JP2016109513A - 測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流信号の周波数に拘わらず、周波数スペクトルの算出および出力を確実に実行し、無駄時間の発生を回避する。【解決手段】複数の交流信号S1a〜S1dを入力してサンプリングすることにより交流信号S1a〜S1dのそれぞれの瞬時値を示す瞬時値データD1a〜D1dを1周期分の個数が2のべき乗数であってそれぞれの周波数fa〜fdに応じた個数Na〜Ndとなるように取得して取得データ群D3a〜D3dとして出力するサンプリング部2と、サンプリング部2から出力される取得データ群D3a〜D3dをフーリエ変換することにより交流信号S1a〜S1dについての周波数スペクトルFSa〜FSdを算出するスペクトル算出処理を実行する処理部3とを備え、サンプリング部2は、交流信号S1a〜S1dの周波数fa〜fdが含まれる周波数レンジがより低い周波数レンジになるに従い1周期分の個数Na〜Ndを増加させる。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の交流信号をサンプリングして得られる瞬時値をフーリエ変換することによって各交流信号についての周波数スペクトルを算出する測定装置に関するものである。
この種の測定装置として、下記の特許文献1において本願出願人が開示した測定装置が知られている。この測定装置では、周波数が同じ複数の交流信号について、それぞれの1周期分の瞬時値の個数が同じになるようにサンプリングし、サンプリングして得られた瞬時値をフーリエ変換することで、各交流信号の周波数スペクトルを算出している。
ところで、複数の交流信号の周波数がすべて同じではなく、いくつかの交流信号の周波数が他の交流信号の周波数と異なる場合についても、各交流信号の周波数スペクトルを算出したいとする要請がある。この場合には、下記の特許文献1に開示した測定装置の構成を適用することで、周波数の異なる複数の交流信号についても、それぞれの1周期分の瞬時値の個数が同じになるようにサンプリングし、サンプリングして得られた瞬時値をフーリエ変換することで、各交流信号の周波数スペクトルを算出する構成とすることが考えられる。
特開2012−154764号公報(第6頁、第1図)
ところが、この周波数の異なる交流信号に対して、それぞれの1周期分の瞬時値の個数が同じ(予め規定された個数)になるようにサンプリングし、得られた瞬時値をフーリエ変換することで各交流信号の周波数スペクトルを算出する構成を採用する測定装置には、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、この種の測定装置では、1つの周期内において、この周期内での交流信号の瞬時値を1周期分取得する処理と、直前の周期において取得したこの周期内での交流信号の瞬時値をフーリエ変換して周波数スペクトルを算出する処理とを並列して実行している。
したがって、この測定装置には、周波数の高い交流信号については、1周期も短くなることから、予め規定された個数の瞬時値に対するフーリエ変換の実行開始から、算出した周波数スペクトルの出力の完了までの処理が1周期内で完了しないことがあるという改善すべき課題が存在している。また、この測定装置には、周波数の低い交流信号については、1周期も長くなることから、フーリエ変換の実行開始から周波数スペクトルの出力が完了までの処理が1周期内の早い段階で完了する結果、この周波数スペクトルの出力の完了からこの1周期の終期までの時間が無駄時間になるという改善すべき課題も存在している。
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、入力される交流信号の周波数に拘わらず、周波数スペクトルの算出および出力を確実に実行し得ると共に、無駄時間の発生を回避し得る測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、複数の交流信号を入力してサンプリングすることにより当該複数の交流信号のそれぞれの瞬時値を1周期分の個数が2のべき乗数であってそれぞれの周波数に応じた個数となるように取得して出力するサンプリング部と、前記サンプリング部から出力される前記複数の交流信号についての前記瞬時値をフーリエ変換することにより当該複数の交流信号についての周波数スペクトルを算出するスペクトル算出処理を実行する処理部とを備え、前記サンプリング部は、前記交流信号の前記周波数が含まれる周波数レンジがより低い周波数レンジになるに従い前記1周期分の前記個数を増加させる。
請求項2記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記サンプリング部は、前記複数の交流信号を共通のサンプリングクロックでサンプリングしてそれぞれの前記瞬時値を求めるサンプリング処理と、当該求めた瞬時値に基づいて前記複数の交流信号の前記周波数を検出する周波数検出処理と、当該検出した周波数に基づいて前記複数の交流信号の前記周波数が含まれる前記周波数レンジを特定するレンジ特定処理と、前記サンプリング処理で求めた前記複数の交流信号についての前記瞬時値を前記レンジ特定処理で特定された前記周波数レンジに対応する前記1周期分の前記個数に間引く間引き処理とを実行する。
請求項3記載の測定装置は、請求項1または2記載の測定装置において、前記処理部は、前記スペクトル算出処理において、より高い前記周波数レンジに前記周波数が含まれる前記交流信号についての前記周波数スペクトルの算出を優先して実行する。
請求項4記載の測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の測定装置において、前記複数の交流信号は、複数の当該交流信号からなる1または2以上のグループにグループ分けされ、前記処理部は、前記グループに含まれる全ての前記交流信号についての前記周波数スペクトルの算出が完了したときに、当該周波数スペクトルを2以上組み合わせた演算を実行する。
