JP2016109761A - 光学部品および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で優れた反射防止機能を有する反射防止膜を備えた光学部品を提供する、また、前記光学部品を備えた時計を提供する。【解決手段】基材P1と、シリカ粒子P21を含む反射防止膜P2とを備え、前記シリカ粒子は、個数基準の粒度分布において、1.5nm以上2.5nm以下の範囲(第1の範囲)に第1の極大値を有し、3.5nm以上4.5nm以下の範囲(第2の範囲)に第2の極大値を有し、7.5nm以上8.5nm以下の範囲(第3の範囲)に第3の極大値を有する光学部品。前記シリカ粒子は、個数基準の粒度分布において、5.5nm以上6.5nm以下の範囲(第4の範囲)に第4の極大値を有するものであるのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、光学部品および時計に関する。
時計用カバーガラスのような光学部品において、反対の面側の視認性を高める等の目的で、光の反射を防止する反射防止膜を設けることが行われている。
従来においては、十分な反射防止機能を得るために、多数の層が積層された複雑な構成を有するものであった(例えば、特許文献1参照)。また、従来においては、反射防止膜を構成する各層を、気相成膜法により形成していたため、光学部品の生産性に劣るとともに、生産コストも高いものとなっていた。
特開2010−37115号公報
本発明の目的は、簡易な構成で優れた反射防止機能を有する反射防止膜を備えた光学部品を提供すること、また、前記光学部品を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光学部品は、基材と、
シリカ粒子を含む反射防止膜とを備え、
前記シリカ粒子は、個数基準の粒度分布において、1.5nm以上2.5nm以下の範囲に第1の極大値を有し、3.5nm以上4.5nm以下の範囲に第2の極大値を有し、7.5nm以上8.5nm以下の範囲に第3の極大値を有するものであることを特徴とする。
これにより、簡易な構成で優れた反射防止機能を有する反射防止膜を備えた光学部品を提供することができる。
本発明の光学部品では、前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、1.5nm以上2.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、5体積%以上30体積%以下であることが好ましい。
これにより、反射防止膜の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜の強度、光学部品の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の光学部品では、前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、3.5nm以上4.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、10体積%以上40体積%以下であることが好ましい。
これにより、反射防止膜の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜の強度、光学部品の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の光学部品では、前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、7.5nm以上8.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、30体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
これにより、反射防止膜の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜の強度、光学部品の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の光学部品では、前記シリカ粒子は、個数基準の粒度分布において、5.5nm以上6.5nm以下の範囲に第4の極大値を有するものであることが好ましい。
これにより、反射防止膜の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
本発明の光学部品では、前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、5.5nm以上6.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、20体積%以上30体積%以下であることが好ましい。
これにより、反射防止膜の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜の強度、光学部品の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の光学部品では、前記反射防止膜の厚さが、50nm以上120nm以下であることが好ましい。
これにより、光学部品の耐久性、反射防止機能等を特に優れたものとすることができる。
本発明の光学部品では、前記基材は、ケイ酸ガラス、サファイアガラスおよびプラスチックよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これらの物質は、優れた透明性を有しており、光学部品の光学特性を特に優れたものとすることができる。また、このような材料で構成された基材に反射防止膜が設けられた場合、反射防止膜による反射防止機能がより効果的に発揮される。
本発明の光学部品は、時計用カバーガラスであることが好ましい。
カバーガラスは、時計の使用時において、観察者(使用者等)の視点に近い部位に存在するものであり、また、カバーガラスの背面側には、通常、文字板、針等の時刻表示部材が配されるため、カバーガラス(光学部品)を介した文字板等の視認性が強く求められる部材である。したがって、カバーガラスに高い反射防止機能が発揮される本発明を適用した場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
また、カバーガラスは、観察者(使用者等)が視認する機会が多く、時計全体の外観において、大きな影響を与える部品である。そして、本発明では高い反射防止機能が発揮されるため、カバーガラスを介して視認される文字板等の装飾部品が本来有している優れた外観(審美性)を効果的に発揮させることができる。したがって、本発明が時計用カバーガラスに適用されることにより、時計全体としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計は、本発明の光学部品を備えたことを特徴とする。
これにより、光学部品の背面側の様子を好適に視認することができる時計を提供することができ、時計全体としての美的外観(審美性)を優れたものとすることができ、装飾品としての価値を高めることができる。また、例えば、時刻等の視認性を向上させることができるため、実用品としての機能(実用性)も優れたものとなる。
