JP2016109647A - 異常診断装置、軸受、回転装置、産業機械及び車両 - Google Patents

異常診断装置、軸受、回転装置、産業機械及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】異常の早期発見と共に診断閾値の設定を比較的容易に行うことが可能な異常診断装置、軸受、回転装置、産業機械及び車両を提供する。【解決手段】回転装置2の稼働中における初期測定タイミングで測定した車軸21が設定回転速度で回転しているときの初期振動値から抽出した、回転装置2の異常診断対象の異常に係る特徴周波数成分である初期周波数成分と、回転装置2の稼働中の初期測定タイミング以降の実測タイミングで測定した車軸21が設定回転速度で回転しているときの実測振動値から抽出した特徴周波数成分である実測周波数成分との差分値を演算し、この差分値と診断閾値との比較を行い、この比較結果に基づき異常診断対象の異常診断を行う。【選択図】 図2

Description

本発明は、回転軸を支持する軸受を含んで構成される回転装置の異常診断に関する。
従来、軸受を含んで構成される回転装置の異常診断を行う技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。この技術は、鉄道車両に取り付けられたセンサユニットからの検出信号に基づいて脱線、転覆、衝突等の重大事故の異常を判定する異常判定装置に、定期検査で行われるような車両や軌道の異常を検知し処理する機能を付加したものである。
特開2012−100434号公報
しかしながら、上記従来技術では、回避したい事象に応じて診断閾値を設定することについて、軸受や車輪等の対象となる部品それぞれの個体差までは考慮されていない。そのため、製品量産時に同型製品共通の絶対的な診断閾値を設定するにあたっては大量のバックデータと統計的な判断が必要になり適切な診断閾値設定までに多くの検証が必要となる問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、異常の早期発見と共に診断閾値の設定を比較的容易に行うことが可能な異常診断装置、軸受、回転装置、産業機械及び車両を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る異常診断装置は、回転軸を支持する軸受を含んで構成される回転装置に生じる振動を検出する振動検出部と、回転軸の回転速度を検出する回転速度検出部と、回転速度検出部の検出結果と振動検出部の検出結果とに基づき回転軸が予め設定した設定回転速度で回転しているときに回転装置に生じる振動を測定する振動測定部と、回転装置の稼働中における予め設定した初期測定タイミングに振動測定部が測定した振動の値である初期振動値から、回転装置の異常診断対象毎の異常に係る特徴周波数成分を抽出する初期周波数成分抽出部と、回転装置の稼働中において予め設定した初期測定タイミング以降の実測タイミングに振動測定部が測定した振動の値である実測振動値から、異常診断対象毎の特徴周波数成分を抽出する実測周波数成分抽出部と、初期振動値から抽出した特徴周波数成分である初期周波数成分と実測振動値から抽出した特徴周波数成分である実測周波数成分との差分値を演算する差分値演算部と、差分値演算部で演算した差分値と予め設定した診断閾値とを比較し、該比較の結果に基づき異常診断対象毎の異常を診断する異常診断部と、を備える。
また、本発明の第2の態様に係る軸受は、上記第1の態様に係る異常診断装置を備える。
また、本発明の第3の態様に係る回転装置は、上記第1の態様に係る異常診断装置を備える。
また、本発明の第4の態様に係る産業機械は、上記第1の態様に係る異常診断装置を備える。
また、本発明の第5の態様に係る車両は、上記第1の態様に係る異常診断装置を備える。
本発明によれば、初期測定タイミングで測定した初期振動値から抽出した初期周波数成分と、実測タイミングで測定した実測振動値から抽出した実測周波数成分との差分値(即ち初期値からの変化量)に対して診断閾値との比較を行い、この比較結果に基づき異常診断を行うことが可能である。これによって、回転装置の稼働中に異常診断を行うことが可能となるので異常の早期発見が可能になるという効果が得られる。加えて、従来と比較して、個体差に起因した初期値のばらつきを無視することが可能となり、個体差によるばらつきを無視した(変化量のみに着目した)診断閾値設定を行うことが可能となる。その結果、従来と比較して診断閾値設定を容易に行うことができるという効果が得られる。また、実測振動値は、個体差に起因した初期値のばらつきと、変化量のばらつきとの合算となるが、差分をとることよって除去できる初期値のばらつきの分、測定信頼性を向上することができるという効果が得られる。
(a)及び(b)は、鉄道車両1の概略構成を示す模式図である。 回転装置2の要部の詳細な構成を示す模式図である。 異常診断装置4の一構成例を示すブロック図である。 異常診断部37dのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 異常診断部37dの機能構成の一例を示すブロック図である。 異常診断処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 振動測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 特徴周波数成分抽出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 比較診断処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 振動波形のスペクトル曲線の一例を示す図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(実施形態)
(構成)
本発明の一実施形態に係る鉄道車両1は、図1(a)及び(b)に示すように、複数の回転装置2を含んで構成される。
回転装置2は、回転軸としての車軸21と、車軸21の両端部において車軸21を支持する一対の複列円すいころ軸受3と、車軸21の一対の複列円すいころ軸受3よりも内側の両端部に取り付けられた回転体としての一対の車輪22とを含んで構成される。
複列円すいころ軸受3は、図2に示すように、軸受ハウジング23の内側にて車軸21の端部を回転自在に支持する。
この複列円すいころ軸受3は、第1の円すいころ軸受部24Aと、第2の円すいころ軸受部24Bと、外輪25と、円筒状の間座29とを備える。
第1の円すいころ軸受部24Aは、第1の内輪26Aと、複数個の第1の円すいころ27Aと、第1の保持器28Aとを備え、第2の円すいころ軸受部24Bは、第2の内輪26Bと、複数個の第2の円すいころ27Bと、第2の保持器28Bとを備える。
