以下に図面を参照して、本発明にかかる注文処理装置および買い注文処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(買い注文処理方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる買い注文処理方法の一実施例を示す説明図である。図1において、注文処理装置101は、有価証券の買い注文を処理するコンピュータである。有価証券とは、財産権を表示する証券であり、例えば、株券、債券、証券投資信託などである。
銀行システム102は、銀行の預金口座に対する各種依頼、例えば、残高照会依頼や出金抑止依頼を処理するコンピュータである。残高照会依頼とは、預金口座の残高を確認するためのものである。出金抑止依頼とは、預金口座において指定された金額の出金を抑止するためのものである。
また、顧客端末103は、ユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、例えば、証券会社や銀行の顧客である。また、取引所システム104は、有価証券の買い注文や売り注文を受け付けるコンピュータである。取引所システム104は、例えば、有価証券の売買取引を行う証券取引所に設けられる。
株券などの有価証券を購入する場合、顧客は、証券会社に証券口座を開設し、証券会社に対して有価証券の買い注文を出す。この際、有価証券の買い注文に必要な総額に対して、証券口座の残高が不足している場合がある。この場合、例えば、顧客が、証券口座に不足分の金額を振り込んだり、自分が保有する預金口座から証券口座に不足分の金額を振り替えたりすることが考えられるが、手間や時間がかかってしまう。
また、例えば、銀行に預けている資金を別の金融機関での取引に利用するサービスを利用して、銀行の預金口座にある資金で不足分の金額を補填することも考えられる。ところが、銀行側のシステムで、買い注文に対する不足分の金額を補填できるか否かを判断して、預金口座の資金を投資資金として使えるようにするためには、銀行側のシステムに対する機能変更、機能追加が発生してしまう。
そこで、本実施の形態では、銀行側のシステムにできるだけ手を加えることなく、証券口座の残高以上の購入額の有価証券を購入可能にする買い注文処理方法について説明する。以下、注文処理装置101の処理例について説明する。
(1)注文処理装置101は、顧客端末103から、ユーザ識別子と対応付いた、買い注文の依頼を受信する。ここで、買い注文とは、有価証券を購入するために出す注文である。買い注文の依頼には、例えば、有価証券の銘柄、数量などが含まれる。ユーザ識別子は、ユーザ(顧客)を識別する識別子である。
図1の例では、注文処理装置101が、顧客端末103から、株券の買い注文の依頼を受信した場合を想定する。なお、買い注文の依頼の具体例については、図5を用いて後述する。
(2)注文処理装置101は、受信した依頼により特定される、有価証券の買い注文に必要な総額を算出する。具体的には、例えば、注文処理装置101は、下記式(1)を用いて、有価証券の買い注文に必要な総額を算出することができる。ただし、概算支払額は、有価証券の買い注文に必要な総額である。数量は、有価証券の数量である。単価は、有価証券の単価である。手数料は、証券会社に支払う手数料である。
概算支払額=数量×単価+手数料 ・・・(1)
図1の例では、株券の買い注文に必要な総額として、「¥1,000,000」が算出された場合を想定する。
(3)注文処理装置101は、証券口座の残高情報から、受信した依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高を取得する。ここで、証券口座の残高情報は、ユーザ識別子と対応付けて管理されており、当該ユーザ識別子に対応する証券口座の残高を示す情報である。
図1の例では、株券の買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高として、「¥300,000」が取得された場合を想定する。
(4)注文処理装置101は、取得した証券口座の残高が、算出した総額よりも少ない場合に、受信した依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座の残高照会依頼を、銀行システム102へ送信する。依頼先の銀行システム102は、ユーザが保有する預金口座が設けられた銀行のシステムである。残高照会依頼には、例えば、顧客の預金口座の口座番号、顧客の預金口座が開設された銀行の店番などが含まれる。
図1の例では、証券口座の残高「¥300,000」が、総額「¥1,000,000」よりも少ない。すなわち、株券の買い注文に対して、買付余力が不足している。買付余力とは、ユーザが買付可能な金額の上限である。この場合、注文処理装置101は、ユーザが保有する預金口座の残高照会依頼を、銀行システム102へ送信する。なお、残高照会依頼の具体例については、図7Aを用いて後述する。
銀行システム102は、残高照会依頼を受信したことに応じて、ユーザが保有する預金口座の残高を取得して、取得した預金口座の残高を含む残高照会応答を、注文処理装置101へ送信する。図1の例では、ユーザが保有する預金口座の残高として、「¥2,000,000」が取得された場合を想定する。
(5)注文処理装置101は、銀行システム102から返信された預金口座の残高と、証券口座の残高との合計を算出する。そして、注文処理装置101は、算出した合計と、算出した総額とを比較する。
図1の例では、注文処理装置101は、預金口座の残高「¥2,000,000」と、証券口座の残高「¥300,000」との合計「¥2,300,000」を算出する。合計「¥2,300,000」は、顧客の買付余力(証券側+銀行側)となる。そして、注文処理装置101は、算出した合計「¥2,300,000」と、算出した総額「¥1,000,000」とを比較する。
(6)注文処理装置101は、比較した結果、合計が総額よりも多い場合に、総額と証券口座の残高との差額分を預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を、銀行システム102へ送信する。出金抑止依頼には、例えば、顧客の預金口座の口座番号、顧客の預金口座が開設された銀行の店番、出金抑止金額などが含まれる。
図1の例では、合計「¥2,300,000」が総額「¥1,000,000」よりも多い。この場合、注文処理装置101は、総額「¥1,000,000」と証券口座の残高「¥300,000」との差額分「¥700,000」を出金抑止額とする出金抑止依頼を、銀行システム102へ送信する。なお、出金抑止依頼の具体例については、図7Aを用いて後述する。
銀行システム102は、出金抑止依頼を受信したことに応じて、顧客の預金口座において出金抑止金額分「¥700,000」の出金を抑止する。この結果、証券口座に出金抑止金額分「¥700,000」が補填されることになり、預金口座の出金可能額は、「¥1,300,000(=¥2,000,000−700,000)」となる。そして、銀行システム102は、出金抑止依頼に対する処理の完了を示す出金抑止応答を、注文処理装置101へ送信する。
なお、銀行システム102における出金抑止額の管理方法としては、例えば、預金口座の出金抑止額を管理するためのデータベースを設けることにしてもよい。また、例えば、他店券の管理と同様に、預金元帳(例えば、CIF:Customers’ Information Files)に出金抑止額の項目を設けることにしてもよい。さらに、補填限度額の項目を設けることにより、預金口座から証券口座に補填できる金額、すなわち、出金抑止できる金額を制限することにしてもよい。これにより、ユーザ(顧客)が、預金口座から証券口座に補填できる金額を制限できるようになる。
(7)注文処理装置101は、銀行システム102から出金抑止依頼に対する処理の完了を示す情報を受信した場合に、有価証券の買い注文を出力する。図1の例では、注文処理装置101は、出金抑止依頼に対する処理の完了を示す出金抑止応答を受信する。この場合、顧客の証券側の買付余力は、証券口座の残高「¥300,000」と補填金額「¥700,000」とを足し合わせた「¥1,000,000」となる。
このため、注文処理装置101は、取引所システム104に対して株券の買い注文を出力する。そして、証券取引所において、取引所システム104が受け付けた買い注文に対する株券の売買が成立すると、取引所システム104から注文処理装置101に約定通知が送られる。
なお、買い注文についての決済は、取引日の翌々々日の営業日に行われる。また、決済日の資金振替は、既存システムのセンタカット処理や他店券の資金化処理の仕組みを流用することにより、顧客の預金口座から証券口座への振替処理をシステム化して業務効率化を図ることができる。
このように、注文処理装置101によれば、顧客からの有価証券の買い注文に対して証券口座の残高が不足していれば、顧客の預金口座の残高を照会して、預金口座の残高で不足分を補填できるか否かを判断することができる。そして、注文処理装置101によれば、預金口座の残高で不足分を補填できる場合に、銀行システム102に不足分の出金抑止を依頼し、出金抑止の処理が完了したことに応じて、有価証券の買い注文を出すことができる。
これにより、証券側システム(注文処理装置101)と銀行側システム(銀行システム102)とを連携させて、顧客の証券口座の残高以上の購入額の有価証券を購入可能にすることができる。また、預金口座の残高で不足分を補填できるかといった判断を証券側システムが行うため、本サービスの運用を開始する際の銀行側システムに対する機能変更や機能追加をできるだけ抑えることができる。
なお、上記(5)において、注文処理装置101は、預金口座の残高と証券口座の残高との合計を算出して総額と比較することにしたが、これに限らない。例えば、注文処理装置101は、総額から、預金口座の残高と証券口座の残高とを減算した値が「0」より大きいか否かを判断することにより、預金口座の残高と証券口座の残高との合計が総額よりも多いか否かを判断することにしてもよい。
(オンライン取引システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかるオンライン取引システム200のシステム構成例について説明する。
図2は、オンライン取引システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、オンライン取引システム200は、注文処理装置101と、複数の銀行システム102と、顧客端末103と、取引所システム104と、を含む構成である。オンライン取引システム200において、注文処理装置101、銀行システム102、顧客端末103および取引所システム104は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ここで、注文処理装置101は、証券会社に設けられるサーバであり、顧客DB(データベース)220および買い注文管理テーブル230を有する。顧客DB220および買い注文管理テーブル230の記憶内容については、図8および図9を用いて後述する。