請求項1記載の測定装置では、サンプリング部は、入力される交流信号の周波数が含まれる周波数レンジがより低い周波数レンジになるに従い、1周期分の瞬時値の個数を増加させる。
したがって、この測定装置によれば、高い周波数レンジに周波数が含まれる交流信号(1周期の短い信号)については、1周期分の瞬時値の個数が少ないことから、この個数の瞬時値に対するFFTを1周期内で確実に完了させることができると共に、低い周波数レンジに周波数が含まれる交流信号(1周期の長い信号)については、1周期分の瞬時値の個数が多くなることから、無駄時間の発生を回避しつつ、より高い精度のFFTを1周期内で確実に完了させることができる。つまり、この測定装置によれば、入力される交流信号の周波数に拘わらず、周波数スペクトルの算出および出力を確実に実行することができると共に、1周期内での無駄時間の発生を確実に回避することができる。
また、請求項2記載の測定装置では、サンプリング部は、複数の交流信号を共通のサンプリングクロックでサンプリングしてそれぞれの瞬時値を求めるサンプリング処理と、求めた瞬時値に基づいて各交流信号の周波数を検出する周波数検出処理と、この検出した周波数に基づいて各交流信号の周波数が含まれる周波数レンジを特定するレンジ特定処理と、サンプリング処理で求めた各交流信号についての瞬時値をレンジ特定処理で特定された周波数レンジに対応する1周期分の個数に間引く間引き処理とを実行する。したがって、この測定装置によれば、各交流信号についての瞬時値をこの交流信号の周波数が含まれる周波数レンジに対応した個数に自動的に間引くことができる。
また、請求項3記載の測定装置では、処理部は、スペクトル算出処理において、より高い周波数レンジに周波数が含まれる交流信号についての周波数スペクトルの算出を優先して実行する。したがって、この測定装置によれば、瞬時値の個数が多いためにFFTの完了までに要する時間が長くなる周波数の低い交流信号のFFTの演算によって、瞬時値の個数が少ない交流信号(高い周波数の信号)のFFTの演算が待たされるといった事態の発生を防止することができ、これにより、より短い時間間隔で周波数スペクトルの算出を行った方が好ましい高い周波数の交流信号に対するFFTの演算を遅延なく実行することができる。
また、請求項4記載の測定装置では、グループに含まれる全ての交流信号についての周波数スペクトルの算出が完了したときに、これらの周波数スペクトルを2以上組み合わせた演算を実行する。したがって、この測定装置によれば、サンプリング部に入力される複数の交流信号に、例えば、1つの三相電路についての3つの相電圧信号が含まれている一方で、これらの相電圧信号とは無関係の交流信号が含まれている場合においても、この交流信号としての3つの相電圧信号を同じグループにグループ分けしておくことにより、各相電圧信号についての周波数スペクトルが揃った状態で、各周波数スペクトルを組み合わせた演算を確実に実行することができる。
測定装置1の構成図である。 測定装置1の動作を説明するための状態遷移図である。 測定装置1の動作を説明するための入力チャンネルCH毎の処理についての手順図である。 測定装置1の動作を説明するための入力チャンネルCH毎の処理についての他の手順図である。
以下、測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す測定装置としての測定装置1は、一例として、サンプリング部2、処理部3、操作部4、記憶部5および出力部6を備え、サンプリング部2に入力される複数の交流信号(本例では一例として、4つの交流信号S1a,S1b,S1c,S1d(以下、特に区別しないときには「交流信号S1」ともいう))についての周波数スペクトルFSa,Fsb,FSc,FSd(以下、特に区別しないときには「周波数スペクトルFS」ともいう)をフーリエ変換(具体的には、高速フーリエ変換(FFT))を実行することによって算出して、出力部6から出力するように構成されている。
サンプリング部2は、一例として、複数の交流信号S1を同時に入力してサンプリングし得るように、複数の入力チャンネルCHを備えている。本例では上記した4つの交流信号S1a〜S1dを同時に入力し得るように、4つの入力チャンネルCHa,CHb,CHc,CHd(以下、特に区別しないときには「入力チャンネルCH」ともいう)を備えている。
なお、本例では一例として、入力チャンネルCHの数は4つとしているが、複数であれば、2つ、3つ、さらには5つ以上とすることもでき、また、本例のように、全ての入力チャンネルCHに交流信号S1を入力してもよいし、一部の複数の入力チャンネルCHにのみ交流信号S1を入力してもよい。
以下、各入力チャンネルCHの構成について説明する。各入力チャンネルCHa,CHb,CHc,CHdは、図1に示すように、入力端子11a,11b,11c,11d(以下、特に区別しないときには「入力端子11」ともいう)、A/D変換部12a,12b,12c,12d(以下、特に区別しないときには「A/D変換部12」ともいう)、周波数検出部13a,13b,13c,13d(以下、特に区別しないときには「周波数検出部13」ともいう)、および間引き部14a,14b,14c,14d(以下、特に区別しないときには「間引き部14」ともいう)をそれぞれ備え、同一に構成されている。このため、以下では、各入力チャンネルCHa〜CHdのうちの入力チャンネルCHaを例に挙げて、その構成をより具体的に説明する。
入力端子11aには、複数の交流信号S1のうちの対応する1つの交流信号S1aが入力される。A/D変換部12aは、入力端子11aに入力される交流信号S1aを他のA/D変換部12b〜12dと共通のサンプリングクロックCLKに同期してサンプリングすることにより、交流信号S1aの瞬時値を示す瞬時値データD1aを出力するサンプリング処理を実行する。