外輪25は、第1の円すいころ軸受部24A及び第2の円すいころ軸受部24Bに共通の外輪であり、内周面に複列の円すい凹面状の第1の外輪軌道30A及び第2の外輪軌道30Bを有し、軸受ハウジング23に内嵌した状態で、使用時にも回転しないように構成されている。
第1の内輪26Aは、外周面に円すい凸面状の第1の内輪軌道31Aを有し、第2の内輪26Bは、外周面に円すい凸面状の第2の内輪軌道31Bを有し、それぞれ車軸21の端部に外嵌固定した状態で、使用時にこの車軸21と共に回転するように構成されている。
第1の円すいころ27Aは、第1の外輪軌道30Aと、第1の内輪軌道31Aとの間にそれぞれ複数個ずつ、第1の保持器28Aにより保持された状態で転動自在に設けられている。
また、第2の円すいころ27Bは、第2の外輪軌道30Bと、第2の内輪軌道31Bとの間にそれぞれ複数個ずつ、第2の保持器28Bにより保持された状態で転動自在に設けられている。
間座29は、第1の内輪26A及び第2の内輪26Bの間に挟持した状態で、車軸21の端部に外嵌している。なお、図2に示した部分よりも上方に存在する、この車軸21の中間部両端寄り部分には、図1(a)及び(b)に示すように、それぞれ車輪22を外嵌固定している。
更に、複列円すいころ軸受3は、図2に示すように、軸受ハウジング23の外周面に取り付けられた異常診断装置4を含んで構成される。この異常診断装置4は、複列円すいころ軸受3の傷や剥離、車軸21の偏摩耗、車輪22のフラット磨耗等、異常診断対象である回転装置2の構成部品に生じる異常を診断するものである。
本実施形態において、異常診断対象は、各構成部品を示す以外にも、各構成部品に発生する異常の種類が2種類以上の場合、各異常内容とのセットで1つの異常診断対象を指すものである。例えば、車輪22の車輪フラットの場合、1周あたり1箇所磨耗と、1周あたり2箇所磨耗とでは特徴周波数成分が異なるため、この場合の異常診断対象は、車輪22の車輪フラット(1箇所)と、車輪22の車輪フラット(2箇所)との2つとなる。
異常診断装置4は、車軸21の回転速度を検出する回転速度検出部としての軸速度センサ32と、回転装置2に生じる振動を検出する振動検出部としての加速度センサ33と、回転装置2の異常を診断する異常診断ユニット35とを含んで構成される。
軸速度センサ32は、永久磁石により円筒状に構成されたエンコーダ32aと、第1のセンサ32bと、第2のセンサ32cとを含んで構成される。
エンコーダ32aは、間座29の軸方向中間部に外嵌固定されている。
第1のセンサ32b及び第2のセンサ32cは、外輪25の軸方向中間部で複列に配置された第1の円すいころ27A及び第2の円すいころ27Bの間の部分にそれぞれの検出部を、被検出面であるエンコーダ32aの外周面に近接対向させた状態で設けられている。このエンコーダ32aの外周面には、N極に着磁した磁極とS極に着磁した磁極とを、円周方向に交互に且つ等間隔で配置している。
また、第1のセンサ32b及び第2のセンサ32cは、検出部に、ホールIC、ホール素子、MR、GMR等の磁気検知素子を組み込んでいる。これら第1のセンサ32b及び第2のセンサ32cの検出部がエンコーダ32aの外周面に対向する位置は、このエンコーダ32aの円周方向に関して同じ位置としている。
本実施形態において、加速度センサ33は、複列円すいころ軸受3の近傍で発生する振動を電気信号として出力する。
本実施形態では、軸受ハウジング23の外周面の円周方向一部で、軸方向に関して第1の円すいころ軸受部24Aの中央部に対応する部分に、図2に示すように凹部34を形成している。そして、凹部34に加速度センサ33を収容している。なお、加速度センサ33の配設位置はこの位置に限らず、異常診断対象等に応じて他の位置に変更してもよい。
加速度センサ33は、異常診断対象の異常発生時の振動特性に応じて、1軸方向の加速度を測定可能なもの、2軸方向の加速度を測定可能なもの、3軸方向の加速度を測定可能なもの等を適宜選択して使用する。また、測定したい振動の方向に合わせて、1軸又は2軸のセンサを複数配置する構成としてもよい。また、本実施形態では、異常診断対象の異常が複数軸方向への振動を発生する場合、異常発生時の振動方向のうち最も大きい振動レベルの振動方向を代表軸方向として決定し、この軸方向の振動を測定可能な加速度センサを使用する。
即ち、例えば軸受に軸受剥離が発生した場合、ラジアル方向の振動が大きくなるため、軸受剥離を異常診断するためには、ラジアル方向の振動を検出可能なセンサを配置する必要がある。このように、異常の内容毎に振動変化が顕著に出る方向が異なるため、診断対象の異常内容に応じて、所望の振動方向の振動を検出可能なセンサを配置する必要がある。
なお、この構成に限らず、複数軸方向の振動を2以上検出する構成としてもよい。この場合は、後段の異常診断処理において、1の異常診断対象に対して、例えば、2以上の特徴周波数成分の差分値に対する診断閾値との比較結果に基づく異常診断が行われる。
異常診断ユニット35は、軸受ハウジング23の外周面に固定された基板ハウジング36と、基板ハウジング36の内側に配置された回路基板37と、回路基板37と第1のセンサ32b及び第2のセンサ32cの出力端子とを電気的に接続するコネクタ38とを備える。
この異常診断ユニット35は、回転装置2を構成する各部品に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断し、且つ、異常が生じている部品を特定する為に、軸速度センサ32、加速度センサ33の出力した電気信号等を演算処理するものである。
回路基板37は、具体的に、図3に示すように、チップ部品やディスクリート部品等として実装された、第1のI/F部37aと、第2のI/F部37bと、異常診断部37dとを含んで構成される。
第1のI/F部37aは、軸速度センサ32から出力されるアナログの電気信号である車軸21の回転速度を示す回転速度信号ωを、後段の異常診断部37dで演算処理可能な信号形式に変換するものである。
ここで、本実施形態では、異常診断部37dは、CPU(Central Processing Unit)等が搭載されたマイクロコンピュータ(マイコン)から構成されている。
従って、本実施形態の第1のI/F部37aは、図示省略するが、例えば、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器、特定周波数帯域を切り出すためのフィルタ回路、ACカップリングのためのコンデンサ、信号増幅のための信号増幅器等を含んで構成されている。
第1のI/F部37aは、変換後のデジタルの回転速度信号ωdを、異常診断部37dに出力する。
第2のI/F部37bは、第1のI/F部37aと同様の構成を有し、加速度センサ33から出力されるアナログの電気信号である加速度信号Gaを、後段の異常診断部37dで演算処理可能な信号形式に変換するものである。第2のI/F部37bは、変換後のデジタルの加速度信号Gadを、異常診断部37dに出力する。
