JP2019117083A - 振動解析システム、および振動解析方法 - Google Patents

振動解析システム、および振動解析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019117083A
JP2019117083A JP2017250348A JP2017250348A JP2019117083A JP 2019117083 A JP2019117083 A JP 2019117083A JP 2017250348 A JP2017250348 A JP 2017250348A JP 2017250348 A JP2017250348 A JP 2017250348A JP 2019117083 A JP2019117083 A JP 2019117083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency band
vibration
display
frequency bands
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017250348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6887374B2 (ja
Inventor
央隆 佐藤
Hisataka Sato
央隆 佐藤
米田 哲也
Tetsuya Yoneda
哲也 米田
康 油谷
Yasushi Yuya
康 油谷
雄太 元野
Yuta Motono
雄太 元野
泰央 市川
Yasuhisa Ichikawa
泰央 市川
渡辺 直樹
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valqua Ltd
Original Assignee
Valqua Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Valqua Ltd filed Critical Valqua Ltd
Priority to JP2017250348A priority Critical patent/JP6887374B2/ja
Publication of JP2019117083A publication Critical patent/JP2019117083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6887374B2 publication Critical patent/JP6887374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】各周波数帯域について、対象物の振動状態の異常レベルを簡易かつ迅速に把握することが可能な振動解析システムを提供する。【解決手段】振動解析システムは、動作中の対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力を受け付け、対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度を算出し、対象物に対応する各周波数帯域の信号強度と、所定の閾値とに基づいて、各周波数帯域における対象物の振動状態の異常レベルを判定し、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における対象物の振動状態を示す情報を、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様でディスプレイに表示する。【選択図】図8

Description

本開示は、振動解析システム、および振動解析方法に関する。
従来、機械の異常を検査するための手法として、機械の動作中の異常振動あるいは異常音に起因する信号を検出することにより、その機械の異常の有無を判定する手法が知られている。
例えば、特開平8−278191号公報(特許文献1)には、機械動作中の音または振動を測定して周波数分析を行い、サンプリングしたデータの数が所定値となるたびに、所定の周波数帯域の音または振動の強度を演算し、所定時間経過後に得られた周波数帯域の強度のレベルに応じた発生頻度を演算し、複数の強度レベルに対応してそれぞれ設定された閾値と各強度レベルにおける発生頻度とを比較し、複数の比較結果のうちの少なくとも1つが閾値を越える場合には、異常音または異常振動があると判定する。
特開平8−278191号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、各周波数帯域について、対象物の振動状態が正常な振動状態に対してどの程度乖離しているか不明である。そのため、ユーザは、各周波数帯域における対象物の振動状態にどの程度注意を向けるべきかを迅速に把握することができない。
本開示のある局面における目的は、各周波数帯域について、対象物の振動状態の異常レベルを簡易かつ迅速に把握することが可能な振動解析システム、および振動解析方法を提供することである。
ある実施の形態に従う振動解析システムは、動作中の対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力を受け付ける信号入力部と、対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度を算出する強度算出部と、対象物に対応する各周波数帯域の信号強度と、所定の閾値とに基づいて、各周波数帯域における対象物の振動状態の異常レベルを判定する異常判定部と、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における対象物の振動状態を示す情報を、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様でディスプレイに表示させる表示制御部とを備える。
好ましくは、信号入力部は、動作中の参照対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力をさらに受け付ける。強度算出部は、参照対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度をさらに算出する。振動解析システムは、複数の周波数帯域の各々について、対象物に対応する当該周波数帯域の信号強度と、参照対象物に対応する当該周波数帯域の信号強度との差分を算出する差分算出部をさらに備える。異常判定部は、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における差分と所定の閾値とを比較することにより、当該周波数帯域における対象物の振動状態の異常レベルを判定する。
好ましくは、振動解析システムは、各周波数帯域における対象物の振動状態のうち、異常レベルが高い方から上位所定数の振動状態に対応する周波数帯域を抽出する抽出部をさらに備える。表示制御部は、抽出された周波数帯域における差分の時系列データをディスプレイに表示させる。
好ましくは、表示制御部は、各周波数帯域のうち、ユーザにより選択された周波数帯域における差分の時系列データをディスプレイに表示させる。
好ましくは、振動解析システムは、各周波数帯域の差分の時系列データに基づいて、各周波数帯域の未来の差分を予測する予測部をさらに備える。表示制御部は、予測された各周波数帯域の未来の差分をディスプレイに表示させる。
好ましくは、表示制御部は、対象物に対応する各周波数帯域の信号強度を示す第1グラフと、参照対象物に対応する各周波数帯域の信号強度を示す第2グラフとをディスプレイに表示させる。
好ましくは、所定の閾値は、各周波数帯域に対応して設定されている。異常判定部は、複数の周波数帯域の各々について、対象物に対応する当該周波数帯域の信号強度と、当該周波数帯域に対応する所定の閾値とを比較することにより、当該周波数帯域における対象物の振動状態の異常レベルを判定する。