周波数検出部13aは、瞬時値データD1aに基づいて予め規定された単位時間当たりの交流信号S1aの波形数(または零クロスポイント)を検出すると共に、検出した波形数(または零クロスポイント)と単位時間とに基づいて、交流信号S1aの周波数faを検出する周波数検出処理を実行する。なお、周期を検出することも周波数を検出することと等価であるため、本例において周波数を検出することには周期を検出することが含まれるものとする。また、周波数検出部13aは、検出した周波数faを示す周波数データD2aをこの周波数faの周期で間引き部14aに出力する。
間引き部14aは、まず、周波数検出部13aから出力される周波数データD2aを取得して、この周波数データD2aで示される周波数faが、予め規定された複数の周波数レンジのうちのいずれの周波数レンジに含まれるか否かを特定するレンジ特定処理を実行する。次いで、間引き部14aは、この特定した周波数レンジに対応するサンプリング数Na(交流信号S1aの1周期当たりに取得する瞬時値の個数。以下、個数Naともいう)を特定する。続いて、間引き部14aは、A/D変換部12aからサンプリングクロックCLKの周期で出力される瞬時値データD1aを間引きながら取得することにより、交流信号S1aの1周期分の瞬時値データD1aをNa個取得する間引き処理を実行する。最後に、間引き部14aは、取得したNa個の瞬時値データD1aを取得データ群D3aとして、交流信号S1aの周波数データD2aと共に、交流信号S1aの周期で(つまり、1周期分のNa個の瞬時値データD1aの取得が完了する都度)処理部3に出力する。なお、この周波数データD2aについては、間引き部14aに代えて、周波数検出部13aが処理部3に出力する構成とすることもできる。
この間引き部14aについて、例を挙げてより具体的に説明する。
なお、交流信号S1aの周波数スペクトルFSaをFFTを用いて算出するためには、交流信号S1aの1周期分の瞬時値データD1aの個数Naを2のべき乗個とするのが好ましい。また、FFTに要する時間は、瞬時値データD1aの個数Naが多くなるに従い長くなる。このため、処理部3が、間引き部14aから取得した交流信号S1aの1つの周期についての瞬時値データD1aに基づいて、この1つの周期の次の周期内で周波数スペクトルFSaを算出すると共に出力部6への出力を完了させるためには、高い周波数レンジに含まれる周波数faの交流信号S1aでは個数Naを少なくする必要がある。
一方、交流信号S1aが低い周波数レンジに含まれる周波数faのときに、瞬時値データD1aの個数Naを高い周波数レンジのときと同じにした場合、この交流信号S1aは1周期が長いため、間引き部14aから取得した交流信号S1aの1つの周期についての瞬時値データD1aに基づいて、この1つの周期の次の周期の初期から周波数スペクトルFSaの算出を開始したときに、この周波数スペクトルFSaの算出および出力の完了から周期の終期までの時間が多く余り、これが無駄時間となる。このため、交流信号S1aが低い周波数レンジに含まれる周波数faのときには、FFTにおいて使用する1周期分の瞬時値データD1aの個数Naをより多くして、より高い精度の周波数スペクトルFSaを算出するのが好ましい。
以上の理由により、本例の測定装置1では、一例として、0Hzを超え2kHz以下までの周波数範囲を測定周波数範囲として、この測定周波数範囲を、0Hzを超え100Hz以下までの周波数範囲の第1周波数レンジ(低周波数レンジ)、100Hzを超え500Hz以下までの周波数範囲の第2周波数レンジ(中周波数レンジ)、および500Hzを超え2kHz以下までの周波数範囲の第3周波数レンジ(高周波数レンジ)の3つに分割して、第1周波数レンジでは個数Naを8192個(2の13乗個)とし、第2周波数レンジでは個数Naを2048個(2の11乗個)とし、第3周波数レンジでは個数Naを512個(2の9乗個)に規定している。
したがって、本例では、間引き部14aは、まず、周波数検出部13aから出力される周波数データD2aを取得して、この周波数データD2aで示される周波数faが、第1周波数レンジ、第2周波数レンジおよび第3周波数レンジのうちのいずれの周波数レンジに含まれるかを特定する。例えば、周波数faが200Hzのときには、第2周波数レンジを特定する。次いで、間引き部14aは、この特定した周波数レンジに対応する個数Naを特定する。例えば、第2周波数レンジを特定したときには、個数Naを2048個と特定する
続いて、間引き部14aは、A/D変換部12aからサンプリングクロックCLKの周期で出力される瞬時値データD1aを均等に間引いて入力することにより、交流信号S1aの1周期分の瞬時値データD1aをNa個取得する。例えば、交流信号S1aの周波数faが200Hzのときには、交流信号S1aの1周期分の瞬時値データD1aを均等に間引いて2048個取得する。最後に、間引き部14aは、取得したNa個の瞬時値データD1aを取得データ群D3aとして、周波数データD2aと共に処理部3に出力する。
なお、この際に、間引き部14aは、A/D変換部12aから出力される瞬時値データD1aをそのまま間引いて得られるNa個の瞬時値データD1aを取得してもよいし、A/D変換部12aから出力される瞬時値データD1aを使用して各瞬時値データD1a間の擬似波形を補間処理で求め、交流信号S1aの例えば立ち上がりの零クロスポイントから次の立ち上がりの零クロスポイントまでの間をより正確にNa等分して、この擬似波形から得られるNa個の瞬時値データを取得データ群D3aとすることもできる。
他の入力チャンネルCHb,CHc,CHdにおいても、上記した入力チャンネルCHaと同様にして、対応するA/D変換部12、周波数検出部13および間引き部14が動作することにより、各間引き部14b,14c,14dからも、交流信号S1b,S1c,S1dの各周波数fb,fc,fdが含まれる周波数レンジに対応する個数Nb,Nc,Ndの瞬時値データD1b,D1c,D1dで構成される取得データ群D3b,D3c,D3dが各周波数fb,fc,fdを示す周波数データD2b,D2c,D2dと共に交流信号S1b,S1c,S1dの周期で処理部3に出力される。