本発明によれば、簡易な構成で十分な反射防止機能を有する反射防止膜を備えた光学部品を提供すること、また、前記光学部品を備えた時計を提供することができる。
本発明の光学部品の第1実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の光学部品の反射防止膜を構成するシリカ粒子の粒度分布の一例を模式的に示す図である。 本発明の光学部品の第2実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<<光学部品>>
まず、本発明の光学部品について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の光学部品の第1実施形態を模式的に示す断面図、図2は、本発明の光学部品の反射防止膜を構成するシリカ粒子の粒度分布の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態の光学部品P10は、基材P1と、シリカ粒子P21を含む反射防止膜P2とを備えている。
そして、反射防止膜P2に含まれるシリカ粒子P21は、所定の粒度分布を有するものである。
すなわち、反射防止膜P2に含まれるシリカ粒子P21は、個数基準の粒度分布において、1.5nm以上2.5nm以下の範囲(第1の範囲R1)に第1の極大値MV1を有し、3.5nm以上4.5nm以下の範囲(第2の範囲R2)に第2の極大値MV2を有し、7.5nm以上8.5nm以下の範囲(第3の範囲R3)に第3の極大値MV3を有している(図2参照)。
このような粒度分布を有することにより、優れた反射防止機能が得られる。特に、従来の反射防止膜に比べて非常に簡易な構成で、優れた反射防止機能が得られる。
このような優れた反射防止機能が得られるのは、前述したような粒度分布のシリカ粒子P21を含むことにより、バルク形状のシリカよりも屈折率が低下し、好適な光学干渉効果が発揮されるためであると考えられる。
また、前述したような粒度分布のシリカ粒子P21を含むことにより、光学部品P10は、防曇性に優れたものとなる。その結果、結露等による光学特性の低下を確実に防止することができる。
このような優れた防曇性が得られるのは、前述したような粒度分布のシリカ粒子P21を含むことにより、微細なフラクタル構造が好適に形成されるためであると考えられる。
また、従来においては、簡易に形成することができる樹脂膜により反射防止機能を発揮させることもあったが、このような樹脂膜は、反射防止機能が低いだけでなく、耐擦性が低く、例えば、光学部品の表面に汚れが付着した場合に、拭き作業ができない等の問題があったが、上記のような反射防止膜P2は、耐擦性にも優れているため、拭き作業も好適に行うことができる。
また、このような反射防止膜P2は、後に詳述するように、例えば、塗布法等の方法により簡便に形成することができる。
このようなことから、大型、高価な装置を用いることなく、優れた生産性で優れた反射防止機能等を有する光学部品P10を得ることができる。また、光学部品P10の生産コストも低減することができる。
また、反射防止膜P2の密度(シリカ粒子P21の充填率)を高いものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を優れたものとすることができる。
<基材>
基材P1は、通常、光学部品P10の主部を構成するものであり、光透過性を有する部材である。
基材P1の589nmの波長の光についての屈折率は、1.43以上1.85以下であるのが好ましく、1.45以上1.78以下であるのがより好ましい。
これにより、光学部品P10の光学特性を特に優れたものとすることができる。
基材P1の構成材料は、特に限定されず、例えば、各種ガラス、各種プラスチック等を用いることができるが、ケイ酸ガラス(石英ガラス等)、サファイアガラスおよびプラスチックよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。
これらの物質は、優れた透明性を有している。また、このような材料で構成された基材P1に反射防止膜P2が設けられた場合、反射防止膜P2による反射防止機能がより効果的に発揮される。
特に、基材P1が、ケイ酸ガラス、サファイアガラスのうち少なくとも一方を含むものである場合、特に優れた光透過性、適度な屈折率等の優れた光学特性が得られるとともに、反射防止膜P2との密着性を特に優れたものとし、光学部品P10全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
基材P1を構成するプラスチック材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COP)、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
<反射防止膜>
反射防止膜P2は、所定の粒度分布を有する複数個のシリカ粒子P21を含む材料で構成されたものである。
すなわち、シリカ粒子P21は、個数基準の粒度分布において、1.5nm以上2.5nm以下の範囲(第1の範囲R1)に第1の極大値MV1を有し、3.5nm以上4.5nm以下の範囲(第2の範囲R2)に第2の極大値MV2を有し、7.5nm以上8.5nm以下の範囲(第3の範囲R3)に第3の極大値MV3を有するものである。
反射防止膜P2を構成するシリカ粒子P21の体積の総和に対する、1.5nm以上2.5nm以下の粒径を有するシリカ粒子P21の割合(第1の範囲R1に含まれるシリカ粒子P21の割合)は、5体積%以上30体積%以下であるのが好ましく、10体積%以上25体積%以下であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2を構成するシリカ粒子P21の体積の総和に対する、3.5nm以上4.5nm以下の粒径を有するシリカ粒子P21の割合(第2の範囲R2に含まれるシリカ粒子P21の割合)は、10体積%以上40体積%以下であるのが好ましく、15体積%以上35体積%以下であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2を構成するシリカ粒子P21の体積の総和に対する、7.5nm以上8.5nm以下の粒径を有するシリカ粒子P21の割合(第3の範囲R3に含まれるシリカ粒子P21の割合)は、30体積%以上60体積%以下であるのが好ましく、35体積%以上55体積%以下であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
個数基準の粒度分布において、第1の極大値MV1が存在する粒径範囲は、1.5nm以上2.5nm以下の範囲であればよいが、1.6nm以上2.4nm以下の範囲であるのが好ましく、1.8nm以上2.2nm以下の範囲であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
個数基準の粒度分布において、第2の極大値MV2が存在する粒径範囲は、3.5nm以上4.5nm以下の範囲であればよいが、3.6nm以上4.4nm以下の範囲であるのが好ましく、3.8nm以上4.2nm以下の範囲であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