銀行システム102は、各銀行(図2の例では、銀行A、銀行B、銀行xx)に設けられるサーバであり、出金抑止管理テーブル240を有する。出金抑止管理テーブル240の記憶内容については、図10を用いて後述する。顧客端末103は、証券会社の顧客が使用するPC(パーソナル・コンピュータ)、ノートPC、タブレット型PCなどである。取引所システム104は、証券取引所に設けられるサーバである。
(注文処理装置101等のハードウェア構成例)
つぎに、注文処理装置101、銀行システム102および取引所システム104のハードウェア構成例について説明する。ここでは、注文処理装置101、銀行システム102および取引所システム104を「注文処理装置101等」と表記する。
図3は、注文処理装置101等のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、注文処理装置101等は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、注文処理装置101等の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、注文処理装置101等は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。
(顧客端末103のハードウェア構成例)
つぎに、顧客端末103のハードウェア構成例について説明する。
図4は、顧客端末103のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、顧客端末103は、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、I/F405と、ディスプレイ406と、入力装置407と、を有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、顧客端末103の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
I/F405は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置(例えば、図2に示した注文処理装置101)に接続される。そして、I/F405は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
ディスプレイ406は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ406は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを採用することができる。
入力装置407は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置407は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
なお、顧客端末103は、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ403、ディスク404などを有さないことにしてもよい。また、顧客端末103は、上述した構成部のほか、例えば、SSD、スキャナ、プリンタなどを有することにしてもよい。
(有価証券の注文依頼の具体例)
つぎに、顧客端末103から注文処理装置101に送信される有価証券の注文依頼の具体例について説明する。
図5は、有価証券の注文依頼の具体例を示す説明図である。図5において、有価証券の注文依頼500は、有価証券の注文を証券会社に依頼するための電文である。有価証券の注文依頼500は、口座番号、銘柄名、銘柄コード、数量、売買区分および注文区分を有する。
口座番号は、顧客が保有する証券口座の番号である。銘柄名は、取引対象の有価証券の銘柄名である。銘柄コードは、取引対象の有価証券の銘柄コードである。数量は、取引対象の有価証券の数量である。売買区分は、売り注文または買い注文を区別するための区分である。注文区分は、指し値注文または成り行き注文を区別するための区分である。指し値注文の場合は指し値(金額)が指定される。
具体的には、有価証券の注文依頼500は、口座番号「1111111」の証券口座を保有する顧客が、銘柄名「××株式会社」、銘柄コード「xxxx」の株券を、指し値「99,000」で数量「10」購入するための買い注文の依頼である。なお、有価証券の注文依頼500には、有価証券の注文の発注期限が含まれていてもよい。発注期限としては、例えば、当日から1ヶ月先程度の指定が可能である。
(電文のフォーマット例)
つぎに、注文処理装置101と銀行システム102との間でやり取りされる電文(例えば、残高照会依頼、残高照会応答、出金抑止依頼、出金抑止応答)のフォーマット例について説明する。
図6は、電文のフォーマット例を示す説明図である。図6において、電文600は、処理通番、電文種別、科目コード、口座番号、店番、取引金額および出金可能額のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで各種電文が形成される。
ここで、処理通番は、注文処理装置101から銀行システム102に送信される依頼電文に連番で付与される番号である。処理通番は、銀行システム102から注文処理装置101に送信される応答電文と依頼電文とのマッチングに使用される。処理通番の属性は、数字タイプであり、桁数は6桁である。
電文種別は、電文の種別を示す。電文種別の属性は、数字タイプであり、桁数は4桁である。ここでは、電文種別「1000」が残高照会依頼を示し、電文種別「1100」が残高照会正常応答を示し、電文種別「12××」が残高照会異常応答を示す。また、電文種別「2000」が出金抑止依頼を示し、電文種別「2100」が出金抑止正常応答を示し、電文種別「22××」が出金抑止異常応答を示す。
また、電文種別「3000」が出金抑止補正依頼を示し、電文種別「3100」が出金抑止補正正常応答を示し、電文種別「32××」が出金抑止補正異常応答を示す。なお、各種異常応答電文の××部分は、例えば、該当口座が存在しない場合や、残高不足など異常応答となる事象により異なる。
科目コードは、顧客が保有する預金口座の科目を示す。科目コードの属性は、数字タイプであり、桁数は2桁である。ここでは、科目コード「01」が普通預金を示し、科目コード「02」が当座預金を示す。口座番号は、預金口座の番号である。口座番号の属性は、数字タイプであり、桁数は7桁である。
店番は、預金口座が開設された銀行の店番を示す。店番の属性は、数字タイプであり、桁数は4桁である。取引金額は、出金抑止または出金抑止補正する金額を示す。取引金額の属性は、数字タイプであり、桁数は11桁である。出金可能額は、預金口座の残高を示す。出金可能額の属性は、数字タイプであり、桁数は13桁である。なお、出金可能額は、預金元帳を参照できた場合は、異常応答電文にもセットされる。
(電文600の具体例)
つぎに、注文処理装置101と銀行システム102との間でやり取りされる電文600の具体例について説明する。
図7Aおよび図7Bは、電文の具体例を示す説明図である。図7Aにおいて、電文701は、注文処理装置101から銀行システム102に送信される残高照会依頼の具体例である。電文702は、電文701の依頼電文に対する応答電文であり、銀行システム102から注文処理装置101に送信される残高照会正常応答の具体例である。
また、電文703は、注文処理装置101から銀行システム102に送信される出金抑止依頼の具体例である。電文704は、電文703の依頼電文に対する応答電文であり、銀行システム102から注文処理装置101に送信される出金抑止正常応答の具体例である。
また、電文705は、注文処理装置101から銀行システム102に送信される出金抑止補正依頼の具体例である。電文706は、電文705の依頼電文に対する応答電文であり、銀行システム102から注文処理装置101に送信される出金抑止補正正常応答の具体例である。
図7Bにおいて、電文707は、注文処理装置101から銀行システム102に送信される出金抑止依頼の具体例である。電文708は、電文707の依頼電文に対する応答電文であり、銀行システム102から注文処理装置101に送信される出金抑止異常応答の具体例である。なお、電文種別「2210」は、該当口座が存在しないことを示す。
また、電文709は、注文処理装置101から銀行システム102に送信される出金抑止依頼の具体例である。電文710は、電文709の依頼電文に対する応答電文であり、銀行システム102から注文処理装置101に送信される出金抑止異常応答の具体例である。なお、電文種別「2220」は、残高不足を示す。
(顧客DB220の記憶内容)
つぎに、注文処理装置101が有する顧客DB220の記憶内容について説明する。顧客DB220は、例えば、図3に示した注文処理装置101のメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図8は、顧客DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、顧客DB220は、顧客ID、顧客名、証券口座の口座番号、残高、預金口座の金融機関名、店番、科目コードおよび口座番号のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、顧客情報(例えば、顧客情報800−1)がレコードとして記憶される。
ここで、顧客IDは、証券会社の顧客を識別する識別子である。顧客名は、顧客の氏名である。証券口座の口座番号は、顧客が保有する証券口座の番号である。残高は、顧客が保有する証券口座の残高である。預金口座の金融機関名は、顧客が保有する預金口座が開設された銀行名である。店番は、顧客が保有する預金口座が開設された銀行の店番である。科目コードは、顧客が保有する預金口座の科目を示すコードである。口座番号は、顧客が保有する預金口座の番号である。
例えば、顧客情報800−1は、顧客C1の顧客名「富士 太郎」、顧客C1が保有する証券口座の口座番号「1111111」および残高「¥300,000」を示す。また、顧客情報800−1は、顧客C1が保有する預金口座の金融機関名「A銀行」、店番「0001」、科目コード「01」および口座番号「1234567」を示す。また、顧客情報800−1は、顧客C1が保有する預金口座の金融機関名「A銀行」、店番「0002」、科目コード「01」および口座番号「1234600」を示す。また、顧客情報800−1は、顧客C1が保有する預金口座の金融機関名「B銀行」、店番「0003」、科目コード「01」および口座番号「7654321」を示す。
