JP2016111219A - 光伝導素子、テラヘルツ波発生装置、テラヘルツ波検出装置、テラヘルツ波発生方法およびテラヘルツ波検出方法 - Google Patents

光伝導素子、テラヘルツ波発生装置、テラヘルツ波検出装置、テラヘルツ波発生方法およびテラヘルツ波検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡便に製造可能な、テラヘルツ波を発するまたは検出するための光伝導素子を提供する。
【解決手段】光伝導素子1は、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含むトポロジカル絶縁体薄膜11を備える。これにより、光伝導素子の安価な製造が可能となる。光伝導素子1は、さらに、電極11,12を含むアンテナ構造体ANTを備える。電極11,12は、トポロジカル絶縁体薄膜11の面方向に沿って対向して配置される。光伝導素子1は、トポロジカル絶縁体薄膜11への光(フェムト秒パルス光91)の入射によって生じるキャリアを用いて、テラヘルツ波を発生させる(または検出する)ことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、テラヘルツ波を発生または検出するための光伝導素子に関する。本発明は、さらに、その光伝導素子を用いてテラヘルツ波を発生または検出するための装置および方法に関する。
テラヘルツ波とは、光と電波の中間の周波数(たとえば0.1〜100THzの範囲内)にある電磁波である。近年、テラヘルツ波を基礎物性の解析、イメージング技術、および超高速通信などに応用する技術が注目されている。これらの技術のために、テラヘルツ波を発生および検出するための装置について、種々の研究、開発が行われている。
テラヘルツ波の発生、検出方法として光伝導素子を用いる方法が広く用いられる。従来、テラヘルツ波の発生、検出用の光伝導素子として、半導体あるいは非線形光学結晶が用いられてきた。たとえば非特許文献1は、LT−GaAs(低温成長GaAs)を用いたテラヘルツ波発生・検出兼用のテラヘルツ波用光伝導素子と、テラヘルツ波用レンズとを一体化して、コネクタでの接続を可能にしたテラヘルツ波発生・検出モジュールを開示する。
浜松ホトニクス、″テラヘルツ波発生・検出モジュールG10620シリーズ″、[online]、[平成26年10月1日検索]、インターネット<URL:https://www.hamamatsu.com/jp/ja/G10620.html>
LT−GaAsは、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法を用いて作製することができる。しかし、超高真空状態の維持が難しいなどの理由により、分子線エピタキシー法は光伝導素子の量産の点で課題がある。テラヘルツ波の応用技術を普及させるためには、より簡便に製造可能な光伝導素子が求められる。
本発明の1つの目的は、より簡便に製造可能な、テラヘルツ波を発するまたは検出するための光伝導素子を提供することである。
本発明の他の目的は、テラヘルツ波の発生または検出を、より安価な構成で実現するための装置および方法を提供することである。
本発明は、一態様において、テラヘルツ波を発生または検出するための光伝導素子であって、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含むトポロジカル絶縁体薄膜と、トポロジカル絶縁体薄膜の面方向に沿って、対向して配置された第1および第2の電極を含むアンテナ構造体とを備える。
好ましくは、トポロジカル絶縁体薄膜は、Sb2Te3薄膜である。
より好ましくは、Sb2Te3薄膜の厚みは、1nm以上である。
本発明の別の態様に係る光伝導素子は、テラヘルツ波を発生または検出するための光伝導素子であって、交互に積層されたトポロジカル絶縁体層と通常絶縁体層とを含む積層構造体と、積層構造体の面方向に沿って対向して配置された第1および第2の電極を含むアンテナ構造体とを備える。トポロジカル絶縁体層は、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含み、通常絶縁体層は、ゲルマニウム(Ge)と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種と、を含む。
好ましくは、第1および第2のトポロジカル絶縁体層は、Sb2Te3の層であり、通常絶縁体層は、GeTeの層である。
より好ましくは、第1および第2のトポロジカル絶縁体層の厚みは、1nm以上であり、通常絶縁体層の厚みは、0.6nm以上である。
本発明は、さらに別の態様において、テラヘルツ波発生装置であり、上記の光伝導素子と、光伝導素子に光励起キャリアを生じさせるためのパルスレーザ光を発するパルスレーザ光源と、アンテナ構造体の第1および第2の電極間に電界を印加するための電源とを備える。
本発明は、さらに別の態様において、テラヘルツ波検出装置であり、上記の光伝導素子と、光伝導素子に光励起キャリアを生じさせるためのパルスレーザ光を発するパルスレーザ光源と、アンテナ構造体がテラヘルツ波を受けることにより第1および第2の電極間に生じる電流を検出するための検出部とを備える。
好ましくは、光伝導素子は、撮像素子において行列状に配置され、検出部は、撮像素子の信号から画像を生成する。
本発明は、さらに別の態様において、テラヘルツ波発生方法であり、上記の光伝導素子に、パルスレーザ光を入射するとともに、アンテナ構造体の第1および第2の電極間に電界を印加して、テラヘルツ波を発生させる。
本発明は、さらに別の態様において、テラヘルツ波検出方法であり、上記の光伝導素子に、パルスレーザ光を入射するとともに、アンテナ構造体がテラヘルツ波を受けることにより第1および第2の電極間に生じる電流を検出する。
本発明によれば、より簡便に製造可能な、テラヘルツ波を発するまたは検出するための光伝導素子を実現できる。
また、本発明によれば、テラヘルツ波を発生または検出するための装置および方法をより安価に実現できる。