なお、各周波数fa,fb,fc,fdについては、特に区別しないときには「周波数f」ともいい、各個数Na,Nb,Nc,Ndについては、特に区別しないときには「個数N」ともいう。また、各瞬時値データD1a,D1b,D1c,D1dについても、特に区別しないときには「瞬時値データD1」ともいい、各取得データ群D3a,D3b,D3c,D3dについても、特に区別しないときには「取得データ群D3ともいう。また、各周波数fa,fb,fc,fdについても、特に区別しないときには「周波数f」ともいい、また各周波数データD2a,D2b,D2c,D2dについても、特に区別しないときには、「周波数データD2」ともいう。
処理部3は、例えばコンピュータを用いて構成されて、サンプリング部2から出力される取得データ群D3に基づいて各交流信号S1についての周波数スペクトルFSを算出するスペクトル算出処理を実行する。操作部4は、各入力チャンネルCHのうちの任意の複数個を関連付ける(グループ化する)ための不図示の操作キーが配設されている。また、操作部4は、この操作キーが操作されて複数の入力チャンネルCHに対する関連付け(グループ化)が行われたときには、関連付けされた複数の入力チャンネルCHを示す関連付けデータDreを処理部3に出力する。
記憶部5は、半導体メモリやハードディスク装置などで構成されて、この記憶部5には、処理部3のための動作プログラムが予め記憶されている。また、記憶部5には、処理部3により、関連付けデータDreと、各交流信号S1についての周波数データD2、取得データ群D3および周波数スペクトルFSとが記憶される。出力部6は、一例として、表示装置で構成されて、処理部3から出力される周波数スペクトルFSを画面上に表示する(出力する)。なお、出力部6は、表示装置に代えて外部インターフェース回路で構成することもでき、この構成を採用したときには、処理部3から出力される周波数スペクトルFSを入力すると共に、外部インターフェース回路に接続されている外部装置にこの周波数スペクトルFSを出力する。
次いで、測定装置1の動作について説明する。
まず、操作部4の操作キーに対する操作が行われずに、各入力チャンネルCHのうちのいずれも関連付けされていないときの動作について説明する。
各入力チャンネルCHa,CHb,CHc,CHdの入力端子11a,11b,11c,11dに交流信号S1a,S1b,S1c,S1dが入力されている状態において、サンプリング部2では、各入力チャンネルCHを構成するA/D変換部12、周波数検出部13および間引き部14が、上記したように、共通のサンプリングクロックCLKに同期した各交流信号S1についての瞬時値データD1の出力(サンプリング処理)と、瞬時値データD1に基づく各交流信号S1の周波数fの検出(周波数検出処理)と、各交流信号S1の周波数fが含まれる周波数レンジの特定(レンジ特定処理)と、特定した周波数レンジに対応する各交流信号S1についての1周期分の個数Nの瞬時値データD1の取得(間引き処理)とを実行して、各入力チャンネルCHの間引き部14が、対応する交流信号S1についての周波数データD2と取得データ群D3とをこの交流信号S1の周期で処理部3に出力する。
処理部3は、図2に示すスペクトル算出処理50を実行する。このスペクトル算出処理50では、処理部3は、まず、波形データ待ち状態(ST1)に移行し、その後、発生する後述の遷移条件に応じて、波形データ待ち状態(ST1)、スペクトル算出割り当て判定状態(ST2)、第1スペクトル算出状態(ST3)、第2スペクトル算出状態(ST4)および第3スペクトル算出状態(ST5)のいずれかに移行すると共に、各状態に対して予め規定された動作を実行することで、各交流信号S1についての周波数スペクトルFSを算出して、出力部6から出力させる。
この場合、波形データ待ち状態(ST1)では、処理部3は、各入力チャンネルCHの間引き部14からの周波数データD2および取得データ群D3(以下、まとめて波形データともいう)の出力の有無を検出しており、いずれかの入力チャンネルCHの間引き部14から周波数データD2および取得データ群D3が出力されたことを検出したときには、これらを入力して記憶部5に記憶させた後に、スペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行する。
また、スペクトル算出割り当て判定状態(ST2)では、処理部3は、記憶部5に記憶されている1または2以上の取得データ群D3(スペクトル算出の処理を中断した取得データ群D3およびスペクトル算出の処理を未実行の取得データ群D3の双方。これらの取得データ群D3については後述する)について、その個数Nまたは周波数f(本例では一例として個数N)を検出する。
この検出の結果、処理部3は、記憶部5に記憶されている取得データ群D3のうちの最も瞬時値データD1の個数Nの小さい取得データ群D3が、最小の個数N(本例では512個)の瞬時値データD1で構成される取得データ群D3(つまり、周波数fが最も高い第3周波数レンジに含まれる交流信号S1についての取得データ群D3)であることを検出したときには、FFTの演算資源をこの個数Nが512個の取得データ群D3に割り当てる(つまり、この個数Nが512個の取得データ群D3に対するFFTを実行する)と判別して、第3スペクトル算出状態(ST5)に移行する。
また、処理部3は、記憶部5に記憶されている取得データ群D3のうちの最も瞬時値データD1の個数Nの小さい取得データ群D3が、最小の個数N(本例では512個)の次に小さい個数N(本例では2048個)の瞬時値データD1で構成される取得データ群D3(つまり、本例では周波数fが第2周波数レンジに含まれる交流信号S1についての取得データ群D3)であることを検出したときには、FFTの演算資源をこの個数Nが2048個の取得データ群D3に割り当てる(つまり、この個数Nが2048個の取得データ群D3に対するFFTを実行する)と判別して、第2スペクトル算出状態(ST4)に移行する。
