JP2016112265A - 遊技機 - Google Patents
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Description
遊技球が流下する遊技領域(21)が前側に設けられた遊技盤(20)を備えた遊技機において、
前記遊技盤(20)に配設された枠状装飾体(25)と、
前記枠状装飾体(25)に設けられて前記遊技盤(20)の前側に位置し、遊技球が前側を移動可能な壁部(48)と、
前記壁部(48)に設けられて前側に突出する誘導部(50,51,52,53)と、
前記誘導部(50,51,52,53)によって前記壁部(48)の前側に画成され、前記遊技領域(21)に入口(47a,47b)および出口(47c)で連通して該入口(47a,47b)から流入した遊技球を出口(47c)から遊技領域(21)に排出可能な誘導経路(47)と、
前記枠状装飾体(25)に設けられて前記誘導経路(47)に開口し、該誘導経路(47)を流下する遊技球が入球可能な入球口(58a)とを備え、
前記入球口(58a)に遊技球が入球することによって、入球しない場合より有利な状態が付与され得るよう構成されたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、誘導経路を流下する遊技球が前側に変位するのを前壁部によって防止し得るので、遊技球を安定して流下させることができる。
前記一対のガイド部(63a,63b)に移動自在に支持されて、前記入球口(58a)への遊技球の入球を阻止する閉成位置と、前記入球口(58a)への遊技球の入球を許容する開放位置との間を往復移動可能な開閉部材(59)と、
前記開閉部材(59)を往復移動させる駆動機構(60)とを備えたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、入球口を開閉する開閉部材と誘導部との関係を一定に維持できるので、開閉部材を移動して入球口を開放した状態での入球率を一定に維持できる。
請求項4に係る発明によれば、誘導経路を画成する前壁部が、入球口に入球した遊技球を排出案内する球通路の前壁を構成するようにしたので、各壁を別々に設ける必要はなく、部品点数および組み立て工数を低減し得る。
請求項5に係る発明によれば、誘導経路には複数の入口から遊技球が流入可能であるので、遊技球の流下態様が単調となるのを防いで遊技の興趣を向上し得る。
請求項6に係る発明によれば、誘導経路を流下する遊技球が演出部の前側を通ることで、遊技球の動きと演出部での演出によって演出効果を向上することができる。
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な表示装置17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視板で前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成してもよい。なお、球受け皿については、上下2枚の球受け皿14,15を備えるものに限らず、1枚の球受け皿のみを設ける構成であってもよい。
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏側に前記表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22により画成される略円形の遊技領域21に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口27(図4参照)が適宜位置に開設されており、各装着口27に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、第1始動入賞部35、第2始動入賞部93、第1特別入賞部37、第2特別入賞部58、ゲート部38等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出する第1アウト口26が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