トポロジカル絶縁体表面の電子のバンド構造を示した模式図である。 本発明の光伝導素子によるテラヘルツ波発生の基本原理を説明した図である。 瞬時電流の変化と、遠方界での電場との関係を示した模式図である。 本発明の光伝導素子によるテラヘルツ波検出の基本原理を説明した図である。 Sb2Te3の結晶構造を示した図である。 Sb2Te3結晶薄膜の1つの実施例を示した図である。 図6に示したSb2Te3結晶薄膜(膜厚200nm)のX線回折測定の結果を示したグラフである。 基板温度およびアニールの条件を変えて作成したSb2Te3結晶薄膜のX線回折測定の結果を示したグラフである。 基板温度およびアニールの条件を変えて作成したSb2Te3結晶薄膜のラマン散乱測定の結果を示したグラフである。 Sb2Te3結晶薄膜がトポロジカル絶縁体であるかを確認するための光学系の構成を模式的に示した図である。 Sb2Te3結晶薄膜へのフェムト秒パルスレーザ光の入射を模式的に示した図である。 λ/4板の回転角度と、Sb2Te3結晶薄膜に生じる光電流との関係を示した図である。 本発明に係る光伝導素子によるテラヘルツ波の発生を検証するための光学系の概略的な構成を示した図である。 図13に示した構成による、本発明に係る光伝導素子によるテラヘルツ波の発生と、検出器によるテラヘルツ波の検出とを模式的に示した図である。 図13および図14に示した構成によって観測されたテラヘルツ波の時間領域スペクトルを示す図である。 図15に示された時間スペクトルのフーリエ変換スペクトルを示した図である。 トポジカル絶縁体(Sb2Te3結晶薄膜)から放射されるテラヘルツ波の振幅の電場依存性を示したグラフである。 テラヘルツ波の振幅とSb2Te3結晶薄膜の膜厚との関係を示したグラフである。 本発明に係る光伝導素子の種々の構造を示した概略断面図である。 図19に示した構造の変形例を示した概略断面図である。 アンテナ構造体(光伝導アンテナ)の平面形状の例を説明するための図である。 GeSb6Te10がテラヘルツ波を発生することを検証した結果を説明した図である。 本発明の光伝導素子の製造方法の一実施形態を示したフロー図である。 本発明に係る光伝導素子の1つの適用形態を示した図である。 本発明の光伝導素子を含む2次元撮像素子を模式的に示した図である。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[1.トポロジカル絶縁体]
トポロジカル絶縁体とは、その内部(バルク部分)は絶縁体であるが、表面(エッジ)において金属状態が生じる物質のことである。トポロジカル絶縁体の表面において、電子は、有効質量ゼロの相対論的粒子のように振る舞う「ディラック電子」となり、ディラックコーンと呼ばれるエネルギー状態を形成する。図1に、トポロジカル絶縁体の表面の電子のバンド構造を示す。図1から分かるように、トポロジカル絶縁体表面の電子のバンド構造には、バンドギャップが存在しない。このため、ディラックコーンをもつ物質は電気伝導性を示す。
これに対して、通常絶縁体は、バンドギャップを有し、トポロジカルな金属状態が実質的に生じない。したがって、表面(エッジ)におけるバンドギャップを比較すると、通常絶縁体の表面におけるバンドギャップは、トポロジカル絶縁体の表面のバンドギャップに比べて大きい。この点により、トポロジカル絶縁体と通常絶縁体とを区別することができる。なお、トポロジカル絶縁体と通常絶縁体とは、光電子分光によってそれぞれのバンド構造を観測することにより判別可能である。
[2.テラヘルツ波の発生および検出の原理]
本発明の光伝導素子は、テラヘルツ波の発生および検出の両方に用いることができる。図2は、本発明の光伝導素子によるテラヘルツ波発生の基本原理を説明した図である。図2に示されるように、光伝導素子1は、トポロジカル絶縁体薄膜11および電極12,13を有する。電極12,13は、アンテナ構造体ANTを構成する。
電極12,13は、トポロジカル絶縁体薄膜11の表面に配置される。したがって電極12,13は、トポロジカル絶縁体薄膜11の面方向に沿って配置され、互いに対向する。電極12,13の間には間隔(ギャップ)が設けられる。
電極12,13は、電源51に接続される。これにより、トポロジカル絶縁体薄膜11の面方向に沿った電場が、トポロジカル絶縁体薄膜11に印加される。
電極12,13の間の間隔を通して、フェムト秒パルス光91がトポロジカル絶縁体薄膜11に入射する。これによって、トポロジカル絶縁体薄膜11の表面に光励起キャリアが生成される。トポロジカル絶縁体の表面においてはエネルギーのバンドギャップが存在しない。このため、光励起キャリアを生じさせるためのフェムト秒パルス光91の波長は特に限定されない。
トポロジカル絶縁体薄膜11に印加された電場により、光励起キャリアはトポロジカル絶縁体薄膜11の表面を高速に移動する。光励起キャリアの移動によって、瞬時電流J(過渡電流)がトポロジカル絶縁体薄膜11の表面を流れる。
図3は、瞬時電流Jの変化と、遠方界での電場E(t)との関係を示した模式図である。図3に示されるように、遠方界での電場E(t)は、瞬時電流Jの時間微分(dJ/dt)に比例する(E∝dJ/dt)。マクスウェル方程式によれば、瞬時電流Jが流れることにより電磁波が空中に放射される。瞬時電流Jの立ち上がり時間が1ピコ秒(ps)程度であるので、電場Eの周波数は1テラヘルツ(THz)程度となる。これにより時間幅が1ピコ秒以下の電磁波パルス、すなわちテラヘルツ波101が光伝導素子1から放射される。テラヘルツ波101の進行方向は、トポロジカル絶縁体薄膜11の表面に対して垂直な方向である。
本発明に係る光伝導素子は、テラヘルツ波の検出にも利用することができる。図4は、本発明の光伝導素子によるテラヘルツ波検出の基本原理を説明した図である。
図4に示されるように、フェムト秒パルス光92がトポロジカル絶縁体薄膜11に入射する。これにより、光励起キャリアがトポロジカル絶縁体薄膜11の表面に発生する。
テラヘルツ波102が、電極12,13の間のギャップ部分を通して、トポロジカル絶縁体薄膜11に入射すると、トポロジカル絶縁体薄膜11の表面において光励起キャリアが移動する。光励起キャリアが移動することによって電流が発生する。フェムト秒パルス光92がトポロジカル絶縁体薄膜11に繰り返して入射することにより、光伝導素子1がテラヘルツ波を受ける間、電流が積算される。これによりトポロジカル絶縁体薄膜11に生じる電流を電流計52によって計測することができる。
図2および図4では、フェムト秒パルス光がトポロジカル絶縁体薄膜11の表面に対してほぼ垂直に入射するように示されている。しかしトポロジカル絶縁体薄膜11の表面に対するフェムト秒パルス光の入射角度はこのように限定されるものではない。たとえばトポロジカル絶縁体薄膜11の表面に対してフェムト秒パルス光が斜めに入射してもよい。さらにトポロジカル絶縁体薄膜11は、基板等の支持部材によって支持されてもよい。以下では基板上に形成されたトポロジカル絶縁体薄膜を説明するが、基板は本発明において必須の構成ではない。
[3.トポロジカル絶縁体の具体例]