また、処理部3は、記憶部5に記憶されている取得データ群D3のうちの最も瞬時値データD1の個数Nの小さい取得データ群D3が、最小の個数N(本例では512個)の次の次に小さい個数N(本例では、個数Nが最大となる8192個)の瞬時値データD1で構成される取得データ群D3(つまり、本例では周波数fが最も低い第1周波数レンジに含まれる交流信号S1についての取得データ群D3)であることを検出したときには、FFTの演算資源をこの個数Nが8192個の取得データ群D3に割り当てる(つまり、この個数Nが8192個の取得データ群D3に対するFFTを実行する)と判別して、第1スペクトル算出状態(ST3)に移行する。
処理部3は、第1スペクトル算出状態(ST3)、第2スペクトル算出状態(ST4)および第3スペクトル算出状態(ST5)では、各スペクトル算出状態に対応する個数Nの取得データ群D3に対するFFTを実行することにより、この取得データ群D3を構成する瞬時値データD1で示される交流信号S1についての周波数スペクトルFSを算出して、記憶部5に記憶させると共に出力部6から出力させる。また、処理部3は、このようにして周波数スペクトルFSの算出、記憶および出力を完了させたときには、各スペクトル算出状態(ST3,ST4,ST5)からスペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行する。
この各スペクトル算出状態では、処理部3は、スペクトル算出の処理を中断した取得データ群D3、およびこの取得データ群D3と同数であってスペクトル算出の処理を未実行の取得データ群D3の双方が記憶部5に記憶されているときには、スペクトル算出の処理を中断した取得データ群D3についてのスペクトル算出の処理を優先する。また、処理部3は、スペクトル算出の処理を中断した取得データ群D3、およびこの取得データ群D3と同数であって同じくスペクトル算出の処理を中断した取得データ群D3の双方が記憶部5に記憶されているときには、スペクトル算出の処理を先に中断した取得データ群D3についてのスペクトル算出の処理を優先する。また、処理部3は、スペクトル算出の処理を未実行の取得データ群D3、およびこの取得データ群D3と同数であって同じくスペクトル算出の処理を未実行の取得データ群D3の双方が記憶部5に記憶されているときには、先に記憶させた取得データ群D3についてのスペクトル算出の処理を優先する。
また、処理部3は、第1スペクトル算出状態(ST3)および第2スペクトル算出状態(ST4)のいずれのスペクトル算出状態のとき(周波数スペクトルFSの算出中のとき)にも、各入力チャンネルCHの間引き部14からの波形データ(周波数データD2および取得データ群D3)の出力の有無を検出しており、この波形データの出力を検出したときには、この波形データを入力して記憶部5に記憶させる。また、処理部3は、この波形データを構成する取得データ群D3の個数Nが周波数スペクトルFSを算出中の取得データ群D3の個数Nよりも小さいか否かを判別して、小さいときには実行中の周波数スペクトルFSの算出を中断して、スペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行し、小さくない(同じか大きい)ときには、現在のスペクトル算出状態を継続する(実行中の周波数スペクトルFSの算出を継続する)。
処理部3は、このように実行中の周波数スペクトルFSの算出を中断してスペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行したときには、この第2スペクトル算出状態(ST4)において上記したように動作して、記憶部5に記憶されている取得データ群D3のうちの最も瞬時値データD1の個数Nの小さい取得データ群D3に対してFFTの演算資源を割り当てると判別して、この個数Nに対応するスペクトル算出状態(512個のときには第3スペクトル算出状態ST5、2048個のときには第2スペクトル算出状態ST4)に移行する。
一方、処理部3は、第3スペクトル算出状態(ST5)のときには、そもそも最小の個数Nである512個の瞬時値データD1で構成される取得データ群D3に対するFFTを実行して周波数スペクトルFSを算出している状態にある。このため、処理部3は、各入力チャンネルCHの間引き部14からの波形データ(周波数データD2および取得データ群D3)の出力の有無を検出していて、この波形データの出力を検出したときには、この波形データを入力して記憶部5に記憶させるが、この波形データを構成する取得データ群D3の個数Nが周波数スペクトルFSを算出中の取得データ群D3の個数Nよりも小さいか否かの判別は実行せずに、現在実行している取得データ群D3に対するFFTを継続する。したがって、処理部3は、この第3スペクトル算出状態(ST5)のときには、現在実行している周波数スペクトルFSの算出が完了し、かつこの算出した周波数スペクトルFSの記憶および出力を完了させたときにのみ、スペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行する。
これにより、この測定装置1では、処理部3は、基本的な動作として、一の取得データ群D3の瞬時値データD1で示される交流信号S1についての周波数スペクトルFSを算出している最中に、この一の取得データ群D3の個数Nよりも個数Nの小さな他の取得データ群D3がサンプリング部2から出力されたとき(本例では、処理部3がこれを記憶部5に記憶したとき)には、この一の取得データ群D3の瞬時値データD1で示される交流信号S1についての周波数スペクトルFSを中断して、この他の取得データ群D3の瞬時値データD1で示される交流信号S1についての周波数スペクトルFSを優先して実行する。また、この優先して実行した交流信号S1についての周波数スペクトルFSの算出が完了したときには、中断した交流信号S1についての周波数スペクトルFSの算出を再開する。