前記設置部材33は、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板33bと、該背面板33bの外周縁部から前方に突出する画壁部33c(図3に一部図示)とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部33cの開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材33とがネジにより固定される。そして、設置部材33において遊技盤20との間に画成される空間に、可動体を動作することで演出を行う可動演出装置や発光体の発光・点滅により演出を行う発光装置等の各種の演出部34が設置されて、設置部材33を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材33の背面板33bには、前記枠状装飾体25の表示窓口25aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部33aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板33bの裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部33aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25の下方に、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口35aを有する第1始動入賞部35が取り付けられている。第1始動入賞口35aは、遊技領域21に常時開放する常時開放型の入賞口とされる。第1始動入賞部35は、第1始動入賞口35aに入賞したパチンコ球を検出す第1始動入賞検出センサ(図示せず)を備えている。第1始動入賞検出センサは、遊技盤20の裏側(具体的には設置部材33)に配設された制御手段(図示せず)に配線接続されており、第1始動入賞検出センサがパチンコ球を検出すると、検出信号を制御手段に出力し、制御手段の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。
前記遊技盤20には、前記第1始動入賞部35の右上部における後述する第2始動入賞部93より下側の第2球流下領域21cに、入賞口ユニット36が配設されている。この入賞口ユニット36には、第1特別入賞部37、ゲート部38および普通入賞部40が設けられている。
前記第1特別入賞部37は、遊技領域21(第2球流下領域21b,21c)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1特別入賞口(入球口)37aと、該第1特別入賞口37aを開閉自在に閉鎖する第1特別開閉部材(開閉部材)37bとを備えており、該第1特別入賞口37aは常には第1特別開閉部材37bによって閉鎖されている。第1特別開閉部材37bは、駆動手段としての第1特別入賞ソレノイド(図示せず)に連繋されて、該第1特別入賞ソレノイドを駆動することで、第1特別開閉部材37bが第1特別入賞口37aへのパチンコ球の入賞を阻止する閉成位置と該第1特別入賞口37aへのパチンコ球の入賞を許容する開放位置との間を移動するよう構成される。第1特別入賞部37は、第1特別入賞口37aに入賞したパチンコ球を検出する第1特別入賞検出センサ(図示せず)を備えている。第1特別入賞検出センサは、前記制御手段に配線接続されており、第1特別入賞検出センサがパチンコ球を検出すると、検出信号を制御手段に出力し、制御手段の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1特別入賞ソレノイドは、後述する如く、始動入賞部35,93へのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定において当選した場合に付与される当り遊技(大当り遊技)において、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従って制御手段によって駆動制御される。
前記入賞口ユニット36には、図2に示す如く、前記第1特別入賞部37の上側に、遊技領域21(第2球流下領域21b,21c)に開口して該遊技領域21を流下するパチンコ球が通過可能な通過口(入球口)38aが形成されたゲート部38が設けられている。ゲート部38には、通過口38aをパチンコ球が通過したことを検知するゲートセンサ39が配設される(図3参照)。ゲートセンサ39は前記制御手段に配線接続されており、該制御手段は、ゲートセンサ39の球検知に基づき後述する第2始動入賞部93の始動口開閉部材94を開放するか否かの普図当り判定(始動口開放判定)を行うよう構成されている。そして、普図当り判定に当選した場合に、制御手段は第2始動入賞部93の始動入賞ソレノイド95を制御して始動口開閉部材94を開放するよう設定される。なお、実施例では、ゲート部38(通過口38a)をパチンコ球が通過して遊技領域21に戻す構成としたが、ゲート部38に設けた入球口に入球したパチンコ球を、遊技盤20の裏側に排出するようにしてもよい。
