円板15aの回転を検出する透過型フォトセンサ15bとを有している。実施の形態1でも説明したが、エンコーダ15によってピストン12の移動量が算出でき製剤の注入量を算出できる。また、注入用モータ18の正面側には、基板92が設けられており、基板92に透過型フォトセンサ15bが実装されている。なお、基板92は、図21では、斜線で示されている。
結露センサ14は、刺針抜針用モータ43の側方近傍であって注入用モータ18の正面側の基板92に配置されている。このように、本実施の形態2では、結露センサ14は、注入用モータ18および刺針抜針用モータ43の近傍に配置されている。
(1−3.制御ブロック)
このフルオートタイプの薬剤注入装置31の内部に搭載されている制御ブロック93について、図22を使用して、以下に説明する。図22は、本実施の形態2の薬剤注入装置31の制御ブロックを示す図である。
図22に示すように、制御ブロック93には、メインの制御部であるマイコン16があり、結露センサ14、ピストン駆動部13を構成する注入用モータドライバ(駆動回路)17、エンコーダ15及びモータ電流を測定し異常を検知する注入用モータ電流測定器19が接続されている。また、注入用モータドライバ17、注入用モータ電流測定器19及びエンコーダ15は、ピストン駆動部13を構成する注入用モータ18にも接続されている。
さらに、注入用モータ18は、ピストン12に機械的に接続されている。注入用モータドライバ17は、注入用モータ18を電磁的に回転駆動させる。エンコーダ15は、その回転する注入用モータ18の回転数をカウントする。また、注入用モータ電流測定器19は、回転駆動している注入用モータ18のモータ電流を測定する。
注入用モータ電流測定器19は、注入動作中(つまり、注入用モータの動作中)、注入用モータに流れるモータ電流をモニタリング(監視)し、モータ電流の異常値が出た場合には、それを検知する。
また、モータ電流の異常を検知した場合には、注入用モータ電流測定器19からマイコン16に入力され、マイコン16により注入用モータドライバ17が制御されて、注入用モータ18が停止される。
マイコン16は、表示部33(図19では、一例であるLCD(液晶表示)を示している)、データやプログラムを格納しておくメモリ23、薬剤注入ボタン37、完了ボタン35、空気抜きボタン36、検出スイッチ40、及び、警報・報知するブザー25と接続されている。
ここで、検出スイッチ40には、例えば、カートリッジ7がカートリッジカバー39とともに、薬剤注入装置1に装着されていることを検知するカートリッジ検出スイッチ、ピストン12が原点位置に戻っているかどうかを検出する原点検出スイッチ、注射針10を装着したカートリッジカバー39が刺針位置にあることを検出する刺針位置検出スイッチ、カートリッジカバー39が抜針位置にあることを検出する抜針位置検出スイッチ、注射針10がカートリッジカバー39先端部に設けられた注射針装着部11に装着されていることを検知する針検出スイッチ、または、先端キャップ38が薬剤注入装置31のハウジング32の先端側に装着されていることを検知するキャップ装着検出スイッチなどがある。
また、マイコン16は、LEDドライバ21とも接続されており、LEDドライバ21経由で、表示部33であるLCD(液晶表示)用のバックライトであるLED22の点灯制御を行なう。
電池20は、制御ブロック(図22において、点線で囲まれている範囲の各部)に電源を供給するものであり、電源スイッチ(電源ボタン)34により、電源の供給/停止が切り替えられる。
実施形態2の特徴である刺針動作及び抜針動作を駆動するのは、スライドモータ駆動部41を構成する刺針抜針用モータドライバ42、刺針抜針用モータ43、及び、刺針抜針用モータ電流測定器44である。
刺針抜針用モータ43は、インナーケース90および注入用モータ18などに機械的に接続されている。刺針抜針用モータドライバ42は、刺針抜針用モータ43を電磁的に回転駆動させる。また、刺針抜針用モータ電流測定器44は、回転駆動している刺針抜針用モータ43のモータ電流を測定する。
刺針抜針用モータ電流測定器44は、インナーケース90および注入用モータ18をスライド動作させている間、刺針抜針用モータ43に流れるモータ電流をモニタリング(監視)し、モータ電流の異常値が出た場合には、それを検知し、制御部であるマイコン16に、その信号を出力する。
<2.動作>
これらを用いて、以下に実施形態2のフルオートタイプの薬剤注入装置31における刺針動作、抜針動作を含む一連の薬剤注入動作について、以下、説明する。
製剤の入ったカートリッジ7がカートリッジカバー39内に収納されて、薬剤注入装置31の先端側から挿入される。その後、先端キャップ38が、カートリッジカバー39を覆うように、薬剤注入装置31のハウジング32の先端側に装着される(図19参照)。
次に、注射針10が、カートリッジカバー39の先端部に設けた注射針装着部39aに装着される(図20参照)。
その状態で、ユーザが電源ボタン34を押下して、薬剤注入装置31の電源がONにされる。
この後、上述の実施形態1と同様に、マイコン16は、メモリ23内の結露発生フラグのチェックや結露センサ14の状態をチェックする。もし結露している場合には、マイコン16は、その旨の表示(図14、図15参照)を行い、エラー終了することになる。