異常診断部37dは、第1のI/F部37aからの回転速度信号ωdと、第2のI/F部37bからの加速度信号Gadとに基づき、本実施形態では、複列円すいころ軸受3、車軸21及び車輪22に摩耗や破損等の異常が発生しているか否かを診断する。
次に、図4及び図5に基づき、異常診断部37dのハードウェア構成及び機能構成を説明する。
異常診断部37dは、図4に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU60と、主記憶装置を構成するRAM(Random Access Memory)61と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)62と、時間計測用のタイマ63とを備える。加えて、データ転送用の各種内外バス65と、入出力インターフェース(I/F)64とを備える。本実施形態では、RAM61は、例えばNOR型のフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリから構成される。
そして、CPU60、RAM61、ROM62及びタイマ63との間を各種内外バス65で接続していると共に、このバス65に入出力I/F64を介して、異常診断ユニット35の第1のI/F部37a及び第2のI/F部37bとが接続されている。図示省略するが、その他にも必要に応じて、例えば、データ記憶容量確保のための外部記憶装置、異常診断結果を車載ネットワークを介して各異常診断装置を統括制御する制御装置(以下、「統括制御装置」と称す)に送信するための通信装置などが接続される。
そして、電源を投入すると、ROM62等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM62に予め記憶された各種のコンピュータプログラムをRAM61にロードし、RAM61にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御及び演算処理を行うことで後述する各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
また、異常診断部37dは、CPU60によってプログラムを実行することで実現する機能部として、図5に示すように、振動測定部371と、特徴周波数成分抽出部372と、差分値演算部373と、比較診断部374とを備えている。
振動測定部371は、予め設定した測定タイミングにおいて、第1のI/F部37aからの回転速度信号ωdに基づき、車軸21が予め設定した設定回転速度ωsで回転しているときに回転装置2に生じる振動に応じた加速度値を測定する。
即ち、車軸21が設定回転速度ωsで回転していると判定すると、第2のI/F部37bから予め設定したサンプリング周期で入力される加速度信号Gadの示す加速度値(以下、「加速度値Gav」と称す)をRAM61に時系列に記憶する。これにより、回転装置2に生じる振動を測定する。
本実施形態において、振動測定部371は、予め設定した回転装置2の稼働中の初期測定タイミングにおいて、車軸21が予め設定した設定回転速度ωsで回転しているときに回転装置2に生じる振動に応じた加速度値Gavを測定する。加えて、振動測定部371は、回転装置2の稼働中の初期測定タイミング以降の実測タイミングにおいて、車軸21が設定回転速度ωsで回転しているときに回転装置2に生じる振動に応じた加速度値Gavを測定する。
更に、本実施形態の振動測定部371は、タイマ63を用いて、車軸21が設定回転速度ωsで回転を開始したと判定してから、設定回転速度ωsで回転をし続けている間の経過時間Tpを計測する。そして、初期測定タイミングにおいて、経過時間Tpが、予め設定した診断可能時間Td以上となった場合に、測定処理を停止すると共に、初期周波数成分Ae1〜AeNの抽出処理の開始を指示する初期抽出開始指令Steを特徴周波数成分抽出部372に出力する。
以下、初期測定タイミングにおいて、経過時間Tpが診断可能時間Td以上となって測定が停止されるまでにRAM61に記憶された加速度値Gavを「初期振動値群Gave」と称す。
一方、振動測定部371は、実測タイミングにおいて、経過時間Tpが診断可能時間Td以上となった場合に、測定処理を停止すると共に、実測周波数成分As1〜AsNの抽出処理の開始を指示する実測抽出開始指令Stsを特徴周波数成分抽出部372に出力する。
以下、実測タイミングにおいて、経過時間Tpが診断可能時間Td以上となって測定が停止されるまでにRAM61に記憶された加速度値Gavを「実測振動値群Gavs」と称す。
また、振動測定部371は、測定タイミングに関係なく、経過時間Tpが診断可能時間Td未満であった場合に、タイマ63をクリアすると共に、これまでに記憶した加速度値GavをRAM61から削除する。また、特徴周波数成分抽出部372において、特徴周波数成分の抽出処理が完了した場合も、完了した特徴周波数成分に対応する加速度値Gav(初期振動値群Gave又は実測振動値群Gavs)をRAM61から削除する。
なお、本実施形態の振動測定部371は、実測タイミングにおいて、車軸21の回転速度が他の回転速度から設定回転速度ωsになる毎に実測振動値群Gavsの測定を行うように構成されている。
特徴周波数成分抽出部372は、振動測定部371からの初期抽出開始指令Steの入力に応じて、初期測定タイミングにおいてRAM61に記憶された初期振動値群Gaveに対して次数解析処理を行う。これにより、初期振動値群Gaveで示される振動波形に含まれる、予め設定した測定対象の次数1〜N(Nは2以上の自然数)にそれぞれ対応する特徴周波数成分(以下、「初期周波数成分Ae1〜AeN」と称す)を抽出する。特徴周波数成分抽出部372は、抽出した初期周波数成分Ae1〜AeNを、RAM61に記憶する。本実施形態では、RAM61が不揮発性のメモリから構成されているため、記憶した初期周波数成分Ae1〜AeNは、意図的に削除しない限り、電源が落ちたあとも保存される。そして、本実施形態では、1度、初期周波数成分Ae1〜AeNを抽出後は、例えば、回転装置2の部品交換を行う等の再度初期測定タイミングの発生条件を満たすまでは、RAM61に記憶保持したものを繰り返し使用する。
ここで、初期測定タイミングは、例えば、回転装置2の新規導入後の最初の運転タイミング、回転装置2又は軸受交換後の最初の運転タイミング、また、初期磨耗影響を除きたい場合は「ならし」運転後の最初の運転タイミングなど、予め設定した測定条件に応じて任意に設定することが可能である。
また、実測タイミングは、基本的に、初期測定タイミング以降であって、且つ、初期周波数成分を抽出後の運転タイミングとなる。
一方、特徴周波数成分抽出部372は、振動測定部371からの実測抽出開始指令Stsの入力に応じて、実測タイミングにおいてRAM61に記憶された実測振動値群Gavsに対して、次数解析処理を行う。これにより、実測振動値群Gavsで示される振動波形に含まれる次数1〜Nにそれぞれ対応する特徴周波数成分(以下、「実測周波数成分As1〜AsN」と称す)を抽出する。特徴周波数成分抽出部372は、抽出した実測周波数成分As1〜AsNをRAM62に記憶し、その後、診断開始指令Sdを差分値演算部373に出力する。