本発明では、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含むトポロジカル絶縁体薄膜11を用いる。したがって、このトポロジカル絶縁体薄膜11の組成は、Sb2xBi2(1-x)Se3yTe3(1-y)と表すことができる(0≦x≦1,0≦y≦1)。より具体的には、下記のいずれかの組成を有する結晶は、いずれもトポロジカル絶縁体となり得る。したがって、下記のいずれかの結晶の薄膜を、本発明の光伝導素子が有するトポロジカル絶縁体として適用することができる。
(1)2元結晶
Sb2Te3 (x=1,y=0の場合)
Sb2Se3 (x=1,y=1の場合)
Bi2Se3 (x=0,y=1の場合)
Bi2Te3 (x=0,y=0の場合)
(2)3元結晶
Sb2xBi2(1-x)Te3 (0<x<1,y=0の場合)
Sb2xBi2(1-x)Se3 (0<x<1,y=1の場合)
Sb2Se3yTe3(1-y) (x=1,0<y<1の場合)
Bi2Se3yTe3(1-y) (x=0,0<y<1の場合)
(3)4元結晶
Sb2xBi2(1-x)Se3yTe3(1-y) (0<x<1,0<y<1の場合)
上記の結晶薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法など、MBEに比べて量産性に優れた方法によって作成することができる。このため本発明によれば、量産に適した光伝導素子を提供することができる。
1つの実施形態では、トポロジカル絶縁体薄膜11は、Sb2Te3の結晶薄膜である。以下にSb2Te3結晶について詳細に説明する。
図5は、Sb2Te3の結晶構造を示した図である。図5に示されるように、Sb2Te3結晶は、菱面体構造を有する。Sb(アンチモン)層とTe(テルル)層とが交互に積層されて5原子層が構成される。本明細書では、この5原子層を、「ユニット」と呼ぶ。c軸方向に沿って積層されたユニットによって、Sb2Te3結晶が構成される。1つのユニットのc軸方向の厚みは約1nmである。Sb2Te3のc軸方向の格子定数は、約3nmである。すなわち3つのユニットによって1つの単位格子が構成される。
Sb2Te3結晶は、その内部では絶縁体の性質を有する。一方、Sb2Te3の結晶の表面原子層では電子の分散関係がギャップレスとなる。このためSb2Te3の表面原子層は金属状態を呈する。
トポロジカル絶縁体に電場が印加された状態において、キャリアは主に表面原子層を伝播する。Sb2Te3の結晶薄膜の面内方向に電場を印加し、かつSb2Te3の結晶薄膜に超短パルスレーザ光を照射すると、光励起キャリアがSb2Te3の結晶の表面原子層を伝搬する。したがって、Sb2Te3の結晶薄膜からテラヘルツ電磁波を放射することができる。
Sb2Te3結晶において、トポロジカルな表面状態(ギャップレスの金属的表面状態)は結晶表面の数原子層で生じる。バルクの影響を少なくするためには、Sb2Te3結晶膜をできるだけ薄くすることが好ましい。このため、膜厚を制御することができる薄膜形成法を用いて、Sb2Te3結晶薄膜を作成することが好ましい。
図6は、Sb2Te3結晶薄膜の1つの実施例を示した図である。図6を参照して、基板10の表面に、Sb2Te3結晶の薄膜がトポロジカル絶縁体薄膜11として形成される。基板10には、三方晶または六方晶であり、かつSb2Te3結晶のa軸(およびb軸)方向の格子定数(約0.426nm)に近い格子定数を有する基板を用いることが好ましい。たとえばサファイア(Al23)は六方晶である。サファイア基板のc面内の格子定数は約0.486nmであり、Sb2Te3結晶のa軸(およびb軸)方向の格子定数に近い。したがって、図6に示した例では、基板10としてc面を有するサファイア基板が用いられる。基板10の表面(すなわちc面)上にSb2Te3結晶薄膜を形成することにより、Sb2Te3結晶をc軸方向に配向成長させる(c軸に配向した層状薄膜が生成される)ことができる。トポロジカル絶縁体の格子定数に近い格子定数を有し、(111)面を基板表面として有する半導体結晶、たとえば(111)面を有するCdSe結晶を基板10として用いることがより好ましい。なお、Sb2Te3結晶薄膜は、真空蒸着法により作成した。水晶振動子を用いて、Sb2Te3結晶薄膜の膜厚を200nmに制御した。
図7は、図6に示したSb2Te3結晶薄膜(膜厚200nm)のX線回折測定の結果を示したグラフである。試料は、基板温度150℃のサファイア基板の表面にSb2Te3を蒸着させることにより作成した。Sb2Te3を蒸着した後にはアニールは行わなかった。
図7に示されるように、X線回折測定では、結晶軸の指数が(0,0,3n)(nは整数)のみのX線回折ピークが観測された。このことは、上記の作成条件によって、サファイア基板表面(c面)上に(0,0,1)の結晶面を持つSb2Te3薄膜が配向成長したことを示している。なお、結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、図7では数字の前に負の符号を付すことで結晶学上の負の指数が表現される。
図8は、基板温度およびアニールの条件を変えて作成したSb2Te3結晶薄膜のX線回折測定の結果を示したグラフである。3種類の条件でサファイア基板上に成長させたSb2Te3結晶薄膜を試料として用いた。具体的には、基板温度が室温(RT)かつ薄膜成長後のアニールがない試料、基板温度が室温かつ薄膜成長後に200℃でのアニールを施した試料、および基板温度が150℃かつアニールなしの試料である。各試料のSb2Te3結晶薄膜の厚みは200nmであった。
図8に示されるように、基板温度が室温かつアニールなしの試料、基板温度が室温かつ200℃でアニールした試料では、サファイア基板によるX線回折ピークが主に測定され、Sb2Te3結晶に起因したX線回折ピークはほとんど測定されていない。一方、基板温度が150℃で成長させたSb2Te3結晶薄膜の場合には、結晶軸の指数が(0,0,3n)(nは整数)のX線回折ピークが測定された。図8は、条件を制御することによって、(0,0,1)の結晶面を持つSb2Te3結晶薄膜を配向成長させることが可能であることを示している。
Sb2Te3結晶薄膜の作成条件によってSb2Te3結晶薄膜の結晶性が変わることは、ラマン散乱測定によって評価することもできる。図9は、基板温度およびアニールの条件を変えて作成したSb2Te3結晶薄膜のラマン散乱測定の結果を示したグラフである。