好ましくは、表示制御部は、異常レベルが第1レベルであると判定された周波数帯域の対象物の振動状態を示す情報を、第1レベルよりも異常レベルが低い第2レベルであると判定された周波数帯域の対象物の振動状態を示す情報よりも視認しやすい表示態様でディスプレイに表示させる。
他の実施の形態に従う振動解析方法は、動作中の対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力を受け付けるステップと、対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度を算出するステップと、対象物に対応する各周波数帯域の信号強度と、所定の閾値とに基づいて、各周波数帯域における対象物の振動状態の異常レベルを判定するステップと、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における対象物の振動状態を示す情報を、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様で表示するステップとを含む。
本開示によると、各周波数帯域について、対象物の振動状態の異常レベルを簡易かつ迅速に把握することが可能となる。
本実施の形態に従う検査システムの概要を説明するための図である。 本実施の形態に従う検査システムの全体構成の一例を示すブロック図である。 本実施の形態に従う端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本実施の形態に従う振動解析方式の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に従うリファレンス計測工程の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に従うリファレンス計測において用いられるユーザインターフェイス画面のレイアウト例を示す図である。 本実施の形態に従う異常判定工程の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に従う異常判定において用いられるユーザインターフェイス画面のレイアウト例を示す図である。 本実施の形態に従う判定テーブルを示す図である。 本実施の形態に従うトレンド分析工程の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態に従うトレンド分析において用いられるユーザインターフェイス画面のレイアウト例を示す図である。 本実施の形態に従うトレンドグラフをより具体的に説明するための図である。 本実施の形態に従う端末装置の機能ブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<システム構成>
図1は、本実施の形態に従う検査システム1000の概要を説明するための図である。図1を参照して、検査システム1000は、モータ等の解析対象物の動作中に発生する振動や音の信号を解析することにより、対象物の異常を判定するためのシステムである。以下では、解析対象物がモータであるとして説明するが、これに限られず、動作中に振動(あるいは音)を発生する任意の解析対象物について検査システム1000を適用することができる。例えば、ポンプなどの振動を発する機器、振動体からの振動を受けて振動している部位などの振動解析および分析にも検査システム1000を適用することができる。
検査システム1000では、ユーザにより把持された振動解析システム100により、モータ60の振動解析が実行される。振動解析システム100は、携帯可能に構成されており、2つのセンサ30A,30B(以下、「センサ30」とも総称する。)と電気的に接続されている。
センサ30Aは、モータ60に取り付けられており、モータ60の振動や音に起因して検出される検出信号(振動信号)を取得する。センサ30Bは、モータ60が載置される載置台70に取り付けられており、載置台70の振動や音に起因して検出される振動信号を取得する。詳細は後述するが、振動解析システム100は、センサ30Aおよび30Bから入力された振動信号に基づいて、モータ60が載置される載置台70から発生する振動成分を考慮してモータ60の振動解析を実行する。
図2は、本実施の形態に従う検査システム1000の全体構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、検査システム1000は、振動解析システム100と、センサ30と、チャージコンバータ40とを含む。
センサ30は、振動や音の信号を検出可能なセンサであり、例えば、有機圧電素子を用いた加速度センサによって構成される。しかし、センサ30は、振動や音の信号を検出可能なセンサであればよく、他の方式(例えば、サーボ型)の加速度センサで構成されていてもよいし、各種の他のセンサで構成されていてもよい。
なお、センサ30により得られる信号が電荷信号である場合、チャージコンバータが、センサ30と振動解析システム100との間に設けられる。この場合、チャージコンバータは、センサ30からの電荷信号を電圧信号に変換して、振動解析システム100に出力する。なお、センサ30が、電荷信号を電圧信号に変換する機能を有する場合には、チャージコンバータは不要である。
振動解析システム100は、端末装置10と、信号処理装置20とを含む。信号処理装置20は、センサ30(あるいは、チャージコンバータ)から取得した振動信号を、端末装置10で処理できる信号に変換する。具体的には、信号処理装置20は、フィルタ21と、増幅器22と、A/Dコンバータ23とを含む。
フィルタ21は、アナログフィルタであり、センサ30から出力される振動信号からノイズ成分を除去する。フィルタ21は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ等により構成される。
増幅器22は、フィルタ21から出力されるアナログ信号を所定倍に増幅し、増幅した信号をA/Dコンバータ23に出力する。
A/Dコンバータ23は、所定のサンプリング周波数にて、増幅器22から入力される信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。A/Dコンバータ23は、ディジタル変換した信号を端末装置10へ出力する。
端末装置10は、例えば、携帯可能なタブレット端末装置である。ただし、端末装置10は、これに限られず、スマートフォン、デスクトップPC(Personal Computer)などで実現されてもよい。なお、本実施の形態に従う振動解析システム100は、端末装置10および信号処理装置20との一体型の装置で構成されているが、端末装置10と信号処理装置20とが分離した分離型の装置で構成されていてもよい。
図3は、本実施の形態に従う端末装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、端末装置10は、主たる構成要素として、プロセッサ152と、メモリ154と、入力装置156と、ディスプレイ158と、無線通信部160と、メモリインターフェイス(I/F)164と、通信インターフェイス(I/F)166と、スピーカ168と、信号入力インターフェイス(I/F)170とを含む。
プロセッサ152は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Multi Processing Unit)といった演算処理部である。プロセッサ152は、メモリ154に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、端末装置10の各部の動作を制御する制御部として機能する。例えば、プロセッサ152は、メモリ154に格納されている解析システムアプリケーション180を実行することによって、後述する端末装置10の処理(ステップ)の各々を実現する。
メモリ154は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ154は、プロセッサ152によって実行されるプログラム(例えば、解析システムアプリケーション180)、またはプロセッサ152によって用いられるデータなどを記憶する。