(買い注文管理テーブル230の記憶内容)
つぎに、注文処理装置101が有する買い注文管理テーブル230の記憶内容について説明する。買い注文管理テーブル230は、例えば、顧客の証券口座ごとに設けられる。ここでは、顧客C1(図8参照)の証券口座を例に挙げて説明する。買い注文管理テーブル230は、例えば、図3に示した注文処理装置101のメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図9は、買い注文管理テーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。図9において、買い注文管理テーブル230は、残高、補填額および買付余力のフィールドを有し、取引前(買い注文の依頼時)から決済日までの各フィールドの情報を記憶する。
ここで、残高は、顧客C1の証券口座の残高を示す。補填額は、顧客C1の預金口座(図8参照)から証券口座に補填された金額を示す。買付余力は、顧客C1の証券側の買付余力を示す。図9の例では、顧客C1の証券口座の取引前の残高「¥300,000」、補填額「0」および買付余力「¥300,000」が示されている。
(出金抑止管理テーブル240の記憶内容)
つぎに、銀行システム102が有する出金抑止管理テーブル240の記憶内容について説明する。出金抑止管理テーブル240は、例えば、顧客の預金口座ごとに設けられる。ここでは、顧客C1(図8参照)のA銀行の口座番号「1234567」の預金口座を例に挙げて説明する。出金抑止管理テーブル240は、例えば、図3に示した銀行システム102のメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図10は、出金抑止管理テーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。図10において、出金抑止管理テーブル240は、表面残高、補填限度額、出金抑止額、出金可能額および補填可能額のフィールドを有し、取引前から決済日までの各フィールドの情報を記憶する。
ここで、表面残高は、顧客C1の預金口座の表面残高を示す。表面残高とは、金融機関の勘定上の預金、すなわち、顧客(預金者)が持込んだ現金や他店払手形・小切手を含む預金全体を指す。補填限度額は、顧客C1の預金口座から証券口座に補填する金額を制限するためのものである。ここでは、補填限度額は、顧客C1の預金口座に最低限残す金額を示す。
出金抑止額は、顧客C1の預金口座において出金抑止する金額を示す。出金可能額は、顧客C1の預金口座から出金できる金額を示す。出金可能額は、「出金可能額=表面残高−出金抑止額」となる。補填可能額は、顧客C1の預金口座から証券口座に補填できる金額を示す。補填可能額は、「補填可能額=表面残高−補填限度額−出金抑止額」となる。
図10の例では、顧客C1の預金口座の取引前の表面残高「¥2,000,000」、補填限度額「¥0」、出金抑止額「¥0」、出金可能額「¥2,000,000」および補填可能額「¥2,000,000」が示されている。
(注文処理装置101の機能的構成例)
図11は、注文処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図11において、注文処理装置101は、受信部1101と、総額算出部1102と、残高取得部1103と、判断部1104と、生成部1105と、送信部1106と、発注部1107と、を含む構成である。受信部1101〜発注部1107は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示した注文処理装置101のメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
受信部1101は、顧客端末103から、ユーザ識別子と対応付いた、買い注文の依頼を受信する。ユーザ識別子は、顧客端末103のユーザを識別する識別子であり、例えば、証券会社の顧客の顧客ID、顧客名、証券口座の口座番号などである。
買い注文の依頼には、例えば、取引対象の有価証券の銘柄名、銘柄コード、数量、売買区分などが含まれる。さらに、指し値注文の場合には指し値(金額)が含まれる。具体的には、例えば、受信部1101は、顧客端末103から、図5に示したような有価証券の注文依頼500を受信する。
総額算出部1102は、受信された買い注文の依頼により特定される、有価証券の買い注文に必要な総額を算出する。具体的には、例えば、総額算出部1102は、上記式(1)を用いて、有価証券の注文依頼500により特定される、株券の買い注文に必要な総額として、概算支払額を算出する。
例えば、手数料を「¥10,000」とすると、有価証券の注文依頼500により特定される、株券の買い注文に必要な総額は「¥1,000,000(=10×99,000(指し値)+10,000)」となる。以下の説明では、有価証券の買い注文に必要な総額を「概算支払額」と表記する場合がある。
残高取得部1103は、顧客DB220から、受信された買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高を取得する。具体的には、例えば、残高取得部1103は、顧客DB220から、受信された有価証券の注文依頼500により特定される口座番号「1111111」に対応する証券口座の残高「¥300,000」を取得する。
判断部1104は、取得された証券口座の残高が、算出された概算支払額よりも少ないか否かを判断する。上述した例では、具体的には、例えば、判断部1104は、取得された証券口座の残高「¥300,000」が、算出された概算支払額「¥1,000,000」よりも少ないと判断する。
生成部1105は、証券口座の残高が概算支払額よりも少ない場合に、受信された買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座の残高照会依頼を生成する。具体的には、例えば、判断部1104は、証券口座の残高「¥300,000」が概算支払額「¥1,000,000」よりも少ない場合、顧客DB220を参照して、顧客C1が保有するいずれかの預金口座を選択する。
顧客C1は、有価証券の注文依頼500により特定される、口座番号「1111111」の証券口座を保有するユーザである。ここでは、顧客C1が保有する、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座が選択された場合を想定する。この場合、判断部1104は、選択したA銀行の口座番号「1234567」の預金口座の残高照会依頼(例えば、図7Aに示した電文701)を生成する。
送信部1106は、生成された残高照会依頼を銀行システム102に送信する。具体的には、例えば、送信部1106は、生成された残高照会依頼の電文701を、A銀行の銀行システム102に送信する。
銀行システム102は、残高照会依頼を受信すると、残高照会依頼により特定される預金口座の残高照会処理を実行する。そして、銀行システム102は、残高照会正常応答(例えば、図7Aに示した電文702)または残高照会異常応答を、注文処理装置101に送信する。残高照会正常応答は、残高照会依頼に対して正常に処理が完了した場合の応答である。残高照会異常応答は、残高照会依頼に対して正常に処理が完了しなかった場合の応答である。
受信部1101は、銀行システム102から、残高照会依頼に対する、残高照会正常応答(例えば、図7Aに示した電文702)または残高照会異常応答を受信する。
判断部1104は、残高照会正常応答が受信された場合、残高照会正常応答により特定される、預金口座の残高と証券口座の残高との合計と、概算支払額とを比較して、合計が概算支払額よりも多いか否かを判断する。具体的には、例えば、判断部1104は、残高照会正常応答の電文702が受信された場合、預金口座の残高「¥2,000,000」と、証券口座の残高「¥300,000」との合計「¥2,300,000」を算出する。
合計「¥2,300,000」は、顧客の買付余力(証券側+銀行側)となる。そして、判断部1104は、合計「¥2,300,000」と概算支払額「¥1,000,000」とを比較して、合計が概算支払額よりも多いか否かを判断する。ここは、合計「¥2,300,000」が総額「¥1,000,000」よりも多い。
以下の説明では、残高照会正常応答により特定される、預金口座の残高と証券口座の残高との合計を「合計買付余力」と表記する場合がある。
生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも多い場合に、概算支払額と証券口座の残高との差額分を預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を生成する。具体的には、例えば、生成部1105は、概算支払額「¥1,000,000」と証券口座の残高「¥300,000」との差額「¥700,000」を出金抑止額とする出金抑止依頼(例えば、図7Aに示した電文703)を生成する。
送信部1106は、生成された出金抑止依頼を銀行システム102に送信する。具体的には、例えば、送信部1106は、生成された出金抑止依頼の電文703を、A銀行の銀行システム102に送信する。
銀行システム102は、出金抑止依頼を受信すると、出金抑止依頼により特定される預金口座の出金抑止処理を実行する。そして、銀行システム102は、出金抑止正常応答(例えば、図7Aに示した電文704)または出金抑止異常応答(例えば、図7Bに示した電文708,710)を、注文処理装置101に送信する。出金抑止正常応答は、出金抑止依頼に対して正常に処理が完了した場合の応答である。出金抑止異常応答は、出金抑止依頼に対して正常に処理が完了しなかった場合の応答である。
受信部1101は、銀行システム102から、送信された出金抑止依頼に対する、出金抑止正常応答(例えば、図7Aに示した電文704)または出金抑止異常応答(例えば、図7Bに示した電文708,710)を受信する。
発注部1107は、出金抑止正常応答が受信された場合に、受信された買い注文の依頼により特定される、有価証券の買い注文を出力する。具体的には、例えば、発注部1107は、出金抑止正常応答の電文704が受信された場合に、有価証券の注文依頼500により特定される、株券の買い注文を取引所システム104に出力する。
また、発注部1107は、取得された証券口座の残高が、算出された概算支払額以上の場合には、有価証券の買い注文を出力する。すなわち、発注部1107は、証券側の資金だけで買付余力を満たしている場合には、銀行側の資金を補填することなく有価証券の買い注文を発注する。具体的には、例えば、発注部1107は、証券口座の残高が概算支払額「¥1,000,000」以上の場合には、有価証券の注文依頼500により特定される、株券の買い注文を取引所システム104に出力する。