ここで、次数解析処理は、具体的に、FFT(高速フーリエ変換)を用いて、振動波形(初期振動値群Gave又は実測振動値群Gavs)のパワースペクトル(振動レベル)を求め、このパワースペクトルを求めたときの回転速度(設定回転速度ωs)に当たる周波数fsに対応する成分を1次成分として求める。加えて、この周波数fsの2倍、3倍、・・・、N−1倍、N倍の周波数毎のパワースペクトルを、2次〜N次成分として求める処理となる。なお、設定回転速度ωsに当たる周波数fsは、予め求めたものをRAM61又はROM62に記憶しておく。また、Nの値は、異常診断対象に対応する次数成分によって適宜設定する。
差分値演算部373は、特徴周波数成分抽出部372から診断開始指令Sdが入力されると、下式(1)に従って、RAM61に記憶された実測周波数成分As1〜AsNと、RAM61に記憶された初期周波数成分Ae1〜AeNとの次数毎の差分値(以下、「差分値Ad1〜AdN」と称す)をそれぞれ演算する。即ち、初期周波数成分Ae1〜AeNに対する次数成分毎の現在までの変化量を演算する。
Adi=Asi−Aei ・・・(1)
差分値演算部373は、演算した差分値Ad1〜AdNを、比較診断部374に出力する。
比較診断部374は、差分値演算部373から差分値Ad1〜AdNが入力されると、入力された差分値Ad1〜AdNを、次数毎に予め設定された診断閾値Th1〜ThNと比較する。そして、各比較結果に基づき、回転装置2の各構成部品に異常が発生しているか否かを診断する。比較診断部374は、この異常診断結果を、第1異常診断結果として、例えば、車載ネットワークを介して、統括制御装置へと出力する。
ここで、部品、装置によって、例えば、m次変化(mは「1≦m<N」の自然数)のときは軸受剥離、(m+1)次変化のときは装置回転軸偏磨耗など、各次数成分ごとの故障モードが決まっている。例えば、車輪22が何らかの原因で磨耗したときなど、車輪フラットなどで1周あたり1箇所磨耗に相当する場合は1次成分、楕円に磨耗してしまったときなど2箇所磨耗に相当する場合は2次成分といった様に特徴周波数成分が発生することになる。そのため、診断閾値Th1〜ThNは、回避したい故障モードごとに許容差を検討し、各次数成分それぞれに対して適切な値を設定する。
(異常診断処理)
次に、図6に基づき、異常診断装置4における異常診断処理の処理手順の一例を説明する。なお、異常診断処理は、鉄道車両1の運転中(駆動源の駆動中又は車両走行中)に所定周期で繰り返し実行される処理である。
CPU60において、プログラムが実行され異常診断処理が開始されると、図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、振動測定部371において、振動測定処理を実施して、初期振動値群Gave又は実測振動値群Gavsを測定して、ステップS102に移行する。
ステップS102では、特徴周波数成分抽出部372において、特徴周波数成分抽出処理を実施して、初期振動値群Gave又は実測振動値群Gavsから、初期周波数成分Ae1〜AeN又は実測周波数成分As1〜AsNを抽出し、ステップS104に移行する。
ステップS104では、差分値演算部373において、特徴周波数成分抽出部372から診断開始指令Sdが入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了する。
ステップS106に移行した場合は、差分値演算部373及び比較診断部374において、比較診断処理を実施して、回転装置2の各構成部品に異常が発生しているか否かを診断して、一連の処理を終了する。
(振動測定処理)
次に、図7に基づき、ステップS100の振動測定処理の処理手順の一例を説明する。
ステップS100で振動測定処理が開始されると、図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、振動測定部371において、現在、初期測定タイミングであるか否かを判定し、初期測定タイミングであると判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
具体的に、RAM61に、初期周波数成分が記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合に、初期測定タイミングであると判定する。なお、新品の最初の運転時等で、ならし運転を行った後に初期周波数成分を得たい場合は、ならし運転中であるか否かを判定する。そして、ならし運転中であると判定した場合は、初期測定タイミングではないと判定する。
ステップS202に移行した場合は、振動測定部371において、第1のI/F部37aからの回転速度信号ωdに基づき、車軸21の現在の回転速度が設定回転速度ωsとなっているか否かを判定する。そして、設定回転速度ωsとなっていると判定した場合(Yes)は、タイマ63による経過時間Tpのカウントを開始又は継続して、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、設定回転速度ωsとなるまで判定処理を繰り返す。
ここで、最初に設定回転速度ωsとなっていると判定したときにタイマ63による経過時間Tpの測定(カウント)を開始する。
ステップS204に移行した場合は、振動測定部371において、第2のI/F部37bからの加速度信号Gadに基づき加速度値Gavを取得し、取得した加速度値GavをRAM61の予め設定した初期振動値群Gaveの記憶領域に記憶する。その後、ステップS206に移行する。
即ち、振動測定部371は、初期測定タイミングにおいて取得した加速度値Gavを、初期振動値としてRAM61に記憶する。
ステップS206では、振動測定部371において、タイマ63のカウント値に基づき、経過時間Tpが診断可能時間Td以上になったか否かを判定することで、初期振動値の測定を開始してから診断可能時間Tdが経過したか否かを判定する。そして、診断可能時間Tdが経過したと判定した場合(Yes)は、測定を終了して、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS202に移行する。
ステップS208に移行した場合は、振動測定部371において、特徴周波数成分抽出部372に対して、初期抽出開始指令Steを出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS200において、初期測定タイミングではなくステップS210に移行した場合は、振動測定部371において、現在、実測タイミングであるか否かを判定する。そして、実測タイミングであると判定した場合(Yes)は、ステップS212に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS200に移行する。