入力装置156は、端末装置10に対する操作入力を受け付ける。典型的には、入力装置156は、タッチパネルによって実現される。タッチパネルは、表示部としての機能を有するディスプレイ158上に設けられており、例えば、静電容量方式タイプである。タッチパネルは、所定時間毎に外部物体によるタッチパネルへのタッチ操作を検知し、タッチ座標をプロセッサ152に入力する。ただし、入力装置156は、ボタンなどを含んでいてもよい。
無線通信部160は、通信アンテナ162を介して移動体通信網に接続し無線通信のための信号を送受信する。これにより、端末装置10は、たとえば、無線LAN(Local Area Network)であるWifi(登録商標)による機器間通信やLTE(Long Term Evolution)などの移動体通信網を介して他の通信装置との通信が可能となる。
メモリインターフェイス164は、外部の記憶媒体165からデータを読み出す。プロセッサ152は、メモリインターフェイス164を介して記憶媒体165に格納されているデータを読み出して、当該データをメモリ154に格納する。プロセッサ152は、メモリ154からデータを読み出して、メモリインターフェイス164を介して当該データを外部の記憶媒体165に格納する。
記憶媒体165は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカードなどの不揮発的にプログラムを格納する媒体を含む。
通信インターフェイス(I/F)166は、他の装置との間で各種データをやり取りするための通信インターフェイスであり、アダプタやコネクタなどによって実現される。通信方式は、無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
スピーカ168は、プロセッサ152から与えられる音声信号を音声に変換して端末装置10の外部へ出力する。
信号入力インターフェイス(I/F)170は、信号処理装置20を介して、センサ30からの振動信号の入力を受け付ける。具体的には、信号入力インターフェイス170は、A/Dコンバータ23からのディジタル信号の入力を受け付ける。
<振動解析方式>
(概要)
本実施の形態に従う振動解析方式の概要について説明する。振動解析方式は、主な工程として、モータ60のリファレンスの振動状態を計測するリファレンス計測工程と、モータ60の振動状態の計測結果に基づいてモータ60の異常状態を判定する異常判定工程と、モータ60の未来の異常の発生傾向を予測するトレンド分析工程とを含む。
図4は、本実施の形態に従う振動解析方式の一例を示すフローチャートである。典型的には、以下の各ステップは、端末装置10のプロセッサ152がメモリ154に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
図4を参照して、プロセッサ152は、入力装置156を介して、ユーザから分析モードの選択入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS10)。分析モードの選択入力を受け付けた場合には(ステップS10においてYES)、プロセッサ152はトレンド分析工程を実行して(ステップS12)、処理を終了する。トレンド分析工程の詳細は後述する。
分析モードの選択入力を受け付けていない場合には(ステップS10においてNO)、プロセッサ152は、入力装置156を介して、計測モードの選択入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS14)。計測モードの選択入力を受け付けていない場合には(ステップS14においてNO)、プロセッサ152はステップS10の処理に戻る。
計測モードの選択入力を受け付けた場合には(ステップS14においてYES)、プロセッサ152は、入力装置156を介して、リファレンス計測の指示入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS16)。リファレンス計測の指示入力を受け付けた場合には(ステップS16においてYES)、プロセッサ152はリファレンス計測工程を実行して(ステップS18)、処理を終了する。
リファレンス計測の指示入力を受け付けていない場合には(ステップS16においてNO)、プロセッサ152は異常判定の指示入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS20)。異常判定の指示入力を受け付けた場合には(ステップS20においてYES)、プロセッサ152は、異常判定工程を実行して(ステップS22)、処理を終了する。異常判定の指示入力を受け付けていない場合には(ステップS20においてNO)、プロセッサ152はステップS18の処理に戻る。
(リファレンス計測工程)
本実施の形態に従うリファレンス計測工程について説明する。本実施の形態では、モータ60の異常の有無を判定するために、予め正常であることが既知である参照モータをリファレンスとして用意する。リファレンス計測工程においては、参照モータの振動状態が計測される。具体的には、図1を参照して、モータ60の代わりに参照モータを載置台70に載置した状態で、参照モータおよび載置台70の各々について、各周波数帯域の信号強度が計測される。
図5は、本実施の形態に従うリファレンス計測工程の一例を示すフローチャートである。図6は、本実施の形態に従うリファレンス計測において用いられるユーザインターフェイス画面500のレイアウト例を示す図である。ただし、ユーザインターフェイス画面500は、後述する機能を実現できるレイアウトであればよく、図6以外のレイアウトであってもよい。例えば、図6中のスタートボタン502が選択されることにより、図5に示す処理が開始される。
図5を参照して、プロセッサ152は、信号処理装置20を介して、センサ30から出力される振動信号を取得する(ステップS30)。具体的には、プロセッサ152は、センサ30Aから参照モータに対応する振動信号Dfを取得し、センサ30Bから載置台70に対応する振動信号Dbを取得する。
プロセッサ152は、所定時間(例えば、数十〜数百m秒)蓄積された振動信号Df,Dbを、1/3オクターブ分析(以下、単に「オクターブ分析」とも称する。)する(ステップS32)。本実施の形態では、各振動信号は、1/3バンドパスフィルタによって、例えば0Hzから20kHzまでの48バンドに分離され、バンド(すなわち、周波数帯域)ごとに信号強度(振動強度)が平均化される。以下の説明では、周波数帯域において平均化された信号強度を、単に「周波数帯域の信号強度」とも称する。
プロセッサ152は、振動信号Df,Dbのオクターブ分析結果をディスプレイ158に表示する(ステップS34)。具体的には、プロセッサ152は、図6に示すユーザインターフェイス画面500の表示領域504に振動信号Dfのオクターブ分析結果を表示し、表示領域506に振動信号Dbのオクターブ分析結果を表示する。
図6を参照して、表示領域504には、振動信号Dfにおける各周波数帯域の信号強度が棒グラフにより示されている。表示領域506には、振動信号Dbにおける各周波数帯域の信号強度が棒グラフにより示されている。
表示領域508には、各周波数帯域の信号強度の平均値の時間変化が表示される。または、表示領域508には、変位、速度、あるいは加速度を縦軸に設定して、振動の時間波形を表示することもできる。図6の例では、CH1が選択されているため、振動信号Dfについての当該平均値の時間変化が表示されている。
再び、図5を参照して、プロセッサ152は、各周波数帯域について、参照モータに対応する当該周波数帯域の信号強度と、載置台70に対応する当該周波数帯域の信号強度との差分を算出し、各周波数帯域における当該差分をリファレンスデータRとしてメモリ154に記憶して(ステップS36)、リファレンス計測工程を終了する。差分は、参照対象物の信号強度から載置台70の信号強度を減算したものである。なお、プロセッサ152は、リファレンスデータRをディスプレイ158に表示してもよい。