前記入賞口ユニット36には、図2に示す如く、前記第1特別入賞部37の右方に、前記遊技領域21(第2球流下領域21b,21c)に開口して該遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口(入球口)40aを備えた普通入賞部40が設けられている。そして、普通入賞口40aに入賞したパチンコ球は、遊技盤20の裏側に配設された図示しないセーフ球用排出経路に通出され、該セーフ球用排出経路を介して機外に排出されるようになっている。また、セーフ球用排出経路には、前記制御手段に配線接続する普通入賞検出センサ(図示せず)が設配設されており、該普通入賞検出センサから制御手段への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。
次に、前記枠状装飾体25について詳しく説明する。この枠状装飾体25は、図4に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口27の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部41と、該枠状基部41に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域21と表示装置17の表示部17aを区切る庇状部42と、該庇状部42の後縁から外方に延出する薄板状の台板部43とを備える。そして、前記枠状基部41を装着口27に挿入すると共に台板部43を遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部43をネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部42は、枠状装飾体25(枠状基部41)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って延在するように設けられており、表示装置17の前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
前記枠状装飾体25には、図9に示す如く、前記第2球流下領域21b,21cに連通し、パチンコ球が流下可能な誘導経路47が形成されている。実施例では、枠状装飾体25における右上隅部に誘導経路47が形成されており、前記緩衝ゴム32に衝突したパチンコ球が該誘導経路47に流入するよう構成されている。誘導経路47は、前記枠状基部41の前端縁から表示窓口25aの外方および内方に延在する経路用後壁部(壁部,別の部材)48と、該枠状装飾体25に配設された後述するカバー部材73に設けられた経路用前壁部(前壁部)74と、両壁部48,74間に設けられた規制壁部49および複数の誘導部50,51,52,53とによって形成されている。経路用後壁部48および経路用前壁部74は、遊技盤20の前側においてパチンコ球が通過可能な間隔で前後に離間しており、両壁部48,74の間に形成されている誘導経路47をパチンコ球が流下し得るよう構成される。
前記庇状部42は、図6,図8,図9に示す如く、前記経路用後壁部48の外端縁における打出し口側の端部から右側が所定長さで切り欠かれており、該切り欠かれた庇状部42の右端部に、前記規制壁部49の上端部が接続されている。規制壁部49は、庇状部42との接続端から下方に略直線状に延在する導入部49aと、該導入部49aの下端に連設されて右方に膨出する膨出部49bと、該膨出部49bの下端に連設されて左方に凸となる画壁部49cとを備え、該規制壁部49によって前記誘導経路47の左側壁が構成されている。前記膨出部49bの上面は、右側に向かうにつれて(導入部49aから離間するにつれて)下方傾斜するように形成されており、該膨出部49bの傾斜上面に当ったパチンコ球を後述する固定案内部53に向けて案内し得るよう構成される。
前記誘導部50,51,52,53として、前記上側第2球流下領域21bに誘導経路47を連通する入口47a,47bを画成する入口画成部50,51と、前記下側第2球流下領域21cに誘導経路47を連通する出口47cを画成する出口画成部52と、誘導経路47を流下するパチンコ球を後述する第2特別入賞口58aに向けて案内可能な固定案内部53とが設けられている。実施例では、入口画成部50,51、出口画成部52および固定案内部53の夫々は経路用後壁部48の前側に突出するように設けられて、これら入口画成部50,51、出口画成部52および固定案内部53の前面側(全ての誘導部の前面側)が経路用前壁部74で覆われるよう構成される。