受信部1101は、取引所システム104から、出力された有価証券の買い注文に対する約定通知を受信する。ここで、約定通知とは、買い注文に対する有価証券の売買が成立したことを示す通知である。約定通知には、例えば、売買が成立した有価証券の銘柄名、銘柄コード、数量、単価、約定金額などが含まれる。
ここで、指し値注文の場合には、顧客から指定された指し値よりも低い金額で売買が成立する場合がある。この場合、概算支払額よりも約定金額が少なくなり、概算支払額と約定金額とに差額が生じる。このため、生成部1105は、約定金額が概算支払額よりも少ない場合に、預金口座における出金抑止額を、約定金額と概算支払額との差額分補正する出金抑止補正依頼を生成することにしてもよい。
例えば、概算支払額「¥1,000,000」に対して、約定金額が「¥990,000」である場合を想定する。この場合、概算支払額「¥1,000,000」よりも約定金額「¥990,000」が少ない。このため、生成部1105は、約定金額「¥990,000」と証券口座の残高「¥300,000」との差額分「¥690,000」を出金抑止額とする出金抑止補正依頼(例えば、図7Aに示した電文705)を生成する。
そして、送信部1106は、生成された出金抑止補正依頼を銀行システム102に送信する。具体的には、例えば、送信部1106は、生成された出金抑止補正依頼の電文705を、A銀行の銀行システム102に送信する。これにより、実際の約定金額に合わせて、顧客の預金口座における出金抑止額を補正することができる。
銀行システム102は、出金抑止補正依頼を受信すると、出金抑止補正依頼により特定される預金口座の出金抑止補正処理を実行する。そして、銀行システム102は、出金抑止補正正常応答(例えば、図7Aに示した電文706)または出金抑止補正異常応答を、注文処理装置101に送信する。出金抑止補正正常応答は、出金抑止補正依頼に対して正常に処理が完了した場合の応答である。出金抑止補正異常応答は、出金抑止補正依頼に対して正常に処理が完了しなかった場合の応答である。
また、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも所定以上多い場合に、買い注文の依頼に含まれる銘柄とは異なる他の銘柄についての情報を生成することにしてもよい。ここで、他の銘柄についての情報は、資金に余裕がある顧客に対して他の銘柄を推奨するための情報である。顧客に対して推奨する他の銘柄は、任意に指定可能であり、例えば、前日からの値上がり率が高い上位N個の銘柄であってもよく、また、当日の出来高が高い上位N個の銘柄であってもよい(例えば、N=5)。
具体的には、例えば、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりもX倍以上の場合に、他の銘柄を推奨するための推奨画面の画面情報を生成することにしてもよい。上記Xは、任意に設定可能であり、例えば、2〜5程度の値に設定される。
また、例えば、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも所定額以上多い場合に、他の銘柄を推奨するための推奨画面の画面情報を生成することにしてもよい。所定額は、任意に設定可能であり、例えば、¥1,000,000〜¥10,000,000程度の額に設定される。
送信部1106は、生成された他の銘柄についての情報を、顧客端末103へ出力する。具体的には、例えば、送信部1106は、生成された推奨画面の画面情報を、顧客端末103に送信することにしてもよい。なお、推奨画面の画面例については、図14を用いて後述する。
また、生成部1105は、証券口座の残高が概算支払額よりも少ない場合に、顧客DB220を参照して、買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子に対応付けられた1以上の預金口座に対する残高照会依頼を生成することにしてもよい。すなわち、生成部1105は、顧客が保有する預金口座が複数存在する場合には、複数の預金口座それぞれに対する残高照会依頼を生成する。
顧客C1を例に挙げると、生成部1105は、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の残高照会依頼と、A銀行の口座番号「1234600」の預金口座の残高照会依頼と、B銀行の口座番号「7654321」の預金口座の残高照会依頼とを生成する。これにより、顧客C1が保有する3つの預金口座の残高をそれぞれ取得することができる。
また、生成部1105は、銀行システム102から返信された1以上の預金口座の残高を示す情報を生成することにしてもよい。具体的には、例えば、生成部1105は、銀行システム102から返信された1以上の預金口座の残高を示す預金口座画面の画面情報を生成する。
より詳細に説明すると、例えば、生成部1105は、顧客が保有する複数の預金口座の中から、証券口座への補填用に使用する預金口座を選択可能な預金口座画面(例えば、後述の図15に示す預金口座画面1500)の画面情報を生成することにしてもよい。
また、例えば、生成部1105は、顧客が保有する預金口座ごとの使用額を指定可能な預金口座画面(例えば、後述の図16に示す預金口座画面1600)の画面情報を生成することにしてもよい。使用額とは、預金口座の残高のうち、証券口座への補填用に使用を許可する金額である。
また、例えば、生成部1105は、顧客が保有する複数の預金口座について、証券口座への補填用に使用する預金口座の優先順位を指定可能な預金口座画面(例えば、後述の図17に示す預金口座画面1700)の画面情報を生成することにしてもよい。
また、送信部1106は、生成された1以上の預金口座の残高を示す情報を、顧客端末103へ送信することにしてもよい。具体的には、例えば、送信部1106は、生成された預金口座画面の画面情報を顧客端末103へ送信する。これにより、顧客端末103のディスプレイ406に、預金口座画面(例えば、預金口座画面1500,1600,1700)を表示することができる。
また、受信部1101は、顧客端末103から、顧客が保有する1以上の預金口座のいずれかの選択の指示を受信する。この場合、判断部1104は、選択の指示を受け付けた預金口座の残高を用いて、証券口座の残高との合計を算出することにしてもよい。これにより、顧客が選択した預金口座の残高を用いて合計買付余力を算出することができる。
この場合、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、概算支払額と証券口座の残高との差額分を、選択の指示を受け付けた預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を生成する。これにより、顧客が選択した預金口座の資金を証券口座に補填することができる。
また、受信部1101は、顧客端末103から、顧客が保有する1以上の預金口座のいずれか1以上の選択の指示と、選択の指示を受け付けた預金口座の残高のうちの使用を許可する使用額の指定とを受信する。この場合、判断部1104は、選択の指示を受け付けた預金口座の残高に替えて、指定された使用額を用いて、証券口座の残高との合計を算出することにしてもよい。これにより、顧客が選択した預金口座ごとの残高のうち、顧客が指定した預金口座ごとの使用額を用いて合計買付余力を算出することができる。
さらに、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、選択の指示を受け付けた預金口座において、指定された使用額の資金を出金抑止する出金抑止依頼を生成する。これにより、顧客が選択した預金口座の残高のうち、顧客が指定した使用額分の資金を証券口座に補填することができる。
また、受信部1101は、顧客端末103から、顧客が保有する1以上の預金口座のいずれか1以上の選択の指示と、選択の指示を受け付けた預金口座の優先順位の指定とを受信する。この場合、判断部1104は、選択の指示を受け付けた預金口座の残高を用いて、証券口座の残高との合計を算出することにしてもよい。これにより、顧客が選択した1以上の預金口座の残高を用いて合計買付余力を算出することができる。
この場合、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、概算支払額と証券口座の残高との差額分を、指定された優先順位に従って、選択の指示を受け付けた1以上の預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を生成する。これにより、顧客が選択した1以上の預金口座の資金を、顧客が指定した優先順位に従って証券口座に補填することができる。
なお、買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座が存在しない場合がある。この場合、送信部1106は、証券口座の残高が概算支払額よりも少ないときには、買付余力が不足していることを示すメッセージを顧客端末103に送信することにしてもよい。また、送信部1106は、残高照会異常応答が受信された場合に、買付余力が不足していることを示すメッセージを顧客端末103に送信することにしてもよい。
また、上述した説明では、注文処理装置101は、顧客端末103から買い注文の依頼を受信し、証券口座の残高が概算支払額よりも少ない場合に、預金口座の残高照会を行うことにしたが、これに限らない。例えば、注文処理装置101は、顧客が証券会社のサイトへログインした際に、買い注文の依頼を受信する前に、顧客が保有する預金口座の残高照会を予め行うことにしてもよい。
また、上述した説明では、証券会社に設けられる注文処理装置101が各機能部1101〜1107の機能を実現することにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、銀行システム102、顧客端末103および取引所システム104と通信可能なサーバが、各機能部1101〜1107の機能を実現する形態としてもよい。この場合、サーバは、例えば、証券会社ごとの顧客DB220を有することになる。
また、上述した説明では、注文処理装置101が、ある証券会社に設けられるコンピュータである場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、例えば、注文処理装置101は、複数の証券会社のコンピュータと通信可能なサーバにより実現されることにしてもよい。この場合、注文処理装置101は、例えば、証券会社ごとの顧客DB220を有することになる。
(買い注文管理テーブル230と出金抑止管理テーブル240の記憶内容の変遷例)