個数基準の粒度分布において、第3の極大値MV3が存在する粒径範囲は、7.5nm以上8.5nm以下の範囲であればよいが、7.6nm以上8.4nm以下の範囲であるのが好ましく、7.8nm以上8.2nm以下の範囲であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
シリカ粒子P21は、個数基準の粒度分布において、前述した第1の極大値MV1、第2の極大値MV2および第3の極大値MV3を有するものであればよいが、5.5nm以上6.5nm以下の範囲(第4の範囲R4)に第4の極大値MV4を有するものであるのが好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2を構成するシリカ粒子P21の体積の総和に対する、5.5nm以上6.5nm以下の粒径を有するシリカ粒子P21の割合(第4の範囲R4に含まれるシリカ粒子P21の割合)は、20体積%以上30体積%以下であるのが好ましく、22体積%以上28体積%以下であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
個数基準の粒度分布において、第4の極大値MV4が存在する粒径範囲は、5.5nm以上6.5nm以下の範囲であればよいが、5.6nm以上6.4nm以下の範囲であるのが好ましく、5.8nm以上6.2nm以下の範囲であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2を構成するシリカ粒子P21の個数基準の平均粒径は、特に限定されないが、0.5nm以上4.0nm以下であるのが好ましく、1.0nm以上2.0nm以下であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとしつつ、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明において、粒度分布の測定は、例えば、動的光散乱法、レーザー回折法、画像イメージング法、重力沈降法等の各種方法を用いて行うことができるが、レーザー回折法を用いて行うのが好ましい。
これにより、より簡便に粒度分布を求めることができる。また、乾式、湿式のいずれの場合でも、好適に測定を行うことができ、一回に処理できる試料量を比較的多いものとすることができる。
粒度分布に用いることのできる装置としては、例えば、(株)島津製作所製のシングルナノ粒子径測定器(IG−1000)等が挙げられる。
反射防止膜P2中におけるシリカ粒子P21の含有率(全固形成分に対する含有率)は、80体積%以上であるのが好ましく、90体積%以上99.5体積%以下であるのがより好ましく、92体積%以上99体積%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2は、前述したような粒度分布を有するシリカ粒子P21を含むものであればよいが、図示の構成では、導電性粒子P22を含んでいる。
このように、反射防止膜P2が導電性粒子P22を含むものであると、光学部品P10全体として、帯電防止機能が発揮される。その結果、例えば、静電気による埃等の付着が防止され、光学部品P10は、本来有している光学特性を安定的に発揮することができる。また、このような反射防止膜P2を備えた光学部品P10を、例えば、時計用カバーガラス等の時計用部材として用いた場合に、時針等の針の静電気による変形をより確実に防止することができる。その結果、当該時計用部材を備えた時計の故障等をより効果的に防止することができる。なお、このような帯電防止機能は、シリカ粒子P21と導電性粒子P22とを併用することにより得られるものであって、例えば、従来のような緻密な層(気相成膜法により形成された層)を複数有する多層膜で構成された反射防止膜と、導電性粒子とを併用した場合には得られない。
導電性粒子P22は、導電性を有する材料で構成されたものであればよいが、導電性粒子P22の構成材料の体積抵抗率は、100Ωcm以下であるのが好ましい。
これにより、光学部品P10の帯電防止特性を特に優れたものとすることができる。
また、導電性粒子P22は、透明の材料であるのが好ましい。
これにより、光学部品P10の視認性に悪影響を与えることをより確実に防止することができる。
また、導電性粒子P22は、金属酸化物であるのが好ましい。金属酸化物は、一般に、優れた化学的安定性を有するものであるため、長期間にわたって安定的に帯電防止機能を発揮することができ、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
上記のような条件を満たす導電性粒子P22の構成材料としては、例えば、In、ZnO、CdO、Ga、SnO等や、これらに錫(Sn)、アンチモン(Sb)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等をドープしたもの(例えば、ITO(Sn−doped In)、AZO(Al−doped ZnO)、GZO(Ga−doped ZnO)等)、これらから選択される2以上を含むもの(例えば、IZO(In−ZnO)、IGZO(In−Ga−ZnO)等)等が挙げられる。中でも、導電性粒子P22の構成材料としては、SnOが好ましい。SnOは、高い透明性を有するだけでなく、比較的低い屈折率を有しているため、反射防止特性に影響を及ぼすことが少ない。また、SnOは、比較的安価で、後に説明するような粒径のものも容易かつ安定的に入手可能である。
導電性粒子P22の個数基準の平均粒径は、特に限定されないが、0.3nm以上10nm以下であるのが好ましく、0.7nm以上6.0nm以下であるのがより好ましく、1.0nm以上3.0nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を優れたものとしつつ、帯電防止機能を特に優れたものとすることができる。また、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
シリカ粒子P21の個数基準の平均粒径をD[nm]、導電性粒子P22の個数基準の平均粒径をD[nm]としたとき、0.1≦D/D≦0.6の関係を満足するのが好ましく、0.2≦D/D≦0.5の関係を満足するのがより好ましく、0.3≦D/D≦0.4の関係を満足するのがさらに好ましい。
このような関係を満足することにより、反射防止膜P2中におけるシリカ粒子P21と導電性粒子P22との混合状態をより好適なものとすることができ、光学部品P10の帯電防止機能を特に優れたものとすることができる。また、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、反射防止膜P2の反射防止機能等も特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2中における導電性粒子P22の含有率(全固形成分に対する含有率)は、0.5体積%以上10体積%以下であるのが好ましく、1.0体積%以上8.0体積%以下であるのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を優れたものとしつつ、帯電防止機能を特に優れたものとすることができる。また、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2中におけるシリカ粒子P21の含有率(全固形成分に対する含有率)をX[体積%]、反射防止膜P2中における導電性粒子P22の含有率(全固形成分に対する含有率)をX[体積%]としたとき、0.003≦X/X≦0.12の関係を満足するのが好ましく、0.005≦X/X≦0.1の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、反射防止膜P2の反射防止機能を優れたものとしつつ、帯電防止機能を特に優れたものとすることができる。また、反射防止膜P2を比較的緻密なものとすることができ、反射防止膜P2の強度、光学部品P10の耐久性を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、バインダー、スリップ剤(レベリング剤)等が挙げられる。