前記経路用後壁部48には、図6,図8,図9に示す如く、該経路用後壁部48における外縁部に複数(実施例では2つ)の前記入口画成部50,51が、該外縁部の延在方向に離間して設けられている。左側(打出し口31aに近接する側)に位置する第1入口画成部50は、前記規制壁部49における導入部49aから右方に離間して設けられて、該導入部49a(規制壁部49)と第1入口画成部50との間にパチンコ球が通過可能な第1入口47aが画成されている。また、右側(打出し口31aから離間する側)に位置する第2入口画成部51と前記第1入口画成部50との間にパチンコ球が通過可能な第2入口47bが画成されている。そして、両入口47a,47bが、前記上側第2球流下領域21bに連通して、上側第2球流下領域21bを流下するパチンコ球が各入口47a,47bから誘導経路47に流入し得るよう構成される。なお、第2入口画成部51は、前記緩衝ゴム32に対してパチンコ球が通過不能な間隔で近接位置しており、前記打出し口31aから遊技領域21に打ち出されて緩衝ゴム32に衝突したパチンコ球は、第1入口47aまたは第2入口47bから誘導経路47に流入するよう構成されて、上側第2球流下領域21bから下側第2球流下領域21cへはパチンコ球が直接移動し得ないようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、パチンコ球を右打ちした場合は、枠状装飾体25に形成された誘導経路47を通過した後のパチンコ球が下側第2球流下領域21cに流入するよう構成されている。
前記出口画成部52は、前記経路用後壁部48における第2入口画成部51の配設位置より下方において左右方向に所定長さで延在しており、該出口画成部52の右端は、図9に示す如く、前記盤面飾り部材29の内面からパチンコ球が通過可能な寸法だけ左方に離間して位置し、該出口画成部52の右端部側に誘導経路47と下側第2球流下領域21cとを連通する出口47cが画成されている。また、出口画成部52の左端は、図8,図9,図11に示す如く、前記規制壁部49における画壁部49cからパチンコ球が通過可能な寸法だけ右方に離間して位置しており、該出口画成部52の左端と画壁部49c(規制壁部49)との間に、誘導経路47に開口して該誘導経路47を流下するパチンコ球が入賞可能な後述する第2特別入賞口58aが画成されている。
前記固定案内部53は、図9,図11に示す如く、前記入口画成部50,51、出口画成部52および規制壁部49から夫々離間した位置に配置されて、該固定案内部53と入口画成部50,51、出口画成部52および規制壁部49との間にパチンコ球が流下(移動)可能な経路を画成している。具体的には、固定案内部53と規制壁部49との間に第1流下経路(流下経路)55が画成されると共に、固定案内部53と第2入口画成部51との間に第2流下経路56が画成され、固定案内部53および第2入口画成部51と出口画成部52との間に排出経路57が画成される。そして、前記第1および第2入口47a,47bから誘導経路47に流入したパチンコ球は、固定案内部53を挟んで左右に位置する第1流下経路55または第2流下経路56の何れかを流下して排出経路57に流入し、該排出経路57を流下したパチンコ球が前記出口47cから前記下側第2球流下領域21cに排出されるよう構成される。実施例では、第1流下経路55に前記第2特別入賞口58aが開口しており、誘導経路47に流入したパチンコ球が第1流下経路55を流下する場合に第2特別入賞口58aに入賞する可能があり、パチンコ球が第2流下経路56を流下する場合には第2特別入賞口58aに入賞する可能が略ないよう構成されている。言い替えると、誘導経路47に流入したパチンコ球が第2特別入賞口58aに向かう場合に、該パチンコ球が第1流下経路55を流下するようになっている。