図3を参照しつつ、具体例を挙げて処理部3のこの基本的な動作について説明する。この例では、一例として、入力チャンネルCHaに入力されている交流信号S1aの周波数faが第2周波数レンジ(中周波数レンジ)に含まれ、入力チャンネルCHbに入力されている交流信号S1bの周波数fbが第1周波数レンジ(低周波数レンジ)に含まれ、入力チャンネルCHcに入力されている交流信号S1cの周波数fcが第3周波数レンジ(高周波数レンジ)に含まれているものとする。また、処理部3が、波形データ待ち状態(ST1)において、最初に、交流信号S1aについての取得データ群D3aの記憶部5への記憶を完了させ、このときに、記憶部5には他の取得データ群D3が記憶されていないものとする。
この場合、処理部3は、取得データ群D3aの記憶部5への記憶の完了後に、スペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行して、交流信号S1aについての取得データ群D3aの個数Na(2048個)が最小であると判別して、この取得データ群D3aにFFTの演算資源を割り当てると判定する。これにより、処理部3は、第2スペクトル算出状態(ST4)に移行して、取得データ群D3aに対するFFTを実行する。なお、この取得データ群D3aに対するFFTの実行中において、図3に示すように、処理部3は、交流信号S1bについての個数Nbが8192個の取得データ群D3bの記憶部5への記憶を完了させるが、この取得データ群D3bの個数Nbは、現在FFTを実行している取得データ群D3aの個数Naよりも大きいと、第2スペクトル算出状態(ST4)において判別する。このため、処理部3は、取得データ群D3aに対するFFTの実行を継続して、交流信号S1aの周波数スペクトルFSaを算出し、このFFTを完了させる。
この後、処理部3は、第2スペクトル算出状態(ST4)からスペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行する。この場合、記憶部5には、個数Nbが8192個の取得データ群D3bのみが記憶されているため、処理部3は、交流信号S1bについての取得データ群D3bの個数Nb(8192個)が最小であると判別して、この取得データ群D3bにFFTの演算資源を割り当てると判定する。これにより、処理部3は、第1スペクトル算出状態(ST3)に移行して、取得データ群D3bに対するFFTを実行する。
図3に示す例では、処理部3は、この取得データ群D3bに対するFFTの実行中において取得した交流信号S1cについての個数Ncが512個の取得データ群D3cの記憶部5への記憶を完了させる。処理部3は、第1スペクトル算出状態(ST3)において、この取得データ群D3cの個数Ncが、FFTを実行している取得データ群D3bの個数Nbよりも小さいと判別する。このため、処理部3は、取得データ群D3bに対するFFTの実行を中断して、第1スペクトル算出状態(ST3)からスペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行する。この場合、処理部3は、個数Nc(512個)が最小であると判別して、この個数Ncの取得データ群D3cにFFTの演算資源を割り当てることを判別する。これにより、処理部3は、第3スペクトル算出状態(ST5)に移行して、取得データ群D3cに対するFFTを実行することで、交流信号S1cの周波数スペクトルFScを算出して、このFFTを完了させる。
この後、処理部3は、第3スペクトル算出状態(ST5)からスペクトル算出割り当て判定状態(ST2)に移行する。この場合、記憶部5には、FFTを中断した交流信号S1bについての取得データ群D3bのみが記憶されている。このため、処理部3は、この取得データ群D3bの個数Nb(8192個)が最小であると判別して、この個数Nbの取得データ群D3bにFFTの演算資源を割り当てると判別する。これにより、処理部3は、第1スペクトル算出状態(ST3)に移行して、取得データ群D3bに対するFFTを再開して、交流信号S1bの周波数スペクトルFSbを算出し、このFFTを完了させる。
次に、操作部4の操作キーに対する操作が行われて、一例として、各入力チャンネルCHのうちの入力チャンネルCHa,CHb,CHdを、入力チャンネルCHa,CHb,CHdのうちのいずれか1つのチャンネル(本例では一例として、入力チャンネルCHb)に同期させるとの関連づけがされているときの動作について説明する。上記の例では、各入力チャンネルCHのいずれも関連付けされておらず、各入力チャンネルCHに入力される交流信号S1について算出された周波数スペクトルFSは単独で出力される構成となっていたが、本例では、関連づけされた入力チャンネルCHa,CHb,CHdに入力される各交流信号S1の周波数スペクトルFSについては、そのままで出力されると共に、相互間で演算された結果(チャンネル間演算の結果)についても出力される。なお、基本的な動作については、上記した関連づけが行われない構成と同一であるため、同じ動作についての説明は省略し、相違する動作を主として説明する。また、相互間での演算の一例として、関連づけされた入力チャンネルCHa,CHb,CHdに入力される各交流信号S1の周波数スペクトルFSの合計値を算出する演算を例に挙げて説明する。
この場合、操作部4は、各入力チャンネルCHのうちの入力チャンネルCHa,CHb,CHdを入力チャンネルCHbに同期させる(関連付けさせる)ことを示す関連付けデータDreを処理部3に出力する。処理部3は、この関連付けデータDreを記憶部5に記憶させる。
例えば、各入力チャンネルCHa,CHb,CHdの入力端子11a,11b,11dには、1つの三相電路についての例えば3つの相電圧信号が交流信号S1a,S1b,S1dとして入力され、入力チャンネルCHcの入力端子11cには、この三相電路についての信号とは無関係の他の電路についての交流電圧(三相電路についての信号よりも高い周波数の電圧)が交流信号S1cとして入力されている状態において、各交流信号S1a,S1b,S1dの周波数スペクトルFSa,FSb,FSdの合計値を算出する演算を実行する場合には、測定装置1のオペレータは、上記のようにして操作部4を操作することで、各入力チャンネルCHのうちの入力チャンネルCHa,CHb,CHdを入力チャンネルCHbに同期させる(関連付けさせる)ことを示す関連付けデータDreを処理部3に出力する。