反射防止膜P2中における空隙率は、15体積%以上36体積%以下であるのが好ましく、18体積%以上32体積%以下であるのがより好ましい。
これにより、光学部品P10全体としての耐久性を十分に優れたものとしつつ、反射防止機能を特に優れたものとすることができる。このように、反射防止機能が特に優れたものとなるのは、反射防止膜P2中に、シリカ粒子P21(屈折率:1.46)で占められた領域とともに、空隙(空気層(屈折率:1.00))が所定の割合で存在することにより、バルク形状のシリカより屈折率が低下し、結果好適な光学干渉効果が得られるためである。また、反射防止膜P2が導電性粒子P22を含むものである場合に、前述したような帯電防止機能がより顕著に発揮される。
なお、反射防止膜P2の空隙率とは、反射防止膜P2の全体積に占める空隙の割合のことをいい、この空隙には、反射防止膜P2を構成する粒子間に設けられた空間だけでなく、粒子の内部に設けられた空孔も含むものとする。
反射防止膜P2の表面粗さRaは、0.5nm以上10.0nm以下であるのが好ましく、0.7nm以上6.0nm以下であるのがより好ましい。
これにより、光学部品P10全体としての光透過性を十分に優れたものとしつつ、光学部品P10の防曇性を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜P2の厚さは、50nm以上120nm以下であるのが好ましく、60nm以上100nm以下であるのがより好ましい。
これにより、光学部品P10の光学特性に悪影響が及ぶことを効果的に防止しつつ、光学部品P10の耐久性、反射防止機能等を特に優れたものとすることができる。
光学部品としては、例えば、プロジェクタレンズ、カメラレンズ、眼鏡用レンズ等の各種レンズ(マイクロレンズ、レンチキュラレンズ、フレネルレンズ等を含む)、フィルター(カメラローパスフィルター等)、透光板、防塵ガラス、放熱板、時計用カバーガラス、時計用裏蓋、透光性文字板(例えば、ソーラー時計用文字板)等が挙げられる。
中でも、光学部品は、時計用カバーガラスであるのが好ましい。
カバーガラスは、時計の使用時において、観察者(使用者等)の視点に近い部位に存在するものであり、また、カバーガラスの背面側には、通常、文字板、針等の時刻表示部材が配されるため、カバーガラス(光学部品)を介した文字板等の視認性が強く求められる部材である。したがって、カバーガラスに高い反射防止機能が発揮される本発明を適用した場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
また、カバーガラスは、観察者(使用者等)が視認する機会が多く、時計全体の外観において、大きな影響を与える部品である。そして、本発明では高い反射防止機能が発揮されるため、カバーガラスを介して視認される文字板等の装飾部品が本来有している優れた外観(審美性)を効果的に発揮させることができる。したがって、本発明が時計用カバーガラスに適用されることにより、時計全体としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、ダイバーズウォッチ等では、ケース内の液密性が保持されているが、時計の組み立て時にケース内に含まれた湿度が、使用時に結露し、視認性を低下させる問題を生じることがあったが、本発明においては、反射防止膜が高い反射防止機能を有するとともに、高い防曇性も有しているため、例えば、ダイバーズウォッチにおいて、本発明が適用されたカバーガラス(光学部品)を、反射防止膜が設けられた面が内面側を向くように配置することにより、上記のような結露の問題をより確実に防止することができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の光学部品の第2実施形態を模式的に示す断面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態の光学部品P10は、基材P1と、シリカ粒子P21を含む反射防止膜P2と、下地層P3とを備えている。
このように、下地層P3を有することにより、例えば、基材P1と反射防止膜P2との密着性(下地層P3を介した密着性)を特に優れたものとすることができ、光学部品P10の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
下地層P3の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料、SiO等が挙げられる。
下地層P3の厚さは、特に限定されないが、5nm以上25nm以下であるのが好ましく、10nm以上20nm以下であるのがより好ましい。
なお、図示の構成では、下地層P3が1層のみ形成されているが、光学部品P10は、基材P1と反射防止膜P2との間に、複数の下地層を有するものであってもよい。
<<光学部品の製造方法>>
次に、光学部品の製造方法について説明する。
光学部品P10は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、例えば、基材P1を準備する基材準備工程(1a)と、基材P1上に、シリカ粒子P21およびシリカ粒子P21を分散する分散媒を含む反射防止膜形成用組成物を付与する反射防止膜形成用組成物付与工程(1b)と、基材P1上に付与した反射防止膜形成用組成物から、分散媒を除去する分散媒除去工程(1c)とを有する方法を用いて好適に製造することができる。
<基材準備工程>
本工程では、基材P1を準備する(1a)。
基材P1としては、前述したものを用いることができるが、洗浄処理、親液化処理等の前処理が施されたものを用いてもよい。また、前処理として、反射防止膜P2を形成したくない部位へのマスクの形成を行ってもよい。この場合、後処理工程として、マスク除去工程を有していてもよい。
<反射防止膜形成用組成物付与工程>
本工程では、基材P1上に、シリカ粒子P21およびシリカ粒子P21を分散する分散媒を含む反射防止膜形成用組成物を付与する(1b)。
このような反射防止膜形成用組成物は、分散媒を含むものであり、流動性に優れているため、不本意な厚みのばらつきがより効果的に防止された反射防止膜P2を容易かつ確実に形成することができる。
基材P1への反射防止膜形成用組成物の付与方法としては、例えば、インクジェット法等の各種印刷法、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、刷毛塗り等の各種塗布法、ディッピング(浸漬法)等が挙げられる。