前記出口画成部52における受け部54は、図9,図11に示す如く、前記規制壁部49の膨出部49bと固定案内部53との間の下方に位置して、前記第1流下経路55を流下するパチンコ球が該受け部54に当り(落下し)得るよう構成される。また、前記規制壁部49に膨出部49bにおける傾斜上面は、前記第1入口画成部50の下部側方に位置して、第1入口47aの下方において該第1入口47aの中央側に張り出すように設けられており、第1入口47aから誘導経路47に流入したパチンコ球が膨出部49bの傾斜上面に接触し、前記固定案内部53や第2流下経路56に向けて案内されるよう構成される。より詳細には、規制壁部49の膨出部49bと第1入口画成部50との離間間隔は、パチンコ球が通過可能な寸法に設定されているが、膨出部49bの右端面(傾斜上面の右端)と、第1入口画成部50における第1入口47aを画成する端面を通る鉛直線Lとの左右方向の離間幅Mはパチンコ球の直径より小さく設定されており、第1入口画成部50における第1入口47aを画成する端面に沿ってパチンコ球が真っ直ぐに流下する場合であっても、該パチンコ球は必ず膨出部49bの傾斜上面に当るよう構成される。すなわち、第1入口47aから誘導経路47に流入したパチンコ球が、前記膨出部49bと固定案内部53との間の下方に臨む受け部54(出口画成部52)上に直接落下しないよう構成されている。
ここで、前記誘導経路47および後述する第1球通路78を画成するカバー部材73について説明する。このカバー部材73は、図6,図7に示す如く、全体が平板状の部材であって、上部側に、前記規制壁部49、入口画成部50,51、固定案内部53および出口画成部52を挟んで前記経路用後壁部48と対向する経路用前壁部(壁部,前壁部)74が設けられている。そして、経路用前壁部74の裏面を規制壁部49、入口画成部50,51、固定案内部53および出口画成部52の前面に当接した状態で、該カバー部材73を枠状装飾体25に取り付けることで、前記誘導経路47が画成されるよう構成される。また、カバー部材73には、経路用前壁部74に連設されて下方に延在する通路用前壁部(前壁部)75が設けられており、該通路用前壁部75の裏面を第1球通路78を画成する画壁54,81,82,83の前面に当接した状態で、該カバー部材73を枠状装飾体25に取り付けることで、第1球通路78が画成されるよう構成される(図10参照)。
前記第2特別入賞部58は、前記第1流下経路55に開口し、該第1流下経路55を流下するパチンコ球が入賞(入球)可能な第2特別入賞口(入賞口,入球口,第1の入球口)58aと、該第2特別入賞口58aを開閉可能な第2特別開閉部材(開閉部材)59とを備え、該第2特別開閉部材59は、駆動機構60によって第2特別入賞口58aへのパチンコ球の入賞を阻止する閉成位置と、第2特別入賞口58aへのパチンコ球の入賞を許容する開放位置との間を往復移動されるよう構成される。なお、前記誘導経路47に設けられた第1流下経路55は、前記入口47a,47bを介して遊技領域21(上側第2球流下経路21b)に連通しており、第2特別入賞口58aは、第1流下経路55(誘導経路47)を介して遊技領域21に開口してパチンコ球が入賞可能な入賞口である。
次に、前記第2特別開閉部材59を往復移動させる駆動機構60について説明する。駆動機構60は、図13,図14に示す如く、第2特別開閉部材59の基部61に連繋されて支持軸70(図7参照)を中心として揺動変位する連繋部材69と、第2特別入賞ソレノイド(駆動手段)67と、該第2特別入賞ソレノイド67のプランジャ67aに取り付けられ、前記連繋部材69に連繋接続する作動部材71とから構成される。すなわち、第2特別入賞ソレノイド67の作動に伴い作動部材71が移動することで、連繋部材69が揺動変位し、該連繋部材69の揺動変位に伴い第2特別開閉部材59が閉成位置および開放位置に変位するようになっている(図11参照)。
図7に示すように、前記連繋部材69は、前記経路用後壁部48の裏面に突設されて後方に延出する支持軸70に回転自在に支持される支持部69aから径方向へアーム部69bが延出するよう形成されると共に、該アーム部69bの延出端部に、U字状に連繋部69cが形成されている。ここで、前記アーム部69bは、図14(a)に示す前記第2特別開閉部材59が閉成位置にある状態で、前記支持軸70から上方へ延在するよう形成されており、該第2特別開閉部材59が開放位置へ直線的に変位するのに伴い支持軸70を中心として右方向(図14(c)では左方向)に回転変位するようになっている。また、連繋部材69には、第2特別開閉部材59が閉成位置にある状態において、支持軸70の左方位置に規制突部(規制部)69dが後方へ突出するよう形成されている。更に、連繋部材69には、前記支持部69aにおける支持軸70の支持位置から径方向に離間する位置に、後方に延出する連繋軸部69eが設けられている。