図9に示されるように、5種類の試料を準備した。試料#1は、基板温度が150℃かつSb2Te3薄膜形成後のアニールなしの試料である。試料#2は、基板温度が室温(RT)かつSb2Te3薄膜形成後に200℃で30分間のアニールを施した試料である。試料#3は、基板温度が室温(RT)かつSb2Te3薄膜形成後に200℃で5分間のアニールを施した試料である。試料#4は、基板温度が室温かつSb2Te3薄膜形成後に100℃で2時間アニールした試料である。試料#5は、基板温度が室温(RT)かつSb2Te3薄膜形成後のアニールなしの試料である。試料#1〜#5ともにSb2Te3結晶薄膜の厚みは200nmである。また、励起光の波長は532nmである。
試料#3,#5では、Sb2Te3結晶に起因するフォノンモード以外に,Te結晶に起因するフォノンモード(Te:A1モード、Te:E”(TO)モード)が観測された。また、試料#4では、弱いながらもTe結晶に起因するフォノンモードが観測された。これらの結果は、Sb2Te3結晶薄膜内においてTeがクラスター化しているためと考えられる。
一方、試料#1,#2では、Te結晶に起因するフォノンモードが殆ど観測されなかった。これらの結果は、試料#1,#2においては、Sb2Te3結晶薄膜内にTeがほとんど析出しておらず、Sb2Te3の配向膜が成長していることを示している。
X線回折およびラマン散乱スペクトルの測定結果から、基板温度150℃でサファイア基板上に作製したSb2Te3結晶薄膜は、サファイア基板上(サファイア基板のc面上)に配向成長していること、および、Sb2Te3結晶薄膜にTeが析出していないことがわかった。
Sb2Te3結晶薄膜がトポロジカル絶縁体であることを確認するために、図10および図11に示すように、Sb2Te3結晶薄膜(膜厚20nm)に円偏光を照射して、電圧を印加せずにSb2Te3結晶薄膜の光電流を測定した。具体的には、波長800nmのフェムト秒パルス光93(ポンプパワー80mW)をλ/4板21およびレンズ22を通して試料(光伝導素子1)に入射した。トポロジカル絶縁体薄膜11であるSb2Te3結晶薄膜の表面に、厚さ300nmの電極12,13を金(Au)により形成した。電極12,13の間隔は100μmであった。電流の検出にはロックインアンプ(時定数1s)を用いた。λ/4板21の回転により、光パルスの偏光度を変えて試料を励起した。
トポロジカル絶縁体の場合、左回り偏光と右回り偏光とでは光電流の向き(符号)が異なる。このような特性により、Sb2Te3結晶がトポロジカル絶縁体か否かを判断することができる。
図12に示されるように、光電流は、λ/4板21の回転角度に応じて符号が変化する。したがって、Sb2Te3結晶がトポロジカル絶縁体であることが分かる。
λ/4板21の回転角度をαと表すと、図12のグラフに示された光電流jのデータは、
j(α)=Csin2α+L1sin4α+L2cos4α+D
との式により表される曲線によってフィッティングすることができる。
Csin2αおよびL1sin4αは、ディラックコーン(図1参照)に起因する項である。特に、Csin2αは、電子のスピンに依存する項である。一方、L2cos4αおよびDは、バルクに起因する項である。実験データのフィッティングの結果からも、Sb2Te3結晶薄膜がトポロジカル絶縁体であることがわかる。
[4.テラヘルツ波発生]
図13は、本発明に係る光伝導素子によるテラヘルツ波の発生を検証するための光学系の概略的な構成を示した図である。図13を参照して、パルスレーザ光源120からフェムト秒パルス光90が発せられる。パルスレーザ光源120は、フェムト秒パルスレーザ光を発する光源であり、たとえばチタンサファイアレーザ、ファイバレーザ等を適用することができる。フェムト秒パルス光90の波長は、一例では800nmであるが、特に限定されない。
フェムト秒パルス光90は、ハーフミラー121によって、フェムト秒パルス光91,92に分割される。フェムト秒パルスレーザ光91は励起パルス光であり、フェムト秒パルス光92は、ゲートパルス光である。励起パルス光は、たとえばミラー122によって反射され、レンズ123によって集光された後に光伝導素子1に入射する。一方、ゲートパルス光は、ミラー124,125、時間遅延ステージ126およびミラー127を経て、レンズ128によって集光される。集光されたゲートパルス光は、検出器2に入射する。
ミラー122,124,125,127等は、パルスレーザ光の進行方向を変えるためのものである。このためミラーの配置および個数は図13に示されるように限定されない。
図14に示されるように、光伝導素子1は、基板10と、トポロジカル絶縁体薄膜11であるSb2Te3薄膜と、電極12,13を有するアンテナ構造体ANTとを含む。電極12,13は、Sb2Te3薄膜の表面に、間隔dを設けて互いに対向して配置される。電極12,13は電源51に接続される。
検出器2は、テラヘルツ波を検出可能な光伝導素子であり、たとえばLT−GaAsによって構成された光伝導素子を用いることができる。LT−GaAsの表面には電極12´および電極13´が形成されている。電極12´および電極13´は、電流計52に接続される。
図13に示されるように、光伝導素子1から発生したテラヘルツ波は、放物面ミラー131によって平行ビームにされ、放物面ミラー132によって、検出器2の位置において焦点を結ぶ。テラヘルツ波が検出器2に入射すると、検出器2において電流が生じる。検出器2に生じた電流は、アンプ141によって増幅される。ロックインアンプ142は、アンプ141によって増幅された信号を時間波形として取得する。パーソナルコンピュータなどの演算装置143は、その時間波形に対してフーリエ変換などの演算を行う。表示装置144は、演算装置143の演算結果を表示する。
図15は、図13および図14に示した構成によって観測されたテラヘルツ波の時間領域スペクトルを示す図である。図16は、図15に示された時間スペクトルのフーリエ変換スペクトルを示した図である。テラヘルツ波の発生の検証に用いたSb2Te3結晶薄膜の膜厚は、20nmであった。電極12,13の間の間隔dは100μmであった。励起パルス光およびゲートパルス光の各々は、中心波長が800nm、パルス幅が60フェムト秒(fs)のパルスレーザ光であった。励起パルス光のパワーは160mWであり、ゲートパルス光のパワーは35mWであった。図15および図16に示されるように、Sb2Te3結晶薄膜からテラヘルツ波が放射されることを観測できた。観測されたテラヘルツ波の周波数は、約0.3THzおよび約0.8THzであった。2つの周波数でテラヘルツ波が観測される理由としては、Sb2Te3結晶薄膜の表面原子層だけでなくバルクの部分からもテラヘルツ波が放射されているためと考えられる。