(異常判定工程)
本実施の形態に従う異常判定工程においては、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度と、リファレンス工程において算出されたリファレンスデータRとを比較することにより、モータ60の振動状態の異常レベルを判定する。具体的には、図1を参照して、モータ60を載置台70に載置した状態で、モータ60および載置台70の各々について、各周波数帯域の信号強度が計測される。
図7は、本実施の形態に従う異常判定工程の一例を示すフローチャートである。図8は、本実施の形態に従う異常判定において用いられるユーザインターフェイス画面600のレイアウト例を示す図である。ただし、ユーザインターフェイス画面600は、後述する機能を実現できるレイアウトであればよく、図7以外のレイアウトであってもよい。例えば、図8中のスタートボタン602が選択されることにより、図7に示す処理が開始される。
図7を参照して、プロセッサ152は、信号処理装置20を介して、センサ30から出力される振動信号を取得する(ステップS50)。具体的には、プロセッサ152は、センサ30Aからモータ60に対応する振動信号Doを取得し、センサ30Bから載置台70に対応する振動信号Dbを取得する。
プロセッサ152は、所定時間(例えば、数十〜数百m秒)蓄積された振動信号Do,Dbを、1/3オクターブ分析する(ステップS52)。プロセッサ152は、各周波数帯域について、当該周波数帯域の振動信号Doの信号強度から、当該周波数帯域における振動信号Dbの信号強度を減算した差分を算出する(ステップS54)。プロセッサ152は、各周波数帯域の当該差分を、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度データPとしてメモリ154に記憶する(ステップS56)。プロセッサ152は、信号強度データPからリファレンスデータRを減算した差分Hを算出する(ステップS58)。すなわち、各周波数帯域の差分Hが算出される。
プロセッサ152は、周波数帯域ごとに差分Hと複数の閾値Th1,Th2,Th3とを比較することにより、各周波数帯域におけるモータ60の振動状態の異常レベルを判定する(ステップS60)。
図9は、本実施の形態に従う判定テーブル700を示す図である。判定テーブル700は、差分Hおよび閾値Th1〜Th3の関係を示す条件と、異常レベルと、判定結果と、振動状態とが関連付けられたテーブルである。図9の例では、差分Hが0以上かつ閾値Th1未満である場合には、異常レベルは「0」であり、判定結果は「OK」であり、振動状態は「正常」となる。すなわち、異常レベル「0」は、最も異常レベルが低く、振動状態が正常であると判定されるレベルである。
差分Hが閾値Th1以上かつ閾値Th2未満である場合には、異常レベルは「1」であり、判定結果は「OK」であり、振動状態は「注意」であり、モータ60の状態確認が推奨される。すなわち、異常レベル「1」は、モータ60の異常とは判定されないが、注意が必要なレベルであることを示している。
差分Hが閾値Th2以上かつ閾値Th3未満である場合には、異常レベルは「2」であり、判定結果は「OK」であり、振動状態は「注意」であり、モータ60のメンテナンスが推奨される。すなわち、異常レベル「2」は、モータ60の異常とは判定されないが、異常レベル「1」よりも異常レベルが高く、より注意が必要なレベルであることを示している。
差分Hが閾値Th3以上である場合には、異常レベルは「3」であり、判定結果は「NG」であり、振動状態は「異常」である。すなわち、異常レベル「3」は、最も異常レベルが高く、モータ60が異常であると判定されるレベルである。
再び、図7を参照して、プロセッサ152は、モータ60における振動状態の異常レベルの判定結果をディスプレイ158に表示する(ステップS62)。具体的には、プロセッサ152は、図8に示すユーザインターフェイス画面600にリファレンスデータRおよび信号強度データPを表示する。
図8を参照して、表示領域604には、リファレンスデータRを示す棒グラフが示されている。
表示領域606には、信号強度データPを示す棒グラフとリファレンスデータRを示す棒グラフとが重畳して表示されている。また、表示領域606には、上述した異常レベルを判定する周波数帯域の判定範囲を視覚的に把握するための表示650と、判定範囲の数値を示すオブジェクト651とが表示される。ユーザは、判定範囲を任意に設定することができる。例えば、ユーザは、判定範囲を示すオブジェクト651を選択して、所望の中心周波数を入力することにより判定範囲を任意に設定できる。
図8の例では、判定範囲として、4Hz〜1.25kHzの中心周波数を有する周波数帯域が選択されている。具体的には、4Hz〜1.25kHzの中心周波数を有する複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域におけるモータ60の振動状態を示す棒グラフが、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様で表示される。以下では、説明の容易化のため、nHzの中心周波数を有する周波数帯域を、「周波数帯域(nHz)」とも称する。
棒グラフ622は周波数帯域(1kHz)の信号強度を示し、棒グラフ624は周波数帯域(1.25kHz)の信号強度を示し、棒グラフ626は周波数帯域(800Hz)の信号強度を示し、棒グラフ628は周波数帯域(1.6kHz)の信号強度を示し、棒グラフ630は周波数帯域(630Hz)の信号強度を示している。
ここで、棒グラフ622が示す周波数帯域(1kHz)の信号強度の異常レベルは「3」である。棒グラフ624が示す周波数帯域(1.25kHz)の信号強度、および棒グラフ626が示す周波数帯域(800Hz)の信号強度の異常レベルは「2」である。棒グラフ628が示す周波数帯域(1.6kHz)の信号強度、および棒グラフ630が示す周波数帯域(630Hz)の信号強度の異常レベルは「1」である。なお、判定範囲に含まれる他の周波数帯域の信号強度の異常レベルは「0」である。
図8を参照すると、異常レベルに応じて、棒グラフが異なる表示態様で表示されていることがわかる。すなわち、棒グラフ622と、棒グラフ624,626と、棒グラフ628,630とは、互いに異なる表示態様で表示されている。例えば、棒グラフの色、模様等を変更することにより表示態様を変化させる。
また、異常レベルが「1」〜「3」(すなわち、振動状態が「異常」または「注意」)である周波数帯域の信号強度を示す棒グラフは、異常レベルが「0」(すなわち、振動状態が「正常」)である周波数帯域の信号強度を示す棒グラフよりも視認しやすい表示態様で表示される。これにより、ユーザは、どの周波数帯域のモータ60の振動状態が「異常」または「注意」であるのかを迅速に把握することができる。なお、異常レベルが高い棒グラフほど、ユーザによりも視認しやすい表示態様で表示されてもよい。
表示領域608には、各周波数帯域の信号強度の平均値の時間変化が表示される。図8の例では、CH2が選択されているため、信号強度データPについての当該平均値の時間変化が表示される。
再び、図7を参照して、プロセッサ152は、モータ60における振動状態の異常レベルの判定結果をメモリ154に記憶して(ステップS64)、異常判定工程を終了する。なお、プロセッサ152は、判定に用いた各種データ(例えば、信号強度データP、差分H)もメモリ154に記憶する。
上述した図7に示すフローチャートに従う処理は、例えば、ユーザにより設定された計測期間(例えば、1時間)において、一定時間(例えば、5分)ごとに繰り返し実行される構成される。また、計測期間において、一定時間ごとにモータ60の信号強度(例えば、各周波数帯域の信号強度の平均値)が算出され、当該信号強度が所定強度以上である場合に図7に示すフローチャートが実行される構成であってもよい。この場合、モータ60の振動状態の異常レベルが高い可能性がある場合にのみ本格的な処理が実行されるため、処理負荷を軽減できるとともにメモリ154に記憶されるデータ量を削減できる。