前記作動部材71は、図13に示すように、前記プランジャ67aが連結される連結部71aと、該連結部71aから左方(図13では右方)へ延在する支持板71bとを備えており、前記第2特別入賞ソレノイド67の駆動に伴い前記第2特別開閉部材59の開放を規制するロック位置と、該第2特別開閉部材59の開放位置に対応した作動位置との間を直線的に往復移動するよう構成されている。ここで、第2特別入賞ソレノイド67の通電を停止してプランジャ67aが左方移動することで、作動部材71がロック位置(図14(a)参照)に変位する。そして、第2特別入賞ソレノイド67に通電してプランジャ67aが右方移動することで、作動部材71が作動位置(図14(c)参照)に変位するようになっている。すなわち、前記作動部材71は、前記圧縮コイルバネ68により常にはロック位置へ付勢されており、第2特別入賞ソレノイド67の通電停止時にプランジャ67aが左方移動することでロック位置に保持されるよう構成されている。
実施例のパチンコ機10は、前記第2特別入賞口58aに連通し、該第2特別入賞口58aに入賞したパチンコ球を排出案内する球通路77が設けられている。球通路77は、前記枠状装飾体25に設けられた第1球通路78と、前記設置部材33に設けられた第2球通路79とから構成される。
前記枠状装飾体25に設けられる第1球通路78は、前記経路用後壁部48に連設された通路用後壁部80と、該通路用後壁部80から前方に延出するように設けられてパチンコ球が通過可能な間隔で離間する画壁54,81,82,83と、前記カバー部材73に設けられた前記通路用前壁部75とによって画成されて、該第1球通路78は、前記遊技盤20の前側を延在するように設けられている(図10参照)。具体的には、通路用後壁部80および画壁54,81,82,83によって前側に開口する樋状の球通路部が形成されて、該球通路部の前側開口を通路用前壁部75によって塞ぐことで第1球通路78が内部に画成される。すなわち、枠状装飾体25に形成される誘導経路47(第1流下経路55)を画成する経路用前壁部74を備えるカバー部材73(具体的には通路用前壁部75)が、第2特別入賞口58aに入賞したパチンコ球を排出案内する第1球通路78(球通路77)の前壁を構成するようになっている。言い替えると、カバー部材73を構成するように一体に形成された1つの壁部74,75が、誘導経路47および第1球通路78(球通路77)を画成する前壁を構成して、部品点数を低減し得るよう構成されている。実施例では、第1球通路78が、枠状装飾体25に配設される球通路である。
前記設置部材33には、前記遊技盤20の裏側を上下方向に延在する筒状の通路画成部85が配設されており、該通路画成部85によって第2球通路79が画成されている。通路画成部85の上端部には、図3,図4,図5に示す如く、前側に開口する球入口79aが開設されており、該球入口79aを画成する通路画成部85の開口端と前記球出口78cを画成する接続口部84の開口端とを前後に整合することで、第1球通路78と第2球通路79とが連通接続されている(図10参照)。また、通路画成部85の下端には、設置部材33の下端で開口する排出口(図示せず)が形成されており、前記第2特別入賞口58aに入賞したパチンコ球は、第1球通路78および第2球通路79を通って排出口から機外に排出されるようになっている。
前記縦球通路78bの下端部には、図9に示す如く、アウト口用通路部(通路部)86が下側第2球流下領域21cに向けて延出するように設けられており、アウト口用通路部86の延出端に下側第2球流下領域21cに開口する第2アウト口(第2の入球口)87が形成されている。すなわち、下側第2球流下領域21c(遊技領域21)から第2アウト口87に入球したパチンコ球は、アウト口用通路部86を介して縦球通路78bに通入し、該パチンコ球が、前記第2特別入賞口58aに入賞したパチンコ球が排出案内される同じ球通路77を介して機外に排出されるよう構成される。ここで、アウト口用通路部86で画成されるアウト口通路88と縦球通路78bとが接続する領域を、他の領域と区別する場合には合流部89と指称する場合がある。すなわち、第1球通路78(球通路77)における遊技盤20の前側に位置する合流部89に、第2の入球口としての第2アウト口87が連通しており、枠状装飾体25に設けられて遊技領域21を流下するパチンコ球が入球する第2特別入賞口58aおよび第2アウト口87(複数の入球口)が共通する球通路77を介して機外に排出されるようになっている。