図17は、トポジカル絶縁体(Sb2Te3結晶薄膜)から放射されるテラヘルツ波の振幅の電場依存性を示したグラフである。図17に示されるように、Sb2Te3結晶薄膜に印加される電場の強度を高めるほど、テラヘルツ波の振幅が大きくなる。図17から、Sb2Te3結晶薄膜内の光励起キャリアが電場によってSb2Te3結晶薄膜の面内方向に移動し、それによってテラヘルツ波が発生することが分かる。さらに、図17は、電場が大きいほど瞬時電流Jの密度が大きくなるために、Sb2Te3結晶薄膜から放射されるテラヘルツ波の振幅が大きくなることも示している。
図18は、テラヘルツ波の振幅とSb2Te3結晶薄膜の膜厚との関係を示したグラフである。図18から、Sb2Te3結晶薄膜から放射されるテラヘルツ波の振幅は、Sb2Te3結晶薄膜の厚みに依存することが分かる。
[5.高効率光伝導素子の構成]
図19は、本発明に係る光伝導素子の種々の構造を示した概略断面図である。図19(A)には、本発明に係る光伝導素子の基本的構造が示されている。図19(A)において、光伝導素子1aは、基板10と、トポロジカル絶縁体薄膜11と、電極12,13(アンテナ構造体ANT)とを備える。電極12,13は、トポロジカル絶縁体薄膜11の表面に形成される。したがって、電極12,13は、トポロジカル絶縁体薄膜11の表面に沿って、互いに間隔を設けて対向配置される。
基板10には、絶縁体または高抵抗の半導体を用いることができる。トポロジカル絶縁体薄膜11は、基板10の表面に形成される。図19(A)に示された構成では、トポロジカル絶縁体薄膜11の数は1つである。上記の通り、トポロジカル絶縁体薄膜11の数が1つである場合にも、テラヘルツ波を発生または検出することが可能な光伝導素子を実現することができる。
図19(B)において、光伝導素子1bは、トポロジカル絶縁体層11aおよび通常絶縁体層14を備える。通常絶縁体層14は、トポロジカル絶縁体層11aに重ねられる。すなわち、光伝導素子1bは、トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14とが交互に積層された積層構造体を備える。光伝導素子1bは、さらに、積層構造体の表面に配置された電極12,13を備える。図19(B)に示された構成では、電極12,13は、通常絶縁体層14の表面に配置される。電極12,13は、積層構造体の面方向に沿って対向して配置される。
図19(B)に示した構成によれば、トポロジカル絶縁体層11aにおいて、基板10との界面近傍の表面部分だけでなく、通常絶縁体層14との界面近傍の表面部分にもトポロジカルな金属状態を生じさせることが可能となる。したがって、光伝導素子1bをテラヘルツ波発生素子に用いる場合には、図19(A)の構成に比べて、より強度の大きいテラヘルツ波を発生することができる。一方、光伝導素子1bをテラヘルツ波検出素子に用いる場合には、テラヘルツ波の検出感度を高めることができる。
図19(C)において、光伝導素子1cは、トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14とが交互に積層された積層構造体を有する。図19(C)の構成では、図19(B)の構成よりも、トポロジカル絶縁体層11aおよび通常絶縁体層14の数を増やしている。
図19(C)では図示の便宜上、2つのトポロジカル絶縁体層11aと、2つの通常絶縁体層14とが交互に積層された積層構造体が示されている。しかしながら、トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14とが交互に積層されていれば、層の数は特に限定されない。積層構造体は、少なくとも2つのトポロジカル絶縁体層11aと、それら2つのトポロジカル絶縁体層11aの間に設けられた1つの通常絶縁体層14とを有していればよい。電極12,13は、積層構造体の表面に配置される。図19(B)に示された構成と同じく、図19(C)の構成において、電極12,13は、通常絶縁体層14の表面に形成される。
図19(C)に示した構成によれば、積層構造体に含まれるトポロジカル絶縁体層11aの数が増える。したがってトポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14との界面の数が増える。これにより、図19(A),(B)に示した構成に比べて、より強いテラヘルツ波を発生する、あるいは、より高い感度でテラヘルツ波を検出することができる。
トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層とが交互に積層された構造体において、最上位の層は、トポロジカル絶縁体層11aでもよい。ただし図19(C)に示されるように、最上位の層が通常絶縁体層14であることが好ましい。これにより、複数のトポロジカル絶縁体層11aの各々は、上側の界面近傍の表面原子層および下側の界面近傍の表面原子層においてトポロジカルな金属状態を生じさせることが可能になる。したがって、より強いテラヘルツ波を発生する、あるいは、より高い感度でテラヘルツ波を検出することができる。なお、最上位の層が通常絶縁体層14であることは、フェムト秒パルス光の入射によるトポロジカル絶縁体層11aの励起に実質的に影響を与えない。
本発明の実施の形態に係る光伝導素子は、図19に示す構成に種々の変形を加えた構成を有してもよい。たとえば図20(A)に示されるように、光伝導素子1dは、基板10と、トポロジカル絶縁体薄膜11との間に形成された絶縁体層15を備える。この点で光伝導素子1dは、図19(A)に示された光伝導素子1aの構成と異なる。同様に、図20(B)に示される光伝導素子1eおよび図20(C)に示される光伝導素子1fは、図19(B)に示された光伝導素子1bおよび図19(C)に示された光伝導素子1bに対して、絶縁体層15が追加される点でそれぞれ異なっている。
絶縁体層15は、基板10の格子定数とトポロジカル絶縁体薄膜11(またはトポロジカル絶縁体層11a)の格子定数との間にある格子定数を有する。たとえば、基板10(結晶基板)とトポロジカル絶縁体との間で格子定数が異なる場合、基板10の表面にトポロジカル絶縁体(膜あるいは層)を直接形成すると、格子定数の不整合が問題になる可能性がある。基板10の表面に絶縁体層15を形成することによって、基板10とトポロジカル絶縁体層11aとの間における格子定数の不整合を緩和することができる。