結露が発生していない場合は、通常通り、制御は、薬剤注入動作に移行する。
つまり、薬剤注入の出来る旨のメッセージ表示が、表示部33に表示されたら、ユーザが薬剤注入装置31の先端側を上方に向けて空気抜きボタン36を押下する。すると、マイコン16は、注入用モータドライバ17を制御して、注入用モータ18を駆動し、注入用モータ18に接続しているピストン12を先端側に所定量移動する。これにより、注射針10の中空内やカートリッジ7内の空気などを押し出すことが出来る空気抜き動作が実施される。
次に、ユーザが薬剤注入装置31の先端キャップ38の先端面を人体の皮膚に当接させ、その当接したままで薬剤注入ボタン37を押下する。
これにより、マイコン16は、刺針抜針用モータドライバ42を制御して、カートリッジ7を収納したカートリッジカバー39を含む部分を先端側の刺針位置まで前進させるように刺針抜針用モータ43を動かし、カートリッジカバー39の先端側に装着されている注射針10により人体の皮膚に突き刺す。
なお、ここで、刺針位置に到達したかどうかは、刺針位置検出スイッチ(図示せず)の出力をマイコン16に入力することにより検知・判断することが出来る。
その後、引き続き、マイコン16は、注入用モータドライバ17を起動し、所定量の薬剤注入を行なうために注入用モータ18を駆動させる。それにより注入用モータ18に接続されているピストン12がカートリッジ7の後端を先端側に押す。このピストン12の動作により、注射針10経由でカートリッジ7内の薬剤が人体に注入される。
上記のピストン12の前進による所定量の薬剤注入の動作が完了すると、マイコン16は、刺針抜針用モータドライバ42に、抜針位置までカートリッジカバー39を含む部分を後退させるように刺針抜針用モータ43を駆動制御する。これにより、人体から、注射針10が引き抜かれる。
なお、抜針位置まで後退したかどうかは、抜針位置検出スイッチ(図示せず)の出力をマイコン16に入力することにより検知・判断している。
このときには、先端キャップ38の先端面より内側まで、注射針10の先端は後退しており、注射針10が安全な位置に配置された状態となっている。
以上が、フルオートタイプの薬剤注入装置31における、刺針動作、注入動作、抜針動作であり、ユーザにおける操作が簡便で、非常に安全性と作業性に優れたものとなっている。
<3.特徴>
本実施の形態の薬剤注入装置31は、製剤の入ったカートリッジが装着され、人体に前記製剤を注入する薬剤注入装置であって、ピストン12と、ピストン駆動部13と、ハウジング32(筐体の一例)と、結露センサ14(14a、または、14b)と、表示部33(通知部の一例)と、マイコン16(制御部の一例)と、カートリッジ装着部91と、スライドモータ駆動部41(スライド駆動部の一例)と、を備える。ピストン12は、カートリッジ7の後端を押す。ピストン駆動部13は、ピストン12を駆動する。ハウジング2には、ピストン12およびピストン駆動部13が内部に配置されている。カートリッジ装着部91は、ハウジング32内においてカートリッジ7を保持する。スライドモータ駆動部41は、カートリッジ装着部91を前後方向に駆動させる。結露センサ14は、ハウジング2内であって、少なくとも、ピストン駆動部13またはスライドモータ駆動部41のいずれかの近傍に設けられ、結露を検出する。表示部3は、結露が発生したことを通知する。マイコン16は、結露センサ14により結露を検出した場合、表示部3に通知を行わせる。
このように、本実施の形態の薬剤注入装置31では、ピストン駆動部13(特に、注入用モータ18)およびスライドモータ駆動部41(特に、刺針抜針用モータ43)近傍に結露センサ14を搭載し、結露センサ14により装置内の結露を検出して、その旨を通知する。そのため、結露状態での薬剤の注入を防止できる。また、注入用モータ18および刺針抜針用モータ43の近傍に結露センサ14が配置されているため、結露状態におけるモータの駆動を防止することができ、装置の信頼性や使用者に対する安全性を向上できる。
すなわち、本実施の形態の薬剤注入装置31は、薬剤の注入動作に必要な注入用モータ18、または、注射針の刺針/抜針動作に必要な刺針抜針用モータ43が結露しているかどうかを、これらの近傍に配置した結露センサ14により検出しようとするものである。これにより、注入用モータ18、または、刺針抜針用モータ43が結露状態と判断された場合は、薬剤の注入には適さないため、結露状態であることの警告表示が行われたり、それに加えて、薬剤注入動作に移行せず強制終了されたりする。
したがって、刺針抜針用モータ43及び注入用モータ18の動作を禁止し、薬剤の不適切な注入動作を防止することができ、使用者に対する安全性や装置の信頼性を向上できる。
<4.他の実施の形態>
上記実施の形態1で説明した変形例は、本実施の形態2においても適用可能である。
また、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に図10に示したような結露対策構造を有していても良い。