反射防止膜形成用組成物を構成する分散媒としては、シリカ粒子P21を分散する機能を有するものであればいかなるものであってもよいが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール性溶剤;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系溶剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、分散媒としては、水、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤(エチレングリコール、プロピレングリコール等のグルコール類に加え、グリコールエーテル系溶剤、グリコールエーテルアセテート系溶剤等のグリコール類のエーテル、エステル等の化合物)が好ましい。
これにより、反射防止膜形成用組成物中におけるシリカ粒子P21等の分散安定性を特に優れたものとすることができ、形成される反射防止膜P2における不本意な組成のばらつき、厚さのばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
特に、ロールコート、スピンコート等の方法で反射防止膜形成用組成物を付与する場合は、分散媒として、水、アルコール系溶剤を用いるのが好ましい。
これにより、反射防止膜形成用組成物の基材P1への塗工性を特に優れたものとすることができる。
また、スプレーコート等の方法で反射防止膜形成用組成物を付与する場合は、分散媒として、グリコール系溶剤を用いるのが好ましい。
これにより、反射防止膜形成用組成物の基材P1への塗工性を特に優れたものとすることができる。また、目詰まりを防止することができ、光学部品P10の生産性等を特に優れたものとすることができる。
また、反射防止膜形成用組成物は、シリカ粒子P21、分散媒以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分(その他の成分)としては、例えば、導電性粒子、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、バインダー、スリップ剤(レベリング剤)等が挙げられる。
反射防止膜形成用組成物中に占めるシリカ粒子P21の含有率は、特に限定されないが、0.5質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。
これにより、反射防止膜形成用組成物の流動性を好適なものとして、形成される反射防止膜P2に不本意な厚さのばらつき等が生じることをより効果的に防止することができるとともに、反射防止膜P2の形成効率を特に優れたものとし、光学部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
反射防止膜形成用組成物中に占める分散媒の含有率は、特に限定されないが、90質量%以上99.5質量%以下であるのが好ましい。
これにより、反射防止膜形成用組成物の流動性を好適なものとして、形成される反射防止膜P2に不本意な厚さのばらつき等が生じることをより効果的に防止することができるとともに、反射防止膜P2の形成効率を特に優れたものとし、光学部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される、反射防止膜形成用組成物の本工程での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、基材P1への反射防止膜形成用組成物の付与を好適に行うことができ、形成される反射防止膜P2に不本意な厚さのばらつき等が生じることをより効果的に防止することができるとともに、反射防止膜P2の形成効率を特に優れたものとし、光学部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
<分散媒除去工程>
本工程では、基材P1上に付与された反射防止膜形成用組成物から分散媒を除去する(1c)。
これにより、基材P1の強固に結合した反射防止膜P2が形成される。特に、反射防止膜形成用組成物は、反射防止膜P2の構成成分として、粒子(シリカ粒子P21)を含むものである。
このため、本工程において分散媒を除去する際に、形成される反射防止膜P2中に分散媒が不本意に閉じ込められてしまい、最終的に得られる光学部品P10中に不本意に分散媒が残存することを確実に防止することができる。その結果、光学部品P10の光学特性、信頼性を確実に優れたものとすることができる。また、反射防止膜形成用組成物が、反射防止膜P2の構成成分として、粒子(シリカ粒子P21)を含むものであることにより、膜状の反射防止膜形成用組成物に含まれる分散媒は、本工程において常に外部との連絡が取れた状態を保持することができるため、膜状の反射防止膜形成用組成物から分散媒を効率よく除去することができる。その結果、光学部品P10の生産性を優れたものとすることができる。
本工程は、例えば、加熱処理や、減圧処理、送風等により行うことができ、これらから選択される2種以上の処理を組み合わせて行ってもよい。
本工程を加熱処理により行う場合、加熱温度は、50℃以上200℃以下であるのが好ましく、60℃以上180℃以下であるのがより好ましい。また、本工程での加熱温度は、反射防止膜形成用組成物の分散媒の沸点よりも低いものであるのが好ましい。
これにより、材料の不本意な劣化、変性等や、反射防止膜P2等の不本意な変形等を防止しつつ、効率よく反射防止膜P2を形成することができる。
本工程を減圧処理により行う場合、減圧処理時の圧力(反射防止膜形成用組成物が付与された基材P1が置かれる環境の圧力)は、1×10Pa以下であるのが好ましく、1×10Pa以下であるのがより好ましい。
これにより、光学部品P10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、最終的に得られる光学部品P10に分散媒が残存することによる弊害の発生をより確実に防止することができる。
なお、本工程では、例えば、条件の異なる2種以上の処理を行ってもよい。
例えば、比較的低温で行う第1の加熱処理と、第1の加熱処理よりも高い温度で行う第2の加熱処理を行うものであってもよい。これにより、形成される反射防止膜P2に欠陥(例えば、比較的大きい空孔の発生や、反射防止膜P2の不本意な変形等)等をより効果的に防止しつつ、反射防止膜P2の形成効率を特に優れたものとすることができる。
また、反射防止膜形成用組成物付与工程と分散媒除去工程とを繰り返し行ってもよい。これにより、比較的厚みの大きい反射防止膜であっても好適に形成することができる。また、基材P1上の複数箇所に好適に反射防止膜P2を形成することができる。例えば、1回の反射防止膜形成用組成物付与工程では、反射防止膜形成用組成物を付与することが困難な複数の箇所に反射防止膜P2を形成する場合や、厚み等の条件の異なる反射防止膜P2を形成する場合等であっても、好適に対応することができる。
また、図3に示すように、基材P1と反射防止膜P2との間に下地層P3を有する光学部品P10を製造する場合、例えば、反射防止膜形成用組成物付与工程に先立ち、基材P1に下地層形成用材料を付与する下地層形成用材料付与工程を設けることにより、好適に光学部品P10を製造することができる。