つぎに、買い注文管理テーブル230と出金抑止管理テーブル240の記憶内容の変遷例について説明する。
図12は、買い注文管理テーブル230の記憶内容の変遷例を示す説明図である。また、図13は、出金抑止管理テーブル240の記憶内容の変遷例を示す説明図である。
ここでは、顧客の証券口座を、顧客C1の口座番号「1111111」の証券口座とし、顧客の預金口座を、顧客C1のA銀行の口座番号「1234567」の預金口座とする。また、注文処理装置101が、顧客端末103から有価証券の注文依頼500を受信した場合を想定する。有価証券の注文依頼500の概算支払額は「¥1,000,000」である。
(12−1)
注文処理装置101は、概算支払額「¥1,000,000」の買い注文の依頼を受信すると、証券口座の残高「¥300,000」を、買い注文管理テーブル230内の残高フィールドと買付余力フィールドに設定する。この時点の補填額は「¥0」である。
ここでは、証券口座の残高「¥300,000」が概算支払額「¥1,000,000」よりも少ない。このため、注文処理装置101は、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の残高照会依頼の電文701を、A銀行の銀行システム102に送信する。
(13−1)
銀行システム102は、残高照会依頼の電文701を受信すると、該当口座の残高「¥2,000,000」を、出金抑止管理テーブル240内の表面残高フィールドと出金可能額フィールドに設定する。ここでは、補填限度額は「¥0」である。
この場合、銀行システム102は、預金口座の残高「¥2,000,000」を、出金抑止管理テーブル240内の補填可能額フィールドに設定する。この時点の出金抑止額は「¥0」である。そして、銀行システム102は、残高照会正常応答の電文702を注文処理装置101に送信する。
注文処理装置101は、銀行システム102から残高照会正常応答の電文702を受信する。ここで、残高照会正常応答の電文702により特定される、預金口座の残高は「¥2,000,000」である。したがって、合計買付余力は「¥2,300,000」となり、概算支払額「¥1,000,000」よりも多くなる。
このため、注文処理装置101は、概算支払額「¥1,000,000」と証券口座の残高「¥300,000」との差額分「¥700,000」を出金抑止額とする出金抑止依頼の電文703を、A銀行の銀行システム102に送信する。
(13−2)
銀行システム102は、出金抑止依頼の電文703を受信すると、補填可能額が「¥2,000,000」のため、出金抑止額「¥700,000」を、出金抑止管理テーブル240内の出金抑止額フィールドに設定する。また、銀行システム102は、出金抑止管理テーブル240内の出金可能額と補填可能額から、出金抑止額「¥700,000」をそれぞれ減算する。
そして、銀行システム102は、出金抑止正常応答の電文704を注文処理装置101に送信する。なお、補填可能額が出金抑止額未満の場合には、預金口座から証券口座に出金抑止額分の資金を補填できないため、銀行システム102から注文処理装置101に出金抑止異常応答の電文が送信されて取引エラーとなる。
(12−2)
また、注文処理装置101は、出金抑止正常応答の電文704を受信すると、買い注文管理テーブル230内の補填額フィールドに、出金抑止額「¥700,000」を設定する。そして、注文処理装置101は、有価証券の注文依頼500により特定される買い注文を取引所システム104に出力する。
このあと、有価証券の注文依頼500に対して約定金額「¥990,000」で売買が成立したとする。この場合、注文処理装置101は、約定金額「¥990,000」と証券口座の残高「¥300,000」との差額分「¥690,000」を出金抑止額とする出金抑止補正依頼の電文を、A銀行の銀行システム102に送信する。
(13−3)
銀行システム102は、出金抑止補正依頼を受信すると、出金抑止額「¥690,000」を、出金抑止管理テーブル240内の出金抑止額フィールドに設定する。また、銀行システム102は、出金抑止管理テーブル240内の出金可能額と補填可能額に、差額分「¥10,000」をそれぞれ加算する。そして、銀行システム102は、出金抑止補正正常応答の電文を注文処理装置101に送信する。
(12−3)
また、注文処理装置101は、出金抑止補正正常応答の電文を受信すると、買い注文管理テーブル230内の補填額から、差額分「¥10,000」を減算する。
つぎに、顧客端末103から、同一営業日に、新たに概算支払額「¥1,000,000」の買い注文の依頼が注文処理装置101に送信された場合を想定する。
この場合、未決済のため証券口座の残高は「¥300,000」のままとなっているものの、有価証券の注文依頼500により特定される買い注文を出したため、証券口座の買付余力は「¥0」となる。このため、発注済みの買い注文の決済が行われるまでの間は、証券口座の買付余力「¥0」を証券口座の残高として扱う。
なお、以降の処理は、注文処理装置101が有価証券の注文依頼500を受信した場合と同様のため説明を省略する。また、取引日Tに発注された買い注文の決済は、取引日Tの翌々々日営業日に行われる。したがって、例えば、取引日Tの翌営業日に新たな買い注文が発注された場合には、新たな買い注文の決済は、取引日Tの翌々々々日営業日に行われることになる。
(推奨画面の画面例)
つぎに、顧客端末103のディスプレイ406に表示される推奨画面の画面例について説明する。
図14は、推奨画面の画面例を示す説明図である。図14において、推奨画面1400は、資金に余裕がある顧客(ここでは、顧客C1)に対して、顧客が買い注文を依頼した銘柄以外の他の銘柄を推奨するための画面である。推奨画面1400には、注文情報1410と、買付余力情報1420と、推奨情報1430と、が表示されている。
ここで、注文情報1410は、顧客C1が買い注文を依頼した銘柄についての情報である。買付余力情報1420は、預金口座の残高と証券口座の残高とを合わせた残りの買付余力を示す情報である。推奨情報1430は、前日からの株価の値上がり率が高い上位5個の銘柄についての情報である。
推奨画面1400によれば、資産に余裕がある顧客C1に対して、新たな買い注文を提案することができる。また、顧客C1は、預金口座の残高と証券口座の残高とを合わせた残りの買付余力を把握した上で、証券会社から推奨された銘柄についての買い注文を行うかどうかを判断することができる。
(預金口座画面の画面例)
つぎに、図15〜図17を用いて、顧客端末103のディスプレイ406に表示される預金口座画面の画面例について説明する。
図15は、預金口座画面の画面例を示す説明図(その1)である。図15において、預金口座画面1500は、顧客(ここでは、顧客C1)が保有する複数の預金口座の中から、証券口座への補填用に使用する預金口座を選択可能な画面である。預金口座画面1500には、証券口座情報1510と、預金口座情報1520と、が表示されている。
ここで、証券口座情報1510は、顧客C1が保有する証券口座の情報である。例えば、買付金額は、顧客C1が依頼した買い注文に必要な総額(概算支払額)である。不足額は、顧客C1が依頼した買い注文に対して、証券口座の残高だけでは賄えない不足分の金額である。預金口座情報1520は、顧客C1が保有する3つの預金口座の残高(出金可能額)を示す情報である。
預金口座画面1500において、図4に示した入力装置407を用いたユーザの操作入力により、チェックボックス1521〜1523のいずれかをクリックすると、証券口座への補填用に使用する預金口座を選択することができる。図15の例では、チェックボックス1521がクリックされて、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座が選択されている。
なお、充当不足額には、預金口座が選択される前は、不足額「700,000円」が表示され、預金口座が選択されると、選択された預金口座で充当可能な金額(出金可能額)と700,000円との差額が表示される。ただし、不足額を全て充当可能な場合は「0円」が表示される。
また、預金口座画面1500において、ユーザの操作入力により、実行ボタン1530をクリックすると、顧客端末103から、預金口座の選択の指示が、注文処理装置101に送信される。また、預金口座画面1500において、ユーザの操作入力により、キャンセルボタン1540をクリックすると、買い注文をキャンセルすることができる。
例えば、顧客端末103から、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の選択の指示が、注文処理装置101に送信されたとする。この場合、判断部1104は、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の残高を用いて、証券口座の残高との合計(合計買付余力)を算出することになる。
このように、預金口座画面1500によれば、顧客C1は、買い注文の依頼時に、自分が保有する預金口座の残高状況や使用予定などを考慮しながら、買付資金が不足している証券口座への補填用に使用する預金口座を選択することができる。
なお、ここでは、預金口座画面1500において、証券口座への補填用に使用する預金口座を顧客C1に選択させることにしたが、これに限らない。例えば、顧客C1が保有する預金口座のうち、買付資金が不足する証券口座への補填用に使用する預金口座は、予め決められていてもよい。
図16は、預金口座画面の画面例を示す説明図(その2)である。図16において、預金口座画面1600は、顧客(ここでは、顧客C1)が保有する預金口座ごとの使用額を指定可能な画面である。預金口座画面1600には、証券口座情報1610と、預金口座情報1620と、が表示されている。
ここで、証券口座情報1610は、顧客C1が保有する証券口座の情報である。預金口座情報1620は、顧客C1が保有する3つの預金口座の残高(出金可能額)を示す情報である。
預金口座画面1600において、ユーザの操作入力により、ボックス1621〜1623のいずれかをクリックすると、預金口座ごとの使用額を指定することができる。図16の例では、ボックス1621がクリックされて、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の使用額「300,000円」が指定されている。また、ボックス1623がクリックされて、B銀行の口座番号「7654321」の預金口座の使用額「400,000円」が指定されている。
なお、充当不足額には、預金口座の使用額が指定される前は、不足額「700,000円」が表示され、預金口座の使用額が指定されると、指定された使用額の合計金額と700,000円との差額が表示される。ただし、不足額を全て充当可能な場合は「0円」が表示される。