実施例では、前記下側第2球流下領域21cにおける第2アウト口87の右側(外側)に臨む位置に、上下に離間して遊技釘23a,23bが植設されており、該遊技釘23a,23bの間を通過したパチンコ球が第2アウト口87に入球するよう構成されている。この第2アウト口87へのパチンコ球の入球を許容する上下の遊技釘23a,23bについて、他の遊技釘23と区別する場合はアウト用遊技釘と指称する場合がある。アウト用遊技釘23a,23bは、パチンコ球が通過可能な間隔で植設された内側アウト用遊技釘23a,23aと、同じくパチンコ球が通過可能な間隔で植設された外側アウト用遊技釘23b,23bとからなり、内側アウト用遊技釘23a,23aに対して外側アウト用遊技釘23b,23bは、図9に示す如く、所定高さだけ低い位置に臨むように下方にずれた位置に植設されて、下側第2球流下領域21cを流下するパチンコ球が第2アウト口87へ入球し難くしてある。
前記第2始動入賞部93は、図2,図3,図9に示すように、前記下側第2球流下領域21cを流下するパチンコ球が入賞(入球)し得るよう、前記枠状装飾体25の右側部であって前記第2アウト口87の下方に配設されている。第2始動入賞部93は、枠状装飾体25の右側面に形成されて下側第2球流下領域21c(遊技領域21)に開口する第2始動入賞口93a(第3の入球口)と、当該第2始動入賞口93aを開放可能に閉鎖する始動口開閉部材(開閉部材)94と、当該始動口開閉部材94を開閉作動する駆動手段としての始動入賞ソレノイド95とを備えており、当該始動入賞ソレノイド95の駆動に伴って始動口開閉部材94が第2始動入賞口93aを開閉するようになっている。ここで、前記第2始動入賞口93aは、枠状装飾体25の右側方に開口するよう形成されると共に、前記始動口開閉部材94は、前後方向に延在する支軸94aを介して第2始動入賞口93aの開口下縁部側に揺動可能に軸支されており、始動入賞ソレノイド95の駆動に伴って、第2始動入賞口93aを閉鎖してパチンコ球の入賞を阻止する閉成姿勢と、第2始動入賞口93aを開放してパチンコ球の入賞を許容する開放姿勢とに揺動変位し得るようになっている。すなわち、第2始動入賞口93aは、始動入賞ソレノイド95を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成される。なお、始動入賞ソレノイド95は、前記ゲート部38のパチンコ球の通過を契機として普図当り判定において当選した場合に付与される普図当り遊技において、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従って制御手段によって駆動制御される。
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
本願発明は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、第2特別入賞口を開閉する第2特別開閉部材を直線的に往復移動するよう構成したが、該開閉部材の構成を、第1特別入賞口や第2始動入賞口を開閉する開閉部材の構成として採用し得る。すなわち、第1特別入賞部や第2始動入賞部を、第1特別入賞口や第2始動入賞口が誘導経路に開口するように枠状装飾体に設けることができる。
(2) 実施例では、枠状装飾体の右上部に誘導経路や流下経路を設けたが、該誘導経路や流下経路を設ける位置は任意に設定可能である。
(3) 実施例では、枠状装飾体に誘導経路や流下経路を設けたが、枠状装飾体とは別に遊技盤に配設される遊技部品に誘導部や固定案内部を設けることで該遊技部品に誘導経路や流下経路を設けることができる。
(4) 実施例では、誘導経路を画成する前後の壁部に設けたガイド孔に第2特別開閉部材に設けた延出部を摺動自在に挿通するよう構成したが、開閉部材を往復移動自在に支持するガイド部を突条とし、該突条が摺動自在な長溝を開閉部材に設ける構成を採用し得る。すなわち、開閉部材を直線的に往復移動自在に支持し得る構成であれば、ガイド部として公知の各種構成を採用し得る。
(5) 実施例では、第2特別開閉部材の開放位置において、該開閉部材の一部が固定案内部の下側に入り込むよう構成したが、第2特別開閉部材(開閉部材)の全体が固定案内部の下側に入り込むようにしてもよく、この構成では開放位置の第2特別開閉部材(開閉部材)と第2特別入賞口(入賞口)との間に位置する受け部の上面(遊技球の受け面)が、第2特別入賞口(入賞口)に向けて下方傾斜するよう構成されていればよい。
(6) 実施例では、第1流下経路(流下経路)を流下するパチンコ球を第2特別入賞口(入賞口)に案内する受け部を、経路用後壁部に設けたが、該受け部を経路用前壁部に設けてもく、または両壁部間に連接するように設けたものであってもよい。
(8) 実施例では、誘導経路内に1つの固定案内部を設けて2つの流下経路を画成するよう構成したが、複数の固定案内部を設けて3つ以上の流下経路を画成する構成を採用し得る。