また、実施の形態2では、結露センサ14は、注入用モータ18および刺針抜針用モータ43の双方の近傍に配置されているが、少なくとも注入用モータ18および刺針抜針用モータ43の一方の近傍に配置されていればよい。
以上のように、本実施の形態の薬剤注入装置1及び31は、結露センサ14を搭載し、結露の発生を検知した時には、その旨を通知して、ユーザにいち早く通知して、且つ安全のために、自動で注入動作を中止する。また、薬剤注入装置1、31では、結露の発生を検知するだけではなく、結露の発生を防止するための結露対策を、外装、筐体内部の構造、及び、搭載する基板において実施している。これにより、薬剤注入動作の安定稼動を向上させながら、もし結露が発生した場合には、安全確保のために注入動作を自動停止できる。
本発明の薬剤注入装置は、結露状態での薬剤の注入を防止可能であり、例えば、薬剤を自動で注入する駆動部を有する薬剤注入装置としての活用が期待されるものである。
1 薬剤注入装置
2 ハウジング(筐体)
2a 正面側外装
2b 背面側外装
2c 端部
2s 先端面
3 表示部(LCD)
3a 表示画面
3b 表示画面
4 設定ボタン
5 薬剤注入ボタン
6 電源スイッチ
7 カートリッジ
8 カートリッジホルダ
8a 回転軸
8b 延在部
8c 後端
8d 先端面
8e 内側部分
9 先端部
10 注射針
11 注射針装着部
12 ピストン
13 ピストン駆動部
14、14a,14b 結露センサ
15 エンコーダ
16 マイコン(制御部)
17 注入用モータドライバ
18 注入用モータ
19 注入用モータ電流測定器
20 電池(電源)
21 LEDドライバ
22 LED(LCDバックライト)
23 メモリ
24 検出スイッチ
25 ブサー
26 基板
26a,26b コーティング部
31 薬剤注入装置
32 ハウジング(筐体)
32a 正面側外装
32b 背面側外装
33 表示部(LCD)
34 電源スイッチ
35 完了ボタン
36 空気抜きボタン
37 注入ボタン
38 先端キャップ38
39 カートリッジカバー
40 検出スイッチ
41 スライドモータ駆動部
42 刺針抜針用モータドライバ
43 刺針抜針用モータ
44 刺針抜針用モータ電流測定器
50、51 リブ
52,53,54,55,56,57 コネクタ
58,59,60 光学部品
70 バネ部材
71 送りネジ
72 歯車部
80 制御ブロック
90 インナーケース
91 カートリッジ装着部
92 基板
93 制御ブロック
101 第1電極パターン
101a 線状部分
101b 突出部分
102 第2電極パターン
102a 線状部分
102b 突出部分
103 第1電極パターン
103a 線状部分
103b 突出部分
103c 離間部分
104 第2電極パターン
104a 線状部分
104b 突出部分
104c 離間部分
110 結露検出回路
111 スイッチ
112 第1抵抗
113 第2抵抗
114 第3抵抗
115 トランジスタ
120 結露検出回路
121 スイッチ
122 抵抗
123 電圧バッファ
200 下端
201 当接面
202 突出部
210 上端
211 挿入部
212 当接部
213 溝部

Claims (6)

  1. 製剤の入ったカートリッジが装着され、人体に前記製剤を注入する薬剤注入装置であって、
    前記カートリッジの後端を押すピストンと、
    前記ピストンを駆動するピストン駆動部と、
    前記ピストンおよび前記ピストン駆動部が内部に配置された筐体と、
    前記筐体内であって前記ピストン駆動部の近傍に設けられ、結露を検出する結露センサと、
    結露が発生したことを通知する通知部と、
    前記結露センサにより結露を検出した場合、前記通知部に通知を行わせる制御部と、
    を備えた、薬剤注入装置。
  2. 前記筐体内において前記カートリッジを保持するカートリッジ装着部と、
    前記カートリッジ装着部を前後方向に駆動させるスライド駆動部と、
    を更に備え、
    前記結露センサは前記ピストン駆動部または前記スライド駆動部のいずれかの近傍に設けられている、
    請求項1に記載の薬剤注入装置。
  3. 前記通知部は、前記筐体の表面に設けられた表示部であり、
    前記結露センサにより結露を検出した場合、前記制御部は、前記表示部に警告表示を行わせる、
    請求項1に記載の薬剤注入装置。
  4. 前記結露センサにより結露を検出した場合、前記制御部は、前記ピストン駆動部を停止させる、
    請求項1に記載の薬剤注入装置。
  5. 前記結露センサにより結露を検出した場合、前記制御部は、前記ピストン駆動部、及び、前記スライド駆動部を停止させる、
    請求項2に記載の薬剤注入装置。
  6. 前記筐体に対して回転軸を中心に回転することにより開閉可能であって、前記カートリッジが収納されるカートリッジホルダを更に備え、
    前記カートリッジホルダは、
    前記回転軸の近傍であって、前記筐体の端部に重なるように前記筐体側に向かって形成された延在部を有する、
    請求項1、3、および4のいずれか一つに記載の薬剤注入装置。
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