また、預金口座画面1600において、ユーザの操作入力により、実行ボタン1630をクリックすると、顧客端末103から、預金口座の選択の指示と、選択の指示を受け付けた預金口座の使用額の指定とが、注文処理装置101に送信される。また、預金口座画面1600において、ユーザの操作入力により、キャンセルボタン1640をクリックすると、買い注文をキャンセルすることができる。
例えば、顧客端末103から、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の選択の指示と使用額「300,000円」の指定、および、B銀行の口座番号「7654321」の預金口座の選択の指示と使用額「400,000円」の指定が、注文処理装置101に送信されたとする。
この場合、判断部1104は、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の使用額「300,000円」とB銀行の口座番号「7654321」の預金口座の使用額「400,000円」とを用いて、証券口座の残高との合計(合計買付余力)を算出することになる。
また、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座において、使用額「300,000円」の資金を出金抑止する出金抑止依頼を生成する。さらに、生成部1105は、B銀行の口座番号「7654321」の預金口座において、使用額「400,000円」の資金を出金抑止する出金抑止依頼を生成する。
このように、預金口座画面1600によれば、顧客C1は、買い注文の依頼時に、自分が保有する預金口座の残高状況や使用予定などを考慮しながら、買付資金が不足している証券口座への補填用に使用する預金口座ごとの使用額を指定することができる。
なお、ここでは、預金口座画面1600において、証券口座への補填用に使用する使用額を預金口座ごとに顧客C1に指定させることにしたが、これに限らない。例えば、顧客C1が保有する預金口座ごとに、証券口座への補填用に使用する使用額の比率が、予め決められていてもよい。
この場合、注文処理装置101は、例えば、顧客が保有する複数の預金口座のそれぞれに対して、概算支払額と証券口座の残高との差額を、予め決められた比率に応じて配分した額についての出金抑止依頼を生成することにしてもよい。これにより、予め決められた比率に従って、顧客が保有する複数の預金口座のそれぞれから、買付資金が不足している証券口座へ資金を補填することができる。
図17は、預金口座画面の画面例を示す説明図(その3)である。図17において、預金口座画面1700は、顧客(ここでは、顧客C1)が保有する複数の預金口座について、証券口座への補填用に使用する預金口座の優先順位を指定可能な画面である。預金口座画面1700には、証券口座情報1710と、預金口座情報1720と、が表示されている。
ここで、証券口座情報1710は、顧客C1が保有する証券口座の情報である。預金口座情報1720は、顧客C1が保有する3つの預金口座の残高(出金可能額)を示す情報である。
預金口座画面1700において、ユーザの操作入力により、チェックボックス1721〜1723のいずれかをクリックすると、証券口座への補填用に使用する預金口座の優先順位を指定することができる。図17の例では、チェックボックス1721がクリックされて、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の優先順位「2」が指定されている。また、チェックボックス1723がクリックされて、B銀行の口座番号「7654321」の預金口座の優先順位「1」が指定されている。なお、優先順位が指定されていない預金口座は、証券口座への補填用に使用しない預金口座を示す。
各預金口座の充当額は、指定された各預金口座の優先順位に従って決定される。例えば、各預金口座の充当額は、優先順位「1」の預金口座の残高(出金可能額)で不足額を賄えなければ、その不足分を、優先順位「2」の預金口座の残高(出金可能額)で賄うといったやり方で決定される。また、充当不足額には、預金口座の優先順位が指定される前は、不足額「700,000円」が表示され、預金口座の優先順位が指定されると、決定された充当額の合計金額と700,000円との差額が表示される。
また、預金口座画面1700において、ユーザの操作入力により、実行ボタン1730をクリックすると、顧客端末103から、預金口座の選択の指示と、選択の指示を受け付けた預金口座の優先順位の指定とが、注文処理装置101に送信される。また、預金口座画面1700において、ユーザの操作入力により、キャンセルボタン1740をクリックすると、買い注文をキャンセルすることができる。
例えば、顧客端末103から、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の選択の指示と優先順位「2」の指定、および、B銀行の口座番号「7654321」の預金口座の選択の指示と優先順位「1」の指定が、注文処理装置101に送信されたとする。
この場合、判断部1104は、A銀行の口座番号「1234567」の預金口座の残高(出金可能額)とB銀行の口座番号「7654321」の預金口座の残高(出金可能額)とを用いて、証券口座の残高との合計(合計買付余力)を算出することになる。
また、生成部1105は、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、指定された各預金口座の優先順位に従って、概算支払額と証券口座の残高との差額分「700,000円」を補填するための出金抑止依頼を生成する。
例えば、生成部1105は、優先順位「1」のB銀行の口座番号「7654321」の預金口座において、残高全額「500,000円」を出金抑止額とする出金抑止依頼を生成する。ただし、この時点では概算支払額と証券口座の残高との差額分を賄えていない。このため、生成部1105は、優先順位「2」のA銀行の口座番号「1234567」の預金口座において、残りの「200,000円」を出金抑止額とする出金抑止依頼を生成する。
このように、預金口座画面1700によれば、顧客C1は、買い注文の依頼時に、自分が保有する複数の預金口座の残高状況や使用予定などを考慮しながら、証券口座への補填用に使用する預金口座の優先順位を指定することができる。
なお、ここでは、預金口座画面1700において、証券口座への補填用に使用する預金口座の優先順位を顧客C1に指定させることにしたが、これに限らない。例えば、証券口座への補填用に使用する預金口座の優先順位は、予め決められていてもよい。
この場合、注文処理装置101は、例えば、概算支払額と証券口座の残高との差額分を賄えるまで、予め決められた優先順位が高い預金口座から順に、預金口座の残高全額を出金抑止額とする出金抑止依頼を生成することにしてもよい。これにより、予め決められた優先順位に従って、顧客が保有する複数の預金口座から、買付資金が不足している証券口座へ資金を補填することができる。
(注文処理装置101の買い注文処理手順)
つぎに、注文処理装置101の買い注文処理手順について説明する。
図18および図19は、注文処理装置101の買い注文処理手順の一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートにおいて、まず、注文処理装置101は、顧客端末103から、買い注文の依頼を受信したか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、注文処理装置101は、買い注文の依頼を受信するのを待つ(ステップS1801:No)。
そして、注文処理装置101は、買い注文の依頼を受信した場合(ステップS1801:Yes)、受信した買い注文の依頼により特定される、有価証券の買い注文に必要な概算支払額を算出する(ステップS1802)。つぎに、注文処理装置101は、顧客DB220から、受信された買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高を取得する(ステップS1803)。
そして、注文処理装置101は、取得した証券口座の残高が、算出した概算支払額よりも少ないか否かを判断する(ステップS1804)。ここで、証券口座の残高が概算支払額以上の場合(ステップS1804:No)、注文処理装置101は、受信した買い注文の依頼により特定される、有価証券の買い注文を、取引所システム104に出力して(ステップS1805)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、証券口座の残高が概算支払額より少ない場合(ステップS1804:Yes)、注文処理装置101は、顧客DB220を参照して、買い注文の依頼により特定される顧客が保有する預金口座があるか否かを判断する(ステップS1806)。
ここで、預金口座がない場合(ステップS1806:No)、注文処理装置101は、買付余力が不足していることを示すメッセージを顧客端末103に通知して(ステップS1807)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、預金口座がある場合(ステップS1806:Yes)、注文処理装置101は、顧客が保有する預金口座の残高照会依頼を生成して銀行システム102に送信する(ステップS1808)。そして、注文処理装置101は、銀行システム102から、送信した残高照会依頼に対する、残高照会応答を受信したか否かを判断する(ステップS1809)。
ここで、注文処理装置101は、銀行システム102から残高照会応答を受信するのを待つ(ステップS1809:No)。そして、注文処理装置101は、残高照会応答を受信した場合(ステップS1809:Yes)、受信した残高照会応答が、残高照会正常応答であるか否かを判断する(ステップS1810)。
ここで、残高照会異常応答の場合(ステップS1810:No)、注文処理装置101は、ステップS1807に移行する。一方、残高照会正常応答の場合は(ステップS1810:Yes)、注文処理装置101は、図19に示すステップS1901に移行する。
図19のフローチャートにおいて、まず、注文処理装置101は、残高照会正常応答により特定される、預金口座の残高と証券口座の残高との合計買付余力を算出する(ステップS1901)。そして、注文処理装置101は、算出した合計買付余力が概算支払額以上であるか否かを判断する(ステップS1902)。
ここで、合計買付余力が概算支払額よりも少ない場合(ステップS1902:No)、注文処理装置101は、買付余力が不足していることを示すメッセージを顧客端末103に通知して(ステップS1903)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、合計買付余力が概算支払額以上の場合(ステップS1902:Yes)、注文処理装置101は、概算支払額と証券口座の残高との差額を算出する(ステップS1904)。そして、注文処理装置101は、算出した差額を出金抑止額とする出金抑止依頼を生成して銀行システム102に送信する(ステップS1905)。