樹脂材料を含む下地層P3を形成する場合、下地層形成用材料としては、樹脂材料を溶媒に溶解したものや、当該樹脂材料の前駆体(例えば、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、プレポリマー等)を含む液状の組成物を用いることができる。
このような材料を用いる場合、下地層形成用材料の付与方法としては、例えば、インクジェット法等の各種印刷法、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、刷毛塗り等の各種塗布法、ディッピング(浸漬法)等が挙げられる。
また、例えば、SiOで構成された下地層P3を形成する場合、反射防止膜形成用組成物付与工程に先立ち、気相成膜法(例えば、蒸着法)により基材P1の表面に下地層P3を形成する下地層形成工程を設けてもよい。これにより、基材P1と下地層P3との密着性を特に優れたものとすることができるとともに、下地層P3の透明性を特に高いものすることができ、光学部品P10全体としての光学特性のさらなる向上を図ることができる。
以上説明したような製造方法によれば、簡易な構成で優れた反射防止機能を有する反射防止膜を備えた光学部品を効率よく製造することができる。
<<時計>>
次に、本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の光学部品を備えるものである。
これにより、光学部品の背面側の様子を好適に視認することができる時計を提供することができ、時計全体としての美的外観(審美性)を優れたものとすることができ、装飾品としての価値を高めることができる。また、例えば、時刻等の視認性を向上させることができるため、実用品としての機能(実用性)も優れたものとなる。
なお、本発明の時計は、少なくとも1つの光学部品として、本発明の光学部品を備えるものであればよく、それ以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の光学部品がカバーガラスに適用された場合の時計の構成の一例について代表的に説明する。
図4は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
図4に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)P100は、胴(ケース)P82と、裏蓋P83と、ベゼル(縁)P84と、カバーガラス(時計用カバーガラス)P85とを備えている。また、ケースP82内には、時計用文字板(文字板)P7と、太陽電池P94と、ムーブメントP81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
カバーガラスP85は、前述したような本発明の光学部品で構成されたものである。
これにより、文字板P7、針(指針)等の視認性を高めることができる。また、文字板P7等は、時計全体の外観に大きな影響を与える部材であるが、文字板P7等を視認する際に好ましくない光の反射が防止されるため、時計全体としての美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。
ムーブメントP81は、太陽電池P94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図4中では省略しているが、ムーブメントP81内には、例えば、太陽電池P94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメントP81は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池P94は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池P94で変換された電気エネルギーは、ムーブメントP81の駆動等に利用される。
太陽電池P94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴P82には巻真パイプP86が嵌入・固定され、この巻真パイプP86内にはりゅうずP87の軸部P871が回転可能に挿入されている。
胴P82とベゼルP84とは、プラスチックパッキンP88により固定され、ベゼルP84とカバーガラスP85とはプラスチックパッキンP89により固定されている。
また、胴P82に対し裏蓋P83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)P93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)P92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部P93が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうずP87の軸部P871の途中の外周には溝P872が形成され、この溝P872内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)P91が嵌合されている。ゴムパッキンP91は巻真パイプP86の内周面に密着し、該内周面と溝P872の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうずP87と巻真パイプP86との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうずP87を回転操作したとき、ゴムパッキンP91は軸部P871と共に回転し、巻真パイプP86の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、本発明の光学部品としてのカバーガラスを備えるものを挙げて説明したが、本発明の時計は、例えば、カバーガラス以外の部品として、本発明の光学部品が適用されたものを備えるものであってもよい。例えば、裏蓋等が、本発明の光学部品で構成されたものであってもよい。これにより、前述したような効果が得られるとともに、時計全体としての美的外観(審美性)の向上を図ることができる。
また、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の光学部品および時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
例えば、光学部品は、基材、反射防止膜に加え、保護膜等を備えるものであってもよい。
また、本発明に係る光学部品は、複数の反射防止膜を備えるものであってもよい。例えば、前述した実施形態では、反射防止膜が基材の一方の面側に設けられた場合について説明したが、反射防止膜は、基材の両方の面側に設けられたものであってもよい。また、中間層を介して、複数の反射防止膜が積層された構成のものであってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明の光学部品が時計の構成部品として用いられる場合について中心的に説明したが、本発明の光学部品は、時計の構成部品として用いられるものに限定されず、例えば、カメラ(ビデオカメラや、携帯電話(スマートフォン、PHS等を含む)等に搭載されたカメラ等を含む)、プロジェクター等の光学機器や、顕微鏡等の光学測定機器等の各種電気機器や、眼鏡、ルーペ等に適用されるものであってもよい。また、本発明の光学部品は、他の部材と組み合わせて用いられるものに限定されず、それ単体で用いられるものであってもよい。