ステップS212に移行した場合は、振動測定部371において、車軸21の現在の回転速度が設定回転速度ωsとなっているか否かを判定する。そして、設定回転速度ωsとなっていると判定した場合(Yes)は、タイマ63による経過時間Tpのカウントを開始又は継続して、ステップS214に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、設定回転速度ωsとなるまで判定処理を繰り返す。
ステップS214に移行した場合は、振動測定部371において、第2のI/F部37bからの加速度信号Gadに基づき加速度値Gavを取得し、取得した加速度値GavをRAM61の実測振動値群Gavsの記憶領域に記憶する。その後、ステップS216に移行する。
即ち、振動測定部371は、実測タイミングにおいて取得した加速度値Gavを、実測振動値としてRAM61に記憶する。
ステップS216では、振動測定部371において、タイマ63のカウント値に基づき、経過時間Tpが診断可能時間Td以上になったか否かを判定することで、実測振動値の測定を開始してから診断可能時間Tdが経過したか否かを判定する。そして、診断可能時間Tdが経過したと判定した場合(Yes)は、測定を終了して、ステップS218に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS212に移行する。
ステップS218に移行した場合は、振動測定部371において、特徴周波数成分抽出部372に対して、実測抽出開始指令Stsを出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(特徴周波数成分抽出処理)
次に、図8に基づき、ステップS102の特徴周波数成分抽出処理の処理手順の一例を説明する。
ステップS102で特徴周波数成分抽出処理が開始されると、図8に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、特徴周波数成分抽出部372において、振動測定部371からの初期抽出開始指令が入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS302に移行し、一方、実測抽出開始指令が入力されたと判定した場合(No)は、ステップS306に移行する。
ステップS302に移行した場合は、特徴周波数成分抽出部372において、RAM61に記憶された初期振動値群Gaveに対して次数解析処理を実施して、初期振動値群Gaveから、初期周波数成分Ae1〜AeNを抽出する。その後、ステップS304に移行する。
ステップS304では、特徴周波数成分抽出部372において、ステップS302で抽出した初期周波数成分Ae1〜Ae4をRAM61に記憶して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS300において実測抽出開始指令Stsが入力されステップS306に移行した場合は、特徴周波数成分抽出部372において、RAM61に記憶された実測振動値群Gavsに対して次数解析処理を実施して、実測振動値群Gavsから、実測周波数成分As1〜AsNを抽出する。その後、ステップS308に移行する。
ステップS308では、特徴周波数成分抽出部372において、ステップS306で抽出した実測周波数成分As1〜As4をRAM61に記憶して、ステップS310に移行する。
ステップS310では、特徴周波数成分抽出部372において、診断開始指令Sdを差分値演算部373に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(比較診断処理)
次に、図9に基づき、ステップS106の比較診断処理の処理手順の一例を説明する。
ステップS106で比較診断処理が開始されると、図9に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、差分値演算部373において、変数iに「1」を代入して、ステップS402に移行する。
ステップS402では、差分値演算部373において、RAM61から初期周波数成分Aei及び実測周波数成分Asiを読み出し、上式(1)に従って、i次成分の差分値Adiを演算する。そして、演算した差分値Adiを、比較診断部374に出力して、ステップS404に移行する。
具体的に、差分値演算部373は、例えば、変数iが「1」の場合、RAM61から初期周波数成分Ae1及び実測周波数成分As1を読み出し、「Ad1=As1−Ae1」を演算する。
ステップS404では、比較診断部374において、差分値演算部373から差分値Adiが入力されると、RAM61からi次成分に対応する診断閾値Thiを読み出す。そして、読み出した診断閾値Thiと、入力された差分値Adiとを大小比較し、差分値Adiが診断閾値Thi以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS406に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS408に移行する。
具体的に、比較診断部374は、例えば、変数iが「1」の場合、RAM61から1次成分に対応する診断閾値Th1を読み出し、差分値Ad1が診断閾値Th1以上であるか否かを判定する。即ち、i次成分の初期値からの変化量に相当する差分値Adiが診断閾値Thi以上であるか否かを判定することで異常の有無を診断する。
ステップS406に移行した場合は、比較診断部374において、i次成分に対応する構成部品に異常が発生していると診断する。その後、ステップS410に移行する。
一方、ステップS408に移行した場合は、比較診断部374において、i次成分に対応する構成部品に異常なしと診断する。その後、ステップS410に移行する。
ステップS410では、比較診断部374において、ステップS406又はS408の診断結果をRAM61に記憶して、ステップS412に移行する。
ステップS412では、比較診断部374において、変数iの値がN(設定最大次数)と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰し、一致しないと判定した場合(No)は、ステップS414に移行する。
ステップS414に移行した場合は、比較診断部374において、現在の変数iの値に1を加算した値を変数iに代入して、ステップS402に移行する。即ち、現在の変数iの値が「1」である場合は、「1+1=2」を変数iに代入する。
このようにして、実測周波数成分As1〜AsNに対して、比較診断処理を順次行って、各実測周波数成分(各次数成分)に対応する構成部品に異常が発生しているか否かを診断する。