(9) 実施例では、遊技盤の前側を延在する球通路(第1球通路)に第2特別入賞口および第2アウト口を連通するよう構成したが、第2特別入賞口に代えて第1または第2始動入口や普通入賞口を連通したり、第2アウト口に代えて第1または第2始動入賞口や普通入賞口を連通する等、球通路(第1球通路)に連通させる複数の入球口の組み合わせは任意に設定し得る。また、ゲート部に入球したパチンコ球を遊技領域に通出することなく排出するよう構成した場合には、該ゲート部の口を前記球通路(第1球通路)に連通する入球口とすることもできる。なお、特別入賞口、始動入賞口および普通入賞口は、パチンコ球の入賞によって賞球が得られるものであるので、入球することによって、入球しない場合より有利な状態が付与され得る入球口である。また、ゲート部についても、入球によって第2始動入賞口を開放するか否かの普図当り判定が行われ、当選した場合には第2始動入賞口が開放されて賞球が得られる可能性があるので、該ゲート部の口についても、入球することによって、入球しない場合より有利な状態が付与され得る入球口である。
(10) 実施例では、遊技盤の裏側を延在する球通路(第2球通路)に第2始動入賞口を連通するよう構成したが、該球通路(第2球通路)に第1特別入賞口、普通入賞口あるいは第1始動入賞口を連通する構成を採用し得る。すなわち、遊技盤の裏側を延在する球通路(第2球通路)に連通する第3の入球口として、第1特別入賞口、普通入賞口、第1始動入賞口を採用し得る。
(11) 実施例では、第2特別入賞口の連通部から第2アウト口の合流部までの球通路(第1球通路)の全体が遊技盤の前側に延在する構成としたが、少なくとも第2アウト口の合流部が遊技盤の前側に延在する構成であってもよい。すなわち、合流部より上流側の球通路を遊技盤の裏側に延在させ、合流部のみを遊技盤の前側に延在させる構成とすることができる。
(12) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
21 遊技領域
25 枠状装飾体
34 演出部
47 誘導経路
47a 第1入口(入口)
47b 第2入口(入口)
47c 出口
48 経路用後壁部(壁部)
50 第1入口画成部(誘導部)
51 第2入口画成部(誘導部)
52 出口画成部(誘導部)
53 固定案内部(誘導部)
58a 第2特別入賞口(入球口)
59 第2特別開閉部材(開閉部材)
60 駆動機構
63a 前ガイド孔(ガイド部)
63b 後ガイド孔(ガイド部)
74 経路用前壁部(前壁部)
78 第1球通路(球通路)
Claims (6)
- 遊技球が流下する遊技領域が前側に設けられた遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤に配設された枠状装飾体と、
前記枠状装飾体に設けられて前記遊技盤の前側に位置し、遊技球が前側を移動可能な壁部と、
前記壁部に設けられて前側に突出する誘導部と、
前記誘導部によって前記壁部の前側に画成され、前記遊技領域に入口および出口で連通して該入口から流入した遊技球を出口から遊技領域に排出可能な誘導経路と、
前記枠状装飾体に設けられて前記誘導経路に開口し、該誘導経路を流下する遊技球が入球可能な入球口とを備え、
前記入球口に遊技球が入球することによって、入球しない場合より有利な状態が付与され得るよう構成された
ことを特徴とする遊技機。 - 前記壁部から前側に離間して前記誘導部の前側を覆う前壁部が設けられ、該前壁部と壁部との間に前記誘導経路が形成されている請求項1記載の遊技機。
- 前記壁部および前壁部に対向して設けられた一対のガイド部と、
前記一対のガイド部に移動自在に支持されて、前記入球口への遊技球の入球を阻止する閉成位置と、前記入球口への遊技球の入球を許容する開放位置との間を往復移動可能な開閉部材と、
前記開閉部材を往復移動させる駆動機構とを備えた請求項2記載の遊技機。 - 前記入球口に入球した遊技球が排出案内される球通路が前記枠状装飾体に設けられ、前記前壁部が球通路の前壁を構成している請求項2または3記載の遊技機。
- 前記誘導経路は複数の入口を介して前記遊技領域に連通している請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
- 前記壁部の裏側に、演出を行う演出部が該壁部と前後に重なるように設けられると共に、前記誘導経路の前側から前記演出部が透視可能に構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。
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