この場合、各入力チャンネルCHa,CHb,CHdに入力されている交流信号S1a,S1b,S1dは同じ周波数であることから、これらの3つの入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各間引き部14a,14b,14dは、同じ個数Na,Nb,Ndの瞬時値データD1a,D1b,D1dで構成される取得データ群D3a,D3b,D3d、および同じ周波数レンジ(低周波数レンジ)に含まれる同じ周波数fa,fb,fdを示す周波数データD2a,D2b,D2dを処理部3に出力する。一方、残りの入力チャンネルCHcの間引き部14cは、個数Ncの瞬時値データD1cで構成される取得データ群D3c、および周波数レンジ(例えば高周波数レンジ)に含まれる周波数fcを示す周波数データD2cを処理部3に出力する。
この例での処理部3は、各入力チャンネルCHに対する関連づけ(グループ化)を行わない上記の例と基本的に同じ動作を実行しつつ、各入力チャンネルCHに入力された交流信号S1についての周波数スペクトルFSをそれぞれ算出するが、関連づけ(グループ化)されたすべての入力チャンネルCHに対する周波数スペクトルFSが完了したときに、この周波数スペクトルFSを2以上組み合わせた演算を実行する期間を確保するという点で相違する。
この処理部3の動作について、一例として、図4に示す例を挙げて説明する。同図の例では、まず入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各間引き部14が、取得データ群D3および周波数データD2を処理部3にこの順で出力し、その結果として、処理部3は、入力チャンネルCHa,CHb,CHdの順に取得データ群D3および周波数データD2の記憶部5への記憶を完了させて、入力チャンネルCHa,CHb,CHdの順に取得データ群D3に対するFFTを実行する。一方、入力チャンネルCHcの間引き部14cは、入力チャンネルCHaの取得データ群D3aに対するFFTの完了後、入力チャンネルCHbの取得データ群D3bに対するFFTの実行中に、取得データ群D3cおよび周波数データD2cを処理部3に出力する。
この場合、処理部3は、記憶部5への記憶を最初に完了させた入力チャンネルCHaの取得データ群D3aに対するFFTを実行して、このFFTを完了させる。次いで、記憶部5への記憶を次に完了させた入力チャンネルCHbの取得データ群D3bに対するFFTの実行を開始する。続いて、処理部3は、この取得データ群D3bに対するFFTの実行中に、入力チャンネルCHcの取得データ群D3c(取得データ群D3bの個数Nbよりも小さい個数Ncの取得データ群D3c)についての記憶部5への記憶を完了させる。この場合、処理部3は、この個数Ncの小さい取得データ群D3cに対するFFTを優先して実行するため、取得データ群D3bに対するFFTを中断して、取得データ群D3cに対するFFTを実行して、このFFTを完了させる。
続いて、処理部3は、中断した取得データ群D3bに対するFFTを再開して、このFFTを完了させ、次いで、入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各取得データ群D3a,D3b,D3dのうちの最後に記憶部5への記憶を完了させた入力チャンネルCHdの取得データ群D3dに対するFFTの実行して、このFFTを完了させる。処理部3は、関連づけ(グループ化)された入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各取得データ群D3a,D3b,D3dに対するFFTが完了する都度、関連づけされたすべての入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各取得データ群D3a,D3b,D3dに対するFFTが完了したか否かを判別し、関連づけされたすべての入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各取得データ群D3a,D3b,D3dに対するFFTが完了したと判別したときには、関連づけされた入力チャンネルCHについての周波数スペクトルFSを2以上組み合わせた演算(入力チャンネルCH間の演算)を実行する。
この図4に示す例では、入力チャンネルCHdの取得データ群D3dに対するFFTが完了したときに、関連づけされたすべての入力チャンネルCHa,CHb,CHdの各取得データ群D3a,D3b,D3dに対するFFTが完了する。このため、処理部3は、入力チャンネルCHdの取得データ群D3dに対するFFTの完了後に、関連づけされた入力チャンネルCHa,CHb,CHdについての周波数スペクトルFSa,FSb,FSdを2以上組み合わせたチャンネル間演算(本例では、各入力チャンネルCHa,CHb,CHdに入力された交流信号S1a,S1b,S1dの周波数スペクトルFSa,FSb,FSdの合計値を算出するチャンネル間演算)を実行して、その演算結果を記憶部5に記憶させると共に、周波数スペクトルFSa,FSb,FSdと共に出力部6から出力させる。
このように、この測定装置1では、サンプリング部2は、入力される交流信号S1の周波数fが含まれる周波数レンジがより低い周波数レンジになるに従い、1周期分の瞬時値データD1の個数Nを増加させる間引き処理を実行する。