また、本発明の光学部品の製造においては、前述した工程のほか、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。例えば、反射防止膜形成用組成物付与工程に先立ち、基材の表面に紫外線照射やプラズマ照射等を行う工程を有していてもよい。これにより、例えば、基材に対する反射防止膜形成用組成物の濡れ性をより好適なものとし、所望の条件(例えば、所望の膜厚)の反射防止膜をより好適に形成することができる。また、基材と反射防止膜との密着性を特に優れたものとし、光学部品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、本発明の光学部品は、前述した方法を用いて製造されたものに限定されない。例えば、前述した実施形態では、シリカ粒子に加えて分散媒を含む反射防止膜形成用組成物を用いて反射防止膜を形成するものとして説明したが、例えば、反射防止膜形成用組成物として、分散媒を含まないものを用いてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.光学部品(カバーガラス)の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、光学部品としてのカバーガラスを製造した。
まず、サファイアガラスで構成された板材(ガラス板)を基材として用意し(基材準備工程)、必要箇所を切削、研磨した。切削、研磨された基材は、略円盤状をなし、直径:30mm×厚さ:1mmの大きさのものであった。
次に、基材の反射防止膜を形成すべき側の面に、波長:248nmの紫外線を照射する紫外線照射処理を施した。
次に、基材の一方の面全体に、反射防止膜形成用組成物をスプレーコート法により付与した(反射防止膜形成用組成物付与工程)。
反射防止膜形成用組成物としては、シリカ粒子と、導電性粒子(導電性透明金属酸化物粒子)としての酸化スズ(SnO)粒子(個数基準の平均粒径:2.0nm)と、分散媒としてのメタノールとを所定の割合で混合したものを用いた。
シリカ粒子としては、個数基準の粒度分布において、1.5nm以上2.5nm以下の範囲(第1の範囲)に第1の極大値を有し、3.5nm以上4.5nm以下の範囲(第2の範囲)に第2の極大値を有し、7.5nm以上8.5nm以下の範囲(第3の範囲)に第3の極大値を有し、5.5nm以上6.5nm以下の範囲(第4の範囲)に第4の極大値を有し、個数基準の平均粒径が2.6nmのものを用いた。
その後、反射防止膜形成用組成物が付与された基材を、1×10−4Paの環境で静置することにより、反射防止膜形成用組成物を構成する分散媒を除去し(分散媒除去工程)、反射防止膜を形成した。
形成された反射防止膜の平均厚さは80nmであり、空隙率は26体積%であった。また、反射防止膜の外表面(基材に対向する面とは反対側の面)についての表面粗さRaは1.3nmであった。
(実施例2〜10)
反射防止膜形成用組成物を構成するシリカ粒子の粒度分布を表1に示すようなものとし、反射防止膜形成用組成物の構成、光学部品の各部の構成を表2に示すようなものとした以外は、前記実施例1と同様にして光学部品(カバーガラス)を製造した。
(実施例11)
反射防止膜形成用組成物付与工程に先立ち、基材の表面(反射防止膜が形成される側の表面)にSiOで構成された下地層を形成した(下地層形成工程)以外は、前記実施例と同様にして光学部品(カバーガラス)を製造した。
下地層の形成は、真空蒸着により行った。形成された下地層の厚さは、15nmであった。
(実施例12〜14)
反射防止膜形成用組成物を構成するシリカ粒子の粒度分布を表1に示すようなものとし、反射防止膜形成用組成物の構成、光学部品の各部の構成を表2に示すようなものとした以外は、前記実施例11と同様にして光学部品(カバーガラス)を製造した。
(比較例1)
基材に対して反射防止膜を形成することなく、基材(サファイアガラスで構成された板材)をそのまま光学部品として用いた以外は、前記実施例2と同様にして光学部品(カバーガラス)を製造した。
(比較例2〜4)
反射防止膜形成用組成物を構成するシリカ粒子の粒度分布を表1に示すようなものとした以外は、前記実施例2と同様にして光学部品(カバーガラス)を製造した。
(比較例5)
反射防止膜形成用組成物としてアニオン界面活性剤を用い、反射防止膜を高分子有機材料で構成されたものとして形成した以外は、前記実施例2と同様にして光学部品(カバーガラス)を製造した。
各実施例および各比較例の光学部品(カバーガラス)の製造に用いた反射防止膜形成用組成物を構成するシリカ粒子の粒度分布を表1に示し、各実施例および各比較例の光学部品(カバーガラス)の製造に用いた反射防止膜形成用組成物の構成、各実施例および各比較例の光学部品(カバーガラス)の各部の構成を表2に示した。なお、表1、表2中、平均粒径の欄には、個数基準の平均粒径の値を示した。また、前記各実施例および各比較例では、粒子の粒度分布は、シングルナノ粒子径測定器IG−1000(島津製作所社製)を用いて、レーザー回折法により求めた。また、前記各実施例および各比較例で用いた反射防止膜形成用組成物は、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定した粘度(反射防止膜形成用組成物付与工程での粘度)は、いずれも、3mPa・s以上15mPa・s以下の範囲内の値であった。
Figure 2016109761
Figure 2016109761
2.反射率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各カバーガラスについて、オリンパス製反射率測定器 USPMを用いて、基材の反射防止膜が設けられた面とは反対の面側から、カバーガラスについての光の反射率の測定を行い、以下の基準に従い、評価した。なお、比較例1については、両面とも反射防止膜が設けられていないため、任意に選択した一方の面について評価した(以下の評価項目についても同様)。
A:光の反射率が0.3%未満である。
B:光の反射率が0.3%以上0.5%未満である。
C:光の反射率が0.5%以上1.0%未満である。
D:光の反射率が1.0%以上4.0%未満である。
E:光の反射率が4.0%以上である。
3.防曇性評価
防曇性評価装置(AFA−1、協和界面科学社製)を用いて、前記各実施例および各比較例で製造した各カバーガラスの反射防止膜が設けられた側の面に、飽和水蒸気を吹き付けた際の防曇性評価指数を求め、以下の基準に従い、評価した。防曇性評価指数が低いほど防曇性に優れているといえる。
A:防曇性評価指数が3未満。
B:防曇性評価指数が3以上6未満。
C:防曇性評価指数が6以上10未満。
D:防曇性評価指数が10以上20未満。
E:防曇性評価指数が20以上。
4.帯電防止性評価
表面抵抗測定器(三菱ケミカル社製、ハイレスタUP MCP−HT45)を用いて、前記各実施例および各比較例で製造した各カバーガラスの反射防止膜が設けられた側の面にプローブを接触させて、表面電気抵抗値を測定し、以下の基準に従い、評価した。表面電気抵抗値が低いほど帯電防止性に優れているといえる。なお、測定時の環境は、温度:25℃、湿度:55%RHであった。