(トレンド分析工程)
本実施の形態に従うトレンド分析工程においては、異常判定工程において得られた信号強度データPに基づいて、モータ60の振動状態の今後の傾向を分析する工程である。
図10は、本実施の形態に従うトレンド分析工程の一例を示すフローチャートである。図11は、本実施の形態に従うトレンド分析において用いられるユーザインターフェイス画面800のレイアウト例を示す図である。ただし、ユーザインターフェイス画面800は、後述する機能を実現できるレイアウトであればよく、図11以外のレイアウトであってもよい。例えば、図6中のデータボタン503、または図8中のデータボタン603が選択されることにより、図10に示す処理が開始される。
図10を参照して、プロセッサ152は、入力装置156を介したユーザからの指示に従って、トレンド分析対象とする信号強度データPを選択する(ステップS70)。プロセッサ152は、選択した信号強度データPに基づいて、各周波数帯域におけるモータ60の振動状態のうち、基準時点(例えば、2017年9月時点)において異常レベルが高い上位所定数(例えば、5つ)の振動状態を特定し、当該特定した振動状態に対応する周波数帯域を抽出する(ステップS72)。基準時点は、ユーザにより任意に選択可能に構成されている。
次に、プロセッサ152は、抽出された周波数帯域(以下、「抽出周波数帯域」とも称する。)の振動状態について、トレンド予測処理を実行する(ステップS74)。具体的には、プロセッサ152は、抽出周波数帯域における既存(過去)の差分Hの時系列データに基づいて、未来の差分Hの傾向を予測する。例えば、プロセッサ152は、基準時点よりも過去の差分Hの時系列データを近似曲線(例えば、線形近似、指数近似等)により近似して、基準時点よりも未来の差分Hを予測する。また、プロセッサ152は、過去の差分Hの時系列データを回帰分析することによって回帰直線を取得し、当該回帰直線の傾きおよび切片に基づいて未来の差分Hを予測してもよい。
プロセッサ152は、トレンド予測処理の結果をトレンドグラフとしてディスプレイ158に表示する(ステップS76)。具体的には、プロセッサ152は、図11に示すユーザインターフェイス画面800に、抽出周波数帯域に対応する差分Hのトレンドグラフを表示する。
図11を参照して、表示領域804には信号強度データPが棒グラフで表示されている。表示領域804に示す棒グラフは、図7中の表示領域606に示す棒グラフと同様である。また、表示領域804には、信号強度データPにおいて、異常レベルが高い方から5つの振動状態に対応する周波数帯域の抽出結果805が表示されている。例えば、異常レベルが高い方から順に、周波数帯域(1kHz)、周波数帯域(1.25kHz)、周波数帯域(800Hz)、周波数帯域(1.6kHz)、周波数帯域(630Hz)が抽出されている。また、表示領域804には、ユーザにより選択された周波数帯域(16Hz)を示すオブジェクト860と、選択結果861が表示されている。
なお、表示領域804においても、表示650とオブジェクト651とが表示される。そのため、ユーザインターフェイス画面800においても、ユーザは判定範囲を任意に設定することができる。
表示領域806には、差分Hのトレンドグラフとともに、抽出結果805が表示される。また、表示領域806には、所定時点(例えば、2017年9月時点)を基準とした一定期間(例えば、2017年6月〜2017年12月)において、抽出された各周波数帯域に対応する差分Hの時系列データがトレンドグラフとして表示される。
なお、任意の周波数帯域に対応する差分Hの時系列データをトレンドグラフとして表示することもできる。図11の例では、周波数帯域(16Hz)がユーザにより選択されているため、周波数帯域(16Hz)に対応する差分Hの時系列データがトレンドグラフとして表示されている。
ユーザは、表示領域808に示すボタン821,822、あるいは、タッチパネル式の画面上でスライドバーを動かすことにより基準時点を選択することができる。図11の例では、オブジェクト862に示されるように2017年9月が選択されている。ユーザは、ボタン821を選択することにより基準時点を過去のデータに移動させることができ、ボタン822を選択することにより基準時点を新しいデータに進めることができる。表示領域808に示す時間軸は、表示領域806に示されるトレンドグラフの時間軸と連動している。そのため、ユーザは、ボタン821,822を選択して基準時点を変更させることにより、任意の基準時点でのトレンドグラフを確認することができる。図11の例では、表示領域808において2017年9月が選択されているため、それに連動して表示領域806には、選択された基準時点を示すオブジェクト863が表示されている。
基準時点に応じて抽出周波数帯域は変化する。そのため、ユーザは、基準時点に関わらず特定の周波数帯域についての傾向を確認したい場合には、当該特定の周波数帯域を選択しておけばよい。
再び、図10を参照して、プロセッサ152は、トレンドグラフに関するデータをメモリ154に記憶して(ステップS78)、トレンド分析工程を終了する。例えば、プロセッサ152は、抽出周波数帯域、選択周波数帯域、トレンドグラフ等の各種データをメモリ154に記憶する。
図12は、本実施の形態に従うトレンドグラフをより具体的に説明するための図である。図12を参照して、トレンドグラフは、周波数帯域(1kHz)に対応する差分Hを示すグラフ842と、周波数帯域(1.25kHz)に対応する差分Hを示すグラフ844と、周波数帯域(800Hz)に対応する差分Hを示すグラフ846と、周波数帯域(1.6kHz)に対応する差分Hを示すグラフ848と、周波数帯域(630Hz)に対応する差分Hを示すグラフ850と、周波数帯域(16Hz)に対応する差分Hを示すグラフ852とを含む。
また、時間軸に平行な直線830は閾値Th1の位置を示しており、直線832は閾値Th2の位置を示しており、直線834は閾値Th3の位置を示している。ユーザは、各グラフ842〜852と、各直線830〜834とを比較することにより、どの周波数帯域の差分Hが、どの時点で閾値Th1〜Th3以上となるのかを即時に把握することができる。これにより、モータ60の点検、メンテナンス、修理等の機器保全の時期を予測できるため、機器保全を計画的に実施することができる。
<機能構成>
図13は、本実施の形態に従う端末装置10の機能ブロック図である。図13を参照して、端末装置10は、主たる機能構成として、信号入力部202と、強度算出部204と、差分算出部206と、異常判定部208と、表示制御部210と、抽出部212と、予測部214とを含む。これらの各機能は、例えば、端末装置10のプロセッサ152がメモリ154に格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらの機能の一部または全部はハードウェアで実現されるように構成されていてもよい。
信号入力部202は、動作中のモータ60に取り付けられたセンサ30により検出される振動信号Doの入力を受け付ける。具体的には、信号入力部202は、信号処理装置20を介して、センサ30により検出された振動信号Do(ディジタル信号)を受信する。他の局面では、信号入力部202は、参照モータに対応する振動信号Df、および載置台70に対応する振動信号Dbの入力を受け付ける。
強度算出部204は、信号入力部202により受け付けられた振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度を算出する。具体的には、強度算出部204は、モータ60に対応する振動信号Doを1/3オクターブ分析することにより、各周波数帯域の信号強度を算出する。他の局面では、強度算出部204は、参照モータに対応する振動信号Dfの信号強度、および載置台70に対応する振動信号Dbの信号強度を算出する。