したがって、この測定装置1によれば、高い周波数レンジに周波数が含まれる交流信号S1(1周期の短い信号)については、1周期分の瞬時値データD1の個数Nが少ないことから、この個数Nの瞬時値データD1に対するFFTを1周期内で確実に完了させることができると共に、低い周波数レンジに周波数が含まれる交流信号S1(1周期の長い信号)については、1周期分の瞬時値データD1の個数Nが多くなることから、無駄時間の発生を回避しつつ、より高い精度のFFTを1周期内で確実に完了させることができる。つまり、この測定装置1によれば、入力される交流信号S1の周波数fに拘わらず、周波数スペクトルFSの算出および出力を確実に実行することができると共に、1周期内での無駄時間の発生を確実に回避することができる。ここで、高い精度のFFTとは、瞬時値データD1の個数Nが多いことから、より高い次数の高調波成分を含めることができるFFTをいう。なお、個数Nが多いときには、A/D変換部12での量子化誤差が平均化されるため、これによっても誤差が軽減される(つまり、高精度化が図られる)。
また、サンプリング部2に入力される交流信号S1の周波数fが既知の場合には、各交流信号S1についての1周期分の瞬時値データD1の個数Nを、測定装置1のオペレータが手動で設定することもできる。しかしながら、上記の例の測定装置1におけるサンプリング部2のように、複数の交流信号S1を共通のサンプリングクロックCLKでサンプリングしてそれぞれの瞬時値データD1を求めるサンプリング処理と、求めた瞬時値データD1に基づいて各交流信号S1の周波数fを検出する周波数検出処理と、この検出した周波数fに基づいて各交流信号S1の周波数fが含まれる周波数レンジを特定するレンジ特定処理と、サンプリング処理で求めた各交流信号S1についての瞬時値データD1をレンジ特定処理で特定された周波数レンジに対応する1周期分の個数Nに間引く間引き処理とを実行する構成を採用することにより、交流信号S1についての瞬時値データD1をこの交流信号S1の周波数fが含まれる周波数レンジに対応した個数Nに自動的に間引くことができる。
また、この測定装置1では、処理部3は、スペクトル算出処理において、より高い前記周波数レンジに周波数fが含まれる交流信号S1についての周波数スペクトルFSの算出を優先して実行する。したがって、この測定装置1によれば、瞬時値データD1の個数Nが多いためにFFTの完了までに要する時間が長くなる周波数fの低い交流信号S1のFFTの演算によって、瞬時値データD1の個数Nが少ない交流信号S1(高い周波数fの信号)のFFTの演算が待たされるといった事態の発生を防止することができ、これにより、より短い時間間隔で周波数スペクトルFSの算出を行った方が好ましい高い周波数fの交流信号S1に対するFFTの演算を遅延なく実行することができる。
また、この測定装置1では、処理部3は、関連付けされた(グループに含まれる)全ての交流信号S1についての周波数スペクトルFSの算出が完了したときに、これらの周波数スペクトルFSを2以上組み合わせた演算を実行する。したがって、この測定装置1によれば、サンプリング部2に入力される複数の交流信号S1に、例えば上記したように、1つの三相電路についての3つの相電圧信号が含まれている一方で、これらの相電圧信号とは無関係の交流信号が含まれている場合においても、この交流信号S1としての3つの相電圧信号を関連付けて(グループ化して)おくことにより、各相電圧信号についての周波数スペクトルFSが揃った状態で、各周波数スペクトルFSを組み合わせた演算を確実に実行することができる。
なお、上記の測定装置1では、交流信号S1の周波数fが第1〜第3の3つの周波数レンジのいずれかに含まれる構成を採用しているが、周波数レンジの数は複数である限り、2つでもよいし、4つ以上とすることもできる。また、各周波数レンジに対応する瞬時値データD1の個数Nは、2のべき乗個であればよく、上記の例(2の13乗個、2の11乗個、2の9乗個)に限定されず、任意の2のべき乗個でよい。
また、上記の測定装置1では、複数の交流信号S1中に、関連付け(グループ化)された交流信号S1を1組だけ含める構成を例に挙げて説明したが、関連付け(グループ化)された交流信号S1を2組以上含める構成としてもよいのは勿論である。
1 測定装置
2 サンプリング部
3 処理部
D1 瞬時値データ
FS 周波数スペクトル
N 個数
S1 交流信号

Claims (4)

  1. 複数の交流信号を入力してサンプリングすることにより当該複数の交流信号のそれぞれの瞬時値を1周期分の個数が2のべき乗数であってそれぞれの周波数に応じた個数となるように取得して出力するサンプリング部と、
    前記サンプリング部から出力される前記複数の交流信号についての前記瞬時値をフーリエ変換することにより当該複数の交流信号についての周波数スペクトルを算出するスペクトル算出処理を実行する処理部とを備え、
    前記サンプリング部は、前記交流信号の前記周波数が含まれる周波数レンジがより低い周波数レンジになるに従い前記1周期分の前記個数を増加させる測定装置。
  2. 前記サンプリング部は、前記複数の交流信号を共通のサンプリングクロックでサンプリングしてそれぞれの前記瞬時値を求めるサンプリング処理と、当該求めた瞬時値に基づいて前記複数の交流信号の前記周波数を検出する周波数検出処理と、当該検出した周波数に基づいて前記複数の交流信号の前記周波数が含まれる前記周波数レンジを特定するレンジ特定処理と、前記サンプリング処理で求めた前記複数の交流信号についての前記瞬時値を前記レンジ特定処理で特定された前記周波数レンジに対応する前記1周期分の前記個数に間引く間引き処理とを実行する請求項請求項1記載の測定装置。
  3. 前記処理部は、前記スペクトル算出処理において、より高い前記周波数レンジに前記周波数が含まれる前記交流信号についての前記周波数スペクトルの算出を優先して実行する請求項1または2記載の測定装置。
  4. 前記複数の交流信号は、複数の当該交流信号からなる1または2以上のグループにグループ分けされ、
    前記処理部は、前記グループに含まれる全ての前記交流信号についての前記周波数スペクトルの算出が完了したときに、当該周波数スペクトルを2以上組み合わせた演算を実行する請求項1から3のいずれかに記載の測定装置。
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