そして、注文処理装置101は、銀行システム102から、送信した出金抑止依頼に対する、出金抑止応答を受信したか否かを判断する(ステップS1906)。ここで、注文処理装置101は、銀行システム102から出金抑止応答を受信するのを待つ(ステップS1906:No)。
そして、注文処理装置101は、出金抑止応答を受信した場合(ステップS1906:Yes)、受信した出金抑止応答が、出金抑止正常応答であるか否かを判断する(ステップS1907)。ここで、出金抑止異常応答の場合(ステップS1907:No)、注文処理装置101は、ステップS1903に移行する。
一方、出金抑止正常応答の場合は(ステップS1907:Yes)、注文処理装置101は、受信した買い注文の依頼により特定される、有価証券の買い注文を、取引所システム104に出力する(ステップS1908)。そして、注文処理装置101は、取引所システム104から、出力した有価証券の買い注文に対する約定通知を受信したか否かを判断する(ステップS1909)。
ここで、注文処理装置101は、約定通知を受信するのを待つ(ステップS1909:No)。そして、注文処理装置101は、約定通知を受信した場合(ステップS1909:Yes)、出金抑止補正処理を実行して(ステップS1910)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、顧客の証券口座の残高以上の購入額の有価証券を購入可能にすることができる。
(出金抑止補正処理の具体的処理手順)
つぎに、図19に示したステップS1910の出金抑止補正処理の具体的な処理手順について説明する。
図20は、出金抑止補正処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図20のフローチャートにおいて、まず、注文処理装置101は、図19に示したステップS1909において受信した約定通知により特定される約定金額と概算支払額とを比較する(ステップS2001)。
そして、注文処理装置101は、約定金額と概算支払額とに差額があるか否かを判断する(ステップS2002)。ここで、差額がない場合(ステップS2002:No)、注文処理装置101は、出金抑止補正処理を呼び出したステップに戻る。
一方、差額がある場合(ステップS2002:Yes)、注文処理装置101は、約定金額と証券口座の残高との差額分を出金抑止額とする出金抑止補正依頼を生成して銀行システム102に送信する(ステップS2003)。そして、注文処理装置101は、銀行システム102から、送信した出金抑止補正依頼に対する、出金抑止補正応答を受信したか否かを判断する(ステップS2004)。
ここで、注文処理装置101は、銀行システム102から出金抑止補正応答を受信するのを待つ(ステップS2004:No)。そして、注文処理装置101は、出金抑止補正応答を受信した場合(ステップS2004:Yes)、受信した出金抑止補正応答が、出金抑止補正正常応答であるか否かを判断する(ステップS2005)。
ここで、出金抑止補正正常応答の場合(ステップS2005:Yes)、注文処理装置101は、出金抑止補正処理を呼び出したステップに戻る。一方、出金抑止補正異常応答の場合(ステップS2005:No)、注文処理装置101は、出金抑止補正エラーを出力して(ステップS2006)、出金抑止補正処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、実際の約定金額に合わせて、顧客の預金口座における出金抑止額を補正することができる。
(銀行システム102の各種処理手順)
つぎに、銀行システム102の各種処理手順について説明する。まず、銀行システム102の残高照会処理手順について説明する。
図21は、銀行システム102の残高照会処理手順の一例を示すフローチャートである。図21のフローチャートにおいて、まず、銀行システム102は、注文処理装置101から、残高照会依頼を受信したか否かを判断する(ステップS2101)。ここで、銀行システム102は、残高照会依頼を受信するのを待つ(ステップS2101:No)。
そして、銀行システム102は、残高照会依頼を受信した場合(ステップS2101:Yes)、受信した残高照会依頼により特定される預金口座の残高照会処理を実行する(ステップS2102)。そして、銀行システム102は、残高照会処理が正常に完了したか否かを判断する(ステップS2103)。
ここで、残高照会処理が正常に完了した場合(ステップS2103:Yes)、銀行システム102は、残高照会正常応答を注文処理装置101に送信して(ステップS2104)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、残高照会処理が正常に完了しなかった場合(ステップS2103:No)、銀行システム102は、残高照会異常応答を注文処理装置101に送信して(ステップS2105)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、注文処理装置101からの残高照会依頼により特定される預金口座の残高照会処理を実行することができる。
つぎに、銀行システム102の出金抑止処理手順について説明する。
図22は、銀行システム102の出金抑止処理手順の一例を示すフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、まず、銀行システム102は、注文処理装置101から、出金抑止依頼を受信したか否かを判断する(ステップS2201)。ここで、銀行システム102は、出金抑止依頼を受信するのを待つ(ステップS2201:No)。
そして、銀行システム102は、出金抑止依頼を受信した場合(ステップS2201:Yes)、受信した出金抑止依頼により特定される預金口座の出金抑止処理を実行する(ステップS2202)。そして、銀行システム102は、出金抑止処理が正常に完了したか否かを判断する(ステップS2203)。
ここで、出金抑止処理が正常に完了した場合(ステップS2203:Yes)、銀行システム102は、出金抑止正常応答を注文処理装置101に送信して(ステップS2204)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、出金抑止処理が正常に完了しなかった場合(ステップS2203:No)、銀行システム102は、出金抑止異常応答を注文処理装置101に送信して(ステップS2205)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、注文処理装置101からの出金抑止依頼により特定される預金口座の出金抑止処理を実行することができる。
つぎに、銀行システム102の出金抑止補正処理手順について説明する。
図23は、銀行システム102の出金抑止補正処理手順の一例を示すフローチャートである。図23のフローチャートにおいて、まず、銀行システム102は、注文処理装置101から、出金抑止補正依頼を受信したか否かを判断する(ステップS2301)。ここで、銀行システム102は、出金抑止補正依頼を受信するのを待つ(ステップS2301:No)。
そして、銀行システム102は、出金抑止補正依頼を受信した場合(ステップS2301:Yes)、受信した出金抑止補正依頼により特定される預金口座の出金抑止補正処理を実行する(ステップS2302)。そして、銀行システム102は、出金抑止補正処理が正常に完了したか否かを判断する(ステップS2303)。
ここで、出金抑止補正処理が正常に完了した場合(ステップS2303:Yes)、銀行システム102は、出金抑止補正正常応答を注文処理装置101に送信して(ステップS2304)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、出金抑止補正処理が正常に完了しなかった場合(ステップS2303:No)、銀行システム102は、出金抑止補正異常応答を注文処理装置101に送信して(ステップS2305)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、注文処理装置101からの出金抑止補正依頼により特定される預金口座の出金抑止補正処理を実行することができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる注文処理装置101によれば、顧客端末103から買い注文の依頼を受信し、上記式(1)を用いて、受信した買い注文の依頼により特定される概算支払額を算出することができる。これにより、有価証券の買い注文に必要な総額を算出することができる。
また、注文処理装置101によれば、顧客DB220から、受信した買い注文の依頼により特定される証券口座の残高を取得し、取得した証券口座の残高が、算出した概算支払額よりも少ないか否かを判断することができる。これにより、概算支払額に対して証券側の買付余力が不足しているか否かを判断することができる。
また、注文処理装置101によれば、証券口座の残高が概算支払額よりも少ない場合に、買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座の残高照会依頼を生成して銀行システム102に送信することができる。これにより、証券側の買付余力が不足している場合に、顧客が保有する預金口座の残高照会を行うことができる。
また、注文処理装置101によれば、残高照会正常応答を受信した場合、残高照会正常応答により特定される、預金口座の残高と証券口座の残高との合計を算出することができる。これにより、顧客が有価証券の購入に使用できる合計買付余力(証券側+銀行側)を算出することができる。
また、注文処理装置101によれば、合計買付余力と概算支払額とを比較した結果、合計買付余力が概算支払額よりも多い場合に、概算支払額と証券口座の残高との差額分を預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を生成して銀行システム102に送信することができる。これにより、不足分の資金を証券口座に補填するための資金を預金口座において確保することができる。
また、注文処理装置101によれば、出金抑止正常応答を受信した場合に、有価証券の買い注文を出力することができる。これにより、顧客の証券口座の残高以上の購入額の有価証券を購入可能にすることができる。
また、注文処理装置101によれば、合計買付余力が概算支払額よりも所定以上多い場合に、買い注文の依頼に含まれる銘柄とは異なる他の銘柄についての情報(例えば、推奨画面1400の画面情報)を生成して顧客端末103へ出力することができる。これにより、資産に余裕がある顧客に対して、新たな買い注文を提案することができ、資産の流れを貯蓄から投資へ向けることができる。