ここで、載置台70にモータ60が載置されている場合には、強度算出部204は、各周波数帯域について、振動信号Doにおける当該周波数帯域の信号強度から、振動信号Dbにおける当該周波数帯域の信号強度を減算する。強度算出部204は、各周波数帯域における減算後の信号強度を、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度(例えば、信号強度データP)として算出する。載置台70に参照モータが載置されている場合についても同様にして、載置台70の振動の影響を除外して、参照モータに対応する各周波数帯域の信号強度(例えば、リファレンスデータR)を算出する。
また、載置台70にモータ60が載置されていない場合には、強度算出部204は、振動信号Doにおける各周波数帯域の信号強度を、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度(例えば、信号強度データP)として算出する。同様に、強度算出部204は、振動信号Dfにおける各周波数帯域の信号強度を、参照モータに対応する各周波数帯域の信号強度(例えば、リファレンスデータR)として算出する。
なお、強度算出部204は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)により、各周波数帯域の信号強度を算出する構成であってもよい。
差分算出部206は、複数の周波数帯域の各々について、モータ60に対応する当該周波数帯域の信号強度と、参照モータに対応する当該周波数帯域の信号強度との差分Hを算出する。
異常判定部208は、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度と、所定の閾値とに基づいて、各周波数帯域におけるモータ60の振動状態の異常レベルを判定する。具体的には、異常判定部208は、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における差分Hと複数の閾値Th1〜Th3とを比較することにより、当該周波数帯域におけるモータ60の振動状態の異常レベルを判定する。例えば、異常判定部208は、図9に示す判定テーブル700に従って、異常レベルの判定を実行する。
なお、閾値の数は、3つに限られず、4つ以上であってもよいし、1つ、あるいは2つであってもよい。すなわち、異常レベルを判定するために、少なくとも1つの閾値が設定されていればよい。
表示制御部210は、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域におけるモータ60の振動状態を示す情報を、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様でディスプレイ158に表示させる。具体的には、表示制御部210は、各周波数帯域におけるモータ60の振動状態を示す情報として、図8中の表示領域606に各周波数帯域の信号強度を示す棒グラフを表示する。表示制御部210は、各周波数帯域のモータ60の振動状態の異常レベルに応じて、当該振動状態を示す棒グラフを異なる表示態様で表示する。
表示制御部210は、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度を示す棒グラフ(例えば、図8中の表示領域606に含まれる棒グラフ)と、参照モータに対応する各周波数帯域の信号強度を示す棒グラフ(例えば、図8中の表示領域604に含まれる棒グラフ)とをディスプレイ158に表示させる。また、表示制御部210は、異常レベルが第1レベル(例えば、異常レベル「3」)であると判定された周波数帯域のモータ60の振動状態を示す情報を、第1レベルよりも異常レベルが低い第2レベル(例えば、異常レベル「0」)であると判定された周波数帯域のモータ60の振動状態を示す情報よりも視認しやすい表示態様でディスプレイ158に表示させる。
表示制御部210は、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度を示す棒グラフ(例えば、図8中の表示領域606に含まれる棒グラフ)と、参照モータに対応する各周波数帯域の信号強度を示す棒グラフ(例えば、図8中の表示領域604に含まれる棒グラフ)とをディスプレイ158に表示させる。
抽出部212は、各周波数帯域におけるモータ60の振動状態の中から、異常レベルが高い方から上位所定数(例えば、5つ)の振動状態を特定し、当該特定された振動状態に対応する周波数帯域を抽出する。表示制御部210は、抽出された周波数帯域における差分Hの時系列データをディスプレイ158に表示させる。また、表示制御部210は、各周波数帯域のうち、ユーザにより選択された周波数帯域における差分Hの時系列データをディスプレイ158に表示させる。
予測部214は、メモリ154に記憶された各周波数帯域の差分Hの時系列データに基づいて、各周波数帯域の未来の差分Hを予測する。具体的には、予測部214は、基準時点よりも過去の差分Hの時系列データを回帰分析することにより未来の差分Hを予測する。あるいは、予測部214は、過去の差分Hの時系列データを近似曲線により近似することにより未来の差分Hを予測する。表示制御部210は、予測された各周波数帯域の未来の差分Hをディスプレイ158に表示させる。
<利点>
本実施の形態によると、ユーザは、各周波数帯域の対象物の振動状態に異常があるのか否かを迅速に把握することができる。また、トレンドグラフによる傾向から、機器保全を計画的に実施することができる。また、端末装置10として携帯可能なタブレット端末を用いているため、現場レベルで短時間に計測および判定を行ない、現時点の状態とトレンド確認により、必要に応じて保全検討および対策の実施を行なうことができる。さらに、タッチパネル式のタブレットを用いているため、画面操作感の向上および可搬性の両立を図ることができる。
<その他の実施の形態>
(1)上述した実施の形態では、予め正常であることが既知である参照モータをリファレンスとして用意し、モータ60とリファレンスとを比較することにより得られる差分Hに基づいてモータ60の異常を判定する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度と、周波数帯域ごとに予め設定された閾値とに基づいて、モータ60の異常を判定する構成であってもよい。各周波数帯域の信号強度の閾値は、正常なモータに対応する各周波数帯域の信号強度に設定される。あるいは、各周波数帯域の信号強度の閾値は、第1モータに対応する各周波数帯域の信号強度と、第2モータに対応する各周波数帯域の信号強度との平均値に設定されてもよい。モータの数は2つに限られず3つ以上であってもよく、上記閾値はこれらの上記平均値に設定されてもよい。
この場合、異常判定部208は、複数の周波数帯域の各々について、モータ60に対応する当該周波数帯域の信号強度と、当該周波数帯域に対応する閾値とを比較することにより、当該周波数帯域におけるモータ60の振動状態の異常レベルを判定する。
表示制御部210は、モータ60に対応する、抽出周波数帯域の信号強度の時系列データをトレンドグラフとしてディスプレイ158に表示させる。また、表示制御部210は、モータ60に対応する、ユーザに選択された周波数帯域の信号強度の時系列データをトレンドグラフとしてディスプレイ158に表示させる。
予測部214は、モータ60に対応する各周波数帯域の信号強度の時系列データに基づいて、モータ60に対応する各周波数帯域の未来の信号強度を予測する。表示制御部210は、予測された各周波数帯域の未来の信号強度をディスプレイ158に表示させる。
(2)上述した実施の形態では、振動状態を示す情報として棒グラフを用いる構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、振動状態を示す情報は、棒グラフ以外のグラフで表されてもよいし、信号強度(振動強度)を示す数値であってもよい。