なお、本実施形態では、1つの複列円すいころ軸受3の近傍に加速度センサを1つ配置する構成としたが、複列や四列の軸受を含む場合、各円すいころ列の近傍に1つずつ加速度センサを配置する構成としてもよい。この場合、同じ部品に対して2〜4つの診断結果を出力する構成となる。従って、例えば、統括制御装置において、これら2〜4つの診断結果を運転席のモニタ等に表示する、または、同じ部品に対する2〜4つの診断結果に基づき、各部品の異常の有無を総合的に判断し、その結果を、診断結果として運転席のモニタ等に表示する等の構成とすることが可能である。
(動作)
次に、図10に基づき、本実施形態に係る鉄道車両1の具体的な動作例を説明する。
鉄道車両1が運転を開始して回転装置2を含む各種装置に電源が供給されると、軸速度センサ32が車軸21の回転速度の検出を開始し、加速度センサ33が回転装置2に生じる振動に応じた加速度の出力を開始する。そして、軸速度センサ32から出力されたアナログの回転速度信号ωが第1のI/F部37aを介してデジタルの回転速度信号ωdとして、異常診断部37dに入力される。
一方、加速度センサ33から出力されたアナログの加速度信号Gaが第2のI/F部37bを介してデジタルの加速度信号Gadとして、異常診断部37dに入力される。
このとき、加速度信号Gadは、例えば、第2のI/F部37bのフィルタ回路(ローパスフィルタ又はバンドパスフィルタ)によって、不要周波数成分が除去された信号となる。
また、異常診断部37dは、振動測定部371において、現在は初期測定タイミングであるか否かを判定する。ここでは、既にRAM61に初期周波数成分Ae1〜AeNが記憶されており、振動測定部371は、初期測定タイミングでは無いと判定したとする。また、ここでは、N=5として、初期周波数成分Ae1〜Ae5がRAM61に記憶されていることとする。
従って、振動測定部371は、現在は実測タイミングであると判定し、実測振動値の測定を開始する。
具体的に、振動測定部371は、所定サンプリング周期で順次入力される回転速度信号ωdに基づき、車軸21の回転速度が設定回転速度ωsとなったか否かを判定する。このとき、完全一致とせずに予め設定した誤差範囲内であれば設定回転速度ωsになったと判定してもよい。
振動測定部371は、車軸21の回転速度が設定回転速度ωsになったと判定すると、タイマ63のカウントを開始すると共に、所定サンプリング周期で順次入力される加速度信号Gadに基づき加速度値Gvdを実測振動値として順次、時系列にRAM61に記憶する。そして、車軸21の設定回転速度ωsでの回転状態が診断可能時間Tdを経過したと判定すると、実測振動値の測定を終了する。これにより、RAM61には、診断可能時間Tdが経過するまでの期間に測定された実測振動値からなる実測振動値群Gavsが記憶される。その後、実測抽出開始指令Stsを特徴周波数成分抽出部372に出力する。
特徴周波数成分抽出部372は、振動測定部371からの実測抽出開始指令Stsに応じて、RAM61に記憶された実測振動値群Gavsに対して次数解析処理を行って、回転装置2の各構成部品に発生する異常に係る特徴周波数成分である実測周波数成分As1〜As5を抽出する。
具体的に、特徴周波数成分抽出部372は、FFT等の処理によって、実測振動値群Gavsから、例えば、図10に示すようなスペクトル曲線を得る。そして、図10に示すように、基本周波数fsの周波数成分を1次成分として抽出すると共に、ここでは、初期周波数成分Ae1〜Ae5に合わせて、基本周波数の2倍〜5倍の周波数成分を2〜5次成分として抽出する。そして、これら抽出した1〜5次成分を実測周波数成分As1〜As5としてRAM61に記憶する。その後、診断開始指令Sdを、差分値演算部373に出力する。
差分値演算部373は、特徴周波数成分抽出部372からの診断開始指令Sdに応じて、RAM61に記憶された実測周波数成分As1〜As5と、同じくRAM61に記憶された初期周波数成分Ae1〜Ae5との同じ次数同士の差分値である差分値Ad1〜Ad5を演算する。
そして、演算した差分値Ad1〜Ad5を、比較診断部374に順次出力する。
比較診断部374は、差分値演算部373から順次入力される差分値Ad1〜Ad5と、ROM62に記憶された診断閾値Th1〜Th5とを次数(末尾の数字)が同じもの同士で比較し、差分値が診断閾値以上となる次数について、各次数に対応する部品に異常が発生していると判定し、診断閾値未満となる次数について、各次数に対応する部品に異常が無いと判定する。比較診断部374は、この診断結果を、RAM61に記憶すると共に、例えば、車載ネットワークを介して統括制御装置へと送信する。
統括制御装置では、例えば、診断結果に基づき、対象の回転装置2の診断対象部品毎の異常発生の有無等の診断結果の情報を回転装置2及び構成部品の位置が解る情報と共に運転席のモニタに表示する。また、異常発生時は、異常の内容に応じて、部品交換を促すメッセージや警告メッセージを表示したり、警報を鳴らしたり、警告ランプを点灯したりしてもよい。
ここで、複列円すいころ軸受3が軸受に対応し、車軸21が回転軸に対応し、車輪22が回転体に対応し、加速度センサ33が振動検出部に対応し、軸速度センサ32が回転速度検出部に対応し、比較診断部374が異常診断部に対応する。
(実施形態の効果)
(1)異常診断装置4は、加速度センサ33が、車軸21を支持する複列円すいころ軸受3を含んで構成される回転装置2に生じる振動を検出する。軸速度センサ32が、車軸21の回転速度を検出する。振動測定部371が、軸速度センサ32の検出結果と加速度センサ33の検出結果とに基づき車軸21が予め設定した設定回転速度ωsで回転しているときに回転装置2に生じる振動を測定する。
加えて、特徴周波数成分抽出部372が、振動測定部371が予め設定した初期測定タイミングに測定した振動の値である初期振動値(初期振動値群Gave)から、回転装置2の異常診断対象の異常に係る特徴周波数成分(初期周波数成分Ae1〜AeN)を抽出する。特徴周波数成分抽出部372が、振動測定部371が予め設定した初期測定タイミング以降の実測タイミングに測定した振動の値である実測振動値(実測振動値群Gavs)から、異常診断対象の特徴周波数成分(実測周波数成分As1〜AsN)を抽出する。
更に、差分値演算部373が、実測周波数成分As1〜AsNと実測周波数成分As1〜AsNとの差分値(差分値Ad1〜AdN)を演算する。比較診断部374が、差分値演算部373で演算した差分値Ad1〜AdNと予め設定した診断閾値Th1〜ThNとを比較し、該比較の結果に基づき異常診断対象毎の異常を診断する。
この構成によって、回転装置2が稼働中の初期測定タイミングで測定した初期振動値から抽出した初期周波数成分と、回転装置2が稼働中の実測タイミングで測定した実測振動値から抽出した実測周波数成分との差分値(即ち初期値からの変化量)に対して診断閾値との比較を行い、この比較結果に基づき異常診断を行うことが可能となる。