アンテナ構造体ANTの平面形状は、そのアンテナ構造体ANTの周波数帯域と関係する。図21は、アンテナ構造体ANT(光伝導アンテナ)の平面形状の例を説明するための図である。なお、図19(A)の構成を例にしてアンテナ構造体ANTの形状を説明するが、図21に示したアンテナ構造体ANTは、光伝導素子の他の構成にも適用可能である。
図21(A)には、アンテナ構造体ANTがボウタイアンテナである例が示される。図21(B)には、アンテナ構造体ANTがダイポールアンテナである例が示される。ボウタイアンテナは低周波用アンテナであり、ダイポールアンテナは高周波用アンテナである。図21に示された形状に限らず、アンテナ構造体ANTには、たとえばスパイラル型、ログペリ型、アレイ型など、従来のマイクロ波あるいはミリ波領域でのアンテナ技術を応用した種々の形状を採用することができる。電極12,13の間の間隔dは特に限定されない。
図19および図20に示された構成において、トポロジカル絶縁体薄膜11およびトポロジカル絶縁体層11aは、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含む。具体的には、トポロジカル絶縁体薄膜11およびトポロジカル絶縁体層11aは、上記の2元結晶、3元結晶、4元結晶のいずれであってもよい。
一実施形態では、トポロジカル絶縁体薄膜11およびトポロジカル絶縁体層11aは、Sb2Te3結晶薄膜である。Sb2Te3結晶をc軸方向に配向成長させるよう、基板10は、三方晶、六方晶の結晶基板であり、かつ、a軸方向の格子定数(a0)がSb2Te3結晶のa軸方向の格子定数に近いことが好ましい。これらの観点から、基板10としては、たとえば、c面を有するサファイア基板、(111)面を有する、高抵抗のシリコン結晶基板やCdSe結晶基板等を用いることができる。
トポロジカル絶縁体薄膜11がSb2Te3結晶薄膜である場合、トポロジカル絶縁体薄膜11の厚みt1は、Sb2Te3結晶薄膜のc軸の方向の長さに相当する。図5に示されるように、Sb2Te3結晶の1ユニットのc軸方向の長さは約1nmである。Sb2Te3結晶薄膜の表面にトポロジカル層を形成するためには、最低でも1ユニットが必要である。したがって、厚みt1は、約1nm以上である必要がある。一方、図18に示されるように、厚みt1を30nmより大きくしても、光伝導素子から放射されるテラヘルツ波の強度は、ほぼ飽和するか、あるいは逆に低下する可能性がある。したがって、厚みt1の上限を、30nm以下としてもよい。
図19(B)、図19(C)、図20(B)、図20(C)のように、トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14とが積層された積層構造体の場合、トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14との組み合わせとしては、Sb2Te3とGeTe(テルル化ゲルマニウム)との組み合わせを用いることができる。
Ge,Sb,Teを含む長周期積層構造薄膜の組成は(GeTe)n/(Sb2Te3mと表すことができる(n,mは整数)。n=1,m=3となる組成の薄膜は、DVDの記録層に用いられており、GST薄膜として知られている。1ユニットのGeTeからなる通常絶縁体層14と、3ユニットのSb2Te3(すなわちSb6Te9)からなるトポロジカル絶縁体層11aとを交互に積層することで、(GeTe)1/(Sb2Te33と同じ組成を有する長周期積層構造薄膜(積層構造体)を形成することができる。
トポロジカル絶縁体層11a(Sb2Te3)の厚みt1は、1nm以上であることが好ましい。上記の通り、Sb2Te3のc軸方向の1ユニットの長さは、1nmである。これにより、トポロジカル絶縁体層11aの表面にトポロジカル層を形成することができる。なお、トポロジカル絶縁体層11a(Sb2Te3)の厚みt1の上限は特に限定されないが、たとえば、(GeTe)n/(Sb2Te3mにおいてn=1,m=3となる長周期積層構造薄膜を形成するために、1つのトポロジカル絶縁体層11aを3ユニットで構成する場合、厚みt1の上限を3nmと定めることができる。
通常絶縁体層14(GeTe)の厚みt2の最低値は、1原子層の厚み(約0.6nm)である。したがって通常絶縁体層14(GeTe)の厚みt2は、0.6nm以上であることが好ましい。一方、通常絶縁体層14の厚みt2をある程度大きくすれば、その通常絶縁体層14の上下に位置する2つのトポロジカル絶縁体層11aの各々の表面に生じるトポロジカル層を、十分に電気的に絶縁できる。この観点からは、通常絶縁体層14の厚みt2は、2nm程度としてもよい。したがって、通常絶縁体層14(GeTe)の厚みt2の上限を、2nmとすることができる。積層構造体の厚み(言い換えると通常絶縁体層14およびトポロジカル絶縁体層11aの積層数)は特に限定されず、たとえば光伝導素子1から発せられるテラヘルツ波の強度、あるいは、光伝導素子1のテラヘルツ波の検出感度の観点から適切に決定することができる。一例では積層構造体の厚みは約500nmである。
図22は、GeSb6Te10がテラヘルツ波を発生することを検証した結果を説明した図である。図22(A)は、テラヘルツ波の時間スペクトル波形を示した図であり、図22(B)は、図22(A)の時間スペクトル波形のフーリエ変換スペクトルを示した図である。なお、試料には多結晶のGeSb6Te10を用いた。また、GeSb6Te10を励起するためのパルスレーザ光の波長は800nmであった。
図22(A),(B)は、多結晶のGeSb6Te10がテラヘルツ波を発生可能なことを示す。多結晶のGeSb6Te10に電圧を印加することによって、多結晶試料の表面付近に電場が生じ、その表面電場中を光励起キャリアが移動することにより、テラヘルツ波のパルスが発生したと考えられる。GeSb6Te10の多結晶試でもテラヘルツ波を発生可能なことは、トポロジカル絶縁体層11a(Sb2Te3結晶薄膜)と、通常絶縁体層14(GeTe薄膜)とが規則的に交互に積層された積層体も、テラヘルツ波パルスを発生可能であることを示すものである。
図23は、本発明の光伝導素子の製造方法の一実施形態を示したフロー図である。具体的には、図23に示されたフローは、図19(C)に示された積層構造体を形成するためのフローである。
図23のフローによれば、ステップS1において、基板10を準備する。ステップS2において、基板10の表面に、トポロジカル絶縁体層11aを形成する。ステップS3において、トポロジカル絶縁体層11aの上に通常絶縁体層14を形成する。