(3)上述した実施の形態において、コンピュータを機能させて、上述のフローチャートで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD(Compact Disk Read Only Memory)、二次記憶装置、主記憶装置およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本実施の形態にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。
(4)上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 端末装置、20 信号処理装置、21 フィルタ、22 増幅器、23 A/Dコンバータ、30 センサ、40 チャージコンバータ、60 モータ、70 載置台、100 振動解析システム、152 プロセッサ、154 メモリ、156 入力装置、158 ディスプレイ、160 無線通信部、162 通信アンテナ、164 メモリインターフェイス、165 記憶媒体、168 スピーカ、170 信号入力インターフェイス、202 信号入力部、204 強度算出部、206 差分算出部、208 異常判定部、210 表示制御部、212 抽出部、214 予測部、500,600,800 ユーザインターフェイス画面、502 スタートボタン、503,603 データボタン、700 判定テーブル、1000 検査システム。

Claims (9)

  1. 動作中の対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力を受け付ける信号入力部と、
    前記対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度を算出する強度算出部と、
    前記対象物に対応する各前記周波数帯域の信号強度と、所定の閾値とに基づいて、各前記周波数帯域における前記対象物の振動状態の異常レベルを判定する異常判定部と、
    前記複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における前記対象物の振動状態を示す情報を、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様でディスプレイに表示させる表示制御部とを備える、振動解析システム。
  2. 前記信号入力部は、動作中の参照対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力をさらに受け付け、
    前記強度算出部は、前記参照対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度をさらに算出し、
    前記複数の周波数帯域の各々について、前記対象物に対応する当該周波数帯域の信号強度と、前記参照対象物に対応する当該周波数帯域の信号強度との差分を算出する差分算出部をさらに備え、
    前記異常判定部は、前記複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における差分と前記所定の閾値とを比較することにより、当該周波数帯域における前記対象物の振動状態の異常レベルを判定する、請求項1に記載の振動解析システム。
  3. 各前記周波数帯域における前記対象物の振動状態のうち、前記異常レベルが高い方から上位所定数の振動状態に対応する周波数帯域を抽出する抽出部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記抽出された周波数帯域における前記差分の時系列データを前記ディスプレイに表示させる、請求項2に記載の振動解析システム。
  4. 前記表示制御部は、各前記周波数帯域のうち、ユーザにより選択された周波数帯域における前記差分の時系列データを前記ディスプレイに表示させる、請求項2または3に記載の振動解析システム。
  5. 各前記周波数帯域の前記差分の時系列データに基づいて、各前記周波数帯域の未来の前記差分を予測する予測部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記予測された各前記周波数帯域の未来の前記差分を前記ディスプレイに表示させる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の振動解析システム。
  6. 前記表示制御部は、前記対象物に対応する各前記周波数帯域の信号強度を示す第1グラフと、前記参照対象物に対応する各前記周波数帯域の信号強度を示す第2グラフとを前記ディスプレイに表示させる、請求項2〜5のいずれか1項に記載の振動解析システム。
  7. 前記所定の閾値は、各前記周波数帯域に対応して設定されており、
    前記異常判定部は、前記複数の周波数帯域の各々について、前記対象物に対応する当該周波数帯域の信号強度と、当該周波数帯域に対応する所定の閾値とを比較することにより、当該周波数帯域における前記対象物の振動状態の異常レベルを判定する、請求項1に記載の振動解析システム。
  8. 前記表示制御部は、前記異常レベルが第1レベルであると判定された周波数帯域の前記対象物の振動状態を示す情報を、前記第1レベルよりも前記異常レベルが低い第2レベルであると判定された周波数帯域の前記対象物の振動状態を示す情報よりも視認しやすい表示態様で前記ディスプレイに表示させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の振動解析システム。
  9. 動作中の対象物に取り付けられたセンサにより検出される振動信号の入力を受け付けるステップと、
    前記対象物に対応する振動信号を分析することにより、複数の周波数帯域の各々における信号強度を算出するステップと、
    前記対象物に対応する各前記周波数帯域の信号強度と、所定の閾値とに基づいて、各前記周波数帯域における前記対象物の振動状態の異常レベルを判定するステップと、
    前記複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域における前記対象物の振動状態を示す情報を、当該振動状態の異常レベルに応じた表示態様で表示するステップとを含む、振動解析方法。
JP2017250348A 2017-12-27 2017-12-27 振動解析システム、および振動解析方法 Active JP6887374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017250348A JP6887374B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 振動解析システム、および振動解析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017250348A JP6887374B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 振動解析システム、および振動解析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019117083A true JP2019117083A (ja) 2019-07-18
JP6887374B2 JP6887374B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=67304285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017250348A Active JP6887374B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 振動解析システム、および振動解析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6887374B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021060500A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 三菱パワー株式会社 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