ここで、軸受などの回転装置の構成部品においては機械的破損が発生した場合、部品内部の破損が拡大するに伴って振動、騒音が増加し、最悪、破損片が噛み込んで回転ロックすることも考えられる。そのため、こういった装置故障や事故を避けるためにも、破損が小さい段階で検出し対処する必要がある。
上記(1)の構成であれば、回転装置2の稼働中(即ち鉄道車両1の運転中)に異常診断を行うことが可能となるので異常の早期発見が可能になるという効果が得られる。加えて、差分値との診断閾値比較を行うことによって異常診断を行うようにしたので、従来と比較して、個体差に起因した初期値のばらつきを無視することが可能となり、個体差によるばらつきを無視した(変化量のみに着目した)診断閾値設定を行うことが可能となる。その結果、従来と比較して診断閾値設定を容易に行うことができるという効果が得られる。また、実測振動値は、個体差に起因した初期値のばらつきと、変化量のばらつきとの合算となるが、差分をとることよって除去できる初期値のばらつきの分、測定信頼性を向上することができるという効果が得られる。
(2)回転装置2が、複列円すいころ軸受3と、車軸21と、車輪22とを含んで構成される。異常診断装置4は、異常診断対象を、少なくとも複列円すいころ軸受3、車軸21及び車輪22を含む回転装置2の構成部品とした。
この構成であれば、回転装置2の構成部品毎の異常を診断することが可能となり、構成部品毎に修理や交換等を行うことが可能となる。これによって、回転装置のメンテナンスにかかるコストを低減することが可能となる。
(3)異常診断装置4は、特徴周波数成分抽出部372が、次数解析処理によって特徴周波数成分(初期周波数成分Ae1〜AeN、並びに実測周波数成分As1〜AsN及び第2実測周波数成分Bs1〜BsN)を抽出する。
この構成であれば、回転装置2の各構成部品に生じる異常に係る特徴周波数成分を容易且つ適切に抽出することが可能となる。
ここで、次数解析処理によって次数成分として抽出される各特徴周波数成分は、例えば、m次成分(mは「1≦m<N」の自然数)であれば軸受剥離、(m+1)次成分であれば装置回転軸偏磨耗など、各構成部品の故障内容にそれぞれ対応している。
(4)異常診断装置4は、特徴周波数成分抽出部372が初期周波数成分を抽出後は、車軸21の回転速度が設定回転速度ωsになる毎に、振動測定部371が、実測振動値を測定し、特徴周波数成分抽出部372が、測定した実測振動値から実測周波数成分を抽出し、差分値演算部373が、初期周波数成分と抽出した実測周波数成分との差分値を演算し、比較診断部374が、演算した差分値と診断閾値とを比較し、該比較の結果に基づき異常診断対象毎の異常を診断する。
この構成であれば、初期周波数成分の抽出後に、車軸21の回転速度が設定回転速度ωsになる毎に、実測振動値の測定から異常診断までの一連の処理を自動で繰り返し実行することが可能となる。上記実施形態では、車軸21の回転速度が設定回転速度ωsになって実測振動値の測定を開始してから、車軸21が診断可能時間Tdが経過するまで設定回転速度ωsで回転する毎に、振動測定部371が測定した実測振動値に対して、特徴周波数成分の抽出処理、差分値の演算処理、異常診断処理が実行される。
これによって、回転装置2の稼働中に発生する異常診断対象の異常を、より早期に検出することが可能となる。
(5)異常診断装置4は、特徴周波数成分抽出部372が、初期測定タイミングにおいて振動測定部371が予め設定した診断可能時間Td以上の時間分の振動を測定したと判定すると、診断可能時間Td以上の時間分の初期振動値(初期振動値群Gave)に対して初期周波数成分(初期周波数成分Ae1〜AeN)の抽出処理を実施する。特徴周波数成分抽出部372が、実測タイミングにおいて振動測定部371が診断可能時間Td以上の時間分の振動を測定したと判定すると、診断可能時間Td以上の時間分の実測振動値(初期振動値群Gave)に対して実測周波数成分(実測周波数成分As1〜AsN及び第2実測周波数成分Bs1〜BsN)の抽出処理を実施する。
この構成であれば、異常診断を行うのに十分な量の初期振動値から初期周波数成分を抽出することが可能となり、異常診断を行うのに十分な量の実測振動値から実測周波数成分を抽出することが可能となる。これによって、異常診断を行うのに適切な特徴周波数成分に基づき異常診断を行うことが可能となるので、異常診断結果の信頼性を向上することが可能となる。
(6)複列円すいころ軸受3は、異常診断装置4を備える。
この構成によって、上記(1)〜(5)のいずれか1に記載した異常診断装置4の作用及び効果と同等の作用及び効果を得ることが可能である。
(7)回転装置2は、異常診断装置4を備える。
この構成によって、上記(1)〜(5)のいずれか1に記載した異常診断装置4の作用及び効果と同等の作用及び効果を得ることが可能である。
(8)産業機械の1種である鉄道車両1は、異常診断装置4を備える。
この構成によって、上記(1)〜(5)のいずれか1に記載した異常診断装置4の作用及び効果と同等の作用及び効果を得ることが可能である。
(変形例)
(1)上記実施形態では、振動を検出するセンサとして、加速度センサを例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、AE(acoustic emission)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサ、マイクロホン等や、あるいは、速度、加速度、歪み、応力、変位型等、回転装置2の振動に起因して発生する物理量を電気信号化できるものであれば他のセンサを用いる構成としてもよい。また、ノイズが多いような機械装置に取り付ける際には、絶縁型を使用する方がノイズの影響を受けることが少ないので好ましい。さらに、圧電素子等の振動検出素子を使用する場合には、この素子をプラスチック等にモールドして構成してもよい。
(2)上記実施形態では、1つの複列円すいころ軸受に対して加速度センサを1つ設ける構成としたが、この構成に限らず、1つの複列円すいころ軸受に対して2つ以上の加速度センサを設ける構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、1つの加速度センサの出力する加速度信号に対して異常診断処理をする構成としたが、この構成に限らない。例えば、加速度センサを2つ設け、2つの加速度センサの出力する2つの加速度信号に対して、異常診断部によって異常診断処理を行う構成としてもよい。この場合、例えば、2つの加速度信号から得た2つの加速度値の平均値を求め、この平均値に対して異常診断処理を行う。
(4)上記実施形態では、振動を測定する車軸の回転速度を設定回転速度ωsの1種類のみとしたが、この構成に限らず、複数種類の回転速度を設定する構成としてもよい。この構成とした場合は、各回転速度に対する診断結果から総合的な異常の判断を行うことが可能となり、異常診断結果の信頼性を向上することが可能となる。