A:表面電気抵抗値が1E+8Ω/□未満。
B:表面電気抵抗値が1E+8Ω/□以上1E+9Ω/□未満。
C:表面電気抵抗値が1E+9Ω/□以上1E+11Ω/□未満。
D:表面電気抵抗値が1E+11Ω/□以上1E+15Ω/□未満。
E:表面電気抵抗値が1E+15Ω/□以上。
5.密着性評価
評価面にカッターナイフで縦横2mm間隔のカット線をそれぞれ5本入れ、その上に粘着テープ(ニチバン製CT−18)を貼りつけ、その後一気に剥がした後、評価面に剥がれがないか目視で確認し、以下の基準に従い、評価した。
A:膜剥がれは全く確認されない。
B:膜剥がれ面積が5%未満。
C:膜剥がれ面積が5%以上20%未満。
D:膜剥がれ面積が20%以上50%未満。
E:膜剥がれ面積が50%以上。
6.耐擦性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各カバーガラスの反射防止膜が設けられた側の面について、JIS K5701に準じ、相紙としてシルボン紙を用いた耐擦性試験を行い、耐擦性試験後のカバーガラスについて、目視による観察を行い、以下の基準に従い、評価した。
A:摩擦による傷が全く発生していない。
B:摩擦による傷がほとんど発生していない。
C:摩擦による傷がわずかに発生している。
D:摩擦による傷がはっきりと発生している。
E:摩擦による傷が顕著に発生している。
7.時計の製造
前記各実施例および各比較例で製造した各カバーガラスを用いて、図4に示すような腕時計を製造した。このとき、カバーガラスの反射防止膜が設けられた側の面が、内面側(文字板等に対向する側)を向くように配置した。
8.時計の文字板の視認性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計について、カバーガラスを介して、文字板等の観察を行い、その際の視認性を、以下の基準に従い、評価した。
A:文字板等の視認性が非常に優れている。
B:文字板等の視認性が優れている。
C:文字板等の視認性が許容範囲のものである。
D:文字板等の視認性がやや劣っている。
E:文字板等の視認性が非常に劣っている。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2016109761
表3から明らかなように、本発明では、光学部品の反射防止機能が高いものであり、防曇性や耐擦性にも優れていた。特に、簡易な構成で上記のような優れた効果が得られた。また、光学部品を備えた時計では、文字板等の視認性に優れており、時計全体としての美的外観(審美性)の優れたものであった。また、本発明では、優れた生産性で、光学部品を製造することができた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、カバーガラスに加え、裏蓋も上記と同様の構成にした以外は、前記各実施例および各比較例と同様にして時計を製造したところ、上記と同様の結果が得られ、本発明の光学部品を適用した時計(本発明の時計)では、美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができた。
また、反射防止膜形成用組成物の付与をロールコート法、スピンコート法により行った以外は、前記と同様にしてカバーガラス(光学部品)、時計を製造し、前記と同様に評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。
P10……光学部品
P1……基材
P2……反射防止膜
P21……シリカ粒子
P22……導電性粒子
P3……下地層
P100……腕時計(携帯時計)
P7……時計用文字板(文字板)
P81……ムーブメント
P82……胴(ケース)
P83……裏蓋
P84……ベゼル(縁)
P85……カバーガラス(時計用カバーガラス)
P86……巻真パイプ
P87……りゅうず
P871……軸部
P872……溝
P88……プラスチックパッキン
P89……プラスチックパッキン
P91……ゴムパッキン(りゅうずパッキン)
P92……ゴムパッキン(裏蓋パッキン)
P93……接合部(シール部)
P94……太陽電池
R1……第1の範囲
R2……第2の範囲
R3……第3の範囲
R4……第4の範囲
MV1……第1の極大値
MV2……第2の極大値
MV3……第3の極大値
MV4……第4の極大値

Claims (10)

  1. 基材と、
    シリカ粒子を含む反射防止膜とを備え、
    前記シリカ粒子は、個数基準の粒度分布において、1.5nm以上2.5nm以下の範囲に第1の極大値を有し、3.5nm以上4.5nm以下の範囲に第2の極大値を有し、7.5nm以上8.5nm以下の範囲に第3の極大値を有するものであることを特徴とする光学部品。
  2. 前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、1.5nm以上2.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、5体積%以上30体積%以下である請求項1に記載の光学部品。
  3. 前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、3.5nm以上4.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、10体積%以上40体積%以下である請求項1または2に記載の光学部品。
  4. 前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、7.5nm以上8.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、30体積%以上60体積%以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学部品。
  5. 前記シリカ粒子は、個数基準の粒度分布において、5.5nm以上6.5nm以下の範囲に第4の極大値を有するものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学部品。
  6. 前記反射防止膜を構成する前記シリカ粒子の体積の総和に対する、5.5nm以上6.5nm以下の粒径を有する前記シリカ粒子の割合が、20体積%以上30体積%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学部品。
  7. 前記反射防止膜の厚さが、50nm以上120nm以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学部品。
  8. 前記基材は、ケイ酸ガラス、サファイアガラスおよびプラスチックよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学部品。
  9. 光学部品は、時計用カバーガラスである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学部品。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学部品を備えたことを特徴とする時計。
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