また、注文処理装置101によれば、証券口座の残高が概算支払額よりも少ない場合に、顧客DB220を参照して、買い注文の依頼により特定されるユーザ識別子に対応付けられた1以上の預金口座に対する残高照会依頼を生成して銀行システム102に送信することができる。これにより、証券側の買付余力が不足している場合に、顧客が保有する1以上の預金口座のそれぞれの残高照会を行うことができる。
また、注文処理装置101によれば、銀行システム102から返信された1以上の預金口座の残高を示す情報(例えば、預金口座画面1500,1600,1700の画面情報)を生成して顧客端末103へ送信することができる。これにより、1以上の預金口座を保有する顧客に対して、1以上の預金口座のそれぞれの残高を提示することができる。
また、注文処理装置101によれば、顧客端末103から、1以上の預金口座のいずれかの選択の指示を受信した場合、選択の指示を受け付けた預金口座の残高を用いて、証券口座の残高との合計(合計買付余力)を算出することができる。さらに、注文処理装置101によれば、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、概算支払額と証券口座の残高との差額分を、選択の指示を受け付けた預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を生成することができる。これにより、顧客が選択した預金口座の資金を証券口座に補填することができる。
また、注文処理装置101によれば、顧客端末103から、1以上の預金口座のいずれか1以上の選択の指示と、選択の指示を受け付けた預金口座の使用額の指定とを受信した場合、選択の指示を受け付けた預金口座の残高に替えて、指定された使用額を用いて、証券口座の残高との合計を算出することができる。さらに、注文処理装置101によれば、合計買付余力が概算支払額よりも多ければ、選択の指示を受け付けた預金口座において、指定された使用額の資金を出金抑止する出金抑止依頼を生成することができる。これにより、顧客が選択した預金口座の残高のうち、顧客が指定した使用額分の資金を証券口座に補填することができる。
また、注文処理装置101によれば、有価証券の買い注文に対する約定通知を受信した場合に、受信した約定通知により特定される約定金額が概算支払額よりも少ないか否かを判断することができる。そして、注文処理装置101によれば、約定金額が概算支払額よりも少ない場合に、約定金額と証券口座の残高との差額分を預金口座において出金抑止する出金抑止補正依頼を生成して銀行システム102へ送信することができる。これにより、実際の約定金額に合わせて、顧客の預金口座における出金抑止額を補正することができ、約定金額と証券口座の残高との差額分の資金を預金口座に復帰させることができる。
これらのことから、注文処理装置101によれば、有価証券の買い注文に対して証券側の買付余力が不足している場合に、不足分の金額を銀行側の資金で補填して、証券口座の残高以上の購入額の有価証券を購入可能にすることができる。
また、注文処理装置101によれば、有価証券の買い注文の依頼時に、預金口座の残高照会を行うため、証券会社のサイトへのログイン時などに残高照会を行う場合に比べて、残高照会から預金口座の出金抑止を行うまでの時間間隔を短くすることができる。これにより、出金抑止前に預金口座の残高が変動して不足分の金額を出金抑止できないといった不具合の発生を防ぐことができる。
また、預金口座の残高で不足分を補填できるかといった判断を証券側の注文処理装置101が行うため、本サービスの運用を開始する際の銀行側システムに対する機能変更や機能追加をできるだけ抑えることができる。この結果、図24および図25に示すような証券会社と銀行との関係を築きやすくなる。
図24は、証券会社と銀行との関係を示す説明図(その1)である。図24の例では、証券会社から見ると、証券会社と銀行は「1:n(図24の例では、n=3)」の関係となる。また、銀行から見ると、銀行と証券会社は「1:1」の関係となる。これにより、証券会社としては、複数の銀行に分散している顧客の銀行資金を買付資金とすることが可能となる。
図25は、証券会社と銀行との関係を示す説明図(その2)である。図25の例では、証券会社から見ると、証券会社と銀行は「1:1」の関係となる。また、銀行から見ると、銀行と証券会社は「1:n(図25の例では、n=3)」の関係となる。これにより、銀行としては、顧客の銀行資金を複数の証券会社の買付資金とすることが可能となる。
なお、本実施の形態で説明した買い注文処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本買い注文処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本買い注文処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)端末から、ユーザ識別子と対応付いた、有価証券の買い注文の依頼を受信し、
受信した前記依頼により特定される、前記有価証券の買い注文に必要な総額を算出し、
ユーザ識別子と対応付けて管理されている証券口座の残高情報から、前記依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高を取得し、
取得した前記証券口座の残高が、算出した前記総額よりも少ない場合に、前記依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座の残高の照会依頼を、銀行システムへ送信し、
前記銀行システムから返信された前記預金口座の残高と前記証券口座の残高との合計と、前記総額とを比較し、
比較した結果、前記合計が前記総額よりも多い場合に、前記総額と前記証券口座の残高との差額分を前記預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を、前記銀行システムへ送信し、
前記銀行システムから前記出金抑止依頼に対する処理の完了を示す情報を受信した場合に、前記有価証券の買い注文を出力する、
制御部を有することを特徴とする注文処理装置。
(付記2)前記有価証券の買い注文の依頼は、有価証券の銘柄を特定する情報と、購入する数を示す情報とを含み、
前記制御部は、比較した結果、前記合計が前記総額よりも所定以上多い場合に、前記銘柄とは異なる他の銘柄についての情報を、前記端末へ出力することを特徴とする付記1に記載の注文処理装置。
(付記3)前記制御部は、
前記証券口座の残高が前記総額よりも少ない場合に、ユーザ識別子と対応付けて複数の預金口座を特定する情報を記憶する記憶部を参照して、前記依頼により特定されるユーザ識別子に対応付けられた1以上の預金口座に対して残高の照会依頼を送信し、
前記銀行システムから返信された前記1以上の預金口座の残高を、前記端末へ送信し、
前記端末から、前記1以上の預金口座のいずれか1以上の選択の指示と、選択の指示を受け付けた預金口座の残高のうち、使用を許可する使用額の指定とを受信し、
前記選択の指示を受け付けた預金口座の残高に替えて前記使用額を用いて、前記証券口座の残高との合計を算出する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の注文処理装置。
(付記4)前記制御部は、
前記証券口座の残高が前記総額よりも少ない場合に、ユーザ識別子と対応付けて複数の預金口座を特定する情報を記憶する記憶部を参照して、前記依頼により特定されるユーザ識別子と対応付けられた1以上の預金口座を特定する情報を読み出し、
読み出した前記1以上の預金口座を特定する情報を、選択可能な状態で、前記端末へ送信し、
前記端末から、前記1以上の預金口座のいずれか1以上の選択の指示を受信し、
前記選択の指示を受け付けた預金口座の残高を用いて、前記証券口座の残高との合計を算出する、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の注文処理装置。
(付記5)前記制御部は、
出力した前記有価証券の買い注文に対する約定通知を受信し、
受信した前記約定通知により特定される約定金額が前記総額よりも少ない場合に、前記約定金額と前記証券口座の残高との差額分を前記預金口座において出金抑止する出金抑止補正依頼を、前記銀行システムへ送信する、
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の注文処理装置。
(付記6)コンピュータが、
端末から、ユーザ識別子と対応付いた、有価証券の買い注文の依頼を受信し、
受信した前記依頼により特定される、前記有価証券の買い注文に必要な総額を算出し、
ユーザ識別子と対応付けて管理されている証券口座の残高情報から、前記依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高を取得し、
取得した前記証券口座の残高が、算出した前記総額よりも少ない場合に、前記依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座の残高の照会依頼を、銀行システムへ送信し、
前記銀行システムから返信された前記預金口座の残高と前記証券口座の残高との合計と、前記総額とを比較し、
比較した結果、前記合計が前記総額よりも多い場合に、前記総額と前記証券口座の残高との差額分を前記預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を、前記銀行システムへ送信し、
前記銀行システムから前記出金抑止依頼に対する処理の完了を示す情報を受信した場合に、前記有価証券の買い注文を出力する、
処理を実行することを特徴とする買い注文処理方法。
(付記7)コンピュータに、
端末から、ユーザ識別子と対応付いた、有価証券の買い注文の依頼を受信し、
受信した前記依頼により特定される、前記有価証券の買い注文に必要な総額を算出し、
ユーザ識別子と対応付けて管理されている証券口座の残高情報から、前記依頼により特定されるユーザ識別子に対応する証券口座の残高を取得し、
取得した前記証券口座の残高が、算出した前記総額よりも少ない場合に、前記依頼により特定されるユーザ識別子のユーザが保有する預金口座の残高の照会依頼を、銀行システムへ送信し、
前記銀行システムから返信された前記預金口座の残高と前記証券口座の残高との合計と、前記総額とを比較し、
比較した結果、前記合計が前記総額よりも多い場合に、前記総額と前記証券口座の残高との差額分を前記預金口座において出金抑止する出金抑止依頼を、前記銀行システムへ送信し、
前記銀行システムから前記出金抑止依頼に対する処理の完了を示す情報を受信した場合に、前記有価証券の買い注文を出力する、
処理を実行させることを特徴とする買い注文処理プログラム。