(5)上記実施形態では、回転軸(車軸)を支持する軸受として、複列円すいころ軸受を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等の他のころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受など他の軸受とする構成としてもよい。なお、複列の軸受に限らず、単列の軸受、四列の軸受など他の構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、車軸(回転軸)、軸受、車輪(回転体)を異常診断対象とする構成としたが、この構成に限らない。例えば、車軸に取り付けられる歯車などの他の構成部品を異常診断対象として含む構成としてもよい。例えば、本発明を風車の回転装置に適用した場合、この回転装置を構成する、ブレード(回転体)、回転軸及び軸受の他に、ハブやナセル等を異常診断対象に含んでもよい。即ち、本発明は、軸受が組み込まれている回転装置を構成する構成部品であって且つ振動に含まれる特徴周波数成分から異常診断が可能なものであればどのようなものも異常診断対象としてよい。また、逆に、異常診断対象を、軸受のみ、軸受と車輪のみ、軸受と車軸のみなど、軸受を含む範囲で異常診断対象を絞り込む構成としてもよい。
(7)上記実施形態では、車両の1種である鉄道車両に本発明を適用する構成としたが、この構成に限らず、自動4輪車、自動2輪車等の他の車両に対して適用する構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、振動を検出するセンサを、複列円すいころ軸受の近傍に設ける構成としたが、この構成に限らず、回転装置の構成部品の異常に係る特徴周波数成分を含む振動を検出可能であれば他の位置に設ける構成としてもよい。
(9)上記実施形態では、産業機械の1種である鉄道車両に本発明を適用する構成としたが、この構成に限らない。例えば、軸受の組み込まれた回転装置を有するものであれば、鉱山機械、化学機械、環境装置、動力伝導装置、タンク、業務用洗濯機、ボイラ・原動機、プラスチック機械、風水力機械、運搬機械、製鉄機械等のどのような産業機械に本発明を適用してもよい。
(10)上記実施形態では、異常診断装置が軸受端面に取り付けられた構成となっているが、この構成に限らない。異常診断装置の用途、耐環境性に応じて、例えば、軸受から離れた別環境に配置する構成としてもよい。この場合、軸受近傍に設けた各種センサとは、有線又は無線で通信可能に接続する。
また、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1 鉄道車両、2 回転装置、3 複列円すいころ軸受、4 異常診断装置、21 車軸、22 車輪、32 軸速度センサ、33 加速度センサ、37 回路基板、37a〜37b 第1〜第2のI/F部、37d 異常診断部、371 振動測定部、372 特徴周波数成分抽出部、373 差分値演算部、374 比較診断部

Claims (9)

  1. 回転軸を支持する軸受を含んで構成される回転装置に生じる振動を検出する振動検出部と、
    前記回転軸の回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記回転速度検出部の検出結果と前記振動検出部の検出結果とに基づき前記回転軸が予め設定した設定回転速度で回転しているときに前記回転装置に生じる振動を測定する振動測定部と、
    前記回転装置の稼働中における予め設定した初期測定タイミングに前記振動測定部が測定した前記振動の値である初期振動値から、前記回転装置の異常診断対象毎の異常に係る特徴周波数成分を抽出する初期周波数成分抽出部と、
    前記回転装置の稼働中における予め設定した前記初期測定タイミング以降の実測タイミングに前記振動測定部が測定した前記振動の値である実測振動値から、前記特徴周波数成分を抽出する実測周波数成分抽出部と、
    前記初期振動値から抽出した前記特徴周波数成分である初期周波数成分と前記実測振動値から抽出した前記特徴周波数成分である実測周波数成分との差分値を演算する差分値演算部と、
    前記差分値演算部で演算した前記差分値と予め設定した診断閾値とを比較し、該比較の結果に基づき前記異常診断対象毎の異常を診断する異常診断部と、を備える異常診断装置。
  2. 前記回転装置は、前記軸受と、前記回転軸と、前記軸受に支持された回転体とを含んで構成され、
    前記異常診断対象は、少なくとも前記軸受、前記回転軸及び前記回転体を含む前記回転装置の構成部品である請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 前記初期周波数成分抽出部及び前記実測周波数成分抽出部は、次数解析処理によって前記特徴周波数成分を抽出する請求項1又は2に記載の異常診断装置。
  4. 前記初期周波数成分抽出部が前記初期周波数成分を抽出後は、前記回転軸の回転速度が前記設定回転速度になる毎に、前記振動測定部は、前記実測振動値を測定し、前記実測周波数成分抽出部は、前記測定した前記実測振動値から前記実測周波数成分を抽出し、前記差分値演算部は、前記初期周波数成分と前記抽出した前記実測周波数成分との差分値を演算し、前記異常診断部は、前記演算した差分値と前記診断閾値とを比較し、該比較の結果に基づき前記異常診断対象毎の異常を診断する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異常診断装置。
  5. 前記初期周波数成分抽出部は、前記初期測定タイミングにおいて前記振動測定部が予め設定した診断可能時間以上の時間分の前記振動を測定したと判定すると、前記診断可能時間以上の時間分の前記初期振動値に対して前記初期周波数成分の抽出処理を実施し、
    前記実測周波数成分抽出部は、前記実測タイミングにおいて前記振動測定部が前記診断可能時間以上の時間分の前記振動を測定したと判定すると、前記診断可能時間以上の時間分の前記実測振動値に対して前記実測周波数成分の抽出処理を実施する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の異常診断装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常診断装置を備えた軸受。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常診断装置を備えた回転装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常診断装置を備えた産業機械。
  9. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常診断装置を備えた車両。
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