続いて、ステップS4において、トポロジカル絶縁体層11aが形成され、ステップS5において通常絶縁体層14が形成される。以後、所定の積層数に達するまで、トポロジカル絶縁体層11aおよび通常絶縁体層14を交互に積層する処理が繰り返される。
トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14とを交互に積層する方法としては、たとえば真空蒸着法、あるいはスパッタリング法などを用いることができる。たとえば、目的とする(GeTe)n/(Sb2Te3mの長周期積層構造薄膜を真空蒸着法を用いて作製する場合、GeTeとSb2Te3とをGe:Sb:Te=n:2m:n+3m(たとえばn=1,m=3の場合、Ge:Sb:Te=1:6:10)となるように溶融加熱して(GeTe)n/(Sb2Te3mの長周期積層構造を有するパウダーを作り、抵抗加熱またはスパッタリング法によって、パウダーを基板に蒸着させてもよい。あるいは抵抗加熱またはスパッタリング法を用いる場合には、異なるターゲットを用いた交互蒸着によって、GeTeとSb2Te3とを交互に積層してもよい。
ステップS10において、電極12,13を形成する。たとえば、電極材料(たとえば金であるがこれに限定されない)を積層構造体の表面(最上面)に蒸着し、フォトレジストおよびマスクを用いたリソグラフィ工程により、フォトレジストに所定のパターンを転写する。エッチング工程により、電極12,13を形成し、フォトレジストを除去する。
なお、図19(A)に示された光伝導素子1aを形成する場合には、ステップS3〜S5の処理、およびそれ以後の積層工程を省略すればよい。図19(B)に示された光伝導素子1bを形成する場合にも、ステップS4の処理、およびそれ以後の処理を省略すればよい。一方、ステップS1とステップS2との間に絶縁体層15を形成するステップを追加することにより、図20(A),図20(B)あるいは図20(C)に示された光伝導素子を形成することができる。
本発明の光伝導素子は、トポロジカル絶縁体を用いることにより、さまざまな利点を有する。第1の利点は、量産に適していることである。
LT−GaAsを用いた光伝導素子を製造する場合、一般的にはGaAsを成長させるために分子線エピタキシー法が用いられる。しかし、分子線エピタキシー法は生産性の点に課題がある。これに対して、本発明によれば、真空蒸着法あるいはスパッタリングにより光伝導素子を生成することができるため量産に適している。これにより光伝導素子の製造コストを下げることが可能となる。
トポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14との組み合わせがSb2Te3とGeTeとである場合、DVDの記録層と同じ組成であるため安価な製造が可能である。さらに図7〜図9等に示されるように、Sb2Te3薄膜は、成長時の温度(基板温度)を変えることによって結晶化が可能である。
第2の利点は、光伝導素子に印加する電場を小さくすることができることである。LT−GaAsの場合、テラヘルツ波を発生させるためにたとえば50kV/cmの電場をLT−GaAsに印加する必要がある。しかしながら高い電界は、光伝導素子の他の部分の耐久性あるいは寿命などに影響を与える可能性がある。これに対して本発明では、トポロジカル絶縁体の表面に生じる金属状態を利用することにより、より低い電界によって、テラヘルツ波を発生させることができる。たとえば図15,図16,図22等に示されるように、本発明では、800V/cm程度の電界(電極12,13の間の間隔dが100μmの場合)でもテラヘルツ波を発生させることができる。また、本発明の光伝導素子をテラヘルツ波の検出に用いる場合には、より高い感度でテラヘルツ波を検出できる。
第3の利点は、光伝導素子がトポロジカル絶縁体層11aと通常絶縁体層14とが交互に積層された積層構造体を含むことによって、トポロジカル絶縁体層11aの数を調整できることである。これにより、本発明の光伝導素子は、より強いテラヘルツ波を発生することができる、あるいは、より高い感度でテラヘルツ波を検出できる。
第4の利点は、光伝導素子に入射すべき光の波長を広い範囲の中から選択できることである。LT−GaAsの場合、光励起キャリアを発生させるためには、GaAsのバンドギャップに相当する波長(約800nm)以下の波長を有する光を、LT−GaAsに入射しなければならない。一方、トポロジカル絶縁体のトポロジカル層は、ギャップレスのバンド構造を有する。このため光励起キャリアを発生させるために必要な光の波長は、テラヘルツ波の波長よりも短かれば特に限定されない。本発明によれば、フェムト秒パルスレーザ光を発生することが可能な市販のさまざまなレーザ光源を用いることができる。一例では、200nm以上20μm以下の範囲内の波長を有するレーザ光を発する光源を本発明に用いることができる。ただしパルスレーザ光の時間幅は狭いほうがよい。位置実施形態ではパルスレーザ光のパルス幅は3ps以下であり、好ましくは、1ps以下である。
通常絶縁体層14は、トポロジカル絶縁体層11aのバンドギャップを調整する役割を果たす。その理由は、トポロジカル絶縁体層11aの表面にあるトポロジカル層がSeまたはTeを含むためである。上記の実施形態では、通常絶縁体層14としてGeTeの層を示したが、通常絶縁体層14はGeSeであってもよく、あるいはGe,Se,Teをすべて含んでもよい。
なお、トポロジカル絶縁体薄膜11、およびトポロジカル絶縁体層11aは、SbおよびBiのうちの少なくとも1種と、SeおよびテルルTeのうちの少なくとも1種とを含んでいればよい。したがって、トポロジカル絶縁体薄膜11、およびトポロジカル絶縁体層11aは、さらに別の元素を含んでいてもよい。別の元素としては、たとえばインジウム(In)を挙げることができる。
[6.応用]
図24は、本発明に係る光伝導素子の1つの適用形態を示した図である。図24に示すように、システム200は、テラヘルツ波発生装置210と、テラヘルツ波検出装置220とを備える。テラヘルツ波発生装置210は、本発明の実施の形態に係る光伝導素子201Aと、光源211と、電源212とを有する。テラヘルツ波検出装置220は、本発明の実施の形態に係る光伝導素子201Bと、光源221と、信号処理部222とを有する。
光源211,光源221の各々は、フェムト秒パルスレーザ光を繰り返して発する。光源211,光源221の各々は、たとえばファイバレーザ、チタンサファイアレーザなどを用いることができる。フェムト秒パルスレーザ光の波長は、200nm以上20μm以下の範囲内の波長であればよい。フェムト秒パルスレーザ光のパルス幅は、たとえば3ps以下であり、好ましくは1ps秒である。