JP2021158909A (ja) * 2020-03-29 2021-10-07 株式会社日立製作所 回転機械を診断する方法およびシステム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0579903A (ja) * 1991-09-19 1993-03-30 Hitachi Ltd 回転機の異常診断方法及びその装置
JPH102843A (ja) * 1996-06-14 1998-01-06 Syst Sogo Kaihatsu Kk 製造工程管理システム
JP2016090546A (ja) * 2014-11-11 2016-05-23 旭化成エンジニアリング株式会社 電流診断装置および電流診断方法
JP2016109647A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 日本精工株式会社 異常診断装置、軸受、回転装置、産業機械及び車両
JP2017142153A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 セイコーエプソン株式会社 寿命予測方法、寿命予測装置、および寿命予測システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0579903A (ja) * 1991-09-19 1993-03-30 Hitachi Ltd 回転機の異常診断方法及びその装置
JPH102843A (ja) * 1996-06-14 1998-01-06 Syst Sogo Kaihatsu Kk 製造工程管理システム
JP2016090546A (ja) * 2014-11-11 2016-05-23 旭化成エンジニアリング株式会社 電流診断装置および電流診断方法
JP2016109647A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 日本精工株式会社 異常診断装置、軸受、回転装置、産業機械及び車両
JP2017142153A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 セイコーエプソン株式会社 寿命予測方法、寿命予測装置、および寿命予測システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
大屋正晴: ""精密騒音計(1/3オクターブ分析機能付き)NA−28オプションプログラム 波形収録カード NX−2", 小林理研ニュース, JPN6021007278, July 2007 (2007-07-01), ISSN: 0004455814 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021060500A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 三菱パワー株式会社 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
JP2021056014A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 三菱パワー株式会社 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
JP7228497B2 (ja) 2019-09-27 2023-02-24 三菱重工業株式会社 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
JP2021158909A (ja) * 2020-03-29 2021-10-07 株式会社日立製作所 回転機械を診断する方法およびシステム
JP7232274B2 (ja) 2020-03-29 2023-03-02 株式会社日立製作所 回転機械を診断する方法およびシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6887374B2 (ja) 2021-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5783808B2 (ja) 異常音診断装置
US10422774B2 (en) System and method for detecting abnormality of rotating machines
EP2837209B1 (en) Method and system for checking an acoustic transducer
US20200191684A1 (en) Vibration analyzer and machine component diagnosis system
JP6489651B2 (ja) 部分放電計測装置、部分放電計測方法、及びプログラム
US10359401B2 (en) Malfunction diagnosing apparatus, malfunction diagnosing method, and recording medium
US9992355B2 (en) Diagnostic apparatus, diagnostic system, and non-transitory computer readable medium
EP3193153B1 (en) Rotating machine abnormality detection device, method and system, and rotating machine
JP6887374B2 (ja) 振動解析システム、および振動解析方法
KR20120113530A (ko) 생체 신호의 피크 검출 방법 및 장치
CN106405254B (zh) 一种低频段电磁环境分析方法及装置
KR101293472B1 (ko) 소음 진동 분석 장치 및 방법
US20210349436A1 (en) Sensor device, data acquisition method, and current monitoring system
JP6553462B2 (ja) 半導体電力変換装置の故障部位特定方法、故障部位特定装置、及び故障部位特定プログラム、並びに、故障部位特定機能を備える半導体電力変換装置
KR101814793B1 (ko) 아날로그-디지털 하이브리드 실시간 진동 측정 장치
US10072968B2 (en) Vibration spectrum adjustment for scales
JP4556123B2 (ja) 波形解析装置
TW202219470A (zh) 振動解析系統及振動解析方法
WO2023132053A1 (ja) 心電図評価装置、心電図評価方法及び記憶媒体
JP6031863B2 (ja) 心音分析装置、心音分析方法および心音分析プログラム
US10594874B2 (en) Malfunction determining apparatus, malfunction determining system, malfunction determining method, and recording medium
JP2007163408A (ja) 部品の良否判定装置及び良否判定方法
JP6798265B2 (ja) 異常判定装置、異常判定システム及び異常判定方法
JP2024031072A (ja) 監視装置、監視方法、及び監視プログラム
JP2022088330A (ja) 経時的な測定値推移を出力するための出力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6887374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250