なお、光源211と光源221とを別に設ける必要はなく、1つの光源から出た光を分岐して光伝導素子201A,201Bに入射してもよい。
電源212は、光伝導素子201Aに電場を印加する。光伝導素子201Aは、光源211からのパルスレーザ光の入射に応じて、テラヘルツ波101を発する。テラヘルツ波101は、対象物250を透過して、光伝導素子201Bに入射する。
光伝導素子201Bには、光源221からのフェムト秒パルスレーザ光が繰り返し入射される。光伝導素子201Bがテラヘルツ波101を受けると、光伝導素子201Bは電流を発生する。この電流は、光伝導素子201Bから出力される信号として、信号処理部222によって処理される。
システム200の用途は特に限定されない。たとえばシステム200を、位置センサー、距離センサー、分光測定装置、通信装置、イメージセンサー等に利用することができる。
たとえば光伝導素子201Bを2次元撮像素子として構成することにより、システム200を、イメージセンサーに用いることができる。信号処理部222は、光伝導素子201Bからの信号を処理することにより、対象物250の画像(画像データ)を生成する。すなわち信号処理部222は、画像生成部である。
図25は、本発明の光伝導素子を含む2次元撮像素子を模式的に示した図である。図25に示すように、2次元撮像素子としての光伝導素子201Bは、マトリクス状に配置された複数の光伝導素子1を含む。光伝導素子1のX方向の長さLxおよびY方向の長さLyは、テラヘルツ波の波長程度であるのが好ましく、たとえば100μm程度である。光伝導素子1に代えて、図19,図20に示した光伝導素子1a〜1fのいずれも光伝導素子201Bに適用可能である。特に、積層構造体を有する光伝導素子1cあるいは1fを光伝導素子201Bに適用することによって、高感度の撮像を可能にすることができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
本発明は、テラヘルツ波の発生およびテラヘルツ波の検出に好適に利用することができる。
1,1a〜1f,201A,201B 光伝導素子、2 検出器、10 基板、11 トポロジカル絶縁体薄膜、11a トポロジカル絶縁体層、12,13 電極、14 通常絶縁体層、15 絶縁体層、21 λ/4板、22,123,128 レンズ、51,212 電源、52 電流計、90〜93 フェムト秒パルス光、101,102 テラヘルツ波、120 パルスレーザ光源、121 ハーフミラー、122,124,125,127 ミラー、126 時間遅延ステージ、131,132 放物面ミラー、141 アンプ、142 ロックインアンプ、143 演算装置、144 表示装置、200 システム、210 テラヘルツ波発生装置、211,221 光源、220 テラヘルツ波検出装置、222 信号処理部、250 対象物、ANT アンテナ構造体、S1〜S10 ステップ、d 間隔、t1,t2 厚み。

Claims (11)

  1. テラヘルツ波を発生または検出するための光伝導素子であって、
    アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含むトポロジカル絶縁体薄膜と、
    前記トポロジカル絶縁体薄膜の面方向に沿って、対向して配置された第1および第2の電極を含むアンテナ構造体とを備える、光伝導素子。
  2. 前記トポロジカル絶縁体薄膜は、Sb2Te3薄膜である、請求項1に記載の光伝導素子。
  3. 前記Sb2Te3薄膜の厚みは、1nm以上である、請求項2に記載の光伝導素子。
  4. テラヘルツ波を発生または検出するための光伝導素子であって、
    交互に積層されたトポロジカル絶縁体層と通常絶縁体層とを含む積層構造体と、
    前記積層構造体の面方向に沿って対向して配置された第1および第2の電極を含むアンテナ構造体とを備え、
    前記トポロジカル絶縁体層は、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)のうちの少なくとも1種と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種とを含み、
    前記通常絶縁体層は、ゲルマニウム(Ge)と、セレン(Se)およびテルル(Te)のうちの少なくとも1種と、を含む、光伝導素子。
  5. 前記第1および第2のトポロジカル絶縁体層は、Sb2Te3の層であり、
    前記通常絶縁体層は、GeTeの層である、請求項4に記載の光伝導素子。
  6. 前記第1および第2のトポロジカル絶縁体層の厚みは、1nm以上であり、
    前記通常絶縁体層の厚みは、0.6nm以上である、請求項5に記載の光伝導素子。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光伝導素子と、
    前記光伝導素子に光励起キャリアを生じさせるためのパルスレーザ光を発するパルスレーザ光源と、
    前記アンテナ構造体の前記第1および第2の電極間に電界を印加するための電源とを備える、テラヘルツ波発生装置。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光伝導素子と、
    前記光伝導素子に光励起キャリアを生じさせるためのパルスレーザー光を発するパルスレーザー光源と、
    前記アンテナ構造体がテラヘルツ波を受けることにより前記第1および第2の電極間に生じる電流を検出するための検出部とを備える、テラヘルツ波検出装置。
  9. 前記光伝導素子は、撮像素子において行列状に配置され、
    前記検出部は、前記撮像素子の信号から画像を生成するように構成される、請求項8に記載のテラヘルツ波検出装置。
  10. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光伝導素子に、パルスレーザー光を入射するとともに、前記アンテナ構造体の前記第1および第2の電極間に電界を印加して、テラヘルツ波を発生させる、テラヘルツ波発生方法。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光伝導素子に、パルスレーザー光を入射するとともに、前記アンテナ構造体がテラヘルツ波を受けることにより前記第1および第2の電極間に生じる電流を検出する、テラヘルツ波検出方法。
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